JP3845618B2 - 可溶性ピロロキノリンキノン−依存性グルコースデヒドロゲナーゼのバリアント - Google Patents

可溶性ピロロキノリンキノン−依存性グルコースデヒドロゲナーゼのバリアント Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、可溶性ピロロキノリンキノン(PQQ )依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(s-GDH )の改良されたバリアント、変異s-GDH をコードする遺伝子、グルコースに対する改良された基質特異性を有するs-GDH の変異タンパク質、およびこれらのs-GDH バリアントの種々の適用(特にサンプル中の糖、特にグルコースの濃度を測定する)に関する。
【0002】
PQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.99.17)の2つの型が特徴を有している:1つは膜結合(m-GDH )であり、もう1つは可溶性(s-GDH )である。両型は、重要な配列相同性を全く共有しない(Cleton-Jansen, A.M. ら, Mol Gen Genet 217(1989)430-6;Cleton-Jansen, A.M. ら, Antonie Van Leeuwenhoek 56(1989)73-9;Oubrie, A.ら, Proc Natl Acad Sci USA 96(1999)11787-91 )。これらはまた、その動力学的特性および免疫学的特性の両方に関しても異なっている(Matsushita, K.ら, Bioscience Biotechnology & Biochemistry 59(1995)1548-1555 )。
【0003】
キノタンパク質は、補因子としてキノンを使用して、アルコール、アミンおよびアルドースを対応するラクトン、アルデヒドおよびアルドン酸(aldolic acid)へ酸化する(Duine, J.A. Energy generation and the glucose dehydrogenase pathway in Acinetobacter「The biology of Acinetobacter」(1991)295-312, New York, Plenum Press ;Duine, J.A., Eur J Biochem 200(1991)271-84, Davidson, V.L.「Principles and applications of quinoproteins」(1993)本全部, New York, Marcel Dekker ;Anthony, C., Biochem J 320(1996)697-711 ;Anthony, C. およびGhosh, M., Current Science 72(1997)716-727;Anthony, C., Biochem Soc Trans 26(1998)413-7;Anthony, C. およびGhosh, M., Prog Biophys Mol Biol 69(1998)1-21 )。キノタンパク質の中でも、非共有結合補因子2,7,9-トリカルボキシ-1H-ピロロ[2,3-f] キノリン-4,5- ジオン(PQQ )を含むものは、最も大きなサブグループを構成する(Duine 1991, 前出)。これまで知られている全ての細菌グルコースデヒドロゲナーゼは、補欠分子団としてPQQ を含むこのサブグループに属する(Anthony およびGhosh 1997前出, Goodwin およびAnthony 1998, 前出)。
【0004】
細菌において、2つの完全に異なる型のPQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(EC1.1.99.17 ):可溶性型(s-GDH )および膜結合型(m-GDH )が存在する(Duine ら, 1982;Matsushitaら, 1989a,b )。m-GDH は、グラム陰性細菌に広く行き渡っているが、しかし、s-GDH は、Acinetobacter 株(A.calcoaceticus (Duine, 1991a;Cleton-Jansen ら, 1988;MatsushitaおよびAdachi, 1993)およびA.baumannii (JP11243949)など)の血漿周辺(periplasmatic )隙にのみ見出されている。
【0005】
配列データベース探索を通して、全長A.calcoaceticus s-GDH に相同な2つの配列が、E.coli K-12 およびSynechocystis sp. において同定されている。さらに、A.calcoaceticus s-GDH に相同な2つの不完全配列も、P.aeruginosaおよびボルデテラ・ペルツシス(Bordetella pertussis)のゲノムにおいてそれぞれ見出された(Oubrieら1999a )。これら4つの特徴のないタンパク質の演繹アミノ酸配列は、完全に変換された推定活性部位に多くの残基を有するA.calcoaceticus s-GDH に密接に関連する。これらの相同タンパク質は、類似の構造を有し、類似のPQQ 依存性反応を触媒すると考えられる(Oubrieら, 1999a )。
【0006】
細菌s-GDH およびm-GDH は、全く異なる配列および異なる基質特異性を有することが見出されている。例えば、A.calcoaceticus は、2つの異なるPQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(1つはインビボで活性なm-GDH 、もう一方はインビトロでのみ活性が示され得るs-GDH を示す)を含む。Cleton-Jansen ら(1988;1989a,b )は、2つのGDH 酵素をコードする遺伝子をクローニングし、これらのGDH 遺伝子の両方のDNA 配列を決定した。m-GDH とs-GDH との間に明らかな相同性は存在せず、m-GDH およびs-GDH は2つの完全に異なる分子を表すという事実を確証する。
【0007】
A.calcoaceticus 由来のs-GDH の遺伝子は、E.coliにおいてリーダー配列および強力なプロモーターの後ろにクローニングされている。細胞中で合成された後、s-GDH は、細胞質膜を介して血漿周辺隙へ転位する(Duine, J.A. Energy generation and the glucose dehydrogenase pathway in Acinetobacter「The biology of Acinetobacter」(1991)295-312, New York, Plenum Press, Matsushita, K. およびAdachi, O. Bacterial quinoproteins glucose dehydrogenase and alcohol dehydrogenase「Principles and applications of Quinoproteins」(1993)47-63, New York, Marcel Dekker)。A.calcoaceticus 由来のネイティブs-GDH などのE.coliで発現されるs-GDH はまた、1モノマーあたり1つのPQQ 分子および3つのカルシウムイオンを有するホモダイマーである(Dokterら, 1986前出, 1987前出1988前出;Olsthoorn, A. およびJ. Duine, J.A., Arch Biochem Biophys 336 (1996)42-8 ;Oubrie, A.ら, J Mol Biol 289(1999)319-33, Oubrie, A.ら, Proc Natl Acad Sci USA 96(1999)11787-91, Oubrie, A. ら, Embo J 18(1999)5187-94)。s-GDH は、幅広い範囲の単糖類および二糖類を対応するケトンへ酸化し、さらにアルドン酸へ加水分解し、また電子をPMS (フェナジンメトサルフェート)、DCPIP (2,6-ジクロロフェノールインドフェノール)、WB(Wurster ブルー)および短鎖ユビキノン(例えば、ユビキノンQ1およびユビキノンQ2)(Matsushita, K., ら, Biochemistry 28 (1989) 6276-80; Matsushita, K.ら, Antonie Van Leeuwenhoek 56 (1989) 63-72 )、いくつかの人工電子アクセプター(例えば、N-メチルフェナゾニウム硫酸メチル)(Olsthoorn, A. J.およびDuine, J. A., Arch Biochem Biophys 336 (1996) 42-8 ; Olsthoorn, A. J. およびDuine, J. A., Biochemistry 37 (1998) 13854-61 )ならびに電気伝導ポリマー(Ye, L.ら, Anal. Chem. 65 (1993) 238-41)に供与し得る。
