JP3848158B2 - 新規のキサントン化合物、その製造および医薬としての使用 - Google Patents
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Description
【0001】
序論
本発明は、新規のキサントン化合物、それらの製造および医薬としての使用に関する。より詳細には、本発明はDasymaschalon sootepense Craib, Annonaceaeからの新規のキサントン天然物の単離、その同定および誘導化、ならびにsootepenseoneおよびその誘導体の抗ガン剤としての使用を意図している。
【0002】
本発明の分野
おそらく癌は、今日世界中で影響を与えている最も活発にヒトに対抗するファクターの1つであり、癌を予防および撲滅するためにあらゆる科学的分野での努力が成されている。
【0003】
癌に対抗してはたらく化学療法的価値のある新規の薬剤は、明らかに重要な医薬的問題である。しかし、抗ガン剤は腫瘍細胞に致命的であるか、または腫瘍細胞を無効力にすべきであるが、正常細胞に対しては過剰な障害を引き起こしてはならないという困難な課題が、癌の分野での新規薬剤の発展に課せられている。癌生態学および薬学化学における現段階の知識では、有効な抗ガン剤である新規の種類の分子設計を確証できない。癌生態学、分子薬理学、薬物動態学、薬学化学および同類の分野において優れた進歩が成されているにもかかわらず、探求された知識はなお理解しにくいものがある。
【0004】
悪性腫瘍疾患の化学療法的治療のコンセプトは、過去10年間の間に先端になったので、植物主成分およびその誘導体は世界中の科学者達により新規抗阻害薬として集中的に調査されてきた。植物由来の重要な抗ガン剤の例は、アルカロイドビンカロイコブラスチン(ビンブラスチン)およびロイロクリスチン(ビンクリスチン)であり、両方ともCatharanthus roseusから単離されている。抗ガン剤としての天然物における包括的な評論は、Shradha SinhaおよびAudha Jainにより、Progress in Drug Research, 第42巻、53〜132ページ(1994)Basel (スイス)に記載されている。
【0005】
本発明の要約
本発明に従って、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
[式中、
R1は、水素原子、メチル基(−CH3)、C2〜C6−アルキル基、ホルミル基(−CHO);アセチル基(−COCH3)、−CO−C2〜C6−アルキル、CO−C3〜C8−シクロアルキル、−CO−C6〜18−アリールまたは−CO−C7〜24−アラルキル基であり、前記の基はそれぞれ場合により、−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−NHCOR2、−NO2、−CN、−(CO)R3、−(CS)R4、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−O−(CO)R5、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール、−SOR6、および−SO2R7(R2〜R7は、相互に独立に水素原子、−C1〜6−アルキル、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有していてもよく;
−COO-C1〜6−アルキル基であり、前記の基は場合により−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−NHCOR8、−NO2、−CN、−(CO)R9、−(CS)R10、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−O−(CO)R11、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール、−SOR12および−SO2R13(R8〜R13は相互に独立に水素原子、−C1〜6−アルキル、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有しており;
−CONR14R15基(R14とR15は相互に独立に水素原子、−C1〜6−アルキル、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール基を表す)であり、
またはアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン、例えば、Li+、Na+、K+、Ca++、Mg++、NR16R17R18R19(+)(その際、R16〜R19は相互に独立に水素原子またはC1〜C6−アルキル基を表す)から成る群から選択される対イオンであり、
R2とR3はC17=R18−二重結合の部分[−C 17 H=C 18 (CH 3 ) 2 ]を形成するかまたはそれぞれ水素原子[−C 17 H 2 −C 18 (CH 3 ) 2 ]を表す]
の新規の細胞毒性のキサントン化合物、互変異性体、鏡像異性体、立体異性体または生理学的に認容性の塩またはその溶媒化合物またはその混合物が提供される。
【0008】
二価または多価性の対陽イオンを有するフェノラートの形の上記の式1による化合物の場合には、残りの正の電荷は生理学的に認容性の陰イオン、例えば、Cl−またはOH−との関連により釣合をとることができる。
【0009】
式Iによる新規化合物(R1は、水素原子であり、R2とR3は、C17〜C18−二重結合の部分を形成する)は、sootepenseone(1)と命名された。
【0010】
本発明の別の側面によれば、Dasymaschalon sootepenseone Craib、Annonaceaeの葉からsootepenseone(1)を単離し、それに引き続く誘導化により、式Iによる化合物を製造する方法を提供する。
【0011】
本発明は、さらに式(I)による化合物の医薬としての使用、特に癌の治療のための前記化合物の使用を提供する。
【0012】
本発明は、さらに式(I)による有効量の化合物を含有する製剤学的調製物を必要とする患者の治療のための前記調製物を提供する。ここで使用されているように、式(I)による有効量の化合物は、患者に投与される場合に、治療される患者において腫瘍細胞の成長を阻害し、悪性細胞を死滅させ、腫瘍の量またはサイズを減少させるかまたは腫瘍を完全に取り除く化合物の量として定義されている。
【0013】
従って、本質的に純粋な化合物は、本発明に従って腫瘍崩壊性の治療が必要な患者への経口投与、局所投与または非経口投与に関して製剤学的に認容性の担体を用いて投与形に調製することができる。
【0014】
有利な実施態様では、患者は動物、特にヒトである。
【0015】
