JP3001400B2 - 高周波用プリント配線基板とその製造方法 - Google Patents

高周波用プリント配線基板とその製造方法

Info

Publication number
JP3001400B2
JP3001400B2 JP7176724A JP17672495A JP3001400B2 JP 3001400 B2 JP3001400 B2 JP 3001400B2 JP 7176724 A JP7176724 A JP 7176724A JP 17672495 A JP17672495 A JP 17672495A JP 3001400 B2 JP3001400 B2 JP 3001400B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fluororesin
glass fiber
wiring board
short glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7176724A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH093208A (ja
Inventor
一雄 中嶋
若男 田口
博文 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP7176724A priority Critical patent/JP3001400B2/ja
Publication of JPH093208A publication Critical patent/JPH093208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3001400B2 publication Critical patent/JP3001400B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば低誘電特性を
有して高周波用の誘電体基板として用いられるような
周波用プリント配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、低誘電特性を有するプリント配線
基板およびその製造方法としては、例えば次のような構
成がある。すなわち、ガラスクロス(長いガラスファイ
バを布状と成したもの)を基材として用いて、この基材
に四フッ化エチレン樹脂を含浸および焼成処理を数回繰
返したシートを重ね、基材とシートとの間にパーフロオ
ロアルコキシ樹脂層(PFA樹脂層)もしくはパーフル
オロエチレンプロピル樹脂層を形成し、さらに最外層に
配置される金属箔との間にも上述の樹脂層をフィルム状
に成して或はコーティング法により形成し、積重ねられ
たシート、金属箔を一体的に加熱圧着して一体化形成す
るものである。
【0003】一方、低誘電特性を有する熱硬化性樹脂層
板としては、例えば特開昭63−154748号公報に
記載の構成がある。すなわち、熱硬化性樹脂100重量
部に対してフッ素樹脂粉末を5〜250重量部添加し、
ガラス織布もしくはガラス不織布に含浸乾燥して得たプ
リプレグを単独で、または低い誘電率を必要とする層と
して挿入し、積層形成するものである。
【0004】このように、高周波用のプリント配線基板
等において比誘電率εr、誘電正接tanδの小さいも
のが要求される場合には、フッ素樹脂をベースとし、こ
のフッ素樹脂に対してガラスクロス等の充填材を組合わ
せて、比誘電率εrが3以下、誘電正接tanδが0.
0010程度のものが構成される。
【0005】しかしフッ素樹脂は一般に四フッ化エチレ
ン樹脂ディスパージョンを用いるので高価となるうえ、
ガラスクロスに対して四フッ化エチレン樹脂ディスパー
ジョンを含浸し、含浸後において乾燥および焼成する処
理を数回繰返す工程が必要であって、さらに形成すべき
基板の厚さに応じて樹脂含浸シートを所定枚数重ねて積
層板を得るので、製造工程が複雑化するのみならず、製
造コストが高くなる問題点があった。
【0006】また従来の積層板はその熱膨張係数が積層
板に平行な方向では15〜20×10-6/℃であり、積
層板の厚さ方向では150〜200×10-6/℃であっ
て、平行方向と厚み方向との熱膨張係数に大差が存在す
るため、温度変化による積層板の寸法変化が大で温度変
化に起因して、そり、ねじれが発生し、プリント配線基
板のスルーホールなどの電気導通不良の発生原因となる
問題点があった。
【0007】さらにフッ素樹脂以外の他の樹脂にフッ素
系材料を混用して、誘電特性を改良して、誘電損失の低
い基板を得ようとする場合、フッ素樹脂層は他の材料に
対して親和性が悪い(すなわちフッ素樹脂は表面エネル
ギが小さいので、他の樹脂とブレンドしてもアンカ効果
で接合しているのみで、他の材料に対しても界面がフッ
