JP3842118B2 - 車両の車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に同乗者が心地好く乗車できる車両の車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の車体構造としては、例えば、特開平6−48343号公報「スクータ型車両」に記載されたものが知られている。
同公報の図2及び図3には、車体の後部側部を覆うリヤカバー94(同公報に記載されている符号を使用した。以下同様。)の側面に補助足置台96,96を形成し、これらの補助足置台96,96の近傍に補助足置台96,96に沿ってそれぞれ凹部114,114を形成した車両が記載されている。
この凹部114によって、リヤカバー94の内側における凹部114と動力ユニット32との隙間が少なくなり、排気管44からの熱気がリヤカバー94内へ入りにくくする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両の走行中、例えば、夏季の市街を低速で走行しなければならない場合などには、乗員に走行風が十分に当たらず、不快感を感じることがある。特に後席の同乗者にとってはなおさらである。このような場合に、車体の一部を利用して走行風をできるだけ効率的に体に当てることができれば、不快感を減らすことができる。
上記した車両の凹部114の位置は補助足置台96とほぼ同じ高さにあり、丁度同乗者の靴の位置に相当する。従って、この凹部114で走行風をコントロールして同乗者の体に当てるのは難しい。
【0004】
そこで、本発明の目的は、車両の車体構造を改良することで、特に同乗者が心地好く乗車できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、タンデムシートの下方にボディカバーを配置し、このボディカバーの下方に、タンデムシートの後部に着座した同乗者が足を載せる同乗者用ステップを設けた車両において、ボディカバー側面のタンデムシート近傍であって、前席前端下方から後席下方に至るまで後上方に向かって延び、ボディカバーに後上がりに設けた稜線に繋がる凹部を形成したことを特徴とする。
【0006】
同乗者用ステップの上方のボディカバー側面に凹部を形成したことで、凹部に通風することができ、タンデムシートの後部に着座した同乗者の足の内側に風を十分に当てることができて、同乗者に清涼感を感じさせることができ、心地好い乗車を可能にさせる。
また、三角形状の凹部と稜線とが自然に繋がるとともに稜線によって凹部を引き立たせることができ、ボディカバーの外観性をより一層向上させることができる。
【0007】
請求項2は、凹部を、側面視で後上方に向けて幅を狭くした三角形状にしたことを特徴とする
凹部を側面視で後上方に向けて幅を狭くした三角形状にしたことで、ボディカバーの外観性をより強調することができ、シャープな印象を与えることができる。
【0008】
請求項3は、凹部を、後席に着座したときの同乗者の足の内側に配置したことを特徴とする。
凹部によって、同乗者の足の内側に走行風を当てることができ、運転者の後方で上半身等に走行風が当たりにくい同乗者に清涼感を感じさせることができる。
【0009】
請求項4は、ボディカバーの後端部にテールランプユニットを配置し、このテールランプユニットの後端を後上方に向けて幅を狭くしたV字状に形成したことを特徴とする。
【0010】
凹部のV字状の後端とテールランプユニットのV字状の後端とをそれぞれ強調させることができるとともに、凹部のV字状の後端とテールランプユニットのV字状の後端とを調和させることができ、車体側面の外観性をより魅力あるものにすることができる。
【0011】
請求項5は、ボディカバーに、後端に後上方に向けて幅が狭くなる三角形状部を形成し、この三角形状部を、側面視でテールランプユニットに設けたウインカーのバルブにラップする如く構成したことを特徴とする。
【0012】
ボディカバーの三角形状部を強調させることができるとともに、凹部のV字状の後端及びテールランプユニットのV字状の後端に、ボディカバーの三角形状部をも同調させることができ、車体側面として統一したより好印象を与えるデザインとすることができる。また、ボディカバーの三角形状部でウインカーのバルブを保護することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体構造を採用した車両の斜視図であり、車両としての自動二輪車10は、各部のデザインに統一性を持たせることで、これまでの二輪車、特にスクータ型車両には乏しかった精悍で、シャープな外観性を強くアピールするとともに、特徴ある機能をも付加した車両である。