【0008】
グルコースに対するs-GDH の高い特異的活性(Olsthoorn, A. J.およびDuine, J. A., Arch Biochem Biophys 336 (1996) 42-8)およびその広い人工電子アクセプター特異性を考慮すると、この酵素は、分析的用途(特に、診断用途におけるグルコース決定のための(バイオ)センサーまたは試験ストリップにおける使用)に充分適切である(Kaufmannら, 1997前出)。
【0009】
グルコース酸化は、少なくとも3つの完全に別個の群の酵素によって、すなわち、NAD 依存性、色素連結グルコースデヒドロゲナーゼによって、フラビンタンパク質グルコースオキシダーゼによってまたはキノタンパク質GDH (Duine 1995)によって触媒され得る。還元s-GDH のかなり緩やかな自己酸化(autooxidation )が観察されており、酸素がs-GDH に対する非常に不十分な電子アクセプターであることを示す(Olsthoorn およびDuine 1996)。s-GDH は、効率的に電子をPMS 、DCPIP 、WBおよび短鎖ユビキノン(例えば、Q1およびQ2)供与し得るが、効率的に酸素に直接電子を供与することはできない。
【0010】
例えば、糖尿病患者由来の血液、血清および尿中のグルコースレベルをモニタリングするための伝統的な試験ストリップおよびセンサーは、グルコースオキシダーゼを使用する。しかし、グルコースオキシダーゼは、その電子を酸素へ移動するので、酸素はこの酵素に基づくグルコース測定にネガティブな影響を有し得ることが公知である。PQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼの主な利点は、その酸素からの独立である。この重要な特性は、例えば、米国特許第6,103,509 号(膜結合GDH のいくつかの特性が研究されている)に考察される。
【0011】
当該分野に対する重要な貢献は、適切な基質と共にs-GDH を使用することである。s-GDH に基づくアッセイ方法および試験ストリップデバイスは、詳細に米国特許第5,484,708 号に開示される。この特許はまた、グルコース測定のためのアッセイのセットアップおよびs-GDH ベースの試験ストリップの産生における詳細な情報を含む。引用文書になお記載される方法は、参考としてこれと共に含まれる。
【0012】
当該分野に関連しグルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素についての種々の様式の応用法における特定の情報を含む他の特許または応用法は、米国特許第5,997,817 号; 同第6,057,120 号; 欧州特許第620 283 号; および日本国特許第11-243949-A 号である。
【0013】
s-GDH および反応が生じる場合の色変化を生成する指示薬を利用する商業的システム(Kaufmannら 1997 )は、Roche Diagnostics GmbHにより配布されるGlucotrend(登録商標)システムである。
【0014】
上記で考察された重要な利点にもかかわらず、s-GDH の主要な固有の問題がまた存在する。s-GDH は、m-GDH と比較してかなり広い基質スペクトルを有する。すなわち、s-GDH はグルコースだけではなくいくつかの他の糖(マルトース、ガラクトース、ラクトース、マンノース、キシロースおよびリボース)も酸化する(Dokterら, 1986a )。グルコース以外の糖に対する反応性は、特定の場合、幾人かの糖尿病患者における血中グルコースレベルを測定する精度を減じ得る。特に、イコデキストリン(グルコースポリマー)で処置される腹膜透析の患者は、その体液、例えば、血液中に高いレベルの他の糖、特にマルトースを含み得る(Wens, R.ら, Perit Dial Int 18 (1998) 603-9)。
【0015】
従って、例えば、糖尿病患者、特に腎臓合併症を有する患者および特に透析下の患者から得られるような臨床サンプルは、有意なレベルの他の糖、特にマルトースを含み得る。このような臨床患者から得られたサンプルにおけるグルコース測定は、マルトースによって減損され得る。
【0016】
変化した基質特異性を示す修飾PQQ 依存性s-GDH の産生を試みた文献において珍しい報告がある。ネガティブな結果に起因して、これらの努力のほとんどは、公開されていない。Igarashi, S.ら, (1999)は、Glu277位への点変異の導入は、変化した基質特異性プロフィールを有する変異体をもたらすことを報告する。しかし、これらの変異体はいずれも、例えば、キシロース、ガラクトースまたはマルトースと比較して、少なくとも2倍増加したグルコースに対する改善特異性をもたらさない。
【0017】
s-GDH の特徴、特にそのグルコースに対する特異性の改善を目指す当該分野で公知の試みは、グルコース以外の糖も高いレベルで有する患者におけるグルコースレベルの正確なモニタリングに必要とされる程度まで成功していないことが要約され得る。
【0018】
従って、顕著な需要および臨床的必要性が、基質としてのグルコースに対する改善特異性を特色にするs-GDH の変異体形態に対して存在する。
【0019】
他の選択された糖分子、例えば、ガラクトースまたはマルトースなどと比較して有意に改善されたグルコースに対する基質特異性を有するs-GDH の新規な変異体またはバリアントを提供することが本発明の課題である。
【0020】
驚くべきことに、他の糖と比較して有意にグルコースに対するs-GDH の基質特異性を改善し、少なくとも部分的に当該分野で公知の上記問題を克服する可能性が見出されている。
【0021】
他の選択された糖分子と比較してグルコースに対する基質特異性は、本明細書中で以下に記載されるような本発明に従い、かつ添付の特許請求の範囲の変異体s-GDH を提供することによって有意に改善されている。s-GDH の新規形態の改善基質特異性に起因して、種々の分野の適用におけるグルコース測定に対する有意な技術進歩が可能である。
【0022】
発明の要旨:
他の選択された糖と比較して基質としてのグルコースに対する改善基質特異性を有するs-GDH 変異体を提供することが可能であることが現在驚くべきことに見出されている。特にマルトースと比較して有意に高いグルコースに対する基質特異性を示す新規なs-GDH バリアントが、開示される。
【0023】
開示されるものはまた、野生型酵素と比較して本質的に等しい基質としてのグルコースに対する特異的活性を示すが他の選択された糖分子に対する活性は著しく減少している変異体s-GDH 分子である。
【0024】
種々の他の基質分子のうちの1つに対する変異体の特異的活性のこのような比較は、野生型酵素(例えば、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus )から単離されるような)の本来の酵素活性に基づき、野生型酵素の本来の酵素活性に関して計算される。
【0025】
改善特徴、特に増加したグルコースに対する特異性を示す変異したs-GDH タンパク質およびこのようなタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列もまた、提供される。
【0026】
348 位および428 位からなる群から選択されるA.calcoaceticus 由来の公知のs-GDH 野生型配列(配列番号:24)の位置に対応するアミノ酸位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含むs-GDH 変異体は、改善特徴、特にグルコースに対する改善特異性を有するs-GDH 酵素を提供することがわかっている。348 位で置換を含むバリアントは、グルコース特異性に著しいポジティブ効果を示す。
【0027】
生物学的サンプル中のグルコースの特異的検出または測定に顕著な利点を有する改善s-GDH 変異体は、特に試験ストリップデバイスまたはバイオセンサーにおいて使用され得る。
【0028】
以下の実施例、参考、配列表および図面は、本発明(その真の範囲は添付の特許請求の範囲に示される)の理解を助けるように提供される。示された手順における修飾が本発明の趣旨から逸脱せずになされ得ることが理解される。
【0029】
発明の詳細な説明:
第一の態様において、本発明は、PQQ 依存性可溶性グルコースデヒドロゲナーゼ(s-GDH )としてまた知られているEC1.1.99.17 の可溶性形態の変異体に関し、この変異体は、対応する野生型酵素と比較して、および少なくとも1つの他の選択された糖基質に関して、少なくとも2倍改善されたグルコースに対する基質特異性を有することに特徴を有する。
【0030】
本発明において与えられた方向は、s-GDH の任意の公知の単離物または未知の単離体に容易に適用される。これらの野生型単離体は、それらから作製されるバリアントに対する特異性における相対的な改善を評価するために使用され得る。
【0031】
配列番号:24に対応するAcinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41の野生型酵素は、周知であり、充分に特徴付けられている。研究下の異なる野生型酵素が充分に特徴付けられていない場合、Acinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41由来のs-GDH を参考として使用することは有利である。さらに好ましい態様において、s-GDH の改善バリアントの特徴は、この野生型酵素と比較される。従って、本発明はまた、s-GDH の変異体に関し、この変異体は、配列番号:24の野生型酵素と比較して、および少なくとも1つの他の選択された糖基質に関して、少なくとも2倍増加したグルコースに対する基質特異性を有することに特徴を有する。
【0032】
上記のように、共にEC1.1.99.17 に分類されるグルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する2つの完全に異なる酵素ファミリーが、今のところ特徴付けられている。しかし、これらの2つの酵素ファミリーは、互いに関連しないことが明らかである。
【0033】
本発明の目的のため、GDH の可溶性形態(s-GDH )のみが関連し、その改善バリアントは、本明細書中で以下に考察される。
【0034】
可溶性PQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼの野生型DNA 配列は、Acinetobacter の株から単離され得ることが当該分野で公知である。最も好ましいものは、Acinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41からの単離である。この野生型s-GDH (成熟タンパク質)の配列は、図1および配列番号:24に与えられる。Acinetobacter の他のLMD 株はまた、野生型s-GDH の供給源として使用され得る。このような配列は、A.calcoaceticus から得られた配列に整列され、配列比較がなされ得る(図2を参照)。例えば、上記にE.coli K-12 について記載される(Oubrie, A.ら, J Mol Biol 289 (1999) 319-33)ように他の細菌株のDNA ライブラリーをスクリーニングすること、およびこのようなゲノム中のs-GDH に関する配列を同定することが可能であることが明らかでもある。このような配列および未だ未同定の相同配列は、グルコースに対する改善基質特異性を有するs-GDH 変異体を作製するために使用され得る。
【0035】
本発明の意義における用語「変異体」または「バリアント」は、対応する野生型配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を示すs-GDH タンパク質に関する。当該分野における専門家は、このような変異s-GDH のポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチドを産生するために種々の可能性があることを正しく認識する。もちろん、1つ以上のアミノ酸の付加または欠失を含む変異体を作製することも可能である。
【0036】
本発明に従う変異体は、少なくとも1つの他の選択された糖基質と比較して対応する野生型酵素と比較して少なくとも2倍改善されたグルコースに対する基質特異性を有することに特徴を有する。
【0037】
基質特異性または交差(cross )反応性を算出するために、1つの簡易な方法は、基質としてグルコースを用いて測定された活性を100 %に設定し、他の選択された糖を用いて測定された活性をグルコースの値と比較することである。時には、重複しないように、単純に用語、特異性は、特別な参考なしに一方ではグルコースに対して、他方では選択された他の糖基質に対して使用される。
【0038】
当該分野の専門家は、(反応)活性((re-)activity )の比較は、充分に定義されたアッセイ条件を用いて研究される基質分子の等モル濃度で最もよくなされることを正しく認識する。さもなければ、濃度における差の補正がなされるべきである。
【0039】
標準化され、充分に定義されたアッセイ条件は、特異性(における改善)を評価するために選ばれるべきである。基質としてのグルコースおよび他の選択された糖基質に対するs-GDH の酵素活性は、実施例6に記載されるように測定される。
【0040】
これらの測定に基づいて、交差反応性および特異性(における改善)が評価される。
【0041】
選択された糖に対するs-GDH (交差)反応性%は、
交差反応性[ %] =(活性選択された糖/活性グルコース)×100 %
として計算される。
【0042】
上記式に従う野生型s-GDH のマルトースに対する(交差)反応性は、約105 %として決定されている。ガラクトースに対する野生型s-GDH (交差)反応性は、約50%として測定されている(表1参照)。
【0043】
(改善)特異性は、以下の式:
Figure 0003845618
に従って算出される。
【0044】
野生型酵素と比較した場合、グルコース対マルトース(マルトース/グルコース)(従って、基質としてマルトースを有する)に対する特異性において少なくとも2倍改善を有するs-GDH 形態は、基質としてグルコースを用いて測定した場合の活性のせいぜい52.5%を有する。すなわち、例えば、変異体s-GDH が20%(上記のように決定され、算出される)のマルトースに対する交差反応性を有する場合、従って、野生型s-GDH と比較してこの変異体は5.25倍の改善基質特異性(マルトース/グルコース)を有する。
【0045】
用語、基質に対する「特異的活性」は、当該分野で周知であり、好ましくはタンパク質の量あたりの酵素活性を記載するために使用される。基質としてグルコースまたは他の糖を用いてGDH 分子の特異的活性を決定するための種々の方法が当該分野で公知である(Igarashi, S.ら, Biochem Biophys Res Commun 264(1999)820 )。このような測定に利用可能な方法の1つは、実施例節に詳細に記載される。
【0046】
多くの異なる糖分子を選択し、任意のこのような選択された糖分子と比較してs-GDH のグルコース特異性を研究することは可能であるが、このような比較のため臨床的に関連性のある糖分子を選択することが好ましい。好ましい選択された糖は、マンノース、アロース、ガラクトース、キシロース、およびマルトースからなる群から選択される。より好ましくは、マルトースまたはガラクトースが選択され、変異体s-GDH は、ガラクトースまたはマルトースと比較したグルコースに対する改善基質特異性について試験される。さらに好ましい態様において、選択された糖は、マルトースである。
【0047】
変異s-GDH のグルコース特異性(例えば、マルトース対グルコース)における改善がかなり相当であることが驚くべきことにわかっている。従って、選択された他の糖基質のうち少なくとも1つに対する基質特異性と比較してグルコースに対するこの基質特異性が少なくとも3倍改善されることがさらに好ましい。他の好ましい態様は、グルコースに対する改善基質特異性によって特徴付けられるs-GDH 変異体を含む。この改善は、他の選択された糖分子と比較して少なくとも5倍より高く、または好ましくは少なくとも10倍より高い。
【0048】
s-GDH における変異は、多くの場合、強烈に減少した基質グルコースに対する特異的活性を有する酵素バリアントをもたらす。しかし、(絶対的なまたは全般的な)基質グルコースに対する特異的活性におけるこれらの減少は、慣用的な適用に決定的である。驚くことに、グルコースに対する改善特異性が劇的に減少した全般的な特異的活性に金を使う必要はないことがわかっている。従って、基質グルコースに対する改善特異性を有するs-GDH は、野生型酵素を用いて測定した場合のグルコースに対する特異的活性の少なくとも10%を示すことが好ましい。もちろん、このような変異酵素が野生型s-GDH の各自のグルコース活性の少なくとも20%を示すことがより好ましく、少なくとも50%がより好ましい。
