JP3845212B2 - プリプレグの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷配線板用の積層板などを形成する際に用いられるプリプレグの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷配線板用の積層板を形成する際に用いられるプリプレグは、従来一般的に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を有機溶剤に溶解させてエポキシ樹脂溶液(エポキシ樹脂ワニス)を調製し、これをガラスクロス等の基材に浸透(含浸)させ、この後、加熱して有機溶剤を除去すると共にエポキシ樹脂をBステージ化(Bステージにまで硬化させる)することによって製造されている。しかしこのような方法では有機溶剤を多量に使用し、その上、除去した有機溶剤を処理する必要があって、作業環境やエネルギーコストの面で問題があった。
【0003】
そこで特開平9−263647号公報には、無溶剤のエポキシ樹脂組成物を基材の一方の面に均一に塗布して基材にエポキシ樹脂組成物を浸透させてプリプレグを製造する方法が提案されている。この方法では有機溶剤を用いていないので、有機溶剤の処理を行う必要がなく、作業環境やエネルギーコストの問題が軽減されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特開平9−263647号公報に記載の方法では、エポキシ樹脂の硬化剤であるジシアンジアミドを溶解させずに固形(粒状)のままエポキシ樹脂組成物に配合して分散させているために、エポキシ樹脂組成物を基材に浸透させる際に、ジシアンジアミドが基材に浸透せず、基材の表面に付着して偏在することがあった。そしてこの結果、積層板に成形した後に樹脂硬化物の特性(例えば吸水率やガラス転移温度)が悪化したり、基材のガラスクロス束の中心部における硬化性が低くて成形後の積層板にミーズリング(ガラスクロス交点の白化)が生じたりするという問題があった。尚、積層板にミーズリングが発生するのを防止するエポキシ樹脂組成物として、本出願人により特願平10−42481号が出願されており、この出願ではエポキシ樹脂組成物の組成を従来のものと変更することが提案されているが、この方法ではエポキシ樹脂(組成物)の品質が変わるのであまり好ましくなく、またさらなるミーズリングの低減が望まれていた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ミーズリングの発生及び樹脂硬化物の特性の悪化を低減することができるプリプレグの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプリプレグの製造方法は、エポキシ樹脂とこれの硬化剤としてジシアンジアミドを含有する無溶剤のエポキシ樹脂組成物10を基材20の片面より塗布して浸透させ、基材20に浸透したエポキシ樹脂組成物10をBステージ化させるプリプレグの製造方法であって、基材20にエポキシ樹脂組成物10を塗布する塗布ロール40の表面温度を100〜195℃にすることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明の請求項2に係るプリプレグの製造方法は、請求項1の構成に加えて、エポキシ樹脂の硬化剤として、1分子内に水酸基を3個以上有するフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明の請求項3に係るプリプレグの製造方法は、請求項2の構成に加えて、エポキシ樹脂の1当量に対して、0.7〜0.2当量のジシアンジアミドと、0.7〜0.1当量のフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明の請求項4に係るプリプレグの製造方法は、請求項2又は3の構成に加えて、エポキシ樹脂組成物10の全量に対して5〜13wt%のフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物10に含有させることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明の請求項5に係るプリプレグの製造方法は、請求項2乃至4のいずれかの構成に加えて、フェノール系硬化剤がフェノールノボラック系化合物であることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項6に係るプリプレグの製造方法は、請求項5の構成に加えて、フェノールノボラック系化合物がクレゾールノボラックであることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項7に係るプリプレグの製造方法は、請求項5の構成に加えて、フェノールノボラック系化合物がビスフェノールA型ノボラックであることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項8に係るプリプレグの製造方法は、請求項5の構成に加えて、フェノールノボラック系化合物がジシクロペンタジエン共重合型フェノールノボラックであることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の請求項9に係るプリプレグの製造方法は、請求項2乃至4のいずれかの構成に加えて、フェノール系硬化剤が下記の一般式(1)で示される3官能型フェノール化合物であるこを特徴とするものである。