【0014】
即ち、ハンドル11を覆うハンドルカバー12、フロントフォーク13の上部を覆うフロントカバー14、フロントカバー14に埋め込んだヘッドランプ15及びフロントウインカー16,16(片側のフロントウインカー16は不図示)、前輪17の上部を覆うフロントフェンダ18、運転者が足を載せるステップフロア21、タンデムシート22、タンデムシート22の下方を覆うボディカバー23、ボディカバー23の後方に配置したテールランプユニット(不図示)、タンデムシート22の後部に着座する同乗者が握るためにタンデムシート22の後方に配置したリヤグリップ24が上記したデザインの統一性及び特徴ある機能の付加の対象となる部品である。なお、ボディカバー23の後述する凹部23aには、その形状の理解を容易にするためにハッチングを施した。(以下、図6及び図7も同様。)
【0015】
図2は本発明に係る自動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、車体フレーム31の前端に取付けたヘッドパイプ32と、このヘッドパイプ32に回転可能に取付けたフロントフォーク13と、このフロントフォーク13の下端に取付けた前輪17と、この前輪17を覆うフロントフェンダ18と、フロントフォーク13の上部に取付けたハンドル11と、このハンドル11を覆うハンドルカバー12と、フロントフォーク13の上部を覆うフロントカバー14と、フロントカバー14の前面とレンズ面とがほぼ連続な連続面となるように配置したヘッドランプ15と、同じくフロントカバー14の前面とレンズ面がほぼ連続な連続面となるように配置したフロントウインカー16,16(奥側のフロントウインカー16は不図示)と、フロントカバー14の側部後部に設けたレッグシールド33とからなる。
【0016】
また、自動二輪車10は、レッグシールド33の後部に取付けたフロントインナカバー34と、これらのレッグシールド33及びフロントインナカバー34の下部後方に配置したステップフロア21と、このステップフロア21の後上方の車体を覆うボディカバー23と、このボディカバー23の上方に配置したタンデムシート22と、このタンデムシート22の後方に配置したリヤグリップ24と、ボディカバー23の後方に配置したテールランプユニット35と、ボディカバー23の後部下方に取付けたリヤフェンダ36と、上記ステップフロア21の後部に取付けた収納可能な同乗者用ステップ37と、ステップフロア21の下部を覆うロアカバー38とからなる。
【0017】
更に、自動二輪車10は、車体フレーム31の中央部下部にスイング可能に取付けたスイング式のパワーユニット41と、このパワーユニット41の後部に取付けた後輪42と、パワーユニット41の後端及び車体フレーム31の後部にそれぞれ端部を取付けたリヤクッションユニット43と、パワーユニット41の下方に配置したスタンド44とからなる。
【0018】
ここで、51はラジエータ、52はラジエータ用ファン、53は冷却水のリザーバタンク、54・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)はロアカバー38に設けた通風口、55はバッテリ、56は点火プラグメンテナンス用リッド、57はキャブレタ、61はエアクリーナ、62は燃料タンク、63はヘルメット等を収納する収納ボックス、64,64はバックミラー、65,66はブレーキレバー(奥側のブレーキレバー66は不図示)、67はパワーユニット41の前部を構成するエンジン、67a,67b,67cはエンジン67を構成するシリンダ部、シリンダヘッド、ヘッドカバー、68はクランク軸である。
【0019】
図3は本発明に係る車両における車体前部構造の要部を示す側面図であり、車体前部のフロントカバー14の前面14aとヘッドランプ15のレンズ面15aとをほぼ段差なく連続させた連続面とし、フロントカバー14の前面14aを、ヘッドランプ15より上方に位置するカバーアッパ面14bとヘッドランプ15より下方に位置するカバーロア面14cとから構成し、ヘッドランプ15のレンズ面15aを上下に、鉛直線に対する傾斜角θ1をフロントカバー14のカバーアッパ面14bとほぼ同一にしたランプアッパ面15bと、このランプアッパ面15bよりも鉛直線に対する傾斜角θ2を小さくしたレンズロア面15cとから構成し、これらのレンズアッパ面15bとレンズロア面15cとの境界を屈曲点15dとしたことを示す。
【0020】
フロントカバー14のカバーロア面14cは、上部にヘッドランプ15の下縁に沿う凹部14dを形成した部分である。
