JPH07276565A - コンポジット銅張積層板の製造方法 - Google Patents
コンポジット銅張積層板の製造方法Info
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- JPH07276565A JPH07276565A JP6087512A JP8751294A JPH07276565A JP H07276565 A JPH07276565 A JP H07276565A JP 6087512 A JP6087512 A JP 6087512A JP 8751294 A JP8751294 A JP 8751294A JP H07276565 A JPH07276565 A JP H07276565A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、(A)ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、(B)ノボラック型エポキシ樹脂、(C)テト
ラブロムビスフェノールA、(D)フェノールノボラッ
ク樹脂および(E)カオリンを含む無機充填剤を必須成
分とし、樹脂成分全体[(A)+(B)+(C)+
(D)]に対して(C)を10〜50重量%の割合で含有す
るとともに、基材に含浸・乾燥させる工程で、(A)及
び(B)と、(C)とを反応させたプリプレグを用いる
ことを特徴とするコンポジット銅張積層板の製造方法で
ある。 【効果】 本発明によれば、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃
性、層間結合力、難燃性、スルーホール信頼性、反り等
に優れ、樹脂の粘度が低く塗布・含浸が容易で、ボイド
の発生が少ないコンポジット銅張積層板を得ることがで
きる。
シ樹脂、(B)ノボラック型エポキシ樹脂、(C)テト
ラブロムビスフェノールA、(D)フェノールノボラッ
ク樹脂および(E)カオリンを含む無機充填剤を必須成
分とし、樹脂成分全体[(A)+(B)+(C)+
(D)]に対して(C)を10〜50重量%の割合で含有す
るとともに、基材に含浸・乾燥させる工程で、(A)及
び(B)と、(C)とを反応させたプリプレグを用いる
ことを特徴とするコンポジット銅張積層板の製造方法で
ある。 【効果】 本発明によれば、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃
性、層間結合力、難燃性、スルーホール信頼性、反り等
に優れ、樹脂の粘度が低く塗布・含浸が容易で、ボイド
の発生が少ないコンポジット銅張積層板を得ることがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐湿性、含浸
性、スルーホール信頼性、反り等に優れ、ボイドの発生
が少なく作業性のよいコンポジット銅張積層板の製造方
法に関する。
性、スルーホール信頼性、反り等に優れ、ボイドの発生
が少なく作業性のよいコンポジット銅張積層板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IC、LSI等の集積回路を使用
した電子機器の発達は目覚ましく、それらに使用される
銅張積層板も多種多様となり、また、一段と優れた特性
が要求されてきた。ガラス不織布を基材として含むコン
ポジット銅張積層板は、ガラス織布を基材とする銅張積
層板と電気特性が同等であり、寸法安定性、スルーホー
ル信頼性も優れ、かつ打抜加工が可能であること等から
その需要は急激に伸びてきた。
した電子機器の発達は目覚ましく、それらに使用される
銅張積層板も多種多様となり、また、一段と優れた特性
が要求されてきた。ガラス不織布を基材として含むコン
ポジット銅張積層板は、ガラス織布を基材とする銅張積
層板と電気特性が同等であり、寸法安定性、スルーホー
ル信頼性も優れ、かつ打抜加工が可能であること等から
その需要は急激に伸びてきた。
【0003】コンポジット銅張積層板に使用されるエポ
キシ樹脂は、優れた要求特性に対応すべく種々改良が加
えられている。即ち、硬化収縮や熱膨張係数の低減、耐
トラッキング性および電気的、機械的特性向上のため無
機充填剤等を配合することが行われているが、まだ十分
満足すべきものが得られていない。コンポジット銅張積
層板の耐熱性、耐熱衝撃性向上のため、無機充填剤を大
量に配合すると、基材に含浸するエポキシ樹脂の粘度が
上昇し、これを塗布含浸すると基材に塗布ムラが生じ、
ボイドや板厚不良の原因となる欠点がある。粘度を下げ
