JPH0539370A - ポリアリーレンスルフイド系樹脂プリプレーグ及びその成形品 - Google Patents

ポリアリーレンスルフイド系樹脂プリプレーグ及びその成形品

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JPH0539370A
JPH0539370A JP3325786A JP32578691A JPH0539370A JP H0539370 A JPH0539370 A JP H0539370A JP 3325786 A JP3325786 A JP 3325786A JP 32578691 A JP32578691 A JP 32578691A JP H0539370 A JPH0539370 A JP H0539370A
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JP
Japan
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resin
parts
weight
epoxy resin
polyarylene sulfide
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Application number
JP3325786A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Ono
善之 小野
Takahiro Kawabata
隆広 川端
Yoshifumi Noto
好文 能登
Kazutaka Murata
一高 村田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリアリーレンスルフィド系樹脂100重量部
とエポキシ樹脂0.1〜30重量部と分散媒とからなる
スラリーを繊維基材を含浸させて得られるプリプレーグ
及びこのプリプレーグを圧縮成形することによって得ら
れるポリアリーレンスルフィド系樹脂成形品。 【効果】耐熱性、耐薬品性、難燃性、寸法安定性、成形
加工性に優れ、特に耐衝撃性等の機械的特性に優れる成
形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱性に優
れたポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略す)
系樹脂から得られるプリプレーグとその成形品に関する
ものであり、本発明のプリプレーグは耐熱性、耐薬品
性、難燃性、柔軟性、耐衝撃性などに優れるため、例え
ば、精密部品、各種電気・電子部品、機械部品、自動車
用部品、スポーツ用具等々して用いられる。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド(以下、PP
Sと略す)に代表されるPAS系樹脂は、耐熱性、耐薬
品性、寸法安定性、難燃性等々に優れたエンジニアリン
グプラスチックであり、エレクトロニクス分野を初めと
する様々な分野で実用化されている。しかしながら、該
PAS系樹脂は非常に脆く、耐衝撃性等の機械的特性に
劣ることが最大の問題とされている。
【0003】これまで、PAS系樹脂の機械的特性を改
善するための様々な試みが行われてきたが、いずれも十
分な効果が得られていないのが現状である。例えば、様
々な樹脂とのブレンドによっての改善が試みられている
が、PAS系樹脂は他の樹脂との親和性が非常に乏しい
ために、目的とする十分な効果が得られなかったり、場
合によっては特性がかえって低下するなどの問題があっ
た。
【0004】また、特開昭59−51944号公報、同
59−51945号公報、特開平2−36262号公
報、特開昭59−155462号公報、同59−207
921号公報、特公昭60−11063号公報などには
エポキシ樹脂を添加する方法が開示されている。
【0005】しかしながら、これらエポキシ樹脂を用い
るいずれの方法も射出成形を前提とした熱可塑性樹脂の
改良を目的としていることから、エポキシ樹脂添加によ
り生じる著しい増粘のため、成形加工性や成形安定性が
悪く実用化されていないのが現状である。また、成形品
が得られても、その成形品は熱可塑性であり、耐衝撃性
などの十分な改良効果は得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PAS系樹
脂の耐衝撃性等の機械的特性が著しく改善されたプリプ