【0049】
さらに好ましい態様において、本発明は、PQQ 依存性可溶性グルコースデヒドロゲナーゼ(s-GDH )としても知られているEC1.1.99.17 の可溶性形態の変異体に関し、この変異体は、
a)グルコースに対する基質特異的反応性が本質的に野生型酵素と等しく、
b)マルトースに対する基質特異的反応性が野生型酵素と比較して30%以下である、
ことに特徴を有する。
【0050】
野生型酵素のグルコースに対する元の酵素活性の少なくとも50%が維持される場合、グルコースに対する基質特異的反応性(また特異的活性ともいう)は、野生型酵素に本質的に等しいと考えられる。好ましいものはまた、野生型酵素について測定される場合のグルコースに対する特異的活性の少なくとも80%を示す変異体であり、より好ましくは少なくとも90%である。
【0051】
かなり驚くべきことに、野生型s-GDH と比較して本質的に等しいグルコースに対する酵素活性を示すが、それにもかかわらず、有意に減少した他の選択された糖、特にマルトースに対する基質特異的反応性を示すこのようなs-GDH 変異体またはバリアントを得ることが可能であることが見出されている。グルコースに対する基質特異的反応性が野生型酵素に本質的に等しく、マルトースに対する基質特異的反応性が野生型酵素と比較して20%以下であるという特徴を有する変異体が、好ましい。さらに好ましくは、マルトース特異的活性が対応する野生型酵素について測定される場合のマルトース特異的反応性の15%またはたった10%以下であり、一方、グルコースに対する特異的活性が対応する野生型酵素のグルコースに対する特異的活性に本質的に等しいこのような変異体である。
【0052】
野生型酵素が充分に特徴付けられていない場合、Acinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41由来のs-GDH を参考として使用することが好ましい。さらに好ましい態様において、s-GDH の改良バリアントの特徴はこの野生型酵素と比較され、従って、本発明は、s-GDH の変異体に関し、この変異体は、配列番号:24の野生型酵素と比較して本質的に等しいグルコースに対する酵素活性を示すが、有意に減少した(少なくとも70%より小さい)少なくとも1つのほかの選択された糖基質に対する基質特異的反応性を示すという特徴を有する。
【0053】
意外なことに、改善基質特異性を有するs-GDH 変異体を作製することが可能であることがわかっており、さらに意外なことに、その点において主要に関連するわずかな充分に定義されたアミノ酸位置であることがわかっている。
【0054】
本発明の成功は、配列番号:24、Acinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41から単離されるようなs-GDH の野生型配列由来の公知のアミノ酸位置を参考することによってかなり詳細に記載される。配列番号:24の位置に対応する異なるs-GDH 単離体におけるアミノ酸位置は、適切な配列比較によって容易に同定される。好ましくは、PileUpプログラムは、このような配列間の相同性または同一性を評価するために使用される。以下本明細書中に提供されるアミノ酸位置は、特定の参考が異なる配列番号または異なるs-GDH 単離体になされない限り、配列番号:24または他のs-GDH 分子においてそれに対応する位置のアミノ酸位置として理解されるはずである。重複を避けるために、わずかな場合のみ、異なる単離体における対応する位置が同じ方法で修飾され得るという事実に続く性質が与えられ、一方、ほとんどの場合は便利さのため単純に配列番号:24由来の対応する位置のみが使用される。
【0055】
アミノ酸置換をs-GDH の348 位に対応する位置で含む変異体は、グルコースに対する特異性に著しい影響を示すことが見出されている。表1に示されるように、少なくともスレオニン348 位のアミノ酸(A.calcoaceticus 由来の野生型s-GDH 配列位置に対応する)が適切な他のアミノ酸で置換される限り、グルコースに対する改善特異性を有する種々のs-GDH バリアントが同定され、作製され得る。
【0056】
従って、本発明の好ましい実施形態は、A.calcoaceticus 由来の公知のs-GDH 野生型配列(配列番号:24)の348 位に対応するアミノ酸位置でアミノ酸残基置換を含むPQQ 依存性s-GDH の変異タンパク質に関する。
【0057】
配列番号:24の348 位および428 位に対応するアミノ酸位置でアミノ酸の複合置換が、グルコースに対する有意な改善特異性を有するs-GDH 変異体またはバリアントを作製するために有利であることもまた、見出されている。
【0058】
Acinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41から単離されるs-GDH の残基348 および428 が、s-GDH の基質結合に寄与することは当該分野では公知ではない(Oubrie, A.ら, Embo J 18 (1999) 5187-94;Oubrie, A. およびDijkstra, B. W., Protein Sci 9 (2000) 1265-73 )。これらのアミノ酸残基の置換が目的の他の糖分子と比較してグルコースに対するs-GDH の基質特異性を変更する化学的または物理的説明は手近ではない。
【0059】
さらに、アミノ酸76の置換もまたs-GDH のグルコース特異性にポジティブな影響を有することが見出されている。
【0060】
さらに好ましい態様において、変異s-GDH は、348 位でのアミノ酸残基スレオニンがアラニン、グリシン、およびセリンからなる群から選択されたアミノ酸残基で置換されることに特徴付けられる。最も好ましい態様において、グリシンは、348 位でスレオニンを置換するために使用される。
【0061】
本発明に従う好ましいs-GDH バリアントの1つの群は、348 位および以下の76、143 、168 、169 および428 位のうち少なくとも1つでアミノ酸残基の置換を含む。
【0062】
まださらなる態様において、PQQ 依存性s-GDH の変異タンパク質は、Acinetobacter calcoaceticus 由来の対応する野生型配列の428 位でアミノ酸残基置換を含む。この野生型配列のアスパラギン残基は、他の適切なアミノ酸残基で置換される。好ましくは、このようなアミノ酸残基は、ロイシン、プロリンおよびバリンからなる群から選択される。428 位のアスパラギンをプロリンで置換することが好ましい。
【0063】
76位アミノ酸グルタミンが置換されて、他の糖分子とのs-GDH 交差反応性によって負う問題を改善し得ることがさらに提供される。この配列位置に対応する他のs-GDH 単離体の配列位置は、配列番号:3に基づく相同性探索によって容易に同定される。従って、別の好ましい態様において、本発明に従う変異体は、Acinetobacter calcoaceticus 由来の対応する野生型配列の76位でグルタミンの置換を含む。
【0064】
配列番号:24の76位に対応する位置でのこのような置換において使用されるアミノ酸をアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、メチオニン、プロリンおよびセリンからなる群から選択することが好ましい。
【0065】
上記のように、A. calcoaceticusから単離された野生型配列に対応するs-GDH 配列の348 位におけるアミノ酸の置換は、s-GDH のグルコース特異性を有意に改善するために使用され得る。さらに改善された変異体が、少なくとも2つのアミノ酸置換を含む変異s-GDH タンパク質を提供することによって得られ、配列番号:24のアミノ酸348 位に対応するアミノ酸が置換される。
【0066】
従って、本発明のさらなる態様は、A. calcoaceticus由来の公知のs-GDH 野生型配列(配列番号:24)の位置に対応するアミノ酸位置で少なくとも2つのアミノ酸残基置換を含む変異s-GDH であり、この置換されたアミノ酸位置は、16、22、76、116 、120 、127 、143 、168 、169 、171 、177 、227 、230 、231 、245 、255 、277 、295 、299 、308 、317 、341 、348 、349 、355 、422 、428 および438 位からなる群から選択され、アミノ酸残基T348が置換される。少なくとも2つの置換されたアミノ酸残基を有するs-GDH バリアントが348 位における置換ならびに76、143 、168 、169 、および428 位を含む位置の群から選択される少なくとも1つの付加置換を含むことがさらに好ましい。