フロントカバー14はレッグシールド33と一体成形したものである。
【0021】
フロントカバー14の下方に配置したフロントフェンダ18は、側面視で、その上縁18a(即ち、輪郭である。)を、上記したカバーアッパ面14b及びレンズアッパ面15bの輪郭とほぼ平行に形成した部材である。
【0022】
フロントカバー14の上方に配置したハンドルカバー12は、側面視で、その前面12aの輪郭を、上記したカバーロア面14cの凹部14dを除いた先端部14eの輪郭にほぼ平行に形成した部材である。なお、71はスピードメータ、燃料計等のメータ、72はメータ71の前方を覆うためにハンドルカバー12に一体に成形したメータバイザ、73は買物袋等を吊すフック(いわゆるコンビニフック)である。
【0023】
図4は本発明に係る車両における車体前部構造の要部を示す正面図であり、ヘッドランプ15の下縁15e及びフロントウインカー16,16の下縁16a,16aをそれぞれV字状に形成し、フロントカバー14の凹部14dをヘッドランプ15の下縁15eに沿ってV字状に形成し、フロントカバー14のカバーロア面14c(ヘッドランプ15及びフロントウインカー16,16の両方より下側の前面14aである。)に設けた稜線14fをV字状に形成したことを示す。
【0024】
また、図では、ハンドルカバー12に、メータバイザ72を区画する溝部12bをV字状に形成し、ハンドルカバー12自体の下縁12cをもV字状に形成したことを示す。
【0025】
ヘッドランプ15は、レンズ面15aを、カットを施したカット面15fとカットを施していないほぼ円形のクリア面15gとから形成したものであり、下部の三角形状のカット面15fに対応する部分にポジションランプ74を付設する。なお、15hは屈曲点15dを通る稜線であり、この稜線15hを境にしてレンズ面15aは屈曲する。
【0026】
図5は図4の5−5線断面図であり、ヘッドランプ15は、ハウジング76と、このハウジング76内に取付けたリフレクタ77と、このリフレクタ77のほぼ中央部に取付けたヘッドランプ用バルブ78と、ハウジング76の前部に取付けたレンズ81とからなり、ハウジング76の下部にポジションランプ74用のポジションランプ用バルブ82を取付けるとともにリフレクタ77の下部にポジションランプ用リフレクタ83を一体成形したものである。なお、85,86はヘッドランプ用バルブ78に通電するためのケーブル及びコネクタ、87はハウジング76の後部に取付けたシールラバーである。
【0027】
レンズ81のレンズ面15aに設けた屈曲点15dは、リフレクタ77のほぼ上縁77aの高さ位置に設けたものであり、リフレクタ77で反射した光のほとんどをレンズロア面15cを透過させることで、車体前方に照射する光量を確保するようにした。
【0028】
図6は本発明に係る車両における車体の側面図であり、ボディカバー23の側面に、後上方に向けて幅を狭くした三角形状の凹部23aを形成し、この凹部23aの最後部に、ボディカバー23に後上がりに形成した稜線23bの前端を繋げたことを示す。
凹部23aは、図2において、同乗者用ステップ37の上方に配置した部分である。
【0029】
図6に戻って、ボディカバー23は、後端に後上方に向けて幅を狭くした三角形状部としての延出部23cを形成したものである。
ボディカバー23の後方に配置したテールランプユニット35は、ストップランプ91と、このストップランプ91の両側に配置したリヤウインカー92,92(奥側のリヤウインカー92は不図示)とからなる。
【0030】
ストップランプ91は、レンズ91aの後端縁(即ち、レンズ面である)91bを側面視で後上方に向けて幅が狭くなるように略横向きV字状に形成した部品である。
リヤウインカー92は、レンズ92aの後端縁(即ち、レンズ面である)92bを側面視で後上方に向けて幅が狭くなるように略横向きV字状に形成した部品である。
【0031】
タンデムシート22は、前半の運転者用シート95と後半の同乗者用シート96とからなり、同乗者用シート96の座面96aとリヤグリップ24の後部上面24aとをほぼ同じ高さにしたものである。
【0032】
以上に述べたボディカバー23の凹部23aの作用を次に説明する。
図7は本発明に係る車両における車体の凹部の作用を説明する作用図であり、例えば、夏季の市街を低速で走行する場合などでも、凹部23aによって、同乗者98の脚部、特に膝下部分の内側に十分な走行風(走行風は矢印の向きに流れる)を当てることができ、運転者の後方で上半身等に走行風が当たりにくい同乗者98に清涼感を感じさせることができる。
【0033】
