JP3842735B2 - 真空遮断器の容器部品間の接続部と真空遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は真空電子部品の製造技術の分野に関し、互いに同軸配置された2つの容器部品間に少なくとも1つの接続部を備え、一方の容器部品は中空筒状のセラミック碍管であって他方の容器部品の端面部に接続され、両容器部品間に、セラミック碍管上に載置された心出し手段が配置されている真空遮断器の構成部品の真空封止組立てに際し適用されるものである。
【0002】
真空遮断器の製造に際しては、製造工程の封止段階で所定数の構成部品と構造ユニットを一つの完成品にまとめ上げ、しかもその際形成した容器を排気し、真空封止せねばならない。構成部品と構造ユニットの組立てとそれに続くろう付け工程の際にろう付け用型の使用を減らし、又はそのような型を全く省略し得るよう、複数の構成部品を互いに自己心出し式に配置することは公知である。容器部品として中空筒状のセラミック碍管と特殊鋼からなる2つの端板を備えた真空遮断器は、例えば端板を銅からなる補償層の介在下にセラミック碍管に端面ろう付けで接合し、接合すべき部分の自己心出しのため補償層をセラミック碍管の内側角部を覆う制御遮蔽体と一体に構成し、両部分にセラミック碍管の内表面に接する第1の心出し部と端板を心出しする第2の心出し部を備えている。その際、第1の心出し部は周面に配置され内側に向かうばね性の突出部により形成されている。そのため該突出部は突起状に構成され、馬蹄型の自由孔で取り囲まれる。第2の心出し部は、リング状の心出し用付加部品で形成されている(独国特許出願公開第3628174号明細書)。この公知の構成の変形例では、突起の代わりに制御遮蔽体の周方向に配列した舌片を用いる(独国特許出願公開第3931774号明細書)。この種心出し部材は、軸方向に同軸配置された2つのセラミック碍管を持つ真空遮断器において、碍管の接合領域内に保持される遮蔽体のためにその領域内で自己心出しを行うべく使用できる。それとは別に、リング板状保持部を備えてもよい。遮蔽体との接合のためにリング状付加部品内に位置し、板状領域内で軸方向に整列され、ある方向と他の方向に交互に突出する舌片を備える(独国特許出願公開第3719256号明細書)。
【0003】
セラミック碍管の端面部に遮蔽体又は制御遮蔽体が不要の真空遮断器においては、銅製のリング板状補償層が、セラミック碍管の内側にリング板の心出し用に内側舌片を備え、端板(キャップ)の心出しのために外側舌片を備えることもできる(独国実用新案登録出願公開第8709569号明細書)。
【0004】
更に、金属容器部品を、補償層を用いることなくセラミック碍管に尖端ろう付け(Schneidenloetung)で接続する真空遮断器において、自己心出し手段をろう付け工程によりろう箔が自ら心出し手段として役立つよう連結することも公知である。その際、ろう付け工程は封止ろう付け部を形成する(独国特許第19753031号明細書)。
【0005】
真空遮断器では、セラミック部分を銅材部分に、特に所謂尖端ろう付けで接続するが、銅材部分同士の相互接続又は他の金属部分に接続するろう付け技術を簡単化すべく、固有の接続領域、それに接する領域、場合によっては全領域にも銀層を備える銅材部分を用いることも公知である。この銀層は約800℃のろう付け温度で銅材部分の表面層と共に、同時にろう付け材料でもある共融接合部を形成する。かくして、例えば銅製の容器端板をセラミック碍管と気密にかつ遮蔽体リングと材料結合により接合できる(独国特許第4320910号明細書)。
【0006】
本発明の課題は、真空遮断器の同軸配置された2つの容器部品間の接続部から出発し、該部分の一方が中空筒状のセラミック碍管であって他方の容器部品にその端面で接続され、両容器部品間に、セラミック碍管上に載置されたリング板状の、心出し用鼻状突起を備えた心出し手段が配置されるものにおいて、接続部を心出し手段の製造コスト及びろう付け工程の実施に関し最適化することである。
【0007】