レーグおよび成形品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ポリアリ
ーレンスルフィド系樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)と
分散媒とから成るスラリーか、或いは該スラリーに前記
ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と混和可能な他
の樹脂をも含有させて成るスラリーに繊維基材を含浸さ
せて得られるプリプレーグ及びこのプリプレーグを圧縮
成形することによって得られるポリアリーレンスルフィ
ド系樹脂成形品である。
【0008】本発明はPAS系樹脂、分散媒にエポキシ
樹脂を加えたプリプレーグとすることによって、成形加
工性を改善し、またPAS系樹脂の耐衝撃性等の機械的
特性を改善したことを特徴とする。
【0009】本発明で使用するPAS系樹脂とは構造式
(−Ar−S−)(Ar:アリーレン基)で表されるP
AS系樹脂である。ここでアリーレン基のArは、p−
フェニレン、m−フェニレン、o−フェニレン、2,6
−ナフタレン、4,4′−ビフェニレン等の2価芳香族
残基、或いは、(−φ−O−φ−)、(−φ−CO−φ
−)、(−φ−CH2−φ−) 、(−φ−SO2−φ
−) 、(−φ−C(CH 32−φ−)(但し、−φ−
はp−フェニレン基であり、以下同様に表わす)等の如
き少なくとも2個の炭素数6の芳香環を含む2価の芳香
族残基であり、更に、各芳香環にはF、Cl、Br、C
3 、COOH、NH2 、OH、CN、NO 2 等の置換
基が導入されてもよい。これらはホモポリマーであって
も、ランダム共重合体、ブロック共重合体であってもよ
い。また、該PAS系樹脂は非架橋タイプ、或いは実質
的非架橋タイプが好ましく用いられる。架橋が著しく進
んだPAS系樹脂を用いた場合、エポキシ樹脂を添加し
ても好ましく熱硬化しない。
【0010】PAS系樹脂の溶融粘度は、融点プラス2
0℃、又非晶性の場合はガラス転移温度プラス100℃
での温度域で、10rad/secでの動的粘性率
[η′]が10〜105 ポイズ、好ましくは50〜5×
104 ポイズが用いられる。
【0011】本発明で使用するに好ましいPAS系樹脂
は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニ
レンスルフィドケトン(PPSK)、ポリフェニレンス
ルフィドスルホン(PPSS)、ポリフェニレンスルフ
ィドスルフィドケトン(PPSSK)、及び、PPS部
分とPPSK部分、PPS部分とPPSS部分、並びに
PPSS部分とPPSK部分から成るブロック共重合体
である。
【0012】PPSは、(−φ−S−)で示される構造
単位を70モル%、特に好ましくは90モル%以上を含
む重合体である。PPSに含まれるこれ以外の構成部分
は、主に、上記に示すアリーレンスルフィド基である。
【0013】かかるPPSは、例えば(1)ハロゲン置
換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米国特許第2
513188号明細書、特公昭44−27671号公報
および特公昭45−3368号公報参照)、(2)チオ
フェノール類のアルカリ触媒または銅塩等の共存下にお
ける縮合反応(米国特許第3274165号明細書、英
国特許第1160660号明細書参照)、(3)芳香族
化合物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下における縮合
反応(特公昭46−27255号公報、ベルギー特許第
29437号明細書参照)等により合成されるものであ
り、目的に応じ任意に選択し得る。
【0014】PPSKは、主に、(−φ−CO−φ−S
−)を繰り返し単位とする重合体である。PPSKの重
合法は、例えば、4,4′−ジクロルベンゾフェノンと
アルカリ金属塩を有機アミド溶媒中で反応させる方法な
どがある。
【0015】PPSSは、主に、(−φ−SO2−φ−
S−)を繰り返し単位とする重合体であり、重合方法と
しては、例えば、4,4′−ジクロルジフェニールスル
ホンのようなジハロ芳香族スルホンと硫化ナトリウムの
ようなアルカリ金属硫化物を有機アミド溶媒中で反応さ
せる方法などが挙げられる。
【0016】PPSSKは、主に(−φ−CO−φ−S
−φ−S−)を繰り返し単位とする重合体である。PP
SSKの重合法は、例えば、アルカリ金属炭酸塩などの
塩基の存在下で、芳香族ジチオールとジハロゲノベンゾ
