JP3838482B2 - 出力回路および入力回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体集積回路の入出力回路に適用して有用な技術に関し、特に、ゲート耐圧の低い素子の形成技術を使用して外部電源電圧がゲート耐圧よりも高い半導体デバイスを形成する場合に利用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば0.18μmCMOSプロセスなどの微細化プロセスを利用した半導体デバイスが主流になりつつある。微細化プロセスでは1.8V系の素子と3V系の素子とが形成可能であり、例えば微細化プロセスで形成される半導体メモリなどではメモリセルとその周辺回路部に1.8V系の素子が使用され、入出力回路部に3V系の素子が使用される。
【0003】
一方、産業用途に用いられるようなデバイスは外部電源電圧5V±10%といった仕様が主流であるが、このような仕様のデバイスも微細化プロセスにより形成したいという要求がある。微細化プロセスによればチップサイズの低減が図れることに加え、主流になりつつある0.18プロセスの製造工程で外部電源電圧5V仕様のデバイスを製造することができれば、互いの製造工程を統合して、半導体デバイスの製造工程を総合的に合理化し、それにより大幅なコスト削減を実現できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外部電源電圧の高いデバイスを微細化プロセスで形成するためには、素子の耐圧との関係で、外部電源電圧を内部で降圧して1.8V系の電源電圧と3V系の電源電圧とを生成し、それぞれの回路に合った電源電圧を供給してやる必要がある。具体的には、デバイス内にレギュレータ等の電源回路を2種類形成して上記2系統の電源電圧を生成するとともに、1.8V系回路により形成されるデバイスのコア部分には1.8V系の電源電圧を供給し、3V系回路により形成される入出力回路部には3V系の電源電圧を供給するといった形態が考えられる。
【0005】
出力回路は外部負荷を駆動するので比較的大きな電流を出力できるように構成する必要がある。したがって、内部の電源回路から出力回路の出力を得ていたのでは、電源回路の駆動力も大きくしなければならず、それを従来の一般的な電源回路で実現するには、電源回路のレイアウト面積は非常に大きくなり、さらには、電源回路自体の消費電力も非常に大きくなるという問題が生じる。
【0006】
この発明の目的は、5V電源のような電圧の大きな外部電源仕様のデバイスを、微細化プロセスで形成されるような耐圧の低い素子を用いて形成可能にするとともに、外部電源を降圧する電源回路の駆動力が小さくても動作可能な半導体集積回路の入出力回路を提供することにある。
【0007】
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添附図面から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
【0009】
すなわち、電圧の大きな第1電源系の電源と電圧の小さな第2電源系の電源とが供給されるとともに、上記第1電源系の高電位点と低電位点との間に直列形態に接続されて信号の出力を行うPチャネルMOSFETおよびNチャネルMOSFETを有するプッシュプル型出力段とを備えた出力回路であって、上記第1電源系の高電位点と上記PチャネルMOSFETのソースとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第1のデプレッション形NチャネルMOSFET(以下、第1デプレッションNMOSと略す)と、外部出力端子と上記PチャネルMOSFETのドレインとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第2のデプレッション形NチャネルMOSFET(以下、第2デプレッションNMOSと略す)と、外部出力端子と上記NチャネルMOSFETのドレインとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続されたNチャネルMOSFETとを設けたものである。
【0010】
