WO2006085509A1 - 基質特異性に優れた改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ - Google Patents

基質特異性に優れた改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ Download PDF

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Abstract

【課題】グルコース以外の少なくとも1つの選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して低下した、基質特異性が改善された改変型PQQGDHを提供する。 【解決手段】改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼであって、少なくとも1つ以上のアミノ酸挿入変異を有する、グルコース以外の少なくとも1つの選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して低下した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。

Description

明 細 書
基質特異性に優れた改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒド ロゲナーゼ 技術分野
[0001] 本発明は基質特異性が改良された改変型グルコースデヒドロゲナーゼ(以下、ダル コースデヒドロゲナーゼを GDHとも記載する。)に関し、詳しくは改変型ピロ口キノリン キノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(以下、ピロ口キノリンキノンを PQQ、ダルコ 一スデヒドロゲナーゼを GDH、ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナー ゼを PQQGDHともそれぞれ記載する。 )、上記改変型 PQQGDHをコードする遺伝 子、上記改変型 PQQGDHの製造法及び上記改変型 PQQGDHのグルコース測定 へのセンサー等への種々の適用に関する。本発明の改変型 PQQGDHは、臨床検 查ゃ食品分析などにおけるグルコースの定量に有用である。
背景技術
[0002] PQQGDHは、ピロ口キノリンキノンを補酵素とするグルコースデヒドロゲナーゼであ る。グルコースを酸ィ匕してダルコノラタトンを生成する反応を触媒することから、血糖の 測定に用いることが可能である。血中グルコース濃度は、糖尿病の重要なマーカーと して臨床診断上きわめて重要な指標である。現在、血中グルコース濃度の測定は、 グルコースォキシダーゼを使用したバイオセンサーを用いる方法が主流となって 、る 力 反応が溶存酸素濃度に影響されることから、測定値に誤差が生じる可能性があ つた。このグルコースォキシダーゼにかわる新たな酵素として PQQGDHが注目され ている。
[0003] 我々のグループは、ァシネトパクター 'バウマン- (Acinetobacter baumannii) NCIMB11517株力 PQQGDHを産生することを見出し,遺伝子のクローユングな らびに高発現系を構築した (たとえば、特許文献 1を参照)。し力しながら、この野生 型 PQQGDHはグルコースォキシダーゼに比べて、そのグルコース以外の糖基質に 対する作用性 (いわゆる基質特異性)、特に二糖類、なかでも特にマルトースに対す る作用性に問題があった。 特許文献 1:特開平 11― 243949号公報
図面の簡単な説明
[図 1]ァシネトバクタ一 ·バウマン- NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸 配列(本図上段の配列)と、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス LMD79. 41株由 来 PQQGDHのアミノ酸配列(本図下段の配列)比較。なお本願明細書中での、ァシ ネトバクタ一 ·バウマン- NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列は、本 図においてのみ、シグナル配列を含む開始メチォニンを 1としてつけられている。配 列番号 1の 1番目のァスパラギン酸は本図では 26番目にあたる。
[図 2]ァシネトバクタ一 ·バウマン- NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸 配列(本図上段の配列)と、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス IFO 12552株由 来 PQQGDHのアミノ酸配列(本図下段の配列)比較。
[図 3]実施例 1 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。グルコースを基質溶液と した場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性 値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を求め た。
[図 4]実施例 2— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。グルコースを基質溶液と した場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性 値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を求め た。マルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性に際しては、 0. 5Mのマルト ース溶液を調製して活性測定に用いた。
圆 5]実施例 2— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
圆 6]実施例 2— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
圆 7]実施例 2— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
圆 8]実施例 2— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
圆 9]実施例 2— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 10]実施例 3— 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。グルコースを基質溶液 とした場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活 性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を求 めた。マルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性に際しては、 0. 5Mのマ ルトース溶液を調製して活性測定に用いた。
[図 11:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 12:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 13:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 14:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 15:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 16:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 17:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 18:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 19:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 20:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 21:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 22:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 23:実施例 3- - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。
[図 24:実施例 4— - 5で取得した精製酵素の基質特異性評価。グルコースを基質溶液 とした場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活 性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を求 めた。マルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性に際しては、 0. 5Mのマ ルトース溶液を調製して活性測定に用いた。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、従来技術の課題を背景になされたもので、 PQQGDHの基質特異性の 向上を課題としてその改良に関するものである。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、 PQQGDHの特定の 領域においてアミノ酸を置換すること、および Zまたは、アミノ酸を挿入することによる 変異により基質特異性を向上させることを可能にし、本発明を完成するに到った。 特に、これまで実質的に具体的検討がなされてこな力つた「アミノ酸の挿入」に着目 し詳細に検討することで、本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、
改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼであって、少なくとも 1 つ以上のアミノ酸挿入変異を有する、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された 糖基質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して低下した改変型ピロロキ ノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、である。
さらに本発明は、
[項 1 1]
改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼであって、以下の少 なくともいずれかの変異を有する、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基 質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して低下した改変型ピロ口キノリン キノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼ。
(1) Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 1151 7株由来ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列にお ける 74位、 75位、 76位、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位 、 169位、 170位、 171位、 344位
、 345位及び 430位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属ま たは他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上 記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸挿入を有する
[項 1— 2]
さらに、以下の少なくともいずれかの変異を有する、項 1 1に記載の改変型ピロ口 キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
(1) Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 1151 7株由来ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列にお ける 125位、 128位、 142位、 168位、 169位、 170位、 224位、 230位、 236位、 24 4位、 258位、 345位、 351位、 416位及び 428位のうち少なくとも 1つの位置、あるい は、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一 スデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸 置換を有する
[項 1 3]
さらに、以下の少なくともいずれかの変異を有する、項 1—1または 1—2に記載の 改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
(l)Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 1151 7株由来ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列にお ける 16位、 22位、 49位、 67位、 68位、 69位、 74位、 75位、 76位、 89位、 116位、 1 20位、 127位、 129位、 130位、 131位、 143位、 146位、 167位、 171位、 174位、 177位、 185位、 186位、 188位、 189位、 207位、 215位、 227位、 231位、 245位 、 249位、 253位、 254位、 255位、 277位、 295位、 300位、 309位、 318位、 341 位、 342位、 343位、 344位、 346位、 347位、 349位、 350位、 356位、 397位、 39 8位、 423位、 429位、 432位、 433位、 434位および 439位のうち少なくとも 1つの位 置、あるいは、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存 性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1っ以 上のアミノ酸置換を有する
[項 1 4]
Acinetobacter baumannii (ァシネトノ クタ一 ノ ウマン-)
NCIMB 11517株由来ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼの アミノ酸配列における 169位または 430位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他 の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒ ドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸挿入 を有する、項 1 1または 1 2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性ダルコース デヒドロゲナーゼ。
[項 1— 5]
Acinetobacter baumannii (ァシネトノ クタ一 ノ ウマン-)
NCIMB 11517株由来ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼの アミノ酸配列における 168位、 169位、 170位、 245位、 342位及び 429位のうち少 なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノ リンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少 なくとも 1つ以上のアミノ酸置換を有する、項 1—3に記載の改変型ピロ口キノリンキノ ン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
[項 1 6]
アミノ酸変異が、 Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) N CIMB 11517株由来ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼのアミ ノ酸配列における、(Q168A+ 169R+L169P+A170K+E245D+M342I)、 ( Q168A+ 169R+L169P+A170V+E245D+M342I)、 (Q168A+ 169K+L 169P+A170I+E245D + M342I) , (Q168A+ 169K+L169P+A170Q+E 245D+M342I) , (Q168A+ 169K+L169P+A170S +E245D+M342I) , ( Q168A+ 169K+L169P+A170T+E245D + M342I)、のうちいずれ力 ある いは、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性ダルコ 一スデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置におけるアミノ酸変異である、項 1 4または 1 5に記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ
[項 1— 7]
グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質がマルトースである、項 1― 1 に記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
[項 1 8]
項 1 1〜7のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコース デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子。
[項 1 9]
項 1 8に記載の遺伝子を含むベクター。
[項 1 10]
項 1 9に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
[項 1— 11]
項 1― 10に記載の形質転換体を培養することを含む改変型ピロ口キノリンキノン依 存性グルコースデヒドロゲナーゼの製造法。
[項 1 12]
項 1 1〜1 7のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ 一スデヒドロゲナーゼを含むグルコース測定用組成物。
[項 1— 13]
項 1 1〜1 7のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ 一スデヒドロゲナーゼを含むグルコースアツセィキット。
[項 1 14]
項 1 1〜1 7のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ ースデヒドロゲナーゼを含むグノレコースセンサー。
[項 1— 15]
項 1 1〜1 7のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ 一スデヒドロゲナーゼを含むグルコース測定方法。
[項 1— 16]
ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼ〖こ項 1 1〜1 7のうちいず れかに記載のアミノ酸変異を行うことを含む、ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデ ヒドロゲナーゼのグルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用 性を対応する野生型酵素と比較して低下させる方法。
[項 1 17]
ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼ〖こ項 1 1〜1 7のうちいず れかに記載のアミノ酸変異を行うことを含む、グルコース以外の少なくとも 1つの選択 された糖基質に対する作用性を対応する野生型酵素と比較して低下させたピロロキ ノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを製造する方法。
[項 1— 18]
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース測定系 にお 、て、項 1— 1〜1 7のうち、、ずれかに記載のアミノ酸変異を行ったピロロキノリ ンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含有することを含む、グルコース測定系 における、測定の正確性を向上させる方法。 [項 1— 19]
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース測定系 にお 、て、項 1— 1〜1— 7のうち、、ずれかに記載のアミノ酸変異を行ったピロロキノリ ンキノン依
存性グルコースデヒドロゲナーゼを含有させることを含む、測定の正確性が向上した グルコース測定用組成物を、製造する方法。
[項 1— 20]
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース測定系 にお 、て、項 1— 1〜1— 7のうち、、ずれかに記載のアミノ酸変異を行ったピロロキノリ ンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含有させることを含む、測定の正確性 が向上したグルコースセンサーを、製造する方法。
である。 または本発明は、
[項 2 - 1 ]
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)において、以 下の少なくともいずれかの変異を有する、野生型の PQQGDHよりも二糖類に対する 作用性が低下した改変型 PQQGDH。
( 1) Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 142位、 224位、 230 位、 236位、 244位、 258位及び 416位の少なくとも 1つの位置、または、他の種にお ける上記と同等の位置においてアミノ酸置換を有する
(2) Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 74位、
75位、 76位、 168位、 169位、 170位、 171位、 344位、 345位及び 430位の少なく とも 1つの位置、または、他の種における上記と同等の位置においてアミノ酸挿入を 有する
[項 2— 2]
アミノ酸置換力 Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における、 K14 2D、 K142I、 T224A、 T224C、 P230I、 P230S、 P230V、 P230Y、 A236T、 A2 36V, S244T、 S244A、 L258F、 E416R、力らなる群のうち少なくとも 1つの位置、 または、他の種における上記と同等の位置においてアミノ酸置換を有する、項 2—1 に記載の改変型 PQQGDH。
[項 2— 3]
アミノ酸挿入が、 Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における、 74D 、 75A、 75C、 75F、 75G、 75H、 751、 75K、 75L、 75M、 75N、 75R、 75S、 75T 、 75V, 75W、 75Y、 76A、 76C、 76D、 76G、 76S、 76T、 76Y、 168H、 168N、 168P、 168S、 169X、 170A、 170D、 170E、 170F、 170G、 170H、 170L、 170 P、 170Q、 170R、 170S、 170T、 170Y、 17 IX, 344P、 344W、 345W、 430F、 430P、 430Y、力もなる群のうち少なくとも 1つの位置、または、他の種における上記 と同等の位置においてアミノ酸挿入を有する、項 2— 1に記載の改変型 PQQGDH。
[項 2 - 4]
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)において、 Ac inetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 343位、 344位あるい 344位 、 345位あるい 345位、 346位はのいずれかの位置、または、他の種における上記と 同等の位置において 2つ以上のアミノ酸挿入を有する、項 2—1に記載の改変型 PQ QGDH。
[項 2— 5] 2つ以上のアミノ酸揷入力 Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸 酉己歹 IJにおける、 343L- 344V, 343Y- 344S, 3431— 344S, 344S— 345S, 34 4S - 345I, 344L- 345L, 3441— 345R、 344T— 345C、 344T— 345E、 344T — 345F、 344T— 345G、 344T— 345H、 344T— 3451、 344T— 345K、 344T — 345L、 344T— 345M、 344T— 345N、 344T— 345Q、 344T— 345R、 344T — 345S、 344T— 345T、 344T— 345V、 344T— 345W、 344T— 345Y、 345L — 346C、 345T— 346F、 345W— 346V、 345S— 3461、 346Y— 347V、力もな る群のうち少なくとも 1つの位置、または、他の種における上記と同等の位置において アミノ酸挿入を有する、項 2— 1に記載の改変型 PQQGDH。
[項 2— 6]
二糖類がマルトースである、項2—1〜2— 5のぃずれかに記載の改変型13<3<300 H。
[項 2— 7]
項 2— 6に記載の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子。
[項 2— 8]
項 2— 7に記載の遺伝子を含むベクター。
[項 2— 9]
項 2— 8に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
[項 2— 10]
項 2— 9に記載の形質転換体を培養することを特徴とする改変型 PQQGDHの製 造法。
[項 2— 11]
項 2— 1〜2— 6のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコース測定用 組成物。
[項 2— 12]
項 2— 1〜2— 6のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコースアツセィ キット。
[項 2— 13]
項 2— 1〜2— 6のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコースセンサー [項 2— 14]
項 2— 1〜2— 6のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを用いるグルコース測定方 法。
[項 2— 15]
PQQGDHに項 2— 1〜2— 6のいずれかに記載のアミノ酸挿入を行うことを特徴と する、 PQQGDHの二糖類に対する作用性を低下させる方法。
[項 2— 16]
PQQGDHを用いるグルコース測定系にお!/、て、項 2— 1〜2— 6の!、ずれかに記 載のアミノ酸挿入を行った PQQGLDを含有することを特徴とする、グルコース測定 系における、測定の正確性を向上させる方法。
[項 2— 17]
PQQGDHを用いるグルコース測定系にお!/、て、項 2— 1〜2— 6の!、ずれかに記 載のアミノ酸挿入を行った PQQGLDを含有させることを特徴とする、測定の正確性 が向上したグルコース測定用組成物を、製造する方法。
である。 または本発明は、
[項 3 - 1]
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)において、以 下の少なくともいずれかの変異を有する、野生型の PQQGDHよりも二糖類に対する 作用性が低下した改変型 PQQGDH。
(1) Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 125位、 128位、 142 位、 168位、 169位、 170位、 224位、 230位、 236位、 345位、 351位、 416位及び 428位の少なくとも 1つの位置、または、他の種における上記と同等の位置において アミノ酸置換を有する
(2) Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 74位、 75位、 76位、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位、 169位、 170位、 171位 、及び 344位の少なくとも 1つの位置、または、他の種における上記と同等の位置に お!ヽてアミノ酸挿入を有する
[項 3— 2]
二糖類がマルトースである、項 3— 1に記載の改変型 PQQGDH。
[項 3— 3]
項 3— 1または 2に記載の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子。
[項 3 - 4]
項 3— 3に記載の遺伝子を含むベクター。
[項 3— 5]
項 3— 4に記載のベクターで形質転換された形質転換体。 [項 3-■6]
項 3- - 5に記載の形質転換体を培養することを特徴とする改変型 PQQGDHの製 造法。
[項 3- ■7]
項 3- - 1または 3— - 2に記載の改変型 PQQGDHを含むダルコ -ス測定用組成物。
[項 3- ■8]
項 3- - 1または 3— - 2に記載の改変型 PQQGDHを含むダルコ -スアツセィキット。
[項 3- ■9]
項 3- - 1または 3— - 2に記載の改変型 PQQGDHを含むダルコ -スセンサー。
[項 3- 10]
項 3- - 1または 3— - 2に記載の改変型 PQQGDHを含むグルコ -ス測定方法。
[項 3— 11]
PQQGDHに項 3—1または 3— 2に記載のアミノ酸変異を行うことを特徴とする、 P QQGDHの二糖類に対する作用性を低下させる方法。
[項 3— 12]
PQQGDHに項 3—1または 3— 2に記載のアミノ酸変異を行うことを特徴とする、 P QQGDHの二糖類に対する作用が低下した PQQGDHの製造方法。
[項 3— 13]
PQQGDHを用いるグルコース測定系にお!/、て、項 3 - 1または 3— 2に記載のアミ ノ酸変異を行った PQQGLDを含有することを特徴とする、グルコース測定系におけ る、測定の正確性を向上させる方法。
[項 3— 14]
PQQGDHを用いるグルコース測定系にお!/、て、項 3 - 1または 3— 2に記載のアミ ノ酸変異を行った PQQGLDを含有させることを特徴とする、測定の正確性が向上し たグルコース測定用組成物を製造する方法。
である。 または本発明は、 アミノ酸置換力 Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における、 (T2 24A+A236T)ゝ (Q168A+T224A+A236T+M342I) , (Q168A+ 171A+ T224A+A236T+M342I) , (Q168A+ 171S+T224A+A236T+M342I) , (M342I+430P) , (E245D + M342I+430P)、 (Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I+430P)、 (Q168A+ 169F+L169P+A170L+E245D + M342I+430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M342I+4 30P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M342I+N429D+43 OP)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E+430 P)、のうちいずれか、または、他の種における上記と同等の位置におけるアミノ酸変 異のうち 、ずれかを有する、野生型の PQQGDHよりも二糖類に対する作用性が低 下した改変型 PQQGDH。
[114- 2]
あるアミノ酸を Pへ置換、あるいは、ある部位に Pを挿入することにより安定性が低下 した改変型 PQQGDHにおいて、その Pの前後に荷電アミノ酸を位置させることにより 安定性を向上させた改変型 PQQGDH。
[114- 3]
Pの置換または挿入が 430位周辺である請求項 4— 2に記載の改変型 PQQGDH [114-4]
荷電アミノ酸が D, Eである請求項 4 2、 4— 3に記載の改変型 PQQGDH。
[114- 5]
二糖類がマルトースである、請求項 4 1に記載の改変型 PQQGDH。
[項 4 6]
請求項 4 1〜4 5のいずれかに記載の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子。
[114- 7]
請求項 4 6に記載の遺伝子を含むベクター。
[114-8] 請求項 4 7に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
[114- 9]
請求項 4 8に記載の形質転換体を培養することを特徴とする改変型 PQQGDH の製造法。
[項 4 10]
請求項 4 1〜4 5のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコース測 定用糸且成物。 [114- 11]
