JP4341086B2 - 印刷配線板用プリプレグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性、耐熱性などに優れた、印刷配線板用のプリプレグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器に使用される積層板は、ガラス布などの基材をエポキシ樹脂組成物からなるワニスに含浸し、次いで乾燥して得られるプリプレグを複数枚積層し、さらにその上下に銅箔を配置し、次いで成形して製造されている。
この用途に使用されるエポキシ樹脂は数平均分子量が1000以下の低分子量エポキシ樹脂が使用されている。
しかし数平均分子量が1000以下の低分子量エポキシ樹脂を用いた場合には、樹脂の最低溶融粘度が低いため、Bステージ化時の加熱温度、加熱時間などの条件を特定範囲内に厳密に制御する必要があり、また、Bステージ化後の樹脂の溶融粘度も低いため、良好に成形できる範囲が限定され積層板や多層板を製造する際の成形時の圧力及び昇温速度などを厳密に設定する必要があった。
また、この問題を解決するために市販のフェノキシ樹脂に代表されるような高分子量エポキシ樹脂を配合し、樹脂の最低溶融粘度を高くすることにより成形時の圧力、昇温速度などの条件を緩やかに設定することも可能になるが、この場合には、配合する高分子量エポキシ樹脂の反応性は通常用いられている低分子量エポキシ樹脂と比較して、著しく低いため、このプリプレグを用いて成形した積層板は、耐熱性に劣るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は印刷配線板の高密度化、高性能化を進めるのに際して必要とされる成形性、耐熱性、電気特性などに優れ、積層板や多層板の板厚の均一化に優れた印刷配線板用プリプレグを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ樹脂を用いる印刷配線板用プリプレグにおいて、数平均分子量が1000以上3000未満の多官能エポキシ樹脂を用いたワニスを厚さ0.02〜0.40mmのガラス基材に含浸し、乾燥温度60〜200℃で1〜30分間乾燥することを特徴とする印刷配線板用プリプレグである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、印刷配線板用プリプレグに用いるエポキシ樹脂として、数平均分子量が1000以上の多官能エポキシ樹脂を用い、成形時における樹脂の流動性の最適化を図り、成形時の昇温速度、成形圧力の設定範囲幅を広げることを試みた。すなわち、従来の低分子量エポキシ樹脂から製造するプリプレグはBステージ状態における樹脂の最低溶融粘度が著しく低くなる傾向があり、この最低溶触粘度から、内層板の導体回路をボイド等が無く埋めることができる回路充填性が良好で、積層板や多層板の周辺部の板厚が薄くなることもないような成形幅を有するプリプレグを得るためには、Bステージ化における加熱乾燥温度、加熱乾燥時間などを厳密に設定し、一定の成形条件で成形できるようにする必要がある。この加熱乾燥温度、加熱乾燥時間が設定範囲から若干異なった場合には、Bステージ状態での最低溶融粘度及びその後の加熱加圧による多層板成形時の硬化性が異なり、良好な回路充填性、板厚精度を有する多層板を得ることは困難である。
一方、前述したように、ワニスに用いるエポキシ樹脂組成物中に、市販のフェノキシ樹脂に代表されるような高分子量エポキシ樹脂を配合した場合には、その配合量により樹脂の最低溶融粘度の制御が容易になるが、配合する高分子量エポキシ樹脂の反応性は通常用いられている低分子量エポキシ樹脂と比較して、著しく低いため、このプリプレグを用いて成形した積層板の耐熱性は低下することがあった。
そこで本発明では、エポキシ樹脂組成物に適用するエポキシ樹脂について鋭意検討した結果、数平均分子量が1000以上3000未満の多官能エポキシ樹脂を主成分とし、このエポキシ樹脂を多官能のフェノールノボラック類またはジシアンジアミドに代表されるようなアミン類で硬化するのが有効であることを見出した。
さらに、本発明における印刷配線板用プリプレグの樹脂組成物としては、必要に応じて、難燃剤、硬化促進剤、溶剤、その他添加剤などを配合することができる。
なお、エポキシ樹脂に対する硬化剤の配合量は、フェノールノボラック類を硬化剤として用いる場合には、エポキシ基の数に対するフェノール性水酸基の当量として、0.5当量から2.0当量が好ましく、0.7当量から1.5当量が特に好ましい。また硬化剤の一例としてジシアンジアミドを用いる場合には、エポキシ樹脂100重量部に対するジシアンジアミドの配合量として、1重量部から10重量部が好ましく、2重量部から5重量部がさらに好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物中に難燃成分を配合する方法としては、難燃成分としてハロゲン化エポキシ樹脂を配合する方法、ハロゲン化フェノールノボラック類を配合する方法などが挙げられる。すなわち、本発明における多官能エポキシ樹脂と、従来から用いられている臭素化エポキシ樹脂を併用する方法、また、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールAを配合する方法などが挙げられる。
さらに本発明において用いるエポキシ樹脂組成物は必要に応じて溶剤類を添加することにより、任意の固形分濃度およびワニス粘度に調整することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では、数平均分子量が1000以上3000未満の多官能エポキシ樹脂、硬化剤、必要に応じて、難燃剤、硬化促進剤、溶剤、その他添加剤などを配合したエポキシ樹脂組成物ワニスを厚さ0.02〜0.40mmのガラス基材であるガラス織布またはガラス不織布に含浸させて、乾燥することにより印刷配線板用プリプレグを得ることができる。
