JP3828947B2 - 発泡型防火性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発泡型防火組成物に関し、詳しくは一般建造物の内外壁の目地部や隙間、穴等に適用し、火炎にさらされた際に、発泡炭化層を形成して、木材等の可燃物を防火したり、煙、炎、燃焼により発生するガス等の外部への流出を防いだりする効果を有する発泡型防火組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物やその部位の耐火、防火性能に関連して、開口部のガラスの取り付けや、カーテンウォールやパネル等の目地に使用されるシーリング材やガスケットに対しても、これらと同等の耐火、防火性能が要求されている。
このため、耐火、防火性能が要求される部位にはガラスパテやアスベスト等の材料が使用されてきた。しかし、ガラスパテは硬化後の状態が非常に硬く、層間変位追従性が著しく劣るため、地震等の震動等によりガラスの破損が極めて甚大であることが明らかとなり、はめ殺し窓には使用が禁止されている。また、アスベスト系の材料は人体に対して有害なことから使用にあたって制限されており、実際にはほとんど使用されていない。
【0003】
一方、シーリング材は水密及び機密を主たる目的としたものであり、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ウレタン系等の材料が使用されている。しかし、これらのほとんどは可燃性であるとともに、火災等により高温下に晒されると、燃え落ち開口部の防火にほとんど効果を示さない。このため目地幅に合わせて発泡石綿体等を裁断し、これを目地部底部に圧縮挿入し、さらにその上に防水性シーリングを施すといった複雑な手法がとられている。また、この中で良好な難燃性を示すことから乙種防火戸用シーリング材として注目されているシリコーン系のシーリング材についても塗装性や撥水汚染の問題を有しており、耐火、防火性を有する適用範囲の広いシーリング材の開発が望まれている。
【0004】
このような背景から、近年シーリング材の難燃化に向けた開発が注目されており、上記シーリング材のうち、変性シリコーン系材料を用いた防火性シーラント組成物が特開平3−31379に提案されている。これは変成シリコーン系シーリング材中に、加水分解性ケイ素官能基を末端に有するポリエーテル重合体100重量部に対し、20℃の水に対する溶解率が5重量%以下、分解温度が110℃以上のポリリン酸アンモニウム20〜150重量部、多価アルコール類15〜75重量部、アミノ基含有化合物5〜50重量部、シラノール化合物触媒0.1〜10重量部を配合したことを特徴としたものである。これはシーリング材が火炎にさらされた際に、不燃性の発泡炭化層を形成することにより、木材等の可燃物を防火あるいは、煙、炎、燃焼により発生するガス等の外部への流出を防ぐといった発泡型防火性シーラント組成物である。
【0005】
しかし、この防火性シーラント組成物では、使用するポリリン酸アンモニウムの水に対する溶解度が、20℃の水に対して5重量%以下とは言え高く、これは耐水性に問題が残るとともに、ポリリン酸アンモニウムの吸水による発泡性能の低下が問題となる。即ち、防火性シーラントは、防水性能の維持は当然として、火災時の発泡性能も経年の変化があってはならない。つまり、耐火性の耐久性が要求されている。
【0006】
ポリリン酸アンモニウムの吸水による発泡性能の低下が懸念される場合、例えば発泡性耐火塗料などに利用される場合には、ウレタン塗料など防水性の高いトップコートで発泡性耐火塗料を保護して実用化されているのが通例である。
一方、使用するポリリン酸アンモニウムの溶解度を低減させる、すなわち、ポリリン酸アンモニウムを樹脂により被覆することによってマイクロカプセル化し、シーラントとしての耐水性を改善するといったかなり複雑な手法が、特開平4−356581に提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の従来技術の課題に鑑み、加熱により膨張、発泡した炭化層を形成することにより、可燃物を防火したり、煙、炎、燃焼により発生するガス等の外部への流出を防いだりする効果を有する発泡型防火組成物として、特に課題とされている発泡性能の耐水性に優れた発泡型防火性組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水蒸気/ガス透過性が低く、耐候性、耐熱性にも優れた飽和炭化水素系重合体を適用することにより、吸水・吸湿による発泡性能の劣化が小さい発泡型防火性組成物を得るに至った。
【0009】
すなわち、本発明は下記成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び可塑剤を必須成分とし、成分(A)の100重量部に対する成分(C)の配合量が0.1〜20重量部であり、成分(A)と可塑剤の合計100重量部に対する成分(B)、成分(D)および成分(E)のそれぞれの配合量が、(B)10〜200重量部、(D)10〜100重量部、(E)5〜50重量部であることを特徴とする発泡型防火性組成物にある。
(A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)ポリリン酸塩化合物、
(C)シラノール縮合触媒、
(D)多官能アルコール、
(E)アミノ基含有化合物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基、すなわち反応性ケイ素基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体(以下、飽和炭化水素系重合体(A)という。)が使用される。
【0012】
本発明において用いられる上記反応性ケイ素基はよく知られた官能基であり、その代表例としては、一般式(1):
−( SiR1 2-b XbO)m−SiR2 3-aXa (1)
〔式中、R1およびR2はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR3 3SiO−(R3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同じであってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以上存在するとき、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。aは0〜3から選ばれる整数、bは0〜2から選ばれる整数、ただし、a+mb≧1。また、m個の
( SiR1 2-b XbO)
におけるbは同一である必要はない。mは0〜19から選ばれる整数。〕で表される基を挙げることができる。