患者に投与すべき有効量は、一般的には体の表面積、患者の体重および患者の状態に基づく。動物またはヒトへの投与量の相互作用(体表面の1平方メートルあたりミリグラムに対する)は、Freireich, E. J. 等により、Cancer Chemother. Rep., 50(4)219 (1966)に記載されている。体の表面積は、患者の身長および体重から近似的に決めることができる(例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardly, N. Y., 537-538ページ(1970)参照)。有利な投与量は、患者に特定の癌性状態の性質および患者の総合的な身体的状態の両方に対する所属医師の評価にもよる。本発明のキサントン化合物の有効的な抗癌剤薬用量は、患者の体重1キログラム当たり、1マイクログラム〜約5000マイクログラムであり、より有利には患者の体重1キログラム当たり、2マイクログラム〜約1000マイクログラムである。
【0016】
有効的な薬用量は、当業者に認識されているように、投与の経路、付形剤の使用量および他の抗ガン剤を含む他の治療法と放射線治療との共同使用の可能性に応じて変化する。
【0017】
本発明の製剤学的調製物は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、腹腔内、局所または静脈内にリポソームの形で投与してもよい。
【0018】
投薬形の例は、等張食塩水、5%グルコースまたは他の公知の製剤学的に認容性の液体担体中の活性剤の水溶液を含む。当業者に周知の付加的な可溶化剤は、活性剤の輸送のための製剤学的付形剤として利用できる。選択的に、本発明の化合物は、化学的に変性、例えば製剤学的に認容性のフェノレート塩を形成することにより水溶解度を高めることができる。
【0019】
本発明の化合物は、公知の方法を使用する他の投与経路のための投薬形に調製することができる。製剤学的組成物は、例えば、カプセル、ジェルシール(gelseal)または錠剤の形で経口投与用の投薬形に調製できる。カプセルは、任意の公知の製剤学的に認容性の材料、例えば、ゼラチンまたはセルロース誘導体を含有してもよい。錠剤は、通常の方法に従って、当業者に公知の活性剤および固体担体ならびに滑剤の混合物を圧縮することにより調製することができる。固体担体の例には、デンプン、糖、ベントナイトが含まれる。本発明の化合物は、例えば、ラクトースまたはマンニトールをバインダーとしてかつ通常の充填剤および成形剤含有のハードシェル(hard shell)錠剤またはカプセルの形で投与することもできる。
【0020】
動物の治療に関する“有効量”および“有効薬用量”という用語は、ここでは、アルカロイドを投与された動物において、許容できない毒性反応を付与することなく癌の成長を減少または阻害するアルカロイドの量を意味する。有効量は、投与方法、投与のスケジュール、腫瘍の種類および他の関連要因により変化し得るが、これらの全ては、本発明の範囲または効力から外れること無く変化する。一般的には、有効薬用量は約0.001〜100.0mg/体重1kg/1日の範囲内である。
【0021】
ここで使用されている“癌”または“腫瘍”という用語は、次に限定されることはないが、副腎細胞眼、神経グリア芽細胞腫(および他の脳腫瘍)、胸部、頸部、結腸直腸、子宮内膜、胃、肝臓、肺(小細胞および小細胞以外)、リンパ腫(ホジキン以外、バーキット、分散大細胞、小胞および分散ホジキンを含む)、黒色腫(転移性)、神経芽細胞腫、骨原性肉腫、卵巣、網膜芽細胞腫、柔組織肉腫、睾丸および化学療法に応答する他の腫瘍を含む。本発明のその他の対象および利点は次の説明により容易に明らかになるであろう。
【0022】
本発明の詳細な説明
式(I)による本発明の化合物は、キサントン五員環系(評論誌:Sultanbawa, M.U.S., Xanthonoids of tropical plant, Tetrahedron 36(1980) 1465-1506参照)を有する。次の天然化合物は類似の環系を有しているものとして報告されている。
【0023】
Gambogic acid(2)、Garcinia hanburyiから単離[Amorosa, M. et al., Ann. Chim. (Rome), 1966, 56, 232; Ahmad, A.S. et al., J. Chem. Soc. (C), 1966, 772(structure); Arnone, A. et al., Tetr. Lett., 1967, 4201(pmr data, structure)参照]、
morellin(3)、Garcinia morellaから単離[Rao, B. S., J. Chem. Soc, 1937, 853(isolation); Kartha, G et al., Tetr. Lett., 1963, 459(cryst. structure); Nair, P. M. et al., Indian J. Chem., 1964, 2, 402(structure)参照]、
hanburin(4)、Garcinia hanburyiから単離[Asano, J. et al., Phytochemistry, 1996, 41, 815(isolation, uv, ir, pmr cmr data)参照]および
forbesione(5)、Garcinia forbesiiから単離[Yuan-Wah eong, Leslie J. Harrison, Graham J. Bennett and Hugh T. -W. Tan, J. Chem. Research (S) 1996, 392-393参照]。
【0024】
これらの化合物はC−5位にイソプレニル側鎖ならびに水素が結合したフェノールヒドロキシ基を有する。Morellin(3)およびgambogic acid(2) は、共通のクロメン環系を有する。(2)〜(5)の全ての化合物は、共通して2,2−ジメチル−テトラヒドロフラン環系に融合したビシクロ[2,2,2]オクテン炭素骨格を有する(図1参照)。
【0025】
しかし、これらの化合物は、本発明の式Iの化合物と比較して著しい構造の違いを示す。
【0026】
1.)C−5イソプレニル側鎖は、酸化されて(3)のようなアルデヒドになるか、または(2)のようなカルボン酸になる;
2.)3,4−位中のジヒドロフラン縮合環は、(4)のように失われるか、またはその代わりに(3)のようにピラノン環が2,3−位中に存在する。
【0027】
3.)(3)および(5)のように、C−5で環系が付加的なイソプレニル側鎖で置換される。
【0028】
対照的に、本発明の化合物は変性したキサントン環系に融合した完全に置換されたジヒドロフラン環を有する(炭素2’を除く)。
【0029】
Dasymaschalon sootepense Craibの分類学に関しては、V. H. Heywood, "Flowering Plants of the World", University Press, Oxford, 1978を参照のこと。
【0030】
意外にも、本発明の化合物は著しい抗腫瘍活性を示す。さらに、本発明の化合物は低い毒性を有する。
【0031】
このように、本発明によるキサントン化合物は新規でありかつ進歩性を伴う。
【0032】
構造(2)〜(5)は、次のようにまとめられる:
【0033】
【化3】
【0034】
例1
sootepenseone(1; VR-3016, D-25637)のDasymaschalon sootepenseからの単離