【0015】
【化2】
Figure 0003845212
また本発明の請求項10に係るプリプレグの製造方法は、請求項1乃至9のいずれかの構成に加えて、ジシアンジアミドの平均粒径が15μm以下であることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明の請求項11に係るプリプレグの製造方法は、請求項1乃至10のいずれかの構成に加えて、エポキシ樹脂組成物10と塗布ロール40の接触時間が0.1〜180秒であることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
本発明で用いるエポキシ樹脂は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有しているものであって、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等を例示することができるが、特にこれらに限定するものではない。特に常温で液状のものまたは低融点のエポキシ樹脂を用いると、基材への浸透、プリプレグの均一性が向上するので好ましい。
【0020】
本発明ではエポキシ樹脂の硬化剤の一つとしてジシアンジアミドを用いることができ、このジシアンジアミドを用いることによって、エポキシ樹脂組成物は高い接着力、高い耐熱性、良好な電気特性を有するものとなる。ジシアンジアミドはエポキシ樹脂に対して非相溶あるいは相溶しにくいものであり、このため、エポキシ樹脂組成物にジシアンジアミドを含有させると、エポキシ樹脂組成物を基材の片面に塗布して含浸させる際に、ジシアンジアミドが基材の内部や塗布側と反対側の表面側までに浸入しにくく、基材の表面に付着して偏在化することがあり、この結果、エポキシ樹脂組成物の硬化性が低くなってミーズリングを生じる恐れがある。そこで本発明ではジシアンジアミドとして平均粒径が15μm以下のものを用いるのが好ましい。これ以上の平均粒径のものを用いると、上記のような問題が生じる恐れがある。尚、ジシアンジアミドは基材への浸入させやすさを考慮すると、その平均粒径は小さいほど好ましいが、エポキシ樹脂との反応の制御しやすさを考慮すると、ジシアンジアミドの平均粒径は0.05μm以上であることが好ましい。
【0021】
また本発明ではエポキシ樹脂の他の硬化剤として、1分子内に3個以上の水酸基を有するフェノール系硬化剤を用いることができる。このフェノール系硬化剤は、エポキシ樹脂と反応性を有する活性水素(水酸基)を1分子内に平均3個以上有しているものであって、ジシアンジアミドはこのフェノール系硬化剤に加熱溶解性を有しているものである。従って、エポキシ樹脂にジシアンジアミドとフェノール系硬化剤を配合してエポキシ樹脂組成物を調製することによって、ジシアンジアミドの融点(200℃)以下の比較的低温(約100℃以上)でフェノール系硬化に対してジシアンジアミドを溶解させることができ、エポキシ樹脂組成物へのジシアンジアミドの溶解性(相溶性)を高くすることができる。よって、エポキシ樹脂組成物を基材に浸透させる際に、ジシアンジアミドが基材の表面に付着して在化しないようにすることができ、ジシアンジアミドがエポキシ樹脂とともに基材に均一に含浸することになって、エポキシ樹脂(組成物)の反応性や硬化のむらが発生しないようにすることができ、積層板にミーズリングが生じないようにすることができると共に積層板の強度などの特性が低下しないようにすることができる。
【0022】
フェノール系硬化剤の水酸基が1分子内に平均3個未満であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性などが劣るために積層板などの製造物の硬化むらや物性むらが生じる恐れがある。またフェノール系硬化剤の水酸基が1分子内に平均50個を超えると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の物性が硬くて脆くなる恐れがあるが、これは特に大きな問題にはならない。従って、フェノール系硬化剤の水酸基は1分子内に平均50個以下であることが好ましい。
【0023】
このような条件を満たすフェノール系硬化剤は、フェノールノボラック系化合物を例示することができ、さらに具体的には、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ジシクロペンタジエン含有フェノールノボラック(ジシクロペンタジエン共重合型フェノールノボラック)などを挙げることができる。またフェノールノボラック系化合物の他には、上記条件を満たすフェノール系硬化剤として上記(1)の式で示される3官能型フェノール化合物などを用いることができる。