請求項 4 1〜4 5のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコースアツ セィキット。
[114- 12]
請求項 4 1〜4 5のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコースセン *一
[項 4 13]
請求項 4 1〜4 5のいずれかに記載の改変型 PQQGDHを含むグルコース測 定方法。
[項 4 14]
PQQGDHに請求項 4 1〜4 5のいずれかに記載のアミノ酸変異を行うことを特 徴とする、 PQQGDHの二糖類に対する作用性を低下させる方法。
[項 4 15]
PQQGDHを用いるグルコース測定系にお!/、て、請求項 4— 1〜4— 5の!、ずれか に記載のアミノ酸変異を行った PQQGLDを含有することを特徴とする、グルコース測 定系における、測定の正確性を向上させる方法。
[項 4 16]
PQQGDHを用いるグルコース測定系にお!/、て、請求項 4— 1〜4— 5の!、ずれか に記載のアミノ酸変異を行った PQQGLDを含有させることを特徴とする、測定の正 確性が向上したグルコース測定用組成物を、製造する方法。
である。 発明の効果
[0007] 本発明による改変型 PQQGDHは野生型 PQQGDHよりもグルコース以外の糖基 質、特にマルトースに対する作用性が低下した酵素である。本発明による改変型 PQ QGDHをグルコースアツセィキットやグルコースセンサ等に使用することにより、野生 型 PQQGDHを使用したものよりもより高精度な分析が可能となったり、より安定性の 高いグルコースアツセィキットやグルコースセンサ等を提供することができる。 発明を実施するための最良の形態
[0008] 以下、本発明を詳細に説明する。
[0009] 本願明細書において、アミノ酸は 1文字記号または 3文字記号で表す。また、ァミノ 酸の変異の位置にっ 、ては次のように表記する。
挿入に関して、例えば「169R」は、ァシネトバクタ一'バウマン- (Acinetobacter baumannii) NCIMB 11517株由来野生型 PQQGDHの 168位の後の位置に R (Arg)を挿入することを意味する。言い換えると、 168位と 169位の間に R (Arg)を揷 入することを意味する。
置換に関して、例えば「Q168A」は、 168位の Q (Gin)を A (Ala)に置換することを 意味する。
また、多重変異体については、同様の原則によって表記したものをプラス(+ )でつ なげて表記する。例えば、「Q168A+ 169R+L169P+A170K+E245D+M34 21」 ίま、 168位の Qを Αに、 169位の Lを Pに、 170位の Aを Kに、 245位の Eを Dに、 342位の Mを Iに置換し、 Aに置換された 168位の後に Rを挿入することを意味する。 なお、ここで取り扱つている数字は、ァシネトバクタ一'バウマン- NCIMB11517 株の野生型 PQQGDHのアミノ酸配列上の位置に相当しており、前方のアミノ酸が揷 入されたことによりアミノ酸の位置が後方へ 1つずれたとしても、位置を表す数字の修 正は行っていない。
ァシネトノ クタ一 ·ノ ウマン- (Acinetobacter baumannnj
NCIMB 11517株由来野生型 PQQGDHのアミノ酸配列は配列番号 1で示され る。配列番号 1において、アミノ酸の表記は、シグナル配列が除かれたァスパラギン 酸を 1として番号付けされている。 [0010] [1]
本発明の一つの態様は、改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナ ーゼであって、少なくとも 1つ以上のアミノ酸挿入変異を有する、グルコース以外の少 なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して 低下した改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼである。
[0011] [1 - 1]
本発明は、その一つの態様において、 Acinetobacter baumannii (ァシネトバタ ター バウマン-) NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 74 位、 75位、 76位、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位、 169 位、 170位、 171位、 344位、 345位及び 430位のうち少なくとも 1つの位置、ある!/ヽ は、他の Acinetobacter属または他の種由来の PQQGDHにおける上記と同等の 位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸が挿入された変異を有する改変型 PQQG LDに関し、その改変型 PQQGDHは、対応する野生型 PQQGDHと比較して、ダル コース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性が低下した基質特 異性を有することに技術的特徴を有する。
[0012] 本発明に適用することができる PQQGDHは、ピロ口キノリンキノンを補酵素として配 位し、 D—グルコースを酸化して D—ダルコノ— 1, 5—ラタトンを生成するという反応 を触媒する酵素 (EC1. 1. 5. 2 (旧 EC1. 1. 99. 17) )であり、由来や構造に関して は特に限定するものではな 、。
PQQGDHは、可溶性型 (可溶型とも記載する。)と膜結合型 (膜型とも記載する。 ) に分類することができる。上記のうち、ァシネトパクター属由来のものは可溶性 PQQ GDHとして知られている。一方、ェシエリヒア'コリなどに存在するものは膜結合型 PQ QGDHとして知られて!/、る。
[0013] 本発明の改変型 PQQGDHの改変の基になる野生型の PQQGDHとしては、ァシ ネトパクタ^ ~·バウマン- (Acinetobacter baumannii) NCIMB 11517株に由 来するものが挙げられ、そのアミノ酸配列は配列番号 1で、遺伝子配列は配列番号 2 でそれぞれ示される(たとえば、特許文献 1を参照)。なお、ァシネトパクター 'バウマ ン -NCIMB11517株は、分類当初は Acinetobacter calcoaceticusとされてい た。
[0014] また、本発明の改変型 PQQGDHの基になる野生型の PGGGDHとしては、ァシネ トバクタ^ ~ ·バウマン- NCIMB 11517株以外の八。^^1;01)& 61:属由来の13<3<3 GDHを用いることもできる。
[0015] そのようなものとして、例えば、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス(Acinetobact er calcoaceticus) LMD79. 41株に由来するものが知られ、そのアミノ酸配列、 遺伝子配列、高次構造などが公知である (たとえば、特許文献 2および 3、非特許文 献 1、 2、 3および 4を参照。 )
ァシネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列 (配列番号 1)と、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス LMD79. 41株由来 PQQG DHのアミノ酸配列を比較すると、相違箇所はわずかで、相同性は 92. 3% (シダナ ル配列含む)となり、非常に類似している(図 1)。
したがって、当業者であれば配列番号 1におけるある残基力 ァシネトパクター '力 ルコアセティカス LMD79. 41株由来 PQQGDHのどのアミノ酸残基(同等の位置) に該当するかを容易に認識することができる。そして、そのような 1またはそれ以上の 箇所においてアミノ酸変異を行うことにより、グルコース以外の少なくとも 1つの選択さ れた糖基質に対する作用性が、対応する野生型 PQQGDHと比較して低下した改変 型 PQQGDHを得ることができる。
これらの改変型 PQQGDHも本発明の範囲内に含まれる。
特許文献 2: WO00/61730
特許文献 3: WO00Z66744
特許文献 1 :J. Mol. Biol. , 289, 319— 333 (1999)
非特許文献 2 : PNAS, 96 (21) , 11787—11791 (1999)
非特許文献 3 : The EMBO Journal, 18 (19) , 5187— 5194 (1999) 非特許文献 4: Protein Science, 9, 1265- 1273 (2000)
[0016] あるいは、そのようなものとして、例えば、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス(Aci netobacter calcoaceticus) IFO 12552株に由来するもの力 S知られ、そのァミノ 酸配列、遺伝子配列などが公知である (たとえば、特許文献 4を参照。) ァシネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列 (配列番号 1)と、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス IFO 12552株由来 PQQG DHのアミノ酸配列を比較すると、相違箇所はわずかで、相同性は 91. 3% (シダナ ル配列含む)となり、非常に類似している(図 2)。
したがって、当業者であれば配列番号 1におけるある残基力 ァシネトパクター '力 ルコアセティカス IFO 12552株由来 PQQGDHのどのアミノ酸残基(同等の位置) に該当するかを容易に認識することができる。そして、そのような 1またはそれ以上の 箇所においてアミノ酸変異を行うことにより、グルコース以外の少なくとも 1つの選択さ れた糖基質に対する作用性が、対応する野生型 PQQGDHと比較して低下した改変 型 PQQGDHを得ることができる。
これらの改変型 PQQGDHも本発明の範囲内に含まれる。
特許文献 4:特開 2004— 173538
[0017] さらに、本発明の改変型 PQQGDHの基になる野生型の PGGGDHとしては、ァシ ネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517株由来、あるいは、ァシネトバクタ一'力 ルコアセティカス LMD79. 41株およびァシネトバクタ一'カルコァセティカス IFO
12552株以外のァシネトパクター属由来以外の、他のァシネトパクター属の PQQ GDH、さらには、他の任意の種由来の PQQGDHを用いることもできる。
当業者は、配列番号 1で示されるアミノ酸配列を参照し、これらとの相同性が高い( 好ましくは 80%以上、さらに好ましくは 90%以上の相同性を有する)他の起源に由 来する改変型 PQQGDHについても、配列番号 1に対応する位置(同等の位置)を 探し出し、当該領域でアミノ酸変異を行うことにより、グルコース以外の少なくとも 1つ の選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型 PQQGDHと比較して低下 した改変型 PQQGDHを得ることができる。
これらの改変型 PQQGDHも本発明の範囲内に含まれる。
[0018] 本発明の改変型 PQQGDHの基になる野生型の PQQGDHの由来となりうる他の 種として、例えば微生物では、シユードモナス 'エルギノサ(Pseudomonasaerugino sa)、シユードモナス ·プチダ(Pseudomonas putida)、シユードモナス ·フノレオレツ センス (Pseudomonas fluorescens)、グノレコノノクタ一'ォキシダンス (Gluconob acter oxydans) (例えば、非特許文献 5を参照。)等の酸ィ匕細菌ゃァグロバクテリウ ム 'フンオノヽクタ1 ~~ (Agrobacteriumradiobacter)、ェンエリヒフ 'コリ (Escherichia coli) (例えば、非特許文献 6を参照。)、クレブシーラ 'エー口ジーンズ (Klebsiella aerogenes)等の腸内細菌、ブルクホルデリア 'セパシァ(Burkhorderia cepacia )などを挙げることができる。
非特許文献 5 : Mol. Gen. Genet. , 229, 206 (1991)
非特許文献 6 : A. M. Cleton— Jansenら、 J. Bacteriol. , 172, 6308 (1990) こ れらはいずれも、アミノ酸配列、遺伝子配列が公知であるか、酵素の精製法が確立さ れていてその理ィ匕学的性質も明らかになっているものであり、当業者であれば精製さ れた酵素ある!/、は遺伝子の単離を容易に行うことができる。
[0019] 本発明の改変型 PQQGDHの基になる野生型 PQQGDHの由来としては、特に限 定されるものではないが、上記のうち好ましいのは、ァシネトパクター属由来の PQQ GDHである。これらは可溶型酵素であり水系において易溶である。さらに好ましいの は、ァシネトバクタ一'カルコァセティカスもしくはァシネトバクタ一'バウマン-のいず れかに由来する PQQGDHである。さらにより好ましいのは、ァシネトバクタ一.バウマ ン
二 NCIMB 11517株由来、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス LMD79. 41 株由来、もしくは、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス IFO 12552株の PQQGD Hである。もっとも好ましいのは、ァシネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517株 由来の PQQGDHである。
[0020] 本発明において、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作 用性とは、 PQQGDHが当該糖基質を脱水素する作用を意味する。
グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質としては、ガラクトース、マンノ ース、キシロースなどの単糖類、マルトース、シュクロース、ラタトース、セロビオースな どの二糖類、マルトトリオース、マルトテトラオースなどのオリゴ糖類、ィコデキストリン( グルコースポリマー)などの多糖類 (オリゴ糖類は 2〜10分子の単糖が、多糖類は 11 分子以上の単糖がグリコシド結合などにより結合したものを意味し、それらの結合形 態は問わない。 )二糖類以上の場合はその構成はホモであってもへテロであっても良 い。)、さらには糖アルコール、 2 デォキシ一 D グルコース、 3— o—メチル D— グルコースなどそれらの誘導体が該当しうる力 中でも特に、本発明の改変型 PQQ
GDHを糖尿病患者の臨床診断や血糖値コントロール等の目的で行われる血中ダル コース濃度測定のために用いる際に問題となりうる、各種糖類が選択されることが好 ましい。このような糖としては、マンノース、ァロース、キシロース、ガラクトースまたはマ ルトースなどが挙げられ、さらに好ましくはガラクトース、ラタトースまたはマルトースが 例示される。最も好ましくはマルトースが例示される。
なお本願明細書では、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対す る作用性が、対応する野生型 PQQGDHと比較して低下したことを、基質特異性の 向上とも表現する。
[0021] グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性が低下してい るかどうかの判断は、次のように行う。
野生型 PQQGDHを用いて、(a) D グルコースを基質とした場合の PQQGDH活 性値と、 (b) D-ダルコースのかわりにダルコース以外の 1つの選択された糖を基質と した場合の PQQGDH活性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 10 0とした場合に対する相対値((b) Z (a) X 100)を求める。次いで、改変型 PQQGD Hを用いて同様の操作を行 ヽ、その値を比較して判断する。
活性測定は、後述の試験例 1に記載の活性測定法により行われる。
[0022] 本発明の改変型 PQQGDHは、グルコース濃度の測定において、グルコース以外 の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性が野生型 PQQGDHを用いた 場合と比較して低下したものである。グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖 基質に対する作用性は、好ましくは野生型 PQQGDHの 50%以下、より好ましくは 4 0%以下、さらに好ましくは 30%以下、最も好ましくは 20%以下である。
[0023] 好ましくは、本発明の改変型 PQQGDHは、グルコース以外の少なくとも 1つの選択 された糖基質に対する作用性がグルコースに対する作用性の 50%以下である。より 好ましくは 40%以下、さらに好ましくは 30%以下、最も好ましくは 20%以下である。
[0024] 本発明の改変型 PQQGDHは、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基 質に対する作用性が野生型 PQQGDHより低下していれば、グルコースに対する作 用性は上昇、不変、低下のいずれであっても本発明の改変型 PQQGDHに包含さ れる。
実用上、グルコースに対する作用性が本質的に維持されていれば、対応する野生 型酵素と比較して低下して 、ても力まわな 、。グルコースに対する作用性が対応する 野生型酵素と比較して 20%以上維持されて 、れば、グルコース測定が可能な程度 に維持されており、グルコースに対する作用性が本質的に維持されていると考えられ る。好ましくは、グルコースに対する作用性が対応する野生型酵素と比較して 20%以 上維持できていれば良い。より好ましくは 50%以上、さらに好ましくは 80%以上、さら により好ましくは 90%以上、最も好ましくは 100%以上であることが望ましい。
[0025] 好ましくは、本発明の改変型 PQQGDHは、次の(a)〜(c)に示すいずれかの特徴 を有する。
(a)グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質 (最も好ましくはマルトース) に対する作用性が野生型 PQQGDHの 50%以下、より好ましくは 40%以下、さらに 好ましくは 30%以下、最も好ましくは 20%以下であり、かつ、
(b)グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質 (最も好ましくはマルトース) に対する作用性がグルコースに対する作用性の 50%以下、より好ましくは 40%以下 、さらに好ましくは 30%以下、最も好ましくは 20%以下であり、かつ、
(c)グルコースに対する作用性が対応する野生型酵素と比較して 20%以上維持でき ていれば良い。より好ましくは 50%以上、さらに好ましくは 80%以上、さらにより好ま しくは 90%以上、最も好ましくは 100%以上である。
[0026] 本発明の改変型 PQQGDHは、野生型 PQQGDHに、ァシネトパクター バウマン 二 NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 74位、 75位、 76位 、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位、 169位、 170位、 171 位、 344位、 345位及び 430位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acineto bacter属または他の種由来の PQQGDHにおける上記と同等の位置にお 、て少な くとも 1つ以上のアミノ酸を挿入する変異を導入したものである。
好ましくは、 169位および Zまたは 430位への挿入が好ましい。さらには、 169位へ の R (アルギニン)、 K (リジン)、 F (フエ-ルァラニン)または Y (チロシン)の挿入、およ び/または、 430位への P (プロリン)の挿入が好まし!/、。
[0027] 本発明は、その好ましい別の態様において、ァシネトパクター バウマン- NCIM B 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 74位、 75位、 76位、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位、 169位、 170位、 171位、 344位 、 345位及び 430位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属ま たは他の種由来の PQQGDHにおける上記と同等の位置にお 、て少なくとも 1っ以 上のアミノ酸が挿入された変異を有し、さらに、該 PQQGDHのアミノ酸配列における 125位、 128位、 142位、 168位、 169位、 170位、 224位、 230位、 236位、 244位 、 258位、 345位、 351位、 416位及び 428位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、 他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性グルコースデ ヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸置換 を有する改変型 PQQGLDに関し、その改変型 PQQGDHは、対応する野生型 PQ QGDHと比較して、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作 用性が低下した基質特異性を有することに技術的特徴を有する。
本発明は、さらに別の好ましい態様において、上記のアミノ酸置換箇所は、該 PQQ GDHのアミノ酸配列における 16位、 22位、 49位、 67位、 68位、 69位、 74位、 75位 、 76位、 89位、 116位、 120位、 127位、 129位、 130位、 131位、 143位、 146位、 167位、 171位、 174位、 177位、 185位、 186位、 188位、 189位、 207位、 215位 、 227位、 231位、 245位、 249位、 253位、 254位、 255位、 277位、 295位、 300 位、 309位、 318位、 341位、 342位、 343位、 344位、 346位、 347位、 349位、 35 0位、 356位、 397位、 398位、 423位、 429位、 432位、 433位、 43
4位および 439位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属また は他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記 と同等の位置において少なくとも 1つ以上であってもよい。
[0028] 本発明は、さらに別の好ましい態様において、上記のアミノ酸置換箇所は、該 PQQ GDHのアミノ酸配列における 168位、 169位、 170位、 245位、 342位及び 429位 のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属または他の種由来の ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置に ぉ 、て少なくとも 1つ以上であってもよ 、。
168位は好ましくは A, G, D, E, L, S, F, H, Yのうちいずれ力に、 169位は好ま しくは A, G, M, W, K, Q, Fにうちいずれ力に、 170位は、 245位は好ましくは Dに 、 342位は好ましくは I, P, V, W, F, Τ, Aのうちいずれかに、 429位は好ましくは T , I, P, Vのうちいずれかに置換することが好ましい。
[0029] 本発明において、挿入箇所の数には特に制限はなぐ改変の基になる野生型の P QQGDHの基質特異性以外の特性を、実質的に大きく損ねることがない程度にダル コース測定が可能な程度に維持されていれば特に限定されるものではないが、いわ ゆる「1または数箇所」程度以内であることが好ましい。さらには、挿入箇所が「1また は数箇所」程度以内であることが好ましぐさらには挿入箇所が 3箇所以内がより好ま しぐ最も好ましくは 2箇所以内である。
また、置換を含めたトータルの変異箇所についても特に制限はないが、改変の基に なる野生型の PQQGDHの基質特異性以外の特性を、実質的に大きく損ねることが な 、程度にグルコース測定が可能な程度に維持されて ヽれば特に限定されるもので はないが、測定可能な程度に活性が維持されるという観点力 は、経験上、変異箇 所は 10個以内が適当と思われる。変異部位の導入は野生型と比べ、グルコースに 対する活性も低下させる頻度が高 、ことから、少な!、変異箇所で十分な効果を満た すことが望ましい。例えば、 Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M34 2I+N429D+430Pの変異において、 8重変異体 (変異箇所 8個以内)でも測定可 能な活性を有している力 Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D+M342 I+430Pや、 Q168A+ 169F+L169P+A170L+E245D+M342I+430Pの 7 重変異体 (変異箇所 7個以内)でも、著しい基質特異性の向上効果が見られており、 更に、 Q168A+ 169Y+L169P+E245D+430Pの 5重変異体(変異箇所 5個以 内)でも、実質的にマルトースに作用しないと言える程度の作用性になっている。
[0030] 対応する野生型 PQQGDHと比較して、グルコース以外の少なくとも 1つの選択さ れた糖基質に対する作用性が低下した本発明の改変型 PQQGDHとしては、例えば ァシネトパクター バウマン- NCIMB 11517株由来 PQQGDHのアミノ酸配列 における以下のいずれかの改変型 PQQGDH、あるいは、他の Acinetobacter属ま たは他の種由来の PQQGDHにおける上記と同等の位置におい他の種における上 記と同等の位置におけるアミノ酸変異のうちいずれかを有する改変型 PQQGDHが 例示される。
(Q168A+ 169R+L169P+A170K+E245D+M342I)
(Q168A+ 169R+L169P+A170V+E245D+M342I)
(Q168A+ 169K+L169P+A170I+E245D + M342I)
(Q168A+ 169K+L169P+A170Q+E245D + M342I)
(Q168A+ 169K+L169P+A170S +E245D+M342I)
(Q168A+ 169K+L169P+A170T+E245D + M342I)
(Q168A+ 169Y+L169P+E245D+N429D+430P)
[0031] 本発明の改変型 PQQGDHとしては、このほか次のようなものであっても良い。
(Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+N429D+430P) (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+430P)
(Q168A+ 169F+L169P+A170L+E245D + M342I+430P)
(Q168A+ 169K+L169P+A170M+E245D + M342I)
[0032] なお、本発明の改変型 PQQGDHは、グルコースに対する作用性が本質的に維持 され、かつ、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性に 対して実質的な悪影響を及ぼさない限り、さらに他のアミノ酸残基の一部が欠失また は置換 ·挿入等されて ヽてもよく、また他のアミノ酸残基が付加または置換等されて ヽ てもよい。
さらに、本発明の改変型 PQQGDHは、グルコースに対する作用性が本質的に維 持され、かつ、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性 に対して実質的な悪影響を及ぼさな 、限り、 PQQGDHにヒスチジンタグなどのタグ を結合または挿入させた態様、 PQQGDHの少なくとも一方の末端に他のペプチド や他の蛋白質 (たとえばストレプトアビジンゃシトクロム)を融合させた態様、糖鎖や他 の化合物により化学修飾された態様、 PQQGDH分子内および Zまたは分子間でジ ズルフイド結合などにより架橋されたものやリンカ一ペプチドなどを介して連結された もの等の態様を含みうる。あるいは、いくつかの由来の野生型 PQQGDHの断片を組 み合わせて構成したものを含みうる。
[0033] 本発明に用いる改変型 PQQGDHは、例えば、野生型 PQQGDHをコードする遺 伝子を取得し、次 、でそれを改変して改変型 PQQGDHをコードするポリヌクレオチ ドを構築し、次 、で当該ポリペプチドを適当な発現系にお 、て発現させることによつ て作製されうる。
このような改変は当該技術分野における公知技術を用いて当業者であれば容易に 実施することが出来る。例えば、蛋白質に部位特異的変異を導入するために当該蛋 白質をコードする遺伝子の塩基配列を置換または挿入するための種々の方法が、 S ambrookら著、 Molecular Cloning; A Laboratory Manual 第 2|¾RA上 989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに ci載されている。
[0034] [1 - 2]
本発明は、その別の一つの態様において、野生型 PQQGDHよりも二糖類に対す る作用性が低下した改変型 PQQGDHである。
[0035] 二糖類に対する作用性とは、二糖類を脱水素する作用を意味する。二糖類として は、マルトース、シュクロース、ラタトース、セロビオースなどが例示され、特にマルトー スが例示される。本願発明では、二糖類に対する作用性が低下したことを、基質特異 性の向上とも表現する。
[0036] 二糖類に対する作用性が低下して 、るかどうかの判断は、次のように行う。
後述の試験例 1に記載の活性測定法において、野生型 PQQGDHを用いて、 D— グルコースを基質溶液とした場合の PQQGDH活性値 (a)と、 D—グルコースのかわ りに当該二糖類を基質溶液とした場合の PQQGDH活性値 (b)を測定し、グルコース を基質とした場合の測定値を 100とした場合に対する相対値 ( (b) / (a) X 100)を求 める。次いで、改変型 PQQGDHを用いて同様の操作を行い、その値を比較して判 断する。
[0037] 本発明の改変型 PQQGDHは、二糖類に対する作用性が野生型 PQQGDHより 低下していれば、グルコースに対する作用性は上昇、不変、低下のいずれであって も本発明の改変型 PQQGDHに包含される。
[0038] 本発明の改変型 PQQGDHは、グルコース濃度の測定において二糖類に対する 作用性が野生型 PQQGDHを用いた場合と比較して低下したものを含む。好ましく は、マルトースに対する作用性が低下したものである。マルトースに対する作用性は
、好ましくは野生型 PQQGDHの 90%以下、より好ましくは 70%以下、さらに好ましく は 40%以下、特に 20%以下である。
[0039] 本発明の改変型 PQQGDHは、マルトースに対する作用性がグルコースに対する 作用性の 90%以下であるものが好ましい。より好ましくは 70%以下、さらに好ましくは
40%以下、特に 20%以下である。
[0040] 野生型 PQQGDHよりも二糖類に対する作用性が低下した本発明の改変型 PQQ
GDHとしては、例えば、
ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)において、以下 の少なくともいずれかの変異を有する、野生型の PQQGDHよりも二糖類に対する作 用性が低下した改変型 PQQGDH。
(1) Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 142位、 224位、 230 位、 236位、 244位、 258位及び 416位の少なくとも 1つの位置、または、他の種にお ける上記と同等の位置においてアミノ酸置換を有する、
(2) Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列における 74位、 75位、 76位、 168位、 169位、 170位、 171位、 344位、 345位及び 430位の少なくとも 1つの位置 、または、他の種における上記と同等の位置においてアミノ酸挿入を有する が例示される。
[0041] 好ましくは、 K142D、 K142I、 T224A、 T224C、 P230I、 P230S、 P230V、 P23 0Y、 A236T、 A236V、 S244T、 S244A、 L258F、 E416R、 74D、 75A、 75C、 7 5F、 75G、 75H、 751、 75K、 75レ 75M、 75N、 75R、 75S、 75T、 75V, 75W、 7 5Y、 76A、 76C、 76D、 76G、 76S、 76T、 76Y、 168H、 168N、 168P、 168S、 1 69X、 170Aゝ 170Dゝ 170Eゝ 170Fゝ 170Gゝ 170Hゝ 170Lゝ 170Pゝ 170Qゝ 170R 、 170S、 170T、 170Υ、 171Χ、 344Ρ、 344W、 345W、 430F、 430P、 430Y、 34 3L- 344V, 343Y- 344S, 3431— 344S、 344S— 345S、 344S— 3451、 344L — 345L、 344I- 345R, 344T— 345C、 344T— 345E、 344T— 345F、 344T- 345G、 344T- 345H, 344T— 3451、 344T— 345K、 344T— 345L、 344T— 3 45M、 344T- 345N, 344T— 345Q、 344T— 345R、 344T— 345S、 344T— 3 45T、 344T- 345V, 344T— 345W、 344T— 345Y、 345L— 346C、 345T- 3 46F、 345W— 346V、 345S— 3461、 346Y— 347V、力らなる群から選ばれるアミ ノ酸置換または挿入のうち少なくとも 1つを有する改変型 PQQGDHである。
