JP4452988B2 - ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の比活性を向上する方法、および、比活性の向上したピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素 - Google Patents
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Description
また本発明は、フェリシアン化物イオンをメディエーターとする測定系において、比活性が向上した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素、その製造法、およびそれを用いたグルコースアッセイキットやグルコースセンサーに関する。
項1.
野生型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸を欠失、置換もしくは付加することにより、野生型と比較して、フェリシアン化物イオンをメディエーターとする測定系において、比活性を向上させる方法
項2.
欠失、置換もしくは付加されるアミノ酸が活性中心近傍のアミノ酸である、項1に記載の方法
項3.
欠失、置換もしくは付加されるアミノ酸が活性中心から半径10オングストローム以内に存在するアミノ酸である、項1に記載の方法。
項4.
野生型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素が、Acinetobacter属由来のものである、項1〜3のいずれか1項に記載の方法
項5.
Acinetobacter属由来PQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列において、76位、143位、144位、163位、168位、169位、228位、229位、247位、248位、343位、346位、348位、377位、406位、408位、424位からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されている、項4に記載の方法
項6.
Acinetobacter属由来PQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼのアミノ酸配列において、168位及び169位からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されている、項4に記載の方法
項7.
アミノ酸置換が、Q168A、(Q168A+L169G)、(Q168A+L169C)、(Q168A+L169P)、(Q168S+L169E)、(Q168S+L169P)、からなる群から選択される、項6に記載の方法
項8.
活性中心非近傍のアミノ酸置換を組合せた項2〜7のいずれか1項に記載の方法
項9.
245位のアミノ酸置換を組合せた項2〜7のいずれか1項に記載の方法
項10.
アミノ酸置換が、(Q168A+L169G+E245D)、(Q168A+L169P+E245D)からなる群から選択される、項9に記載の方法
項11.
項1〜10のいずれか1項に記載の方法により、野生型と比較して、フェリシアン化物イオンをメディエーターとする測定系において比活性が向上した、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素
項12.
項11に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット
項13.
項11に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を含むグルコースセンサー
項14.
項11に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を用いたグルコース測定法
項15.
項11に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素をコードする遺伝子。
項16.
項15に記載の遺伝子を含むベクター。
項17.
項16に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
項18.
項17に記載の形質転換体を培養することを特徴とする改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の製造法。
J.Mol.Biol.,289,319−333(1999) PNAS,96(21),11787−11791(1999) The EMBO Journal,18(19),5187−5194(1999) Protein Science,9,1265−1273(2000)
組成物には、さらに他の安定化剤などをPQQGDHの反応に特に悪い影響を及ぼさないような範囲で添加してもよい。本発明の安定化剤の配合法は特に制限されるものではない。例えばPQQGDHを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定化剤を含む緩衝液にPQQGDHを配合する方法、あるいはPQQGDHと安定化剤を緩衝液に同時に配合する方法などが挙げられる。
グルコースアッセイキット
本発明はまた、本発明に従う改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキットを特徴とする。本発明のグルコースアッセイキットは、本発明に従うグルコース脱水素酵素を少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明のグルコース脱水素酵素に加えて、アッセイに必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明に従うグルコース脱水素酵素は種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素はホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホロ化することもできる。
本発明はまた、本発明に従う改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を用いるグルコースセンサーを特徴とする。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどがあり、あるいはフェロセンあるいはその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。好ましくは本発明のグルコース脱水素酵素はホロ化した形態で電極上に固定化するが、アポ酵素の形態で固定化し、ピロロキノリンキノンを別の層としてまたは溶液中で提供することもできる。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明のグルコース脱水素酵素をカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングする。
本願発明の方法によれば、本願発明のピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の比活性は1より大きい酵素が得られる。好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上のものが得られる。
比活性が高いと、タンパク質としての添加量が少なくて済むため、本願発明のグルコースセンサーは、既述の安定化剤等の添加量の上限制約が低減され、より高い安定性を確保できる可能性を高められる。
以下、配列番号1に記載されるピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素において、Q168A、(Q168A+L169G)、(Q168A+L169C)、(Q168A+L169P)、(Q168S+L169E)、(Q168S+L169P)の各改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を用いて、本発明を具体的に説明する。言うまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例で使用したQ168A、(Q168A+L169G)、(Q168A+L169C)、(Q168A+L169P)、(Q168S+L169E)、(Q168S+L169P)各改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の精製酵素標品は、以下に記載の手順で取得した。