このような手段によれば、上記第1デプレッションNMOSにより、プッシュプル出力回路のPチャネルMOSFETのソース電圧を、第1デプレッションNMOSのゲート電圧よりわずかに低い値にクランプすることができる。従って、PチャネルMOSFETの耐圧が第1電源系の電圧以下であっても、そのソース・ドレイン間およびソース・ゲート間の電圧を耐圧以下に保持できる。また、電圧クランプ用の素子としてデプレッション形のMOSFETを用いているので、クランプ電圧の値を第1デプレッションNMOSのゲートに印加されている第2電源系の高電位点の電圧値より余り低下させずに、且つ、安定的に電圧をクランプすることが出来る。それゆえ、PチャネルMOSFETから第1電源系の高電位点とほぼ同じ電位の出力が得られる。
【0011】
さらに、外部出力端子が入力端子も兼用している場合に、該外部出力端子に例えば5V系のハイレベル信号のような第1電源系に対応する高い電圧の信号が入力された場合には、上記第2デプレッションNMOSにより、PチャネルMOSFETのドレイン側の電圧を第2デプレッションNMOSのゲート電圧よりわずかに低い値にクランプすることが出来る。従って、PチャネルMOSFETの耐圧が入力信号の電圧以下であっても、そのソース・ドレイン間およびソース・ゲート間の電圧を耐圧以下に保持できる。また、ここでの電圧クランプ用の素子としてデプレッション形のMOSFETを用いているので、信号出力時にはPチャネルMOSFETの出力電圧をあまり低下させずに外部出力端子へ送ることが出来る。
【0012】
同様に外部出力端子に高い電圧の信号が入力された場合において、NチャネルMOSFETのドレイン側の電圧は、上記NチャネルMOSFETにより、該NチャネルMOSFETのゲート電圧よりしきい値電圧だけ低い電圧にクランプされる。従って、NチャネルMOSFETの耐圧が入力信号の電圧以下であっても、そのソース・ドレイン間およびソース・ゲート間の電圧を耐圧以下に保持することが出来る。
【0013】
また、本発明の入力回路は、電圧の大きな第1電源系の電源と電圧の小さな第2電源系の電源とが供給されるとともに、上記第1電源系の高電位点と低電位点との間にソースとドレインとが接続され、ゲートに信号を入力するPチャネルMOSFETを備えた入力回路であって、上記第1電源系の高電位点と上記PチャネルMOSFETのソースとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第3のデプレッション形NチャネルMOSFETと、外部入力端子と上記PチャネルMOSFETのゲートとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第4のデプレッション形NチャネルMOSFETとを設けたものである。
【0014】
このような手段によれば、外部入力端子に例えば5V系のハイレベル信号のような第1電源系に対応する高い電圧の信号が入力された場合には、上記第3デプレッションNMOSにより、PチャネルMOSFETのドレイン側の電圧を第2デプレッションNMOSのゲート電圧よりわずかに低い値にクランプすることが出来る。従って、PチャネルMOSFETの耐圧が入力信号の電圧以下であっても、そのソース・ドレイン間およびソース・ゲート間の電圧を耐圧以下に保持できる。また、ここでの電圧クランプ用の素子としてデプレッション形のMOSFETを用いているので、ハイレベルの信号入力時にPチャネルMOSFETから後段の回路に出力される出力電圧を第2電源系の高電位側の電圧よりそれほど低下させずに済む。
【0015】
同様に外部入力端子に高い電圧の信号が入力された場合において、上記PチャネルMOSFETのゲート電圧は、上記第4デプレッションNMOSにより、第2デプレッションNMOSのゲート電圧よりわずかに低い値にクランプすることが出来る。従って、PチャネルMOSFETの耐圧が入力信号の電圧以下であっても、そのゲート・ドレイン間の電圧を耐圧以下に保持できる。また、ここでの電圧クランプ用の素子としてデプレッション形のMOSFETを用いているので、ハイレベルの信号入力時にPチャネルMOSFETのゲート電圧を第2電源系の高電位側の電圧よりそれほど低下させることなくPチャネルMOSFETを十分にオン状態にすることが出来る。
【0016】
また、本発明の入力回路や出力回路を半導体デバイスの入出力回路に適用するとともに、該デバイス内に第2電源系(例えば3V系)の電源電圧を生成する電源回路を設けて、この第2電源系の電圧をクランプ用MOSFETのゲートに印加し、且つ、外部電源電圧(例えば5V系)を出力回路の駆動源として使用するように構成することで、例えば、外部電源電圧5V仕様の半導体デバイスを0.18μCMOSプロセスなどの微細化プロセスで形成できるとともに、デバイス内に設ける電源回路を駆動が小さく消費電力も小さなものにできる。