素樹脂と化学結合をすることがなく、接着が極めて困難
である状態のこと)ので、フッ素系樹脂と他の材料との
界面で剥離が生じたり、混合樹脂が溶解分離したスキン
層が形成され実用的基板にならない問題点があった。
【0008】要するに、従来構成にあっては、フッ素系
樹脂をベースとして充填材やフッ素樹脂以外の他の樹脂
材料を混合して誘電体が形成されるので、このフッ素樹
脂は他の材料との親和性が悪く、充填材料に対する接着
性が悪化し、またフッ素樹脂以外の他の樹脂材との混合
においては、相溶は不可能であって、フッ素樹脂以外の
他の樹脂材料中にフッ素樹脂が島状に点在する現象が生
じる。加えて、形成された板の反りや歪みが生じ、また
上述のようなスキン層が形成された場合には、このスキ
ン層は熱的な作用により剥がれやすくなり、このスキン
層が容易に剥がれるという問題点は銅張積層板とした時
に致命的欠陥となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、充填材との親和性に優れるポリフェニレン
・サルファイド樹脂(PPS)をベースとし、このPP
Sに充填材およびフッ素樹脂(低分子量ポリテトラフル
オロエチレン)を配合することにより、誘電率および誘
電正接などの電気特性を改善することができると共に、
充填材としてガラス短繊維(ガラスファイバ)を添加す
ることで、曲げ強度および曲げ弾性などの機械的強度の
向上を図ることができるうえ、上記3者の配合量を調整
することで、比誘電率、誘電正接の調整が容易で、かつ
低誘電特性をもった高周波用プリント配線基板の提供を
目的とする。
【0010】さらに、上述のポリフェニレン・サルファ
イド樹脂、フッ素樹脂、ガラス短繊維の配合比率を特定
割合に設定することで、高周波用として要請される低い
比誘電率を確保しつつ、機械的強度をさらに向上させる
ことができる高周波用プリント配線基板の提供を目的と
する。
【0011】この発明の請求項記載の発明は、上記請
求項記載の発明の目的と併せて、上述のポリフェニレ
ン・サルファイド樹脂、フッ素樹脂、ガラス短繊維の組
成物の射出後、加熱圧縮成形することで、ガラス短繊維
の配向性をなくして、縦方向、横方向の向きの相違にか
かわらず一様な電気特性、機械特性を得ることができ、
また板の反りや歪みおよびスキン層の発生を解消するこ
とができ、寸法変化が小さく、アニソトロピー率および
寸法安定性に優れた高周波用プリント配線基板の提供を
目的とする。
【0012】この発明の請求項記載の発明は、ポリフ
ェニレン・サルファイド樹脂、フッ素樹脂、ガラス短繊
維を特定配合比率にて均一に分散混合した組成物を射出
した後に加熱圧縮成形し、少なくとも片面に金属箔を配
置して再加熱加圧して製造することで、低コストおよび
高生産性を確保しつつ、板の反りや歪み、スキン層の発
生がなく一様で均一な電気特性、機械特性をもった低誘
電特性の基板を製造することができる高周波用プリント
配線基板の製造方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、樹脂をガラス短繊維で補強した複合体の少な
くとも片面に金属箔を配置し、上記樹脂はポリフェニレ
ン・サルファイド樹脂とフッ素樹脂との複合体であり、
上記ポリフェニレン・サルファイド樹脂と上記フッ素樹
脂と上記ガラス短繊維との配合比を、ポリフェニレン・
サルファイド樹 脂が30〜60wt%、フッ素樹脂が15
〜55wt%、ガラス短繊維が10〜40wt%の割合に設
定し、上記ガラス短繊維を配向性をなくして複合させた
高周波用プリント配線基板であることを特徴とする。
【0014】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記ポリフェニレン
・サルファイド樹脂、フッ素樹脂およびガラス短繊維の
組成物の射出後、加熱圧縮成形された高周波用プリント
配線基板であることを特徴とする。
【0015】この発明の請求項3記載の発明は、ポリフ
ェニレン・サルファイド樹脂30〜60wt%と、フッ素
樹脂15〜55wt%と、充填材としてのガラス短繊維1
0〜40wt%とを均一に分散混合した組成物が射出され
た後に加熱圧縮成形し、少なくとも片面に金属箔を配置
して再加熱加圧して製造される高周波用プリント配線基
板の製造方法であることを特徴とする。
【0016】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、充填材との親和性に優れるポリフェニレン・
サルファイド樹脂(PPS)をベースとし、このPPS
に充填材およびフッ素樹脂を配合したので、比誘電率ε
rおよび誘電正接tanδなどの電気特性を改善するこ
とができると共に、充填材としてガラス短繊維(ガラス
ファイバ)を添加したので、曲げ強度および曲げ弾性な
どの機械的強度の向上を図ることができるうえ、上述の