植物材料を1994年9月にタイ北部のDoitung、Chiangrai 州で採集した。葉を3日間、空気中で天日乾燥(約30〜35℃)させて布袋に貯蔵した。D. sootepense の乾燥粉末状の葉(6.4kg)をヘキサン(110リットル)、クロロホルム(107リットル)およびメタノール(180リットル)の順番で抽出し、相応する抽出物をそれぞれ204.2、192.7および1187.0グラム得た。粗製メタノール抽出物をさらに酢酸エチル(12リットル)−水(4.35リットル)およびnーブタノール(10リットル)−水で分配して、それぞれ酢酸エチル、n−ブタノールおよび水フラクションを103.6、388.7および401.8グラム得た。
【0035】
酢酸エチルフラクション(100グラム)をシリカゲルにおいてクロマトグラフにかけ(Merck no. 7734, 1.62kg, 抽出物をシリカゲル180gで前混合した)、ヘキサン−酢酸エチルと酢酸エチル−メタノールとの混合物で溶離させた。フラクション(それぞれ300ml)をTLCのベース上で合わせて、全部で19フラクションにした(F1〜F19)。7〜8%酢酸エチル−ヘキサンで溶離するフラクションF7(1.10グラム)とF8(0.84グラム)を、ヘキサン−酢酸エチルを溶離溶剤として用いてシリカゲルにおいて繰り返しクロマトグラフにかけた。30%酢酸エチル−ヘキサンで溶離させたフラクションは、淡黄色の固体を生じ、これをラジカルクロマトグラフィーによりさらに精製し(シリカゲル、20%酢酸エチル−ヘキサン)、かつ塩化メチレン−メタノールから再結晶させてVR−3016(0.2373グラム)を得た。母液をHPLC(塩化メチレン)により精製し、続いて同じ溶剤中で再結晶させてさらにVR−3016 0.1103グラムを生じた。前記化合物は、スペクトルデータおよび単結晶x線回折解析に基づいて、sootepenseone 1 と命名された新規の変性キサントン誘導体として同定された。
【0036】
sootepenseone (1)の物理化学データ:
融点192〜193℃
[α]28D−8.00、c=0.075、CHCl3中
元素分析:Found: C, 72.32;H, 6.89
C28H32O6requires : C, 72.39;H, 6.94
IR,λmax CHCl3cm−1:3536, 3033, 3011, 2980, 2932, 1740, 1638, 1590, 1470, 1428, 1382。
【0037】
UV,λmax EtOH nm(log e): 213(3.06), 263(2.18), 326(sh)(2.66),355(2.74)。
【0038】
マススペクトル:m/z(70eV)464(2%), 436(100), 421(45), 367(17. 339(60), 297(40), 281(8), 241(7), 215(28), 69(90)。
【0039】
NMR割当て:1Hおよび13C NMR(300および400Mhz、CDCl3):
別のページを参照のこと。
【0040】
記載された単離方法は図1にまとめられている。
【0041】
sootepenseone (1) の構造のキャラクタリゼーション
sootepenseoneの同定はそのスペクトルデータ、すなわち赤外スペクトル、紫外線スペクトル、、マススペクトルおよび特に1Hn.m.rおよび13Cn.m.rスペクトルの分析により示される。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
相対的立体化学:
sootepenseone (1)の相対的な立体化学は、単結晶X線回折解析により確認した。従って、絶対配置は次に記載される立体化学であるか、またはその相応するエナンチオマー型である。
【0045】
【化4】
【0046】
上記のようなsootepenseone (1)の相対的な立体化学は、式(1)によるsootepenseone誘導体にも適用されるが、但し、選択された反応条件下で、C−5、C−7.C−10a、C−12およびC−22での1個以上のキラル中心で反転またはラセミ化が生じる誘導体を除く。
【0047】
sootepenseone の誘導体の製造
【0048】
【表3】
【0049】
*フェノレート陰イオンに好適な対陽イオンは、例えば、Na+、K+、1/2 Mg++、1/2 Ca++、HN(C1〜6−アルキル)3 +である。
【0050】
化合物6〜13の製造は、当業者に公知の有機化学的に標準の誘導化法によりsootepenseone (1)から出発して達成することができる。
【0051】
例2
1−o−アセチル−sootepenseone (6)の製造
無水酢酸1ml中sootepenseone (1)1mgの溶液を室温で1時間撹拌した。溶剤を水浴中、減圧下で蒸発させた。収量:粗製残留物として(6)1mg。
【0052】
例えば、sootepenseone (7)の塩は、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版1963、6/2巻、“Sauerstoffverbindungen I (oxygen compounds I) part 2”、35ページ以降に記載されている方法および試薬により製造することができる。従って、例えば、好適な塩基の1当量は、好適な溶剤中のsootepenseone1当量と反応させ、次に溶剤を蒸発するか沈殿した塩(7)を濾別することができる。好適な塩基は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物または有機アミンから成る群から選択することができる。
【0053】
OH−基(化合物番号9)のメチル化は、sootepenseone (1)とジアゾメタンから出発して、Mustafa; Hishmat; JOCEAH; J. Org. Chem.; 22; 1957; 1644, 1646 に記載されている方法と同様に達成することができる。
【0054】
OH−基(化合物番号6,8,11および12)のアシル化は、sootepenseone (1)から出発して、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版1985、第E5巻、“Carbonsaeuren und Carbonsaeure-Derivate (carboxylic acids and their derivatives)”、691ページ以降に記載されている方法および試薬と同様に達成することができる。
【0055】
C−1でのOH−基(化合物番号10)のアルキル化は、sootepenseone (1)から出発して、標準的な方法と同様に、かつHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版、第VI/3巻、“Sauerstoffverbindungen(oxygen compounds)、part 3”、Georg Thieme Verlag Stuttgart、1965、49ページ以降に記載されている標準的な試薬を使用して達成することができる。
【0056】
イソプレニルC17−C18二重結合のC17−C17単結合への水素化(式(I)中のR2とR3は、それぞれ水素原子である;化合物番号13)は、例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版、第IV/1c巻、“Reduktion(reduction), part 1”, Georg Thieme Verlag Stuttgart、1981、15ページ以降に記載されている標準的な方法により実施することができる。