【0017】
また、それにより、半導体デバイスのチップサイズを顕著に小さくすることが出来るし、例えば5V仕様などの第1電源系の半導体デバイスの製造工程を例えば微細化プロセスによる3V仕様などの第2電源系の半導体デバイスの製造工程に統合させて、半導体デバイスの製造工程の総合的な合理化を図ることが可能で、それによりコストの大幅な低減も図ることが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明を適用して好適な半導体集積回路の入力回路の実施例を示す回路図である。
【0020】
この実施例の入力回路は、例えば外部電源仕様が5Vで且つ0.18μCMOSプロセスなどの微細化プロセスにより形成可能な半導体デバイスの入力回路として適用されるものであり、外部から入力される信号振幅の許容範囲は例えば0〜7Vである。
【0021】
図1において、10は外部から信号が入力される外部入力端子としての入力パッド、D1は規定外の入力信号から内部の回路を保護する保護ダイオード、R1とC1はノイズ除去用に設けられた抵抗とゲート・ソース間を結合したMOSFETからなる容量、QD1は入力信号の電圧をクランプするデプレッション形NチャネルMOSFET(以下デプレッションNMOSと略す)、QD2は電源電圧をクランプするデプレッションNMOS、INV1は入力信号を受ける入力段CMOSインバータ、INV2は信号振幅を1.8V系にレベルシフトさせるCMOSインバータ、Qs1とQs2は半導体集積回路の内部回路を構成する1.8V系のエンハンスメント形PチャネルMOSFET(以下PMOSと略す)とエンハンスメント形NチャネルMOSFET(以下NMOSと略す)である。
【0022】
これらのうち、容量C1、インバータINV1,INV2を構成するNMOSQm2,Qm4、PMOS Qm1,Qm3、並びに、電圧クランプ用のデプレッションNMOS QD1,QD2は、例えば3.3Vの電源電圧で動作するように形成された3V系のMOSFETであり、そのゲート耐圧は5V程度である。
【0023】
また、内部回路の一部であるPMOS Qs1、NMOS Qs2は、例えば1.8Vの電源電圧VDDiで動作するように形成された1.8V系のMOSFETであり、そのゲート耐圧は3.5V程度である。
【0024】
入力段のインバータINV1におけるPMOS Qm1のソース側には、クランプ用のデプレッションNMOS QD2を介して外部電源電圧VCC(例えば4.5〜7.0V)が接続され、NMOS Qm2のソース側はグランドに接続される。この入力段のインバータINV1の出力は次段のレベルシフト用のインバータINV2に入力される。
【0025】
レベルシフト用のインバータINV2におけるPMOS Qm3のソース側には、例えば半導体集積回路内で外部電源を降圧して生成した内部回路用の1.8V系の電源電圧VDDi(例えば1.8V)が供給され、NMOS Qm4のソース側はグランドに接続される。そして、その出力は後段の内部回路へと入力される。内部回路用の電源電圧VDDiを用いているのでハイレベル出力信号の電位は内部回路用の素子に対応して約1.8Vとなる。
【0026】
PMOS Qs1、NMOS Qs2からなるインバータINV3などを含んだ内部回路には、内部回路用の電源電圧VDDiが供給されている。入出力されるハイレベルの信号の電位は約1.8V、ローレベルの信号の電位は0Vとなる。
【0027】
電圧クランプ用のデプレッションNMOS QD1は、外部から高電圧(例えば5.0〜7.0V)が印加されたときにこの信号を所定電圧にクランプして入力段のインバータINV1を高電位の外部入力信号から保護するものであり、インバータINV1の入力ノードn1と入力パッド10との間にソース・ドレインを接続し、且つ、ゲートに、例えば半導体集積回路内で外部電源を降圧して生成した電源電圧VDD(例えば3.6V)が印加されるように構成される。また、基板電位はグランド電位にされる。
【0028】
このように構成されたデプレッションNMOS QD1によれば、入力パッド10側に高電圧(例えば5.0〜7.0V)が印加された場合に、ソース・ドレイン間にドレイン電流が流れ、これによりインバータINV1の入力ノードn1の電位を所定電圧のクランプする。クランプ電圧は、ほぼゲート電圧VDDよりしきい値電圧Vthdだけ低い電圧(VDD−Vthd)となる。ここで、デプレッションNMOSのしきい値電圧Vthdは、チャネルドーピング法などの制御によりエンハンスメント形MOSFETよりも小さい値となるように形成することが可能であり、結果としてクランプ電圧を3.4V程度にすることが出来る。