野生型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の発現プラスミドpNPG5は、ベクターpBluescript SK(−)のマルチクローニング部位にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii) NCIMB11517株由来のPQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする構造遺伝子を挿入したものである。その塩基配列を配列表の配列番号2に、また該塩基配列から推定されるPQQ依存性グルコース脱水素酵素のアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示す。
野生型PQQ依存性グルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換えプラスミドpNPG5と配列番号3記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、QuickChange(TM)Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行い、更に塩基配列を決定して、配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがアラニンに置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168A)を取得した。
pNPG5と配列番号4記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、上記方法と同様にして配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがアラニンに、169番目のロイシンがグリシンに置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168A+169G)を取得した。
pNPG5と配列番号5記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、上記方法と同様にして配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがアラニンに、169番目のロイシンがシステインに置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168A+169C)を取得した。
pNPG5と配列番号6記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、上記方法と同様にして配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがアラニンに、169番目のロイシンがプロリンに置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168A+169P)を取得した。
pNPG5と配列番号7記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、上記方法と同様にして配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがセリンに、169番目のロイシンがグルタミン酸に置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168S+169E)を取得した。
pNPG5と配列番号8記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、上記方法と同様にして配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがセリンに、169番目のロイシンがプロリンに置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168S+169P)を取得した。
pNPG5M168A、pNPG5M168A+169G、pNPG5M168A+169C、pNPG5M168A+169P、pNPG5M168S+169E、pNPG5M168S+169Pの各組換えプラスミドで大腸菌コンピテントセル(エシェリヒア・コリーJM109;東洋紡績製)を形質転換し、該形質転換体をそれぞれ取得した。
組換えプラスミドpNPG5M168AのDNA5μgを制限酵素BamHIおよびXHoI(東洋紡績製)で切断して、変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の構造遺伝子部分を単離した。単離したDNAとBamHIおよびXHoIで切断したpTM33(1μg)とをT4DNAリガーゼ1単位で16℃、16時間反応させ、DNAを連結した。連結したDNAはエシェリヒア・コリDH5αのコンピテントセルを用いて形質転換を行った。得られた発現プラスミドをpNPG6M168Aと命名した。
pNPG5M168A+169G、pNPG5M168A+169C、pNPG5M168A+169P、pNPG5M168S+169E、pNPG5M168S+169Pの各組換えプラスミドについても上記方法と同様にして発現プラスミドを取得した。得られた発現プラスミドそれぞれpNPG6M168A+169G、pNPG6M168A+169C、pNPG6M168A+169P、pNPG6M168S+169E、pNPG6M168S+169Pと命名した。
シュードモナス・プチダTE3493(微工研寄12298号)をLBG培地(LB培地+0.3%グリセロール)で30℃、16時間培養し、遠心分離(12,000rpm、10分間)により菌体を回収し、この菌体に氷冷した300mMシュークロースを含む5mMK−リン酸緩衝液(pH7.0)8mlを加え、菌体を懸濁した。再度遠心分離(12,000rpm、10分間)により菌体を回収し、この菌体に氷冷した300mMシュークロースを含む5mMK−リン酸緩衝液(pH7.0)0.4mlを加え、菌体を懸濁した。
該懸濁液に発現プラスミドpNPG6M168Aを0.5μg加え、エレクトロポレーション法により形質転換した。100μg/mlのストレプトマイシンを含むLB寒天培地に生育したコロニーより、目的とする形質転換体を得た。
pNPG6M168A+169G、pNPG6M168A+169C、pNPG6M168A+169P、pNPG6M168S+169E、pNPG6M168S+169Pについても、それぞれ同様に実施し、目的とする形質転換体を得た。
500mlのTerrific brothを2L容坂口フラスコに分注し、121℃、20分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを100μg/mlになるように添加した。この培地に100μg/mlのストレプトマイシンを含むPY培地で予め30℃、24時間培養したシュードモナス・プチダTE3493(pNPG6M168A)の培養液を5ml接種し、30℃で40時間通気攪拌培養した。菌体を遠心分離により集菌し、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した後、超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得られた粗酵素液をHiTrap−SP(アマシャム−ファルマシア)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離・精製した。次いで10mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)で透析した後に終濃度が1mMになるように塩化カルシウムを添加した。最後にHiTrap−DEAE(アマシャム−ファルマシア)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、SDS−PAGE的にほぼ単一なバンドを示した。