【0067】
さらに好ましい態様において、変異s-GDH において置換される少なくとも2つのアミノ酸位置は、アミノ酸76、348 、および/または428 位からなる群から選択される。
【0068】
348 位および428 位に対応するアミノ酸残基での置換を含む変異体は、他の糖基質と比較してグルコースに対するs-GDH の特異性を改善するのに非常に有利として見出されている。348 位および428 位の両方で置換を含むs-GDH の変異体を設計し、選択することが特に好ましい。最も好ましいものは、上記のような好ましい置換をこれらの位置の両方で含む変異体である。T348G およびN428P を含むs-GDH バリアントが最も好ましい。
【0069】
用語T348G およびN428P は、348 位のスレオニンがグリシンで置換され、428 位のグルタミンがプロリンで置換されることを示すとして当該分野で公知である。
【0070】
さらに348 位および428 位の置換、ならびに76位、127 位および143 位の置換を含む変異s-GDH タンパク質も、本発明の好ましい態様を示す。
【0071】
本発明に従う変異s-GDH タンパク質のさらに好ましい例は、76位および348 位でアミノ酸置換を含み、またこのような変異体は76位および428 位でも置換を含む。まだ別の好ましい態様において、本発明に従う変異s-GDH タンパク質は、76位、348 位および428 位でアミノ酸残基の置換を含む。
【0072】
まださらに好ましい態様において、本発明に従うs-GDH バリアントは、少なくとも3つのアミノ酸置換を含み、この少なくとも3つの置換されたアミノ酸残基は、A. calcoaceticus由来の公知のs-GDH 野生型配列(配列番号:24)のアミノ酸位置に対応し、この置換されたアミノ酸位置は、171 、227 、230 、245 、341 、348 、349 、および428 位からなる群から選択され、アミノ酸残基T348およびN428の両方が置換される。好ましくは、このような3重変異体は、以下の置換:Y171G 、H227F 、P230H 、E245D またはM341V のうちの少なくとも1つを含む。
【0073】
グルコースに対する高い改善特異性を有する好ましいs-GDH バリアントは、245 位または341 位、あるいは両方での置換と組み合わせた348 位および428 位での置換を含む。
【0074】
アミノ酸配列分析は、一方でA. calcoaceticus由来、他方でA. baumannii由来の野生型s-GDH に見出される配列目標がA. calcoaceticus由来の野生型s-GDH に対応する本発明において同定されたグルコースに対する特異性の改善に主に関連する位置あたり、すなわち76、348 、および428 位で非常に保存的であることが明白になることを表す(図2参照)。
【0075】
従って、本発明に従う好ましい態様は、WPXaaVAPS のアミノ酸配列(配列番号:1)を含むPQQ 依存性s-GDH の変異タンパク質であり、このXaa 残基は、スレオニン以外のアミノ酸残基である。配列番号:1は、A. calcoaceticus野生型s-GDH の346 〜352 位またはA. baumannii野生型s-GDH の347 〜353 位に対応する。
【0076】
さらに好ましいものは、s-GDH 変異体であり、配列番号:1におけるXaa は、アラニン、グリシンまたはセリンを示し、最も好ましくは、Xaa はグリシンを示す。
【0077】
TAGXaaVQK のアミノ酸配列(配列番号:2)を含み、Xaa 残基がアスパラギン以外のアミノ酸残基であるPQQ 依存性s-GDH の変異体は、本発明の別の好ましい態様である。配列番号:2は、A. calcoaceticus野生型s-GDH の425 〜431 位またはA. baumannii野生型s-GDH の426 〜432 位に対応する。
【0078】
好ましくは、配列番号:2を含むs-GDH 変異体は、Xaa 残基がロイシン、プロリンおよびバリンからなる群から選択され、最も好ましくはXaa がプロリン残基であることに特徴を有する。
【0079】
変異タンパク質を産生する多数の可能性は、当該分野で公知である。アミノ酸348 位および428 位の重大な重要性および76位の有用性を開示する本発明の重要な知見に基づき、当業者は、ここで、s-GDH のさらに適切なバリアントを容易に産生し得る。例えば、このようなバリアントは、無作為変異誘発(Leung, D. W.ら, Technique 1 (1989) 11-15)および/または直接変異誘発(Hill, D. E. ら, Methods Enzymol 155 (1987) 558-68 )として公知の方法によって得られ得る。所望の特徴を有するタンパク質を産生する代替方法は、少なくとも2つの異なる供給源由来の配列エレメントを含むキメラ構造体を提供すること、または適切なs-GDH 遺伝子を完全に合成することである。当該分野で公知のこのような手順は、本発明に開示される情報と組み合わせて使用されて、配列番号:24の348 位、および/または428 位に対応する配列位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を含むs-GDH の変異体またはバリアントを提供し得る。
【0080】
本発明のs-GDH バリアントは、例えば、Acinetobacter calcoaceticus 型株LMD79.41から単離されたs-GDH 遺伝子から出発することにより、ならびに相同配列から出発することにより、作製されうる。本明細書の文脈において、用語「相同」は、配列番号:24と比べて配列相同性が少なくとも90%である条件で、他の微生物から単離された野生型s-GDH を含むことが意味される。言い換えれば、PileUpプログラムを用いる適切なアラインメントの後、s-GDH のアミノ酸の少なくとも90%が、配列番号:24に記載のアミノ酸と同一である。
【0081】
種々のDNA およびアミノ酸配列は、天然に存在するか、または当該分野で公知の方法を用いて計画的に導入されうることが理解される。これらのバリエーションは、配列番号:24と比べて前記配列における1つ以上のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、逆位または付加により、全体的な配列において10%までアミノ酸の差異を生じうる。かかるアミノ酸置換は、例えば、関与する残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/または両親媒性の性質における類似点に基づいてなされうる。例えば、負に帯電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる;正に帯電したアミノ酸としては、リジンおよびアルギニンが挙げられる;類似の親水性の値を有する非帯電極性ヘッド基(head groups) または非極性ヘッド基を有するアミノ酸としては、以下のものが挙げられる:ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、チロシン。他の予期されるバリエーションとしては、前記ポリペプチドの塩およびエステルならびに前記ポリペプチドの前駆体、例えばリーダー配列として用いられるメチオニン、N-ホルミルメチオニンなどのN-末端置換を有する前駆体が挙げられる。かかるバリエーションは、本発明の範囲および精神から必然的逸脱することなくなされうる。
【0082】
当該分野で公知の手順によりまたは実施例の部分で与えられた手順により、上記任意のs-GDH 変異体をコードするポリヌクレオチド配列を得ることが可能である。したがって、本発明はまた、上記s-GDH 変異体タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド配列を含む。
【0083】
本発明はさらに、宿主細胞においてその発現を指向し得るプロモーター配列に操作可能に連結された本発明の核酸配列を含有する発現ベクターを含む。
【0084】
本発明はさらに、宿主細胞においてその発現を指向し得るプロモーター配列に操作可能に連結された本発明の核酸配列を含有する発現ベクターを含む。好ましいベクターは、図3および4に示されるpACSGDH などのプラスミドである。
【0085】