フェノンとを芳香族スルホン溶媒中で反応させる方法な
どが挙げられる。
【0017】PPS部分とPPSK部分、及びPPS部
分とPPSS部分、及び、PPSS部分とPPSK部分
から成るブロック共重合体は、代表的には、予め反応末
端基としてクロルフェニル基を有するポリマーとナトリ
ウムスルフィド基を有するポリマーをそれぞれ合成し、
溶媒中で両者を反応せしめることによって得ることがで
きる。ブロック共重合体における、PPS部分、PPS
K部分、或いはPPSS部分の割合は20〜80モル%
の範囲、好ましくは30〜70モル%の範囲で選択され
る。この範囲内でブロック共重合体としての好ましい特
性が表れる。
【0018】本発明において、PAS系樹脂は粉末状の
ものが用いられる。粒径は全重量の80%以上が10〜
400メッシュ、好ましくは20〜300メッシュの範
囲内であるものが用いられる。粒径が10メッシュより
大きくなると分散性が低下し、また、400メッシュよ
り細かい粒径では、気泡が入り易くなったり、繊維基材
を用いる場合、樹脂と繊維の密着性が低下するため好ま
しくない。
【0019】本発明で使用するエポキシ樹脂とは1分子
中にエポキシ基を2個以上有する樹脂をいう。例えば
(1)ビスフェノールA、2価フェノール或いはノボラ
ック樹脂等のフェノール性の水酸基、テレフタル酸やメ
タクリル酸等のカルボキシル基、アニリン、p−フェニ
レンジアミン或いはスルホンアミド等の様なアミノ基や
アミド基をもつ活性水素化合物とエピクロルヒドリンと
の反応で得られるエポキシ樹脂、具体的には、ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物、フェノ
ール或いは、クレゾールノボラック樹脂のグリシジール
エーテル、フタル酸やメタクリル酸などの有機酸のグリ
シジルエステルなど、(2)二重結合化合物の過酸化水
素、過酢酸等による液相酸化で得られるエポキシ樹脂、
具体的には、オレフィン化合物、ブタジエン、或いは大
豆油、オレイン酸またはそのエステルなどの過酸による
酸化生成物など、(3)二重結合化合物の空気酸化によ
り得られるエポキシ樹脂、具体的には、スチレンオキシ
ドなどが挙げられる。中でも、特にクレゾール、フェノ
ールタイプ、或いはビスフェノールAタイプ等のノボラ
ック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0020】また、固形状のエポキシ樹脂に於いては粉
末状が好ましい。粒径は、PAS系樹脂と同様な理由に
より、全重量の80%以上が10〜400メッシュ、特
に、20〜300メッシュの範囲が好ましい。但し、P
AS系樹脂とエポキシ樹脂を溶媒に分散させ繊維基材に
含浸させる場合エポキシ樹脂が分散媒に溶解する場合は
溶解可能なものであれば、例えば、ペレット等の形状で
も良く、形状に特に制限はない。
【0021】PAS系樹脂とエポキシ樹脂の配合の割合
は用いるエポキシ樹脂によって異なるが、0.1〜30
重量部、好ましくは0.5〜20重量部、特に好ましく
は1〜15重量部である。
【0022】本発明のプリプレーグにはPAS系樹脂と
混和可能な他の樹脂を併用使用し、耐侯性、摺動性、柔
軟性等々の如き添加する樹脂の好ましい特性を付与させ
ることが可能である。混和可能な樹脂としてはPAS系
樹脂の公知文献中に記載されているいずれの樹脂も使用
可能であるが、特に、好ましいものとして、以下の樹脂
が挙げられる。
【0023】ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4
6、ナイロン12、ナイロンMXD6(メタキシレンジ
アミンとアジピン酸から得られる共重合体)などに代表
されるポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリ(シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート)に代表される熱可塑性ポリエステ
ル;(−φ−SO2 −)、(−φ−O−φ−SO
2−)、(−φ−C(CH32−φ−O−φ−SO2−)
などの繰り返し単位を有するポリエーテルサルホン、ポ
リアリールサルホン、ポリサルホン;(−φ−CO−φ
−O−)、(−φ−O−φ−CO−φ−O−)など繰り
返し単位を有するポリエーテルケトン、ポリエーテルエ
ーテルケトン;2,6−ジ置換フェノールの重合体或い
は2,6−置換フェノールと多価フェノールとの重合体
であるポリフェニレンオキサイド;ポリカーボネート;