るために無機充填剤を減らすと、耐熱性や耐熱衝撃性等
の特性が低下する欠点がある。
キシ樹脂は、優れた要求特性に対応すべく種々改良が加
えられている。即ち、硬化収縮や熱膨張係数の低減、耐
トラッキング性および電気的、機械的特性向上のため無
機充填剤等を配合することが行われているが、まだ十分
満足すべきものが得られていない。コンポジット銅張積
層板の耐熱性、耐熱衝撃性向上のため、無機充填剤を大
量に配合すると、基材に含浸するエポキシ樹脂の粘度が
上昇し、これを塗布含浸すると基材に塗布ムラが生じ、
ボイドや板厚不良の原因となる欠点がある。粘度を下げ
るために無機充填剤を減らすと、耐熱性や耐熱衝撃性等
の特性が低下する欠点がある。
【0004】また、積層板用エポキシ樹脂の硬化剤に
は、従来よりアミン系のものとフェノール系のものとが
利用されている。フェノール系はアミン系に比べて耐熱
性、耐湿性、マイグレーション性に優れているが、層間
結合力、含浸性に劣る欠点がある。フェノール系のフェ
ノールノボラック樹脂で分子量が大きいものを使用する
と耐熱性、耐湿性に優れているが、層間結合力、含浸性
が著しく低下する。一方、分子量が小さいと層間結合
力、含浸性が向上するものの耐熱性、耐湿性が著しく低
下する。従って、硬化剤として使用するフェノールノボ
ラック樹脂の分子量の調整によって、この相反する特性
を両立させることは大変困難であった。また、従来は、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロムビスフ
ェノールAとを含浸前に予め反応させて得られる臭素化
エポキシ樹脂が、主樹脂として使用されている。このた
め、テトラブロムビスフェノールAの含有量が多くなれ
ば高分子化し、臭素含有率が高くなり難燃性が向上する
反面、含浸性が低下する。逆にテトラブロムビスフェノ
ールAの含有量が少なくなれば低分子化し、含浸性はよ
くなるものの臭素含有率が低下して難燃性に劣り、含浸
性と難燃性の特性バランスを調整することが困難であっ
た。
は、従来よりアミン系のものとフェノール系のものとが
利用されている。フェノール系はアミン系に比べて耐熱
性、耐湿性、マイグレーション性に優れているが、層間
結合力、含浸性に劣る欠点がある。フェノール系のフェ
ノールノボラック樹脂で分子量が大きいものを使用する
と耐熱性、耐湿性に優れているが、層間結合力、含浸性
が著しく低下する。一方、分子量が小さいと層間結合
力、含浸性が向上するものの耐熱性、耐湿性が著しく低
下する。従って、硬化剤として使用するフェノールノボ
ラック樹脂の分子量の調整によって、この相反する特性
を両立させることは大変困難であった。また、従来は、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロムビスフ
ェノールAとを含浸前に予め反応させて得られる臭素化
エポキシ樹脂が、主樹脂として使用されている。このた
め、テトラブロムビスフェノールAの含有量が多くなれ
ば高分子化し、臭素含有率が高くなり難燃性が向上する
反面、含浸性が低下する。逆にテトラブロムビスフェノ
ールAの含有量が少なくなれば低分子化し、含浸性はよ
くなるものの臭素含有率が低下して難燃性に劣り、含浸
性と難燃性の特性バランスを調整することが困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃
性、層間結合力、難燃性、スルーホール信頼性、反り等
に優れ、樹脂の粘度が低く塗布・含浸が容易で、ボイド
の発生が少ないコンポジット銅張積層板の製造方法を提
供しようとするものである。
に鑑みてなされたもので、耐熱性、耐湿性、耐熱衝撃
性、層間結合力、難燃性、スルーホール信頼性、反り等
に優れ、樹脂の粘度が低く塗布・含浸が容易で、ボイド
の発生が少ないコンポジット銅張積層板の製造方法を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究をすすめた結果、プリプレグ製
造時に樹脂粘度を低下させるとともに、カオリンを含有
する無機充填剤を配合させることによって、上記目的を
達成できることを見いだし、本発明を完成したものであ
る。
を達成しようと鋭意研究をすすめた結果、プリプレグ製
造時に樹脂粘度を低下させるとともに、カオリンを含有
する無機充填剤を配合させることによって、上記目的を
達成できることを見いだし、本発明を完成したものであ
る。
【0007】即ち、本発明は、ガラス基材にエポキシ樹
脂組成物を含浸・乾燥させたプリプレグを複数枚積層