【0057】
生物活性:
本発明による化合物は、標準化合物よりも毒性が弱い(表1参照)。他方でsootepenseone (1; D-25637)は、標準化合物としての中空繊維試験においてより活性である(表3参照)。
【0058】
【表4】
【0059】
結果の説明:
sootepenseoneは、アクチノマイシンDよりも少なくとも100倍毒性が弱いが、しかしビンブラスチンよりも16倍毒性が弱く、かつアドリアマイシン、ブレオマイシンよりもそれぞれ60%および20%毒性が弱い。
【0060】
2.in vitroでの抗癌活性(XTT増殖/細胞毒性試験)
XTT−アッセイは、D. A. Scudiero等により、 Cancer Res. 48(september 1, 1988)、4827-4833ページに記載されているように実施した。この方法の結果は、該物質を投与した45分後に対照群と比較して成長を50%阻害する薬用量として示されている。記載されている薬用量の値は、ED50と示されて、かつ活性は≦30μg/mlのED50レベルと表示されている。ED50が小さくなるほど、試験材料はより活性になる。例1で得られたsootepenseone (1)の活性は、以下の表2中にまとめられている。
【0061】
【表5】
【0062】
KB:口腔の表皮癌腫
L1210:マウスのリンパ性白血病
LNCaP:前立腺癌のリンパ腫転移
SK−OV-3:ヒト卵巣癌腫
MCF-7:ヒト乳癌
結果の考察:
D−25637は、全ての試験腫瘍細胞系に対して著しい抗癌活性を有する。
【0063】
3. sootepenseone(v)のin vivo の抗癌活性(中空繊維アッセイ)
中空繊維試験は、Melinda G. Hollingshead 等により、Life Sciences、第57巻、No.2、131〜141ページ、1995に記載されているように実施した。結果は表3中に記載されている。
【0064】
【表6】
【0065】
KB:口腔の表皮癌腫
MCF−7:ヒト乳癌
s.c.皮下
i.p.腹膜内
結果の考察:
D−25637(49%阻害)は、KB腫瘍細胞系に対して、ビンブラスチン(13%)およびアクチノマイシンD(40%)よりも活性であり、かつブレオマイシン(53%)と殆ど同様に活性である。さらに、MCF−7細胞系に対してD−25637はアドリアマイシンと同じ強さの抗癌活性(41%)を示すのに対して、アクチノマイシンD、ブレオマイシンおよびビンブラスチンは腫瘍成長を促進した(負の阻害値は、未処理の対照群と比較して細胞成長の増大を示す)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、sootepenseoneの単離方法を示す。
序論
本発明は、新規のキサントン化合物、それらの製造および医薬としての使用に関する。より詳細には、本発明はDasymaschalon sootepense Craib, Annonaceaeからの新規のキサントン天然物の単離、その同定および誘導化、ならびにsootepenseoneおよびその誘導体の抗ガン剤としての使用を意図している。
【0002】
本発明の分野
おそらく癌は、今日世界中で影響を与えている最も活発にヒトに対抗するファクターの1つであり、癌を予防および撲滅するためにあらゆる科学的分野での努力が成されている。
【0003】
癌に対抗してはたらく化学療法的価値のある新規の薬剤は、明らかに重要な医薬的問題である。しかし、抗ガン剤は腫瘍細胞に致命的であるか、または腫瘍細胞を無効力にすべきであるが、正常細胞に対しては過剰な障害を引き起こしてはならないという困難な課題が、癌の分野での新規薬剤の発展に課せられている。癌生態学および薬学化学における現段階の知識では、有効な抗ガン剤である新規の種類の分子設計を確証できない。癌生態学、分子薬理学、薬物動態学、薬学化学および同類の分野において優れた進歩が成されているにもかかわらず、探求された知識はなお理解しにくいものがある。
【0004】
悪性腫瘍疾患の化学療法的治療のコンセプトは、過去10年間の間に先端になったので、植物主成分およびその誘導体は世界中の科学者達により新規抗阻害薬として集中的に調査されてきた。植物由来の重要な抗ガン剤の例は、アルカロイドビンカロイコブラスチン(ビンブラスチン)およびロイロクリスチン(ビンクリスチン)であり、両方ともCatharanthus roseusから単離されている。抗ガン剤としての天然物における包括的な評論は、Shradha SinhaおよびAudha Jainにより、Progress in Drug Research, 第42巻、53〜132ページ(1994)Basel (スイス)に記載されている。
【0005】
本発明の要約
本発明に従って、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
[式中、
R1は、水素原子、メチル基(−CH3)、C2〜C6−アルキル基、ホルミル基(−CHO);アセチル基(−COCH3)、−CO−C2〜C6−アルキル、CO−C3〜C8−シクロアルキル、−CO−C6〜18−アリールまたは−CO−C7〜24−アラルキル基であり、前記の基はそれぞれ場合により、−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−NHCOR2、−NO2、−CN、−(CO)R3、−(CS)R4、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−O−(CO)R5、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール、−SOR6、および−SO2R7(R2〜R7は、相互に独立に水素原子、−C1〜6−アルキル、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有していてもよく;
−COO-C1〜6−アルキル基であり、前記の基は場合により−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−NHCOR8、−NO2、−CN、−(CO)R9、−(CS)R10、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−O−(CO)R11、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール、−SOR12および−SO2R13(R8〜R13は相互に独立に水素原子、−C1〜6−アルキル、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有しており;
−CONR14R15基(R14とR15は相互に独立に水素原子、−C1〜6−アルキル、−O−C1〜6−アルキル、−O−C6〜14−アリール、−NH2、−NHC1〜6−アルキル、−N(C1〜6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜14−アリール)2、−N(C1〜6−アルキル)(C6〜14−アリール)、−S−C1〜6−アルキル、−S−C6〜14−アリール基を表す)であり、
またはアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン、例えば、Li+、Na+、K+、Ca++、Mg++、NR16R17R18R19(+)(その際、R16〜R19は相互に独立に水素原子またはC1〜C6−アルキル基を表す)から成る群から選択される対イオンであり、
R2とR3はC17=R18−二重結合の部分[−C 17 H=C 18 (CH 3 ) 2 ]を形成するかまたはそれぞれ水素原子[−C 17 H 2 −C 18 (CH 3 ) 2 ]を表す]
の新規の細胞毒性のキサントン化合物、互変異性体、鏡像異性体、立体異性体または生理学的に認容性の塩またはその溶媒化合物またはその混合物が提供される。
【0008】
二価または多価性の対陽イオンを有するフェノラートの形の上記の式1による化合物の場合には、残りの正の電荷は生理学的に認容性の陰イオン、例えば、Cl−またはOH−との関連により釣合をとることができる。
【0009】
式Iによる新規化合物(R1は、水素原子であり、R2とR3は、C17〜C18−二重結合の部分を形成する)は、sootepenseone(1)と命名された。
【0010】
本発明の別の側面によれば、Dasymaschalon sootepenseone Craib、Annonaceaeの葉からsootepenseone(1)を単離し、それに引き続く誘導化により、式Iによる化合物を製造する方法を提供する。
【0011】
本発明は、さらに式(I)による化合物の医薬としての使用、特に癌の治療のための前記化合物の使用を提供する。
【0012】
本発明は、さらに式(I)による有効量の化合物を含有する製剤学的調製物を必要とする患者の治療のための前記調製物を提供する。ここで使用されているように、式(I)による有効量の化合物は、患者に投与される場合に、治療される患者において腫瘍細胞の成長を阻害し、悪性細胞を死滅させ、腫瘍の量またはサイズを減少させるかまたは腫瘍を完全に取り除く化合物の量として定義されている。
【0013】
従って、本質的に純粋な化合物は、本発明に従って腫瘍崩壊性の治療が必要な患者への経口投与、局所投与または非経口投与に関して製剤学的に認容性の担体を用いて投与形に調製することができる。
【0014】
有利な実施態様では、患者は動物、特にヒトである。
【0015】
患者に投与すべき有効量は、一般的には体の表面積、患者の体重および患者の状態に基づく。動物またはヒトへの投与量の相互作用(体表面の1平方メートルあたりミリグラムに対する)は、Freireich, E. J. 等により、Cancer Chemother. Rep., 50(4)219 (1966)に記載されている。体の表面積は、患者の身長および体重から近似的に決めることができる(例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardly, N. Y., 537-538ページ(1970)参照)。有利な投与量は、患者に特定の癌性状態の性質および患者の総合的な身体的状態の両方に対する所属医師の評価にもよる。本発明のキサントン化合物の有効的な抗癌剤薬用量は、患者の体重1キログラム当たり、1マイクログラム〜約5000マイクログラムであり、より有利には患者の体重1キログラム当たり、2マイクログラム〜約1000マイクログラムである。
【0016】
有効的な薬用量は、当業者に認識されているように、投与の経路、付形剤の使用量および他の抗ガン剤を含む他の治療法と放射線治療との共同使用の可能性に応じて変化する。
【0017】
本発明の製剤学的調製物は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、腹腔内、局所または静脈内にリポソームの形で投与してもよい。
【0018】
投薬形の例は、等張食塩水、5%グルコースまたは他の公知の製剤学的に認容性の液体担体中の活性剤の水溶液を含む。当業者に周知の付加的な可溶化剤は、活性剤の輸送のための製剤学的付形剤として利用できる。選択的に、本発明の化合物は、化学的に変性、例えば製剤学的に認容性のフェノレート塩を形成することにより水溶解度を高めることができる。
【0019】
本発明の化合物は、公知の方法を使用する他の投与経路のための投薬形に調製することができる。製剤学的組成物は、例えば、カプセル、ジェルシール(gelseal)または錠剤の形で経口投与用の投薬形に調製できる。カプセルは、任意の公知の製剤学的に認容性の材料、例えば、ゼラチンまたはセルロース誘導体を含有してもよい。錠剤は、通常の方法に従って、当業者に公知の活性剤および固体担体ならびに滑剤の混合物を圧縮することにより調製することができる。固体担体の例には、デンプン、糖、ベントナイトが含まれる。本発明の化合物は、例えば、ラクトースまたはマンニトールをバインダーとしてかつ通常の充填剤および成形剤含有のハードシェル(hard shell)錠剤またはカプセルの形で投与することもできる。
【0020】
動物の治療に関する“有効量”および“有効薬用量”という用語は、ここでは、アルカロイドを投与された動物において、許容できない毒性反応を付与することなく癌の成長を減少または阻害するアルカロイドの量を意味する。有効量は、投与方法、投与のスケジュール、腫瘍の種類および他の関連要因により変化し得るが、これらの全ては、本発明の範囲または効力から外れること無く変化する。一般的には、有効薬用量は約0.001〜100.0mg/体重1kg/1日の範囲内である。
【0021】
ここで使用されている“癌”または“腫瘍”という用語は、次に限定されることはないが、副腎細胞眼、神経グリア芽細胞腫(および他の脳腫瘍)、胸部、頸部、結腸直腸、子宮内膜、胃、肝臓、肺(小細胞および小細胞以外)、リンパ腫(ホジキン以外、バーキット、分散大細胞、小胞および分散ホジキンを含む)、黒色腫(転移性)、神経芽細胞腫、骨原性肉腫、卵巣、網膜芽細胞腫、柔組織肉腫、睾丸および化学療法に応答する他の腫瘍を含む。本発明のその他の対象および利点は次の説明により容易に明らかになるであろう。
【0022】
本発明の詳細な説明
式(I)による本発明の化合物は、キサントン五員環系(評論誌:Sultanbawa, M.U.S., Xanthonoids of tropical plant, Tetrahedron 36(1980) 1465-1506参照)を有する。次の天然化合物は類似の環系を有しているものとして報告されている。
【0023】
Gambogic acid(2)、Garcinia hanburyiから単離[Amorosa, M. et al., Ann. Chim. (Rome), 1966, 56, 232; Ahmad, A.S. et al., J. Chem. Soc. (C), 1966, 772(structure); Arnone, A. et al., Tetr. Lett., 1967, 4201(pmr data, structure)参照]、
morellin(3)、Garcinia morellaから単離[Rao, B. S., J. Chem. Soc, 1937, 853(isolation); Kartha, G et al., Tetr. Lett., 1963, 459(cryst. structure); Nair, P. M. et al., Indian J. Chem., 1964, 2, 402(structure)参照]、