【0024】
特に、フェノールノボラックを用いると、積層板の電気絶縁性や耐熱性を高くすることができる。またクレゾールノボラックを用いると、他のフェノールノボラックよりも反応性が低いために、エポキシ樹脂組成物の加熱時(含浸時など)の安定性及びBステージ化したプリプレグの保存安定性を高くすることができる。
【0025】
またビスフェノールAノボラックを用いると、クレゾールノボラックと同様に他のフェノールノボラックよりも反応性が低いために、エポキシ樹脂組成物の加熱時(含浸時など)の安定性及びBステージ化したプリプレグの保存安定性を高くすることができ、しかもフェノールノボラック、クレゾールノボラックに比べて加熱時(エポキシ樹脂との混合時など)に酸化されにくいので、エポキシ樹脂組成物及びプリプレグの着色や変色が少なくなって外観が良好となる。
【0026】
またジシクロペンタジエン含有フェノールノボラックを用いると、クレゾールノボラックと同様に他のフェノールノボラックよりも反応性が低いために、エポキシ樹脂組成物の加熱時(含浸時など)の安定性及びBステージ化したプリプレグの保存安定性を高くすることができ、しかもフェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラックを用いた場合に比べてエポキシ樹脂組成物の硬化物の吸湿性が低くなると共にエポキシ樹脂組成物の硬化物の強靱性が優れるようになるので、積層板の耐吸湿性や強靱性を高めることができる。
【0027】
さらに上記(1)式の3官能型フェノール系化合物を用いると、他のフェノール系化合物に比べて、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)などが高くなって積層板の耐熱性を向上させることができるものである。
【0028】
本発明では、ジシアンジアミドをエポキシ樹脂に溶解させて相溶させるので、エポキシ樹脂組成物及びこれを用いたプリプレグの反応性が高くなり、エポキシ樹脂組成物及びプリプレグの保存安定性が低下する恐れがある。そこで上記のような反応性の低いフェノール系硬化剤を併用することによって、エポキシ樹脂組成物及びプリプレグの保存安定性が低下しないようにするのが好ましい。
【0029】
また本発明では、必要に応じて難燃剤や品質向上のための添加剤や硬化促進剤を加えてもよい。難燃剤としては反応性を有する難燃化フェノール、特に、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する活性水素を1分子内に2個有するテトラブロモビスフェノールAなどを用いることが好ましく、このことで、エポキシ樹脂組成物の難燃性を向上して確保すると同時に、低融点のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。また硬化促進剤としては三級アミン系促進剤、イミダゾール類、リン系促進剤などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
そして本発明のプリプレグを製造するにあたっては、次のようにして行う。まず、上記エポキシ樹脂とフェノール系化合物、及びその他の材料を130℃程度の温度で混合する。その後、エポキシ樹脂の溶融粘度が10000〜20000cps程度になるまで冷却し、この後、ジシアンジアミド及び硬化促進剤などを添加して混合して無溶剤のエポキシ樹脂組成物を調製する。このように調製されるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の1エポキシ当量に対して、ジシアンジアミド由来の水酸基当量(活性水素当量)が0.7〜0.2当量、フェノール系硬化剤由来の水酸基当量が0.7〜0.1当量となるように、各硬化剤の配合割合を調節して含有させるのが好ましい。ジシアンジアミド由来の水酸基当量が0.7当量を超えると、ジシアンジアミドの活性水素の数(ジシアンジアミドの配合量)が多くなって、ジシアンジアミドが基材の内部や塗布側と反対側の表面側までに浸入しにくく、基材の表面に付着して偏在化する恐れがある。またジシアンジアミド由来の水酸基当量が0.2当量未満であれば、ジシアンジアミドの活性水素の数(ジシアンジアミドの配合量)が少なくなって、ジシアンジアミドによるエポキシ樹脂組成物(積層板)の電気絶縁性能の向上やエポキシ樹脂組成物(プリプレグ)の接着性の向上などの効果を得にくくなる恐れがある。
【0031】
またフェノール系硬化剤由来の水酸基当量が0.7当量を超えると、相対的にジシアンジアミドの活性水素の数(ジシアンジアミドの配合量)が少なくなって、ジシアンジアミドによるエポキシ樹脂組成物(積層板)の電気絶縁性能の向上やエポキシ樹脂組成物(プリプレグ)の接着性の向上などの効果を得にくくなる恐れがある。またフェノール系硬化剤由来の水酸基当量が0.1当量未満であれば、相対的にジシアンジアミドの活性水素の数(ジシアンジアミドの配合量)が多くなって、ジシアンジアミドが基材の内部や塗布側と反対側の表面側までに浸入しにくく、基材の表面に付着して偏在化する恐れがある。ジシアンジアミド及びフェノール系硬化剤のより好ましい配合量は、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の1エポキシ当量に対して、ジシアンジアミドの水酸基当量が0.5〜0.3当量、フェノール系硬化剤の水酸基当量が0.5〜0.2当量となるようにするものであり、上記の不都合の解決と成形後の積層板の良好な物性を両立させるために最適な配合量である。