し、その少なくとも片面に銅箔を重ね合わせて一体に成
形するコンポジット銅張積層板の製造方法において、
(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ノボラ
ック型エポキシ樹脂、(C)テトラブロムビスフェノー
ルA、(D)フェノールノボラック樹脂および(E)カ
オリンを含有する無機充填剤を必須成分とし、樹脂成分
全体[(A)+(B)+(C)+(D)]に対して
(C)のテトラブロムビスフェノールAを10〜50重量%
の割合で含有するエポキシ樹脂ワニスを基材に含浸・乾
燥させるとともに、基材に含浸・乾燥させる工程で、
(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び(B)ノボ
ラック型エポキシ樹脂と、(C)テトラブロムビスフェ
ノールAとを反応させたプリプレグを用いることを特徴
とするコンポジット銅張積層板の製造方法である。
脂組成物を含浸・乾燥させたプリプレグを複数枚積層
し、その少なくとも片面に銅箔を重ね合わせて一体に成
形するコンポジット銅張積層板の製造方法において、
(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)ノボラ
ック型エポキシ樹脂、(C)テトラブロムビスフェノー
ルA、(D)フェノールノボラック樹脂および(E)カ
オリンを含有する無機充填剤を必須成分とし、樹脂成分
全体[(A)+(B)+(C)+(D)]に対して
(C)のテトラブロムビスフェノールAを10〜50重量%
の割合で含有するエポキシ樹脂ワニスを基材に含浸・乾
燥させるとともに、基材に含浸・乾燥させる工程で、
(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び(B)ノボ
ラック型エポキシ樹脂と、(C)テトラブロムビスフェ
ノールAとを反応させたプリプレグを用いることを特徴
とするコンポジット銅張積層板の製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明に用いるプリプレグは、下記のエポ
キシ樹脂ワニスを、ガラス基材に含浸・乾燥させる工程
に反応させてなるものである。
キシ樹脂ワニスを、ガラス基材に含浸・乾燥させる工程
に反応させてなるものである。
【0010】エポキシ樹脂ワニスは、(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、(B)ノボラック型エポキシ樹
脂、(C)テトラブロムビスフェノールA、(D)フェ
ノールノボラック樹脂および(E)カオリンを含有する
無機充填剤を必須成分とするものである。
ールA型エポキシ樹脂、(B)ノボラック型エポキシ樹
脂、(C)テトラブロムビスフェノールA、(D)フェ
ノールノボラック樹脂および(E)カオリンを含有する
無機充填剤を必須成分とするものである。
【0011】エポキシ樹脂ワニスの成分である(A)ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量
が 170〜340 であればよく、特に制限はなく広く使用す
ることができる。そしてこれらのビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂は、単独または 2種以上混合して使用するこ
とができる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は一般に
エポキシ当量が 170以上であり、また、340 を超えると
含浸性が低下し好ましくない。
スフェノールA型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量
が 170〜340 であればよく、特に制限はなく広く使用す
ることができる。そしてこれらのビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂は、単独または 2種以上混合して使用するこ
とができる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は一般に
エポキシ当量が 170以上であり、また、340 を超えると
含浸性が低下し好ましくない。
【0012】エポキシ樹脂ワニスの成分である(B)ノ
ボラック型エポキシ樹脂としては、フェノール型、クレ
ゾール型、ビスフェノールA型等のものが挙げられ、こ
れらは単独または 2種以上混合して使用することができ
る。