図8は本発明に係る車両における車体の後部要部を示す斜視図であり、ボディカバー23の後方に大型のリヤウインカー92,92(奥側のリヤウインカー92は不図示)を配置した状態を示す。
【0034】
図6に戻って、リヤウインカー92は、側面視で、ボディカバー23の延出部23cとストップランプ91との間に位置し、しかもボディカバー23の略横向きV字状の延出部23c及びストップランプ91の略横向きV字状の後端縁91bに対して、このリヤウインカー92の後端縁92bを同様に略横向きのV字状としたため、ボディカバー23の延出部23cとストップランプ91との間で極めて大きな面積を占有することができる。
【0035】
図9は本発明に係る車両における車体の後部要部の側面図であり、ボディカバー23の延出部23cを側面視でリヤウインカー92のウインカー用バルブ101にラップする如くに形成したことを示す。
【0036】
リヤウインカー92は、着色していない透明又は半透明のレンズ92aを採用するため、側面視でウインカー用バルブ101の全体が見えないようにして外観性を向上させるとともに、ウインカー用バルブ101の全体を隠さないようにし且つレンズ面積を大きくすることで光量の低下を防止して遠方からの視認性を向上させる。
【0037】
図10は本発明に係る車両における車体の後部を示す背面図であり、ストップランプ91のレンズ91a下部の後面側縁91c,91cを下方に向って幅広になるように形成することで、後面視でのレンズ91aの面積をより拡大して後方からの視認性を向上させたものである。
【0038】
図11は本発明に係る車両における車体の後部を示す斜視図であり、リヤグリップ24をボディカバー23を介して車体フレーム31(図2参照)側に3ヶ所でボルト104・・・にて取付けたことを示す。なお、タンデムシート22の後部でハッチングを施した部分は後述する三角形状部22cである。
【0039】
リヤグリップ24は、V字状の幅広部24bと、この幅広部24bの端からそれぞれ延ばした細身の延長部24c,24cとからなり、特に延長部24c,24cは同乗者の側方に位置するため容易に手を掛けることができる。
【0040】
図12は本発明に係る車両における車体後部の平面図であり、タンデムシート22の後部、即ち同乗者用シート96の後部を平面視で三角形状に後方へ突出させるとともに、リヤグリップ24を平面視でタンデムシート22の後部形状とほぼ同一な形状に形成したことを示す。
【0041】
即ち、タンデムシート22の後縁22aをV字状に形成するとともにリヤグリップ24の中央前縁24dをタンデムシート22の後縁22aとほぼ同一なV字状に形成する。
【0042】
更に、タンデムシート22の側縁22b,22bを後方に向けて幅を狭くするとともにリヤグリップ24の端部前縁(即ち、延長部24c,24cの内縁である。)24e,24eをタンデムシート22の側縁22b,22bとほぼ同一に後方に向けて幅を狭くする。
【0043】
タンデムシート22の後部にはハッチングを施した三角形状部22cができるから、同乗者用シート96の面積を拡大することができ、同乗者が座り易くなる。また、荷物を積むにも都合がいい。
【0044】
また、リヤグリップ24の後縁24f、ボディカバー23の後端縁23d、ストップランプ91の上面後端縁91d及びテールランプユニット35の後端縁35a(この後端縁35aは、平面視でストップランプ91の上面後端縁91dとリヤウインカー92,92の上面後端縁とを合わせた部分である。)をも後方に向って幅が狭くなるように形成する。
【0045】
このように、タンデムシート22の後縁22a、リヤグリップ24の中央前縁24d及び後縁24f、ボディカバー23の後端縁23d、ストップランプ91の上面後端縁91d及びテールランプユニット35の後端縁35aをそれぞれV字状に形成することで、統一あるデザインとすることができ、車体後部のデザインとして好印象を与えることができる。
【0046】
図13は本発明に係る車両における車体後部の作用を説明する作用図であり、タンデムシート22の同乗者用シート96の座面96aとリヤグリップ24の後部上面24aとに長尺の荷物106を積み、ロープ107で固定したことを示す。
このように、同乗者用シート96の座面96aとリヤグリップ24の後部上面24aとをほぼ同一な高さにすれば、荷物106を安定して積むことができる。
【0047】
図14(a)〜(c)は本発明に係る車両における車体の荷物収納構造を説明する説明図であり、(a)は自動二輪車10の車体中央部、即ちステップフロア21を説明する斜視図であり、ステップフロア21の上面に上部リッド111を設け、ステップフロア21下のロアカバー38に下部リッド112を設けて、ステップフロア21内に設けた収納スペース(以下で詳述する。)を利用可能にしたことを示す。