ポリアリーレート;エチレン、プロピレン、ブチレン、
ペンテンの単量体の単独重合物及び共重合体やこれら単
量体とブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリル酸エ
ステル、(メタ)アクリロニトリル等や共重合体である
α−オレフィン共重合体;水添スチレン/ブタジエンゴ
ムなどの共役ジエン系共重合体水添物;スチレン共重合
体;ABS樹脂、MBS樹脂、AES樹脂などのABS
系樹脂;ポリエーテルイミド;フェノキシ樹脂;ポリテ
トラフルオロエチレンやポリビニリデンフルオロライド
等のフッ素系樹脂等々である。これらは酸等で変性され
たものを用いても構わない。
【0024】PAS系樹脂への添加率は、添加する樹脂
や使用目的により異なるため一概には規定できないが、
通常、PAS系樹脂100重量部に対して、α−オレフ
ィン共重合体、共役ジエン系共重合体、スチレン共重合
体、フェノキシ樹脂を用いる場合、1〜80重量部、好
ましくは2〜60重量部が、それ以外の樹脂では5〜1
00重量部、好ましくは8〜80重量部である。また、
これら樹脂の形態は、粉末状が好ましい。粒径は、PA
S系樹脂と同様な理由により、全重量の80%以上が1
0〜400メッシュ、特に、20〜300メッシュの範
囲が好ましい。但し、樹脂混合組成物を溶媒に分散させ
繊維基材に含浸させる場合、添加する樹脂が分散媒に溶
解可能なものであれば、例えば、ペレット等の形状でも
良く、形状に特に制限はない。
【0025】本発明において、PAS系樹脂やエポキシ
樹脂、或いは上述した他の樹脂から成る樹脂混合組成物
を分散媒に分散させ、繊維基材に含浸させる場合に用い
る、分散媒としては、水;エタノ−ル、プロパノ−ル、
i−プロパノ−ル、エチレングリコ−ル、ジエチレング
リコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリンなどのア
ルコ−ル類;ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエ
ン、石油エ−テルのなどの炭化水素類;酢酸メチル、酢
酸エチル、安息香酸エステルなどのエステル類;メチル
エチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど
のケトン類などや、これらの混合物を用いることが出来
るが、好ましくは、水及び、エチレングリコ−ル、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコ−ル、グリセリン
などの多価アルコ−ルである。また、他の樹脂と混合す
る場合、用いる樹脂が溶解する溶媒を、樹脂粉末の分散
性が低下しない範囲で混合して使用することは可能であ
る。
【0026】また、必要に応じて、アルミナ、シリカ、
ジルコニア、ガラスビ−ズ、チタニア、フェライト、マ
イカ、マグネシア、酸化亜鉛、黒鉛等の無機充填材やフ
ッ素樹脂、モリブテン化合物などの油滑材を添加するこ
とが可能である。また、スラリーの分散性や安定性を向
上させるために、例えば、カルボン酸塩、高級アルコー
ル硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステ
ル結合エステル塩、アミド結合スルホン酸塩、アルキル
アリルスルホン酸塩、エステル結合スルホネート、ある
いはリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、第4
アンモニウム塩、エーテル結合第4アンモニウム塩、エ
ステル結合第4アンモニウム塩、アミド結合第4アンモ
ニウム塩、アミン塩、エステル結合アミン塩、エーテル
結合アミン塩、アミド結合アミン塩あるいはピリジニウ
ム塩等のカチオン性界面活性剤、エーテル型、エステル
型、アミンとの縮合型、アミドとの縮合型あるいはポリ
エチレンイミン系等の非イオン性界面活性剤などの界面
活性剤;ポリヒドロキシベンゼン、パラアミノフェノ−
ル、過硫酸アンモン、リン酸アルミニュ−ム、メルカプ
トアルキルベンゼン誘導体などの架橋促進剤を含有せし
めて使用することが出来る。
【0027】本発明に用いる繊維基材としては、炭素繊
維、ガラス繊維、シランガラス繊維、シリカ繊維、セラ
ミック繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊
維、アスベスト繊維、金属繊維、ウィスカーなどの短繊
維、長繊維及び織物が挙げられ、これらは併用すること