この課題を解決すべく本発明によれば、心出し手段はその内周に、セラミック碍管内に突出し、心出し用鼻状突起を持つ筒状部を備え、該突起は同軸配置列の軸方向に延び、心出し手段のリング板状領域に対向する舌片として構成され、更に心出し手段は銀被覆を施した銅部分からなり、該手段は真空遮断器内で遮蔽体として働き、かつその心出し手段に接続された筒状の銅部分で覆われる。
【0008】
このように構成した心出し手段の構成において、心出し手段はろう箔として、また心出し領域を覆い、それに伴い心出し領域を電界の影響下にある遮蔽体の心出し領域のための保持手段として働く。心出し手段は特殊鋼製の容器部品を用いる場合、同時に補償層を形成する。その際、リング板状領域に対し設けられ、軸方向に延びる舌片状の心出し用鼻状突起を備えた筒状部の配置は、逆鉤状の、即ち心出し手段のセラミック碍管への確実な係止を可能にする。
【0009】
本発明による接続部における第2の容器部品は、第1の容器部品に尖端ろう付けにより接続される金属端板であり得る。そのため端板は、リング板状心出し手段の外周に配置され、同軸配置列の軸方向に延びる筒状部により心出しされる。他方、リング板状心出し手段の内周部に設けた筒状部は、遮蔽体として働く銅部分の心出しのため、舌片として構成される心出し用鼻状突起を備える。この際、遮蔽体として用いられる銅部分が、ろう付け工程後、銀被覆を施した舌片を経て心出し手段で保持される。その場合、銅部分は、各銅部分を筒状真空遮断器の上端、下端のいずれに配置されるかに応じ、その一端の電界制御用拡張部により心出し手段に吊り下げるか、対応する端板上に載置するかして配置される。
【0010】
端板としての第2の容器部品の構成では、端板の心出しのため、心出し手段に接続され遮蔽体として働く銅部分を用いる。該部分は円弧状のカラー部を備え、その部分に端板がその側壁部と平面部で当接する。
【0011】
本発明による接続部では、第2の容器部品も中空筒状のセラミック碍管であり、遮蔽体として働く銅部分は真空遮断器の主遮蔽体を形成する。その際、本発明の拡張に従い、両セラミック碍管の接合のため、2つのリング板状心出し手段を互いに鏡面対称に配置し、主遮蔽体を両心出し手段の筒状部にぴったり合うように接触させ、リング状段付部によって一方の筒状部上に載置する。
【0012】
本発明に従って構成した接続部は、真空遮断器での本発明の更なる拡張において、低圧、中圧及び高圧のための適用領域に応じ、単独又は複数で、又は共通に使用され、また遮蔽体を含む容器の組立て構造に大きな特徴を与える。
【0013】
本発明に従い3つの接続部で形成した真空遮断器の一実施形態を図1〜7に示し、接続部の他の実施形態を図8に示す。
【0014】
図1は、同軸配置した2つの中空筒状のセラミック碍管2、3及び2つの端板4、5を備えた真空遮断器の容器1を示す。電流通流導体6、7を経て、詳細には図示しない接点装置に電流が導かれる。容器の一部には、一端が端板4、他端が電流通流導体6にろう付けされたベローズ8を備える。
【0015】
容器内に、主遮蔽体9と、遮蔽要素としての上端部および下端部遮蔽体10、11とを配置している。容器1は、端板4をセラミック碍管2に、両セラミック碍管2、3同士を互いに、そして端板5をセラミック碍管3に接続する3つの接続部12〜14を持つ。各接続部の形成のため、次に詳細に説明する心出し手段を用いる。
【0016】
両接続部12、14のために心出し手段15を用いる。該手段15は、図2〜4によればリング板状に形成され、軸心に対し垂直方向に拡がるリング板状領域24、その外周部に設けられ軸方向に延びる筒状部16及び内周部に設けられ筒状部16とは反対側に筒状に延びる筒状部17を備える。筒状部17は、周方向に3等分に分布して配置され、外側に向かい約40°の角度αに切り起こされた舌片の形の心出し用鼻状突起18を備える。この突起18の先端は、リング板状領域24に対向する。また筒状部17は、周方向に見て鼻状突起18間に均等配置された切り起こしよる舌片の形の心出し用鼻状突起19を備える。この心出し用鼻状突起19は、内側に向かい約13°の角度βに形成され、その先端がリング板状領域24とは反対側に向いている。
【0017】
