JP3153958B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

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JP3153958B2 JP5436790A JP5436790A JP3153958B2 JP 3153958 B2 JP3153958 B2 JP 3153958B2 JP 5436790 A JP5436790 A JP 5436790A JP 5436790 A JP5436790 A JP 5436790A JP 3153958 B2 JP3153958 B2 JP 3153958B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関
し、さらに詳しくは、ポリアリーレンスルフィドが本来
有する優れた耐熱性、難燃性を維持したまま、耐衝撃
性、曲げ強度などの機械的特性の向上した、たとえば、
機械、電気・電子分野に好適に利用することのできるポ
リアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 従来から、耐熱性や難燃性に優れたポリフェニレンス
ルフィド(ホモ−PPS)等のポリアリーレンスルフィド
に対し、その機械的特性を改善するために、ガラス繊維
を配合することが知られている。
しかしながら、この種ポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物については、近年ますますその耐衝撃性の要求が
高まり、従来の樹脂組成物の有する耐衝撃性ではその要
求に答えることができない。
そこで、この耐衝撃性を改善するため、エラストマー
を配合することも知られているが、耐衝撃性は改善され
ても、樹脂組成物の機械的特性たとえば、曲げ強度が低
下し、また、熱変形温度が低下することにより耐熱性も
低下し、また、耐溶剤性も低下する。
また、ポリフェニレンスルフィド(ホモ−PPS)に対
し、エポキシ樹脂とガラス繊維とを配合することも行わ
れているが、未だ耐衝撃性向上の面において十分とは言
い難い。
したがって、この種のポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物について、実質的に耐熱性を低下させることな
く、機械的強度、特に耐衝撃性を向上させることが望ま
れている。
一方、特開昭61−207462号公報には、アミノ基やアミ
ド基を含有するポリフェニレンスルフィドに熱可塑性エ
ラストマー、さらに必要に応じて無機充填剤を配合した
樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、この樹脂組成物は熱可塑性エラストマ
ーを30重量%添加することにより、衝撃強度を実用的レ
ベルにまで強化、改良されてはいるが、耐衝撃性への要
求からは未だ十分とは言えず、また、熱変形温度が250
℃と大幅に低下し、耐熱性において著しく劣るという問
題点がある。
また、特開昭59−51944号公報には、ポリフェニレン
スルフィドにエポキシ樹脂、特開昭59−51945号公報に
は、ポリフェニレンスルフィドにノボラック系エポキシ
樹脂、特開昭60−8359号公報には、線状ポリフェニレン
スルフィドにエポキシ樹脂を配合した樹脂組成物が開示
されているが、これらの樹脂組成物は通常のポリアリー
レンスルフィドを用いているため、エポキシ樹脂の添加
量が比較的に多く、また、耐衝撃性および耐熱性の改良
効果も十分とは言い難い。
本発明は前記の事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、ポリアリーレンスルフィドが本来有
する優れた難燃性耐熱性を損ねることなく、熱変形温度
を低下させることなく、機械的強度特に耐衝撃性を向上
せしめた新規の樹脂組成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するための、請求項1の発明の構成
は、アミノ基および/またはアミド基を含有するポリア
リーレンスルフィド100重量部と、二個以上のエポキシ
基を含むエポキシ樹脂(但し、エポキシ基含有熱可塑性
エラストマーを除く。)0.05〜5重量部と、アミノシラ
ン形表面処理剤または3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン表面処理剤で処理したガラス繊維5〜400
重量部とからなる(但し、熱可塑性エラストマーを含ま
ない。)ことを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物である。
以下、本発明を詳しく説明する。
−ポリアリーレンスルフィド− 本発明において重要な点は、ポリアリーレンスルフィ
ドがアミノ基および/またはアミド基を含有するポリア
リーレンスルフィドであることである。
また、本発明におけるポリアリーレンスルフィドは、
その対数粘度数[ηinh]が通常0.1〜0.8、好ましくは
0.15〜0.6であるのが望ましい。前記対数粘度数
[ηinh]が前記範囲内にあると、機械的強度に優れた
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が得られる。