ボラック型エポキシ樹脂としては、フェノール型、クレ
ゾール型、ビスフェノールA型等のものが挙げられ、こ
れらは単独または 2種以上混合して使用することができ
る。
【0013】またエポキシ樹脂ワニスの成分である
(C)のテトラブロムビスフェノールAとしては、通常
テトラブロムビスフェノールAが使用でき、その配合量
は樹脂成分全体[(A)+(B)+(C)+(D)]に
対して10〜50重量%の割合で含有することが望ましい。
テトラブロムビスフェノールAの配合割合が10重量%未
満では、十分な難燃性、層間結合力が得られず、また50
重量%を超えると耐熱性、耐湿性が低下し好ましくな
い。
(C)のテトラブロムビスフェノールAとしては、通常
テトラブロムビスフェノールAが使用でき、その配合量
は樹脂成分全体[(A)+(B)+(C)+(D)]に
対して10〜50重量%の割合で含有することが望ましい。
テトラブロムビスフェノールAの配合割合が10重量%未
満では、十分な難燃性、層間結合力が得られず、また50
重量%を超えると耐熱性、耐湿性が低下し好ましくな
い。
【0014】さらに、エポキシ樹脂ワニスの成分である
(D)フェノールノボラック樹脂としては、フェノール
型、アルキル変性フェノール型、ビスフェノールA型等
が挙げられ、これらは単独または 2種以上混合して使用
することができる。
(D)フェノールノボラック樹脂としては、フェノール
型、アルキル変性フェノール型、ビスフェノールA型等
が挙げられ、これらは単独または 2種以上混合して使用
することができる。
【0015】エポキシ樹脂ワニスの成分である(E)無
機充填剤としては、カオリンを含み、その他タルク、シ
リカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモ
ン等を併用することができる。無機充填剤の配合割合
は、樹脂成分全体[(A)+(B)+(C)+(D)]
の 100重量部対して35〜150 重量部の割合で配合するこ
とが望ましい。配合量が35重量部未満では、耐熱性、耐
熱衝撃性が悪く、また 150重量部を超えると粘度が増加
し、基材に塗布ムラが生じボイドや板厚不良となり好ま
しくない。
機充填剤としては、カオリンを含み、その他タルク、シ
リカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモ
ン等を併用することができる。無機充填剤の配合割合
は、樹脂成分全体[(A)+(B)+(C)+(D)]
の 100重量部対して35〜150 重量部の割合で配合するこ
とが望ましい。配合量が35重量部未満では、耐熱性、耐
熱衝撃性が悪く、また 150重量部を超えると粘度が増加
し、基材に塗布ムラが生じボイドや板厚不良となり好ま
しくない。
【0016】本発明において用いるプリプレグは、以上
の各成分を予め反応させて樹脂組成物としたものをガラ
ス基材に塗布・含浸・乾燥させて得たものではなく、上
述した各成分を必須成分とするエポキシ樹脂ワニスを、
ガラス基材に含浸・乾燥させる工程で(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂及び(B)ノボラック型エポキシ
樹脂と、(C)テトラブロムビスフェノールAとを反応
させてプリプレグをつくるものである。
の各成分を予め反応させて樹脂組成物としたものをガラ
ス基材に塗布・含浸・乾燥させて得たものではなく、上
述した各成分を必須成分とするエポキシ樹脂ワニスを、
ガラス基材に含浸・乾燥させる工程で(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂及び(B)ノボラック型エポキシ
樹脂と、(C)テトラブロムビスフェノールAとを反応
させてプリプレグをつくるものである。
【0017】本発明に用いるガラス基材および銅箔は、
ともに、通常ガラスエポキシ銅張積層板に使用されるも
のであれば特に制限はなく、広く一般に使用することが
できる。ガラス基材としてガラス織布、ガラス不織布等
が挙げられる。
ともに、通常ガラスエポキシ銅張積層板に使用されるも
のであれば特に制限はなく、広く一般に使用することが
できる。ガラス基材としてガラス織布、ガラス不織布等
が挙げられる。
【0018】本発明の銅張積層板は、上述のようにして
つくったプリプレグの複数枚と、銅箔を重ねて加熱加圧
一体に成形してコンポジット銅張積層板を製造すること
ができる。
つくったプリプレグの複数枚と、銅箔を重ねて加熱加圧
一体に成形してコンポジット銅張積層板を製造すること
ができる。