pNPG6M168A+169G、pNPG6M168A+169C、pNPG6M168A+169P、pNPG6M168S+169E、pNPG6M168S+169Pによるシュードモナス・プチダTE3493形質転換体についても上記方法と同様にして精製酵素標品を取得した。
このようにして取得した精製酵素を用いて性能を評価した。
・ 測定原理
D−グルコース+フェリシアン化物イオン+PQQGDH→
D−グルコノ−1,5−ラクトン + フェロシアン化物イオン
フェリシアン化物イオンの還元により生じたフェロシアン化物イオンの存在は、分光光度法により波長420nmでの吸光度の減少を測定することで確認した。
・ 単位の定義
1単位は、以下に記載の条件下で1分当たり1ミリモルのD−グルコースを酸化させるピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の酵素量をいう。
(3)方法
試薬
A.D−グルコース溶液:1M(1.8g D−グルコース(分子量180.16)/10mlH2O)
B.PIPES−NaOH緩衝液, pH6.5:50mM(60mLの水中に懸濁した1.51gのPIPES(分子量302.36)を、5N NaOHに溶解し、2.2mlの10% Triton X−100を加える。5N NaOHを用いて25℃でpHを6.5±0.05に調整し、水を加えて100mlとした。)
C.フェリシアン化カリウム溶液:50mM(0.165g フェリシアン化カリウム(分子量329.25)/ 10ml H2O)
D.蒸留水
E.酵素希釈液:1mM CaCl2, 0.1% Triton X−100, 0.1% BSAを含む50mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)
手順
1.遮光ビンに以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した(用事調製)
0.9ml D−グルコース溶液 (A)
25.5ml PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5) (B)
2.0ml フェリシアン化カリウム溶液 (C)
1.0ml 蒸留水 (D)
反応混合物中の濃度を表1に示す。
3.0.1mlの酵素溶液を加え、穏やかに混合した。
4.420nmでの水に対する吸光度の減少を37℃に維持しながら分光光度計で4〜5分間記録し、曲線の初期直線部分からの1分間当たりのΔODを計算した(ODテスト)
同時に、酵素溶液に代えて酵素希釈液(E)加えることを除いては同一の方法を繰り返し、ブランク(ΔODブランク)を測定した。
酵素溶液は、アッセイの直前に氷冷した酵素希釈液(E)で1.0U/ml程度に希釈した(該酵素の接着性のためにプラスチックチューブの使用が好ましい)
活性を以下の式を用いて計算する:
体積活性(U/ml)={ΔOD/min(ΔODテスト− ΔODブランク)×Vt×df}/(1.04×1.0×Vs)
重量活性(U/mg)=(U/ml)×1/C
Vt:総体積(3.1ml)
Vs:サンプル体積(0.1ml)
1.04:フェリシアン化カリウムのミリモル分子吸光係数
1.0:光路長(cm)
df:希釈係数
C:溶液中の酵素濃度(c mg/ml)
単位液量あたりのタンパク含量をBradford法を原理とするプロテインアッセイにより測定した。実際にはBiorad社製のプロテインアッセイキットを用い、そのプロトコールに従った。5倍希釈した市販の染色液5mlに0.1mlの酵素溶液を添加し、混和後、室温にて30分放置した後、595nmの波長にて吸光度を測定した。この際、濃度既知のウシ血清アルブミンを同様に測定することで検量線を作成し、それより各酵素溶液の単位液量あたりのタンパク含量を測定した。
一方、上記活性測定法により単位液量あたりの活性値を測定し、単位液量あたりの活性値を単位液量あたりのタンパク含量で割ることで、ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の比活性を求めた。
結果を表2に示す。
活性中心近傍のアミノ酸としては、76位、143位、144位、163位、168位、169位、228位、229位、247位、248位、343位、346位、348位、377位、406位、408位、424位に位置するアミノ酸が具体的に挙げられる(たとえば、非特許文献5を参照)。
Protein Science(2000),9:1265−1273
また、実施例1で確認された比活性向上効果は、活性中心非近傍のアミノ酸置換を加えても維持されていることを、(Q168A+L169G+E245D)、(Q168A+L169P+E245D)の各改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を用いて、具体的に説明する。言うまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例で使用した(Q168A+L169G+E245D)、(Q168A+L169P+E245D)各改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の精製酵素標品取得及び性能評価は、実施例1と同様に実施した。pNPG5M168A+169Gと配列番号9記載の合成オリゴヌクレオチド及びこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがアラニンに、169番目のロイシンがグリシンに、さらに245番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168A+169G+E245D)を、同様にpNPG5M168A+169Pより配列番号2記載のアミノ酸配列の168番目のグルタミンがアラニンに、169番目のロイシンがプロリンに、さらに245番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5M168A+169P+E245D)を作成した。これら組換えプラスミドを実施例1と同様に処理することにより、発現ベクターの構築、シュードモナス属細菌の形質転換体の作製、ホロ型発現精製酵素の調製、さらに性能評価を実施した。結果を表3に示す。
Claims (9)
- 配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型のピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素において、168位のグルタミン(Q)をセリン(S)に、169位のロイシン(L)をプロリン(P)に、それぞれ置換することにより、野生型と比較して、フェリシアン化物イオンをメディエーターとする測定系において、比活性を向上させる方法。
- 請求項1に記載の方法により、野生型と比較して、フェリシアン化物イオンをメディエーターとする測定系において比活性が向上した、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素
- 請求項2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素をコードする、配列番号2の塩基配列を有するDNAがコードするタンパク質の168位のグルタミン(Q)に該当するコドンをセリン(S)に該当するコドンに、169位のロイシン(L)に該当するコドンをプロリン(P)に該当するコドンに、それぞれ置換した、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素をコードする遺伝子。
- 請求項3に記載の遺伝子を含むベクター。
- 請求項4に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
- 請求項5に記載の形質転換体を培養することを特徴とする改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の製造法。
- 請求項2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
- 請求項2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を含むグルコースセンサー。
- 請求項2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素を含むグルコース測定法。
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