hanburin(4)、Garcinia hanburyiから単離[Asano, J. et al., Phytochemistry, 1996, 41, 815(isolation, uv, ir, pmr cmr data)参照]および
forbesione(5)、Garcinia forbesiiから単離[Yuan-Wah eong, Leslie J. Harrison, Graham J. Bennett and Hugh T. -W. Tan, J. Chem. Research (S) 1996, 392-393参照]。
【0024】
これらの化合物はC−5位にイソプレニル側鎖ならびに水素が結合したフェノールヒドロキシ基を有する。Morellin(3)およびgambogic acid(2) は、共通のクロメン環系を有する。(2)〜(5)の全ての化合物は、共通して2,2−ジメチル−テトラヒドロフラン環系に融合したビシクロ[2,2,2]オクテン炭素骨格を有する(図1参照)。
【0025】
しかし、これらの化合物は、本発明の式Iの化合物と比較して著しい構造の違いを示す。
【0026】
1.)C−5イソプレニル側鎖は、酸化されて(3)のようなアルデヒドになるか、または(2)のようなカルボン酸になる;
2.)3,4−位中のジヒドロフラン縮合環は、(4)のように失われるか、またはその代わりに(3)のようにピラノン環が2,3−位中に存在する。
【0027】
3.)(3)および(5)のように、C−5で環系が付加的なイソプレニル側鎖で置換される。
【0028】
対照的に、本発明の化合物は変性したキサントン環系に融合した完全に置換されたジヒドロフラン環を有する(炭素2’を除く)。
【0029】
Dasymaschalon sootepense Craibの分類学に関しては、V. H. Heywood, "Flowering Plants of the World", University Press, Oxford, 1978を参照のこと。
【0030】
意外にも、本発明の化合物は著しい抗腫瘍活性を示す。さらに、本発明の化合物は低い毒性を有する。
【0031】
このように、本発明によるキサントン化合物は新規でありかつ進歩性を伴う。
【0032】
構造(2)〜(5)は、次のようにまとめられる:
【0033】
【化3】
【0034】
例1
sootepenseone(1; VR-3016, D-25637)のDasymaschalon sootepenseからの単離
植物材料を1994年9月にタイ北部のDoitung、Chiangrai 州で採集した。葉を3日間、空気中で天日乾燥(約30〜35℃)させて布袋に貯蔵した。D. sootepense の乾燥粉末状の葉(6.4kg)をヘキサン(110リットル)、クロロホルム(107リットル)およびメタノール(180リットル)の順番で抽出し、相応する抽出物をそれぞれ204.2、192.7および1187.0グラム得た。粗製メタノール抽出物をさらに酢酸エチル(12リットル)−水(4.35リットル)およびnーブタノール(10リットル)−水で分配して、それぞれ酢酸エチル、n−ブタノールおよび水フラクションを103.6、388.7および401.8グラム得た。
【0035】
酢酸エチルフラクション(100グラム)をシリカゲルにおいてクロマトグラフにかけ(Merck no. 7734, 1.62kg, 抽出物をシリカゲル180gで前混合した)、ヘキサン−酢酸エチルと酢酸エチル−メタノールとの混合物で溶離させた。フラクション(それぞれ300ml)をTLCのベース上で合わせて、全部で19フラクションにした(F1〜F19)。7〜8%酢酸エチル−ヘキサンで溶離するフラクションF7(1.10グラム)とF8(0.84グラム)を、ヘキサン−酢酸エチルを溶離溶剤として用いてシリカゲルにおいて繰り返しクロマトグラフにかけた。30%酢酸エチル−ヘキサンで溶離させたフラクションは、淡黄色の固体を生じ、これをラジカルクロマトグラフィーによりさらに精製し(シリカゲル、20%酢酸エチル−ヘキサン)、かつ塩化メチレン−メタノールから再結晶させてVR−3016(0.2373グラム)を得た。母液をHPLC(塩化メチレン)により精製し、続いて同じ溶剤中で再結晶させてさらにVR−3016 0.1103グラムを生じた。前記化合物は、スペクトルデータおよび単結晶x線回折解析に基づいて、sootepenseone 1 と命名された新規の変性キサントン誘導体として同定された。
【0036】
sootepenseone (1)の物理化学データ:
融点192〜193℃
[α]28D−8.00、c=0.075、CHCl3中
元素分析:Found: C, 72.32;H, 6.89
C28H32O6requires : C, 72.39;H, 6.94
IR,λmax CHCl3cm−1:3536, 3033, 3011, 2980, 2932, 1740, 1638, 1590, 1470, 1428, 1382。
【0037】
UV,λmax EtOH nm(log e): 213(3.06), 263(2.18), 326(sh)(2.66),355(2.74)。
【0038】
マススペクトル:m/z(70eV)464(2%), 436(100), 421(45), 367(17. 339(60), 297(40), 281(8), 241(7), 215(28), 69(90)。
【0039】
NMR割当て:1Hおよび13C NMR(300および400Mhz、CDCl3):
別のページを参照のこと。
【0040】
記載された単離方法は図1にまとめられている。
【0041】
sootepenseone (1) の構造のキャラクタリゼーション
sootepenseoneの同定はそのスペクトルデータ、すなわち赤外スペクトル、紫外線スペクトル、、マススペクトルおよび特に1Hn.m.rおよび13Cn.m.rスペクトルの分析により示される。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
相対的立体化学:
sootepenseone (1)の相対的な立体化学は、単結晶X線回折解析により確認した。従って、絶対配置は次に記載される立体化学であるか、またはその相応するエナンチオマー型である。
【0045】
【化4】
【0046】
上記のようなsootepenseone (1)の相対的な立体化学は、式(1)によるsootepenseone誘導体にも適用されるが、但し、選択された反応条件下で、C−5、C−7.C−10a、C−12およびC−22での1個以上のキラル中心で反転またはラセミ化が生じる誘導体を除く。
【0047】
sootepenseone の誘導体の製造
【0048】
【表3】
【0049】
*フェノレート陰イオンに好適な対陽イオンは、例えば、Na+、K+、1/2 Mg++、1/2 Ca++、HN(C1〜6−アルキル)3 +である。
【0050】
化合物6〜13の製造は、当業者に公知の有機化学的に標準の誘導化法によりsootepenseone (1)から出発して達成することができる。
【0051】
例2
1−o−アセチル−sootepenseone (6)の製造