【0029】
また、インバータINV1の入力ノードに電流が流れ込んでゲートの寄生容量が充電された後では、デプレッションNMOS QD1のソース・ドレイン間の電流は遮断されるが、デプレッションNMOS QD1のドレインから基板へ僅かなリーク電流が流れ、これによりインバータINV1の入力ノードn1の電位が所定電圧のクランプされる。この場合のクランプ電圧も、上記のドレイン電流が流れた場合のクランプ電圧(VDD−Vthd)とほぼ同等の電圧にできる。
【0030】
もう一方の電圧クランプ用のデプレッションNMOS QD2は、入力段のインバータINV1の高電位側の電源電圧をクランプして、インバータINV1の素子耐圧以上の外部電源電圧VCC(例えば4.5〜7.0V)からインバータINV1を保護するものであり、PMOS Qm1のソースと外部電源電圧VCCとの間にソース・ドレインを接続し、且つ、ゲートに上記の内部電源VDD(例えば3.6V)が印加されるように構成される。また、基板電位はグランドに接続される。
【0031】
このように構成されたデプレッションNMOS QD2によれば、インバータINV1の動作時、外部電源VCC側からPMOS Qm1に電流が流れたときに、デプレッションNMOS QD2にドレイン電流が流れ、これによりインバータINV1の駆動電源ノードn2の電位を所定電圧のクランプする。クランプ電圧は、ほぼゲート電圧VDDよりしきい値電圧Vthdだけ低い電圧(VDD−Vthd)となる。ここで、デプレッションNMOSのしきい値電圧Vthdは、チャネルドーピング法などの制御によりエンハンスメント形MOSFETよりも小さい値に形成することが可能であり、結果としてクランプ電圧を3.4V程度にすることが出来る。
【0032】
また、インバータINV1への入力信号が変化せずに、デプレッションNMOS QD2のソース・ドレイン間に電流が流れない状態では、ソースから基板へ僅かなリーク電流が流れ、これによりインバータINV1の駆動電源ノードn2の電位が所定電圧のクランプされる。この場合のクランプ電圧も、上記のドレイン電流が流れた場合のクランプ電圧(VDD−Vthd)とほぼ同等の電圧となる。
【0033】
以上のように、この実施例の入力回路によれば、デプレッションNMOS QD1,QD2により、入力段にあるインバータINV1の入力ノードn1の電圧と、該インバータINV1のPMOS Qm1のソース電圧とを、内部で生成される3V系の電源電圧VDDよりわずかに低い電圧にクランプすることができ、それにより、0.18μCMOSプロセスのような微細化プロセスで形成される耐圧5V以下のMOS Qm1,Qm2を5V系の外部入力信号や外部電源電圧VCCから保護することが出来る。
【0034】
図4には、図1の入力回路の変形例を示す。
【0035】
なお、入力段のインバータINV1の動作電圧を、外部電源電圧VCCをデプレッションNMOSにより降圧して得るのではなく、図4に示すように、内部の電源電源VDDを動作電源として直接供給するような構成としても良い。デプレッションNMOSのしきい値電圧Vthdは、プロセスばらつきによりばらつくため、デプレッションNMOSによるクランプ電圧もプロセスばらつきによりばらつくが、このように電源電圧VDDを直接供給することで、入力段のインバータINV1の出力振幅を安定させて後段に信号を伝達することが出来る。
【0036】
図2は、本発明を適用して好適な半導体集積回路の出力回路の実施例を示す回路図である。
【0037】
この実施例の出力回路は、例えば外部電源仕様が5Vで且つ0.18μCMOSプロセスなどの微細化プロセスにより形成可能な半導体デバイスにおいて、外部出力端子として出力パッドもしくは入力と出力とを兼ねた入出力パッド20に接続されるトライステートの出力回路として適用されるものである。入出力パッド20に入力される信号振幅の許容範囲は例えば0〜7Vである。
【0038】