が可能である。一般的には、ガラス繊維や炭素繊維が好
適に用いられるが、スポーツ用具などの特殊用用途で
は、これらに加えて、アラミド繊維やボロン繊維などが
用いられる。繊維基材の配合の割合は、使用目的や繊維
の種類や繊維の形状などによって異なるため一概には規
定できないが、通常、樹脂成分100重量部に対して、
20〜400重量部、好ましくは30〜300重量部が
用いられる。かかる範囲では繊維基材への浸透も良く、
好ましい補強効果が得られる。
【0028】本発明は、PAS系樹脂とエポキシ樹脂、
必要によっては混和可能な他の樹脂から成る樹脂(粉末
状)混合組成物を分散媒で分散混合し、例えば、特開昭
60−38433号公報に記載されている方法や抄紙法
等々の方法で、繊維基材に含浸させてプリプレーグと
し、プリプレーグを十分乾燥させた後、数枚を重ね合わ
せスタンピング成形やプレス成形等の圧縮成形すること
によって得る方法がある。また、分散媒に分散させる場
合、必要に応じて、公知の分散剤や結合剤或いは凝集剤
等を使用することが可能である。また、圧縮成形の成形
条件は使用目的やエポキシ樹脂の種類、添加量によって
異なるが、成形温度は250〜420℃、特に、270
〜400℃が好ましい。
【0029】また、本発明の目的を逸脱しない範囲で少
量のポリエチレンワックス等の離型剤、各種顔料類等の
着色剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡
剤、難燃剤、難燃助剤、防錆剤、アミノシランやエポキ
シシラン等のシランカップリング剤やチタネートカップ
リング剤を含有せしめることが可能である。尚、耐熱安
定剤としては、マグネシウムを除く周期律表第IIa属
金属の水酸化物、酸化物、芳香族カルボン酸塩、及び周
期律表Ia属金属の芳香族カルボン酸塩、炭酸塩、水酸
化物、リン酸塩、ホウ酸塩等の塩基性化合物、中でもカ
ルシウムやバリウムの水酸化物や酸化物が、酸化防止剤
としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダード
アミン系樹脂、リン系化合物、中でも3価のリン化合物
が、防錆剤はリチウム、カリウム等のアルカリ金属の炭
酸塩、マグネシウム、カルシュウム或いは亜鉛等の周期
律表IIa、b族に属する金属の酸化物や炭酸塩など、
中でも特に酸化亜鉛や炭酸亜鉛などが好適に用いられ
る。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。尚、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0031】〔実施例1〜4、比較例1〕PPS 50
0g、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂50g、
水750g 、プロピレングリコール150g、界面活
性剤 トライトンX−100 3gを8分割し、スラリ
ー分とほぼ等重量のガラスビーズをポリビンに入れ、ペ
イントコンディショナーで約1時間攪拌し、スラリーを
得た。ガラス繊維マットをスラリーに含浸させた後、炉
中で乾燥させ、プリプレーグを得た。得られたプリプレ
ーグ数枚を320℃、5Kg/cm2で圧縮成形し、サンプル
片を作成した。樹脂とガラス繊維の割合は重量%で6対
4であった。アイゾット衝撃試験、曲げ試験を行った。
また、エポキシ樹脂を添加しない場合(比較例1)及び
0.3重量部(実施例2)、0.6重量部(実施例
3)、1.5重量部(実施例4)をそれぞれ添加した場
合について、同様な検討を行った。結果は表−1に示
す。
【0032】尚、PPSは示差走査型熱量計(DSC)
で求めたPPSの融点は285℃であり、305℃、1
0 rad/secでの動的粘性率は約500ポイズのものを、
エポキシ樹脂は大日本インキ化学社製のクレゾール・ノ
ボラック型エポキシ樹脂 エピクロンN695を、トラ
イトンX−100はローム&ハース社製のものを、ガラ
ス繊維マットは旭ファイバーグラス社製のスワールマッ
ト(450g/m2)を用いた。また、それぞれのポリマー
は粒状のものを用いており、30メッシュと200メッ
シュで分粒している。
【0033】また、アイゾット衝撃強度はJIS(K7
110)に、曲げ試験はJIS(K7055)に従っ
た。
【0034】〔実施例5〕水500ml中にPPS 60
g、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂 4.8g、
ノニオン系分散剤0.5g、水ガラス10gを添加し攪