[0042] ここで、例えば、「K142D」は、 142位の K(Lys)を D (Asp)に置換することを意味 する。また、「74D」は、 74位の前の位置に D (Asp)を挿入することを意味する。即ち 、 73位のアミノ酸の後に Dを挿入したことを意味する。多重変異体については、同様 の原則によって表記したものをノヽィフンでつなげて表記している。
[0043] [1 - 3]
本発明は、その一つの態様において、野生型 PQQGDHよりも二糖類に対する作 用性が低下した改変型 PQQGDHである。
[0044] 二糖類に対する作用性とは、二糖類を脱水素する作用を意味する。二糖類として は、マルトース、シュクロース、ラタトース、セロビオースなどが例示され、特にマルトー スが例示される。本願発明では、二糖類に対する作用性が低下したことを、基質特異 性の向上とも表現する。
[0045] 二糖類に対する作用性が低下して 、るかどうかの判断は、次のように行う。
後述の試験例 1に記載の活性測定法において、野生型 PQQGDHを用いて、 D— グルコースを基質溶液とした場合の PQQGDH活性値 (a)と、 D—グルコースのかわ りに当該二糖類を基質溶液とした場合の PQQGDH活性値 (b)を測定し、グルコース を基質とした場合の測定値を 100とした場合に対する相対値 ( (b) / (a) X 100)を求 める。次いで、改変型 PQQGDHを用いて同様の操作を行い、その値を比較して判 断する。
[0046] 本発明の改変型 PQQGDHは、二糖類に対する作用性が野生型 PQQGDHより 低下していれば、グルコースに対する作用性は上昇、不変、低下のいずれであって も本発明の改変型 PQQGDHに包含される。
[0047] 本発明は、弊社の先の発明とは異なるメディエーターを使用することにより、先の発 明とは異なる変異の組合せでも、基質特異性を向上させるのに有効である変異が存 在することを見出し、本発明に至った。つまり、活性測定で利用するメディエーターの 違いにより、 PQQGDHの基質特性が変化する可能性があることを見出したはじめて の例である。
[0048] 本発明の改変型 PQQGDHは、グルコース濃度の測定において二糖類に対する 作用性が野生型 PQQGDHを用いた場合と比較して低下したものを含む。好ましく は、マルトースに対する作用性が低下したものである。マルトースに対する作用性は 、好ましくは野生型 PQQGDHの 90%以下、より好ましくは 70%以下、さらに好ましく は 40%以下、特に 20%以下である。
[0049] 本発明の改変型 PQQGDHは、マルトースに対する作用性がグルコースに対する 作用性の 90%以下であるものが好ましい。より好ましくは 70%以下、さらに好ましくは 40%以下、特に 20%以下である。
[0050] 野生型 PQQGDHよりも二糖類に対する作用性が低下した本発明の改変型 PQQ GDHとしては、例えば Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列において、 アミノ酸置換力 T125Rゝ T125Vゝ T125Lゝ T125Gゝ T125C、 T125Pゝ T125Hゝ T125S, T125K, T125A, T125E, F128C、 F128E、 F128G、 F128H、 F128I 、 F128K、 F128L、 F128P、 F128S, F128T、 F128V、 F128W、 F128Y、 F12 8Q、 F128M、 F128N、 F128D、 K142Q、 K142N、 K142H、 K142W、 K142E 、 K142Tゝ K142L、 K142S、 K142V, K142P、 K142F、 K142D、 K142Y、 Kl 421、 K142R、 K142M、 Q168M、 Q168K、 Q168S、 Q168T、 Q168C、 Q168G 、 L169A、 L169V、 L169F、 L169M、 L169K、 L169R、 L169S, L169T、 L16 9Hゝ L169C、 L169Nゝ L169Qゝ L169Wゝ L169Gゝ A170Vゝ A170Fゝ A170Pゝ A170I、 A170Lゝ A170Eゝ A170Kゝ A170Rゝ A170Sゝ A170Tゝ A170Yゝ A170 H、 A170C、 A170N、 A170W、 A170G、 T224A、 T224C、 T224S、 T224A、 P 230H、 P230I、 P230M、 P230S、 P230T、 P230V、 A236C、 A236E、 A236S 、 A236V、 A236T、 I345Y、 I345E、 13451、 A351T、 A351S、 E416A、 E416C 、 E416D、 E416F、 E416G
、 E416H、 E416I、 E416L、 E416M、 E416N、 E416P、 E416Q、 E416R、 E41 6T、 E416V, E416S、 E416Y、 E416K:、 E416W, G428Vに、アミノ酸挿人力 7 4A、 74D、 74E、 74G、 74L、 74N、 74Q、 74R、 74S、 74T、 74V, 74W、 74C、 7 41、 74M、 74K、 74Y、 75F、 75レ 75S、 75T、 75V, 75R、 75W、 75C、 75G、 7 5A、 75M、 75N、 75Q、 75D、 75K、 75P、 76G、 76H、 761、 76L、 76S、 76V, 7 6W、 76Y、 76Q、 76E、 76D、 76C、 76K、 76T、 76A、 76F、 76L、 76P、 126V, 126S、 126L、 126F、 126G、 126P、 126Q、 126C、 126R、 126S、 126D、 126 A、 1261、 127Y、 127G、 127V, 127E、 1271、 127N、 127P、 127A、 127C、 12 7S、 127M、 127D、 127T、 127H、 127K、 127Q、 129N、 129Y、 129E、 129V 、 129H、 129T、 129F、 129R、 129L、 1291、 129S、 129W、 129K、 129D、 13 OFゝ 130Tゝ 130Dゝ 130Rゝ 130Vゝ 130Sゝ 1301、 130Cゝ 130Aゝ 130Pゝ 130Yゝ 1 30N、 130G、 130E、 130K、 130レ 131D、 131A、 131V, 131C、 131P、 131 H、 131S、 131F、 131G、 131W、 131R、 131M、 13 IT, 1311、 132V, 132P、 1 32L、 1321、 132K、 132E、 168A、 168V, 168M、 1681、 168L、 168T、 168Y、 168H、 168C、 168Q、 168W、 168G、 169A、 169C、 169E、 169G、 1691、 169 K、 169L、 169M、 169N、 169R、 169S、 169T、 169V, 169W、 170 A, 170C、 170D、 170E、 170F、 170G、 170H、 1701、 170L、 170N、 170P、 170Q、 170 Rゝ 170Sゝ 170Tゝ 170Vゝ 170Wゝ 170Yゝ 171Aゝ 171Cゝ 171Dゝ 171Eゝ 171Fゝ 171G、 1711、 171K、 171L、 171M、 171N、 171P、 171Q、 171R、 171S、 171 T、 171V, 171Y、 344P、 344V, 344Q、 344W、 344レ 344F、 344S、 3441、 3 44H、 344T、 344A、 344N、 344K、 344Yに単独で施されたものや、これら置換、 挿入変異が組み合わされた多重変異体として、 Q168A+L169P+E245D + M34 2I+A351Tゝ Q168A+L169P+E245D + M342I+A351T+430P, Q168A +L169P+A170M+E245D + M342I + 345Y, Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I + 345W, Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I +A351T、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+A351S, Q168A +L169P+A170M+E245D + M342I+429G, Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I + G428V, Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I +A351T+430P、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+K142T + 344T、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + 74X1 (X1 =A, D、 E、 G、 L、 N、 Q、 R、 S、 T、 V、 W、 C、 I、 M、 K、 Y)、 Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I + 75X2 (X2=F, L、 S、 T、 V、 R、 W、 C、 G、 A、 M、 N、 Q、 D 、 K、 P) , Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I + 76X3 (X3 = Gゝ H、 I 、 L、 S、 V、 W、 Y、 Q、 E、 D、 C、 K、 T、 A、 F、 L、 P)、 Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I+T125X4 (X4=R、 V、 L、 G、 C、 P、 H、 S、 K、 A、 E)、 Q16 8A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 126X5 (X5=V, S、 L, F、 G、 P、 Q、 C、 R、 S、 D、 A、 I)、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+ 127X 6 (X6=Y、 G、 V、 E、 I、 N、 P、 A、 C、 S、 M、 D、 T、 H、 K、 Q)、 Q168A+L169P + Al 70M + E245D + M342I + Fl 28X7 (X7 = C, E、 G、 H、 I、 K、 L、 P、 S、 T、 V、 W、 Y、 Q、 M、 N、 D)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342 1+ 129X8 (X8 = N、 Y、 E、 V、 H、 T、 F、 R、 L、 I、 S、 W、 K、 D)、 Q168A+L169 P+A170M+E245D + M342I+ 130X9 (X9=F, T、 D、 R、 V、 S、 I、 C、 A、 P、 Y、 N、 G、 E、 K、 L)、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+ 131X10 (X10 = D、 A、 V、 C、 P、 H、 S、 F、 G、 W、 R、 M、 T、 I)、 Q168A+L169P+A17 0M+E245D+M342I+ 132X11 (X11 =V, P, L, I, K, E) , Q168A+L169P +A170M+E245D + M342I+K142X12 (X12 = Q, N、 H、 W、 E、 T、 L、 S、 V 、 P、 F、 D、 Y、 I、 R、 M)、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+T22 4X13 (X13=A、 C、 S) , Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I + P23 0X14 (X14=H、 I、 M、 S、 T、 V)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M34 2I+A236X15 (X15 = C, E、 S、 V、 T) , Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + 344X16 (X16 = P、 V、 Q、 W、 L、 F、 S、 I、 H、 T、 A、 N、 K、 Y)、 Q16 8A+L169P+A170M+E245D + M342I+I345X17 (X17=Y、 E、 I) , Q168 A+L169P+A170M+E245D + M342I+E416X18 (X18=A、 C、 D、 F、 G、 H、 I、 L、 M、 N、 P、 Q、 R、 T、 V、 S、 Y、 K、 W)、 L169P+A170M + E245D + M 342I + Q168X19 (X19 = M、K、 S、 T、 C、 G) , Q168A+A170M+E245D + M342I+L169X20 (X20= A、 V、 F、 M、 K、 R、 S、 T、 H、 C、 N、 Q、 W、 G;)、 Ql 68A+L169P+E245D+M342I+A170X21 (X21 = V、 F、 P、 I、 L、 E、 K、 R、 S、 T、 Y、 H、 C、 N、 W、 G)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 1 68X22 (X22= A、 V、 M、 I、 L、 T、 Y、 H、 C、 Q、 W、 G)、 Q168A+L169P+A1 70M+E245D+M342I+ 169X23 (X23=A, C、 E、 G、 I、 K、 L、 M、 N、 R、 S、 Tゝ V、 W) , Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+ 170X24 (X24 = A、 C、 D、 E、 F、 G、 H、 I、 L、 N、 P、 Q、 R、 S、 T、 V、 W、 Y)、 Q168A+L169P + A170M+E245D + M342I+ 171X25 (X25=A, C、 D、 E、 F、 G、 I、 K、 L、 M、 N、 P、 Q、 R、 S、 T、 V、 Y)、のうちいずれ力、または、他の種における上記と同等の 位置におけるアミノ酸変異のうち 、ずれかを有する、野生型の PQQGDHよりも二糖 類に対する作用性が低下した改変型 PQQGDHが例示される。
[0051] ここで、例えば、「T224A」は、 224位の T(Thr)を A (Ala)に置換することを意味 する。また、「171A」は、 170位の後の位置に A (Ala)を挿入することを意味する。多 重変異体については、同様の原則によって表記したものをノヽィフンでつなげて表記 している。
[0052] また、例えば、 PQQGDHの多重変異体「Q168A+ 169F+L169P+A170L+ E245D+M342I+N429D+430P」は、 168位の Qを Aに、 169位の Lを Pに、 17 0位の Aを Lに、 245位の Eを Dに、 342位の Mを Iに、 429位の Nを D置換し、 Aに置 換された 168位の後に Fを、 Dに置換された 429位の後に Pを挿入することを意味す る。ここで取り扱つている数字は便宜上、ァシネトバクタ一'バウマン- (Acinetobact er baumannii) NCIMB 11517株の野生型 PQQGDHのアミノ酸配列上の位置に 相当しており、前方のアミノ酸が挿入されたことによりアミノ酸の位置が後方へ 1つず れたとしても、位置を表す数字の修正は行なって 、な!/、。
[0053] 次の段落に示すいずれかの置換または挿入の組み合わせによる多重変異体は、 P QQGDHの基質特異性の向上に寄与している。今回の発明で得られた多重変異体 の組合せを以下の示す。
[0054] Q168A+L169P+E245D + M342I+A351T, Q168A+L169P+E245D+ M342I+A351T+430P, Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I + 3 45Y、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + 345W, Q168A+L16 9P+A170M+E245D + M342I+A351Tゝ Q168A+L169P+A170M+E2 45D+M342I+A351S, Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+42 9G、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + G428V, Q168A+L16 9P+A170M+E245D + M342I+A351T+430P, Q168A+L169P+A170 M+E245D+M342I+K142T+ 344Tゝ Q168A+L169P+A170M+E245 D + M342I + 74X1 (X1 =A、 D、 E、 G、 L、 N、 Q、 R、 S、 T、 V、 W、 C、 I、 M、 K、 Y)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + 75X2 (X2=F、 L、 S、 T、 V、 R、 W、 C、 G、 A、 M、 N、 Q、 D、 K、 P)、 Q168A+L169P+A170M+E245 D + M342I + 76X3 (X3 = G, H、 I、 L、 S、 V、 W、 Y、 Q、 E、 D、 C、 K、 T、 A、 F、 L 、 P)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+T125X4 (X4=R、 V、 L 、 G、 C、 P、 H、 S、 K、 A、 E)、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I + 126X5 (X5=V、 S、 L、 F、 G、 P、 Q、 C、 R、 S、 D、 A、 I)、 Q168A+L169P+A1 70M+E245D+M342I+ 127X6 (X6=Y, G、 V、 E、 I、 N、 P、 A、 C、 S、 M、 D、 Tゝ H、K、 Q) , Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+F128X7 (X7 =C、 E、 G、 H、 I、 K、 L、 P、 S、 T、 V、 W、 Y、 Q、 M、 N、 D)、 Q168A+L169P + A170M+E245D + M342I+ 129X8 (X8=N, Y、 E、 V、 H、 T、 F、 R、 L、 I、 S、 W、 K、 D)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 130X9 (X9=F、 T、 D、 R、 V、 S、 I、 C、 A、 P、 Y、 N、 G、 E、 K、 L)、 Q168A+L169P+A170M + E245D+M342I+ 131X10 (X10 = D, A、 V、 C、 P、 H、 S、 F、 G、 W、 R、 M、 T、 I) , Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 132X11 (X11 =V, P, L, I, K, E) , Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+K142X12 (X12 = Q、 N、 H、 W、 E、 T、 L、 S、 V、 P、 F、 D、 Y、 I、 R、 M)、 Q168A+L169P+A170 M+E245D+M342I+T224X13 (X13=A、 C、 S) , Q168A+L169P+A170 M+E245D+M342I + P230X14 (X14=H、 I、 M、 S、 T、 V)、 Q168A+L169 P+A170M+E245D + M342I+A236X15 (X15 = C, E、 S、 V、 T)、 Q168A +L169P+A170M+E245D + M342I + 344X16 (X16 = P, V、 Q、 W、 L、 F、 S、 I、 H、 T、 A、 N、 K、 Y)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+I3 45X17 (X17=Y、 E、 I) , Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+E4 16X18 (X18=A、 C、 D、 F、 G、 H、 I、 L、 M、 N、 P、 Q、 R、 T、 V、 S、 Y、 K、 W)、 L169P+A170M+E245D + M342I + Q168X19 (X19 = M、K、 S、 T、 C、 G)、 Q168A+A170M+E245D + M342I+L169X20 (X20=A, V、 F、 M、 K、 R、 S、 T、 H、 C、 N、 Q、 W、 G)、 Q168A+L169P+E245D+M342I+A170X21 ( X21 = V、 F、 P、 I、 L、 E、 K、 R、 S、 T、 Y、 H、 C、 N、 W、 G)、 Q168A+L169P + A170M+E245D + M342I+ 168X22 (X22= A, V、 M、 I、 L、 T、 Y、 H、 C、 Q、 W、 G) , Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 169X23 (X23=A, C、 E、 G、 I、 K、 L、 M、 N、 R、 S、 T、 V、 W)、 Q168A+L169P+A170M+E245 D + M342I+ 170X24 (X24=A、 C、 D、 E、 F、 G、 H、 I、 L、 N、 P、 Q、 R、 S、 T、 V、 W、 Y)、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+ 171X25 (X25 = A、 C、 D、 E、 F、 G、 I、 K、 L、 M、 N、 P、 Q、 R、 S、 T、 V、 Y)
[0055] [1 -4]
本発明は、その一つの態様において、野生型 PQQGDHよりも二糖類に対する作 用性が低下した改変型 PQQGDHである。
[0056] 二糖類に対する作用性とは、二糖類を脱水素する作用を意味する。二糖類として は、マルトース、シュクロース、ラタトース、セロビオースなどが例示され、特にマルトー スが例示される。本願発明では、二糖類に対する作用性が低下したことを、基質特異 性の向上とも表現する。
[0057] 二糖類に対する作用性が低下して 、るかどうかの判断は、次のように行う。
後述の試験例 1に記載の活性測定法において、野生型 PQQGDHを用いて、 D— グルコースを基質溶液とした場合の PQQGDH活性値 (a)と、 D—グルコースのかわ りに当該二糖類を基質溶液とした場合の PQQGDH活性値 (b)を測定し、グルコース を基質とした場合の測定値を 100とした場合に対する相対値 ( (b) / (a) X 100)を求 める。次いで、改変型 PQQGDHを用いて同様の操作を行い、その値を比較して判 断する。
[0058] 本発明の改変型 PQQGDHは、二糖類に対する作用性が野生型 PQQGDHより 低下していれば、グルコースに対する作用性は上昇、不変、低下のいずれであって も本発明の改変型 PQQGDHに包含される。
[0059] 本発明の改変型 PQQGDHは、グルコース濃度の測定において二糖類に対する 作用性が野生型 PQQGDHを用いた場合と比較して低下したものを含む。好ましく は、マルトースに対する作用性が低下したものである。マルトースに対する作用性は 、好ましくは野生型 PQQGDHの 90%以下、より好ましくは 70%以下、さらに好ましく は 40%以下、特に 20%以下である。
[0060] 本発明の改変型 PQQGDHは、マルトースに対する作用性がグルコースに対する 作用性の 90%以下であるものが好ましい。より好ましくは 70%以下、さらに好ましくは 40%以下、特に 20%以下である。
[0061] 野生型 PQQGDHよりも二糖類に対する作用性が低下した本発明の改変型 PQQ GDHとしては、例えば Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列において、 (T224A+ A236T)、(Q168A+T224A+A236T+M342I)、 (Q168A+ 171 A+T224A+A236T+M342I) , (Q168A+ 171S+T224A+A236T+M34 21)、 (M342I+430P) , (E245D + M342I+430P)、 (Q168A+L169P+A17 0M+E245D+M342I+430P)、 (Q168A+ 169F+L169P+A170L+E245 D + M342I+430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I +430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M342I+N429D +430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E +430P)、のうちいずれ力、または、他の種における上記と同等の位置におけるアミ ノ酸変異のうち 、ずれかを有する、野生型の PQQGDHよりも二糖類に対する作用 性が低下した改変型 PQQGDHが例示される。
[0062] ここで、例えば、「T224A」は、 224位の T (Thr)を A (Ala)に置換することを意味 する。また、「171A」は、 171位の後の位置に A (Ala)を挿入することを意味する。 17 1位のアミノ酸の後に Aを挿入したことを意味する。多重変異体については、同様の 原則によって表記したものをノヽィフンでつなげて表記している。
[0063] また、例えば、 PQQGDHの多重変異体「Q168A+ 169F+L169P+A170L+ E245D+M342I+N429D+430P」は、 168位の Qを Aに、 169位の Lを Pに、 17 0位の Aを Lに、 245位の Eを Dに、 342位の Mを Iに、 429位の Nを D置換し、 Aに置 換された 168位の後に Fを、 Dに置換された 429位の後に Pを挿入することを意味す る。ここで取り扱つている数字は便宜上、ァシネトバクタ一'バウマン- (Acinetobact er baumannii) NCIMB 11517株の野生型 PQQGDHのアミノ酸配列上の位置に 相当しており、前方のアミノ酸が挿入されたことによりアミノ酸の位置が後方へ 1つず れたとしても、位置を表す数字の修正は行なって 、な!/、。
[0064] 二糖類に対する作用性を低下させるために変異導入された Pは、酵素の安定性を 低下させる要因になることがあり、その前後に荷電アミノ酸を配置させることにより安 定性が向上した改変型 PQQGDHが例示される。
[0065] 二糖類に対する作用性を低下させるために変異導入される Pの例として、本実施例 では 430Pが例示されている力 N429P変異導入により安定性が低下した改変型 P QQGDHに対しても有効である。
[0066] 前記荷電アミノ酸の好ま 、形態は、酸性アミノ酸 D、 Eであり、 P測鎖を安定化する ための配置をとつており、 Pの前後いずれでも可能である。
[0067] 次の段落に示すいずれかの置換または挿入の組合わせによる多重変異体は、 PQ QGDHの基質特異性の向上に寄与して 、る。
[0068] (T224A+ A236T)、(Q168A+T224A+A236T+M342I)、 (Q168A+ 171 A+T224A+A236T+M342I) , (Q168A+ 171S+T224A+A236T+M34 21)、 (M342I+430P) , (E245D + M342I+430P)、 (Q168A+L169P+A17 0M+E245D+M342I+430P)、 (Q168A+ 169F+L169P+A170L+E245 D + M342I+430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I +430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M342I+N429D +430P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E +430P)
[0069] 本明細書において、以下の段落で例えば [3— 1]などと記載されている場合、原則 としてノ、ィフンの後ろの数字は上記 [ 1 1]〜 [ 1—4]に対応する。ハイフンがな!/、場 合、原則としてすべてに対応する。
[0070] [2]
本発明の別の一つの態様は、 PQQGDHに請求項 1〜8のうちいずれかに記載の アミノ酸変異を行うことを含む、ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナー ゼのグルコース以外の少なくとも iつの選択された糖基質に対する作用性を、対応す る野生型酵素と比較して低下させる方法を含む。
[0071] 本願発明はまた、 PQQGDHに上記のアミノ酸挿入を行うことを特徴とする、 PQQ GDHの二糖類に対する作用性を低下させる方法である。
[0072] 本願発明は、また、 PQQGDHを用いるグルコース測定系において、請求項 1〜6 のいずれか〖こ記載のアミノ酸挿入を行った PQQGLDを含有することを特徴とする、 グルコース測定系における、測定の正確性を向上させる方法である。
[0073] 本願発明はまた、 PQQGDHを用いるグルコース測定系において、請求項 1〜6の いずれか〖こ記載のアミノ酸挿入を行った PQQGLDを含有させることを特徴とする、 測定の正確性が向上したグルコース測定用組成物を、製造する方法である。
[0074] [3]
本発明はさらに、改変型 PQQGDHをコードする遺伝子を含む。
[0075] [3- 1]
本発明の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子は、微生物など種々の起源(由来) より得られる野生型 PQQGDHをコードする遺伝子を含む DNA断片を改変すること により得られる可能性がある。具体的には、例えばァシネトパクター 'カルコァセティカ ス、ァシネトノ クタ一 ·ノ ウマン- (Acinetobacter baumannii)、シユードモナス ·ェ ノレ3 rノサ (Pseudomonasaerugmosa)、シュ ~~トモナス ·プナダ (Pseuaomonas p utida)、シユードモナス ·フノレオレツセンス (Pseudomonas fluorescens)、グノレコノ バクタ一'ォキシダンス等の酸化細菌ゃァグロバタテリゥム 'ラジオパクター(Agrobac teriumradiobacter)、ェシエリヒア'コリ、クレブシーラ 'エー口ジーンズ(Klebsiella aerogenes)等の腸内細菌を挙げることができる。
本発明の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子の由来としては、特に限定されるも のではないが、上記のうち好ましいのは、ァシネトパクター属由来の PQQGDHをコ ードする遺伝子である。さらに好ましいのは、ァシネトパクター 'カルコァセティカスもし くはァシネトバクタ一.バウマン-の 、ずれかに由来する PQQGDHをコードする遺伝 子である。さらにより好ましいのは、ァシネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517 株由来、ァシネトバクタ一 ·カルコァセティカス LMD79. 41株由来、もしくは、ァシ ネトバクタ一'カルコァセティカス IFO 12552株の PQQGDHをコードする遺伝子 である。もっとも好ましいのは、ァシネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517株由 来の PQQGDHをコードする遺伝子である。 [0076] 本発明の遺伝子は、さらに、野生型 PQQGDHをコードする遺伝子の改変により得 られた改変型 PQQGDHをコードする遺伝子につ!、て、 PQQGDHの発現を向上さ せるように、さらにコドンユーセージ(Codon usage)を変更したものを含みうる。
[0077] これらの PQQGDHは、当該技術分野における公知技術を用いて当業者であれば 容易に製造することが出来る。
[0078] 例えば、野生型 PQQGDHをコードする遺伝子を変異させてから、発現用ベクター
(多くのものが当該技術分野において知られている。例えばプラスミド。 )に挿入し、適 当な宿主 (多くのものが当該技術分野において知られている。例えば大腸菌。)に形 質転換させた形質転換体を培養し、培養液から遠心分離などで菌体を回収した後、 菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また、必要に応じて EDTAなどのキレート剤や界面活性剤等を添加して可溶ィ匕し、 PQQGDHを含む水 溶性画分を得ることができる。または適当な宿主ベクター系を用いることにより、発現 した PQQGDHを直接培養液中に分泌させることが出来る。
[0079] 上記のようにして得られた PQQGDH含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、さら に硫酸アンモ-ゥム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例 えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよ い。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。また、吸着剤あるいはゲ ルろ過剤などによるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、 ァフィ-ティクロマトグラフィーを行うことにより、精製された PQQGDHを得ることがで きる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS— PAGE)的に単一のバンドを示す程度 に純化されて 、ることが好まし 、。