【0048】
(b)はステップフロアの横断面図であり、ステップフロア21の中央部では、車体フレーム31とこの車体フレーム31の下部に取付けたサブフレーム114,114を三角形の各頂点に配置した構造であるため、これらの車体フレーム31及びサブフレーム114,114の間の中央スペース115に、例えば、ラジエータ51等の機能部品を配置し、中央スペース115の側方に収納スペース116を形成し、この収納スペース116に、例えば、汚れても差し支えない盗難防止部材117を収納することを示す。
上部リッド111はステップフロア21に脱着自在とし、下部リッド112はロアカバー38に開閉可能とした部材である。
【0049】
盗難防止部材117は、例えば、サブフレーム114に一端を連結し、他端をガードレール、電柱、ポール等の車外設置部材に連結可能なものである。これにより、盗難防止部材117を使用する場合には、盗難防止部材117の他端のみを連結すればよく、連結作業を容易に行うことができ、また、盗難防止部材117の一端を車体側に連結しておくことで、盗難防止部材117が紛失するのを防止することができる。盗難防止部材117としては、チェーン式、ワイヤ式のものが好適である。
(c)は下部リッド112の斜視図であり、下部リッド112は本体121とこの本体121の内側端部に取付けた側壁122,122とからなる。
【0050】
以上の図7で説明したように、本発明は第1に、タンデムシート22の下方にボディカバー23を配置し、このボディカバー23の下方に、タンデムシート22の後部に着座した同乗者98が足を載せる同乗者用ステップ37を設けた自動二輪車10において、同乗者用ステップ37の上方のボディカバー23の側面に凹部23aを形成したことを特徴とする。
【0051】
同乗者用ステップ37の上方のボディカバー23の側面に凹部23aを形成したことで、凹部23aに通風することができ、タンデムシート22の後部に着座した同乗者98の足の内側に風を十分に当てることができて、同乗者98に清涼感を感じさせることができ、心地好い乗車を可能にさせる。
【0052】
本発明は第2に、図6で説明したように、凹部23aを、側面視で後上方に向けて幅を狭くした三角形状にしたことを特徴とする
凹部23aを側面視で後上方に向けて幅を狭くした三角形状にしたことで、ボディカバー23の外観性をより強調することができ、シャープな印象を与えることができる。
【0053】
本発明は第3に、凹部23aの最後部を、ボディカバー23に後上がりに設けた稜線23bに繋げることを特徴とする
三角形状の凹部23aと稜線23bとが自然に繋がるとともに稜線23bによって凹部23aを引き立たせることができ、ボディカバー23の外観性をより一層向上させることができる。
【0054】
本発明は第4に、ボディカバー23の後端部にテールランプユニット35を配置し、このテールランプユニット35の後端を側面視で後上方に向けて幅を狭くしたV字状に形成したことを特徴とする。
凹部23aのV字状の後端とテールランプユニット35のV字状の後端とをそれぞれ強調させることができるとともに、凹部23aのV字状の後端とテールランプユニット35のV字状の後端とを調和させることができ、車体側面の外観性をより魅力あるものにすることができる。
【0055】
本発明は第5に、図6及び図9で説明したように、ボディカバー23に、後端に後上方に向けて幅が狭くなる延出部23cを形成し、この延出部23cを、側面視でテールランプユニット35に設けたリヤウインカー92のバルブ101にラップする如く構成したことを特徴とする。
【0056】
ボディカバー23の延出部23cを強調させることができるとともに、凹部23aのV字状の後端及びテールランプユニット35のV字状の後端に、ボディカバー23の延出部23cをも同調させることができ、車体側面として統一したより好印象を与えるデザインとすることができる。また、ボディカバー23の延出部23cでリヤウインカー92のバルブ101を保護することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両の車体構造は、ボディカバー側面のタンデムシート近傍であって、前席前端下方から後席下方に至るまで後上方に向かって延び、ボディカバーに後上がりに設けた稜線に繋がる凹部を形成したので、凹部に通風することができ、タンデムシートの後部に着座した同乗者の足の内側に風を十分に当てることができて、同乗者に清涼感を感じさせることができ、心地好い乗車を可能にさせる。