【0013】
一般式(1)における加水分解性基としては、特に限定されるものではなく、従来既知の加水分解性基でよいが、具体例としては、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等を挙げることができる。これらのうちでは、加水分解性が温和で、取り扱いやすいという点から、アルコキシ基が特に好ましい。
【0014】
この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+mb)は1〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであっても、異なっていてもよい。 この反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個のものまであるのが好ましい。特に、一般式(2):
−SiR2 3-aXa (2)
(式中、R2、Xおよびaは前記と同じである。)
で表される反応性ケイ素基が入手容易であるので好ましい。
【0015】
反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体の1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在する。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現し難くなる。
反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体分子鎖の末端に存在していてもよく、内部に存在していてもよく、両方に存在していてもよい。特に反応性ケイ素基が分子鎖末端に存在する場合には、最終的に形成される硬化物に含まれる飽和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる等の点から好ましい。また、これら反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0016】
本発明において用いられる飽和炭化水素系重合体は、
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6 のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させる、
(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりした後、水素添加する、
などの方法により得ることができるが、末端に官能基を導入しやすい、分子量制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体あるいは水添ポリイソプレン系重合体であるのが望ましい。
【0017】
前記イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよく、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50%(重量%、以下同様)以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下の範囲で含有してもよい。
このような単量体成分としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられる。このような共重合体成分の具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0018】
前記水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、他の単量体単位を含有させてもよい。
また、本発明中(A)成分として用いる飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のごとき重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10%以下の範囲で含有させてもよい。
【0019】
前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体、水添ポリイソプレンまたは水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜100000程度であるのが好ましく、特に1000〜40000程度の液状物、流動性を有するものであるのが取り扱いやすさなどの点から好ましい。さらに、分子量分布(Mw/Mn)に関しては、同一分子量における粘度が低くなるという点で分子量分布が狭いほど好ましい。
【0020】
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製造方法について、特にイソブチレン系重合体および水添ポリブタジエン系重合体の場合を例として説明する。
上記の反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体のうち、分子末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端官能基、好ましくは全末端官能型イソブチレン系重合体を用いて製造することができる。このような製造法は、特開昭63−6003号、同63−6041号、同63−254149号、同64−22904号、同64−38407号の各明細書等に記載されている。
【0021】
また、分子内に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とする単量体中に、反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類を添加し、共重合させることによって製造される。
さらに、分子内部および分子末端の両方に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、上記分子末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体を製造する際の重合にあたって、主成分であるイソブチレン単量体以外に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類等を共重合させた後、末端に反応性ケイ素基を導入することによって製造することができる。
【0022】
この反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類等の具体例としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルジメトキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0023】