【0032】
尚、エポキシ樹脂組成物中に、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する1分子内に活性水素を平均3個未満有するフェノール系化合物(例えば、反応性難燃剤などとして配合されるテトラブロモビスフェノールA)を用いた場合、1分子内に活性水素を平均3個未満有するフェノール系化合物の活性水素に相当する(反応する)エポキシ基は、上記のエポキシ樹脂の1エポキシ当量から除外し、ジシアンジアミドとフェノール系硬化剤の水酸基当量を算出するようにするものである。
【0033】
またジシアンジアミドをフェノール系硬化剤及びエポキシ樹脂に溶解させることを考慮すると、フェノール系硬化剤の配合量はエポキシ樹脂組成物の全量に対して5〜13wt%に設定するのが好ましい。フェノール系硬化剤の配合量が5wt%未満であれば、エポキシ樹脂組成物を基材に塗布する前に100℃以上に加熱してもエポキシ樹脂組成物へのジシアンジアミドの溶解性(相溶性)をあまり高くすることができなくなる恐れがあり、またフェノール系硬化剤の配合量が13wt%を超えると、相対的にジシアンジアミドの配合量が少なくなって、ジシアンジアミドによるエポキシ樹脂組成物(積層板)の電気絶縁性能の向上やエポキシ樹脂組成物(プリプレグ)の接着性の向上などの効果を得にくくなる恐れがある。
【0034】
上記のようにして無溶剤のエポキシ樹脂組成物を調製した後、ガラスクロスやガラス不織布等のように繊維からなるシート状の補強用の基材に、その片面からエポキシ樹脂組成物を60〜260g/mで塗布し、この後、基材にエポキシ樹脂組成物を加熱して浸透(含浸)させると共に、基材に含浸したエポキシ樹脂組成物を半硬化させてBステージ化することによって、本発明のプリプレグを製造することができる。エポキシ樹脂組成物を基材に塗布するにあたっては、ロールコータなど、基材の表面にエポキシ樹脂組成物を均一に塗布することができるものであれば良く、例えば図1に示すような塗工装置を用いることができる。
【0035】
図1において、10はエポキシ樹脂組成物、20は基材、30はエポキシ樹脂組成物10を保留する容器、40は基材20にエポキシ樹脂組成物10を塗布するための治具である塗布ロール、50は容器30にエポキシ樹脂組成物10を補充する供給管である。塗布ロール40はその略下半分をエポキシ樹脂組成物10に浸漬された状態で容器30内に配設されており、矢印イの方向に回転駆動されている。そして塗布ロール40の上側を基材20が矢印ロの方向に向かって通過する際に、基材20の下面に塗布ロール40の外周面が接触し、この接触により塗布ロール40の表面に付着したエポキシ樹脂組成物10が基材20の下面に塗布されるのである。
【0036】
そして本発明では上記の塗布工程の際に、塗布ロール40の表面を100〜195℃に加熱することによって、塗布ロール40の表面に付着したエポキシ樹脂組成物10を加熱して基材20に塗布される直前のエポキシ樹脂組成物10の温度を塗布ロール40の表面温度と同程度にするようにしており、この加熱によって、エポキシ樹脂組成物10に含有されているジシアンジアミドの一部又は全部を熱溶解させてエポキシ樹脂との相溶性を高めるようにしたものである。
【0037】
ジシアンジアミドはエポキシ樹脂との溶解性(相溶性)が低い。そこで従来では、エポキシ樹脂とジシアンジアミドの両方に対して溶解性の高い有機溶剤を用いてエポキシ樹脂組成物を調製するようにしていたが、無溶剤のエポキシ樹脂組成物を調製する場合はエポキシ樹脂にジシアンジアミドを均一に溶解させて混合することが困難であり、このためにエポキシ樹脂組成物中にジシアンジアミドが固体粒子の状態で残留することになる。そしてこの固体粒子のジシアンジアミドが基材の内部及び基材のエポキシ樹脂組成物を塗布した面と反対側の面にまで到達しにくくなり、エポキシ樹脂の反応性の低下や硬化むら、樹脂硬化物の物性むら、基材への含浸むら、及びエポキシ樹脂の硬化不十分による成形後の積層板の変色(白化)が起こるものであった。
【0038】
そこで本発明では、塗布ロール40の表面温度を100〜195℃に設定し、この塗布ロール40の加熱により基材20に塗布される直前のエポキシ樹脂組成物10の温度を塗布ロール40の表面温度と同程度にすることによって、エポキシ樹脂組成物10中のジシアンジアミドを熱溶解させてエポキシ樹脂との相溶性を高めるようにしたものであり、このことで、固体粒子のジシアンジアミドがほとんどなくなって、基材20の内部及び基材20のエポキシ樹脂組成物を塗布した面と反対側の面にまでエポキシ樹脂とジシアンジアミドが到達することになり、エポキシ樹脂の反応性の低下や硬化むら、樹脂硬化物の物性むら、基材への含浸むら、及びエポキシ樹脂の硬化不十分による成形後の積層板の変色(白化)が起こらないようにすることができるものである。