[0080] これらは、例えば、以下の文献に従って進めることができる。
(a)タンパク質実験プロトコール第 1卷機能解析編,第 2卷構造解析編(秀潤社) 西村善文,大野茂男
監修
(b)改訂タンパク質実験ノート上抽出と分離精製(洋土社)岡田雅人,宫崎香 編集
(c)タンパク質実験の進めかた(洋土社) 岡田雅人,宫崎香編集 あるいは以下に例示する方法によって進めることもできる。
[0081] 野生型 PQQGDHをコードする遺伝子を改変する方法としては、通常行われる遺 伝情報を改変する手法が用いられる。すなわち、タンパク質の遺伝情報を有する DN Aの特定の塩基を変換することにより、或いは特定の塩基を挿入または欠失させるこ とにより、改変蛋白質の遺伝情報を有する DNAが作成される。 DNA中の塩基を変 換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(TransformerMutagenesis K it;Clonetech製, EXOIIl/Mung Bean Deletion
Kit; ¾tratagene^, QuickCnange Site Directed Mutagenesis Kit; ¾trat agene製など)の使用、或いはポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR)の利用が挙げられる。
[0082] [4]
本発明はさらに、改変型 PQQGDHをコードする遺伝子を含むベクター、さらには 該ベクターで形質転換された形質転換体を含む。
[0083] [4- 1]
作製された改変タンパク質の遺伝情報を有する DNAは、プラスミドと連結された状 態にて宿主微生物中に移入され、改変タンパク質を生産する形質転換体となる。 ベクターとしてプラスミドを用いる場合、例えば、ェシエリヒア'コリー(Escherichia coli)を宿主微生物とする場合には pBluescript, pUC18などが使用できる。宿主微 生物としては、例えば、ェシエリヒア'コリー W3110、ェシエリヒア'コリー C600、ェシ エリヒア'コリー JM109、ェシエリヒア'コリー DH5 aなどが利用できる。宿主微生物に 組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がェシエリヒア属に属す る微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下で組換え DNAの移入を行なう方法 などを採用することができ、更にエレクト口ポレーシヨン法を用いても良い。更には、巿 販のコンビテントセル (例えば、コンピテントハイ JM 109;東洋紡績製)を用 、ても良 い。
[0084] このような遺伝子はこれらの菌株より抽出してもよぐまた化学的に合成することもで きる。さら〖こ、 PCR法の利用により、 PQQGDH遺伝子を含む DNA断片を得ることも 可能である。
[0085] 本発明にお 、て、 PQQGDHをコードする遺伝子を得る方法としては、次のような 方法が挙げられる。例えばァシネトバクタ一'バウマン- NCIB11517 の染色体を 分離、精製した後、超音波処理、制限酵素処理等を用いて DNAを切断したものと、 リニア一な発現ベクターと両 DNAの平滑末端または付着末端において DNAリガ一 ゼなどにより結合閉鎖させて組換えベクターを構築する。該組換えベクターを複製可 能な宿主微生物に移入した後、ベクターのマーカーと酵素活性の発現を指標として スクリーニングして、 PQQを補欠分子族とする GDHをコードする遺伝子を含有する 組換えベクターを保持する微生物を得る。
なお、ァシネトバクタ一'バウマン- NCIB11517は、 NCIMBまたは UKNCCか ら人手することがでさる。
[0086] 次 ヽで、上記組換えベクターを保持する微生物を培養して、該培養微生物の菌体 から該組換えベクターを分離、精製し、該発現べクタ一から GDHをコードする遺伝子 を採取することができる。例えば、遺伝子供与体であるァシネトパクター 'バウマン- NCIB11517 の染色体 DNAは、具体的には以下のようにして採取される。
[0087] 該遺伝子供与微生物を例えば 1〜3日間攪拌培養して得られた培養液を遠心分離 により集菌し、次いで、これを溶菌させることにより PQQを補欠分子族とする GDH遺 伝子の含有溶菌物を調製することができる。溶菌の方法としては、例えばリゾチーム 等の溶菌酵素により処理が施され、必要に応じてプロテアーゼゃ他の酵素やラウリル 硫酸ナトリウム (SDS)等の界面活性剤が併用される。さら〖こ、凍結融解やフレンチプ レス処理のような物理的破砕方法と組み合わせてもよい。
[0088] 上記のようにして得られた溶菌物から DNAを分離精製するには、常法に従って、 例えばフエノール処理やプロテアーゼ処理による除蛋白処理や、リボヌクレアーゼ処 理、アルコール沈殿処理などの方法を適宜組み合わせることにより行うことができる。
[0089] 微生物から分離、精製された DNAを切断する方法は、例えば超音波処理、制限 酵素処
理などにより行うことができる。好ましくは特定のヌクレオチド配列に作用する II型制限 酵素が適している。
[0090] クローユングする際のベクターとしては、宿主微生物内で自律的に増殖し得るファ ージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが適している。ファー ジとしては、例えばェシエリヒア'コリを宿主微生物とする場合には Lambda gtlO 、 Lambda gtl l などが例示される。また、プラスミドとしては、例えば、ェシエリヒア- コリを宿主微生物とする場合には、 pBR322、 pUC19 、 pBluescript などが例示 される。
[0091] クロー-ングの際、上記のようなベクターを、上述した GDHをコードする遺伝子供 与体である微生物 DNAの切断に使用した制限酵素で切断してベクター断片を得る ことができる力 必ずしも該微生物 DNAの切断に使用した制限酵素と同一の制限酵 素を用いる必要はな 、。微生物 DNA断片とベクター DNA断片とを結合させる方法 は、公知の DNAリガーゼを用いる方法であればよぐ例えば微生物 DNA断片の付 着末端とベクター断片の付着末端とのアニーリングの後、適当な DNAリガーゼの使 用により微生物 DNA断片とベクター DNA断片との組換えベクターを作製する。必要 に応じて、アニーリングの後、宿主微生物に移入して生体内の DNAリガーゼを利用 し組換えベクターを作製することもできる。
[0092] クローユングに使用する宿主微生物としては、糸且換えベクターが安定であり、かつ 自律増殖可能で外来性遺伝子の形質発現できるものであれば特に制限されない。 一般的には、ェシエリヒア'コリ W3110 、ェシエリヒア'コリ C600、ェシエリヒア'コリ H B101 、ェシエリヒア'コリ JM109 、ェシエリヒア'コリ DH5 αなどを用いることがで きる。
[0093] 宿主微生物に組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がェシ エリヒア'コリの場合には、カルシウム処理によるコンビテントセル法やエレクト口ボーレ ーシヨン法などを用いることができる。
[0094] 上記のように得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることによ り、多量の GDHを安定に生産し得る。宿主微生物への目的組換えベクターの移入 の有無についての選択は、 目的とする DNAを保持するベクターの薬剤耐性マーカ 一と PQQの添カ卩により GDH活性を同時に発現する微生物を検索すればよい。例え ば、薬剤耐性マーカーに基づく選択培地で生育し、かつ GDHを生成する微生物を 選択すればよい。
[0095] 上記の方法により得られた PQQを補欠分子族とする GDH遺伝子の塩基配列は、 Sc ience ,第 214卷, 1205 (1981)に記載されたジデォキシ法により解読した。また、 GDHのアミノ酸配列は上記のように決定された塩基配列より推定した。
[0096] 上記のようにして、一度選択された PQQを補欠分子族とする GDH遺伝子を保有 する組換えベクターより、 PQQ生産能を有する微生物にて複製できる組換えべクタ 一への移入は、 GDH遺伝子を保持する組換えベクター力 制限酵素や PCR法によ り GDH遺伝子である DNAを回収し、他のベクター断片と結合させることにより容易 に実施できる。また、これらのベクターによる PQQ生産能を有する微生物の形質転 換は、カルシウム処理によるコンビテントセル法やエレクト口ポーレーシヨン法などを用 いることがでさる。
[0097] PQQ生産能を有する微生物としては、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属 等のメタノール資化性細菌、ァセトパクター(Acetobacter )属やダルコノバクタ一( Gluconobacter )属の酢酸菌、フラボバタテリ
ゥム(Flavobacterium)属、シユードモナス属、ァシネトパクター属等の細菌を挙げる ことができる。なかでも、シユードモナス属細菌とァシネトパクター属細菌が利用できる 宿主 ベクター系が確立されており利用しゃす 、ので好ま 、。
[0098] シユードモナス属細菌では、シユードモナス ·ァエルギノサ、シユードモナス ·フルォ レツセンス、シユードモナス'プチダなどを用いることができる。また、ァシネトパクター 属細菌ではァシネトバクタ一'力ノレコアセティカス、ァシネトバクタ一'バウマン-等を 用!/、ることができる。
[0099] 上記微生物にて複製できる組換えベクターとしては、 RSF1010 由来のベクター もしくはその類似のレブリコンを有するベクターがシユードモナス属細菌に利用可能 である。例えば、 ρΚΤ240、 ρΜΜΒ24等(M. M. Bagdasarian ら, Gene, 26, 2 73 (1983) )、 pCN40 、 pCN60 等(C. C. Nieto ら, Gene, 87, 145 (1990) ) や PTS1137 等を挙げることができる。また、 pME290等(Y. Itohら、 Gene, 36, 2 7 (1985) )、 pNIl l l、 pNI20C (N. Itohら, J. Biochem. , 110, 614 (1991) )も 利用できる。
[0100] ァシネトパクター属細菌では、 pWM43 等(W. Minas ら, Appl. Environ. Mic robiol. , 59, 2807 (1993) )、 pKT230、 pWH1266 等(Μ. Hungerら, Gene , 87, 45 (1990))がベクターとして利用可能である。
[0101] [3-2], [3-3], [3-4]
[4-2], [4-3], [4-4]
本発明の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子、該遺伝子を含むベクター、さらに は該ベクターで形質転換された形質転換体は、次のよう〖こしても得ることができる。 上記の Acinetobacter属由来 PQQGDHのアミノ酸配列は、好ましくは Acinetob acter calcoaceticusまたは Acinetobacter baumannii由来 PQQ DHのァ ノ 酸配列である。中でも好ましくは配列番号 1である。配列番号 1で示される野生型 PQ QGDHタンパク質及び配列番号 2で示されるその塩基配列は、ァシネトバクタ一-バ ウマン- (Acinetobacter baumannii)NCIMB11517株を起源とするものであり、 特開平 11— 243949号公報に開示されている。なお、上記および配列番号 1におい て、アミノ酸の表記は、シグナル配列が除かれたァスパラギン酸を 1として番号付けさ れている。
[0102] ァシネトパクタ^ ~·バウマン- (Acinetobacter baumannii)NCIMB11517株は 、以前、 Acinetobacter calcoaceticusに分類されていた。本明細書においてァシ ネトバクタ一'バウマン- NCIMB 11517とァシネトバクタ一'カルコァセティカス NCI MB11517は同義である。
[0103] なお、本発明の改変型 PQQGDHは、グルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する限 り、好ましくは二糖類に対する作用性に対して実質的な悪影響を及ぼさない限り、さ らに他のアミノ酸残基の一部が欠失または置換されていてもよぐまた他のアミノ酸残 基が付加または置換されて 、てもよ 、。
[0104] ところで、本願出願時において、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス(Acinetoba cter calcoaceticus) LMD79.41株由来の酵素の X線結晶構造解析の結果が 報告され、活性中心をはじめとした該酵素の高次構造が明らかとなっている(非特許 文献 1, 2, 3, 4を参照。)。
特許文献 1:J. Mol. Biol. , 289, 319— 333 (1999)
非特許文献 2:PNAS, 96(21), 11787—11791(1999)
非特許文献 3: The EMBO Journal, 18(19), 5187— 5194(1999) 非特許文献 4: Protein Science, 9, 1265- 1273 (2000)
[0105] その高次構造に関する知見を基に、該酵素の構造と機能の相関に関する研究が 進められている力 まだ完全に明らかになつたとは言えない。例えば、水溶性ダルコ ース脱水素酵素の第 6番目の W—モチーフ、の Bストランドと Cストランドを結ぶルー プ領域 (W6BC)中のアミノ酸残基の構造遺伝子の特定の部位に変異を導入するこ とによりグルコースに対する選択性を改良しうることが考察されている(例えば、特許 文献 2を参照。)しかしながら、効果が実証されているのは実施例に開示されているも のだけである。
特許文献 2:特開 2001— 197888
[0106] ここで、本願発明の成果をもとにこれらの高次構造に関する知見を見直すと、二糖 類に対する作用性の改変には、 PQQの結合に関与するアミノ酸及び Zまたはその 周辺のアミノ酸、グルコースの結合に関与するアミノ酸及び Zまたはその周辺のァミノ 酸、カルシウムイオンの結合に関与するアミノ酸及び Zまたはその周辺のアミノ酸 の 少なくとも 1つ以上が関わっている可能性が考えられる。また、今回、これらの活性中 心力も比較的離れたタンパク質表層に近い 416位のようなアミノ酸においても二糖類 に対する作用性の改変の可能性が示された。
[0107] 本発明の改変型 PQQGDHは、配列番号 1に記載される PQQ依存性グルコース デヒドロゲナーゼにおいて、 PQQの結合に関与するアミノ酸及び Zまたはその周辺 のアミノ酸、および Zまたは、グルコースの結合に関与するアミノ酸及び Zまたはその 周辺のアミノ酸が置換または挿入されて 、るものを含む。
一方、非特許文献 3および 4には、 PQQに結合するアミノ酸として、 Y344、 W346 、 R228、 N229、 K377、 R406、 R408、 D424、グノレコースに結合するアミノ酸とし ては、 Q76、 D143、 H144、 D163、 Q168、 L169、などの記載力 Sある。
[0108] また、本発明の改変型 PQQGDHは、配列番号 1に記載される PQQ依存性ダルコ 一スデヒドロゲナーゼにおいて、カルシウムイオンの結合に関与するアミノ酸及び Z またはその周辺のアミノ酸が置換または挿入されているものを含む。
一方、非特許文献 1には、活性中心のカルシウムイオンに結合するアミノ酸としては 、 P248、 G247、 Q246、 D252、 T348などの記載力ある。 [0109] また、本発明の改変型 PQQGDHは、野生型酵素の活性型立体構造における活 性中心から半径 15 A以内、好ましくは半径 10 A以内の範囲に位置するアミノ酸を変 異することにより得られるものを含む。
[0110] また、本発明の改変型 PQQGDHは、野生型酵素の活性型立体構造において基 質から半径 10A以内の範囲に位置するアミノ酸を変異することにより得られるものを 含む。特に、基質がグルコースであるとき、野生型酵素の活性型立体構造において 基質から半径 10A以内の範隨こ位置するアミノ酸付近に変異することにより得られる ものが好ましい。
[0111] また、本発明の改変型 PQQGDHは、野生型酵素の活性型立体構造において基 質の 1位の炭素に結合する OH基から半径 10 A以内の範囲に位置するアミノ酸を変 異することにより得られるものを含む。特に、基質がグルコースであるとき、野生型酵 素の活性型立体構造において基質から半径 10 A以内の範囲に位置するアミノ酸付 近に変異を導入することにより得られるものが好ましい。
[0112] また、本発明の改変型 PQQGDHは、野生型酵素の活性型立体構造において基 質の 2位の炭素に結合する OH基から半径 10A以内の範囲に位置するアミノ酸を変 異することにより得られるものを含む。特に、基質がグルコースであるとき、野生型酵 素の活性型立体構造において基質から半径 10 A以内の範囲に位置するアミノ酸付 近に変異を導入することにより得られるものが好ましい。
[0113] 以上の教示にしたがって、当業者は、ァシネトバクタ一'バウマン- (Acinetobacte r baumannii) NCIMB 11517株を起源とする配列番号 1で示される野生型 PQQG DHタンパク質および配列番号 2で示されるその塩基配列を参照し、これらとの相同 性が高い (好ましくは 80%以上、さらに好ましくは 90%以上の相同性を有する)他の 起源 (天然のもの、改変されたもの、人工的に合成されたものを問わない)に由来す る改変型 PQQGDHについても、配列番号 1に対応する位置(同等の位置)を探し出 し、当該領域でアミノ酸残基を置換することにより、過度に試行錯誤を行うことなぐ野 生型の PQQGDHよりも二糖類に対する作用性が低下した改変型 PQQGDHを得る ことができる。
[0114] 例えば、配列番号 1のアミノ酸配列と、ァシネトバクタ一 ·カルコァセティカス(Acine tobacter calcoaceticus) LMD79. 41株由来酵素のアミノ酸配列を比較すると、 相違箇所はわずかで、相同性は 92. 3% (シグナル配列含む)となり、非常に類似し ているので、配列番号 1におけるある残基力 他起源の酵素のどのアミノ酸残基に該 当するかを容易に認識することができる。そして、本発明にしたがって、そのような 1ま たはそれ以上の箇所においてアミノ酸残基を他のアミノ酸残基で置換および/また は他のアミノ酸を挿入することにより、野生型の PQQGDHよりも二糖類に対する作用 性が低下した改変型 PQQGDHを得ることができる。これらの改変型 PQQGDHダル コース脱水素酵素も本発明の範囲内に含まれる。
[0115] 本発明の改変型 PQQGDHをコードする遺伝子は、微生物など種々の起源より得 られる野生型 PQQGDHをコードする遺伝子を含む DNA断片を改変することにより 得られる可能性がある。具体的には、例えばァシネトパクター 'カルコァセティカス、ァ シネトノ クタ一 ·ノ ウマン- (Acinetobacter baumannii)、シユードモナス ·エノレギ ノサ (Pseudomonasaerugmosa)、ソュ' ~~トモナス ·プチタ (Pseudomonas putia a)、シユードモナス ·フノレオレツセンス (Pseudomonas fluorescens)、グノレコノバク タ一'ォキシダンス等の酸化細菌ゃァグロバタテリゥム 'ラジオパクター(Agrobacteri umradiobacter)、ェシエリヒア'コリ、クレブシーラ 'エー口ジーンズ (Klebsiella aer ogenes)等の腸内細菌を挙げることができる。ただし、ェシエリヒア'コリなどに存在す る膜型酵素を改変して可溶型にすることは困難であり、起源としてはァシネトパクター 属、さらに好ましくは相同性の高 ヽァシネトパクター 'カルコァセティカスもしくはァシ ネトバクタ一'バウマン-のいずれかの可溶性 PQQGDHを選択することが好ましい。
[0116] 野生型 PQQGDHをコードする遺伝子を改変する方法としては、通常行われる遺 伝情報を改変する手法が用いられる。すなわち、タンパク質の遺伝情報を有する DN Aの特定の塩基を変換することにより、或いは特定の塩基を挿入または欠失させるこ とにより、改変蛋白質の遺伝情報を有する DNAが作成される。 DNA中の塩基を変 換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(TransformerMutagenesis K it ; Clonetech製, EXOIIl/Mung Bean Deletion Kit ; Stratagene製, Quic kChange Site Directed Mutagenesis Kit ; Stratagene製など)の使用、或 いはポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR)の利用が挙げられる。 [0117] 作製された改変タンパク質の遺伝情報を有する DNAは、ベクターと連結された状 態にて宿主微生物中に移入され、改変タンパク質を生産する形質転換体となる。 ベクターとしてプラスミドを用いる場合、例えば、ェシエリヒア'コリー(Escherichia coli)を宿主微生物とする場合には pBluescript, pUC18などが使用できる。宿主微 生物としては、例えば、ェシエリヒア'コリー W3110、ェシエリヒア'コリー C600、ェシ エリヒア'コリー JM109、ェシエリヒア'コリー DH5 aなどが利用できる。宿主微生物に 組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がェシエリヒア属に属す る微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下で組換え DNAの移入を行なう方法 などを採用することができ、更にエレクト口ポレーシヨン法を用いても良い。更には、巿 販のコンビテントセル (例えば、コンピテントハイ JM 109;東洋紡績製)を用 、ても良 い。
[0118] このような遺伝子はこれらの菌株より抽出してもよぐまた化学的に合成することもで きる。さら〖こ、 PCR法の利用により、 PQQGDH遺伝子を含む DNA断片を得ることも 可能である。
[0119] 本発明において、 PQQGDHをコードする遺伝子を得る方法としては、次のような 方法が挙げられる。例えばァシネトバクタ一 ·カルコァセティカス NCIB11517 の染 色体を分離、精製した後、超音波処理、制限酵素処理等を用いて DNAを切断した ものと、リニア一な発現ベクターと両 DNAの平滑末端または付着末端において DN Aリガーゼなどにより結合閉鎖させて組換えベクターを構築する。該組換えベクター を複製可能な宿主微生物に移入した後、ベクターのマーカーと酵素活性の発現を指 標としてスクリーニングして、 PQQを補欠分子族とする GDHをコードする遺伝子を含 有する組換えベクターを保持する微生物を得る。
なお、ァシネトバクタ一'カルコァセティカス NCIB11517は、 NCIMBまたは UKN CCから人手することがでさる。
[0120] 次 、で、上記組換えベクターを保持する微生物を培養して、該培養微生物の菌体 から該組換えベクターを分離、精製し、該発現べクタ一から GDHをコードする遺伝子 を採取することができる。例えば、遺伝子供与体であるァシネトパクター 'カルコァセ ティカス NCIB11517 の染色体 DNAは、具体的には以下のようにして採取される。 [0121] 該遺伝子供与微生物を例えば 1〜3日間攪拌培養して得られた培養液を遠心分離 により集菌し、次いで、これを溶菌させることにより PQQを補欠分子族とする GDH遺 伝子の含有溶菌物を調製することができる。溶菌の方法としては、例えばリゾチーム 等の溶菌酵素により処理が施され、必要に応じてプロテアーゼゃ他の酵素やラウリル 硫酸ナトリウム (SDS)等の界面活性剤が併用される。さら〖こ、凍結融解やフレンチプ レス処理のような物理的破砕方法と組み合わせてもよい。
[0122] 上記のようにして得られた溶菌物から DNAを分離精製するには、常法に従って、 例えばフエノール処理やプロテアーゼ処理による除蛋白処理や、リボヌクレアーゼ処 理、アルコール沈殿処理などの方法を適宜組み合わせることにより行うことができる。
[0123] 微生物から分離、精製された DNAを切断する方法は、例えば超音波処理、制限 酵素処理などにより行うことができる。好ましくは特定のヌクレオチド配列に作用する II 型制限酵素が適している。
[0124] クローユングする際のベクターとしては、宿主微生物内で自律的に増殖し得るファ ージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが適している。ファー ジとしては、例えばェシエリヒア'コリを宿主微生物とする場合には Lambda gtlO 、 Lambda gtl l などが例示される。また、プラスミドとしては、例えば、ェシエリヒア- コリを宿主微生物とする場合には、 pBR322、 pUC19 、 pBluescript などが例示 される。
[0125] クロー-ングの際、上記のようなベクターを、上述した GDHをコードする遺伝子供 与体である微生物 DNAの切断に使用した制限酵素で切断してベクター断片を得る ことがで
きるが、必ずしも該微生物 DNAの切断に使用した制限酵素と同一の制限酵素を用 いる必要はない。微生物 DNA断片とベクター DNA断片とを結合させる方法は、公 知の DNAリガーゼを用いる方法であればよぐ例えば微生物 DNA断片の付着末端 とベクター断片の付着末端とのアニーリングの後、適当な DNAリガーゼの使用により 微生物 DNA断片とベクター DNA断片との組換えベクターを作成する。必要に応じ て、アニーリングの後、宿主微生物に移入して生体内の DNAリガーゼを利用し組換 えベクターを作製することもできる。 [0126] クローユングに使用する宿主微生物としては、糸且換えベクターが安定であり、かつ 自律増殖可能で外来性遺伝子の形質発現できるものであれば特に制限されない。 一般的には、ェシエリヒア'コリ W3110 、ェシエリヒア'コリ C600、ェシエリヒア'コリ H B101 、ェシエリヒア'コリ JM109 、ェシエリヒア'コリ DH5 αなどを用いることがで きる。
[0127] 宿主微生物に組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がェシ エリヒア'コリの場合には、カルシウム処理によるコンビテントセル法やエレクト口ボーレ ーシヨン法などを用いることができる。
[0128] 上記のように得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることによ り、多量の GDHを安定に生産し得る。宿主微生物への目的組換えベクターの移入 の有無についての選択は、 目的とする DNAを保持するベクターの薬剤耐性マーカ 一と PQQの添カ卩により GDH活性を同時に発現する微生物を検索すればよい。例え ば、薬剤耐性マーカーに基づく選択培地で生育し、かつ GDHを生成する微生物を 選択すればよい。
[0129] 上記の方法により得られた PQQを補欠分子族とする GDH遺伝子の塩基配列は、 Sc ience ,第 214卷, 1205 (1981)に記載されたジデォキシ法により解読した。また、 GDHのアミノ酸配列は上記のように決定された塩基配列より推定した。
[0130] 上記のようにして、一度選択された PQQを補欠分子族とする GDH遺伝子を保有 する組換えベクターより、 PQQ生産能を有する微生物にて複製できる組換えべクタ 一への移入は、 GDH遺伝子を保持する組換えベクター力 制限酵素や PCR法によ り GDH遺伝子である DNAを回収し、他のベクター断片と結合させることにより容易 に実施できる。また、これらのベクターによる PQQ生産能を有する微生物の形質転 換は、カルシウム処理によるコンビテントセル法やエレクト口ポーレーシヨン法などを用 いることがでさる。
[0131] PQQ生産能を有する微生物としては、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属 等のメタノール資化性細菌、ァセトパクター(Acetobacter )属やダルコノバクタ一( Gluconobacter )属の酢酸菌、フラボバタテリゥム(Flavobacterium)属、シユード モナス属、ァシネトパクター属等の細菌を挙げることができる。なかでも、シユードモナ ス属細菌とァシネトパクター属細菌が利用できる宿主 ベクター系が確立されており 利用しゃす!、ので好まし 、。
[0132] シユードモナス属細菌では、シユードモナス 'ァエルギノサ、シユードモナス'フルォ レツセンス、シユードモナス'プチダなどを用いることができる。また、ァシネトパクター 属細菌ではァシネトバクタ一'力ノレコアセティカス、ァシネトバクタ一'バウマン-等を 用!/、ることができる。
[0133] 上記微生物にて複製できる組換えベクターとしては、 RSF1010 由来のベクター もしくはその類似のレブリコンを有するベクターがシユードモナス属細菌に利用可能 である。例えば、 ρΚΤ240、 ρΜΜΒ24等(M. M. Bagdasarian ら, Gene, 26, 2 73 (1983) )、 pCN40 、 pCN60 等(C. C. Nieto ら, Gene, 87, 145 (1990) ) や PTS1137 等を挙げることができる。また、 pME290等(Y. Itohら、 Gene, 36, 2 7 (1985) )、 pNIl l l、 pNI20C (N. Itohら, J. Biochem. , 110, 614 (1991) )も 利用できる。
[0134] ァシネトパクター属細菌では、 pWM43 等(W. Minas ら, Appl. Environ. Mic robiol. , 59, 2807 (1993) )、 pKT230、 pWH1266 等(Μ. Hungerら, Gene , 87, 45 (1990) )がベクターとして利用可能である。
[0135] [5]
本発明はさらに、改変型 PQQGDHをコードする遺伝子を含むベクターで形質転 換された形質転換体を培養することを含む改変型 PQQGDHの製造法に関する。
[0136] また、本発明のさらに別の一つの態様は、 PQQGDHに請求項 1〜7のうちいずれ かに記載のアミノ酸変異を行うことを含む、グルコース以外の少なくとも 1つの選択さ れた糖基質に対する作用性を、対応する野生型酵素と比較して低下させたピロロキ ノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを製造する方法を含む。
[0137] [5- 1]
例えば上記のようにして得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養さ れることにより、多量の改変タンパク質を安定して生産し得る。形質転換体である宿 主微生物の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すれば よぐ多くの場合は液体培養で行う。工業的には通気攪拌培養を行うのが有利である [0138] 培地の栄養源としては,微生物の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。 炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよぐ例えば、グルコース、シユーク ロース、ラタトース、マルトース、ラタトース、糖蜜、ピルビン酸などが使用される。また、 窒素源としては利用可能な窒素化合物であればよぐ例えば、ペプトン、肉エキス、 酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物などが使用される。その他 、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛 などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。
[0139] 培養温度は菌が成育し、改変型 PQQGDHを生産する範囲で適宜変更し得るが、 上記のような PQQ生産能を有する微生物の場合、好ましくは 20〜42°C程度である。 培養時間は条件によって多少異なる力 改変型 PQQGDHが最高収量に達する時 期を見計らって適当時期に培養を完了すればよぐ通常は 6〜48時間程度である。 培地の pHは菌が発育し、改変型 PQQGDHを生産する範囲で適宜変更し得るが、 好ましくは pH6. 0〜9. 0程度の範囲である。
[0140] 培養物中の改変型 PQQGDHを生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し、利 用することもできるが、一般には、常法に従って、改変型 PQQGDHが培養液中に存 在する場合はろ過、遠心分離などにより、改変型 PQQGDH含有溶液と微生物菌体 とを分離した後に利用される。改変型 PQQGDHが菌体内に存在する場合には、得 られた培養物からろ過または遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いで、この 菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また、必要に応じて 、 EDTA等のキレート剤及び界面活性剤を添加して GDHを可溶ィ匕し、水溶液として 分離採取する。