図2において、20は入力と出力とを兼ねた入出力パッド、D2,D3は規定外の入力信号から内部の回路を保護する保護ダイオード、R2,R3はノイズ除去用の抵抗、Qm5,Qm6は内部回路から信号を受けて入出力パッド20側に信号出力するプッシュプル型出力回路を構成する出力PMOSと出力NMOS、31,32は内部回路から出力MOS Qm5,Qm6のゲート信号を形成する論理ゲート回路、QD3は電源電圧をクランプするデプレッションNMOS、QD4とQN1は入力信号の電圧をクランプするデプレッシNMOSとNMOSである。図示は省略するが、入出力パッド20には、例えば図1に示すような入力回路が別途接続されるものである。図2の出力回路はイネーブル信号/Eがロウレベルのときは、データ信号Dに応じて出力MOS Qm5,Qm6の何れかがオンされて、ハイレベル信号又はロウレベル信号を出力し、イネーブル信号/Eがハイレベルにされると出力MOS Qm5,Qm6がともにオフされて、出力ハイインピーダンス状態となる。
【0039】
上記構成のうち、出力回路を構成するN−PMOS Qm5,Qm6、デプレッションNMOS QD3,QD4、NMOS QN1は、例えば3.3Vの電源電圧で動作するように形成された3V系のMOSFETであり、そのゲート耐圧は5V程度である。
【0040】
出力PMOS Qm5と出力NMOS Qm6から構成される出力回路の動作電源は外部電源電圧VCCをデプレッションNMOS QD3により降圧され且つクランプされた電圧を用いている。
【0041】
電圧クランプ用のデプレッションNMOS QD3は、図1のデプレッションNMOS QD2と同様のもので、プッシュ側の出力PMOS Qm5のソースと外部電源電圧VCCとの間にソース・ドレインが接続される。そして、図1のデプレッションNMOS QD2と同様の作用により出力PMOS Qm5のソース側のノードn3の電位を、おおよそ電源電圧VDDよりしきい値電圧Vthdだけ低い電圧(VDD−Vthd)にクランプすることが出来る。
【0042】
また、入力信号の電圧をクランプするデプレッションNMOS QD4は、入出力パッド20に外部から高電圧(例えば5.0〜7.0V)が印加されたときにこの信号を所定電圧にクランプして出力PMOS Qm5を保護するものである。そして、入出力パッド20と出力PMOS Qm5のドレインとの間にソース・ドレインが接続され、且つ、ゲートに上述の3V系の電源電圧VDD(例えば3.6V)が印加されるように構成される。また、基板電位はグランド電位にされる。
【0043】
このデプレッションNMOS QD4によれば、図1のデプレッションNMOS QD1と同様の作用により、入出力パッド20に高電圧(例えば5.0〜7.0V)が印加された場合でも、出力PMOS Qm5のドレイン側のノードn4の電位を、ほぼ電源電圧VDDよりしきい値電圧Vthdだけ低い電圧(VDD−Vthd)にクランプすることが出来る。それにより出力PMOS Qm5のゲート・ドレイン間電圧を耐圧以下に保つことが出来る。
【0044】
また、信号出力時に出力PMOS Qm5がオン状態にされた際には、デプレッションNMOS QD4はそのソース・ドレイン経路に十分な電流を流して出力ノードn5の電圧を低下させない。
【0045】
この実施例の出力回路のハイレベルの信号は、上記のことからデプレッションMOS QD3によりクランプされた電圧(VDD−Vthd=約3.4V)となる。また、ロウレベルの信号はほぼグランド電位となる。
【0046】
もう一方の入力信号の電圧をクランプするNMOS QN1は、入出力パッド20に外部から高電圧(例えば5.0〜7.0V)が印加されたときにこの信号を所定電圧にクランプして出力NMOS Qm6を保護するものである。そして、入出力パッド20と出力NMOS Qm6のドレインとの間にソース・ドレインが接続され、且つ、ゲートに上述の3V系の電源電圧VDD(例えば3.6V)が印加されるように構成される。また、基板電位はグランド電位にされる。
【0047】
このNMOS QN1によれば、図1のデプレッションNMOS QD1と同様の作用により、入出力パッド20に高電圧(例えば5.0〜7.0V)が印加された場合でも、出力NMOS Qm6のドレイン側のノードn6の電位を、ほぼ電源電圧VDDよりしきい値電圧Vthだけ低い電圧(VDD−Vth)にクランプすることが出来る。それにより出力NMOS Qm6のソース・ドレイン間、ゲート・ドレイン間の電圧を耐圧以下に保つことが出来る。
【0048】
NMOS QN1のしきい値電圧Vthは比較的大きくなるので、クランプ電圧(VDD−Vth)は3V系の電源電圧VDDよりある程度低い値となる。ここでエンハンスメント形のMOSFETを用いているのは、電圧をクランプするノードが出力回路のプル側のノードn6であり、このNMOS QN1による電圧降下が問題にならないからである。従って、デプレッションNMOSにより構成することも出来る。