【0039】
塗布ロール40の表面温度が100℃未満であれば、ジシアンジアミドを十分に熱溶解させることができず、基材20の内部及び基材20のエポキシ樹脂組成物10を塗布した面と反対側の面にまでジシアンジアミドを到達させることができなくなる恐れがあり、塗布ロール40の表面温度が195℃を超えると、基材20に塗布する前にエポキシ樹脂組成物10の反応性が高くなって硬化が進み、粘度が上昇するものであり、基材20にエポキシ樹脂組成物10を浸透させにくくなって好ましくない。またエポキシ樹脂組成物10と塗布ロール40の表面の接触時間は、塗布ロール4の表面温度によって異なるが、0.1〜180秒に設定するのが好ましい。エポキシ樹脂組成物10と塗布ロール40の表面の接触時間が0.1秒未満であれば、ジシアンジアミドを十分に熱溶解させることができず、基材20の内部及び基材20のエポキシ樹脂組成物10を塗布した面と反対側の面にまでジシアンジアミドを到達させることができなくなる恐れがあり、エポキシ樹脂組成物10と塗布ロール40の表面の接触時間が180秒を超えると、基材20に塗布する前にエポキシ樹脂組成物10の反応性が高くなって硬化が進み、粘度が上昇するものであり、基材20にエポキシ樹脂組成物10を浸透させにくくなって好ましくない。
【0040】
尚、塗布ロール40はその下側略半分が容器30内のエポキシ樹脂組成物10に浸漬した状態にあるので、塗布ロール40の加熱によって容器30内でエポキシ樹脂組成物10の硬化が進行するが、容器30内のエポキシ樹脂組成物10は順次基材20に塗布されて消費されていき、これと同時に供給管50を通じて新しい(硬化の進んでいない)エポキシ樹脂組成物10が容器30内に供給されていくので、エポキシ樹脂組成物10が容器30内で硬化することはない。
【0041】
またダイコータとは、基材20にエポキシ樹脂組成物10を塗布するための治具であるリップ部からダイ内部のエポキシ樹脂組成物10を吐出する構造を備えるコータであって、このようなダイコータにて基材20の片面に上記無溶剤のエポキシ樹脂組成物10を塗布することによって、エポキシ樹脂組成物10を基材20に均一に一定量塗布することが可能となるものである。すなわち、ダイコータを用いた塗布方法では、一定量のエポキシ樹脂組成物10をリップ部から吐出するので、ロールコータ法や浸漬法に比べて塗布量を一定化することを容易に行うことができる。そしてダイコータを用いる場合は、リップ部の表面温度(エポキシ樹脂組成物10と接触する面の温度)を100〜195℃にするのである。
【0042】
尚、本発明では基材の一方の片面にエポキシ樹脂組成物を塗布して含浸させるようにするが、必要に応じて、基材のもう一方の片面にもエポキシ樹脂組成物を塗布して含浸させるようにしてもよい。またエポキシ樹脂組成物10を均一に加熱することができ、加熱後の基材20へのエポキシ樹脂組成物10の塗布が容易なロール加熱方式(図1に示すもの)を採用するのが好ましい。すなわち、エポキシ樹脂組成物10を必要量だけ塗布ロール40に塗り広げ、その塗布ロール40の表面のエポキシ樹脂組成物10を基材20へ再転写して塗布する方法が、エポキシ樹脂組成物10の温度及び加熱時間制御等の点で最も優れている。しかもエポキシ樹脂組成物10を塗布する塗布ロール40を利用してエポキシ樹脂組成物10の加熱も行うので、エポキシ樹脂組成物10の加熱装置を別途設ける必要がなくなって、塗布装置を簡素化することができるものである。
【0043】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0044】
(実施例1乃至12及び比較例1乃至3)
エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール試薬)を表1乃至3に示す配合割合で混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。表1乃至3に示すエポキシ樹脂と硬化剤の種類は次の通りである。
【0045】
エポキシ樹脂1:エポキシ当量190のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名「エピコート828」)
エポキシ樹脂2:エポキシ当量210のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「EPICLON N680」)
エポキシ樹脂3:エポキシ当量500の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダウエポキシ(株)製、商品名「DER511」)
エポキシ樹脂4:エポキシ樹脂1を60重量部、エポキシ樹脂2を10重量部、臭素化フェノール(テトラブロモビスフェノールA(試薬を使用)、分子量544、理論活性水素当量(エポキシ基1個との反応当量)=272g/eq)を30重量部配合し、130℃にて加熱混合して相溶させて調製した。このエポキシ樹脂4のエポキシ当量は、臭素化フェノールの水酸基当量をエポキシ当量から除去するため、400g/eqとなる。