[0141] 上記のようにして得られた GDH含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、さらに硫 酸アンモ-ゥム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えばメ タノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよい。また 、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。その後、吸着剤あるいはゲルろ 過剤などによるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ァフ ィ-ティクロマトグラフィーを行うことにより、精製された GDHを得ることができる。 [0142] 例えば、セフアデックス(Sephadex)ゲル(フアルマシアバイオテク)などによるゲル ろ過、 DEAEセファロース CL— 6B (フアルマシアバイオテク)、ォクチルセファロー ス CL— 6B (フアルマシアバイオテク)等のカラムクロマトグラフィーにより分離、精製 し、精製酵素標品を得ることができる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS— PAG E)的に単一のバンドを示す程度に純化されて!ヽることが好ま 、。
[0143] 上記のようにして得られた精製酵素を、例えば凍結乾燥、真空乾燥やスプレードラ ィなどにより粉末ィ匕して流通させることが可能である。その際、精製酵素はリン酸緩衝 液、トリス塩酸緩衝液や GOODの緩衝液に溶解して 、るものを用いることができる。 好適なものは GOODの緩衝液であり、なかでも、 PIPES, MESもしくは MOPS緩衝 液が特に好ましい。また、カルシウムイオンまたはその塩、およびグルタミン酸、ダル タミン、リジン等のアミノ酸類、さらに血清アルブミン等を添加することにより GDHをよ り安定ィ匕することができる。
[0144] 本発明の改変タンパク質の製造方法は、特に限定されないが、以下に示すような 手順で製造することが可能である。タンパク質を構成するアミノ酸配列を改変する方 法としては、通常行われる遺伝情報を改変する手法が用いられる。すなわち、タンパ ク質の遺伝情報を有する DNAの特定の塩基を変換することにより、或いは特定の塩 基を挿入または欠失させることにより、改変蛋白質の遺伝情報を有する DNAが作製 される。 DNA中の塩基を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット (Tm nsformerMutagenesis Kit; Clonetech製, EXOIII/ Mung Bean Deletion Kit ; Stratagene製, QuickChange Site Directed Mutagenesis Kit; Stra tagene製など)の使用、或いはポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR)の利用が挙げられる
[0145] 本発明では、配列番号 1に示される PQQGDHの 168位、 169位、 170位、 245位 、及び 342位に着目し、これらのアミノ酸部位へ上記変異導入キットを用いてランダム に変異を導入したライブラリーを作製し、基質特異性の変化を指標にスクリーニング したところ、基質特異性が改善された PQQGDH改変体を得ることができた。基質特 異'性に関しては、
(Q168A+ 169R+L169P+A170K+E245D+M342I)、 (Q168A+ 169R+L169P+A170V+E245D+M342I)、
(Q168A+ 169K+L169P+A170I+E245D + M342I)、
(Q168A+ 169K+L169P+A170Q+E245D + M342I) ,
(Q168A+ 169K+L169P+A170S +E245D+M342I) ,
(Q168A+ 169K+L169P+A170T+E245D + M342I)、
(Q168A+ 169Y+L169P+E245D+N429D+430P)の多重変異体が特に好 ましい。
[0146] [5- 2]
また、本発明では、配列番号 1に示される PQQGDHの 74位、 75位、 76位、 142 位、 168位、 169位、 170位、 171位、 224位、 230位、 236位、 244位、 258位、 34 4位、 345位、 416位及び 430位に着目し、その位置においてアミノ酸を置換、およ び Zまたは、アミノ酸を挿入したところ、基質特異性が改善された PQQGDH改変体 を得ることができた。基質特異性に関しては、
K142D、 K142I、 T224A、 T224C、 P230I、 P230S、 P230V、 P230Y、 A236T 、 A236V、 S244T、 S244A、 L258F、 E416R、 74D、 75A、 75C、 75F、 75G、 7 5H、 751、 75K、 75レ 75M、 75N、 75R、 75S、 75T、 75V, 75W、 75Y、 76A、 7 6C、 76D、 76G、 76S、 76T、 76Y、 168H、 168N、 168P、 168S、 169X、 170A 、 170D、 170E、 170F、 170G、 170H、 170L、 170P、 170Q、 170R、 170S、 17 OT、 170Y、 171X、 344P、 344W、 345W、 430F、 430P、 430Y、 343L- 344V 、 343Y- 344S, 3431— 344S、 344S— 345S、 344S— 3451、 344L- 345L, 3 44I- 345R, 344T— 345C、 344T— 345E、 344T— 345F、 344T— 345G、 34 4T— 345H、 344T— 3451、 344T— 345K、 344T— 345L、 344T— 345M、 344 T— 345N、 344T— 345Q、 344T— 345R、 344T— 345S、 344T— 345T、 344 T— 345V、 344T— 345W, 344T— 345Y、 345L— 346C、 345T— 346F、 345 W— 346V、 345S— 3461、 346Y— 347V、が特に好ましい。
[0147] [5- 3]
あるいは、本発明では、配列番号 1に示される PQQGDHの 125位、 128位、 142 位、 168位、 169位、 170位、 224位、 230位、 236位、 345位、 351位、 416位及び 428位の少なくとも 1つの位置においてアミノ酸置換、または、 74位、 75位、 76位、 1 26位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位、 169位、 170位、 171位、 及び 344位の少なくとも 1つの位置においてアミノ酸挿入することに着目し、これらの アミノ酸部位へ上記変異導入キットを用いてランダムに変異を導入したライブラリーを 作製し、基質特異性の変化を指標にスクリーニングしたところ、基質特異性が改善さ れた PQQGDH改変体を得ることができた。基質特異性に関しては、 Q168A+L16 9P+E245D+M342I+A351Tゝ Q168A+L169P+E245D + M342I+A35 1T+430P、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + 345Y, Q168A +L169P+A170M+E245D + M342I + 345W, Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I+A351Tゝ Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I +A351S, Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+429G, Q168A+ L169P+A170M+E245D + M342I + G428V, Q168A+L169P+A170M +E245D+M342I+A351T+430Pゝ Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+K142T+ 344Tゝ Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I + 74X1 (XI = A、 D、 E、 G、 L、 N、 Q、 R、 S、 T、 V、 W、 C、 I、 M、 K、 Y)、 Q168A+ L169P+A170M+E245D + M342I + 75X2 (X2=F, L、 S、 T、 V、 R、 W、 C、 G、 A、 M、 N、 Q、 D、 K、 P)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I + 76X3 (X3 = G、 H、 I、 L、 S、 V、 W、 Y、 Q、 E、 D、 C、 K、 T、 A、 F、 L、 P)、 Q168A +L169P+A170M+E245D + M342I+T125X4 (X4=R、 V、 L、 G、 C、 P、 H 、 S、 K、 A、 E)、 Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+ 126X5 (X5 = V、 S、 L、 F、 G、 P、 Q、 C、 R、 S、 D、 A、 I)、 Q168A+L169P+A170M+E245 D + M342I+ 127X6 (X6 =Y、 G、 V、 E、 I、 N、 P、 A、 C、 S、 M、 D、 T、 H、 K、 Q) 、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+F128X7 (X7 = C, E、 G、 H 、 I、 K、 L、 P、 S、 T、 V、 W、 Y、 Q、 M、 N、 D)、 Q168A+L169P+A170M+E2 45D + M342I+ 129X8 (X8 = N、 Y、 E、 V、 H、 T、 F、 R、 L、 I、 S、 W、 K、 D;)、 Q 168A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 130X9 (X9=F, T、 D、 R、 V、 S 、 I、 C、 A、 P、 Y、 N、 G、 E、 K、 L)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M3 42I+ 131X10 (X10 = D、 A、 V、 C、 P、 H、 S、 F、 G、 W、 R、 M、 T、 I)、 Q168A+ L169P+A170M+E245D + M342I+ 132X11 (X11 =V, P, L, I, K, E) , Ql 68A+L169P+A170M+E245D + M342I+K142X12 (X12 = Q、 N、 H、 W、 E、 T、 L、 S、 V、 P、 F、 D、 Y、 I、 R、 M)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+T224X13 (X13=A、 Cゝ S) , Q168A+L169P+A170M+E245D+ M342I + P230X14 (X14=H, I、 M、 S、 T、 V)、 Q168A+L169P+A170M + E245D+M342I+A236X15 (X15 = C、 E、 S、 V、 T)、 Q168A+L169P+A1 70M+E245D+M342I + 344X16 (X16 = P, V、 Q、 W、 L、 F、 S、 I、 H、 T、 A、 N、K、 Y) , Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+I345X17 (X17 = Y、 E、 I) , Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+E416X18 (X18 = A、 C、 D、 F、 G、 H、 I、 L、 M、 N、 P、 Q、 R、 T、 V、 S、 Y、 K、 W)、 L169P+A170 M+E245D+M342I + Q168X19 (X19 = M、 K、 S、 T、 C、 G)、 Q168A+A17 0M+E245D+M342I+L169X20 (X20=A, V、 F、 M、 K、 R、 S、 T、 H、 C、 N 、 Q、 W、 G)、 Q168A+L169P+E245D+M342I+A170X21 (X21 =V、 F、 P 、 I、 L、 E、 K、 R、 S、 T、 Y、 H、 C、 N、 W、 G)、 Q168A+L169P+A170M+E24 5D + M342I+ 168X22 (X22= A、 V、 M、 I、 L、 T、 Y、 H、 C、 Q、 W、 G)、 Q168 A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 169X23 (X23=A、 C、 E、 G、 I、 K、 L、 M、 N、 R、 S、 T、 V、 W)、 Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 1 70X24 (X24= A、 C、 D、 E、 F、 G、 H、 I、 L、 N、 P、 Q、 R、 S、 T、 V、 W、 Y)、 Q16 8A+L169P+A170M+E245D + M342I+ 171X25 (X25=A, C、 D、 E、 F、 G、 I、 K、 L、 M、 N、 P、 Q、 R、 S、 T、 V、 Y)、の多重変異体が特に好ましい。
[5-4]
あるいは、本発明では、配列番号 1に示される PQQGDHの 74位、 75位、 76位、 1 42位、 168位、 169位、 170位、 171位、 224位、 230位、 236位、 244位、 245位、 258位、 342位、 344位、 345位、 416位、 429位及び 430位に着目し、これらのアミ ノ酸部位へ上記変異導入キットを用いてランダムに変異を導入したライブラリーを作 製し、基質特異性の変化を指標にスクリーニングしたところ、基質特異性が改善され た PQQGDH改変体を得ることができた。基質特異性に関しては、(T224A+A236 T)ゝ (Q168A+T224A+A236T+M342I) , (Q168A+ 171A+T224A+A2 36T+M342I)、 (Q168A+ 171S+T224A+A236T+M342I) , (M342I+4 30P)、 (E245D+M342I+430P) , (Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+430P)、 (Q168A+ 169F+L169P+A170L+E245D+M342I+43 0P)、 (Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M342I+430P) , (Q16 8A+ 169Y+L169P+A170L+E245D + M342I+N429D+430P)、 168 A+ 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E+430P)の多重変 異体が特に好ましい。
[0149] [6]
本発明の別の一形態は、請求項 1〜7のうちいずれかに記載の改変型 PQQGDH を含むグルコース測定用組成物を含む。
本発明の別の一形態は、請求項 1〜7のうちいずれかに記載の改変型 PQQGDH を含むグルコースアツセィキットを含む。
本発明の別の一形態は、請求項 1〜7のうちいずれかに記載の改変型 PQQGDH を含むグルコースセンサーを含む。
[0150] [6- 1]
上記各形態においては、単一で構成されていてもよいし、いくつかのパーツに分割 されて 、てグルコース測定あるいはアツセィ時にそれらを適宜組合わせて使用するよ うに構成されて 、ても良 、(たとえば PQQGDHを含む試薬とメディエータを含む試 薬の組合せ。 )0あるいは、改変型 PQQGDHを含む任意の 1以上の成分カゝら構成さ れて 、てグルコース測定あるいはアツセィ時に欠けて 、る部分を適宜追カ卩して使用 するように構成されて 、ても良 ヽ(たとえば改変型 PQQGDHを含む凍結乾燥品。使 用時に緩衝液または精製水を添加して使用する。 )。
[0151] 上記各形態にお!、て、本発明の改変型 PQQGDH、グルコース測定用組成物、グ ルコースアツセィキットならびにグルコースセンサーは、液状 (水溶液、懸濁液等)、粉 末、凍結乾燥など種々の形態をとることができる。凍結乾燥法としては、特に制限さ れるものではなく常法に従って行えばよい。本発明の酵素を含む組成物は凍結乾燥 物に限られず、凍結乾燥物を再溶解した溶液状態であってもよい。
[0152] 凍結乾燥組成物中においては、 PQQGDH含有量は、酵素の起源によっても異な るが、通常は約 5〜50% (重量比)の範囲で好適に用いられる。酵素活性に換算す ると、 100〜 2000UZmgの範囲で好適に用いられる。
[0153] さらに上記各形態において、本発明の改変型 PQQGDH、グルコース測定用組成 物、グルコースアツセィキットならびにグルコースセンサーは、その形態や使用方法 に応じて、精製された状態であっても良いし、必要により他の成分、例えば界面活性 剤、安定化剤、賦形剤など種々の添加物が加えられていても良い。
本発明へのそれらの添加物の配合法は特に制限されるものではな 、。例えば PQ QGDHを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定化剤を含む緩衝液に PQQ GDHを配合する方法、あるいは PQQGDHと安定化剤を緩衝液に同時に配合する 方法などが挙げられる。
[0154] 例えば、改変型 PQQGDHタンパク質に(1)ァスパラギン酸、グルタミン酸、 α—ケ トグルタル酸、リンゴ酸、 a—ケトグルコン酸、 α—サイクロデキストリンおよびそれら の塩力 なる群力 選ばれた 1種または 2種以上の化合物および(2)アルブミンを共 存せしめることにより、改変型 PQQGDHをさらに安定ィ匕することができる。
ァスパラギン酸、グルタミン酸、 α—ケトグルタル酸、リンゴ酸、及び α—ケトグルコ ン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモ-ゥム、カルシウム、及びマグネシウム 等の塩が挙げられるが特に限定されるものではない。上記化合物とその塩及び α— シクロデキストリンの添カ卩量は、 1〜90% (重量比)の範囲で添加することが好ましい。 これらの物質は単独で用いてもょ 、し、複数組み合わせてもよ 、。
[0155] また、カルシウムイオンを添カ卩しても安定ィ匕効果が得られる。すなわち、カルシウム イオンまたはカルシウム塩を含有させることにより、改変タンパク質を安定ィ匕させること ができる。カルシウム塩としては、塩化カルシウムまたは酢酸カルシウムもしくはクェン 酸カルシウム等の無機酸または有機酸のカルシウム塩などが例示される。また、水性 組成物において、カルシウムイオンの含有量は、 1 X 10— 4〜1 X 10— 2Μであるこ とが好ましい。
カルシウムイオンまたはカルシウム塩を含有させることによる安定ィ匕効果は、グルタ ミン酸、グルタミンおよびリジン力 なる群力も選択されたアミノ酸を含有させることによ り、さらに向上する。 グルタミン酸、グルタミンおよびリジン力もなる群力 選択されるアミノ酸は、 1種また は 2種以上であってもよい。前記の水性組成物において、グルタミン酸、グルタミンお よびリジン力 なる群力 選択されたアミノ酸の含有量は、 0. 01-0. 2重量%である ことが好ましい。
このほか、凍結乾燥安定剤として、 N—力ルバモイルー β—D—ダルコピラノシルァ ミンなどのダルコシルウレイド化合物を用いることもできる。
[0156] 含有される緩衝液としては特に限定されるものではないが、トリス緩衝液、リン酸緩 衝液、ホウ酸緩衝液、 GOOD緩衝液などが挙げられる力 カルシウムと不溶性の塩 を形成しない緩衝液はすべて使用可能である。該緩衝液の pHは 5. 0〜: L0. 0程度 の範囲で使用目的に応じて調整される。凍結乾燥物中においては緩衝剤の含有量 は、特に限定されるものではないが、好ましくは 0. 1% (重量比)以上、特に好ましく は 0. 1〜30% (重量比)の範囲で使用される。
[0157] また、さらに血清アルブミンを含有させてもよい。前記の水性組成物に血清アルブミ ンを添加する場合、その含有量は 0. 05-0. 5重量%であることが好ましい。
使用できるアルブミンとしては、牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA) などが挙げられる。特に BSAが好ましい。該アルブミンの含有量は、好ましくは 1〜8 0% (重量比)、より好ましくは 5〜70% (重量比)の範囲で使用される。
[0158] 一方、上記各形態にお!、て、本発明の改変型 PQQGDH、グルコース測定用組成 物、グルコースアツセィキットならびにグルコースセンサーは、宿主由来のタンパク質 成分以外のタンパク質成分を含有しない構成とすることもできる。
宿主由来のタンパク質成分以外のタンパク質成分としては、例えば BSA等の生体 由来物質が挙げられる。
このような構成にすることにより、グルコース測定系における非特異反応が低減する 可能性が考えられる。
[0159] この場合、組成物は、改変型 PQQGDHとカルシウムまたはカルシウム塩、及び緩 衝剤から基本的に成る。
[0160] カルシウムの供給形態としては、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、クェン酸カルシ ゥム等の無機酸または有機酸のカルシウム塩を挙げることができる。また、粉末組成 物において、カルシウムの含有量 (WZW)は、 0. 05%〜5%であることが望ましい。
[0161] 緩衝剤としては、一般的に使用されるものであれば良ぐ通常、組成物の pHを 5〜
10とするものが好ましい。但し、リン酸バッファーのようにカルシウムと不溶性の塩を 形成する可能性のあるものはその添加条件に留意する必要がある。またトリスアミノメ タンのようにアミノ基末端を有するものは、 PQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼの PQQ結合を不安定とする可能性があるためその添加条件に留意する必要がある。こ のため、緩衝剤としてさらに好ましくは、ホウ酸や酢酸といった緩衝剤や、 BES、 Bici neゝ Bis—Tris、 CHES、 EPPS、 HEPES、 HEPPSO、 MES、 MOPS, MOPSO 、 PIPES, POPSO、 TAPS, TAPSO、 TES、 Tricineといったグッド緩衝剤が挙げ られる。
また、粉末組成物において、緩衝剤の含有量 (WZW)は、 1. 0%〜50%であるこ とが望ましい。
[0162] また、改変型 PQQGDHとカルシウムまたはカルシウム塩、及び緩衝剤から基本的 に成る組成物に、アミノ酸、あるいは有機酸をさらに加えても力まわない。
また、これらを含有するものであれば、水性組成物、凍結乾燥物を問わない。
[0163] 本発明の別の一形態は、請求項 1〜7のうちいずれかに記載の改変型 PQQGDH を含むグルコース測定方法を含む。
本願発明は、また、 PQQGDHを用いるグルコース測定系において、請求項 1〜7 のうち 、ずれかに記載のアミノ酸変異を行った PGGGDHを含有することを含む、グ ルコース測定系における、測定の正確性を向上させる方法を含む。
本願発明は、また、 PQQGDHを用いるグルコース測定系において、請求項 1〜7 のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行った PQQGDHを含有させることを含む、 測定の正確性が向上したグルコース測定用組成物を、製造する方法を含む。
本願発明は、また、 PQQGDHを用いるグルコース測定系において、請求項 1〜7 のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行った PQQGDHを含有させることを含む、 測定の正確性が向上したグルコースセンサーを、製造する方法を含む。
後述の実施例にも記載されて 、るように、本願発明の改変型 PQQGDHではダル コース以外の糖であるマルトースの作用性が野生型 PQQGDHに対して著しく低下 している。このことは、例えば、腎臓合併症を有する(特に透析を行っている)糖尿病 患者より得られる臨床サンプルにおけるグルコース測定の正確性を著しく向上させる ことは明らかである。
[0164] 本発明においては以下の種々の方法によりグルコースを測定することができる。
グノレコースアツセィキット
本発明はまた、本発明に従う改変型 PQQGDHを含むグルコースアツセィキットを 特徴とする。本発明のグルコースアツセィキットは、本発明に従う改変型 PQQGDH を少なくとも 1回のアツセィに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明の改変 型 PQQGDHに加えて、アツセィに必要な緩衝液、メディエーター、キヤリブレーショ ンカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明に 従う改変型 PQQGDHは種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または 適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明の改変型 P QQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホ ロイ匕することちでさる。
[0165] グルコース測定用試薬
本発明のグルコース測定用試薬は、典型的には、 PQQGDH、緩衝液、メディエー ターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準 溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試薬 として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発 明の PQQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用 時〖こホロイ匕することちできる。
[0166] グルコースアツセィキット
本発明のグルコースアツセィキットは、典型的には、 PQQGDH,緩衝液、メデイエ 一ターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標 準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試 薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本 発明の PQQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使 用時〖こホロイ匕することもできる。 [0167] グノレコースセンサー
本発明はまた、本発明に従う改変型 PQQGDHを用いるグルコースセンサーを特 徴とする。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上 に本発明の酵素を固定ィ匕する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分 子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電 性ポリマー、酸ィ匕還元ポリマーなどがあり、あるいはフエ口センあるいはその誘導体に 代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定 してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。好ましくは本発明の改変型 PQ QGDHはホロ化した形態で電極上に固定ィ匕する力 アポ酵素の形態で固定ィ匕し、 P QQを別の層としてまたは溶液中で提供することもできる。典型的には、ダルタルアル デヒドを用いて本発明の改変型 PQQGDHをカーボン電極上に固定ィ匕した後、アミ ン基を有する試薬で処理してダルタルアルデヒドをブロッキングする。
[0168] グルコース濃度の測定は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を 入れ、 PQQおよび CaC12、およびメディエーターを加えて一定温度に維持する。メ ディエーターとしては、フェリシアン化カリウム、フエナジンメトサルフェートなどを用い ることができる。作用電極として本発明の改変型 PQQGDHを固定ィ匕した電極を用い 、対極 (例えば白金電極)および参照電極 (例えば AgZAgCl電極)を用いる。カー ボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、グルコースを含む試料 を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキヤリブ レーシヨンカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
[0169] [6- 2] , [6- 3] , [6-4]
本発明の一実施形態は以下のようなグルコース測定用組成物、グルコースアツセィ キット、グルコースセンサーを含む。
本発明の改変型 PQQGDHタンパク質は、液状 (水溶液、懸濁液等)、粉末、凍結 乾燥など種々の形態をとることができる。凍結乾燥法としては、特に制限されるもので はなく常法に従って行えばよい。本発明の酵素を含む組成物は凍結乾燥物に限ら れず、凍結乾燥物を再溶解した溶液状態であってもよい。
本発明の改変型 PQQGDHタンパク質は、グルコース測定用組成物として用いるこ とが出来る。本発明の改変型 PQQGDHタンパク質またはグルコース測定用組成物 は、グルコース測定を行なう際には、グルコースアツセィキット、グルコースセンサーと して用いることができる。本発明のグルコース測定用組成物は、その形態や使用方法 に応じて、精製された状態であっても良いし、種々の添加物が加えられていても良い 例えば、精製された改変タンパク質は、以下のような方法により安定ィ匕することがで きる。
[0170] 精製された改変タンパク質に(1)ァスパラギン酸、グルタミン酸、 aーケトグルタル 酸、リンゴ酸、 a—ケトグルコン酸、 a—サイクロデキストリンおよびそれらの塩からな る群力 選ばれた 1種または 2種以上の化合物および(2)アルブミンを共存せしめる ことにより、改変タンパク質をさらに安定ィ匕することができる。
[0171] 凍結乾燥組成物中においては、 PQQGDH含有量は、酵素の起源によっても異な るが、通常は約 5〜50% (重量比)の範囲で好適に用いられる。酵素活性に換算す ると、 100〜 2000UZmgの範囲で好適に用いられる。
[0172] ァスパラギン酸、グルタミン酸、 aーケトグルタル酸、リンゴ酸、及び α—ケトグルコ ン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモ-ゥム、カルシウム、及びマグネシウム 等の塩が挙げられるが特に限定されるものではない。上記化合物とその塩及び α— シクロデキストリンの添カ卩量は、 1〜90% (重量比)の範囲で添加することが好ましい。 これらの物質は単独で用いてもょ 、し、複数組み合わせてもよ 、。
[0173] 含有される緩衝液としては特に限定されるものではないが、トリス緩衝液、リン酸緩 衝液、ホウ酸緩衝液、 GOOD緩衝液などが挙げられる。該緩衝液の pHは 5. 0〜9. 0程度の範囲で使用目的に応じて調整される。凍結乾燥物中においては緩衝剤の 含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは 0. 1% (重量比)以上、特に好 ましくは 0. 1〜30% (重量比)の範囲で使用される。
[0174] 使用できるアルブミンとしては、牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA) などが挙げられる。特に BSAが好ましい。該アルブミンの含有量は、好ましくは 1〜8 0% (重量比)、より好ましくは 5〜70% (重量比)の範囲で使用される。
[0175] 組成物には、さらに他の安定化剤などを PQQGDHの反応に特に悪い影響を及ぼ さないような範囲で添加してもよい。本発明の安定化剤の配合法は特に制限されるも のではない。例えば PQQGDHを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定ィ匕 剤を含む緩衝液に PQQGDHを配合する方法、あるいは PQQGDHと安定化剤を緩 衝液に同時に配合する方法などが挙げられる。
[0176] また、カルシウムイオンを添カ卩しても安定ィ匕効果が得られる。すなわち、カルシウム イオンまたはカルシウム塩を含有させることにより、改変タンパク質を安定ィ匕させること ができる。カルシウム塩としては、塩化カルシウムまたは酢酸カルシウムもしくはクェン 酸カルシウム等の無機酸または有機酸のカルシウム塩などが例示される。また、水性 組成物において、カルシウムイオンの含有量は、 1 X 10— 4〜1 X 10— 2Mであるこ とが好ましい。
[0177] カルシウムイオンまたはカルシウム塩を含有させることによる安定ィ匕効果は、グルタ ミン酸、グルタミンおよびリジン力 なる群力も選択されたアミノ酸を含有させることによ り、さらに向上する。
[0178] グルタミン酸、グルタミンおよびリジン力もなる群力も選択されるアミノ酸は、 1種また は 2種以上であってもよい。前記の水性組成物において、グルタミン酸、グルタミンお よびリジン力 なる群力 選択されたアミノ酸の含有量は、 0. 01-0. 2重量%であ ることが好ましい。
[0179] さらに血清アルブミンを含有させてもよい。前記の水性組成物に血清アルブミンを 添加する場合、その含有量は 0. 05-0. 5重量%であることが好ましい。
[0180] 緩衝剤としては、通常のものが使用され、通常、組成物の pHを 5〜 10とするものが 好ましい。具体的にはトリス塩酸、ホウ酸、グッド緩衝液が用いられる力 カルシウムと 不溶性の塩を形成しない緩衝液はすべて使用できる。
[0181] 前記の水性組成物には、必要により他の成分、例えば界面活性剤、安定化剤、賦 形剤などを添加しても良 、。
[0182] 本願発明のグルコース測定用組成物は、宿主由来のタンパク質成分以外のタンパ ク質成分 (例えば BSA等の生体由来物質)を含有しない構成とすることもできる。
[0183] この場合、組成物は、改変型 PQQGDHとカルシウムまたはカルシウム塩、及び緩 衝剤から基本的に成る。また、これらを含有した上で、アミノ酸、あるいは有機酸をさ らにカ卩えても力まわない。また、これらを含有するものであれば、水性組成物、凍結乾 燥物を問わない。