【0019】
【作用】本発明は、エポキシ樹脂ワニスを、ガラス基材
に含浸・乾燥させる工程で(A)ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂及び(B)ノボラック型エポキシ樹脂と、
(C)テトラブロムビスフェノールAとを反応させてプ
リプレグをつくることを特徴としている。従来、積層用
の樹脂組成物は、エポキシ樹脂と 2価ビスフェノールA
を反応釜中で反応させて高分子化した後、ガラス基材に
塗布・含浸・乾燥させてプリプレグを製造していた。こ
れに対して、本発明では反応前の低分子の各成分を塗布
してガラスクロス等への含浸性を改善し、塗布ムラの発
生を防止し、カオリンを含む無機充填剤を増加させ耐熱
性、耐熱衝撃性を向上させることができた。またプリプ
レグ製造時に各成分の反応を進めることにより、エポキ
シ樹脂とテトラブロムビスフェノールAと硬化剤間での
競争反応をコントロールして、層間結合力、難燃性を改
善し、本来の特徴である耐熱性、耐湿性、スルーホール
信頼性、反りをも維持させたコンポジット銅張積層板を
製造することができたものである。
に含浸・乾燥させる工程で(A)ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂及び(B)ノボラック型エポキシ樹脂と、
(C)テトラブロムビスフェノールAとを反応させてプ
リプレグをつくることを特徴としている。従来、積層用
の樹脂組成物は、エポキシ樹脂と 2価ビスフェノールA
を反応釜中で反応させて高分子化した後、ガラス基材に
塗布・含浸・乾燥させてプリプレグを製造していた。こ
れに対して、本発明では反応前の低分子の各成分を塗布
してガラスクロス等への含浸性を改善し、塗布ムラの発
生を防止し、カオリンを含む無機充填剤を増加させ耐熱
性、耐熱衝撃性を向上させることができた。またプリプ
レグ製造時に各成分の反応を進めることにより、エポキ
シ樹脂とテトラブロムビスフェノールAと硬化剤間での
競争反応をコントロールして、層間結合力、難燃性を改
善し、本来の特徴である耐熱性、耐湿性、スルーホール
信頼性、反りをも維持させたコンポジット銅張積層板を
製造することができたものである。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明する。本発
明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、「部」とは「重量
部」を意味する。
明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、「部」とは「重量
部」を意味する。
【0021】実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 187)
173部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ
当量 210、固形分70重量%)43部、テトラブロムビスフ
ェノールA97部、ビスフェノールA型ノボラック樹脂
(水酸基価 118、固形分70重量%) 120部、カオリン 1
10部、水酸化アルミニウム 200部、2-エチル−4-メチル
イミダゾール 0.1部およびメチルセロソルブを加えて樹
脂固形分80重量%のエポキシ樹脂ワニスを調製した。
173部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ
当量 210、固形分70重量%)43部、テトラブロムビスフ
ェノールA97部、ビスフェノールA型ノボラック樹脂
(水酸基価 118、固形分70重量%) 120部、カオリン 1
10部、水酸化アルミニウム 200部、2-エチル−4-メチル
イミダゾール 0.1部およびメチルセロソルブを加えて樹
脂固形分80重量%のエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0022】実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 187)
150部、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂
(エポキシ当量 203、固形分70重量%)62部、テトラブ
ロムビスフェノールA 100部、ビスフェノールA型ノボ
ラック樹脂 108部、カオリン 100部、水酸化アルミニウ
ム 200部、2-エチル-4−メチルイミダゾール 0.1部およ