【0046】
硬化剤1:フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「フェノライトTD2131」、活性水素当量=約105g/eq、軟化点=約80℃、温度100℃以上での溶解度100%、1分子中の活性水素の数は10〜3個で平均5個)
硬化剤2:クレゾールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「フェノライトKA1160」、活性水素当量=約120g/eq、軟化点=約85℃、温度100℃以上での溶解度100%、1分子中の活性水素の数は10〜3個で平均5個)
硬化剤3:ビスフェノールA型ノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「フェノライトVH4150」、活性水素当量=約120g/eq、軟化点=約85℃、温度100℃以上での溶解度100%、1分子中の活性水素の数は10〜3個で平均5個)
硬化剤4:ジシクロペンタジエン含有フェノールノボラック樹脂(日本石油(株)製、商品名「DPP−600−L」、活性水素当量=約170g/eq、軟化点=90℃、温度100℃以上での溶解度100%、1分子中の活性水素の数は10〜3個で平均5個)
硬化剤5:下記(2)式を有するフェノール系硬化剤(活性水素当量=約100g/eq、1分子中の活性水素の数は3個)
【0047】
【化3】
Figure 0003845212
硬化剤6:平均粒径7μmに微細化したジシアンジアミド硬化剤(油化シェルエポキシ(株)製、商品名「エピキュアDICY7」、分子量84、理論活性水素当量=21g/eq、1分子中の活性水素の数は4個)
硬化剤7:一般的な芳香族アミン系化合物であるジアミノジフェニルメタン(試薬)(活性水素当量=約50g/eq、軟化点=約80℃、温度100℃以上での溶解度100%、一分子中の活性水素の数は4個)
硬化剤8:平均粒径40〜300μmのジシアンジアミド(試薬)(分子量84、理論活性水素当量=21g/eq、1分子中の活性水素の数は4個)
尚、表1乃至3の「配合したエポキシ基の数」の欄には、エポキシ樹脂の配合した重量部当たりのエポキシ基の数が示されており、重量部/エポキシ当量の式で計算される。また「エポキシ価」の欄には、全エポキシ樹脂100重量部当たりのエポキシ基の数が示されており、配合したエポキシ基の数の合計で計算される。また「配合した活性水素の数」の欄には、硬化剤の配合した重量部当たりの活性水素の数が示されており、重量部/活性水素当量の式で計算される。
【0048】
上記実施例1乃至12及び比較例1乃至3と、基材2として厚さ0.18mmのガラスクロス(旭シュエーベル(株)製、商品名「7628」)を用いてプリプレグを製造した。プリプレグを製造するにあたっては、まず、加熱溶融させた上記無溶剤のエポキシ樹脂組成物(実施例1乃至12及び比較例1乃至3)を、図1に示す塗布装置(ロールコータ)で基材2の片面(下面)より170g/m塗工し、この後、非接触タイプの加熱ユニットにより約180℃で加熱することにより、成形に適する硬化レベルにまでBステージ化させてプリプレグを形成した。
【0049】
そしてエポキシ樹脂組成物10の塗布工程時の塗布ロール40の表面温度を実測した。また塗布ロール40の回転速度を調整することにより、塗布ロール40によるエポキシ樹脂組成物10の加熱時間(接触時間)を調整し、エポキシ樹脂組成物10が塗布ロール40に接してから基材20に塗布(転写)されるまでの時間を測定し、これをエポキシ樹脂組成物10の加熱時間とした。
【0050】
次に、上記のようにして製造されたプリプレグを用いて積層板を製造した。積層板を製造するにあたっては、内層板の両側の表面に上記プリプレグを一枚ずつ重ねて、170℃、90分の条件で加熱しながら、約30kgf/cm2 で加熱して成形した。上記内層板としては、厚さ0.8mmの内層コア両面銅張り板(松下電工(株)製、商品名「CR1766」、銅箔厚35μm)に黒化処理を施したものを用いた。黒化処理は、処理液として亜塩素酸ナトリウム50g/リットルと、水酸化ナトリウム10g/リットルと、リン酸三ナトリウム10g/リットルとを含む水溶液を用い、この処理液で95℃、60秒の条件で内層コア両面銅張り板の銅箔を酸化銅に処理するようにして行った。
【0051】
次に、上記積層板及びエポキシ樹脂組成物及びプリプレグの性能を次の項目で評価した。
【0052】
[成形後の白化]
上記積層板のミーズリング(交点白化)を外観検査により目視確認した。この場合、内層板が黒化処理されているため、プリプレグを形成して得られる積層板のミーズリングは明確に観察される。このレベルを5ランクに分けて次のような評価を付した。
【0053】
◎:ミーズリングが全く見られないもの
○:ミーズリングがほとんど見られないもの
△:ミーズリングが少し見られるもの
×:ミーズリングが目立つもの
××:ミーズリングが顕著に目立つもの
[エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸水率の測定]
上記プリプレグを揉みほぐしてエポキシ樹脂組成物の粉を落とし、その粉を所定の金型に入れて直圧成形し、断面10×4mm、長さ40mmの曲げ物性評価用の樹脂棒を成形した。この成形は170℃、90分の加熱条件で行った。次に、樹脂棒を4時間煮沸し、この後、煮沸前後の樹脂棒の重量から下記の式を用いて吸水率を計算した。
【0054】
吸水率(%)={(煮沸後の樹脂棒の重量)−(煮沸前の樹脂棒の重量)}÷(煮沸前の樹脂棒の重量)×100
[エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度の測定]
樹脂棒を上記と同様にして作成し、この樹脂棒のtanδを粘弾性スペクトロメータにより測定し、このピーク温度からガラス転移温度(Tg)を評価した。
【0055】
[プリプレグの保存安定性]
上記プリプレグを40℃の恒温槽内に放置し、プリプレグに含浸されたエポキシ樹脂組成物の130℃における溶融粘度が、初期値(40℃の乾燥機内に放置する前)に対して50%増加する時間を評価した。
【0056】
[プリプレグの色調]
上記プリプレグの外観色調を目視で評価した。
【0057】
【表1】
Figure 0003845212
【0058】
【表2】
Figure 0003845212
【0059】
【表3】
Figure 0003845212
表1乃至3から明らかなように、実施例1乃至12のものは比較例1乃至2のものよりも、成形後の白化が少なくなった。また比較例3は塗布ロール40の表面温度が高すぎるために塗布ロール40の表面でエポキシ樹脂組成物10がゲル化し、基材20に含浸させることができなかった。さらにジシアンジアミドのみを用いた実施例1、2よりも、フェノール系硬化剤を併用した実施例4乃至12の方が吸水率の低下、ガラス転移温度の上昇、保存安定性の向上が見られた。
【0060】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、エポキシ樹脂とこれの硬化剤としてジシアンジアミドを含有する無溶剤のエポキシ樹脂組成物を基材の片面より塗布して浸透させ、基材に浸透したエポキシ樹脂組成物をBステージ化させるプリプレグの製造方法であって、基材にエポキシ樹脂組成物を塗布する塗布ロールの表面温度を100〜195℃にするので、エポキシ樹脂組成物に含有されているジシアンジアミドの一部又は全部を熱溶解させてエポキシ樹脂との相溶性を高めることができ、基材の内部及び基材のエポキシ樹脂組成物を塗布した面と反対側の面にまでエポキシ樹脂とジシアンジアミドを到達させることができるものであり、ミーズリングの発生及び樹脂硬化物の特性の悪化を低減することができるものである。また、エポキシ樹脂組成物を塗布する塗布ロールを利用してエポキシ樹脂組成物の加熱も行うことができ、エポキシ樹脂組成物の加熱装置を別途設ける必要がなくなって、塗布装置を簡素化することができるものである。
【0061】
また本発明の請求項2の発明は、エポキシ樹脂の硬化剤として、1分子内に水酸基を3個以上有するフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させるので、フェノール系硬化剤でジシアンジアミドを溶解させることによって、エポキシ樹脂組成物を調製する際の低温でフェノール系硬化に対してジシアンジアミドを溶解させることができ、エポキシ樹脂組成物へのジシアンジアミドの溶解性を高くすることができるものであり、よって、ジシアンジアミドが基材の表面に付着して在化せずにエポキシ樹脂とともに基材に均一に含浸することになって、ミーズリングがより生じにくくなるものである。
【0062】
また本発明の請求項3の発明は、エポキシ樹脂の1当量に対して、0.7〜0.2当量のジシアンジアミドと、0.7〜0.1当量のフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させるので、ジシアンジアミドによる電気絶縁性能の向上や接着性の向上などの効果を損なうことなく、ミーズリングの発生及び樹脂硬化物の特性の悪化を低減することができるものである。
【0063】
また本発明の請求項4の発明は、エポキシ樹脂組成物の全量に対して5〜13wt%のフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させるので、エポキシ樹脂組成物を調製する際の低温でフェノール系硬化に対してジシアンジアミドを確実に溶解させることができ、ミーズリングがさらに生じにくくなるものである。
【0064】
また本発明の請求項5の発明は、フェノール系硬化剤がフェノールノボラック系化合物であるので、積層板の電気絶縁性や耐熱性を高くすることができるものである。
【0065】
また本発明の請求項6の発明は、フェノールノボラック系化合物がクレゾールノボラックであるので、エポキシ樹脂組成物の加熱時の安定性及びBステージ化した後の保存安定性を高くすることができるものである。
【0066】