[0184] カルシウムの供給形態としては、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、クェン酸カルシ ゥム等の無機酸または有機酸のカルシウム塩を挙げることができる。また、粉末組成 物において、カルシウムの含有量 (WZW)は、 0. 05%〜5%であることが望ましい。
[0185] 緩衝剤としては、一般的に使用されるものであれば良ぐ通常、組成物の pHを 5〜 10とするものが好ましい。但し、リン酸バッファーのようにカルシウムと不溶性の塩を 形成するものは好ましくない。またトリスァミノメタンのようにアミノ基末端を有するもの は、 PQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼの PQQ結合を不安定とするために好ま しくない。このため、緩衝剤としてさらに好ましくは、ホウ酸や酢酸といった緩衝剤や、 BESゝ Bicineゝ Bis—Trisゝ CHES、 EPPS、 HEPES、 HEPPSO、 MESゝ MOPSゝ MOPSO、 PIPES, POPSO、 TAPS, TAPSO、 TES、 Tricineといったグッド緩衝 剤が挙げられる。
また、粉末組成物において、緩衝剤の含有量 (WZW)は、 1. 0%〜50%であるこ とが望ましい。
[0186] 本発明においては以下の種々の方法によりグルコースを測定することができる。
グノレコースアツセィキット
本発明はまた、本発明に従う改変型 PQQGDHを含むグルコースアツセィキットを 特徴とする。本発明のグルコースアツセィキットは、本発明に従う改変型 PQQGDH を少なくとも 1回のアツセィに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明の改変 型 PQQGDHに加えて、アツセィに必要な緩衝液、メディエーター、キヤリブレーショ ンカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明に 従う改変型 PQQGDHは種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または 適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明の改変型 P QQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホ ロイ匕することちでさる。
[0187] グノレコースセンサー
本発明はまた、本発明に従う改変型 PQQGDHを用いるグルコースセンサーを特 徴とする。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上 に本発明の酵素を固定ィ匕する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分 子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電 性ポリマー、酸化還元ポリマーなどがあり、あるいはメディエーター、例えば、フエロセ ンあるいはその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あ るいは電極上に吸着固定してもよぐまたこれらを組み合わせて用いてもよい。好まし くは本発明の改変型 PQQGDHはホロ化した形態で電極上に固定ィ匕する力 アポ酵 素の形態で固定化し、 PQQを別の層としてまたは溶液中で提供することもできる。典 型的には、ダルタルアルデヒドを用いて本発明の改変型 PQQGDHをカーボン電極 上に固定ィ匕した後、アミン基を有する試薬で処理してダルタルアルデヒドをブロッキン グする。
[0188] グルコース濃度の測定は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を 入れ、 PQQおよび CaC12、およびメディエーターを加えて一定温度に維持する。メ ディエーターとしては、フェリシアン化カリウム、フエナジンメトサルフェートなどを用い ることができる。作用電極として本発明の改変型 PQQGDHを固定ィ匕した電極を用い 、対極 (例えば白金電極)および参照電極 (例えば AgZAgCl電極)を用いる。カー ボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、グルコースを含む試料 を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキヤリブ レーシヨンカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
[0189] 本願発明のグルコース測定用組成物、グルコースアツセィキット、グルコースセンサ 一、あるいはグルコース測定方法に用いるメディエーターは、特に制限されるもので はないが、好ましくは、 2, 6— dichlorophenol— indophenol (略称 DCPIP)を用い たときに優れた効果が発揮される。
さらに、今回の発明の変異箇所は、 DCPIPをメディエーターとした場合のみ効果が 見られているのではなぐフエ口センあるいはそれらの誘導体 (例えばフェリシアンィ匕 カリウム、フエナジンメトサルフェートなど)をメディエーターとした場合にも効果が見ら れることを確認している。中でもフェリシアンィ匕カリウム (Fe)をメディエーターとした場 合に好ま 、効果が見られる。 これらのメディエーターは市販のものを入手することができる。 DCPIPはメルク社よ り Si人することがでさる。
実施例
[0190] 以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明する。
実施例 1 1 : PQQ依存性ダルコース脱水素酵素遺伝子の発現プラスミドの構築 野生型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の発現プラスミド PNPG5は、ベクター pBluescript SK ( -)のマルチクロー-ング部位にァシネトパクタ^ ~ ·バウマン- (A cinetobacter baumannii) NCIMB11517株由来の PQQ依存性グルコース脱 水素酵素をコードする構造遺伝子を挿入したものである。その塩基配列を配列表の 配列番号 2に、また該塩基配列から推定される PQQ依存性グルコース脱水素酵素 のアミノ酸配列を配列表の配列番号 1に示す。
[0191] 実施例 1 2:変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の作製
野生型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換えプラスミド PNPG5 と変異導入部位のアミノ酸をコードするトリプレットを中央に含む 40mer程度の合成 オリゴヌクレオチドを基に、 QuickChangeTM Site - Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行 ヽ 、 Q168A, 169R, L169P, E245D, M342Iの変異を導入した、基質特異性が改 善された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (P NPG5— Q168A+ 169R+L169P+E245D+M342I)を取得した。次に、 pNP G5— Q168A+ 169R+L169P+E245D + M342Iを基に、先と同様の変異導入 キットを用いて、 170位にランダムにアミノ酸置換変異を導入した多重変異ライブラリ 一を作製した。そして、 PMS, DCPIPをメディエーターとした活性測定法とフェリシア ン化カリウムをメディエーターとした活性測定法の 2つの方法にて基質特異性の変化 を指標にスクリーニングした。得られた候補株の塩基配列を決定して、配列番号 1記 載のアミノ酸配列の 170番目のァラニン力 ソロイシンに置換された変異型 PQQ依 存性グルコース脱水素酵素をコー
ドする組換えプラスミド(PNPG5— Q 168A+ 169R + L 169P + A1701 + E245D + M342I)を取得した。同ライブラリーから同様のスクリーニング方法によって、 170 番目のァラニンがグルタミンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素 をコードする組換えプラスミド(pNPG5— Q168A+169R+L169P+A170Q+E 245D+M342I)、 170番目のァラニンがセリンに置換された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5— Q168A+169R+L1 69P+A170S+E245D + M342I)、 170番目のァラニンがトレォニンに置換され た変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5 -Q168A+169R+L169P+A170Q+E245D + M342I)を取得した。
また、基質特異性が改善された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコード する組換えプラスミド(PNPG5— Q168A+169K+L169P+E245D + M342I)を 基に、 170位にランダムにアミノ酸置換変異を導入した多重変異ライブラリーを作製 した。そして、同様に基質特異性の変化を指標にスクリーニングして、 170番目のァラ ニンがリシンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド(PNPG5— Q168A+169K+L169P+A170K+E245D + M342 I)を取得した。
各々の組換えプラスミドで大腸菌コンビテントセル (ェシエリヒア'コリー JM109;東 洋紡績製)を形質転換して、該形質転換体をそれぞれ取得した。
実施例 1 3:シユードモナス属細菌で複製できる発現ベクターの構築
実施例 1 2で得た組換えプラスミド pNPG 5 -Q168A+169R+L169P+A17 0I + E245D + M342Iの DNA5 μ gを制限酵素 BamHIおよび Xhol (東洋紡績製) で切断して、変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の構造遺伝子部分を単離し た。単離した DNAと BamHIおよび Xholで切断した pTM33 (1 μ g)と T4DNAリガ ーゼ 1単位で 16°C、 16時間反応させ、 DNAを連結した。連結した DNAはェシエリヒ ァ'コリ DH5 aのコンビテントセルを用いて形質転換を行った。得られた発現プラスミ ドを pNPG6— Q168A+169R+L169P+A170I+E245D + M342Iと命名した
PNPG5-Q168A+169R+L169P+A170Q+E245D+M342I, pNPG5— Q168A+169R+L169P+A170S+E245D+M342I, pNPG5— Q168A+ 1 69R+L169P+A170Q+E245D + M342I, pNPG5— Q168A+ 169K+L16 9P+E245D+M342Iの各組換えプラスミドについても上記方法と同様にして発現 プラスミドを取得した。得られた発現プラスミドそれぞれ pNPG6— Q168A+ 169R +L169P+A170Q+E245D + M342I, pNPG6— Q168A+ 169R+L169P + A170S+E245D + M342I, pNPG6-Q168A+ 169R+L169P+A170Q+E 245D+M342I、 pNPG6— Q168A+ 169K+L169P+E245D+M342Iと命名 した。
実施例 1 4:シユードモナス属細菌の形質転換体の作製
シユードモナス ·プチダ TE3493 (微工研寄 12298号)を LBG培地(LB培地 + 0. 3%グリセロール)で 30°C、 16時間培養し、遠心分離(12, OOOrpm、 10分間)により 菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK リン酸 緩衝液 (PH7. 0) 8mlをカ卩え、菌体を懸濁した。再度遠心分離(12, OOOrpm、 10分 間)により菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK —リン酸緩衝液 (pH7. 0) 0. 4mlを加え、菌体を懸濁した。
該懸濁液に実施例 1 3で得た発現プラスミド pNPG 6— Q168A+ 169R+L169 P+A170I+E245D + M342Iを 0. 5 ;z gカロえ、エレクト口ポレーシヨン
法により形質転換した。 100 g/mlのストレプトマイシンを含む LB寒天培地に生育 したコロニーより、目的とする形質転換体を得た。
PNPG6-Q168A+ 169R+L169P+A170Q+E245D+M342I, pNPG6— Q168A+ 169R+L169P+A170S +E245D+M342I, pNPG6— Q168A+ 1 69R+L169P+A170Q+E245D + M342I, pNPG6— Q168A+ 169K+L16 9P+E245D+M342Iの各発現プラスミドについても上記方法と同様にして、該形 質転換体をそれぞれ取得した。
試験例 1 1
GDH活性の測定方法 1
測定原理
D グノレコース + PMS + PQQGDH → D グノレコノ一 1, 5—ラタトン + PMS (red)
PMS (red) + DCPIP → PMS + DCPIP (red) フエナジンメトサルフェート(PMS) (red)による 2, 6—ジクロロフエノール- インドフエノール (DCPIP)の還元により形成された DCPIP (red)の存在は、 600nm で分光光度法により測定した。また、基質特異性の検討では、 D—グルコースの部分 を他の糖類に変更して、それぞれの基質に対する特異性を測定した。
単位の定義
1単位は、以下に記載の条件下で 1分当たり DCPIP (red)を 1. 0ミリモル形成させ る PQQGDHの酵素量を!、う。
方法
S¾薬
A. D—グルコース溶液: 1. OM (l. 8g D—グルコース(分子量 180. 16) /10ml H20)
B. PIPES— NaOH緩衝液, pH6. 5 : 50mM (60mLの水中に懸濁した 1. 51gの PIPES (分子量 302. 36)を、 5N NaOHに溶解し、 2. 2mlの 10% Triton X— 1 00を加える。 5N NaOHを用いて 25°Cで pHを 6. 5±0. 05に調整し、水を加えて 1 00mlとした。 )
C. PMS溶液: 24mM (73. 52mgのフエナジンメトサルフェート(分子量 817. 65) /10mlH2O)
D. DCPIP溶液: 2. 0mM (6. 5mgの-トロテトラゾリゥムブルー(分子量 817. 65) /10mlH2O)
E.酵素希釈液: ImM CaC12, 0. 1% Triton X—100, 0. 1% BSAを含 む 50mM PIPES— NaOH緩衝液(pH6. 5) 手順
1. 遮光ビンに以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した (用時調製)
4. 5ml D—グルコース溶液 (A)
21. 9ml PIPES— NaOH緩衝液(pH6. 5) (B)
2. 0ml PMS溶液 (C)
1. 0ml DCPIP溶液 (D) [0194] 上記アツセィ混合物の反応液中の濃度は次のとおり。
PIPES緩衝液 36mM
D—グノレコース 148mM
PMS 1.58mM
DCPIP 0.066mM
[0195] 2. 3. Omlの反応混合液を試験管 (プラスチック製)に入れ、 37°Cで 5分間予備カロ
¾Lしプ
3. 0.1mlの酵素溶液を加え、穏やかに反転して混合した。
4. 600nmでの水に対する吸光度の減少を 37°Cに維持しながら分光光度計で 4 5分間記録し、曲線の初期直線部分からの 1分当たりの AODを計算した (ODテスト) 同時に、酵素溶液に代えて酵素希釈液 (E)加えることを除いては同一の方法を繰 り返し、ブランク( Δ ODブランク)を測定した。
アツセィの直前に氷冷した酵素希釈液 (E)で酵素粉末を溶解し、同一の緩衝液で 0.05-0.10U/mlに希釈した (該酵素の接着性のためにプラスチックチューブの 使用が好ましい)。
基質特異性を評価する目的には、上記活性測定操作はグルコース溶液の代わりに マルトース溶液を基質として実施した。 十异
活性を以下の式を用いて計算する:
UZml={AODZmin(AODテスト一 AODブランク) X VtXdf}Z(16.8X1. OXVs)
Figure imgf000071_0001
Vt:総体積(3. lml)
Vs:サンプル体積(0. lml)
16.8:上記測定条件での DCPIPのミリモル分子吸光係数(cm2Zマイクロモル) 1.0:光路長(cm) df :希釈係数
C :溶液中の酵素濃度(c mg/ml)
グルコース以外の糖類に対する作用性が低下しているかどうかの判断は、 D ダル コースを基質溶液とした場合の活性値 (a)と、 D—グルコースのかわりにその他の糖 類を基質溶液とした場合の活性値 (b)を測定し、グルコースを基質とした場合の活性 値を 100とした場合に対する相対値((b) Z (a) X 100)を求め、行った。
試験例 1 2
GDH活性の測定方法 2
測定原理
PQQGDH
D ダルコース +フェリシアン化物イオン→
D グノレコノー 1, 5—ラタトン + フエロシアンィ匕物イオン D グ ルコースの部分を他の糖類に変更して、それぞれの基質に対する特異性を測定した 。フェリシアン化物イオンの還元により生じたフエロシアン化物イオンの存在は、分光 光度法により波長 420nmでの吸光度の減少を測定することで確認した。
方法
試薬
A. D グルコース溶液: 50. 74mM (91. 3mg D—グルコース(分子量 180. 16) /10ml H20)
B.リン酸カルシウム緩衝液 ρΗ6. 5: 50mM
C.フェリシアン化カリウム溶液: 50mM (0. 165g フェリシアン化カリウム(分子量 32 9. 25)を 10ml 蒸留水にて溶解した)
D.酵素希釈液: ImM CaC12, 0. 1% Triton X—100, 0. 1% BSAを含 む 50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7. 0)
手順
1. 遮光ビンに以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した (用時調製)
5. 6ml D グルコース溶液 (A) 49.6ml リン酸カルシウム緩衝液 (pH6.5) (B)
4. Oml フェリシアン化カリウム溶液 (C)
[0197] 上記アツセィ混合物の反応液中の濃度は次のとおり。
リン酸カルシウム緩衝液 40.5mM
D グルコース 4.6mM
フェリシアン化 K 3.3mM
[0198]
2. 3. Omlの反応混合液を試験管 (プラスチック製)に入れ、 37°Cで 5分間予備カロ
¾Lしプ
3. 0.1mlのグルコース溶液をカ卩え、穏やかに混合した。
4. 420nmでの水に対する吸光度の減少を 37°Cに維持しながら分光光度計で 1 3分間記録し、曲線の初期直線部分からの 1分間当たりの AODを計算した( AOD テスト)。同時に、グルコース溶液に代えて蒸留水をカ卩えることを除いては同一の方法 を実施し、ブランク( Δ ODブランク)を測定した。
アツセィの直前に氷冷した酵素希釈液 (E)で酵素粉末を溶解し、同一の緩衝液で 150—1500UZmlに希釈した (該酵素の接着性のためにプラスチックチューブの使 用が好ましい)。
基質特異性を評価する目的には、上記活性測定操作はグルコース溶液の代わりに マルトース溶液を基質として実施した。
[0199] 計算
活性を以下の式を用いて計算する:
UZml={AODZmin(AODテスト 厶00ブランク) ¥ (1 7(1.04X1. OXVs)
Figure imgf000073_0001
Vt:総体積(3. lml)
Vs:サンプル体積(0. lml)
1.04:上記測定条件でのフェリシアン化 Kのミリモル分子吸光係数 (cm2Zマイクロ モル) 1. 0 :光路長(cm)
df :希釈係数
C :溶液中の酵素濃度(c mg/ml)
グルコース以外の糖類に対する作用性が低下しているかどうかの判断は、 D ダル コースを基質溶液とした場合の活性値 (a)と、 D—グルコースのかわりにその他の糖 類を基質溶液とした場合の活性値 (b)を測定し、グルコースを基質とした場合の活性 値を 100とした場合に対する相対値((b) Z (a) X 100)を求め、行った。
実施例 1 5 :ホロ型発現精製酵素の調製
500mlの Terrific brothを 2L容坂ロフラスコに分注し、 121°C、 20分間オートク レーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを 100 gZmlになるよう に添加した。この培地に 100 μ g/mlのストレプトマイシンを含む ΡΥ培地で予め 30 。C、 24時間培養したシユードモナス 'プチダ TE3493 (pNPG6— Q168A+ 169R +L169P+A170I+E245D+M342I)の培養液を 5ml接種し、 30°Cで 40時間通 気攪拌培養した。培養終了時の PQQ依存性グルコース脱水素酵素活性は、前記活 性測定にぉ 、て、培養液 lml当たり約 30UZmlであった。
上記菌体を遠心分離により集菌し、 20mMリン酸緩衝液 (pH7. 0)に懸濁した後 、超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得 られた粗酵素液を HiTrap - SP (アマシャム—フアルマシア)イオン交換カラムクロマ トグラフィ一により分離'精製した。次いで 10mM PIPES— NaOH緩衝液 (pH6. 5 )で透析した後に終濃度が ImMになるように塩ィ匕カルシウムを添加した。最後に HiT rap - DEAE (アマシャム一フアルマシア)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分 離'精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、 SDS— PAGE的 にほぼ単一なバンドを示した。
PNPG6 -Q168A+ 169R+L169P+A170Q +E245D+M342I, pNPG6— Q168A+ 169R+L169P+A170S +E245D+M342I, pNPG6— Q168A+ 1 69R+L169P+A170Q +E245D + M342I, pNPG6— Q168A+ 169K+L16 9P+E245D+M342Iによるシユードモナス 'プチダ TE3493形質転換体について も上記方法と同様にして精製酵素標品を取得した。 このようにして取得した精製酵素を用いて性能を評価した。
[0201] 基質特異性
上記の活性測定方法に従い、 PQQGDHの活性を測定した。グルコースを基質溶 液とした場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素 活性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を 求めた。 (図 3)
[0202] 野生型 PQQGDHでは、グルコースとマルトースの作用性がほぼ等しくなつている のに対し、本願発明の改変型 PQQGDHではマルトースの作用性が著しく低下して いる。 PMS, DCPIPをメディエーターにした時にはマルトースの作用性が 5%前後ま で低下した多重変異体が散見できるが、これらの中でも、フェリシアンィ匕カリウムをメ ディエーターとした時には、各々の変異体で作用性が異なり、特に、請求項 1, 2で挙 げた多重変異体でのみマルトースの作用性が 20%以下となることが明ら力となった。
[0203] 実施例 2— 1 : PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子の発現プラスミドの構築 実施例 1— 1と同様に行った。
[0204] 実施例 2— 2:変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の作製
それぞれの変異導入に用いた合成オリゴヌクレオチド対は、変異導入する部位のァ ミノ酸に相当する DNA配列を NNN (N = G、 A、 T、 C)とし、そこから 5'側、 3'側に それぞれ 18ヌクレオチド付随させたものを作製して、これと相補鎖を成す合成オリゴ ヌクレオチドを作製して使用した。野生型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子 を含む組換えプラスミド PNPG5と前記合成オリゴヌクレオチド対を基に、 QuickCha ngeTM Site -Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE製)を用いて、そ のプロトコールに従って変異処理操作を行い、 目的の部位に元のアミノ酸種とは異な る変異が導入された遺伝子ライブラリーを作製した。更に塩基配列を決定して、配列 番号 1記載のアミノ酸配列の 142番目のリシンがァスパラギン酸に置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— K142 D)を取得した。
PNPG5と配列番号 4記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴ ヌクレオチドを基に、上記方法と同様にして配列番号 1記載のアミノ酸配列の 142番 目のリシン力イソロイシンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素を コードする組換えプラスミド (PNPG5— K142I)を取得した。
その他上記と同様に、目的のアミノ酸部位を置換するよう設計した合成オリゴヌタレ ォチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、配列番号 1記載のァミノ 酸配列の 224番目のトレオニンがァラニンに置換された変異型 PQQ依存性ダルコ一 ス脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5—T224A)、 224番目のトレオ ニンがシスティンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードす る糸且換えプラスミド(PNPG5—T224C)、 230番目のプロリンがイソロイシンに置 換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (P NPG5-P230I)、 230番目のプロリンがセリンに置換された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— P230S)、 230番目の プロニン力 Sパリンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードす る組換えプラスミド(PNPG5— P230V)、 230番目のプロリンがチロシンに置換され た変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5 -P230Y)、 236番目のァラニンがトレォニンに置換された変異型 PQQ依存性ダル コース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— A236T)、 236番目のァ ラニン力 Sパリンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする 組換えプラスミド(pNPG5— A236V)、 244番目のセリンがトレオニンに置換された 変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— S244T)、 244番目のセリンがァラニンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース 脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— S244A)、 258番目のロイシン がフエ-ルァラニンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコード する組換えプラスミド(PNPG5— L258F)、 416番目のァスパラギン酸がアルギニン に置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミ ド (PNPG5— E416R)、 75番目にァスパラギン酸が挿入された変異型 PQQ依存性 グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 74D)、 75番目にァ ラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプ ラスミド (PNPG5— 75A)、 75番目にシスティンが挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 75C)、 75番目にフエ 二ルァラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド (PNPG5— 75F)、 75番目にグリシンが挿入された変異型 PQQ依存 性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 75G)、 75番目に ヒスチジンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換 えプラスミド(pNPG5— 75H)、 75番目にイソロイシンが挿入された変異型 PQQ依 存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 751)、 75番目 にリシンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換え プラスミド (PNPG5— 75K)、 75番目にロイシンが挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— 75L)、 75番目にメチ ォニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換え プラスミド(PNPG5— 75M)、 75番目にァスパラギンが挿入された変異型 PQQ依存 性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 75N)、 75番目に アルギニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド (PNPG5— 75R)、 75番目にセリンが挿入された変異型 PQQ依存性 グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 75S)、 75番目にト レオニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換 えプラスミド (PNPG5— 75T)、 75番目にノ リンが挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— 75V)、 75番目にトリ ブトファンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換 えプラスミド (PNPG5— 75W)、 75番目にチロシンが挿入された変異型 PQQ依存性 グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 75Y)、 76番目にァ ラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプ ラスミド (PNPG5— 76Α)、 76番目にシスティンが挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 76C)、 76番目にァス パラギン酸が挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド (PNPG5— 76D)、 76番目にグリシンが挿入された変異型 PQQ依存 性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 76G)、 76番目に チセリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換え プラスミド(pNP