また、三角形状の凹部と稜線とが自然に繋がるとともに稜線によって凹部を引き立たせることができ、ボディカバーの外観性をより一層向上させることができる。
【0058】
請求項2の車両の車体構造は、凹部を、側面視で後上方に向けて幅を狭くした三角形状にしたので、ボディカバーの外観性をより強調することができ、シャープな印象を与えることができる。
【0059】
請求項3の車両の車体構造は、凹部を、後席に着座したときの同乗者の足の内側に配置したので、凹部によって、同乗者の足の内側に走行風を当てることができ、運転者の後方で上半身等に走行風が当たりにくい同乗者に清涼感を感じさせることができる。
【0060】
請求項4の車両の車体構造は、ボディカバーの後端部にテールランプユニットを配置し、このテールランプユニットの後端を側面視で後上方に向けて幅を狭くしたV字状に形成したので、凹部のV字状の後端とテールランプユニットのV字状の後端とをそれぞれ強調させることができるとともに、凹部のV字状の後端とテールランプユニットのV字状の後端とを調和させることができ、車体側面の外観性をより魅力あるものにすることができる。
【0061】
請求項5の車両の車体構造は、ボディカバーに、後端に後上方に向けて幅が狭くなる三角形状部を形成し、この三角形状部を、側面視でテールランプユニットに設けたウインカーのバルブにラップする如く構成したので、ボディカバーの三角形状部を強調させることができるとともに、凹部のV字状の後端及びテールランプユニットのV字状の後端に、ボディカバーの三角形状部をも同調させることができ、車体側面として統一したより好印象を与えるデザインとすることができる。また、ボディカバーの三角形状部でウインカーのバルブを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体構造を採用した車両の斜視図
【図2】本発明に係る自動二輪車の側面図
【図3】本発明に係る車両における車体前部構造の要部を示す側面図
【図4】本発明に係る車両における車体前部構造の要部を示す正面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】本発明に係る車両における車体の側面図
【図7】本発明に係る車両における車体の凹部の作用を説明する作用図
【図8】本発明に係る車両における車体の後部要部を示す斜視図
【図9】本発明に係る車両における車体の後部要部の側面図
【図10】本発明に係る車両における車体の後部を示す背面図
【図11】本発明に係る車両における車体の後部を示す斜視図
【図12】本発明に係る車両における車体後部の平面図
【図13】本発明に係る車両における車体後部の作用を説明する作用図
【図14】本発明に係る車両における車体の荷物収納構造を説明する説明図
【符号の説明】
10…車両(自動二輪車)、22…タンデムシート、23…ボディカバー、23a…凹部、23b…稜線、23c…三角形状部(延出部)、35…テールランプユニット、37…同乗者用ステップ、92…リヤウインカー、95…前席(運転者用シート)、96…後席(同乗者用シート)、98…同乗者、101…バルブ(ウインカー用バルブ)。
Claims (5)
- タンデムシートの下方にボディカバーを配置し、このボディカバーの下方に、前記タンデムシートの後部に着座した同乗者が足を載せる同乗者用ステップを設けた車両において、
前記ボディカバー側面の前記タンデムシート近傍であって、前席前端下方から後席下方に至るまで後上方に向かって延び、前記ボディカバーに後上がりに設けた稜線に繋がる凹部を形成したことを特徴とする車両の車体構造。 - 前記凹部は、側面視で後上方に向けて幅を狭くした三角形状であることを特徴とする請求項1記載の車両の車体構造。
- 前記凹部は、前記後席に着座したときの前記同乗者の足の内側に配置されることを特徴とする請求項1記載の車両の車体構造。
- 前記ボディカバーの後端部にテールランプユニットを配置し、このテールランプユニットの後端を側面視で後上方に向けて幅を狭くしたV字状に形成したことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両の車体構造。
- 前記ボディカバーは、後端に後上方に向けて幅が狭くなる三角形状部を形成したものであり、この三角形状部は、側面視で前記テールランプユニットに設けたウインカーのバルブにラップする如く構成したものであることを特徴とする請求項4記載の車両の車体構造。
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