本発明で用いる数平均分子量が1000以上3000未満の多官能エポキシ樹脂は、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が、例示され、数平均分子量が1000未満では、乾燥条件によるタックが生じやすくBステージ化したプリプレグの成形性や取扱性が低く、数平均分子量が3000を超えるとBステージ化したプリプレグの樹脂の最低溶融粘度が高くなる傾向にあり好ましくない。これらから、より好ましくは、数平均分子量が2000以上3000未満の多官能エポキシ樹脂を用いるのが良い。
【0006】
本発明で用いるガラス織布またはガラス不織布の種類は特に制限はなく、厚さ0.02mm〜0.40mmまでの任意のものを用いる。ガラス基材の厚みが0.02mm未満であると、ガラス基材の強度(引張り強さ)が著しく弱いため塗工作業が極めて困難であり、ガラス基材の厚みが0.4mmを超えるとワニスの含浸性が著しく低下しボイドの発生につながるため好ましくない。
乾燥条件としては、乾燥温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の任意の条件で乾燥を行う。乾燥温度、乾燥時間が上記範囲外では、溶剤性分が多く残存したり、硬化が進みすぎて良好なBステージ状態にならないためである。
得られた印刷配線板用プリプレグを複数枚重ね、その両面に銅箔を配し、加熱加圧成形することにより、ガラス基材エポキシ樹脂積層板を得ることができる。
また、本発明におけるエポキシ樹脂組成物ワニスをガラス織布に含浸し、加熱乾燥することにより、多層板用の印刷配線板用プリプレグを得ることができる。この場合、ガラス織布の厚さは、0.10mm程度のものが多く用いられる。
すなわち、この多層化用の印刷配線板用プリプレグを用いると、内層板の表面に厚さ35μmの導体回路が存在する場合にも良好な回路充填性を示し、さらに、プリプレグの樹脂の流動性が良好であるにもかかわらず、成形後の内層導体から外層銅箔までの距離も、一定以上保たれて、良好な絶縁信頼性を保っことができる。
【0007】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
数平均分子量が2400の多官能エポキシ樹脂(テトラブロムビスフェノールAとビスフェノールA混合型エポキシ樹脂、エポキシ当量425)100重量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂30重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン50重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。
このワニスを厚さ0.2mmのガラスクロス(坪量210g/m2)に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。
この得られたエポキシ樹脂プリプレグをもみほぐして得られた樹脂粉の溶融粘度を高化式フローテスタを用いて130℃の一定条件で測定したところ、120Pa・sであった。またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ120秒であった。
上記で得られたエポキシ樹脂プリプレグ(印刷配線板用プリプレグ)を5枚重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形することにより、銅箔付きガラスエポキシ積層板を得た。
得られたエポキシ樹脂積層板は、その積層板の板厚が均一であり、成形時の端部からの樹脂のしみ出しも少なく、良好に成形できることが確かめられた。
銅箔の引き剥がし強さは、常温下で、1.8KN/mであった。
得られたエポキシ樹脂積層板を全面エッチングしたものを、121℃、0.2MPaのPCT(プレッシャークッカーテスト)で4時間処理した後、260℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬したが、積層板のふくれなどの異常は見られなかった。
【0008】
(実施例2)
数平均分子量が2400の多官能エポキシ樹脂(テトラブロムビスフェノールAとビスフェノールA混合型エポキシ樹脂、エポキシ当量425)100重量部、硬化剤としてジシアンジアミドを3重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトンと30重量部と2−メトキシエタノール30重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。
このワニスを厚さ0.1mmのガラスクロス(坪量104g/m2)に含浸し、160℃の乾燥機中で、3分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。
この得られたエポキシ樹脂プリプレグをもみほぐして得られた樹脂粉の溶融粘度を高化式フローテスタを用いて130℃の一定条件で測定したところ、70Pa・sであった。またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ160秒であった。
厚さ0.4mmでその両面に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回路加工を施した内層板の両面に、得られたエポキシ樹脂プリプレグを1枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形することにより、ガラスエポキシ4層板を得た。