無水酢酸1ml中sootepenseone (1)1mgの溶液を室温で1時間撹拌した。溶剤を水浴中、減圧下で蒸発させた。収量:粗製残留物として(6)1mg。
【0052】
例えば、sootepenseone (7)の塩は、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版1963、6/2巻、“Sauerstoffverbindungen I (oxygen compounds I) part 2”、35ページ以降に記載されている方法および試薬により製造することができる。従って、例えば、好適な塩基の1当量は、好適な溶剤中のsootepenseone1当量と反応させ、次に溶剤を蒸発するか沈殿した塩(7)を濾別することができる。好適な塩基は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物または有機アミンから成る群から選択することができる。
【0053】
OH−基(化合物番号9)のメチル化は、sootepenseone (1)とジアゾメタンから出発して、Mustafa; Hishmat; JOCEAH; J. Org. Chem.; 22; 1957; 1644, 1646 に記載されている方法と同様に達成することができる。
【0054】
OH−基(化合物番号6,8,11および12)のアシル化は、sootepenseone (1)から出発して、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版1985、第E5巻、“Carbonsaeuren und Carbonsaeure-Derivate (carboxylic acids and their derivatives)”、691ページ以降に記載されている方法および試薬と同様に達成することができる。
【0055】
C−1でのOH−基(化合物番号10)のアルキル化は、sootepenseone (1)から出発して、標準的な方法と同様に、かつHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版、第VI/3巻、“Sauerstoffverbindungen(oxygen compounds)、part 3”、Georg Thieme Verlag Stuttgart、1965、49ページ以降に記載されている標準的な試薬を使用して達成することができる。
【0056】
イソプレニルC17−C18二重結合のC17−C17単結合への水素化(式(I)中のR2とR3は、それぞれ水素原子である;化合物番号13)は、例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (methods in organic chemistry)、第4版、第IV/1c巻、“Reduktion(reduction), part 1”, Georg Thieme Verlag Stuttgart、1981、15ページ以降に記載されている標準的な方法により実施することができる。
【0057】
生物活性:
本発明による化合物は、標準化合物よりも毒性が弱い(表1参照)。他方でsootepenseone (1; D-25637)は、標準化合物としての中空繊維試験においてより活性である(表3参照)。
【0058】
【表4】
【0059】
結果の説明:
sootepenseoneは、アクチノマイシンDよりも少なくとも100倍毒性が弱いが、しかしビンブラスチンよりも16倍毒性が弱く、かつアドリアマイシン、ブレオマイシンよりもそれぞれ60%および20%毒性が弱い。
【0060】
2.in vitroでの抗癌活性(XTT増殖/細胞毒性試験)
XTT−アッセイは、D. A. Scudiero等により、 Cancer Res. 48(september 1, 1988)、4827-4833ページに記載されているように実施した。この方法の結果は、該物質を投与した45分後に対照群と比較して成長を50%阻害する薬用量として示されている。記載されている薬用量の値は、ED50と示されて、かつ活性は≦30μg/mlのED50レベルと表示されている。ED50が小さくなるほど、試験材料はより活性になる。例1で得られたsootepenseone (1)の活性は、以下の表2中にまとめられている。
【0061】
【表5】
【0062】
KB:口腔の表皮癌腫
L1210:マウスのリンパ性白血病
LNCaP:前立腺癌のリンパ腫転移
SK−OV-3:ヒト卵巣癌腫
MCF-7:ヒト乳癌
結果の考察:
D−25637は、全ての試験腫瘍細胞系に対して著しい抗癌活性を有する。
【0063】
3. sootepenseone(v)のin vivo の抗癌活性(中空繊維アッセイ)
中空繊維試験は、Melinda G. Hollingshead 等により、Life Sciences、第57巻、No.2、131〜141ページ、1995に記載されているように実施した。結果は表3中に記載されている。
【0064】
【表6】
【0065】
KB:口腔の表皮癌腫
MCF−7:ヒト乳癌
s.c.皮下
i.p.腹膜内
結果の考察:
D−25637(49%阻害)は、KB腫瘍細胞系に対して、ビンブラスチン(13%)およびアクチノマイシンD(40%)よりも活性であり、かつブレオマイシン(53%)と殆ど同様に活性である。さらに、MCF−7細胞系に対してD−25637はアドリアマイシンと同じ強さの抗癌活性(41%)を示すのに対して、アクチノマイシンD、ブレオマイシンおよびビンブラスチンは腫瘍成長を促進した(負の阻害値は、未処理の対照群と比較して細胞成長の増大を示す)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、sootepenseoneの単離方法を示す。
Claims (14)
- 一般式I
R1は、水素原子、メチル基(−CH3)、C2〜C6−アルキル基、ホルミル基(−CHO);アセチル基(−COCH3)、−CO−C2〜C6−アルキル、CO−C3〜C8−シクロアルキル、−CO−C6〜C18−アリールまたは−CO−C7〜C24−アラルキル基であり、前記の基はそれぞれ場合により、−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−NHCOR 20 、−NO2、−CN、−(CO)R 21 、−(CS)R4、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−O−(CO)R5、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール、−SOR6および−SO2R7(R 20 、R 21 、R4〜R7は、相互に独立に水素原子、−C1〜C6−アルキル、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有していてもよく;
−COO-C1〜C6−アルキル基であり、前記の基は場合により−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−NHCOR8、−NO2、−CN、−(CO)R9、−(CS)R10、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−O−(CO)R11、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール、−SOR12および−SO2R13(R8〜R13は相互に独立に水素原子、−C1〜C6−アルキル、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有しており;