本発明に有用な発現ベクターは、典型的には、複製起点、DNA 配列の上流に位置するプロモーターを含み、s-GDH バリアントの全部または一部をコードするDNA 配列に続く。s-GDH バリアントの全部または一部をコードするDNA 配列は、転写終結配列および残りのベクターに続く。発現ベクターはまた、当該分野で公知の他のDNA 配列、例えば、発現産物の安定性を提供する安定性リーダー配列、発現産物の分泌を提供する分泌リーダー配列、構造遺伝子の発現が調節される(例えば、増殖培地における栄養素または他の誘導物質の存在または不在により)ことを可能にする配列、形質転換された宿主細胞において表現型選択を提供しうるマーキング配列、および制限エンドヌクレアーゼによる切断のための部位を提供する配列を含みうる。
【0086】
使用される実際の発現ベクターの特性は、使用される宿主細胞に適合する必要がある。例えば、大腸菌細胞系でクローニングされる場合、発現ベクターは、大腸菌細胞のゲノムから単離されたプロモーター(例えば、lac またはtrp )を含むであろう。大腸菌の様々な宿主における適切な複製起点としては、例えば、ColE1 プラスミド複製起点が挙げられる。適切なプロモーターとしては、例えば、lac およびtrp が挙げられる。発現ベクターが、選択可能マーカーをコードする配列を含むこともまた好ましい。選択可能マーカーは、好ましくは抗生物質耐性遺伝子である。選択可能マーカーとして、アンピシリン耐性またはカナマイシン耐性が、都合よく使用されうる。これらの物質の全ては、当該分野で公知であり、市販されている。
【0087】
所望のコード配列および制御配列を含む適切な発現ベクターは、当該分野で公知の標準の組換えDNA 技術を用いて構築され得、その多くが、Sambrookら(1989)に記載される。
【0088】
本発明はさらに、変異体s-GDH の全部または一部をコードするDNA 配列を含有する発現ベクターを含む宿主細胞に関する。宿主細胞は、好ましくは、表1に示される1つ以上の変異を有するDNA 配列のうちの1つの全部または一部を含有する発現ベクターを含む。さらに好ましいのは、変異体s-GDH の全部または一部の複製および/または発現を指向しうる、ならびに変異体s-GDH の全部または一部をコードするDNA 配列に操作可能に連結された1つ以上の調節DNA 配列を含有する発現ベクターを含む宿主細胞である。適切な宿主細胞としては、例えば、Pomega(2800 Woods Hollow Road, Madison, WI, USA)から市販される大腸菌HB101(ATCC33694)、Stratagene(11011 North Torrey Pine Road, La Jolla, CA, USA) から市販されるXL1-Blue MRFなどが挙げられる。
【0089】
発現ベクターは、当該分野で公知の種々の方法により宿主細胞に導入されうる。例えば、発現ベクターを用いた宿主細胞の形質転換が、ポリエチレングリコール媒介プロトプラスト形質転換法(Sambrook ら、1989) により行われうる。しかしながら、発現ベクターを宿主細胞に導入する他の方法、例えば、エレクトロポレーション、ビオリシス(biolistic) 注射またはプロトプラスト融合法もまた、使用されうる。
【0090】
一度s-GDH バリアントを含む発現ベクターが適切な宿主細胞に導入されると、宿主細胞は、所望のs-GDH バリアントの発現を可能にする条件下で培養されうる。変異体s-GDH の全部または一部をコードするDNA 配列を含む発現ベクターを含む宿主細胞は、例えば、以下の一般的なアプローチ:DNA ハイブリダイゼーション、マーカー遺伝子機能の存在または不在、宿主細胞におけるs-GDH mRNA転写物の産生により測定される転写レベルの評価、および遺伝子産物の免疫学的検出の1つ以上により、同定される。好ましくは、形質転換された宿主細胞は、酵素アッセイ、例えば、比色検出により同定される。
【0091】
本発明はまた、s-GDH バリアントの生成およびスクリーニングを教示する。ランダム変異誘発(random mutagenesis)および飽和変異誘発(saturation mutagenesis)は、当該分野で公知のように行われうる。バリアントは、グルコース、マルトースならびに他の糖に対する基質特異性に対して解析される。選択されたアッセイ条件は、例えば、単一アミノ酸置換により生じた予測された小さい増加が測定されうることを確実にするために適合される。これは、野生型(または親)酵素活性がより低い検出限界に近づくようにアッセイ条件を調節することにより達成される。適切な変異体の選択またはスクリーニングの1つの形態は、実施例3に示される。このような野生型酵素と比較した任意の変化または改善が、明らかに検出されうる。
【0092】
もちろん、全ての発現ベクターおよびDNA 調節配列が、本発明のDNA 配列を発現するのに同等に良好に機能するというわけではないことが理解されるであろう。全ての宿主細胞が、同一の発現系を用いて、同等に良好に機能するというわけでもない。しかしながら、当業者は、本明細書で提供されるガイダンスを用いて、過度の実験無くかつ本発明の範囲を逸脱すること無く、発現ベクター、DNA 調節配列および宿主細胞の中から選択しうる。
【0093】
本発明はまた、本発明の変異体s-GDH の産生に適切な条件下で本発明の宿主細胞を培養することを含む、本発明のs-GDH バリアントの産生方法に関する。細菌宿主細胞に関して、代表的な培養条件は、適切な抗生物質および誘導剤を含む液体培地である。代表的な適切な抗生物質としては、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンなどが挙げられる。代表的な誘導剤としては、IPTG、グルコース、ラクトースなどが挙げられる。
【0094】
本発明のポリペプチドは、変異体s-GDH をコードするDNA 配列を発現する宿主細胞において産生することにより得られるのが好ましい。本発明のポリペプチドはまた、変異体s-GDH をコードするDNA 配列によりコードされるmRNAのインビトロ翻訳により得られうる。例えば、DNA 配列は、前記のように合成され、適切な発現ベクターに挿入され得、次にインビトロ転写/翻訳系において使用されうる。
【0095】
無細胞ペプチド合成系においてその発現を促進しうるプロモーター配列に操作可能に連結された上記で定義され説明された単離ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターは、本発明の他の好ましい態様を表す。
【0096】
例えば、上記手順により産生されたポリペプチドは、次に種々の慣例のタンパク質精製技術を用いて単離および精製されうる。例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー手順が使用されうる。
【0097】
本発明の改善されたs-GDH バリアントの主要な適用の1つは、糖尿病患者における血液グルコースレベルをモニターするための試験片における使用に対する。PQQ 依存グルコースデヒドロゲナーゼの酸素に対する非感受性のために、改善されたs-GDH バリアントを用いるシステムは、グルコースオキシダーゼに基づくシステムよりも酸素による妨害の傾向が少ない。より重要には、s-GDH バリアントはグルコースに対する改善された特異性および他の糖に対する有意に低減された相対酵素活性を有するので、解析されるサンプル中に存在しうるマルトース、ガラクトースおよび/または他の関連する糖による妨害が有意に低減される。もちろん、多種のサンプルが調査されうる。血清、血漿、腸液または尿などの体液が、かかるサンプルに対する好ましい供給源である。
【0098】
本発明はまた、本発明のs-GDH 変異体を使用するサンプルにおけるグルコースの検出、決定または測定方法を含む。サンプル中のグルコースの改善された検出方法は、前記グルコースの検出、決定または測定が、センサーまたは試験片装置を用いて行なわれることを特徴とすることが、特に好ましい。
【0099】
本発明のs-GDH 変異体を含有するサンプルにおけるグルコースの検出または測定のための装置ならびに該測定に必要な他の試薬もまた、本発明の範囲内である。
【0100】
本発明の改善された基質特異性を有するs-GDH バリアントはまた、サンプルまたは反応器中のグルコースのオンラインモニタリングのためのバイオセンサー(D'Costa, E.J.ら、Biosensors 2 (1986) 71-87; Laurinavicius, V.ら、Analytical Letters 32 (1999) 299-316;Laurinavicius, V.ら、Monatshefte Fuer Chemie 130 (1999) 1269-1281) において非常に有利に使用されうる。この目的のために、s-GDH バリアントは、例えば、グルコース濃度のより正確な決定のために、酸化還元伝導エポキシネットワークを含むオスミウム錯体(Ye ら、1993、上記) を有する酸素非感受性ガラス電極を被覆するために使用されうる。