水添ポリブタジエン系重合体の製造法については、例えば、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にした後、一般式(3):
CH2=CH−R4−Y (3)
〔式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、R4は−R5−、
−R5−OC(=O)−または−R5−C(=O)−(R5は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、好ましい具体例としてはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリレ−ン基、アラルキレン基が挙げられる)で示される2価の有機基で、
−CH2− ,
−p−R6−C6H4−CH2−
(R6は炭素数1〜10の炭化水素基)より選ばれた2価の基が特に好ましい。〕
で示される有機ハロゲン化合物を反応させることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体ともいう)をまず製造する。
【0024】
末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水素化物;NaOCH3 のごとき金属アルコキシド;NaOH、KOHのごとき苛性アルカリなどと反応させる方法が挙げられる。
上記方法において、出発原料として使用した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)エーテルなどの、1分子中にハロゲン原子を2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させれば分子量を増大させることができ、その後一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
【0025】
前記一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物の具体例としては、例えばアリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。これらのうちでは安価で、かつ容易に反応することからアリルクロライドが好ましい。
【0026】
末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様に、例えば一般式(1)で表される基に水素原子が結合したヒドロシラン化合物、好ましくは、一般式(4):
HSiR2 3-aXa (4)
(式中、R2、Xおよびaは前記と同じである。)
で示される化合物を白金触媒を用いて付加反応させることにより達成できる。
【0027】
この一般式(1)で表される基に水素原子が結合したヒドロシラン化合物の具体例としては、例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシラン等のハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン等のアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン等のケトキシメートシラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、特にハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0028】
本発明の(B)成分としてはポリリン酸塩化合物を使用する。このポリリン酸塩化合物は、加熱環境下において、有機物の脱水触媒として作用するほか、自らも不燃性の無機質リン酸被膜を形成する働きをもつものである。ポリリン酸塩化合物としては、ポリリン酸の塩であれば、特に制限はないが、ポリリン酸のアンモニアまたは有機塩基との塩が好ましく、ポリリン酸のアンモニアまたはアミンとの塩が更に好ましく、特にポリリン酸アンモニウムが好ましい。また、前記塩を形成するアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン等が挙げられる。ポリリン酸のアンモニアまたはアミンとの塩は加熱により分解温度に達すると、脱アンモニア等脱アミンにより縮合リン酸を生じる。この酸が有機物の脱水触媒として作用し、有機物を炭化させる結果、防火炭化層の形成につながる。また、この際発生するアンモニアガス等は、発泡剤として作用し、組成物全体を膨張させることになる。本発明に使用するポリリン酸のアンモニアまたはアミンとの塩は、リン含有量15重量%、窒素含有量14重量%、分解温度200℃以上のもの、また、取り扱いやすさの点から吸湿性の低いものが適している。このようなポリリン酸のアンモニアまたはアミンとの塩としては、特に限定はないが、例えば、ポリリン酸アンモニウムからなる住友化学工業株式会社製の不溶化高分子リン化合物(商品名「スミセーフPM」)等が挙げられる。
【0029】
この成分(B)の配合量は、成分(A)と可塑剤の合計100重量部に対して10〜200重量部である。成分(B)の配合量がこの範囲を下回ると、組成物全体を効果的に炭化、発泡させることが期待できなくなる。一方、成分(B)の配合量がこの範囲を上回ると、配合物の粘度が高くなり作業性が低下することから好ましくない。
【0030】
本発明には(C)成分としてシラノール縮合触媒を使用する。シラノール縮合触媒は従来公知のものであり、その具体例としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0031】
この成分(C)の配合量は、成分(A)である飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.1〜20重量部であり、1〜10重量部が好ましい。成分(C)の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、成分(C)の配合量がこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0032】
また、本発明では(D)成分として多官能アルコールを使用する。多官能アルコールは、加熱により膨張し、さらに脱水触媒であるポリリン酸塩化合物の存在下、炭化により発泡炭化膜を形成するものである。加熱により炭化する分解温度が200℃以上、好ましくは300℃以上のものが使用できる。このような多官能アルコールとしては、モノ、ジ、トリペンタエリスリトール等の多価アルコールや、でんぷんやセルロース等の多糖類、グルコース、フルクトース等の少糖類等が例示されるが、これに限定されるものではない。また、これらは単独で使用するほか、2種以上併用してもよい。