得られたガラスエポキシ4層板は、板厚が均一であり、成形時の端部からの樹脂のしみ出しも少なく、良好に成形できることが確かめられた。
外層銅箔の引き剥がし強さは、常温下で、1.8KN/mであった。
得られたガラスエポキシ4層板の内層回路と外層回路との間の距離は、4層板の端部及び中心部でいずれも90μmの厚みを示し、絶縁性は良好であった。
また、得られたガラスエポキシ4層板を全面エッチングしたものを、沸騰水中で4時間処理した後、260℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬したが、基板のふくれなどの異常は見られなかった。
【0009】
(実施例3)
数平均分子量が2200の多官能エポキシ樹脂(3官能型エポキシ樹脂、VG3101(三井化学株式会社商品名)にテトラブロムビスフェノールAとビスフェノールA型エポキシ樹脂共重合体付加物、エポキシ当量475)100重量部、硬化剤としてジシアンジアミドを3重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン30重量部と2−メトキシエタノール30重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。
このエポキシ樹脂ワニスを厚さ0.1mmのガラスクロス(坪量104g/m2)に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。
得られたエポキシ樹脂プリプレグをもみほぐして得られた樹脂粉の溶融粘度を高化式フローテスタで130℃の一定条件で測定したところ100Pa・sであった。またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ、150秒であった。
厚さ0.4mmでその両面に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回路加工を施した内層板の両面に、得られたエポキシ樹脂プリプレグを1枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、成形時のプレス機の熱盤の昇温速度を3℃/分に設定して170℃まで加熱し、その後、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形することにより、ガラスエポキシ4層板を得た。
得られたエポキシ樹脂4層板は、その板厚が均一であり、成形時の端部からの樹脂のしみだしも少なく、良好に成形できることが確かめられた。
外層銅箔引き剥がし強さは、常温下で、1.7KN/mであった。
得られたガラスエポキシ4層板の内層回路と外層銅箔との間の距離は4層板の端部および中心部でいずれも90μmの厚さを示し、絶縁性は良好であった。
また、得られたガラスエポキシ樹脂4層板を全面エッチングしたものを、沸騰水中で4時間処理した後、260℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬したが、基板のふくれなどの異常は見られなかった。
【0010】
(実施例4)
実施例3におけるガラスエポキシ4層板成形時のプレス機の熱盤昇温速度を10℃/分に設定した以外は実施例3と同様な方法でガラスエポキシ4層板の成形を行った。
その結果、得られたガラスエポキシ4層板は、その板厚が均一であり、成形時の端部からの樹脂のしみだしも少なく、良好に成形できることが確かめられた。
外層銅箔引き剥がし強さは、常温下で、1.7KN/mであった。
得られたガラスエポキシ4層板の内層回路と外層銅箔との間の距離は4層板の端部および中心部でいずれも90μmの厚さを示し、絶縁性は良好であった。
得られたガラスエポキシ4層板を全面エッチングしたものを、沸騰水中で4時間処理した後、260℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬したが、基板のふくれなどの異常は見られなかった。
【0011】
以上の実施例に示したように、本発明により得られた印刷配線板用プリプレグは、良好な耐熱性、銅箔接着性、絶縁性を示し、また、多層板成形時に内層導体と外層銅箔との距離を均一に保つことにより、絶縁信頼性の向上につながる。
さらに、実施例中に示したように、多層板成形時のプレス機の熱盤の昇温速度によらず、広い成形幅を示しているということは、生産性の向上にもつながり、非常に有用である。
次に、上記実施例に対する比較例を示す。
【0012】
(比較例1)
数平均分子量が340の二官能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)100重量部、硬化剤としてフェノールノボラック30重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン50重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。
このワニスを厚さ0.2mmのガラスクロス(坪量210g/m2)に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。
得られたエポキシ樹脂プリプレグから樹脂粉の溶融粘度を、高化式フローテスタで130℃一定の条件で測定したところ、20Pa・sであった。
またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ、100秒であった。