3者(すなわちPPS、フッ素樹脂、ガラス短繊維)の
配合量を調整することで、比誘電率εr、誘電正接ta
nδの調整が容易となる効果がある。また高周波用とし
て要求される低誘電特性を備えることができる効果があ
る。
【0017】さらに、この発明によれば、上記3者の配
合比をポリフェニレン・サルファイド樹脂30〜60wt
%、フッ素樹脂15〜55wt%、ガラス短繊維10〜4
0wt%に設定したので、高周波用として要請される低い
比誘電率を確保しつつ、機械的強度をさらに向上させる
ことができる効果がある。
【0018】因に、ポリフェニレン・サルファイド樹脂
が60wt%を超過すると、比誘電率εrが高くなり、逆
に30wt%未満の場合には、機械的強度が低下し、フッ
素樹脂が55wt%を超過すると、このフッ素樹脂からガ
スが発生し、ボイドの増加により基板の機械的強度が低
下し、逆に15wt%未満の場合には低い比誘電率εrを
得ることが困難となり、ガラス短繊維が40wt%を超過
すると、比誘電率εrが高くなり、逆に10wt%未満の
場合には曲げ強度、曲げ弾性の機械的強度が低下する
が、この発明では上記3者の配合比を上述の如く設定
し、かつ、ガラス短繊維の配向性をなくして複合させる
ことにより、低い比誘電率の確保と、機械的強度の向上
との両立を図ることができる効果がある。
【0019】この発明によれば、複合体の少なくとも片
面に金属箔を配置して、再加熱加圧して一体形成される
ことでプリント配線基板を構成したので、再加熱加圧時
に、複合号体少なくとも片面に金属箔を同時に接着する
ことができ、PPSの接着性により金属箔を成形物に対
して強固に接着することができると共に、再加熱加圧時
にガラス短繊維がランダムになって配向性をなくすこと
ができ、一様な電気特性、機械特性を有し、かつ低誘電
特性をもったプリント配線基板を得ることができる効果
がある。
【0020】この発明の請求項記載の発明によれば、
上記請求項記載の発明の効果と併せて、上述のポリフ
ェニレン・サルファイド樹脂、フッ素樹脂、ガラス短繊
維の組成物の射出後、加熱圧縮成形することで基板を構
成したので、ガラス短繊維(ガラスファイバ)が射出成
形時において樹脂の流れた方向に沿ってその長さ方向が
そろいやすい点を、射出後において加熱圧縮成形するこ
とで、ガラス短繊維の配向性をなくして、縦方向、横方
向の向きの相違にかかわらず、一様な電気特性、機械特
性を得ることができ、また板の反りや歪み及びスキン層
の発生を解消することができ、アニソトロピー率(断面
が層状になっているものにおける、層の形成具合を示す
指標で、アニソトロピー率の高いもの程、はっきりとし
た層状を呈するので、このアニソトロピー率は小さい方
が望ましい)および寸法変化が小さく、寸法安定性に優
れる効果がある。
【0021】この発明の請求項3記載の発明によれば、
ポリフェニレン・サルファイド樹脂30〜60wt%と、
フッ素樹脂15〜55wt%と、充填材としてのガラス短
繊維10〜40wt%とが均一に分散混合された組成物は
射出成形され、しかる後に加熱圧縮成形し、少なくとも
片面に金属箔を配置して再加熱加圧して高周波用プリン
ト配線基板が製造される。
【0022】このように材料を全て混合して射出成形す
るので、特性の均一化を図ることができ、かつ射出成形
により低コスト化および高い生産性を確保することがで
きる。しかも、射出成形後に加熱圧縮成形を施すので、
板の反りや歪み、スキン層の発生がなく一様な電気特
性、機械特性をもった低誘電特性の高周波用プリント配
線基板を製造することができる効果がある。
【0023】また上述のポリフェニレン・サルファイド
樹脂、フッ素樹脂、ガラス短繊維は何れも耐熱性、難燃
性、耐薬品性に優れたコンポジット(composite)である
ため、その組成物は従来のガラスクロス、樹脂含浸シー
トの積層板と比較して、内部まで均一でアニソトロピー
率が小さいという特徴を有すると共に、寸法安定性、吸
水率が小さく、高温、高湿、高周波条件下においても優
れた電気特性を示すので、信頼性の高い高周波用プリン
ト配線基板となる効果がある。
【0024】
【実施例】この発明の一実施例を以下詳述する。 (実施例1) ポリフェニレン・サルファイド樹脂(以下単にPPSと
略記する)をベースとし、このPPSを55wt%、フッ
素樹脂(低分子量ポリテトラフルオロエチレン)を15
wt%、充填材として用いるガラス短繊維としてのEガラ
スファイバを30wt%の割合で均一に分散混合した組成
物を形成し、この組成物で射出成形に適したペレットを
形成する。
【0025】次に、上述のペレットを温度140℃で約
4時間乾燥処理した後に、射出成形機を用いて次の条件
下にて射出成形して厚さ2.4mmの板(複合誘電体)を
形成する。