心出し手段のこの構成では、突起18が対応するセラミック碍管内での心出し手段15の心出し、心出し用鼻状突起19が心出し手段に属する遮蔽体部材の心出、筒状部16が対応する端板の心出しに各々役立つ。筒状部17と遮蔽体部材間の対応する適合作業では、心出し用鼻状突起19を省略することもできる。
【0018】
図5は、セラミック碍管2に対する心出し手段15と、該手段に対する端板4と上端部遮蔽体10の配置構成を示す。図5では、突起18のみが目視できる。
【0019】
図6はセラミック碍管3に対する心出し手段15の配置構成と、該手段に対する端板5及び端部遮蔽体11の配置構成を示す。ここには、端部遮蔽体11の心出しのために用いる心出し用鼻状突起19を示している。
【0020】
図7では、接続部13に対し2つの心出し手段21を用いている。該手段21は、原理的に心出し手段15と同じ構成であるが、筒状部16と舌片19は備えていない。両心出し手段21は、筒状部26が互いに逆向きに延びるよう、そのリング板状領域を背中合わせに配置している。両筒状部に主遮蔽体9が当接し、主遮蔽体9はリング状段付部22を備え、該段付部22により上部心出し手段21の筒状部の端縁上に載置される。
【0021】
図8では、セラミック碍管2と、平面部28及び側壁部29からなる端板4との間に、接続部に対する心出し手段として、図7の手段21と同様に構成した心出し手段21を設けている。該手段21の筒状部26は切り起こしによる、整列した舌片27を備える。心出し手段21に、外側に向かい円弧状に形成したカラー部31を持つ端部遮蔽体30を保持している。カラー部31で、端板4をセラミック碍管2に対し心出しする。カラー部31は、端板4が筒状側壁部29、場合によっては平面部28でも、カラー部31に当接するよう構成する。
【0022】
図示の実施形態では、主遮蔽体9、端部遮蔽体10、11、30及び端板4、5は銅からなる。心出し手段15、21も同様に銅からなるが、全面に銀層23の被覆を備える。該銀層23で、真空遮断器の封止ろう付け時に主遮蔽体9と端部遮蔽体10、11、30も心出し手段15、21に材料接合的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中電圧領域用真空遮断器の容器を示す縦断面図。
【図2】 図1の容器の、セラミック碍管と端板の心出しに用いる心出し手段の平面図。
【図3】 図1の容器の、セラミック碍管と端板の心出しに用いる心出し手段の断面図。
【図4】 図1の容器に用いる心出し手段を、図3と別の周方向位置から見た断面図。
【図5】 吊り下げ配置された遮蔽体部材を備えた接続部の縦断面図。
【図6】 立設配置された遮蔽体部材を備えた接続部の縦断面図。
【図7】 主遮蔽体を備えた2つのセラミック碍管の間の接続部を示す縦断面図。
【図8】 端板心出し遮蔽体を用いるセラミック碍管及び端板の接続部を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 容器、2,3 セラミック碍管、4,5 端板、6、7 電流通流導体、8 ベローズ、9〜11 遮蔽体、12〜14 接続部、15 心出し手段、16,17 筒状部、18,19 心出し用鼻状突起、21 心出し手段、22 リング状段付部、23 銀層、24 リング板状領域、26 筒状部、27 舌片、28 平面部、29 側壁部、30 端部遮蔽体、31 カラー部

Claims (11)

  1. 端面側で互いに接続され、かつ同軸配置された真空遮断器のセラミック碍管の接続部であって
    2つのセラミック碍管(2、3)間に、セラミック碍管(3)上に載置された2つの心出し手段(21)が対象的に配置され、
    これら手段は各々リング板状に形成され、そして内周部に、各々筒状をなし、各セラミック碍管内に突出する、心出し用鼻状突起(18)を有する筒上部(26)を備え、
    かつ記突起(18)は、同軸配置列の軸上において各心出し手段(21)のリング板状領域(24)に向かって延びており