また、本発明で用いるポリアリーレンスルフィドは、
未架橋または一部架橋したポリアリーレンスルフィドお
よびその混合物であっても良いし、直鎖状または分岐状
のポリアリーレンスルフィドもしくはその混合物であっ
ても良い。
本発明で使用されるアミノ基および/またはアミド基
を含有するポリアリーレンスルフィドは、ポリアリーレ
ンスルフィド単独重合体と前記アミノ基および/または
アミド基を含有するポリアリーレンスルフィド共重合体
との混合物であっても良い。
前記混合物中の重合体の含有量については、アミノ基
および/またはアミド基を含有するポリアリーレンスル
フィド共重合体におけるアミノ基および/またはアミド
基の含有量(これらの基を有するユニットの含有量)あ
るいは、組成物におけるエポキシ樹脂中のエポキシ基含
有量などにより決まるものであって特に限定されるもの
ではなく、たとえば、ポリアリーレンスルフィド単独重
合体の含有量は0〜99重量%、好ましくは20〜60重量%
であり、前記アミノ基および/またはアミド基を含有す
るポリアリーレンスルフィド共重合体の含有量は1〜10
0重量%、好ましくは80〜40重量%である。
前記ポリアリーレンスルフィド単独重合体としては、
たとえば、直鎖状または分岐状のホモ−ポリフェニレン
スルフィド(PPS)を挙げることができる。
前記ポリアリーレンスルフィド単独重合体としては、
ASTM法D 1238 74(315.5℃、5kg荷重)で測定したメ
ルトインデックスが5〜104g/10分であり、一般式 で示されるフェニレンスルフィド単位が80モル%以上、
好ましくは90モル%以上で含まれるものが望ましい。
この量が80モル%未満では耐熱性が不十分である。
本発明で用いるポリアリーレンスルフィド中に含まれ
るアミノ基および/またはアミド基は、ポリマー主鎖中
に存在しても良いし、また分岐鎖中に存在しても良い。
前記アミノ基としては、次式(I) で表わされ、アミド基としては次式(II) で表わされる。ただし、R1、R2、R3およびR4は水素原
子、またはアルキル基であり、互いに同一であっても相
違しても良い。
R1〜R4で表わされるアルキル基としては、たとえばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級ア
ルキル基等が好ましい。
いずれにしても、本発明においては、通常、アミノ基
は−NH2であり、アミンド基は−CONH2である。
ポリマー主鎖を構成するフェニレン基にこのアミノ基
および/またはアミド基が結合しているとき、アミノ基
および/またはアミド基を結合するフェニレンスルフィ
ド単位の含有量は、通常0.1〜30モル%、好ましくは0.3
〜10モル%である。
なお、この場合に、前記含有量は、アミノ基および/
またはアミド基を結合するフェニレンスルフィド単位を
含有する共重合体とポリアリーレンスルフィド単独重合
体との混合物全体中の前記フェニレンスルフィド単位の
モル%を意味する。
この含有量が30モル%を越えるとポリフェニレンスル
フィド樹脂自体の結晶化度が低下し、耐熱性等の物性が
低下することになる。また、前記含有量が0.1モル%未
満であると、充分なエポキシ樹脂との反応が起こらず物
性があまり向上しないことがある。
このようにアミノ基および/またはアミド基を有する
ポリアリーレンスルフィド共重合体は、ASTM D−1238
(316.5℃、荷重5kg)に準拠して測定したメルトインデ
ックスが通常5〜104g/10分であり、用途に応じて種々
の分子量のポリアリーレンスルフィド共重合体が採用さ
れる。
アミノ基および/またはアミド基含有のポリアリーレ
ンスルフィドは、アミノ基および/またはアミド基を含
有するコモノマーを共重合させる各種の方法を採用する
ことにより、得ることができる。
前記コモノマーとして、たとえばモノクロルアニリ
ン、ジクロルアニリン、N−アルキルモノクロルアニリ
ル、N−アルキルジクロルアニリンなどの、クロル置換
されたアニリン類、クロルアセトアニリド等のクロル置
換されたアセトアニリド類、ジクロルベンズアミド等の
クロル置換されたベンズアミド類を共重合することによ
って導入される。
前記コモノマーを使用する重合方法として、たとえば
p−ジクロルベンゼンと、前記アミノ基および/または
アミド基を含有するコモノマーとを、硫黄と炭酸ソーダ
との存在下に重合させる方法、p−ジクロルベンゼンと
アミノ基および/またはアミド基を含有するコモノマー
とを極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは水硫化ナトリ
ウムと水酸化ナトリウムまたは硫化水素と水硫化ナトリ
ウムとの存在下に重合させる方法、N−メチルピロリド
ン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラ
ン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp−ジクロ
ルベンゼンおよび前記アミノ基および/またはアミド基
を含有するコモノマーとを反応させる方法などを挙げる
ことができる。この際、重合度を調整するために、カル
ボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩、塩化リチウムな
どのアルカリ金属ハロゲン化物などの重合助剤を添加し
たり、水硫化アルカリを添加しても良い。
このような方法により、アミノ基および/またはアミ
ド基を有するポリアリーレンスルフィドは、アミノ基お
よび/またはアミド基を含有する共重合成分として、ア
ミノ基置換フェニレンスルフィド結合 [ただし、R1およびR2は前記と同様の意味を表わ
す。]、アミド基置換フェニレンスルフィド結合 [ただし、R3およびR4は前記と同様の意味を表わ
す。]、その外に種々のアミノ基置換アリーレンスルフ
ィド結合、アミド基置換アリーレンスルフィド結合、ア
ミノ基置換アルキレンスルフィド結合、アミド基置換ア
ルキレンスルフィド結合等をポリマー中に有することと
なる。
なお、本発明におけるポリアリーレンスルフィドは、
アミノ基および/またはアミド基を有するコモノマーに
由来する共重合成分の外に、 (ただし、R5はアルキル基、ニトロ基、フェニル基、ア
ルコキシ基、カルボン酸基またはカルボン酸の金属塩基
を示す)、3官能フェニルスルフィド結合 などを含有しても良い。
−エポキシ樹脂− 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物におい
ては、前記アミノ基および/またはアミド基を含有する
ポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂と充填剤とが
含有される。
エポキシ樹脂は架橋度の低い特定のポリフェニレンス
ルフィド(PPS)の溶融増粘に有効であることは知られ
ている。
本発明で使用するエポキシ樹脂は、二個以上のエポキ
シ基を含むエポキシ樹脂である。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、液体または固体
状のものを使用することができる。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA、
レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、ビ
スフェノールF、サリゲニン、1,3,5−トリヒドロキシ
ベンゼン、ビスフェノールS、トリヒドロキシ−ジフェ
ニルジメチルメタン、4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、1,5−ジヒドロキシナフタレン、カシューフェノー
ル、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサンなどのビスフェノールのグリシジルエーテル、
ビスフェノールの代わりにハロゲン化ビスフェノール、
ブタンジオールのジグリシジルエーテルなどのグリシジ
ルエーテル系、フタル酸グリシジルエステル等のグリシ
ジルエステル系、N−グリシジルアニリン等のグリシジ
ルアミン系等のグリシジルエポキシ樹脂、エポキシ化ポ
リオレフィン、エポキシ化大豆油等の線状系およびビニ
ルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエン
ジオキサイド等の環状系の非グリシジルエポキシ樹脂が
例示される。また、ノボラック型エポキシ樹脂およびこ
れらのハロゲン置換物などを挙げることができる。
好ましいのは、エポキシ基を三個以上含有するエポキ
シ樹脂、たとえばノボラック型エポキシ樹脂等である。
ノバラック型エポキシ樹脂は通常エポキシ基を2個以
上含有するものであり、ノボラック型フェノール樹脂に
エビクロルヒドリンを反応させ得られる。
この原料のフェノール類としては、フェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、ビスフェノールA、レゾ
ルシノール、p−ターシャリーブチルフェノール、ビス
フェノールS、ビスフェノールFあるいは、これらの混
合物が用いられる。
エポキシ樹脂の添加量は、アミノ基および/またはア
ミド基を含有するポリアリーレンスルフィド100重量部
に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部
である。
エポキシ樹脂の添加量が0.05重量部未満であると、ポ
リアリーレンスルフィド樹脂組成物であっては、エポキ
シ樹脂を配合した効果が得られない。
一方、5重量部を越えて配合したとしても、特に配合
量の増加に見合う効果が得られないし、むしろ、ポリア
リーレンスルフィド樹脂組成物は、粘度上昇による成形
性の低下、難燃性の低下、さらには成形品表面へのブリ
ード等を生じるおそれがある。
エポキシ樹脂の添加量はポリアリーレンスルフィドの
アミノ基含量、エポキシ樹脂のエポキシ当量によっても
適宜決定することが好ましい。
具体的には、ポリアリーレンスルフィド中のアミノ基
総量と等しいか、あるいは、やや少ない量のエポキシ基
量となるようにエポキシ樹脂を加えることが好ましい。
アミノ基および/またはアミド基を含有するポリアリ
ーレンスルフィドにエポキシ樹脂を配合することによ
り、樹脂組成物の溶融粘度が安定で、しかもその調節が
容易であるとともに、従来の酸化架橋品の場合に見られ
た空孔の発生がない。また、ノボラック型エポキシ樹脂
以外のエポキシ樹脂を混合したものに比べて強度および
ブリード性に優れている。
−充填剤− 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物におい
ては、アミノ基および/またはアミド基を含有するポリ
アリーレンスルフィドにエポキシ樹脂と充填剤とが配合
される。
本発明に使用される充填剤としては、無機充填剤、有
機充填剤などがある。
前記無機充填剤としては、たとえばガラス繊維(チョ
ップドストランド、ミルドファイバー)、炭素繊維、金
属繊維、繊維状チタン酸カリウム、アスベストおよび炭
化ケイ素や窒化ケイ素等を初めとする各種のウイスカー
等の繊維状無機充填剤、グラファイト、炭カル、タル
ク、マイカ、シリカ、チッ化ホウ素、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフィライト、
ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、フェライト、
アタルパルジャイト、ウオラストナイト、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、ガラス粉、ガラス
ビーズ、石英、石英ガラス、鉄、亜鉛、銅、アルミニウ
ム、ニッケル等の金属粉などを挙げることができる。
前記各種の無機充填剤の中でも繊維状無機充填剤が好
ましく、特にガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維を使用する場合、その平均繊維径として
は、通常20μm以下であり、特に5〜14μmであること
が望ましく、そのアスペクト比としては通常5〜500、
特に10〜300であるのが好ましい。
なお、ガラス繊維は、表面処理をしないガラス繊維、
あるいは表面処理剤で処理したガラス繊維のいずれでも
使用することができるが、表面処理剤で処理したガラス
繊維が好ましい。
前記表面処理剤としては、エポキシ基と反応性を有す
る表面処理剤、アミノシラン系の表面処理剤、ブロック
化イソシアネート系処理剤等が好ましい。
なお、前記各種の無機充填剤は、一種単独で使用して
もよいし、あるいは二種以上を併用してもよい。
二種以上の無機充填剤を使用する場合には、前記繊維
状無機充填剤と他の無機充填剤とを併用するのが好まし
い。このような併用をする場合、繊維状無機充填剤、好
ましくはガラス繊維を、無機充填剤全量に対して少なく
とも5重量%、好ましくは10重量%以上を使用するのが
望ましい。
なお、ガラス繊維を併用する場合の他の無機充填剤は
必ずしも、表面処理剤で処理されていなくてもよい。
上記表面処理剤で無機充填剤を表面処理するには、こ
の表面処理剤またはこれを含む溶液中に無機充填剤を浸
漬するか、あるいは表面処理剤またはこれを含む溶液を
無機充填剤の表面に吹き付けるかして、表面処理剤を無
機充填剤の表面に付着させればよい。
また、前記有機充填剤としては、アラミド繊維、超高
分子量ポリエチレン粉や繊維などがある。
さらに本発明の組成物にあっては、必要により他の樹
脂を加えることもできる。これら樹脂としては、たとえ
ばエチレン、ブチレン、ペンテン、ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン、スチレン、α−メチルスチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリロニトリルなどの単独重合体または共重合
体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン1
2、ナイロン46等のポリアミド、ポリウレタン、ポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリ
ルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、
ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリイミド、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリアリールエーテルなどの単独重合体、ラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合
体、などを挙げることができる。また、不飽和カルボン
酸あるいは、その誘導体により変性されたポリオレフイ
ン系樹脂なども用いることができる。
これらは一種単独で使用することができるし、二種以
上を併用することができる。
上記充填剤の添加量は、アミノ基および/またはアミ
ド基を含有するポリアリーレンスルフィド100重量部に
対して、充填剤を5〜400重量部、好ましくは、10〜300
重量部である。
この充填剤の配合量が5重量部未満であると、添加に
よる物性向上が不十分であり、配合量が400重量部を超
えると、成形性の低下、表面外観が低下して実用性がな
くなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を調製
する方法としては、(1)アミノ基および/またはアミ
ド基を含有するポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹
脂とを、先に加熱反応させることにより混合した後、充
填剤を混練する方法、(2)アミノ基および/またはア
ミド基を含有するポリアリーレンスルフィドとエポキシ
樹脂と充填剤との三者を同時に乾燥状態で混合した後、
混練する方法、あるいは、(3)エポキシ樹脂と充填剤
たとえば、ガラス繊維とを先に反応させてからアミノ基
および/またはアミド基を含有するポリアリーレンスル
フィドを混練する方法などがある。
本発明において、好ましいのは前記(1)、(2)の
方法である。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を調整
する混合手段としては、均一な混合物が得られるのであ
れば特に制約はなく、種々の混合方法を用いることがで
きる。
その具体例としては、たとえば、リボンブレンダー、
タンブルミキサー、ヘンシェルミキサー、オープンロー
ル、バンバリミキサー、ヘンシェルミキサー、単軸スク
リュー押出機、2軸スクリュー押出機、単軸往復動スク
リュー混練機等により行なうことができる。
このようにして得られるポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物は、たとえば射出成形、圧縮成形、押出成形等
の各種の成形法により種々の成形品に成形することがで
きるし、各種のシーラントやコーティング剤として使用
することもできる。たとえば、本発明のポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物を平板、フィルム、シート等に成
形し、このような板状体と他の板状体とで合板や積層体
を形成することもできるし、あるいは、共押出成形によ
り多層のフィルムやシートを成形することもできる。
また、前記各種の成形法により、本発明のポリアリー
レンスルフィド樹脂組成物は、繊維、パイプ、ロッド、
フィルム、シート、軸受等の各種の、機械分野、電気分
野、電子分野、その他の分野における成形品にすること
ができる。
[実施例] 次に本発明を実施例と比較例とに基いてさらに具体的
に説明する。
(実施例1) アミノ基含有ポリフェニレンスルフィドの製造 攪拌機を備えた反応槽に含水硫化ナトリウム(Na2S・
5水塩)833モルとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
510を仕込み、減圧下に145℃に保ちながら1時間かけ
て脱水処理をした。次いで反応系を45℃に冷却した後、
p−ジクロロベンゼン833モルとジクロロアニリン(DC
A)41.85モル(5モル%)とを加え、240℃で5時間か
けて反応を行なった。しかるのち反応槽を冷却して内容
物を濾別し、次いでケーキを熱水で3回洗浄したのちに
170℃のNMPで1回、水で3回の洗浄を行ない、さらにア
セトンで1回洗浄してから185℃で乾燥し、白色で顆硫
状のアミノ基含有ポリフェニレンスルフィド(以下、DC
A−PPSと略称する。)78kgを得た。
このDCA−PPSはアミノ基含有単位の含有率が2.5モル
%、対数粘度[ηinh]が0.3、メルトインデックスが71
g/10分であった。
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造 次に上記DCA−PPSを60重量部と、クレゾールノボラッ
クタイプのエポキシ樹脂(チバガイギー社製、ECN129
9)を0.5重量部と、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ランで表面処理したガラス繊維(13μmφ×3mm、旭フ
ァイバーガラス社製、FT525)を40重量部とを混合し、
2軸押出機で溶融混合してペレットを製造した。
続いて、このペレットを、シリンダー温度320℃およ
び金型温度135℃の条件で射出成形して試験片を製造
し、この試験片のアイゾット衝撃強度と曲げ強度と熱歪
温度(HDT)とシャルピー衝撃強度とを測定した。
アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準拠、 曲 げ 強 度 :ASTM D790に準拠、1/8inch、ス
パン50mm、速度2.0mm/分。
熱変形温度(HDT) :ASTM D648に準拠。18.5kg/cm2、 シャルピー衝撃強度:JIS K7111に準拠。
結果を第1表に示す。
また、この試験片の不燃性を評価するために、燃焼試
験[UL94(垂直条件)]を行い、耐溶剤性を評価するた
めにトルエンに24時間浸漬後の表面を観察した。
結果を第2表に示す。
(比較例1) 実施例1において、クレゾールノボラックタイプのエ
ポキシ樹脂を配合してなかったこと以外は前記実施例1
と同様に樹脂組成物の試験片を製造し、その物性を測定
した。
結果を第1表、第2表に示す。
(実施例2、3) 実施例1のクレゾールノボラックタイプのエポキシ樹
脂の配合量を第1表に示した量に代えた他は実施例1と
同様に行った。
結果を第1表、第2表に示す。
(比較例2) 比較例1において、DCA−PPSの代わりにホモポリフェ
ニレンスルフィド(直鎖状、対数粘度数[ηinh]0.2
6)を用いたこと以外は比較例1と同様にして樹脂組成
物の試験片を製造し、その物性を測定した。
結果を第1表、第2表に示す。
(比較例3〜5) 比較例2において、クレゾールノボラックタイプのエ
ポキシ樹脂を配合し、その配合量を第1表に示した量に
代えた他は比較例2と同様に行った。
結果を第1表、第2表に示す。
(実施例4) 実施例1において、クレゾールノボラックタイプエポ
キシ樹脂をビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(大日
本インキ社製、エピクロン9056)に代えた他は実施例1
と同様に行った。
結果を第1表、第2表に示す。
(実施例5) 実施例1において、ガラス繊維FT525(径13μmφ
品)を、3−アミノプロピルトリエトキシシランで表面
処理したガラス繊維(6μmφ×3mm、旭ファイバーガ
ラス社製、FT525#2)に代えた他は実施例1と同様に
行った。
結果を第1表、第2表に示す。
(実施例6) アミド基含有ポリフェニレンスルフィドの製造 ジクロロアニリンの代りに2.5−ジクロルベンズアミ
ド41.85モルを使用し、230℃で5時間反応させた以外は
前記実施例1と同様に実施した。
得られたこのアミド基含有ポリフェニレンスルフィド
は、アミノ基含有単位の含有率が5モル%、対数粘度
[ηinh]が0.28、メルトフロレートが80g/10分であっ
た。
実施例1でアミノ基の代わりにアミド基含有フェニレ
ンスルフィドユニット含有量が5モル%のポリフェニレ
ンスルフィドを用いた他は実施例1と同様に行った。
結果を第1表、第2表に示す。
(実施例7、8、9) 実施例1において、ガラス繊維として、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランで表面処理したガラス
繊維(13μmφ×3mm,旭ファイバーガラス(株)製FT62
9)を用い、エポキシ樹脂の配合量を第1表に示した以
外は実施例1と同様に行なった。
結果を第1表、第2表に示す。
注) DCA−PPS;アミノ基含有ポリフェニレンスルフィ
ド アミド−PPS;アミド基含有ポリフェニレンスルフ
ィド ホモ−PPS;ホモ−ポリフェニレンスルフィド クレゾールノボラック;クレゾールノボラックタ
イプのエポキシ樹脂、チバガイギー社製:ECN1299、エポ
キシ当量210〜240g/eq. ビスフェノールA;ビスフェノールAタイプのエポ
キシ樹脂、大日本インキ社製:エピクロン9055、エポキ
シ当量2,400〜3,100g/eq. (評 価) 実施例1、2、3、7、8、9で得られた、アミノ基
含有ポリフェニレンスルフィドとクレゾールノボラック
タイプのエポキシ樹脂と3−アミノプロピルトリエトキ
シシランや3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンで表面処理されたガラス繊維とからなるポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物は、第1表により、アイゾット
衝撃強度と曲げ強度と熱歪温度(HDT)とシャルピー衝
撃強度とが共にバランス良く向上していることが明らか
である。
また、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
は熱変形温度がホモ−PPSのHDT259℃に比較して、264〜
265℃と上昇し、耐熱性が向上したことが分かる。
機械的強度において、実施例に見られるようにクレゾ
ールノボラックタイプのエポキシ樹脂添加による本発明
の樹脂組成物は、アイゾット衝撃強度の測定において、
破壊されることなく耐衝撃性が十分に向上したことが分
かる。
また、第2表によれば、本発明によるポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物は不燃性および耐溶剤性の面でも
悪影響がないことが分かる。
[発明の効果] 本発明によるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
は、アミノ基および/またはアミド基を含有するポリー
レンスルフィドと、エポキシ樹脂と、充填剤とからなる
ことにより、ポリアリーレンスルフィドの有する優れた
不燃性および耐溶剤性を損ねることなく、熱変形温度を
上昇させ、なおかつ、機械的強度特に耐衝撃性をバラン
ス良く向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 63/00 - 63/10 C08K 9/04 - 9/06 C08K 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ基および/またはアミド基を含有す
    るポリアリーレンスルフィド100重量部と、二個以上の
    エポキシ基を含むエポキシ樹脂(但し、エポキシ基含有
    熱可塑性エラストマーを除く。)0.05〜5重量%と、ア
    ミノシラン系表面処理剤または3−グリシドキシプロピ
    ルトリメトキシシラン表面処理剤で処理したガラス繊維
    5〜400重量部とからなる(但し、熱可塑性エラストマ
    ーを含まない。)ことを特徴とするポリアリーレンスル
    フィド樹脂組成物。
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