【0026】射出成形時の条件 シリンダ温度……340℃ 金 型 温度……140℃ 次に上述の板の両面に厚さ35μmの電解銅箔を配置し
て、複合樹脂の溶解温度(PTFEの融点327℃、P
PSの融点290℃)以上の温度、例えば340℃で、
かつ圧力1MPaの条件下にて約20分間再加熱圧縮し
て一体成形された基板(プリント配線基板)を製造し
た。
【0027】このようにして製造されたプリント配線基
板の諸特性すなわち比誘電率εr、誘電正接tanδ、
銅箔引きはがし強さ、ドリル摩耗、スルーホールめっき
強さ、吸水率、熱膨張係数を評価するために各種の測定
を実行し、その実測値を次の[表1]に示す。
【0028】(実施例2) PPSをベースとし、このPPSを36wt%、フッ素樹
脂(低分子量ポリテトラフルオロエチレン)を54wt
%、充填材として用いるガラス短繊維としてのEガラス
ファイバを10wt%の割合で均一に分散混合した組成物
を形成し、この組成物で射出成形に適したペレットを形
成する。
【0029】次に、上述のペレットを温度140℃で約
4時間乾燥処理した後に、射出成形機を用い次の条件下
にて射出成形して厚さ2.4mmの板(複合誘電体)を形
成する。
【0030】射出成形時の条件 シリンダ温度……340℃ 金 型 温度……140℃ 次に上述の板の両面に厚さ35μmの電解銅箔を配置し
て、複合樹脂の溶融温度(PTFEの融点327℃、P
PSの融点290℃)以上の温度、例えば340℃で、
かつ圧力1MPaの条件下にて約20分間再加熱圧縮し
て一体形成された基板(プリント配線基板)を製造し
た。
【0031】このようにして製造されたプリント配線基
板の諸特性すなわち比誘電率εr、誘電正接tanδ、
銅箔引きはがし強さ、ドリル摩耗、スルーホールめっき
強さ、吸水率、熱膨脹係数を評価するために各種の測定
を実行し、その実測値を次の[表1]に示す。
【0032】(比較例1) 上述の実施例1、実施例2の複合誘電体ないしプリント
配線基板に対して諸特性を比較するために次の条件下に
て比較品を製造した。すなわちPPSを60wt%、充填
材としてのEガラスファイバを40wt%の割合で均一に
分散混合した組成物を形成し、この組成物で射出成形に
適したペレットを形成する。
【0033】次に、上述のペレットを温度140℃で約
4時間乾燥処理した後に、射出成形機を用いて、シリン
ダ温度340℃、金型温度140℃の上述と同一の条件
下にて射出成形して厚さ2.4mmの板(複合誘電体)を
形成する。次に上述の板の両面に厚さ35μmの電解銅
箔を配置して、使用樹脂の溶融温度(PPSの融点29
0℃)以上の温度、例えば340℃で、かつ圧力1MP
aの条件下にて約20分間再加熱圧縮して一体成形され
た比較品としての基板(プリント配線基板)を製造し
た。
【0034】このようにして製造された比較品のプリン
ト基板の諸特性すなわち比誘電率εr、誘電正接tan
δ、銅箔引きはがし強さ、ドリル摩耗、スルーホールめ
っき強さ、吸水率、熱膨脹係数を評価するために各種の
測定を実行し、その測定値を次の[表1]に示す。
【0035】
【表1】
【0036】上述の[表1]における実施例1、実施例
2と比較例1との対比により明らかなように、本実施例
の複合誘電体ないしプリント配線基板は高周波用として
要求されるに充分な低誘電特性(比誘電率および誘電正
接の項参照)を有していることがわかる。
【0037】以上要するに本実施例の複合誘電体は、充
填材との親和性に優れるPPSをベースとし、このPP
Sに充填材およびフッ素樹脂を配合したので、比誘電率
εrおよび誘電正接tanδなどの電気特性を改善する
ことができると共に、充填材としてガラス短繊維(ガラ
スファイバ)を添加したので、曲げ強度および曲げ弾性
などの機械的強度の向上を図ることができるうえ、上述
の3者(すなわちPPS、フッ素樹脂、ガラス短繊維)
の配合量を調整することで、比誘電率εr、誘電正接t
anδの調整が容易となる効果がある。また高周波用と
して要求される低誘電特性を備えることができる効果が
ある。
【0038】さらに、上記3者の配合比をPPS30〜
60wt%、フッ素樹脂15〜55wt%、ガラス短繊維1
0〜40wt%に設定したので、高周波用として要請され
る低い比誘電率を確保しつつ、機械的強度をさらに向上
させることができる効果がある。
【0039】因に、PPSが60wt%を超過すると、比
誘電率εrが高くなり、逆に30wt%未満の場合には機
械的強度が低下し、フッ素樹脂が55wt%を超過する
と、このフッ素樹脂からガスが発生し、ボイドの増加に
より基板の機械的強度が低下し、逆に15wt%未満の場
合には低い比誘電率εrを得ることが困難となり、ガラ
ス短繊維が40wt%を超過すると、比誘電率εr高くな
り、逆に10wt%未満の場合には曲げ強度、曲げ弾性の
機械的強度が低下するが、この発明では上記3者の配合
比を上述の如く設定することにより、低い比誘電率の確