びメチルセロソルブを加えて樹脂固形分80重量%のエポ
キシ樹脂ワニスを調製した。
150部、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂
(エポキシ当量 203、固形分70重量%)62部、テトラブ
ロムビスフェノールA 100部、ビスフェノールA型ノボ
ラック樹脂 108部、カオリン 100部、水酸化アルミニウ
ム 200部、2-エチル-4−メチルイミダゾール 0.1部およ
びメチルセロソルブを加えて樹脂固形分80重量%のエポ
キシ樹脂ワニスを調製した。
【0023】比較例1 臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量 490、臭素含有率2
1.5%、固形分75重量%) 340部、ビスフェノールA型
ノボラックエポキシ樹脂62部、ビスフェノールA型ノボ
ラック樹脂 108部、水酸化アルミニウム 200部、2-エチ
ル-4−メチルイミダゾール 0.1部およびメチルセロソル
ブを加えて樹脂固形分80重量%のエポキシ樹脂ワニスを
調製した。
1.5%、固形分75重量%) 340部、ビスフェノールA型
ノボラックエポキシ樹脂62部、ビスフェノールA型ノボ
ラック樹脂 108部、水酸化アルミニウム 200部、2-エチ
ル-4−メチルイミダゾール 0.1部およびメチルセロソル
ブを加えて樹脂固形分80重量%のエポキシ樹脂ワニスを
調製した。
【0024】比較例2 臭素化エポキシ樹脂 340部、ビスフェノールA型ノボラ
ックエポキシ樹脂62部、水酸化アルミニウム 200部、ジ
シアンジアミド 5.0部、2-エチル-4−メチルイミダゾー
ル 0.1部およびメチルセロソルブを加えて樹脂固形分65
重量%のエポキシ樹脂ワニスを調整した。
ックエポキシ樹脂62部、水酸化アルミニウム 200部、ジ
シアンジアミド 5.0部、2-エチル-4−メチルイミダゾー
ル 0.1部およびメチルセロソルブを加えて樹脂固形分65
重量%のエポキシ樹脂ワニスを調整した。
【0025】実施例1〜2および比較例1〜2で調製し
たエポキシ樹脂ワニスを用いてガラス不織布に連続的に
含浸させ、165 ℃に保持した乾燥機で 6分間乾燥させて
プリプレグ(I)を得た。このプリプレグ(I)を 6枚
重ね合わせ、その両面に別に準備した無機充填剤を含ま
ないワニスをガラス織布に含浸・乾燥させたプリプレグ
(II)を重ね合わせ、さらにその両面に厚さ18μm の銅
箔を重ね、温度170 ℃,圧力50kg/cm2 で90分間加熱加
圧一体に成形して、コンポジット銅張積層板を製造し
た。このコンポジット銅張積層板を用いて、吸水率、半
田耐熱性、スルーホール信頼性、ボイドの発生の状況、
反りを試験したのでその結果を表1に示した。本発明は
いずれの特性においても優れており、本発明の効果を確
認することができた。
たエポキシ樹脂ワニスを用いてガラス不織布に連続的に
含浸させ、165 ℃に保持した乾燥機で 6分間乾燥させて
プリプレグ(I)を得た。このプリプレグ(I)を 6枚
重ね合わせ、その両面に別に準備した無機充填剤を含ま
ないワニスをガラス織布に含浸・乾燥させたプリプレグ
(II)を重ね合わせ、さらにその両面に厚さ18μm の銅
箔を重ね、温度170 ℃,圧力50kg/cm2 で90分間加熱加
圧一体に成形して、コンポジット銅張積層板を製造し
た。このコンポジット銅張積層板を用いて、吸水率、半
田耐熱性、スルーホール信頼性、ボイドの発生の状況、
反りを試験したのでその結果を表1に示した。本発明は
いずれの特性においても優れており、本発明の効果を確
認することができた。
【0026】吸水率は、PCTにて 130℃, 1.2気圧,
5 時間経過後の重量変化率を試験した。半田耐熱性は、
コンポジット銅張積層板 25mm × 25mm の試験片を260
℃および280 ℃の半田浴に浮かべ、フクレの発生するま
での時間を試験した。スルーホール信頼性は、200 穴の
導通したスルーホール基板をつくり、260 ℃のオイルに
10秒間浸漬した後、20℃のオイルに10秒間浸漬すること
を 1サイクルとし、各サイクル毎に導通抵抗を測定し、
断線するまでのサイクル数を測定した。ボイドの発生状
況は、コンポジット銅張積層板30枚中のボイドの発生し
た枚数を試験した。反りは、300mm ×200mm の試験片を
全面エッチングし、160 ℃,30分間加熱した後、1 点支
持法により測定した。
5 時間経過後の重量変化率を試験した。半田耐熱性は、
コンポジット銅張積層板 25mm × 25mm の試験片を260