【0101】
本発明の改善された基質特異性を有するs-GDH バリアントの他の見込みのある適用がまたある。例えば、これらのs-GDH バリアントは、アルドン酸作製方法において使用されうる。野生型s-GDH は、グルコン酸および他のアルドン酸を作製する基質酸化において高いターンオーバーを有する。グルコースに対してより特異的なs-GDH バリアントを使用することにより、グルコン酸の作製は、ほとんど副産物を生じない。異なる基質特異性の他のs-GDH バリアントを用いると、必要とする異なるアルドン酸を作製することが可能である。
【0102】
以下の実施例において、全ての試薬、制限酵素および他の物質は、他の市販源が記載されない限りRoche Diagnostics Germany より得られ、供給者により与えられた説明書に従って用いた。DNA の精製、特徴付けおよびクローニングに使用した操作および方法は、当該分野において周知であり(Ausbel, F. ら、「分子生物学における現在のプロトコル」(1994), Wiley Verlag) 、当業者により必要なように適合されうる。
【0103】
以下の実施例は、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲の限定を意図しないが、本発明のさらなる理解を提供する。
【0104】
実施例1
野生型A.calcoaceticus 可溶性PQQ 依存グルコースデヒドロゲナーゼの大腸菌におけるクローニングおよび発現
標準手順により、Acinetobacter calcoaceticus 株LMD79.41からs-GDH 遺伝子を単離した。調整可能発現のためにmgl プロモーターを含むプラスミドに野生型s-GDH 遺伝子をサブクローニングした(特許出願WO88/09373を参照)。新規構築物を、pACSGDH と呼んだ(図3 および4 を参照のこと)。大腸菌群から選ばれた宿主生物体に組換えプラスミドを導入した。次に、これらの生物体を適切な条件下で培養し、s-GDH 活性を示すコロニーを選択した。
【0105】
QIAGEN Plasmid Maxi Kit(Qiagen) を製造業者のプロトコルにより用いて、上記クローンの一晩培養物200ml から、プラスミドpACSGDH を単離した。プラスミドを1ml のbidest. 水に再懸濁させた。プラスミドの濃度をベックマンDU7400光度計を用いて決定した。収量は、600 μg であった。次に、プラスミドの特性を、アガロースゲル電気泳動により決定した。
【0106】
実施例2:
変異誘発PCR
s-GDH 遺伝子においてランダム変異を生じさせるために、変異誘発PCR (ポリメラーゼ連鎖反応)を行った。pACSGDH プラスミドおよび変異酵素をコードするDNA 配列(変異誘発PCR からのPCR 産物)を、制限酵素Sph I およびEco RIを用いて消化した。産物をゲル精製した。消化したDNA 配列を連結させ、連結反応混合物のアリコートを使用して、コンピテント大腸菌細胞を形質転換した。次に、アンピシリンを含むLBプレート上で、形質転換体を選択した。
【0107】
アッセイのために、個々のコロニーを選択し、アンピシリンを含むLB培地中で一晩増殖させ、スクリーニングに供した(実施例3参照)。
【0108】
変異誘発PCR 反応混合物:
40ng pACSGDH
1 ×MgCl2 無含有バッファー (Roche Diagnostics GmbH,Cat.1699 105)
dCTP,dTTP 1mM
dATP,dGTP 0.2mM(Roche Diagnostics GmbH,Cat.1969 064)
40 pmol GF23-プライマー(5'-CGC GCA CGC GCA TGC CGC CGA TGT TC) (=配列番号:4)
40 pmol GR23(5'-GAC GGC CAG TGA ATT CTT TTC TA) (=配列番号:5)
7mM MgCl2
0.6mM MnCl2
5U Taq DNAポリメラーゼ(Roche Diagnostics GmbH,Cat.1146 165)
Gene Amp PCR System 2400(Perkin Elmer), 30サイクル:95℃ 1分、45℃ 2分、72℃ 2分
【0109】
− Roche Diagnostics GmbH(Cat.1 732 676) の高純度PCR 産物精製キットを製造業者のプロトコルに従って用いたPCR 産物の精製。
【0110】
− 1 ×バッファーH (Roche Diagnostics GmbH,Cat.1 417 991)中一晩37℃での25U SphI(Roche Diagnostics GmbH,Cat.606 120)を用いたPCR 断片の消化;25U EcoRI (Roche Diagnostics GmbH,Cat.703 737)の添加およびさらなる3.5 時間の消化。
【0111】
− 1 ×バッファーH 中4時間37℃での180U SphI および180U EcoRIを用いた50μg のpACSGDH の消化。
【0112】
− アガロースゲル(0.8 %)を用いた消化pACSGDH および消化断片のゲル電気泳動。
【0113】
− QIAquickゲル抽出キット(Qiagen, Cat.28706 )を製造業者のプロトコルにより用いたDNA 分子の抽出。
【0114】
− ベックマンDU7400光度計を用いた断片および消化ベクターの濃度の決定。
【0115】
− アガロースゲル電気泳動による精製産物の特性の決定。
【0116】
− 一晩16℃での20μl 容量中1U T4-DNA-リガーゼ(Roche Diagnostics GmbH,Cat.481 220)を用いた、 100ngの消化ベクターの 140ngのmPCR断片との連結。
【0117】
− BioRad E.coli Pulser(BioRad)を用いた、0.2cm キュベット中の2.5 kVでの1 μl の連結反応でのエレクトロコンピテントXL1F細胞(Stratagene)のエレクトロポレーション。
【0118】
− 1ml のLB中1時間37℃での増殖後、LB−アンピシリン寒天プレート上(100μg /ml アンピシリン) に細菌を置き、一晩37℃で増殖させた。
【0119】
− 変異s-GDH を発現するこれらのクローンの50%が、以下のスクリーニング方法を用いて活性であった。
【0120】
実施例3:
スクリーニング
上記寒天プレート上の変異体コロニーを、200 μl のLB−アンピシリン培地/ウェルを含むマイクロタイタープレート(mtp) に選びとり、一晩37℃でインキュベートした。これらのプレートをマスタープレートと呼ぶ。
【0121】
各マスタープレートから、5 μl サンプル/ウェルを、細胞破壊のために5 μl per /ウェルのB (B=細菌タンパク質抽出試薬;Pierce No.78248)を含むmtp に移し、s-GDH の活性化のために240 μl の0.0556mMピロロキノリンキノン(PQQ);50mM Hepes;15mM CaCl2 pH7.0 /ウェルを添加した。ホロ酵素の形成を完成するために、mtp を25℃で2時間、および10℃で一晩インキュベートした。このプレートを作業プレートと呼ぶ。
【0122】
作業プレートから2×10μl サンプル/ホールを2つの空のmtp に移した。その後、基質として一方はグルコースを用い、他方はマルトースまたは他の選択された糖分子を用いて試験した。全ての糖分子を、等モル濃度で使用した。
【0123】
dE/分を計算し、基質としてグルコースを用いた値を、100 %活性と設定した。他の糖を用いて得られた値を、グルコース値と比較し、活性割合で計算した((dE/分マルトース/dEグルコース)* 100)。これは、(変異体)酵素の交差反応性に等しい。
【0124】
実施例4:
変異誘発PCR からの変異体s-GDH 遺伝子の配列決定
50%マルトース/グルコース活性をもたらす変異体s-GDH 遺伝子を含むプラスミドを単離し(高純度プラスミド単離キット、Roche Diagnostics GmbH,No.1754785)、ABI プリズム染料ターミネーターシークエンシングキット(Prism Dye Terminator Sequencing Kit) ならびにABI 3/73および3/77シークエンサー(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて配列決定した。
【0125】
以下のプライマーを用いた:
Figure 0003845618
【0126】
結果:
=>DNA 配列レベルで6変異