また本発明の請求項7の発明は、フェノールノボラック系化合物がビスフェノールA型ノボラックであるので、エポキシ樹脂組成物の加熱時の安定性及びBステージ化した後の保存安定性を高くすることができ、しかもフェノールノボラック、クレゾールノボラックに比べて加熱時に酸化されにくいので、エポキシ樹脂組成物の着色や変色が少なくなって外観が良好となるものである。
【0067】
また本発明の請求項8の発明は、フェノールノボラック系化合物がジシクロペンタジエン共重合型フェノールノボラックであるので、エポキシ樹脂組成物の加熱時の安定性及びBステージ化した後の保存安定性を高くすることができ、しかもフェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラックを用いた場合に比べてエポキシ樹脂組成物の硬化物の吸湿性が低くなると共にエポキシ樹脂組成物の硬化物の強靱性が優れるようになるので、積層板の耐吸湿性や強靱性を高めることができるものである。
【0068】
また本発明の請求項9の発明は、フェノール系硬化剤が上記の一般式(1)で示される3官能型フェノール化合物であるので、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度などが高くなって積層板の耐熱性を向上させることができるものである。
【0069】
また本発明の請求項10の発明は、ジシアンジアミドの平均粒径が15μm以下であるので、基材の内部及び基材のエポキシ樹脂組成物を塗布した面と反対側の面にまでエポキシ樹脂とジシアンジアミドを確実に到達させることができ、ミーズリングの発生及び樹脂硬化物の特性の悪化をさらに低減することができるものである。
【0070】
また本発明の請求項11の発明は、エポキシ樹脂組成物と塗布ロールの接触時間が0.1〜180秒であるので、基材に塗布する直前のエポキシ樹脂組成物を確実に昇温させることができ、ジシアンジアミドの熱溶解を確実に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 エポキシ樹脂組成物
20 基材
40 塗布ロール

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂とこれの硬化剤としてジシアンジアミドを含有する無溶剤のエポキシ樹脂組成物を基材の片面より塗布して浸透させ、基材に浸透したエポキシ樹脂組成物をBステージ化させるプリプレグの製造方法であって、基材にエポキシ樹脂組成物を塗布する塗布ロールの表面温度を100〜195℃にすることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. エポキシ樹脂の硬化剤として、1分子内に水酸基を3個以上有するフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
  3. エポキシ樹脂の1当量に対して、0.7〜0.2当量のジシアンジアミドと、0.7〜0.1当量のフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させることを特徴とする請求項2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. エポキシ樹脂組成物の全量に対して5〜13wt%のフェノール系硬化剤をエポキシ樹脂組成物に含有させることを特徴とする請求項2又は3に記載のプリプレグの製造方法。
  5. フェノール系硬化剤がフェノールノボラック系化合物であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  6. フェノールノボラック系化合物がクレゾールノボラックであることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグの製造方法。
  7. フェノールノボラック系化合物がビスフェノールA型ノボラックであることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグの製造方法。
  8. フェノールノボラック系化合物がジシクロペンタジエン共重合型フェノールノボラックであることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグの製造方法。
  9. フェノール系硬化剤が下記の一般式(1)で示される3官能型フェノール化合物であるこを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
    Figure 0003845212
  10. ジシアンジアミドの平均粒径が15μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  11. エポキシ樹脂組成物と塗布ロールの接触時間が0.1〜180秒であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
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