【0033】
この成分(D)の配合量は、成分(A)と可塑剤の合計100重量部に対して10〜100重量部である。成分(D)の配合量がこの範囲を下回ると膨張が不十分となり、一方、成分(D)の配合量がこの範囲を上回ると発泡炭化膜の形成が不十分となる。
【0034】
さらに、本発明では(E)成分としてアミノ基含有化合物を使用する。アミノ基含有化合物は、膨張剤として作用し、加熱による分解に伴い、窒素やアンモニア等の不燃性ガスを発生し、組成物全体を適度の大きさに膨張させるものである。具体的にはジシアンジアミド、メラミン、グアナミン、グアニジン、尿素、アゾジカルボンアミンやメラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂等が例示されるが、これに限定されるものではない。また、これらは単独で使用するほか、2種以上併用してもよい。
【0035】
この成分(E)の配合量は、成分(A)と可塑剤の合計100重量部に対して5〜50重量部である。成分(E)の配合量がこの範囲を下回ると膨張が不十分となり、一方、成分(E)の配合量がこの範囲を上回ると形成される発泡炭化膜の強度が不十分となる。
【0036】
また、本発明の組成物には各用途に合わせた要求特性に応じて、上記成分以外に、必要に応じて補強剤、充填剤のほか、ヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系の酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、さらにシランカップリング剤等の接着性付与剤等を適宜配合することができる。
【0037】
可塑剤は流動特性を調整し、作業性をよくするためのものであり、一般的に使用されている可塑剤が使用できるが、本発明に用いる成分(A)の飽和炭化水素系重合体と相溶性のよいものが好ましい。相溶性のよい可塑剤の具体例としては、例えばポリブテン、水添ポリブテン、α−メチルスチレンオリゴマー、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ましくは不飽和結合を含まない水添ポリブテン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレンなどの炭化水素系化合物類が好ましい。これらの可塑剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。さらに単独では相溶性が悪い可塑剤についても、上記炭化水素系化合物類との併用により相溶性を良好にすれば使用できる。
【0038】
また、補強剤や充填剤としては一般的に使用されている無機系のものが使用できる。特にその中でも、水酸基や結晶水を含み、加熱することにより水蒸気を発生するものは、この組成物の燃焼速度を著しく遅延させる効果も期待でき、防火性の点からも好ましい。このような補強剤や充填剤の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリン、カオリナイト等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0039】
本発明の発泡型防火性組成物の調製法には特に制限はなく、例えば、上記各成分を配合し、ミキサーやロール、ニーダー等を用いて常温または加熱下において混練したり、適量の溶剤に成分を溶解させた後混合するなど、通常の方法を採用することができる。また、これらの成分を適当に組み合わせることにより、主に2液型の配合物を製造したりして使用することができる。
【0040】
また、本発明の発泡型防火性組成物はこの他、発泡シート、発泡ガスケット、成形体としても利用できる。具体的には、防火扉の上下左右の隙間部にシート貼りやガスケット固定等によりセットすることにより、火災時の炎や煙の貫通を防止できるといった使用方法がある。
このようにして得られた本発明の組成物は、発泡型防火性材料として従来から問題とされてきた発泡特性における耐水性に優れたものである。この耐水性の向上にあたっては、使用する樹脂として水蒸気透過性が極めて小さい飽和炭化水素系重合体を用いることにより、組成物自体の耐水性を向上させるといった新たな方法により達成したものである。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
製造例
飽和炭化水素系重合体(A)の製造
1Lの耐圧ガラス製オートクレーブにP−DCC(下記化合物)
p−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl
7.5mmoleを入れ、撹拌用羽根、三方コック及び真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換した。
【0042】
その後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−シ−ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330mL、ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−ピコリン3.0mmolを添加した。
次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させることにより脱水したイソブチレンが113g入っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を撹拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻した。
【0043】
次に、重合容器内が−70℃で安定していることを確認し、TiCl4 7.18g(3.8mmol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシラン2.57g(22.5mmole)を添加した。さらに1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むことにより触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、アリル末端のイソブチレンポリマ−を得た。
【0044】