【0049】
以上のように、この実施例の出力回路によれば、出力回路のプッシュ側に設けられたデプレッションNMOS QD3,QD4とプル側に設けられたNMOSQN1とにより、5V系の外部電源電圧VCCや5V系のハイレベルの入力信号を適宜な電圧にクランプすることができ、それにより0.18μCMOSプロセスのような微細化プロセスで形成される耐圧5Vの出力PMOS Qm5や出力NMOS Qm6を外部電源電圧VCCや5V系の外部入力信号から保護することが出来る。
【0050】
図3は、実施例の入力回路と出力回路とをSRAMに適用した場合の概略構成を示す構成図である。
【0051】
この実施例のSRAM(Static Random Access Memory)は、微細化プロセスにより3V系や1.8V系のMOSFETを用いて外部電源電圧5V仕様に構成したものであり、その入出力回路として本発明に係る入力回路や出力回路が適用されたものである。そして、入出力回路には3V系のMOSFETが使用され、メモリアレイ6やその周辺回路であるアドレスデコーダ回路5やセンスアンプ回路7などには1.8V系のMOSFETが使用されている。
【0052】
この半導体デバイスの内部には、5V系の外部電源電圧VCCを2段階で降圧して、3V系の電源電圧VDDと、1.8V系の電源電圧VDDiとを生成する電源回路2,3が設けられ、入力回路15や出力回路25には3V系の電源電圧VDDが供給され、内部回路には1.8V系の電源電圧VDDiが供給されるようになっている。
【0053】
本発明に係る入力回路15は、SRAMのアドレス信号や制御系信号が入力される入力系に設けられ、出力回路25はデータ信号の入出力系に設けられる。出力回路25に接続される入出力パッド20はデータ信号の入力と出力とが行われる。
【0054】
このようなSRAMによれば、外部電源電圧VCCを2段階で降圧する2つの電源回路2,3を内部に設けるだけで、内部回路や入出力回路を微細化プロセスによる3V系と1.8V系のMOSFETにより形成し、且つ、外部電源電圧5V仕様に対応することが出来る。
【0055】
さらに、出力回路25の駆動源は外部電源電圧VCCであり、入力回路15や出力回路25に供給される電源電圧VDDの駆動能力は小さなもので済むので、電源回路2によるチップサイズの増加分や消費電力は低く抑えることが可能である。それゆえ、例えば0.35μCMOSプロセスなどにより5V仕様のMOSFETを使用してSRAMを形成した場合に比べて、全体のチップサイズを顕著に小さくすることが出来るし、また、消費電力も削減できる。
【0056】
また、微細化プロセスの3V系と1.8V系のMOSFETにより5V仕様のSRAMを形成できるので、5V仕様のSRAM製造工程を3V仕様の微細化プロセスの製造工程へ統合することが出来る。従って、半導体デバイスの製造工程を総合的に合理化することが可能で、それによりコストの大幅な低減も図ることが出来る。また、3V仕様の半導体デバイスと5V仕様のSRAMとをマスタスライス方式により拡散工程まで同一に製造できるので、それにより生産調整も容易なものととなる。
【0057】
また、入力回路15や出力回路25で動作電源をクランプするデプレッションNMOS QD2,QD3が、各入力回路ごと或いは各出力回路ごとに設けられているので、各入力回路間或いは各出力回路間の干渉がなくなり耐ノイズ性が向上されている。
【0058】
図5には、入力回路や出力回路のその他の実施例の回路図を示す。
【0059】
なお、入力回路15や出力回路25で外部電源電圧VCCをクランプするデプレッションNMOS QD2,QD3を各入出力回路に設けずに、図5に示すように1個のデプレッションNMOS QD5を複数の入力回路15Aや出力回路25Aで共有するように構成しても良い。それにより、素子数を減らしてチップ面積をさらに小さくできる。
【0060】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0061】
例えば、実施例では5V仕様のデバイスを3V仕様の微細化プロセスで形成するための構成として説明したが、その他の外部電源電圧仕様のデバイスに適用することも可能である。
【0062】