−CONR14R15基(R14とR15は相互に独立に水素原子、−C1〜C6−アルキル、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール基を表す)であり、
またはLi +、Na+、K+、Ca++、Mg++、およびNR16R17R18R19(+)(式中、R16〜R19は相互に独立に水素原子またはC1〜C6−アルキル基を表す)から成る群から選択される対陽イオンであり、
R2とR3はC17=C18−二重結合の部分[−C17H=C18(CH3)2]を形成するかまたはそれぞれ水素原子、[−C17H2−C18(CH3)2]を表す]
の化合物、またはその互変異性体、鏡像異性体、立体異性体または生理学的に認容性の塩またはその溶媒化合物またはその混合物。 - R1が水素原子であり、かつR2とR3がC17=C18−二重結合の部分を形成する(Sootepenseone)、請求項1に記載の式Iの化合物。
- 次の工程:
(a)Dasymaschalon sootepenseone Graib, Annonaceae の葉を増大する極性のオーダーで有機溶剤を用いて連続的に抽出し、
(b)最も高い極性の粗製抽出物を水とわずかに混和性の極性有機溶剤との混合物で分配し、
(c)好適な溶剤を用いるクロマトグラフィーにより有機抽出物を精製し、
(d)場合により、sootepenseone含有のフラクションを有する工程c)を繰り返し、かつ
(e)場合により再結晶により精製する
を含む、請求項1または2に記載の式Iの化合物(その際、R1は水素原子であり、かつR2とR3は、C17=C18−二重結合の部分を形成する)(Sootepenseone)の製法。 - 請求項1に記載の式I(式中、R1は水素陰イオンである)の化合物と少なくとも1当量の好適な無機または有機塩基とを反応させて相応するフェノレート塩を得る、請求項1に記載の式I[その際、R1 はLi +、Na+、K+、Ca++、Mg++、およびNR16R17R18R19(+)(その際、R16〜R19は相互に独立に水素原子またはC1〜C6−アルキル基であり、かつR2とR3は、C17=C18二重結合の部分を形成する)から成る群から選択される対陽イオンである]の化合物の製法。
- 請求項1に記載の化合物(式中、R1は請求項1に記載のものを表し、かつR2とR3は、C17=C18二重結合の部分を形成する)と水素とを、好適な触媒の存在または不在で反応させる工程を含む、請求項1に記載の式I(その際、R1は請求項1に記載のものを表し、かつR2とR3は、それぞれ水素原子である)の化合物の製法。
- 請求項1に記載の化合物[その際、R1は水素原子であるか、またはLi +、Na+、K+、Ca++、Mg++、およびNR16R17R18R19(+)(その際、R16〜R19は相互に独立に水素原子またはC1〜C6−アルキル基である)から成る群から選択される対陽イオンである]と好適なアルキル化剤またはアシル化剤とを、塩基の存在または不在で反応させる工程を含む、請求項1に記載の式I
[式中、
R1は、メチル基(−CH3)、C2〜C6−アルキル基、ホルミル基(−CHO);アセチル基(−COCH3)、−CO−C2〜C6−アルキル、CO−C3〜C8−シクロアルキル、−CO−C6〜C18−アリールまたは−CO−C7〜C24−アラルキル基であり、前記の基はそれぞれ場合により、−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−NHCOR 20 、−NO2、−CN、−(CO)R 21 、−(CS)R4、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−O−(CO)R5、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール、−SOR6および−SO2R7(R 20 、R 21 、R4〜R7は、相互に独立に水素原子、−C1〜C6−アルキル、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有していてもよく;
−COO-C1〜C6−アルキル基であり、前記の基は場合により−OH、−SH、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−NHCOR8、−NO2、−CN、−(CO)R9、−(CS)R10、−F、−Cl、−Br、−I、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−O−(CO)R11、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール、−SOR12および−SO2R13(R8〜R13は相互に独立に水素原子、−C1〜C6−アルキル、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール基を表す)から成る群から選択される1種以上の置換基を有しており;
−CONR14R15基(R14とR15は相互に独立に水素原子、−C1〜C6−アルキル、−O−C1〜C6−アルキル、−O−C6〜C14−アリール、−NH2、−NHC1〜C6−アルキル、−N(C1〜C6−アルキル)2、−NHC6〜C14−アリール、−N(C6〜C14−アリール)2、−N(C1〜C6−アルキル)(C6〜C14−アリール)、−S−C1〜C6−アルキル、−S−C6〜C14−アリール基を表す)であり、かつR2とR3はC17=C 18−二重結合の部分を形成するかまたはそれぞれ水素原子を表す]の化合物の製法。 - 医薬として使用するための請求項1または2に記載の式Iの化合物。
- 抗ガン剤として使用するための請求項1または2に記載の式Iの化合物。
- 請求項1または2に記載の少なくとも1種の式Iの化合物を、場合により一般的に使用される生理学的に認容性の担体、希釈剤および/または付形剤と一緒に含有する、ヒトまたは動物の疾患の治療において使用するための医薬。
- 請求項1または2に記載の少なくとも1種の式Iの化合物を、場合により一般的に使用される生理学的に認容性の担体、希釈剤および/または付形剤と一緒に含有する、ヒトまたは動物の癌病治療において使用するための医薬。
- ヒトまたは動物の疾患の治療における医薬を製造するための請求項1または2に記載の式Iの化合物の使用。
- 癌を治療するための医薬を製造するための請求項1または2に記載の式Iの化合物の使用。
- 請求項1または2に記載の1種以上の式Iの化合物を、場合により一般的に使用される生理学的に認容性の担体、希釈剤および/または付形剤と一緒に加工して、好適な薬剤形にすることを特徴とする、請求項9または10に記載の医薬の製法。
- 請求項3から6までのいずれか1項に記載の方法により得られる請求項1に記載の式Iの化合物。
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