    更に、前記心出し手段は銀被覆(23)を施した銅部分を備え、筒状をなし、真空しゃ断器管の内部で遮蔽体(9)として働き、かつリング状段付部(22)を備えた銅部分(9)が2つの筒状部(26)の一方の上に延びる真空遮断器の容器部品間の接続部。
  2. 遮蔽体として役立つ銅部分(9)が真空遮断器の主遮蔽体を形成し、主遮蔽体(9)は両心出し手段の筒状部(26)にぴったり当接することを特徴とする請求項1記載の接続部。
  3. 真空遮断器の中空円筒状のセラミック碍管(2)と金属端板(4)との間の接続部(12)であって、
    セラミック碍管(2)の端面側に端板(4)が結合されており、
    セラミック碍管(2)と端板(4)の間に、セラミック碍管状に設けられた心出し手段(15)が配置されており、
    該手段はリング円板状に形成されていて、筒状をなし、セラミック碍管内に延びかつ心出し用鼻状突起(18)を備えた筒状部(7)を有し、
    心出し用鼻状突起(18)は、同軸配置の軸方向において心出し手段のリング状領域(24)に向かって延びており、かつ金属端板(4)は、リング状円板の外周に配置され、同軸配置の軸方向に延びる筒状部(16)を用いて心出しされており、更に
    心出し手段(15)は銀層(23)で被覆された銅部分からなり、
    筒状をなし、真空遮断管の内部で遮蔽体(10)として役立つ銅部分が心出し手段(15)に吊り下げ配置されたことを特徴とする請求項1記載の接続部。
  4. 真空遮断器の中空円筒状のセラミック碍管(2)と金属端板(5)との間の接続部(12)であって、
    セラミック碍管(3)の端面に金属端板(5)が同軸配置で結合されており、
    セラミック碍管(3)と端板(5)との間に心出し手段(15)が配置され、
    該手段(15)はリング円板状に形成されると共に、その内周部に、円筒状をなし、セラミック碍管内に突出しかつ心出し手段(18)を備えた筒状部(17)を有し、
    心出し手段(18)は、同軸配置の軸方向において心出し手段のリング円板状領域(24)に向かって突出し、そして
    金属端板(5)が、リング円板状の心出し手段(15)の外周に配置され、同軸配置の軸方向に突出する筒状部(16)により心出しされ、更に
    心出し手段が銀被覆(23)を有する銅部分からなり、真空遮断管内で遮蔽(11)として役立つ筒状銅部分(11)が金属端板(5)上に立設配置されたことを特徴とする接続部。
  5. リング円板状の心出し手段の内周に設けられた筒状部(17)が、遮蔽体(10)として役立つ銅部分(10)の心出しのために、心出しのための他の舌片(19)を有することを特徴とする請求項又は記載の接続部。
  6. 心出し手段(15)と結合され、遮蔽体として役立つ銅部分が、端板の心出しのための、円弧状に形成されたカラー部を有することを特徴とする請求項3から5の1つに記載の接続部。
  7. 金属端板(4)が尖端ろう付けにより第1の容器部分(2)と結合された請求項3から5の1つに記載の接続部
  8. 接点装置を取り囲む中空筒状の容器部品(2、3)を含む容器と、前記両容器部品に同軸的に配置された2つの端板(4、5)とを備え、
    前記中空筒状容器部品は少なくとも1つのセラミック碍管(2)を備え、端板(4、5)を接点装置に導かれる接続導体(6、7)が貫通しており、
    少なくとも一方の端板(4)は中空筒状の容器部品(2)に尖端ろう付けによって接続され、
    前記容器の内に配置された少なくとも1つの遮蔽体を備える真空遮断器において、
    請求項又は記載の尖端ろう付けにより特徴付けられる接続部(12)が形成されたことを特徴とする真空遮断器。
  9. 前記接続部(14)が請求項記載の特徴に従って構成されたことを特徴とする請求項記載の真空遮断器。
  10. 更なる接続部(12)が請求項4記載の特徴に従い構成されたことを特徴とする請求項9記載の真空遮断器。
  11. 更なる接続部(12)が請求項1記載の特徴に従い構成されたことを特徴とする請求項から10の1つに記載の真空遮断器。
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