JP2000239419A - 印刷配線板用プリプレグ及びこれを用いた印刷配線板 - Google Patents

印刷配線板用プリプレグ及びこれを用いた印刷配線板

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JP2000239419A
JP2000239419A JP11040753A JP4075399A JP2000239419A JP 2000239419 A JP2000239419 A JP 2000239419A JP 11040753 A JP11040753 A JP 11040753A JP 4075399 A JP4075399 A JP 4075399A JP 2000239419 A JP2000239419 A JP 2000239419A
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prepreg
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JP11040753A
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Kazuhito Kobayashi
和仁 小林
Masato Miyatake
正人 宮武
Michitoshi Arata
道俊 荒田
Mare Takano
希 高野
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷配線板の高密度化、高性能化を進めるの
に際して必要とされる成形性、耐熱性、電気特性などに
優れた印刷配線板用プリプレグ及びこれを用いた印刷配
線板を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂を用いる印刷配線板用プリ
プレグにおいて、数平均分子量が1000以下の多官能
エポキシ樹脂とジシアンジアミドを反応温度50〜15
0℃で0.5〜4時間予備反応させたワニスを、厚さ
0.02〜0.40mmのガラス織布またはガラス不織
布に含浸し、乾燥温度60〜200℃で1〜30分間乾
燥して得られる印刷配線板用プリプレグ。この印刷配線
板用プリプレグを用い加熱加圧して得られる印刷配線
板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観に塗りむらや
結晶物の析出が無く、成形性、耐熱性などに優れた印刷
配線板用プリプレグ及びこれを用いた印刷配線板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に使用される積層板は、
ガラス織布などの基材をエポキシ樹脂組成物からなるワ
ニスに含浸し、次いで乾燥して得られるプリプレグを複
数枚積層し、さらにその上下に銅箔を配置し、次いで加
熱加圧成形して製造されている。 この用途に使用され
るエポキシ樹脂は数平均分子量が1000以下の低分子
量エポキシ樹脂が使用されている。しかし数平均分子量
が1000以下の低分子量エポキシ樹脂を用いた場合に
は、樹脂の最低溶融粘度が低いため、Bステージ化時の
加熱温度、加熱時間などの条件を特定範囲内に厳密に制
御する必要があり、また、Bステージ化後の樹脂の溶融
粘度も低いため、良好に成形できる範囲が限定され成形
時の圧力及び昇温速度などを厳密に設定する必要があっ
た。また、この問題を解決するために市販のフェノキシ
樹脂に代表されるような高分子量エポキシ樹脂を配合す
ることで、樹脂の最低溶融粘度を高くすることにより成
形時の圧力、昇温速度などの条件を緩やかに設定するこ
とも可能になるが、この場合には、積層板の耐熱性の低
下を招くことがしばしば見られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は印刷配線板の
高密度化、高性能化を進めるのに際して必要とされる成
形性、耐熱性、電気特性などに優れた印刷配線板用プリ
プレグ及びこれを用いた印刷配線板を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ樹脂
を用いる印刷配線板用プリプレグにおいて、数平均分子
量が1000以下の多官能エポキシ樹脂とジシアンジア
ミドを反応温度50〜150℃で0.5〜4時間予備反
応させたワニスを、厚さ0.02〜0.40mmのガラ
ス織布またはガラス不織布に含浸し、乾燥温度60〜2
00℃で1〜30分間乾燥して得られる印刷配線板用プ
リプレグである。本発明の印刷配線板用プリプレグで
は、多官能エポキシ樹脂として二官能エポキシ樹脂であ
るビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ま
しく、また、多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量が15
0〜500であると好ましい。さらに、多官能エポキシ
樹脂を用いたワニスの硬化促進剤としてイミダゾール化
合物を用いることが好ましい。また、本発明は、上記で
得られた印刷配線板用プリプレグを用い加熱加圧して得
られる印刷配線板(積層板、金属箔張り積層板、多層印
刷配線板)である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記した課題を解
決するために鋭意検討を行った結果、印刷配線板用プリ
プレグに用いるエポキシ樹脂として、数平均分子量が1
000以下の多官能エポキシ樹脂を用い、これを硬化剤
であるジシアンジアミドとあらかじめ反応させることに
より、成形時における樹脂の流動性の最適化が図れ、成
形時の昇温速度、成形圧力の設定範囲幅を広げることが
できることを見出した。すなわち、従来の低分子量エポ
キシ樹脂から製造するプリプレグはBステージ状態にお
ける樹脂の最低溶融粘度が著しく低くなる傾向がある。
この最低溶融粘度から、良好な成形幅を有するプリプレ
グを得るためには、Bステージ化における加熱乾燥温
度、加熱乾燥時間などを厳密に設定し、一定の成形条件
で成形できるようにする必要がある。この加熱乾燥温
度、加熱乾燥時間が設定範囲から若干異なった場合に
は、Bステージ状態での最低溶融粘度及びその後の加熱
加圧による多層板成形時の硬化性が異なり、良好な回路
充填性、板厚精度を有する多層板を得ることは困難であ
る。一方、ワニスに用いるエポキシ樹脂組成物中に、市
販のフェノキシ樹脂に代表されるような高分子量エポキ
シ樹脂を配合した場合には、その配合量により樹脂の最
低溶融粘度の制御が容易になる。しかし、配合する高分
子量エポキシ樹脂の反応性は通常用いられている低分子
量エポキシ樹脂と比較して、著しく低いため、このプリ
プレグを用いて成形した積層板は、耐熱性の低下につな
がることがしばしばある。本発明者等は、エポキシ樹脂
と硬化剤成分であるジシアンジアミドとを予備反応させ
ることにより、樹脂の溶融粘度の最適化を図ることが有
効であることを見出した。さらに、本発明における予備
反応を行ったプリプレグの特徴としては、従来のジシア
ンジアミド硬化系樹脂を用いた場合にはしばしば観察さ
れた、プリプレグ表面へのジシアンジアミド結晶の析出
を回避することができることである。
【0006】本発明における印刷配線板用プリプレグの
樹脂組成物としては、分子量が1000以下の多官能エ
ポキシ樹脂及び硬化剤成分としてのジシアンジアミド、
さらに必要に応じて、難燃剤、硬化促進剤、溶剤、その
他添加剤などを配合することができる。数平均分子量が
1000を超える多官能エポキシ樹脂では、ジシアンジ
アミドと予備反応させた場合、ワニスへの溶解性が低下
したり、粘度上昇が大きくなり基材への含浸性が低下す
るおそれがある。なお、エポキシ樹脂に対する硬化剤の
配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対するジシアン
ジアミドの配合量として、1重量部から10重量部が好
ましく、2重量部から5重量部がさらに好ましい。ま
た、エポキシ樹脂組成物を難燃化する方法としては、難
燃成分としてハロゲン化エポキシ樹脂を配合する方法、
ハロゲン化フェノールノボラック類を配合する方法など
が挙げられる。すなわち、本発明における多官能エポキ
シ樹脂と、従来から用いられている臭素化エポキシ樹脂
を併用する方法、また、難燃剤としてテトラブロモビス
フェノールAを配合する方法などが挙げられる。さらに
本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は必要に応じて溶剤
類を添加することにより、任意の固形分濃度およびワニ
ス粘度に調整することができる。
【0007】本発明は、上記したエポキシ樹脂組成物か
らワニスを製造するにあたり、予めエポキシ樹脂とジシ
アンジアミドとを予備反応させたものを用いるのが特徴
である。 予備反応温度は50〜150℃、好ましくは
80〜120℃が良い。これより低い温度では、エポキ
シ樹脂とジシアンジアミドとの反応が非常に遅く、また
これより高い温度では、ジシアンジアミドが解離し、エ
ポキシ樹脂と著しく速い速度で反応してしまう。反応時
間は0.5〜4時間、好ましくは1〜2時間程度が良
い。0.5時間未満の反応時間では、この予備反応の進
行が十分ではなく、プリプレグ表面へのジシアンジアミ
ド結晶の析出を低減することは困難となる。また、反応
時間が長くなると、Bステージ化を行う際に反応が進行
しすぎるため、最低溶融粘度の制御が困難となる。数平
均分子量が1000以下の多官能エポキシ樹脂とジシア
ンジアミドを反応温度50〜150℃で0.5〜4時間
予備反応させた反応物と他の配合成分により作製したワ
ニスまたは数平均分子量が1000以下の多官能エポキ
シ樹脂、ジシアンジアミド、他の配合成分を混ぜ反応温
度50〜150℃で0.5〜4時間予備反応させたエポ
キシ樹脂組成物ワニスをガラス織布またはガラス不織布
に含浸させて、乾燥することにより印刷配線板用プリプ
レグを得ることができる。
【0008】本発明で用いるガラス織布またはガラス不
織布の種類は特に制限はなく、厚さ0.02mm〜0.
4mmまでのものを使用する。乾燥条件としては、乾燥
温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の条件で乾
燥を行う。 得られた印刷配線板用プリプレグを複数枚
重ね、その両面に銅箔などの金属箔を配し、加熱加圧成
形することにより、ガラス基材エポキシ樹脂積層板が得
られ印刷配線板とすることができる。加熱温度は、15
0〜180℃の範囲で、場合によっては130〜200
℃の範囲で、また圧力は、通常1〜6MPaの範囲で、
場合によっては0.5〜20MPaの範囲で、プレス機
の能力、目的の積層板の厚さ等により適宜選択される。
【0009】本発明におけるワニスを厚さ0.10mm
のガラス織布に含浸し、加熱乾燥することにより得られ
印刷配線板用プリプレグを多層化接着用エポキシ樹脂プ
リプレグとして用いた場合、従来の製造方法により得ら
れるエポキシ樹脂プリプレグと比較して、プリプレグ表
面のジシアンジアミド結晶の析出を低減することができ
る。また、このプリプレグを用いると、内層板の表面に
厚さ35μmの導体回路が存在する場合にも良好な回路
充填性を示す。さらに、プリプレグの樹脂の流動性が良
好であるにもかかわらず、成形後の内層導体から外層銅
箔までの距離も、一定以上保たれて、良好な絶縁信頼性
を保つことができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)数平均分子量が1000以下の多官能エポ
キシ樹脂として数平均分子量が340の二官能エポキシ
樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量
172)100重量部とジシアンジアミド4.0重量
部、溶剤としてメチルグリコール40重量部及びメチル
エチルケトン40重量部を配合し、反応温度80℃で2
時間混合攪拌し、多官能エポキシ樹脂とジシアンジアミ
ドの予備反応生成物を得た。これに難燃剤としてテトラ
ブロモビスフェノールA 30重量部、硬化促進剤とし
て2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部を
配合しエポキシ樹脂ワニスとした。このワニスを厚さ
0.2mmのガラス織布に含浸し、160℃の乾燥機中
で、5分間乾燥してBステージ状態の印刷配線板用プリ
プレグ(エポキシ樹脂プリプレグ)を得た。得られたエ
ポキシ樹脂プリプレグの表面を顕微鏡観察した結果、ジ
シアンジアミドの結晶は観察されなかった。また、得ら
れたエポキシ樹脂プリプレグを揉みほぐして得た樹脂粉
の溶融粘度を、高化式フローテスタを用いて、130℃
一定の条件で測定したところ、120Pa・sであっ
た。またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測
定したところ、120秒であった。得られたエポキシ樹
脂プリプレグを5枚重ねその両面に35μmの銅箔を配
し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加
熱加圧成形することにより、銅箔付きガラスエポキシ樹
脂積層板(印刷配線板)を得た。得られた銅箔付きガラ
スエポキシ樹脂積層板は、その板厚が均一であり、成形
時の端部からの樹脂のしみだしも少なく、良好に成形で
きた。外層銅箔の引き剥がし強さは、常温下で、1.8
kN/mであった。得られた銅箔付きガラスエポキシ樹
脂積層板を全面エッチングしたものを、121℃、0.
2MPaのPCT(プレッシャークッカーテスター)で
4時間処理した後、260℃の溶融はんだ槽に20秒間
浸漬したが、基板のふくれなどの異常は見られなかっ
た。
【0011】(実施例2)数平均分子量が400の多官
能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量180)100重量部とジシアンジアミド3
重量部、溶剤としてメチルグリコール30重量部、メチ
ルエチルケトン40重量部を配合し、反応温度100℃
で1時間混合攪拌を行い予備反応を行った。この予備反
応生成物に、硬化促進剤として2−エチル−4−メチル
イミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケ
トン20重量部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとし
た。このワニスを厚さ0.1mmのガラス織布に含浸
し、160℃の乾燥機中で、3分間乾燥してBステージ
状態のエポキシ樹脂プリプレグを得た。得られたエポキ
シ樹脂プリプレグの表面を顕微鏡観察した結果では、ジ
シアンジアミドの結晶は観察されなかった。また、得ら
れたエポキシ樹脂プリプレグを揉みほぐして得られる樹
脂粉の溶融粘度を、高化式フローテスタを用い、130
℃一定の条件で測定したところ、70Pa・sであっ
た。またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測
定したところ、160秒であった。厚さ0.4mmでそ
の両面に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回路加工
を施した基板の両面に、得られたエポキシ樹脂プリプレ
グを1枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、
成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加
圧成形することにより、4層板を得た。得られた4層板
は、その板厚が均一であり、成形時に端部からの樹脂の
しみだしも少なく、良好に成形できた。外層銅箔の引き
剥がし強さは、常温下で、1.8kN/mであり、4層
板の内層回路と外層銅箔との間の距離は4層板の端部お
よび中心部でいずれも90μmの厚さを示し、絶縁性は
良好であった。4層板の外層の銅箔全面をエッチング
し、沸騰水中で4時間処理した後、260℃の溶融はん
だ槽に20秒間浸漬したが、基板のふくれなどの異常は
見られなかった。
【0012】(実施例3)数平均分子量が340のビス
フェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)1
00重量部、硬化剤としてジシアンジアミドを5重量
部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール0.1重量部、溶剤としてメチルエチルケトン30
重量部、メチルグリコール50重量部を、反応温度80
℃で1時間混合攪拌して予備反応を行った。この予備反
応生成物に難燃成分としてテトラブロモビスフェノール
A 50重量部及び硬化促進剤としてトリエチルアミン
0.2重量部を配合し、25℃で2時間混合攪拌しエポ
キシ樹脂ワニスとした。このワニスを厚さ0.1mmの
ガラス織布に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾
燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグを得
た。得られたエポキシ樹脂プリプレグの表面を顕微鏡観
察した結果、ジシアンジアミドの結晶は観察されなかっ
た。エポキシ樹脂プリプレグを揉みほぐして得た樹脂粉
の溶融粘度を、高化式フローテスタを用い、130℃一
定の条件で測定したところ100Pa・sであった。ま
た、この樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定し
たところ150秒であった。厚さ0.4mmでその両面
に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回路加工を施し
た基板の両面に、得られたエポキシ樹脂プリプレグを1
枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を配し、成形時
のプレス機の熱盤の昇温速度を3℃/分に設定して17
0℃まで加熱し、その後、成形温度170℃、成形圧力
2MPaで60分間加熱加圧成形することにより4層板
を得た。得られた4層板は、その板厚が均一であり、成
形時の端部からの樹脂のしみだしも少なく良好に成形で
きるた。外層銅箔の引き剥がし強さは、常温下で、1.
7kN/mであった。4層板の内層回路と外層銅箔との
間の距離は4層板の端部および中心部でいずれも90μ
mの厚さを示し、絶縁性は良好であった。得られた4層
板の外層銅箔を全面エッチングし、沸騰水中でで4時間
処理した後、260℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬し
たが、基板のふくれなどの異常は見られなかった。
【0013】以上の実施例に示したように、本発明によ
り得られた印刷配線板用プリプレグは、表面にジシアン
ジアミドの結晶析出が無く、また良好な耐熱性、銅箔接
着性、絶縁性を示した。また、多層板成形時に内層導体
と外層銅箔との距離を均一に保つことにより、絶縁信頼
性が向上する。さらに、実施例中に示したように、多層
板成形時のプレス機の熱盤の昇温速度によらず、広い成
形幅を示し、生産性が向上する。次に、上記実施例に対
する比較例を示す。
【0014】(比較例1)数平均分子量が340の二官
能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量170)100重量部、ジシアンジアミド4
重量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン
40重量部、メチルグリコール40重量部を混合攪拌し
てエポキシ樹脂ワニスとした。このワニスを厚さ0.2
mmのガラス織布に含浸し、160℃の乾燥機中で、5
分間乾燥してBステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグ
を得た。得られたエポキシ樹脂プリプレグの表面を顕微
鏡観察した結果、ジシアンジアミドの結晶が観察され
た。得られたエポキシ樹脂プリプレグを揉みほぐして得
られる樹脂粉の溶融粘度を、高化式フローテスタを用
い、130℃一定の条件で測定したところ、2Pa・s
であった。またこの樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤
上で測定したところ、80秒であった。得られたエポキ
シ樹脂プリプレグを5枚重ねその両面に35μmの銅箔
を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分
間加熱加圧成形することにより、銅箔付きガラスエポキ
シ積層板を得たが、成形時の樹脂の流動が非常に大き
く、厚さの均一な良好な積層板は得られなかった。
【0015】(比較例2)数平均分子量が340の二官
能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量170)100重量部、硬化剤としてジシア
ンジアミドを3重量部、硬化促進剤として2−エチル−
4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチ
ルエチルケトン40重量部、メチルグリコール30重量
部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。このワニ
スを厚さ0.1mmのガラス織布に含浸し、160℃の
乾燥機中で、3分間乾燥してBステージ状態のエポキシ
樹脂プリプレグを得た。得られたエポキシ樹脂プリプレ
グの表面を顕微鏡観察した結果、ジシアンジアミドの結
晶はわずかに観察された。得られたエポキシ樹脂プリプ
レグを揉みほぐして得られる樹脂粉の溶融粘度を、高化
式フローテスタを用い、130℃一定の条件で測定した
ところ、4Pa・sであった。また、この樹脂粉の硬化
時間を170℃の熱盤上で測定したところ、140秒で
あった。さらに乾燥時間を3分間から15分間まで変化
させることにより最低溶融粘度の異なるプリプレグの作
製を試みたが、良好な範囲である50〜100Pa・s
のプリプレグが得られたのは、乾燥時間6分間の場合で
あった。この場合の170℃熱盤上での硬化時間は30
秒であり、多層板成形の際の成形幅は極めて狭い。乾燥
時間3分間で作製したプリプレグを用い、厚さ0.4m
mでその両面に35μmの銅箔を有する銅張積層板に回
路加工を施した基板の両面に、得られたエポキシ樹脂プ
リプレグを1枚づつ重ね、その両面に35μmの銅箔を
配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分間
加熱加圧成形したが、樹脂の流動性が大きく厚みが均一
で良好な4層板は成形できなかった。
【0016】以上の実施例、比較例における測定方法を
以下に示す。銅箔の引き剥し強さは、オリエンテック製
テンシロンを用い、10mm幅、引張り速度50mm/
分で90゜方向の引き剥し強さを測定した。高化式フロ
ーテスタでの最低溶融粘度は、ノズル径0.7mm、荷
重5kg、130℃一定温度で測定した。プリプレグか
ら得られる樹脂粉の硬化時間は、170℃の熱盤上での
樹脂の硬化時間を測定した。
【0017】各実施例、比較例で示したように、本発明
における数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を
用い、エポキシ樹脂とジシアンジアミドを予備反応させ
ることにより、成形性が良好となり、さらに成形幅が広
くなることにより生産性が向上し、得られる多層板の特
性も良好となる印刷配線板用プリプレグを得ることがで
きる。
【0018】
【発明の効果】数平均分子量が1000以下の多官能エ
ポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂とジシアンジアミドと
を予備反応させたワニスを用いた印刷配線板用プリプレ
グは、プリプレグ表面へのジシアンジアミド結晶の析出
が無く、良好な外観を示す。また多層板成形時の溶融粘
度が50Pa・sから100Pa・sの範囲に制御しや
すく、多層板成形時の樹脂の溶融による内層板の回路充
填性が良好であるばかりでなく、成形時の樹脂の流動性
が多すぎることに起因する絶縁層厚さの低下による絶縁
信頼性の低下を防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒田 道俊 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 高野 希 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB09 AB28 AB29 AD28 AE01 AE02 AF15 AF27 AF30 AG03 AH02 AK14 AL13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂を用いる印刷配線板用プリ
    プレグにおいて、数平均分子量が1000以下の多官能
    エポキシ樹脂とジシアンジアミドを反応温度50〜15
    0℃で0.5〜4時間予備反応させたワニスを、厚さ
    0.02〜0.40mmのガラス織布またはガラス不織
    布に含浸し、乾燥温度60〜200℃で1〜30分間乾
    燥して得られる印刷配線板用プリプレグ。
  2. 【請求項2】 多官能エポキシ樹脂がビスフェノールA
    型エポキシ樹脂である請求項1に記載の印刷配線板用プ
    リプレグ。
  3. 【請求項3】 多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量が1
    50〜500である請求項1または請求項2に記載の印
    刷配線板用プリプレグ。
  4. 【請求項4】 多官能エポキシ樹脂を用いたワニスの硬
    化促進剤としてイミダゾール化合物を用いることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷
    配線板用プリプレグ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の印刷配線板用プリプレグを用い加熱加圧して得られ
    る印刷配線板。
JP11040753A 1999-02-19 1999-02-19 印刷配線板用プリプレグ及びこれを用いた印刷配線板 Pending JP2000239419A (ja)

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