=>アミノ酸レベルで4変異:
340位(成熟酵素)でE からG に変化
348位(成熟酵素)でT からS に変化
369位(成熟酵素)でN からH に変化
413位(成熟酵素)でS からN に変化
【0127】
実施例5:
飽和変異誘発により得られたs-GDH 変異体
QuickChange 部位指向性変異誘発キット(Stratagene, Cat.200518)を用いて、s-GDH タンパク質または他のランダムアミノ酸を有するs-GDH 変異体(上記のようなプラスミド精製)の規定した位置で野生型酵素を連続的に置換した。
【0128】
変異誘発に使用した5'プライマーおよび3'プライマーは、互いに相補的であり、中心位置にNNN を含んだ。これらのヌクレオチドは、各末端で12〜16ヌクレオチドで隣接した。ヌクレオチドの配列は、置換されるはずであるアミノ酸に対するコドンに隣接するcDNA鎖または相補的なcDNA鎖と同一であった。コドンの代わりに、プライマーはNNN を含み、したがってこれらのオリゴヌクレオチドは全てのコドンをコードする。
【0129】
全ての規定された位置に対して、1つのPCR 反応を行なった。
【0130】
PCR 反応およびDpnI消化を、マニュアルにしたがって行なった。
【0131】
その後、1 μl の各反応を、XL1F細胞のエレクトロポレーションに使用した。細胞を増殖させ、クローンのs-GDH 活性を上記のように決定した。
【0132】
全20アミノ酸バリアントのスクリーニングを統計的に確実にするために、各位置に対して200 クローンを試験した。
【0133】
以下のプライマーを使用した。
Figure 0003845618
【0134】
結果:
340位、 369位および 413位におけるアミノ酸変化は、基質特異性を変更しえなかった。 348位におけるゆらぎのみが、25〜100 %の基質特異性(マルトース/グルコース)を有するクローンをもたらした。
【0135】
何回もの変異誘発PCR および飽和変異誘発を行なった。 348位および 428位が主に重要であり、他のアミノ酸の交換が変異したs-GDH のグルコースに対する特異性をさらに改善しうることを見出し、確認した。代表的なデータおよび位置を、表1に示す。
【0136】
【表1】
Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618
【0137】
実施例6:
変異体s-GDH T348G の精製
増殖細胞(LB-Amp.37℃) を採集し、リン酸カリウムバッファー pH7.0中で再懸濁した。フレンチプレス通過(French Press passage)(700-900bar)により、細胞破壊を行なった。遠心分離後、上清を、10mMリン酸カリウムバッファー pH7.0で平衡化したS-セファロース(Amersham Pharmacia Biotec) カラムに適用した。洗浄後、 0〜1M NaCl 塩グラジエントを用いてs-GDH を溶出した。s-GDH 活性を示す画分をプールし、リン酸カリウムバッファー pH7.0に対して透析し、再度平衡化したS-セファロースカラム上で再度クロマトグラフィーを行なった。活性画分をプールし、Superdex(登録商標)200 カラム(Amersham Pharmacia Biotec) を用いるゲル濾過に供した。活性画分をプールし、−20℃で保管した。
【0138】
変異体T348G および野生型s-GDH の酵素アッセイおよびタンパク質決定
Pierceのタンパク質アッセイ試薬no.23225を用いて、タンパク質決定を行なった(37℃、30分、BSA を用いた較正曲線) 。
【0139】
0.0556mMピロロキノリンキノン(PQQ);50mM Hepes;15mMCaCl2 pH7.0を用いて1mg タンパク質/mlまでGDH サンプルを希釈し、再構築または活性化のために25℃で30分間インキュベートした。
【0140】
活性化後、50μl のサンプルを0.315mg の(媒介物質として 4-(ジメチルホスフィニルメチル)-2-メチル- ピラゾロ -[1.5a]- イミダゾール-3- イル)-(4- ニトロソフェニル)-アミン(米国特許第5,484,708 号を参照)/ml および33mM糖) を含む1000μl の0.2Mクエン酸バッファー溶液(pH5.8;25℃) に添加した。
【0141】
25℃で最初の5分間、620nm の吸光度をモニターする。
【0142】
1ユニットの酵素活性は、上記アッセイ条件下で1mMol 媒介物質/分の変換に相当する。
【0143】
計算:活性=(全容量* dE/分[U/ml]) :(ε* サンプル容量* 1)
(ε=吸光係数;この例では、ε620nm =30[ 1* mmol-1* cm-1])。
【0144】
このアッセイを、グルコース、マルトースおよびガラクトース(Merck, Germany)を用いて行った。
【0145】
Figure 0003845618
【0146】
実施例7:マルトースの存在または不在下におけるグルコースの決定
s-GDH の野生型および変異体T348G を、グルコース決定に適用した。参照サンプルは、65mgグルコース/dl を含んだ。「試験」サンプルは、65mgグルコース/dl および130mg/dlマルトースを含んだ。同量のGDH 活性(U/ml;酵素アッセイを参照) を、各アッセイに用いた。
【0147】
キュベット中で混合した:
1ml の0.315mg(4-( ジメチルホスフィニルメチル)-2-メチル- ピラゾロ- [1.5a]- イミダゾール-3- イル)-(4- ニトロソフェニル)-アミンml/0.2M クエン酸pH5.8
0.015ml のサンプル(グルコースまたはグルコース+マルトース)
【0148】
0.0050mlの 90U/ml s-GDH を添加して、アッセイを開始した。620nm での吸収の変化をモニターした。5 分後、一定値を観察し、dE/5分を計算した。野生型s-GDH を用いて参照サンプルを測定することにより得られた値を、100 %と設定した。他の値をこの参照値と比較し、%で計算した。
【0149】
Figure 0003845618
【0150】
測定された「グルコース値」は、変異s-GDH がこの決定において使用された場合、著しくは減少していないことが、明らかにわかりうる。
【0151】
Figure 0003845618
Figure 0003845618

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Acinetobacter calcoaceticusPQQ依存性可溶性グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子のヌクレオチド(DNA )配列および対応するアミノ酸配列(配列番号:23)である。
【図2】 図2は、A. calcoaceticus PQQ依存性s-GDH (上)および配列相同性に従って整列されたA. baumannii s-GDH(下)のタンパク質配列である。
【図3】 図3は、可溶性PQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼの野生型または変異DNA 配列を含む実施例1において参照したpACSGDH ベクターの図解である。
【図4】 図4は、可溶性PQQ 依存性グルコースデヒドロゲナーゼの野生型DNA 配列を含む実施例1において参照したpACSGDH ベクターのヌクレオチド(DNA )配列(配列番号:25)である。
【配列表】
Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618
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Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618
Figure 0003845618

Claims (2)

  1. A.calcoaceticus 由来の公知のs-GDH 野生型配列(配列番号:24)の348位に対応するアミノ酸位置でアミノ酸残基置換を含んでなるPQQ 依存性s-GDH の変異タンパク質であって、該 348 位のスレオニンが、アラニン、グリシン、およびセリンからなる群より選ばれるアミノ酸で置換されてなる、 PQQ 依存性 s-GDH の変異タンパク質
  2. 請求項1記載のs-GDH 変異タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド。
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