℃および280 ℃の半田浴に浮かべ、フクレの発生するま
での時間を試験した。スルーホール信頼性は、200 穴の
導通したスルーホール基板をつくり、260 ℃のオイルに
10秒間浸漬した後、20℃のオイルに10秒間浸漬すること
を 1サイクルとし、各サイクル毎に導通抵抗を測定し、
断線するまでのサイクル数を測定した。ボイドの発生状
況は、コンポジット銅張積層板30枚中のボイドの発生し
た枚数を試験した。反りは、300mm ×200mm の試験片を
全面エッチングし、160 ℃,30分間加熱した後、1 点支
持法により測定した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明のコンポジット銅張積層板は、耐熱性、耐湿
性、耐熱衝撃性、層間結合力、難燃性、スルーホール信
頼性、反り等に優れ、樹脂の粘度が低く塗布・含浸が容
易で、ボイドの発生が少ないもので電子機器等に好適な
ものである。
に、本発明のコンポジット銅張積層板は、耐熱性、耐湿
性、耐熱衝撃性、層間結合力、難燃性、スルーホール信
頼性、反り等に優れ、樹脂の粘度が低く塗布・含浸が容
易で、ボイドの発生が少ないもので電子機器等に好適な
ものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス基材にエポキシ樹脂組成物を含浸
・乾燥させたプリプレグを複数枚積層し、その少なくと
も片面に銅箔を重ね合わせて一体に成形するコンポジッ
ト銅張積層板の製造方法において、(A)ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、(B)ノボラック型エポキシ樹
脂、(C)テトラブロムビスフェノールA、(D)フェ
ノールノボラック樹脂および(E)カオリンを含む無機
充填剤を必須成分とし、樹脂成分全体[(A)+(B)
+(C)+(D)]に対して(C)のテトラブロムビス
フェノールAを10〜50重量%の割合で含有するエポキシ
樹脂ワニスを基材に含浸・乾燥させるとともに、基材に
含浸・乾燥させる工程で、(A)ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂及び(B)ノボラック型エポキシ樹脂と、
(C)テトラブロムビスフェノールAとを反応させたプ
リプレグを用いることを特徴とするコンポジット銅張積
層板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6087512A JPH07276565A (ja) | 1994-04-01 | 1994-04-01 | コンポジット銅張積層板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6087512A JPH07276565A (ja) | 1994-04-01 | 1994-04-01 | コンポジット銅張積層板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07276565A true JPH07276565A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13917047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6087512A Pending JPH07276565A (ja) | 1994-04-01 | 1994-04-01 | コンポジット銅張積層板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07276565A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113088032A (zh) * | 2021-03-25 | 2021-07-09 | 建滔(佛冈)积层纸板有限公司 | 线性酚醛树脂及其制作高性能无卤环保纸基覆铜板的方法 |
-
1994
- 1994-04-01 JP JP6087512A patent/JPH07276565A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113088032A (zh) * | 2021-03-25 | 2021-07-09 | 建滔(佛冈)积层纸板有限公司 | 线性酚醛树脂及其制作高性能无卤环保纸基覆铜板的方法 |
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