拌した。一方、水2Lに6mmのガラス繊維40gとカ
チオン系分散剤2gを加え攪拌した。両者を混合し、更
に攪拌し、水溶液を2倍に希釈し、pH2.5となるま
で希硫酸を加えた後、脱水を行いプリプレーグを得た。
プリプレーグを十分乾燥させ、310℃、5Kg/cm2でプ
レス成形を行った。アイゾット衝撃試験(ノッチ無し)
と曲げ試験を行った。結果は表−1に示す。
【0035】ガラス繊維は日東紡社製のチョップドスト
ランド CSX6G−100、ノニオン系及びアニオン
系分散剤は花王社製の花王エマーノン1112と花王ア
セタミン24、水ガラスは関東化学社製のケイ酸ナトリ
ウム液を用いた。
【0036】〔実施例6〜7〕エポキシ樹脂をビスフェ
ノールA・ノボラック型エポキシ樹脂とし、添加率をP
PS100重量部に対して6重量部とした場合につい
て、実施例1と同様な検討を行った。また、実施例7と
して、エポキシ樹脂を0.3重量部添加した場合につい
て同様に検討した。結果は表−1に示す。
【0037】尚、エポキシ樹脂は大日本インキ化学社製
のビスフェノールA・ノボラック型エポキシ樹脂 エピ
クロン N865を用いた。
【0038】〔実施例8〕PPSとナイロン66の7対
3の混合物100重量部に対して、フェノール・ノボラ
ック型エポキシ樹脂7重量部を添加した場合について、
実施例1と同様な検討を行った。結果は表−1に示す。
【0039】尚、ナイロン66は宇部興産社製のUBE
ナイロン 2026Dを、エポキシ樹脂は大日本インキ
化学社製のフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂 エ
ピクロンN770を用いた。ナイロン66は粒状のもの
を用いており、30メッシュと200メッシュで分粒し
ている。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明に係わるプリプレーグは成形加工
性に優れ、また該プリプレーグを圧縮成形して得られる
PAS系樹脂成形品は耐熱性、耐薬品性、難燃性、寸法
安定性に優れ、特に耐衝撃性等の機械的特性が大幅に改
善される。そのため、この樹脂成形品は、例えば、コネ
クタ・プリント基板・封止成形品などの電気・電子用部
品、ランプリフレクター・各種電装品部品などの自動車
用部品、各種建築物や航空機などの内装用材料、テニス
ラケット・スキー・ゴルフクラブ・釣竿などのスポーツ
用具、スピーカー等のエンクロージャーや弦楽器等の裏
甲板などの音響用材料、OA機器部品・カメラ部品・時
計部品などの精密機器用部品などに好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LTA 7167−4J // B29K 81:00 C08L 63:00 8416−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)1
    00重量部と、エポキシ樹脂(B)0.1〜30重量部
    と、分散媒とから成るスラリーに繊維基材を含浸させて
    得られるプリプレーグ。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂(B)の量が、ポリアリーレ
    ンスルフィド系樹脂(A)100重量部に対して1〜1
    5重量部である請求項1記載のプリプレーグ。
  3. 【請求項3】ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)1
    00重量部と、エポキシ樹脂(B)0.1〜30重量部
    と、該ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と混和可
    能な他の樹脂(C)と、分散媒とから成るスラリーに繊
    維基材を含浸させて得られるプリプレーグ。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂(B)の量が、ポリアリーレ
    ンスルフィド系樹脂(A)100重量部に対して1〜1
    5重量部である請求項3記載のプリプレーグ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つに記載のプリ
    プレーグを圧縮成形することによって得られるポリアリ
    ーレンスルフィド系樹脂成形品。
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