得られたエポキシ樹脂プリプレグを5枚重ねその両面に35μmの銅箔を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形することにより、銅箔付きガラスエポキシ積層板を得ることを試みた。
しかし、成形時の樹脂の流動が非常に大きく、厚さが均一な積層板は得られなかった。
【0013】
(比較例2)
数平均分子量が340の二官能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)重量部、硬化剤としてジシアンジアミドを3重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン30重量部と2−メトキシエタノ−ル30重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。
このワニスを厚さ0.1mmのガラスクロスに含浸し、160℃の乾燥機中で、3分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。
得られたエポキシ樹脂プリプレグから樹脂粉の溶融粘度を、高化式フローテスタで130℃一定の条件で測定したところ、10Pa・sであった。
またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ、140秒であった。
厚さ0.4mmでその両面に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回路加工を施した内層板の両面に、得られたエポキシ樹脂プリプレグを1枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分加熱加圧成形したが、樹脂の流動性が大きく良好な4層板は成形できなかった。
【0014】
(比較例3)
数平均分子量が340の多官能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)100重量部、硬化剤としてジシアンジアミド3重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン30重量部と2−メトキシエタノ−ル30重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。
このワニスを厚さ0.1mmのガラスクロス(坪量104g/m2)に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。
得られたエポキシ樹脂プリプレグから得られる樹脂粉の溶融粘度を、高化式フローテスタで130℃一定の条件で測定したところ10Pa・sであった。
またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ、100秒であった。
厚さ0.4mmでその両面に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回路加工を施した内層板の両面に、得られたエポキシ樹脂プリプレグを1枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、成形時のプレス機の熱盤の昇温速度を3℃/分に設定して170℃まで加熱し、その後、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形することにより、ガラスエポキシ4層板を得ることができた。
しかし、4層板成形時のプレス機の熱盤昇温速度を5℃/分にした場合には、樹脂の流動が大きすぎて板厚精度の良好な4層板は得られなかった。
【0015】
以上の実施例、比較例における実験方法の詳細を以下に示す。
銅箔引き剥がし強さは、オリエンテック製テンシロンを用い、10mm幅、引っ張り速度50mm/分で90度方向の引き剥し強さを測定した。
高化式フローテスタは、ノズル径を0.7mmとして、荷重5kg、130℃一定で測定した。
プリプレグ樹脂粉の硬化時間は、170℃の熱盤上での樹脂の硬化時間を測定した。
各実施例に示したように、本発明における数平均分子量が1000から3000の多官能エポキシ樹脂を用いることにより、成形性が良好であり、さらに成形幅が広いことにより生産性も良好になり、得られる多層板の特性も良好となる印刷配線板用プリプレグを得ることができる。
【0016】
【発明の効果】
数平均分子量が1000から3000の多官能エポキシ樹脂を用い、フェノールノボラック類またはジシアンジアミドで硬化するエポキシ樹脂組成物を用いたガラス基材印刷配線板用プリプレグは、多層板成形時の溶融粘度が50Pa・s〜200Pa・sの範囲に制御しやすく、多層板成形時の樹脂の溶融による内層板の回路充填性が良好であるばかりでなく、成形時の樹脂の流動性が多すぎることに起因する絶縁層厚さの低下による絶縁信頼性の低下や板厚精度の低下を防止することができる。
Claims (3)
- エポキシ樹脂を用いる印刷配線板用プリプレグにおいて、数平均分子量が2000以上3000未満で、エポキシ当量が300〜500である多官能エポキシ樹脂を用いたワニスを厚さ0.02〜0.40mmのガラス基材に含浸し、乾燥温度60〜200℃で1〜30分間乾燥することを特徴とする印刷配線板用プリプレグ。
- 多官能エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック類を用いる請求項1に記載の印刷配線板用プリプレグ。
- 多官能エポキシ樹脂の硬化剤としてアミン類を用いる請求項1に記載の印刷配線板用プリプレグ。
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