次いで、こうして得られたアリル末端のイソブチレンポリマ−100gを、n−ヘプタン50mLに溶解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.2[eq./アリル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体1×10-4[eq./アリル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約4時間で1640cm-1のオレフィン由来の吸収が消失したのを確認し、反応を停止した。
【0045】
反応溶液を減圧濃縮することにより、目的とする両末端に反応性ケイ素基を有する次の構造のイソブチレンポリマーが得られた。
【0046】
【化1】
【0047】
こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法(ポリスチレン換算)により、また末端構造を300MHz1 H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.5〜3.4)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1において数平均分子量はポリスチレン換算の分子量、末端シリル官能基数(末端反応性ケイ素基)はイソブチレンポリマー1分子当たりの個数をいう。
実施例1
飽和炭化水素系重合体(A)として、前記製造例において得られた両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリマーを100重量部用い、これに可塑剤としてパラフィン系プロセスオイルを100重量部、ポリリン酸アンモニウムを100重量部、多価アルコールとしてペンタエリスルトールを40重量部、アミノ基含有化合物としてジシアンジアミドを15重量部加え、室温下で撹拌した後、さらに3本ロールにてよく混練し、ペースト状とした。この組成物に硬化触媒としてオクチル酸錫を3重量部、硬化助剤としてラウリルアミンを0.75重量部加え、さらにボウ硝10水和物を5重量部加え、撹拌した。
【0050】
このようにして得られた組成物の特性評価を下記の方法により行った。配合を表2に、評価結果を表3に示す。
(ゴム物性試験)
上記組成物を用いて、厚さ2mmのシートを作成した後、23℃で1週間、さらに50℃で1週間養生した。得られた硬化物シートからJIS K6301に準拠して3号型ダンベルを打ち抜き、引張り速度200mm/分で引張り試験を行った。
(発泡特性試験)
図1に示す方法により、発泡特性の試験を行った。すなわち、モルタル(50×50×10mm)を3枚用いることにより幅10mm、深さ10mm、長さ20mmの目地部を作製し、その目地部に上記組成物を厚さ10mmに注入し、これを23℃で1週間、さらに50℃で1週間養生した。その後、この目地部を、ガスバーナーにより900℃の炎で加熱し、発泡状態を観察した。
(耐水性試験)
上記発泡特性の観察に使用したものと同様のサンプルを用いて、50℃の温水に1週間浸漬後、濡れた状態で発泡状態を観察した。
【0051】
実施例2〜3
表2に示した量のポリリン酸アンモニウム、ペンタエリスリトール、ジシアンジアミド等を配合し、実施例1と同様にして組成物を調製し、発泡特性および発泡特性における耐水性を評価した。
その配合を表2に、評価結果を表3に示す。
【0052】
比較例
ベースポリマーとしてポリエーテル重合体を100重量部用い、これに可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)を50重量部、ポリリン酸アンモニウムを100重量部、多価アルコールとしてペンタエリスルトールを40重量部、アミノ基含有化合物としてジシアンジアミドを15重量部加え、室温下で撹拌した後、さらに3本ロールにてよく混練し、ペースト状とした。この組成物に硬化触媒としてオクチル酸錫を3重量部、硬化助剤としてラウリルアミンを0.75重量部加え、撹拌した。
【0053】
このようにして得られた組成物を用い、実施例1と同様の条件で硬化物を作製し、耐水性試験を行った。配合を表2に、評価結果を表3に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
表2において*1〜*5は次のものをしめす。
*1:MSポリマー(鐘淵化学工業(株)製)
*2:スミセーフPM(住友化学工業(株)製)
*3:ペンタエリスリトール
*4:ジシアンジアミド
*5:オクチル酸錫/ラウリルアミン(3/0.75)
【0056】
【表3】
【0057】
表3に示されるように、実施例1〜3の組成物は、比較例のポリエーテル重合体を用いた組成物に比べ、発泡倍率は低いものの、耐水性試験において、発泡特性に十分な耐水性を有していることが明らかである。これに対し、比較例のポリエーテル重合体を用いた組成物は、耐水性試験において発泡特性が大きく低下しており、耐水性は本発明の組成物がすぐれることが明らかである。
【0058】
【発明の効果】
このように、本発明の発泡型硬化性組成物は、透湿性の低い飽和炭化水素系重合体を用いることにより、従来から問題とされてきた発泡性能における耐水性を大きく改善したものである。このような組成物は、特に耐火、防火性能が要求される一般建築物の目地用シーラントとして有用であり、また、そのようなシーラントとしての気密性や水密性、さらに耐久性や耐候性のほか、石材汚染性や塗装性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発泡特性試験の状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 モルタル(50×50×10mm)
2 サンプル(20×10×10mm)
3 ガスバーナー
Claims (2)
- 下記の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び可塑剤を必須成分とし、成分(A)の100重量部に対する成分(C)の配合量が0.1〜20重量部であり、成分(A)と可塑剤の合計100重量部に対する成分(B)、成分(D)および成分(E)のそれぞれの配合量が、(B)10〜200重量部、(D)10〜100重量部、(E)5〜50重量部であることを特徴とする発泡型防火性組成物。
(A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)ポリリン酸塩化合物、
(C)シラノール縮合触媒、
(D)多官能アルコール、
(E)アミノ基含有化合物 - (A)成分の重合体中、イソブチレンに起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請求項1記載の発泡型防火性組成物。
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