保と、機械的強度の向上との両立を図ることができる効
果がある。
【0040】しかも、上述のPPS、フッ素樹脂、ガラ
ス短繊維の組成物の射出後、加熱圧縮成形することで複
合誘電体を構成したので、ガラス短繊維(ガラスファイ
バ)が射出成形時において樹脂の流れた方向に沿ってそ
の長さ方向がそろいやすい点を、射出後において加熱圧
縮成形することで、ガラス短繊維の配向性をなくして、
縦方向、横方向の向きの相違にかかわらず、一様な電気
特性、機械特性を得ることができ、また板の反りや歪み
及びスキン層の発生を解消することができ、アニソトロ
ピー率断面が層状になっているものにおける、層の形式
具合を示す指標で、アニソトロピー率の高いもの程、は
っきりとした層状を呈するので、このアニソトロピー率
は小さい方が望ましい)および寸法変化が小さく、寸法
安定性に優れる効果がある。
【0041】また本実施例のプリント配線基板は、上述
の複合誘電体の両面に金属箔を配置して、再加熱加圧し
て一体形成されるので、再加熱加圧時に、PPS、フッ
素樹脂、ガラス短繊維からなる成形物の両面に金属箔を
同時に接着することができ、PPSの接着性により金属
箔を成形物に対して強固に接着することができると共
に、一様な電気特性、機械特性を有し、かつ低誘電特性
をもったプリント配線基板を得ることができる効果があ
る。
【0042】さらに、本実施例の製造方法によれば、P
PS30〜60wt%と、フッ素樹脂15〜55wt%と、
充填材としてのガラス短繊維10〜40wt%とが均一に
分散混合された組成物が射出成形された後に、加熱圧縮
成形して複合誘電体が製造される。
【0043】このように材料を全て混合して射出成形す
るので、特性の均一化を図ることができ、かつ射出成形
により低コスト化および高い生産性を確保することがで
きる。しかも、射出成形後に加熱圧縮成形を施すので、
板の反りや歪み、スキン層の発生がなく一様な電気特
性、機械特性をもった低誘電特性複合誘電体を製造する
ことができる効果がある。
【0044】また上述のPPS、フッ素樹脂、ガラス短
繊維は何れも耐熱性、難燃性、耐薬品性に優れたコンポ
ジット(composite )であるため、その組成物は従来の
ガラスクロス、樹脂含浸シートの積層板と比較して、内
部まで均一でアニソトロピー率が小さいという特徴を有
すると共に、寸法安定性、吸水率が小さく、高温、高
湿、高周波条件下においても優れた電気特性を示すの
で、信頼性が高い高周波用の複合誘電体となる効果があ
る。
【0045】なお、上述の充填材に対してAl2
3 (アルミナ)、TiO2 (酸化チタン)、BaTiO
3 (チタン酸バリウム)などを併用してもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 27:12 81:00 C08L 27:12 81:02 (56)参考文献 特開 平5−9299(JP,A) 特開 平5−39370(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂をガラス短繊維で補強した複合体の少
    なくとも片面に金属箔を配置し、 上記樹脂はポリフェニレン・サルファイド樹脂とフッ素
    樹脂との複合体であり、上記ポリフェニレン・サルファ
    イド樹脂と上記フッ素樹脂と上記ガラス短繊維との配合
    比を、ポリフェニレン・サルファイド樹脂が30〜60
    wt%、フッ素樹脂が15〜55wt%、ガラス短繊維が1
    0〜40wt%の割合に設定し、 上記ガラス短繊維を配向性をなくして複合させた高周波
    用プリント配線基板
  2. 【請求項2】上記ポリフェニレン・サルファイド樹脂、
    フッ素樹脂およびガラス短繊維の組成物の射出後、加熱
    圧縮成形された請求項1記載の高周波用プリント配線基
  3. 【請求項3】ポリフェニレン・サルファイド樹脂30〜
    60wt%と、フッ素樹脂15〜55wt%と、充填材とし
    てのガラス短繊維10〜40wt%とを均一に分散混合し
    た組成物が射出された後に加熱圧縮成形し、少なくとも
    片面に金属箔を配置して再加熱加圧して製造される高周
    波用プリント配線基板の製造方法
JP7176724A 1995-06-19 1995-06-19 高周波用プリント配線基板とその製造方法 Expired - Fee Related JP3001400B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7176724A JP3001400B2 (ja) 1995-06-19 1995-06-19 高周波用プリント配線基板とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7176724A JP3001400B2 (ja) 1995-06-19 1995-06-19 高周波用プリント配線基板とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH093208A JPH093208A (ja) 1997-01-07