G5— 76S)、 76番目にトレオニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水 素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 76T)、 76番目にチロシンが挿入さ れた変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNP G5— 76Y)、 168番目にヒスチジンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱 水素酵素をコードする糸且換えプラスミド (pNPG5— 168H)、 168番目にァスパラギン が挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミ ド(pNPG5— 168N)、 168番目にプロリンが挿入された変異型 PQQ依存性ダルコ ース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 168P)、 168番目にセリン が挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミ ド (pNPG5— 168S)、 169番目に必須アミノ酸が挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする 20種類の組換えプラスミド(pNPG5— 169A、 pN PG5— 169C、 pNPG5— 169D、 pNPG5— 169E、 pNPG5— 169F、 pNPG5— 1 69G、 pNPG5— 169H、 pNPG5— 1691、 pNPG5— 169K、 pNPG5— 169L、 pN PG5— 169M、 pNPG5— 169N、 pNPG5— 169P、 pNPG5— 169Q、 pNPG5— 169R、 pNPG5— 169S、 pNPG5— 169T、 pNPG5— 169V、 pNPG5— 169W、 PNPG5- 169Y)、 170番目にァラニンが挿入された変異型 PQQ依存性ダルコ一 ス脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— 170A)、 170番目にァスパラ ギン酸が挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換え プラスミド(pNPG5— 170D)、 170番目にグルタミン酸が挿入された変異型 PQQ依 存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5— 170E)、 170 番目にフエ-ルァラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素を コードする組換えプラスミド (PNPG5— 170F)、 170番目にグリシンが挿入された変 異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— 17 0G)、 170番目にヒスチジンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵 素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 170H)、 170番目にロイシンが挿入され た変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5 - 170L)、 170番目にプロリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素 酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 170P)、 170番目にグルタミンが挿入 された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNP G5 - 170Q)、 170番目にアルギニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース 脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 170R)、 170番目にセリンが揷 入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (P NPG5- 170S)、 170番目にトレオニンが挿入された変異型 PQQ依存性ダルコ一 ス脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— 170T)、 170番目にチロシン が挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミ ド (pNPG5— 170Y)、 171番目に必須アミノ酸が挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換え 20種類のプラスミド(pNPG5— 171 A、 pN PG5— 171C、 pNPG5— 171D、 pNPG5— 171E、 pNPG5— 171F、 pNPG5— 1 71G、 pNPG5— 171H、 pNPG5— 1711、 pNPG5— 171K、 pNPG5— 171L、 pN PG5 - 171M, pNPG5— 171N、 pNPG5— 171P、 pNPG5— 171Q、 pNPG5— 171R、 pNPG5— 171S、 pNPG5— 171T、 pNPG5— 171V、 pNPG5— 171W、 PNPG5- 171Y)、 344番目にプロリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース 脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 344P)、 344番目にトリプトファ ンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラス ミド (PNPG5— 344W)、 430番目にトリプトファンが挿入された変異型 PQQ依存性 グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 345W)、 430番目 にフエ-ルァラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコード する組換えプラスミド (P
NPG5— 430F)、 430番目にプロリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース 脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 430P)、 430番目にチロシンが 挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド( pNPG5— 430Y)、 343、 344番目〖こロイシン、ノ リンが挿入された変異型 PQQ依 存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 343L- 344V ) , 343、 344番目にチロシン、セリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱 水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5— 343Y— 344S)、 343、 344番目 にイソロイシン、セリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコー ドする組換えプラスミド(PNPG5— 3431— 344S)、 344、 345番目にセリン、セリンが 挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド( PNPG5— 344S— 345S)、 344、 345番目にセリン、イソロイシンが挿入された変異 型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 344 S— 3451)、 344、 345番目にロイシン、ロイシンが挿入された変異型 PQQ依存性グ ルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 344L—345L)、 344 、 345番目にイソロイシン、アルギニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱 水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5— 344I— 345R)、 344、 345番目 にトレオニン、システィンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素を コードする組換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345C)、 344、 345番目にトレオニン 、グルタミン酸が挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする 組換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345E)、 344、 345番目にトレオニン、フエ-ル ァラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345F)、 344、 345番目にトレオニン、グリシンが 挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド( PNPG5— 344T— 345G)、 344、 345番目にトレオニン、ヒスチジンが挿入された変 異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 34 4T— 345H)、 344、 345番目にトレオニン、イソロイシンが挿入された変異型 PQQ 依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNPG5— 344T— 345 1)、 344、 345番目にトレオニン、リシンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース 脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345K)、 344、 345番 目にトレオニン、ロイシンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素を コードする組換えプラスミド(PNPG5— 344Τ— 345L)、 344、 345番目にトレオニン 、メチォニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345M)、 344、 345番目にトレオニン、ァスパラギ ンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラス ミド(pNPG5— 344T— 345N)、 344、 345番目にトレオニン、グルタミンが挿入され た変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5 344T— 345Q)、 344、 345番目にトレオニン、アルギニンが挿入された変異型 P QQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5 344T— 345R)、 344、 345番目にトレオニン、セリンが挿入された変異型 PQQ依存性ダルコ ース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345S)、 344、 34 5番目にトレオニン、トレオニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵 素をコードする組換えプラスミド(PNPG5— 344T— 345T)、 344、 345番目にトレオ ニン、パリンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド(PNPG5— 344Τ— 345V)、 344、 345番目にトレオニン、トリプトファ ンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラス ミド(pNPG5— 344T— 345W)、 344、 345番目にトレオニン、チロシンが挿入され た変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素
をコードする組換えプラスミド(pNPG5— 344T— 345Y)、 345、 346番目にロイシン 、システィンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組 換えプラスミド(pNPG5— 345L— 346C)、 345、 346番目にトレオニン、フエ-ルァ ラニンが挿入された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプ ラスミド(pNPG5— 345T— 346F)、 345、 346番目にトリプトファン、パリンが挿入さ れた変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (pNP G5— 345W— 346V)、 345、 346番目にセリン、イソロイシンが挿入された変異型 P QQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— 345S 3461)、 345、 346番目にチロシン、ノ リンが挿入された変異型 PQQ依存性ダルコ一 ス脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5 - 346Y- 347V)を取得した。
PNPG5-K142D, pNPG5— K142I、 pNPG5— T224A、 pNPG5— T224C、 pNPG5— P230I、 pNPG5— P230S、 pNPG5— P230V、 pNPG5— P230Y、 pN PG5 -A236T, pNPG5— A236V、 pNPG5— S244T、 pNPG5— S244A、 pNP G5 -L258F, pNPG5— E416R、 pNPG5— 74D、 pNPG5— 75A、 pNPG5— 7 5C、 pNPG5— 75F、 pNPG5— 75G、 pNPG5— 75H、 pNPG5— 751、 pNPG5— 75K、 pNPG5— 75L、 pNPG5— 75M、 pNPG5— 75N、 pNPG5— 75R、 pNPG 5- 75S, pNPG5— 75T、 pNPG5— 75V、 pNPG5— 75W、 pNPG5— 75Y、 pN PG5 - 76A, pNPG5— 76C、 pNPG5— 76D、 pNPG5— 76G、 pNPG5— 76S、 pNPG5— 76T、 pNPG5— 76Y、 pNPG5— 168H、 pNPG5— 168N、 pNPG5— 168P、 pNPG5— 168S、 pNPG5— 169A、 pNPG5— 169C、 pNPG5— 169D、 pNPG5— 169E、 pNPG5— 169F、 pNPG5— 169G、 pNPG5— 169H、 pNPG5 — 1691、 pNPG5— 169K、 pNPG5— 169L、 pNPG5— 169M、 pNPG5— 169N 、 pNPG5— 169P、 pNPG5— 169Q、 pNPG5— 169R、 pNPG5— 169S、 pNPG 5— 169T、 pNPG5— 169V、 pNPG5— 169W、 pNPG5— 169Y、 pNPG5— 170 A、 pNPG5— 170D、 pNPG5— 170E、 pNPG5— 170F、 pNPG5— 170G、 pNP G5 - 170H, pNPG5— 170L、 pNPG5— 170P、 pNPG5— 170Q、 pNPG5— 17 OR、 pNPG5— 170S、 pNPG5— 170T、 pNPG5— 170Y、 pNPG5— 171A、 pN PG5— 171C、 pNPG5— 171D、 pNPG5— 171E、 pNPG5— 171F、 pNPG5— 1 71G、 pNPG5— 171H、 pNPG5— 1711、 pNPG5— 171K、 pNPG5— 171L、 pN PG5 - 171M, pNPG5— 171N、 pNPG5— 171P、 pNPG5— 171Q、 pNPG5— 171R、 pNPG5— 171S、 pNPG5— 171T、 pNPG5— 171V、 pNPG5— 171W、 pNPG5— 171Y、 pNPG5— 344P、 pNPG5— 344W、 pNPG5— 345W、 pNPG 5— 430F、 pNPG5— 430P、 pNPG5— 430Y、 pNPG5 - 343L - 344V, pNPG 5— 343Y— 344S、 pNPG5— 3431— 344S、 pNPG5— 344S— 345S、 pNPG5 — 344S— 3451、 pNPG5 - 344L - 345L, pNPG5— 3441— 345R、 pNPG5— 3 44T— 345C、 pNPG5— 344T— 345E、 pNPG5— 344T— 345F、 pNPG5— 34 4T— 345G、 pNPG5— 344T— 345H、 pNPG5— 344T— 3451、 pNPG5— 344 T— 345K、 pNPG5— 344T— 345レ pNPG5— 344T— 345M、 pNPG5— 344 T— 345N、 pNPG5— 344T— 345Q、 pNPG5— 344T— 345R、 pNPG5— 344 T— 345S、 pNPG5— 344T— 345T、 pNPG5— 344T— 345V、 pNPG5— 344T — 345W、 pNPG5— 344T— 345Y、 pNPG5— 345L— 346C、 pNPG5— 345T — 346F、 pNPG5 - 345W- 346V, pNPG5— 345S— 3461、 pNPG5— 346Y — 347Vの各組換えプラスミドで大腸菌コンビテントセル(ェシエリヒア'コリー JM 109 ; 東洋紡績製)を形質転換し、該形質転換体をそれぞれ取得した。
[0205] 実施例 2— 3:シユードモナス属細菌で複製できる発現ベクターの構築
実施例 2— 2で得た組換えプラスミド pNPG5— K142Dの DNA5 μ gを制限酵素 Β amHIおよび Xhol (東洋紡績製)で切断して、変異型 PQQ依存性グルコース脱水素 酵素の構造遺伝子部分を単離した。単離した DNAと BamHIおよび XHoIで切断し た pTM33 ( 1 g)と T4DNAリガーゼ 1単位で 16°C、 16時間反応させ、 DNAを連 結した。連結した DNAはェシエリヒア'コリ DH5 aのコンビテントセルを用いて形質転 換を行った。得られた発現プラスミドを PNPG6— K142Dと命名した。
pNPG5、 pNPG5— 3421、 pNPG5— 342V、 pNPG5— 342P、 pNPG5— 342A 、 pNPG5— 146A、 pNPG5— 170L、 pNPG5— 170M、 pNPG5— 1701、 pNPG 5— 170Fの各組換えプラスミドについても上記方法と同様にして発現プラスミドを取 得した。得られた発現プラスミドそれぞれ pNPG6、 pNPG6— 342I、 pNPG6— 342 V、 pNPG6— 342P、 pNPG6— 342A、 pNPG6— 146A、 pNPG6— 170レ pNP G6 - 170M、 pNPG6— 1701、 pNPG6 - 170Fと命名した。
[0206] 実施例 2— 4:シユードモナス属細菌の形質転換体の作製
シユードモナス ·プチダ TE3493 (微工研寄 12298号)を LBG培地(LB培地 + 0. 3%グリセロール)で 30°C、 16時間培養し、遠心分離(12, 000rpm、 10分間)により 菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK—リン酸 緩衝液 (PH7. 0) 8mlをカ卩え、菌体を懸濁した。再度遠心分離(12, 000rpm、 10分 間)により菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK —リン酸緩衝液 (pH7. 0) 0. 4mlを加え、菌体を懸濁した。
該懸濁液に実施例 2— 3で得た発現プラスミド pNPG6— K142Iを 0. 5 gカロえ、ェ レクト口ポレーシヨン法により形質転換した。 100 μ g/mlのストレプトマイシンを含む LB寒天培地に生育したコロニーより、目的とする形質転換体を得た。
pNPG6— T224A、 pNPG6— T224C、 pNPG6— P230I、 pNPG6— P230S、 p NPG6— P230V、 pNPG6— P230Y、 pNPG6— A236T、 pNPG6— A236V、 p NPG6— S244T、 pNPG6— S244A、 pNPG6— L258F、 pNPG6— E416R、 pN PG6— 74D、 pNPG6— 75A、 pNPG6— 75C、 pNPG6— 75F、 pNPG6— 75G、 pNPG6— 75H、 pNPG6— 751、 pNPG6— 75K、 pNPG6— 75レ pNPG6— 75 M、 pNPG6— 75N、 pNPG6— 75R、 pNPG6— 75S、 pNPG6— 75T、 pNPG6— 75V, pNPG6— 75W、 pNPG6— 75Y、 pNPG6— 76A、 pNPG6— 76C、 pNPG 6— 76D、 pNPG6— 76G、 pNPG6— 76S、 pNPG6— 76T、 pNPG6— 76Y、 pN PG6— 168H、 pNPG6— 168N、 pNPG6— 168P、 pNPG6— 168S、 pNPG6— 1 69A、 pNPG6— 169C、 pNPG6— 169D、 pNPG6— 169E、 pNPG6— 169F、 p NPG6— 169G、 pNPG6— 169H、 pNPG6— 1691、 pNPG6— 169K、 pNPG6— 169L、 pNPG6— 169M、 pNPG6— 169N、 pNPG6— 169P、 pNPG6— 169Q、 pNPG6— 169R、 pNPG6— 169S、 pNPG6— 169T、 pNPG6— 169V、 pNPG6 — 169W、 pNPG6— 169Y、 pNPG6— 170A、 pNPG6— 170D、 pNPG6— 170 E、 pNPG6— 170F、 pNPG6— 170G、 pNPG6— 170H、 pNPG6— 170L、 pNP G6— 170P、 pNPG6— 170Q、 pNPG6— 170R、 pNPG6— 170S、 pNPG6— 17 OT、 pNPG6— 170Y、 pNPG6— 171A、 pNPG6— 171C、 pNPG6— 171D、 pN PG6— 171E、 pNPG
6— 171F、 pNPG6— 171G、 pNPG6— 171H、 pNPG6— 1711、 pNPG6— 171 K、 pNPG6- 171L, pNPG6— 171M、 pNPG6— 171N、 pNPG6— 171P、 pNP G6— 171Q、 pNPG6— 171R、 pNPG6— 171S、 pNPG6— 171T、 pNPG6— 17 IV、 pNPG6— 171W、 pNPG6— 171Y、 pNPG6— 344P、 pNPG6— 344W、 p NPG6- 345W, pNPG6— 430F、 pNPG6— 430P、 pNPG6— 430Y、 pNPG6 - 343L- 344V, pNPG6— 343Y— 344S、 pNPG6— 3431— 344S、 pNPG6— 344S— 345S、 pNPG6— 344S— 3451、 pNPG6 - 344L - 345L, pNPG6— 34 4I- 345R, pNPG6— 344T— 345C、 pNPG6— 344T— 345E、 pNPG6— 344 T— 345F、 pNPG6— 344T— 345G、 pNPG6— 344T— 345H、 pNPG6— 344T —3451、 pNPG6— 344T— 345K、 pNPG6— 344T— 345L、 pNPG6— 344T— 345M、 pNPG6— 344T— 345N、 pNPG6— 344T— 345Q、 pNPG6— 344T— 345R、 pNPG6— 344T— 345S、 pNPG6— 344T— 345T、 pNPG6— 344T— 3 45 V、 pNPG6 - 344T— 345W, pNPG6— 344T— 345Y、 pNPG6— 345L— 34 6C、 pNPG6 - 345T- 346F, pNPG6 - 345W- 346V, pNPG6— 345S— 346 I、 pNPG6 346Y- 347Vの各発現プラスミドにつ!/、ても上記方法と同様にして、 該形質転換体をそれぞれ取得した。
試験例 2— 1
GDH活性の測定方法
測定原理
D グノレコース + PMS + PQQGDH → D グノレコノ一 1, 5—ラタトン + PMS (red)
2PMS (red) + NTB→ 2PMS + ジホルマザン
フエナジンメトサルフェート(PMS) (red)による-トロテトラゾリゥムブルー(NTB)の 還元により形成されたジホルマザンの存在は、 570nmで分光光度法により測定した 単位の定義
1単位は、以下に記載の条件下で 1分当たりジホルマザンを 0. 5ミリモル形成させる PQQGDHの酵素量を!、う。
(3)方法
試薬
A. D グルコース溶液: 0. 5M (0. 9g D グルコース(分子量 180. 16) /10ml H20)
B. PIPES— NaOH緩衝液, pH6. 5 : 50mM (60mLの水中に懸濁した 1. 51g の PIPES (分子量 302. 36)を、 5N NaOHに溶解し、 2. 2mlの 10% Triton X — 100を加える。 5N NaOHを用いて 25°Cで pHを 6. 5±0. 05に調整し、水を加 えて 100mlとした。 )
C. PMS溶液: 3. 0mM (9. 19mgのフエナジンメトサルフェート(分子量 817. 65) /10mlH2O)
D. NTB溶液: 6. 6mM (53. 96mgの-卜ロテ卜ラゾジゥムブルー(分子量 817. 65) /10mlH2O)
E.酵素希釈液: ImM CaC12, 0. 1% Triton X—100, 0. 1% BSAを含 む 50mM PIPES— NaOH緩衝液(pH6. 5) 手順
遮光ビンに以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した (用時調製)
1.8ml D—グルコース溶液 (A)
24.6ml PIPES— NaOH緩衝液(pH6.5) (B)
2. Oml PMS溶液 (C)
1. Oml NTB溶液 (D)
[0208] 上記アツセィ混合物中の濃度は次のとおり。
PIPES緩衝液 42mM
D—グルコース 30mM
PMS 0.20mM
NTB 0.22mM
[0209] 3. Omlの反応混合液を試験管 (プラスチック製)に入れ、 37°Cで 5分間予備加温した 0. 1mlの酵素溶液を加え、穏やかに反転して混合した。
570nmでの水に対する吸光度の増加を 37°Cに維持しながら分光光度計で 4〜5分 間記録し、曲線の初期直線部分からの 1分当たりの AODを計算した (ODテスト)。 同時に、酵素溶液に代えて酵素希釈液 (E)加えることを除いては同一の方法を繰 り返し、ブランク( Δ ODブランク)を測定した。
アツセィの直前に氷冷した酵素希釈液 (E)で酵素粉末を溶解し、同一の緩衝液で 0. 1-0.8UZmlに希釈した (該酵素の接着性のためにプラスチックチューブの使 用が好ましい)。
十异
活性を以下の式を用いて計算する:
UZml={AODZmin(AODテスト 厶00ブランク) ¥ (1 7(20.1X1. OXVs)
Figure imgf000086_0001
Vt:総体積(3. lml)
Vs:サンプル体積(1. Oml) 20. 1 :ジホルマザンの 1Z2ミリモル分子吸光係数
1. 0 :光路長(cm)
df :希釈係数
C :溶液中の酵素濃度(c mg/ml)
実施例 2— 5 :ホロ型発現精製酵素の調製
500mlの Terrific brothを 2L容坂ロフラスコに分注し、 121°C、 20分間オートク レーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを 100 gZmlになるよう に添加した。この培地に 100 μ g/mlのストレプトマイシンを含む ΡΥ培地で予め 30 。C、 24時間培養したシユードモナス ·プチダ TE3493 (pNPG6 - 74V)の培養液を 5 ml接種し、 30°Cで 40時間通気攪拌培養した。培養終了時の PQQ依存性ダルコ一 ス脱水素酵素活性は、前記活性測定において、培養液 lml当たり約 30UZmlであ つた o
上記菌体を遠心分離により集菌し、 20mMリン酸緩衝液 (pH7. 0)に懸濁した後、 超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得ら れた粗酵素液を HiTrap— SP (アマシャム—フアルマシア)イオン交換カラムクロマト グラフィ一により分離'精製した。次いで 10mM PIPES— NaOH緩衝液 (pH6. 5) で透析した後に終濃度が ImMになるように塩ィ匕カルシウムを添加した。最後に HiTr ap - DEAE (アマシャム一フアルマシア)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分 離'精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、 SDS— PAGE的 にほぼ単一なバンドを示した。
PNPG6— K142D、 pNPG6— K142I、 pNPG6— T224A、 pNPG6— T224C、 pNPG6— P230I、 pNPG6— P230S、 pNPG6— P230V、 pNPG6— P230Y、 pN PG6— A236T、 pNPG6— A236V
、 pNPG6— S244T、 pNPG6— S244A、 pNPG6— L258F、 pNPG6— E416R、 pNPG6— 74D、 pNPG6— 75A、 pNPG6— 75C、 pNPG6— 75F、 pNPG6— 75 G、 pNPG6— 75H、 pNPG6— 751、 pNPG6— 75K、 pNPG6— 75L、 pNPG6— 7 5M、 pNPG6— 75N、 pNPG6— 75R、 pNPG6— 75S、 pNPG6— 75T、 pNPG6 - 75V, pNPG6— 75W、 pNPG6— 75Y、 pNPG6— 76A、 pNPG6— 76C、 pNP G6— 76D、 pNPG6— 76G、 pNPG6— 76S、 pNPG6— 76T、 pNPG6— 76Y、 p NPG6— 168H、 pNPG6— 168N、 pNPG6— 168P、 pNPG6— 168S、 pNPG6 — 169A、 pNPG6— 169C、 pNPG6— 169D、 pNPG6— 169E、 pNPG6— 169F 、 pNPG6— 169G、 pNPG6— 169H、 pNPG6— 1691、 pNPG6— 169K、 pNPG 6— 169L、 pNPG6— 169M、 pNPG6— 169N、 pNPG6— 169P、 pNPG6— 169 Q、 pNPG6— 169R、 pNPG6— 169S、 pNPG6— 169T、 pNPG6— 169V、 pNP G6 - 169W, pNPG6— 169Y、 pNPG6— 170A、 pNPG6— 170D、 pNPG6— 1 70E、 pNPG6— 170F、 pNPG6— 170G、 pNPG6— 170H、 pNPG6— 170L、 p NPG6— 170P、 pNPG6— 170Q、 pNPG6— 170R、 pNPG6— 170S、 pNPG6 — 170T、 pNPG6— 170Y、 pNPG6— 171A、 pNPG6— 171C、 pNPG6— 171D 、 pNPG6— 171E、 pNPG6— 171F、 pNPG6— 171G、 pNPG6— 171H、 pNPG 6— 1711、 pNPG6— 171K、 pNPG6— 171L、 pNPG6— 171M、 pNPG6— 171 N、 pNPG6— 171P、 pNPG6— 171Q、 pNPG6— 171R、 pNPG6— 171S、 pNP G6— 171T、 pNPG6— 171V、 pNPG6— 171W、 pNPG6— 171Y、 pNPG6— 3 44P、 pNPG6— 344W、 pNPG6— 345W、 pNPG6— 430F、 pNPG6— 430P、 p NPG6— 430Y、 pNPG6— 343L— 344V、 pNPG6— 343Y— 344Sゝ pNPG6— 3431— 344S、 pNPG6— 344S— 345S、 pNPG6— 344S— 3451、 pNPG6— 34 4L- 345L, pNPG6— 3441— 345R、 pNPG6— 344T— 345C、 pNPG6— 344T — 345E、 pNPG6— 344T— 345F、 pNPG6— 344T— 345G、 pNPG6— 344T — 345H、 pNPG6— 344T— 3451、 pNPG6— 344T— 345K、 pNPG6— 344T— 345レ pNPG6— 344T— 345M、 pNPG6— 344T— 345N、 pNPG6— 344T— 345Q、 pNPG6— 344T— 345R、 pNPG6— 344T— 345S、 pNPG6— 344T— 3 45T、 pNPG6— 344T— 345V、 pNPG6— 344T— 345W、 pNPG6— 344T— 34 5Y、 pNPG6 - 345L - 346C, pNPG6— 345T— 346F、 pNPG6- 345W- 346 V、 pNPG6— 345S— 3461、 pNPG6— 346Y—347Vによるシユードモナス 'プチ ダ TE3493形質転換体についても上記方法と同様にして精製酵素標品を取得した。 このようにして取得した精製酵素を用いて性能を評価した。
基質特異性 上記の活性測定方法に従い、 PQQGDHの活性を測定した。グルコースを基質溶 液とした場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素 活性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を 求めた。マルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性に際しては、 0. 5Mの マルトース溶液を調製して活性測定に用いた。結果を図 4〜9に示す。
なお、図 4〜9において、左欄「T224X」は 224位の Tを左から 2列目に示した各ァ ミノ酸に置換したことを表す。また、左欄の「344+ (345)」は 344位の後ろに左から 2 列目に示した各アミノ酸を挿入したことを表す。また、左欄の「343+XS」は 344位の 後ろに左から 2列目に示した各アミノ酸を挿入し、さらにその後ろに Sを挿入したことを 表す。また、左欄の「343 +TX」は 344位の後ろに Tを挿入し、さらにその後ろに左 力も 2列目に示した各アミノ酸を挿入したことを表す。また、左欄の「Μ342 + 2」は、 3 42位の後ろに左から 2列目に示した各アミノ酸(343S— 344Tの場合は 342位の後 ろに S、次いで T)を挿入したことを表す。「八343 + 2」ぉょび 344 + 2」「1345 + 2」 も同様である。 MalZGlcは、マルトースに対する反応性をグルコースに対する反応 性で割った比(マルトース Zグルコース比)を示す。生産性(%)は、改変型酵素の生 産性を WT (野生型)の生産性で割った比を百分率で示す。
生産性は以下の方法で確認した。
まず、 PQQGDH生産能を持つ各形質転換体を 5ml LB液体培地(100 gZm 1ストレプトマイシン含有)で 30°C終夜培養した。これらの培養液力も等量の菌体を回 収し、 KPBバッファーを加えて超音波破砕して、破砕液中の GDH活性を測定した。 野生型の PQQGDH遺伝子を持つ形質転換体の活性値を 100%として、各形質転 換体の活性値をこれと比較して生産性 (%)を調べた。
[0212] 野生型 PQQGDHでは、グルコースとマルトースの反応性がほぼ等しくなつている のに対し、本願発明の改変型 PQQGDHではマルトースの反応性が低下している。
MalZGlcが野生型より低下したもの、さらには生産性が野生型に対して優れてい る改変型 PQQGDHが得られて!/、ることがわかる。
[0213] 実施例 3— 1 : PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子の発現プラスミドの構築 実施例 1— 1と同様に行った。 [0214] 実施例 3— 2:変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の作製
野生型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換えプラスミド PNPG5 と変異導入部位のアミノ酸をコードするトリプレットを中央に含む 40mer程度の合成 オリゴヌクレオチドを基に、 QuickChangeTM Site - Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行 ヽ 、 125位、 128位、 142位、 168位、 169位、 170位、 224位、 230位、 236位、 345 位、 351位、 416位及び 428位【こお!ヽてアミノ酸置換、 74位、 75位、 76位、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位、 169位、 170位、 171位、及び 3 44位においてアミノ酸挿入をランダムに変異導入した変異ライブラリーを作製した。 そして、基質特異性の変化を指標にスクリーニングして得られた候補株の塩基配列 を決定して、配列番号 1記載のアミノ酸配列の 168番目のグルタミンがァラニン、 168 番目のグルタミンがァラニン、 169番目のロイシンがプロリン、 170番目のァラニンがメ チォニン、 245番目のグルタミン酸がァスパラギン酸、 342番目のメチォニンがイソ口 イシン、に置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換え プラスミド(PNPG5— Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I)を取得した 次ぎに、 pNPG5— Q168A+L169P+A170M+E245D + M342Iを基に、そ の他の変異導入されて ヽな 、部位の合成オリゴヌクレオチドを利用して、上記方法と 同様にしてライブラリー作製、基質特異性を指標にしたスクリーニングを実施して、基 質特異性が改善された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換 えプラスミド(PNPG5— Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351 T)を取得した。
その他上記と同様に、ライブラリー作製、スクリーニングを実施し、記質特異性が改 善された多重変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミ ドを取得し、各組換えプラスミドで大腸菌コンビテントセル (ェシエリヒア 'コリ JM109; 東洋紡績製)を形質転換して、該形質転換体をそれぞれ取得した。
[0215] 実施例 3— 3:シユードモナス属細菌で複製できる発現ベクターの構築
実施例 3 - 2で得た組換えプラスミド pNPG5— Q168A+L169P +A170M +E2 45D+ M342I +A351Tの DNA5 μ gを制限酵素 BamHIおよび Xhol (東洋紡績 製)で切断して、変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の構造遺伝子部分を単 離した。単離した DNAと BamHIおよび Xholで切断した pTM33 ( 1 μ g)と T4DNA リガーゼ 1単位で 16°C、 16時間反応させ、 DNAを連結した。連結した DNAはェシ エリヒア'コリ DH5 aのコンビテントセルを用いて形質転換を行った。得られた発現プ ラスミドを PNPG6— Q 168A+L169P +A170M +E245D + M342I +A351Tと 命名した。その他の組換えプラスミドにつ ヽても上記方法と同様にして発現プラスミド を取得した。 o
[0216] 実施例 3— 4 :シユードモナス属細菌の形質転換体の作製
シユードモナス ·プチダ TE3493 (微工研寄 12298号)を LBG培地(LB培地 + 0. 3%グリセロール)で 30°C、 16時間培養し、遠心分離(12, 000rpm、 10分間)により 菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK—リン酸 緩衝液 (PH7. 0) 8mlをカ卩え、菌体を懸濁した。再度遠心分離(12, 000rpm、 10分 間)により菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK —リン酸緩衝液 (pH7. 0) 0. 4mlを加え、菌体を懸濁した。
該懸濁液に実施例 3 - 3で得た発現プラスミド pNPG 6 - Q168A+L169P+A17 0M +E245D+ M342I +A351Tを 0. 5 ;z gカロえ、エレクト口ポレーシヨン法により形 質転換した。 100 μ g/mlのストレプトマイシンを含む LB寒天培地に生育したコ口- 一より、 目的とする形質転換体を得た。
各発現プラスミドにつ ヽても上記方法と同様にして、該形質転換体をそれぞれ取得 した。
[0217] 試験例 3— 1
GDH活性の測定方法
試験例 1—1と同様に行った。
[0218] 実施例 3— 5 :ホロ型発現精製酵素の調製
500mlの Terrific brothを 2L容坂ロフラスコに分注し、 121°C、 20分間オートク レーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを 100 gZmlになるよう に添加した。この培地に 100 μ g/mlのストレプトマイシンを含む ΡΥ培地で予め 30 。C、 24時間培養したシユードモナス 'プチダ TE3493 (pNPG6— Q168A+L169P +A170M+E245D + M342I+A351T)の培養液を 5ml接種し、 30。Cで 40時間 通気攪拌培養した。培養終了時の PQQ依存性グルコース脱水素酵素活性は、前記 活性測定にぉ 、て、培養液 lml当たり約 5UZmlであった。
上記菌体を遠心分離により集菌し、 20mMリン酸緩衝液 (pH7. 0)に懸濁した後、 超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得ら れた粗酵素液を HiTrap— SP (アマシャム—フアルマシア)イオン交換カラムクロマト グラフィ一により分離'精製した。次いで 10mM PIPES— NaOH緩衝液 (pH6. 5) で透析した後に終濃度が ImMになるように塩ィ匕カルシウムを添加した。最後に HiTr ap - DEAE (アマシャム一フアルマシア)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分 離'精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、 SDS— PAGE的 にほぼ単一なバンドを示した。
その他のシユードモナス発現用プラスミドによるシユードモナス 'プチダ TE3493形 質転換体についても上記方法と同様にして精製酵素標品を取得した。
このようにして取得した精製酵素を用いて性能を評価した。
[0219] 基質特異性
上記の活性測定方法に従い、 PQQGDHの活性を測定した。グルコースを基質溶 液とした場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素 活性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を 求めた。マルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性に際しては、 0. 5Mの マルトース溶液を調製して活性測定に用いた。結果を図 10から図 23に示す。
なお、図 10から図 23において、左欄「T125R」は 125位の Tを Rに置換したことを 表す。また、左欄の「74A」は 73位の後ろに Aを挿入したことを表す。「Q168A+L1 69P+E245D+M342I+A351TJは、上記と同様の原則によって表記したものを +記号でつなげて多重変異体を表記して 、る。
[0220] 実施例 4 1 : PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子の発現プラスミドの構築 実施例 1— 1と同様に行った。
[0221] 実施例 4 2:変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素の作製 野生型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換えプラスミド PNPG5 と変異導入部位のアミノ酸をコードするトリプレットを中央に含む 40mer程度の合成 オリゴヌクレオチドを基に、 QuickChangeTM Site - Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行 ヽ 、 74位、 75位、 76位、 142位、 168位、 169位、 170位、 171位、 224位、 230位、 2 36位、 244位、 245位、 258位、 342位、 344位、 345位、 416位、 429位及び 430 位にランダムに変異導入した多重変異ライブラリーを作製した。そして、基質特異性 の変化を指標にスクリーニングして得られた候補株の塩基配列を決定して、配列番 号 1記載のアミノ酸配列の 224番目のトレオニンがァラニンに、 236番目のァラニンが トレオニンに置換された変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換 えプラスミド(pNPG5— T224A+A236T)を取得した。
次ぎに、 PNPG5—T224A+A236Tを基に、その他の変異導入されていない部 位の合成オリゴヌクレオチドを利用して、上記方法と同様にしてライブラリー作製、基 質特異性を指標にしたスクリーニングを実施して、基質特異性が改善された変異型 P QQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド (PNPG5— Q168A +T224A+A236T+M342I, pNPG5-Q168A+ 171A+T224A+A236T + M342I、 pNPG5-Q168A+ 171S+T224A+A236T+M342l)を取得した その他上記と同様に、ライブラリー作製、スクリーニングを実施し、記質特異性が改 善された多重変異型 PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミ ド(pNPG5— M342I+430Pゝ pNPG5— E245D+M342I+430P、 pNPG5-Q 168A+L169P+A170M+E245D + M342I+430Pゝ pNPG5-Q168A+ 16 9F+L169P+A170L+E245D + M342I+430Pゝ pNPG5-Q168A+ 169Y +L169P+A170L+E245D+M342I+430P, pNPG5-Q168A+ 169Y+L 169P+A170L+E245D + M342I+N429D+430P, pNPG5-Q168A+ 16 9Y+L169P+A170M+E245D+M342I+N429E+430P)を取得し、各組換 えプラスミドで大腸菌コンビテントセル (ェシエリヒア'コリー JM109 ;東洋紡績製)を形 質転換して、該形質転換体をそれぞれ取得した。 [0222] 実施例 4 3:シユードモナス属細菌で複製できる発現ベクターの構築 実施例 4— 2で得た組換えプラスミド pNPG5— T224A+A236Tの DNA5 μ gを 制限酵素 BamHIおよび Xhol (東洋紡績製)で切断して、変異型 PQQ依存性ダルコ ース脱水素酵素の構造遺伝子部分を単離した。単離した DNAと BamHIおよび Xho Iで切断した PTM33 (1 μ g)と T4DNAリガーゼ 1単位で 16°C、 16時間反応させ、 D NAを連結した。連結した DNAはェシエリヒア'コリ DH5 aのコンビテントセルを用い て形質転換を行った。得られた発現プラスミドを PNPG6— T224A+ A236Tと命名 した。
PNPG5-Q168A+T224A+A236T+M342I, pNPG5— Q168A+ 171A +T224A+A236T+M342I, pNPG5-Q168A+ 171S+T224A+A236T + M342I, pNPG5-M342I+430P, pNPG5— E245D+M342I+430P、 pN PG5-Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+430P, pNPG5-Q16 8A+169F+L169P+A170L+E245D + M342I+430Pゝ pNPG5-Q168A +
169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+430Pゝ pNPG5-Q168A+ 169 Y+L169P+A170L+E245D+M342I+N429D+430P, pNPG5-Q168A + 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E+430Pの各組換えプ ラスミドにつ ヽても上記方法と同様にして発現プラスミドを取得した。得られた発現プ ラスミドそれぞれ PNPG6— Q168A+T224A+A236T+M342I、 pNPG6— Q1 68A+ 171A+T224A+A236T+M342I, pNPG6— Q168A+ 171S+T224 A+A236T+M342I, pNPG6— M342I+430P、 pNPG6— E245D + M342I +430P、 pNPG6-Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+430P, p NPG6-Q168A+169F+L169P+A170L+E245D + M342I+430P, pNP G6-Q168A+169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+430P, pNPG6 -Q168A+ 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+N429D+430P, p NPG6-Q168A+169Y+L169P+A170M+E245D+M342I+N429E+4 30Pと命名した。
[0223] 実施例 4 4:シユードモナス属細菌の形質転換体の作製 シユードモナス ·プチダ TE3493 (微工研寄 12298号)を LBG培地(LB培地 + 0. 3%グリセロール)で 30°C、 16時間培養し、遠心分離(12, 000rpm、 10分間)により 菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK リン酸 緩衝液 (PH7. 0) 8mlをカ卩え、菌体を懸濁した。再度遠心分離(12, OOOrpm、 10分 間)により菌体を回収し、この菌体に氷冷した 300mMシユークロースを含む 5mMK —リン酸緩衝液 (pH7. 0) 0. 4mlを加え、菌体を懸濁した。
該懸濁液に実施例 4 - 3で得た発現プラスミド pNPG 6 - T224 A +A236Tを 0. 5 gカロえ、エレクト口ポレーシヨン法により形質転換した。 100 g/mlのストレプトマイ シンを含む LB寒天培地に生育したコロニーより、目的とする形質転換体を得た。
PNPG6 -Q168A+T224A+A236T+M342I, pNPG6— Q168A+ 171A +T224A+A236T+M342I, pNPG6 -Q168A+ 171S +T224A+A236T + M342I, pNPG6— M342I+430P、 pNPG6— E245D+M342I+430P、 pN PG6 -Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+430P, pNPG6 -Q16 8A+ 169F+L169P+A170L+E245D + M342I+430Pゝ pNPG6 -Q168A + 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+430Pゝ pNPG6 -Q168A+ 1 69Y+L169P+A170L+E245D+M342I+N429D+430P, pNPG6— Q16 8A+ 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E+430Pの各発現 プラスミドにつ 、ても上記方法と同様にして、該形質転換体をそれぞれ取得した。
[0224] 試験例 4 1
GDH活性の測定方法
試験例 2—1と同様に行った。
[0225] 実施例 4 5 :ホロ型発現精製酵素の調製
500mlの Terrific brothを 2L容坂ロフラスコに分注し、 121°C、 20分間オートク レーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを 100 gZmlになるよう に添加した。この培地に 100 μ g/mlのストレプトマイシンを含む ΡΥ培地で予め 30 。C、 24時間培養したシユードモナス 'プチダ TE3493 (pNPG6 -T224A+ A236T )の培養液を 5ml接種し、 30°Cで 40時間通気攪拌培養した。培養終了時の PQQ依 存性グルコース脱水素酵素活性は、前記活性測定において、培養液 lml当たり約 3 OUZmlであった。
上記菌体を遠心分離により集菌し、 20mMリン酸緩衝液 (pH7. 0)に懸濁した後、 超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得ら れた粗酵素液を HiTrap— SP (アマシャム—フアルマシア)イオン交換カラムクロマト グラフィ一により分離'精製した。次いで 10mM PIPES— NaOH緩衝液 (pH6. 5) で透析した後に終濃度が ImMになるように塩ィ匕カルシウムを添加した。最後に HiTr ap - DEAE (アマシャム一フアルマシア)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分 離'精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、 SDS— PAGE的 にほぼ単一なバンドを示した。
PNPG6-Q168A+T224A+A236T+M342I, pNPG6— Q168A+ 171A +T224A+A236T+M342I, pNPG6-Q168A+ 171S +T224A+A236T + M342I, pNPG6— M342I+430P、 pNPG6— E245D+M342I+430P、 pN PG6 -Q168A+L169P+A170M+E245D + M342I+430P, pNPG6-Q16 8A+ 169F+L169P+A170L+E245D + M342I+430Pゝ pNPG6-Q168A + 169Y+L169P+A170L+E245D+M342I+430Pゝ pNPG6-Q168A+ 1 69Y+L169P+A170L+E245D+M342I+N429D+430P, pNPG6— Q16 8A+ 169Y+L169P+A170M+E245D + M342I+N429E+430Pによるシュ ードモナス ·プチダ TE3493形質転換体にっ ヽても上記方法と同様にして精製酵素 標品を取得した。
このようにして取得した精製酵素を用いて性能を評価した。
基質特異性
上記の活性測定方法に従い、 PQQGDHの活性を測定した。グルコースを基質溶 液とした場合の脱水素酵素活性値とマルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素 活性値を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を 100とした場合の相対値を 求めた。マルトースを基質溶液とした場合の脱水素酵素活性に際しては、 0. 5Mの マルトース溶液を調製して活性測定に用いた。結果を図 24に示す。
なお、図 24において、左欄「T224A」は 224位の Tを Aに置換したことを表す。また 、左欄の「171A」は 171位の後ろに Aを挿入したことを表す。「M342I+430P」は、 上記と同様の原則によって表記したものを +記号でつなげて多重変異体を表記して いる。
マルトース作用性は、これら多重変異体 PQQGDHのグルコースを基質とした活性 値を 100%として、マルトースを基質とした場合の活性値と比較して、その割合(%) が低 、程、マルトースに対する作用性が低下して 、るものと評価した。
また、これら多重変異体 PQQGDHの熱安定性は、菌体破砕液を 45°C、 1時間処 理後の残存活性(%)を測定して、野生型 PQQGDHと比較することにより熱安定性 の優劣を評価した。
[0227] 野生型 PQQGDHでは、グルコースとマルトースの反応性がほぼ等しくなつている のに対し、本願発明の改変型 PQQGDHではマルトースの反応性が低下している。 産業上の利用可能性
[0228] 本発明によれば、基質特異性が改善された PQQGDHを得ることができる。この改 変型 PQQGDHは、グルコースアツセィキット、グルコースセンサーに利用できる。

Claims

請求の範囲
[1] 改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼであって、少なくとも 1 つ以上のアミノ酸挿入変異を有する、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された 糖基質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して低下した改変型ピロロキ ノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
[2] 改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼであって、以下の少 なくともいずれかの変異を有する、グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基 質に対する作用性が、対応する野生型酵素と比較して低下した請求項 1の改変型ピ ロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
(1) Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 11517 株由来ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列におけ る 169位または 430位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属 または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける 上記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸挿入を有する
[3] さらに、以下の少なくともいずれかの変異を有する、請求項 2に記載の改変型ピロ口 キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
(1) Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 1151 7株由来ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列にお ける 74位、 75位、 76位、 126位、 127位、 129位、 130位、 131位、 132位、 168位 、 170位、 171位、 344位及び 345位のうち少なくとも 1つの位置、あるいは、他の Ac inetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲ ナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸挿入を有す る
[4] さらに、以下の少なくともいずれかの変異を有する、請求項 2に記載の改変型ピロ口 キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
(1) Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 1151 7株由来ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列にお ける 125位、 128位、 142位、 168位、 169位、 170位、 224位、 230位、 236位、 24 4位、 258位、 345位、 351位、 416位及び 428位のうち少なくとも 1つの位置、あるい は、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一 スデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1つ以上のアミノ酸 置換を有する
[5] さらに、以下の少なくともいずれかの変異を有する、請求項 3または 4に記載の改変 型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
(l)Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) NCIMB 1151 7株由来ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列にお ける 16位、 22位、 49位、 67位、 68位、 69位、 74位、 75位、 76位、 89位、 116位、 1 20位、 127位、 129位、 130位、 131位、 143位、 146位、 167位、 171位、 174位、 177位、 185位、 186位、 188位、 189位、 207位、 215位、 227位、 231位、 245位 、 249位、 253位、 254位、 255位、 277位、 295位、 300位、 309位、 318位、 341 位、 342位、 343位、 344位、 346位、 347位、 349位、 350位、 356位、 397位、 39 8位、 423位、 429位、 432位、 433位、 434位および 439位のうち少なくとも 1つの位 置、あるいは、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存 性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも 1っ以 上のアミノ酸置換を有する
[6] Acinetobacter baumannii (ァシネトノ クタ一 ノ ウマン-)
NCIMB 11517株由来ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼの アミノ酸配列における 168位、 169位、 170位、 245位、 342位及び 429位のうち少 なくとも 1つの位置、あるいは、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノ リンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少 なくとも 1つ以上のアミノ酸置換を有する、請求項 5に記載の改変型ピロ口キノリンキノ ン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
[7] アミノ酸変異が、 Acinetobacter baumannii (ァシネトパクター バウマン-) N
CIMB 11517株由来ピロ口キノリンキノン依存性ダルコ一スデヒドロゲナーゼのアミ ノ酸配列における、(Q168A+ 169R+L169P+A170K+E245D+M342I)、 ( Q168A+ 169R+L169P+A170V+E245D+M342I)、 (Q168A+ 169K+L 169P+A170I+E245D + M342I) , (Q168A+ 169K+L169P+A170Q+E 245D+M342I) , (Q168A+ 169K+L169P+A170S +E245D+M342I) , ( Q168A+ 169K+L169P+A170T+E245D + M342I)、のうちいずれ力 ある いは、他の Acinetobacter属または他の種由来のピロ口キノリンキノン依存性ダルコ 一スデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置におけるアミノ酸変異である、請求 項 6に記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
[8] グルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質がマルトースである、請求項 1 に記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
[9] 請求項 1〜8のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコース デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子。
[10] 請求項 9に記載の遺伝子を含むベクター。
[11] 請求項 10に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
[12] 請求項 11に記載の形質転換体を培養することを含む改変型ピロ口キノリンキノン依 存性グルコースデヒドロゲナーゼの製造法。
[13] 請求項 1〜8のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコース デヒドロゲナーゼを含むグルコース測定用組成物。
[14] 請求項 1〜8のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコース デヒドロゲナーゼを含むグルコースアツセィキット。
[15] 請求項 1〜8のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコース デヒドロゲナーゼを含むグノレコースセンサー。
[16] 請求項 1〜8のうちいずれかに記載の改変型ピロ口キノリンキノン依存性グルコース デヒドロゲナーゼを含むグルコース測定方法。
[17] ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼに請求項 1〜8のうちいずれ かに記載のアミノ酸変異を行うことを含む、ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒ ドロゲナーゼのグルコース以外の少なくとも 1つの選択された糖基質に対する作用性 を対応する野生型酵素と比較して低下させる方法。
[18] ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼに請求項 1〜8のうちいずれ かに記載のアミノ酸変異を行うことを含む、グルコース以外の少なくとも 1つの選択さ れた糖基質に対する作用性を対応する野生型酵素と比較して低下させたピロロキノリ ンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを製造する方法。
[19] ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース測定系 において、請求項 1〜8のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行ったピロ口キノリン キノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含有することを含む、グルコース測定系 における、測定の正確性を向上させる方法。
[20] ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース測定系 において、請求項 1〜8のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行ったピロ口キノリン キノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含有させることを含む、測定の正確性が 向上したグルコース測定用組成物を、製造する方法。
[21] ピロ口キノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いるグルコース測定系 において、請求項 1〜8のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行ったピロ口キノリン キノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含有させることを含む、測定の正確性が 向上したグルコースセンサーを、製造する方法。
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