また、以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるSRAMに適用した場合について説明したがこの発明はそれに限定されるものでなく、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリなどのメモリ一般、論理集積回路、メモリや論理が混載された集積回路装置などに広く利用することができる。
【0063】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0064】
すなわち、本発明の入力回路や出力回路を適用すると、駆動力をあまり必要としない降圧回路を内部に備えるだけで、5V外部電源電圧仕様の半導体デバイスを、微細化プロセスにより形成される1.8V仕様のMOSFETや3V仕様のMOSFETで構成することが可能となり、それにより半導体集積回路のチップサイズを顕著に小さくすることが出来るという効果がある。
【0065】
また、例えば外部電源電圧5V仕様の半導体デバイスの製造工程と微細化プロセスによる例えば外部電源電圧3V仕様の半導体デバイスの製造工程との統合を図り、半導体デバイスの製造工程の総合的な合理化を図ることが可能で、それにより半導体デバイスのコストの大幅な低減を図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して好適な半導体集積回路の入力回路の実施例を示す回路図である。
【図2】本発明を適用して好適な半導体集積回路の出力回路の実施例を示す回路図である。
【図3】実施例の入力回路と出力回路とが適用されたSRAMの概略を示す構成図である。
【図4】入力回路の変形例を示す回路図である。
【図5】入力回路や出力回路のその他の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
2,3 電源回路
10 入力パッド
15 入力回路
20 入出力パッド
25 出力回路
Qm1 入力段のPMOS
Qm2 入力段のNMOS
Qm5 出力PMOS
Qm6 出力NMOS
QD1〜QD4 電圧クランプ用のデプレッションNMOS
QN1 電圧クランプ用のNMOS
Claims (2)
- 回路を構成するMOSFETおよびデプレション形MOSFETのゲート耐圧と電圧が同等もしくは大きな第1電源系の電源と、上記ゲート耐圧よりも電圧の小さな第2電源系の電源とが供給されるとともに、上記第1電源系の高電位点と低電位点との間に直列形態に接続されて信号の出力を行うPチャネルMOSFETおよび第1NチャネルMOSFETを有するプッシュプル型出力段とを備えた出力回路であって、
上記第1電源系の高電位点と上記PチャネルMOSFETのソースとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第1のデプレッション形NチャネルMOSFETと、
外部出力端子と上記PチャネルMOSFETのドレインとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第2のデプレッション形NチャネルMOSFETと、
外部出力端子と上記第1NチャネルMOSFETのドレインとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第2NチャネルMOSFETと、
を備えたことを特徴とする出力回路。 - 回路を構成するMOSFETおよびデプレション形MOSFETのゲート耐圧と電圧が同等もしくは大きな第1電源系の電源と、上記ゲート耐圧よりも電圧の小さな第2電源系の電源とが供給されるとともに、上記第1電源系の高電位点と低電位点との間にソースとドレインとが接続され、ゲートに信号を入力するPチャネルMOSFETを備えた入力回路であって、
上記第1電源系の高電位点と上記PチャネルMOSFETのソースとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第3のデプレッション形NチャネルMOSFETと、
外部入力端子と上記PチャネルMOSFETのゲートとの間にソースとドレインとがそれぞれ接続され、且つ、上記第2電源系の高電位点にゲートが接続された第4のデプレッション形NチャネルMOSFETと、
を備え、
前記外部入力端子に前記第1電源系の電圧と同等の電圧レベルの入力信号を入力可能としたことを特徴とする入力回路。
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