JP3001400B2 true JP3001400B2 (ja) 2000-01-24

Family

ID=16018678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7176724A Expired - Fee Related JP3001400B2 (ja) 1995-06-19 1995-06-19 高周波用プリント配線基板とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3001400B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040051749A (ko) * 2002-12-11 2004-06-19 아텍엔지니어링 주식회사 인쇄회로기판용 ptfe 복합체 원판의 제조방법
EP3931248A1 (en) * 2019-02-27 2022-01-05 Solvay Specialty Polymers USA, LLC Poly(arylene sulphide) composition having high dielectric performance

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0539370A (ja) * 1991-05-29 1993-02-19 Dainippon Ink & Chem Inc ポリアリーレンスルフイド系樹脂プリプレーグ及びその成形品
JPH059299A (ja) * 1991-07-04 1993-01-19 Dainippon Ink & Chem Inc スラリー組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH093208A (ja) 1997-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101937994B1 (ko) 반도체 패키지용 열경화성 수지 조성물과 이를 이용한 프리프레그
KR101668855B1 (ko) 반도체 패키지용 열경화성 수지 조성물과 이를 이용한 프리프레그 및 금속박 적층판
JP4957552B2 (ja) プリント配線板用キャリア付きプリプレグの製造方法、プリント配線板用キャリア付きプリプレグ、プリント配線板用薄型両面板の製造方法、プリント配線板用薄型両面板、及び多層プリント配線板の製造方法
KR101503005B1 (ko) 열경화성 수지 조성물과 이를 이용한 프리프레그 및 금속박 적층판
CN103129042B (zh) 一种碳纤维布基复合材料及其制备和应用
JP6981634B2 (ja) 樹脂組成物、これを含むプリプレグ、これを含む積層板、およびこれを含む樹脂付着金属箔
JP5157103B2 (ja) プリプレグ、基板および半導体装置
KR102141432B1 (ko) 수지 조성물, 프리프레그, 및 적층판
JP3001400B2 (ja) 高周波用プリント配線基板とその製造方法
JP2003073543A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板
JPH03239390A (ja) 金属芯基板およびその製法
KR102136861B1 (ko) 반도체 패키지용 열경화성 수지 조성물 및 이를 이용한 프리프레그
KR20200092772A (ko) 프리프레그용 열경화성 수지 조성물, 프리프레그, 및 금속 박 적층 판
JPH10242607A (ja) 金属ベース基板及びその製造方法
JP2013057065A (ja) プリプレグ、基板および半導体装置
JPS597044A (ja) 積層板
JPH05309789A (ja) コンポジット銅張積層板の製造方法
JPH0219989B2 (ja)
JPH07276565A (ja) コンポジット銅張積層板の製造方法
JPS6259021A (ja) 印刷回路用積層板の製造方法
JPH07162114A (ja) コンポジット銅張積層板
JP2679005B2 (ja) コンポジット銅張積層板
JP3275782B2 (ja) 積層板の製造方法
JPH0780993A (ja) コンポジット銅張積層板
JP2004106274A (ja) 銅張り積層板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees