JP2000239418A - 印刷配線板用プリプレグ及びそれを用いた積層体 - Google Patents

印刷配線板用プリプレグ及びそれを用いた積層体

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JP2000239418A
JP2000239418A JP4075299A JP4075299A JP2000239418A JP 2000239418 A JP2000239418 A JP 2000239418A JP 4075299 A JP4075299 A JP 4075299A JP 4075299 A JP4075299 A JP 4075299A JP 2000239418 A JP2000239418 A JP 2000239418A
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prepreg
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Kazuhito Kobayashi
和仁 小林
Masato Miyatake
正人 宮武
Mare Takano
希 高野
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷配線板の高密度化、高性能化を進めるに
際して必要とされる成形性、耐熱性、電気特性などに優
れた印刷配線板用プリプレグ及びそれを用いた積層体を
提供する。 【解決手段】 トリスフェノール類とエピクロルヒドリ
ンにより得られる1−[α−メチル−α−(4’−グリ
シドキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス
(4”−グリシドキシフェニル)エチル]ベンゼンにテ
トラブロムビスフェノールAまたはビスフェノールAを
付加させ、さらにエピクロルヒドリンまたは液状の2官
能エポキシ樹脂を反応させて得られる3官能エポキシ樹
脂を用いたワニスを、厚さ0.02〜0.40mmのガ
ラス織布またはガラス不織布に含浸し、乾燥温度60〜
200℃で1〜30分間乾燥することにより得られる印
刷配線板用プリプレグ。このプリプレグを用い積層材料
と加熱加圧成形して得られる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性、耐熱性な
どに優れた印刷配線板用プリプレグ及びそれを用いた積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に使用される積層板は、
ガラス布などの基材をエポキシ樹脂組成物からなるワニ
スに含浸し、次いで乾燥して得られるプリプレグを複数
枚積層し、さらにその上下に銅箔を配置し、次いで成形
して製造されている。エポキシ樹脂プリプレグ用のワニ
スとしては、臭素化エポキシ樹脂をベースとして、ジシ
アンジアミドを硬化剤とするものが一般的である。この
通常のエポキシ樹脂プリプレグは、硬化時のガラス転移
温度が約130℃程度であり、近年の電子機器の小型軽
量化、高機能化に対する印刷配線板の信頼性を保持する
際の障害となっている。一方、印刷配線板に要求される
高い信頼性に対応するために、ガラス転移温度(Tg)
を高くする試みも種々行われているが、単にTgを高く
するだけでは高温時に靭性が不足し脆くなること、銅箔
引き剥がし強さが低くなることなどの問題が生じてい
る。近年のプリント配線板の小型化、高多層化、高密度
化に対応するためには、単にTgが高いばかりでなく、
高温時における強靭性も必要になってくる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は印刷配線板の
高密度化、高性能化を進めるに際して必要とされる成形
性、耐熱性、電気特性などに優れた印刷配線板用プリプ
レグ及びそれを用いた積層体を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ樹脂
を用いる印刷配線板用プリプレグにおいて、式1で示さ
れる3官能エポキシ樹脂を用いたワニスを、厚さ0.0
2〜0.40mmのガラス織布またはガラス不織布に含
浸し、乾燥温度60〜200℃で1〜30分間乾燥する
ことにより得られる印刷配線板用プリプレグである。
【0005】
【化2】 (R0は水素またはハロゲン元素、R、R’、R”は、
グリシジル基または液状エポキシ樹脂)
【0006】本発明の印刷配線板用プリプレグには、式
1で示される3官能エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノ
ールノボラック類を用いると好ましく、また、硬化剤と
してジシアンジアミドを用いても好ましい。そして、式
1で示される3官能エポキシ樹脂を用いたワニスの硬化
促進剤としてイミダゾール化合物を用いるとが好ましい
印刷配線板用プリプレグである。更に、本発明は、式1
で示される3官能エポキシ樹脂とジシアンジアミドとを
予め予備反応させたワニスを用いることが好ましい印刷
配線板用プリプレグである。また、本発明は、上記で得
られた印刷配線板用プリプレグを用い積層材料と加熱加
圧成形して得られる積層体である。この積層体は、印刷
配線板用プリプレグを積層し加熱加圧成形して得られる
積層板、金属箔と印刷配線板用プリプレグを用い加熱加
圧成形して得られる片面金属張り積層板、両面金属張り
積層板、内層板、金属箔、印刷配線板用プリプレグを加
熱加圧成形して得られる多層板等が挙げられ、一般にプ
リプレグを用いて得られるもので、金属箔をエッチング
等によりプリント回路加工したものも含む。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、印刷配線板用プリプ
レグに用いるエポキシ樹脂として、式1で示される3官
能エポキシ樹脂を選択し、このエポキシ樹脂をフェノー
ルノボラック類あるいはジシアンジアミドで硬化させる
ことにより、成形性、耐熱性、電気特性などに優れたエ
ポキシ樹脂プリプレグを提供することができる。 従来
の低分子量エポキシ樹脂からなるワニスを用いて製造す
るエポキシ樹脂プリプレグはBステージ状態における樹
脂の最低溶融粘度が著しく低くなる傾向があり、これを
最適な範囲内で製造するためには、Bステージ化の乾燥
温度や乾燥時間を厳密に制御する必要がある。また、樹
脂系の強靭性化を目的として、ワニスに用いるエポキシ
樹脂組成物中に、市販のフェノキシ樹脂に代表されるよ
うな高分子量エポキシ樹脂を配合した場合には、配合す
る高分子量エポキシ樹脂の反応性は通常用いられている
低分子量エポキシ樹脂と比較して、著しく低いため、こ
のプリプレグを用いて成形した積層板は、耐熱性の低下
につながることがしばしばある。本発明者らは、式1に
示した3官能エポキシ樹脂を選択し、この3官能エポキ
シ樹脂を用いた場合の高温樹脂物性を評価した結果、ガ
ラス転移温度が高いばかりでなく、高温時の樹脂の弾性
率が低く、また高温時の樹脂の破断伸びが大きく、高温
時の強靱性が良いことを見出した。
【0008】式1で示される3官能エポキシ樹脂は、式
2で示されるトリスフェノール類とエピクロルヒドリン
とを適当なエーテル化触媒の存在下にエーテル化し、次
いで脱ハロゲン化することによって製造されるエポキシ
樹脂に、さらにビスフェノールAまたはテトラブロムビ
スフェノールAを付加させ、さらにエピクロルヒドリン
または液状の2官能エポキシ樹脂を反応させて得られ、
市販品もある。
【0009】
【化3】 (R1〜R3は、水素原子、炭素原子数6以下のアルキル
基、R4〜R11は、水素原子、炭素原子数6以下のアル
キル基又はハロゲン原子であり、これらR1〜R11の各
基は互いに同一の基であっても良い。)
【0010】本発明で使用される式2で示されるトリス
フェノール類とエピクロルヒドリンを反応させて得られ
るエポキシ樹脂は、1−[α−メチル−α−(4’−グ
リシドキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス
(4”−グリシドキシフェニル)エチル]ベンゼン(R1
〜R3はメチル基、R4〜R11は水素)であり、これにビ
スフェノールAまたはテトラブロムビスフェノールAを
エーテル化触媒を用い付加反応させ、さらに末端の水酸
基をエピクロルヒドリン又は液状の2官能エポキシ樹脂
と反応させて得られる。使用するビスフェノールAまた
はテトラブロムビスフェノールAは、得られる3官能エ
ポキシ樹脂のブロム含有量が18〜20重量%となるよ
うに併用することが樹脂を難燃化するために好ましい。
【0011】本発明で使用されるエポキシ樹脂の硬化剤
として用いると好ましいフェノールノボラック類として
は、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビ
スフェノールAノボラックなどが挙げられる。また、ア
ミン系の硬化剤として代表的なジシアンジアミドも好ま
しい。 ジシアンジアミドを硬化剤としたエポキシ樹脂
プリプレグでは、しばしばその表面にジシアンジアミド
の結晶が析出することがある。そこで本発明では、式1
で示される3官能エポキシ樹脂と硬化剤であるジシアン
ジアミドとを予め予備反応させることにより、樹脂の溶
融粘度の最適化を図るとともに、従来のジシアンジアミ
ド硬化系樹脂を用いた場合にはしばしば観察された、プ
リプレグ表面へのジシアンジアミド結晶の析出を回避す
ることができる。
【0012】本発明における印刷配線板用プリプレグの
組成物には、式1で示される3官能エポキシ樹脂の他、
硬化剤としてジシアンジアミドまたはフェノールノボラ
ック類、硬化促進剤さらに必要に応じて、難燃剤、溶
剤、その他添加剤などを配合することができる。なお、
エポキシ樹脂に対する硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂
100重量部に対するジシアンジアミドの配合量とし
て、1重量部から10重量部が好ましく、2重量部から
5重量部がさらに好ましい。また、エポキシ樹脂組成物
を難燃化する方法として、難燃成分としてハロゲン化エ
ポキシ樹脂を配合する方法、ハロゲン化フェノールノボ
ラック類を配合する方法などが挙げられる。すなわち、
本発明における式1で示される3官能エポキシ樹脂と従
来一般に用いられている臭素化エポキシ樹脂を併用する
方法、また、難燃剤としてテトラブロモビスフェノール
Aを配合する方法などが挙げられる。本発明に用いるエ
ポキシ樹脂組成物は必要に応じて溶剤類を添加し、任意
の固形分濃度およびワニス粘度に調整することができ
る。上記した組成物からワニスを製造するに際して、式
1で示される3官能エポキシ樹脂とジシアンジアミドと
を予め予備反応させておくと、樹脂の溶融粘度の最適化
を図り、従来のジシアンジアミド硬化系樹脂を用いた場
合にはしばしば観察された、プリプレグ表面へのジシア
ンジアミド結晶の析出を回避することができる。この予
備反応を行う温度は、50〜150℃、好ましくは80
〜120℃が良い。これより低い温度では、エポキシ樹
脂とジシアンジアミドとの反応が非常に遅く、またこれ
より高い温度では、ジシアンジアミドが解離し著しく速
くエポキシ樹脂と反応してしまう。反応時間は0.5〜
4時間、好ましくは1〜2時間程度が良い。0.5時間
未満では、この予備反応の進行が十分に行われず、プリ
プレグ表面へのジシアンジアミド結晶の析出を低減する
ことは困難となる。また、反応時間が4時間を超えてし
まうと、基材に含浸し、乾燥してBステージ状態のプリ
プレグを得ようとしても反応が進行しすぎるため、実際
にプリプレグを使用するときの最低溶融粘度の制御が困
難になる。予備反応した反応物を用いて作製したワニス
をガラス織布またはガラス不織布に含浸させ、乾燥させ
ることにより印刷配線板用プリプレグを得ることができ
る。
【0013】ここで用いるガラス織布またはガラス不織
布の種類は特に制限するものでなく、また、織布または
不織布の厚さは、0.02mm〜0.4mmまでの任意
のものを使用する。乾燥条件としては,乾燥温度60〜
200℃、乾燥時間1〜30分間の任意の条件で乾燥を
行うことができる。得られた印刷配線板用プリプレグ
は、それを複数枚重ね、その両面に銅箔を配し、加熱加
圧成形することにより、ガラス基材エポキシ樹脂銅張積
層板を得ることができる。加熱温度は、150〜180
℃の範囲で、場合によっては130〜200℃の範囲
で、また圧力は、通常1〜6MPaの範囲で、場合によ
っては0.5〜20MPaの範囲で、プレス機の能力、
目的の積層板の厚さ等により適宜選択される。
【0014】また、本発明の式1で示される3官能エポ
キシ樹脂とジシアンジアミドとを予め予備反応させたエ
ポキシ樹脂組成物を用いて厚さ0.10mmのガラス織
布に含浸し、加熱乾燥することにより得られる印刷配線
板用プリプレグを多層化接着用のプリプレグとしたと
き、従来の製造方法により得られる多層化接着用エポキ
シ樹脂プリプレグと比較して、プリプレグ表面のジシア
ンジアミド結晶の析出を低減できる。また本発明のプリ
プレグを用いると、内層板の表面に厚さ35μmの導体
回路が存在する場合にも良好な回路充填性を示す。さら
に、プリプレグの樹脂の流動性が良好であるにもかかわ
らず、成形後の内層導体から外層銅箔までの距離も、一
定以上保たれて、良好な絶縁信頼性を保つことができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)式1で表される3官能エポキシ樹脂(R、
R’、R”はグリシジル基;エポキシ当量425、VF
2803;三井化学株式会社製商品名)100重量部と
ジシアンジアミド3.0重量部、溶剤としてメチルグリ
コール30重量部及びメチルエチルケトン40重量部を
配合し、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール0.5重量部を配合しエポキシ樹脂ワニスとし
た。このワニスを厚さ0.2mmのガラス織布に含浸
し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥してBステージ
状態の印刷配線板用プリプレグ(エポキシ樹脂プリプレ
グ)を得た。得られたエポキシ樹脂プリプレグの表面を
顕微鏡観察した結果では、僅かにジシアンジアミドの結
晶が観察されたが、特性上、問題になるレベルではなか
った。このプリプレグ樹脂粉の硬化時間を170℃の熱
盤上で測定したところ、120秒であった。得られたエ
ポキシ樹脂プリプレグを5枚重ねその両面に35μmの
銅箔を配し、成形温度170℃,成形圧力2MPaで6
0分間加熱加圧成形することにより、銅箔付きガラスエ
ポキシ樹脂積層板を得た。得られた銅箔付きガラスエポ
キシ樹脂積層板は、その板厚が均一であり、成形時の端
部からの樹脂のしみだしも少なく、良好に成形できるこ
とが確められた。外層銅箔引き剥がし強さは、常温下
で、1.8kN/mであった。得られた銅箔付きガラス
エポキシ樹脂積層板を全面エッチングしたものを、12
1℃、0.2MPaのPCT(プレッシャークッカーテ
スト)で4時間処理した後、260℃の溶融はんだ槽に
20秒間浸漬したが、基板のふくれなどの異常は見られ
なかった。厚さ0.8mmで両面に35μm厚の銅箔を
有する銅張積層板の銅箔表面を酸化還元処理し、その上
下に上記エポキシ樹脂プリプレグを配し、さらに35μ
m厚の銅箔を配し、成形温度170℃、成形圧力2MP
aで60分間加熱加圧成形することにより、4層板を得
た。この4層板の内層銅箔と外層プリプレグ層との接着
力を評価した結果、常温下で0.9kN/m、200℃
においては0.55kN/mであった。また得られた銅
箔付きガラスエポキシ樹脂積層板のガラス転移温度は1
67℃(TMA法)であった。
【0016】(実施例2)式1で示される3官能エポキ
シ樹脂(エポキシ当量425)100重量部とクレゾー
ルノボラック30重量部、溶剤としてメチルグリコール
10重量部及びメチルエチルケトン50重量部を配合
し、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール0.5重量部を配合しエポキシ樹脂ワニスとした。
このワニスを厚さ0.2mmのガラス織布に含浸し、1
60℃の乾燥機中で、5分間乾燥してBステージ状態の
エポキシ樹脂プリプレグとした。得られたエポキシ樹脂
プリプレグの表面を顕微鏡観察した結果、良好であっ
た。またこのプリプレグ樹脂粉の硬化時間を170℃の
熱盤上で測定したところ、100秒であった。得られた
エポキシ樹脂プリプレグを5枚重ねその両面に35μm
の銅箔を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで
60分間加熱加圧成形することにより、銅箔付きガラス
エポキシ樹脂積層板を得た。得られた銅箔付きガラスエ
ポキシ樹脂積層板は、その板厚が均一であり、成形時の
端部からの樹脂のしみだしも少なく、良好に成形できる
ことが確められた。外層銅箔引き剥がし強さは、常温下
で、1.6N/mであった。得られた銅箔付きガラスエ
ポキシ樹脂積層板を全面エッチングしたものを、121
℃、0.2MPaのPCTで4時間処理した後、260
℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬したが、基板のふくれ
などの異常は見られなかった。厚さ0.8mmで両面に
35μm厚の銅箔を有する銅張積層板の銅箔表面を酸化
還元処理し、その上下に上記エポキシ樹脂プリプレグを
配し、さらに35μm厚の銅箔を配し、成形温度170
℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形すること
により、4層板を得た。この4層板の内層銅箔と外層プ
リプレグ層との接着力を評価した結果、常温下で0.8
kN/m、200℃においては0.45kN/mであっ
た。また得られた銅箔付きガラスエポキシ樹脂積層板の
ガラス転移温度は165℃(TMA法)であった。
【0017】(実施例3)式1で表される3官能エポキ
シ樹脂(エポキシ当量425)100重量部とジシアン
ジアミド4.0重量部、溶剤としてメチルグリコール4
0重量部及びメチルエチルケトン30重量部を配合し、
反応温度90℃で1時間混合攪拌しエポキシ樹脂とジシ
アンジアミドの予備反応を行った。その後、硬化促進剤
として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量
部を配合しさらに混合攪拌することによりエポキシ樹脂
ワニスとした。このワニスを厚さ0.2mmのガラス織
布に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥してB
ステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。得られ
たエポキシ樹脂プリプレグの表面を顕微鏡観察した結果
では、ジシアンジアミドの結晶は観察されなかった。ま
たこのプリプレグ樹脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上
で測定したところ、100秒であった。得られたエポキ
シ樹脂プリプレグを5枚重ねその両面に35μmの銅箔
を配し、成形温度170℃、成形圧力2MPaで60分
間加熱加圧成形することにより、銅箔付きガラスエポキ
シ樹脂積層板を得た。得られた銅箔付きガラスエポキシ
樹脂積層板は、その板厚が均一であり、成形時の端部か
らの樹脂のしみだしも少なく、良好に成形できることが
確められた。外層銅箔引き剥がし強さは、常温下で、
1.8kN/mであった。得られた銅箔付きガラスエポ
キシ樹脂積層板を全面エッチングしたものを、121
℃、0.2MPaのPCTで4時間処理した後、260
℃の溶融はんだ槽に20秒間浸漬したが、基板のふくれ
などの異常は見られなかった。厚さ0.8mmで両面に
35μm厚の銅箔を有する銅張積層板の銅箔表面を酸化
還元処理し、その上下に上記エポキシ樹脂プリプレグを
配し、さらに35μm厚の銅箔を配し、成形温度170
℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形すること
により、4層板を得た。この4層板の内層銅箔と外層プ
リプレグ層との接着力を評価した結果、常温下で0.9
kN/m,200℃においては0.55kN/mであっ
た。また得られた銅箔付きガラスエポキシ樹脂積層板の
ガラス転移温度は170℃(TMA法)であった。
【0018】以上の実施例に示したように、本発明の方
法により得られた印刷配線板用エポキシ樹脂プリプレグ
は、プリプレグ表面にジシアンジアミドなどの結晶析出
が少なく、また良好な耐熱性、銅箔接着性、絶縁性を示
している。また、良好な成形性を示し、多層板成形時に
内層導体と外層銅箔との距離を均一に保つことにより、
絶縁信頼性の向上につながる。
【0019】次に、上記実施例に対する比較例を示す。 (比較例1)数平均分子量が340の二官能エポキシ樹
脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量1
70)100重量部、ジシアンジアミド4重量部、硬化
促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.
5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン40重量部、
メチルグリコール40重量部を混合攪拌してエポキシ樹
脂ワニスとした。このワニスを厚さ0.2mmのガラス
織布に含浸し、160℃の乾燥機中で、5分間乾燥して
Bステージ状態のエポキシ樹脂プリプレグとした。得ら
れたエポキシ樹脂プリプレグの表面を顕微鏡観察した結
果、ジシアンジアミドの結晶が観察された。またこの樹
脂粉の硬化時間を170℃の熱盤上で測定したところ、
80秒であった。得られたエポキシ樹脂プリプレグを5
枚重ねその両面に35μmの銅箔を配し、成形温度17
0℃、成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形するこ
とにより、銅箔付きガラスエポキシ積層板を得たが、成
形時の樹脂の流動が非常に大きく、厚さが均一な良好な
積層板は得られなかった。このエポキシ樹脂プリプレグ
を用いた積層板のガラス転移温度は、135℃(TMA
法)であった。
【0020】(比較例2)数平均分子量が340の二官
能エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量170)100重量部、硬化剤としてジシア
ンジアミドを3重量部、硬化促進剤として2−エチル−
4−メチルイミダゾール0.5重量部、溶剤としてメチ
ルエチルケトン40重量部、メチルグリコール30重量
部を混合攪拌してエポキシ樹脂ワニスとした。このワニ
スを厚さ0.1mmのガラス織布に含浸し、160℃の
乾燥機中で、3分間乾燥してBステージ状態のエポキシ
樹脂プリプレグとした。得られたエポキシ樹脂プリプレ
グの表面を顕微鏡観察した結果では、ジシアンジアミド
の結晶はわずかに観察された。この樹脂粉の硬化時間を
170℃の熱盤上で測定したところ、140秒であっ
た。さらに乾燥時間を3分間から15分間まで変化させ
ることにより最低溶融粘度の異なるプリプレグの作製を
試みたが、良好な範囲である50〜100Pa・sのプ
リプレグが得られたのは、乾燥時間6分間の場合であ
る。乾燥時間を6分間とした場合の170℃熱盤上での
硬化時間は30秒であり、多層板成形の際の成形幅は極
めて狭い。乾燥時間3分間で作製したエポキシ樹脂プリ
プレグを用い、厚さ0.4mmでその両面に35μmの
銅箔を有する銅張積層板に回路加工を施したものの両面
に、得られたエポキシ樹脂プリプレグを1枚づつ重ね、
その両面に35μmの銅箔を配し、成形温度170℃、
成形圧力2MPaで60分間加熱加圧成形したが、樹脂
の流動性が大きく良好な4層板は成形できなかった。こ
のエポキシ樹脂プリプレグを用いた積層板のガラス転移
温度は、130℃(TMA法)であった。
【0021】以上の実施例、比較例において用いた測定
方法を以下に示す。銅箔引き剥し強さは、オリエンテッ
ク製テンシロンを用い、10mm幅、引張り速度50m
m/分で90゜方向の引き剥し強さを測定した。最低溶
融粘度は高化式フローテスタを用い、ノズル径0.7m
m、荷重5kg、130℃一定として測定した。プリプ
レグ樹脂粉の硬化時間は、170℃の熱盤上での樹脂の
硬化時間を測定した。
【0022】各実施例、比較例に示したように、本発明
における式1で表される3官能エポキシ樹脂を用いるこ
とにより、成形性が良好であり、高温時の樹脂の強靭性
も大きなプリプレグを得ることができる。これはプリン
ト配線板の小型軽量化、高機能化に有効である。また、
予め3官能エポキシ樹脂とジシアンジアミドとを予備反
応させたものを用いることによりジシアンジアミドの析
出を抑制したプリプレグとすることができる。
【0023】
【発明の効果】式1で表される3官能エポキシ樹脂を用
いてジシアンジアミドとを予備反応させた後のワニスを
用いた印刷配線板用プリプレグは、プリプレグ表面への
ジシアンジアミド結晶の析出が無く、良好な外観を示
す。また多層板成形時の溶融粘度が50Pa・sから1
00Pa・sの範囲に制御しやすく、多層板成形時の樹
脂の溶融による内層板の回路充填性が良好であるばかり
でなく、成形時の樹脂の流動性が多すぎることに起因す
る絶縁層厚さの低下による絶縁信頼性の低下を防止する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 希 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA04 AA07 AB09 AB28 AB29 AD27 AD28 AD29 AE01 AF30 AG03 AG17 AG19 AH02 AH21 AK03 AK14 AL09 AL13 4F100 AB17B AG00A AH02A AH03A AK53A AT00B BA05 BA10A BA10B BA11 BA25A CA02A DG10A DG12A DH01 EJ172 EJ421 EJ422 EJ821 EJ861 GB43 JJ03 YY00A 4J002 CD041 CD051 CD06X CD07X CD121 DL007 ET006 EU118 FA047 FD130 FD14X FD146 FD158 GF00 GQ00 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂を用いる印刷配線板用プリ
    プレグにおいて、式1で示される3官能エポキシ樹脂を
    用いたワニスを、厚さ0.02〜0.40mmのガラス
    織布またはガラス不織布に含浸し、乾燥温度60〜20
    0℃で1〜30分間乾燥することにより得られる印刷配
    線板用プリプレグ。 【化1】 (R0は水素またはハロゲン元素、R、R’、R”は、
    グリシジル基または液状エポキシ樹脂)
  2. 【請求項2】 硬化剤としてフェノールノボラック類を
    用いる請求項1に記載の印刷配線板用プリプレグ。
  3. 【請求項3】 硬化剤としてジシアンジアミドを用いる
    請求項1に記載の印刷配線板用プリプレグ。
  4. 【請求項4】 式1で示される3官能エポキシ樹脂を用
    いたワニスの硬化促進剤としてイミダゾール化合物を用
    いる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷配
    線板用プリプレグ。
  5. 【請求項5】 式1で示される3官能エポキシ樹脂とジ
    シアンジアミドとを予め予備反応させたワニスを用いる
    請求項1、請求項3または請求項4のいずれかに記載の
    印刷配線板用プリプレグ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の印刷配線板用プリプレグを用い積層材料と加熱加圧
    成形して得られる積層体。
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