JP2000345165A - 発泡型防火性組成物 - Google Patents

発泡型防火性組成物

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JP2000345165A
JP2000345165A JP11156719A JP15671999A JP2000345165A JP 2000345165 A JP2000345165 A JP 2000345165A JP 11156719 A JP11156719 A JP 11156719A JP 15671999 A JP15671999 A JP 15671999A JP 2000345165 A JP2000345165 A JP 2000345165A
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Ryuji Fukuda
竜司 福田
Shinichi Sakashita
伸一 坂下
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Taizo Aoyama
泰三 青山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可燃物を防火したり、煙、炎、燃焼により発生
するガス等の外部への流出を防いだりする効果を有する
発泡型防火組成物で、大面積のシートや施行部位に合わ
せた特定形状の成形体を短時間で大量に製造できる組成
物を提供する。 【解決手段】(A)粘度平均分子量が50,000以上
である飽和炭化水素系重合体と(B)ポリリン酸塩化合
物とを含有してなる発泡型防火性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡型防火組成物に
関し、詳しくは一般建造物の構成材の被覆や内外壁や開
口部の目地部や隙間、穴等に適用し、火炎にさらされた
際に、発泡炭化層を形成して、木材等の可燃物を防火し
たり、煙、炎、燃焼により発生するガス等の外部への流
出を防いだりする効果を有する発泡型防火組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建築物やその部位の耐火、防火性能に関
連して、開口部のガラスの取り付けや、カーテンウォー
ルやパネル等の目地に使用されるガスケットやシーリン
グ材に対しても、これらと同等の耐火、防火性能が要求
されている。このため、耐火、防火性能が要求される部
位にはガラスパテやアスベスト等の材料が使用されてき
た。しかし、ガラスパテは硬化後の状態が非常に硬く、
層間変位追従性が著しく劣るため、地震等の震動等によ
りガラスの破損が極めて甚大であることが明らかとな
り、はめ殺し窓には使用が禁止されている。また、アス
ベスト系の材料は人体に対して有害なことから使用にあ
たって制限されており、実際にはほとんど使用されてい
ない。
【0003】また、梁や柱などの構造材にも耐火性能が
要求され、耐火被覆として、半湿式の耐火材(ロックウ
ール等)を吹き付けるのが主流である。しかし、この方
法は作業時に材料が発散し易く、その防止のために養生
が必要であり、作業面の安全面でも高所作業などの課題
が残されていた。また、これらの課題を解決する手段と
してセラミック等の無機化合物と不織布等による耐火・
防火シートも各種提案されている。しかし、扉等の開口
部周辺の運動性を有する部位には、これら耐火・防火シ
ートは伸縮性が乏しく変位追従性が著しく劣るため、使
用に適していなかった。
【0004】ガスケットやシーリング材は水密及び機密
を主たる目的としたものであり、シーリング材として
は、例えばシリコーン系、変成シリコーン系、ポリサル
ファイド系、ウレタン系等の材料が使用されている。し
かし、これらのほとんどは可燃性であるとともに、火災
等により高温下に晒されると、燃え落ち開口部の防火に
ほとんど効果を示さない。このため目地幅に合わせて発
泡石綿体等を裁断し、これを目地部底部に圧縮挿入し、
さらにその上に防水性シーリングを施すといった複雑な
手法がとられている。また、この中で良好な難燃性を示
すことから乙種防火戸用シーリング材として注目されて
いるシリコーン系のシーリング材についても塗装性や撥
水汚染の問題を有しており、耐火、防火性を有する適用
範囲の広いシーリング材の開発が望まれている。
【0005】このような背景から、近年シーリング材の
難燃化に向けた開発が注目されており、上記シーリング
材のうち、変性シリコーン系材料を用いた防火性シーラ
ント組成物が特願平3−31379に提案されている。
これは変成シリコーン系シーリング材中に、加水分解性
ケイ素官能基を末端に有するポリエーテル重合体100
重量部に対し、20℃の水に対する溶解率が5重量%以
下、分解温度が110℃以上のポリリン酸アンモニウム
20〜150重量部、多価アルコール類15〜75重量
部、アミノ基含有化合物5〜50重量部、シラノール化
合物触媒0.1〜10重量部を配合したことを特徴とし
たものである。これはシーリング材が火炎にさらされた
際に、不燃性の発泡炭化層を形成することにより、木材
等の可燃物を防火あるいは、煙、炎、燃焼により発生す
るガス等の外部への流出を防ぐといった発泡型防火性シ
ーラント組成物である。
【0006】しかし、この防火性シーラント組成物で
は、使用するポリリン酸アンモニウムの水に対する溶解
度が、20℃の水に対して5重量%以下とは言え高く、
これは耐水性に問題が残るとともに、ポリリン酸アンモ
ニウムの吸水による発泡性能の低下が問題となる。即
ち、防火性シーラントは、防水性能の維持は当然とし
て、火災時の発泡性能も経年の変化があってはならな
い。つまり、耐火性の耐久性が要求されている。
【0007】ポリリン酸アンモニウムの吸水による発泡
性能の低下が懸念される場合、例えば発泡性耐火塗料な
どに利用される場合には、ウレタン塗料など防水性の高
いトップコートで発泡性耐火塗料を保護して実用化され
ているのが通例である。一方、使用するポリリン酸アン
モニウムの溶解度を低減させる、すなわち、ポリリン酸
アンモニウムを樹脂により被覆することによってマイク
ロカプセル化し、シーラントとしての耐水性を改善する
といったかなり複雑な手法が、特開平4−356581
に提案されている。さらに、特開平9−53075では
水蒸気/ガス透過性が低い、ケイ素原子に結合した水酸
基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成す
ることにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個
有する飽和炭化水素系重合体とポリリン酸塩化合物から
なる発泡型防火性組成物が開示されている。しかしなが
ら、この飽和炭化水素系重合体は室温で液状又は流動性
を有する重合体であり、ポリリン酸塩化合物と組成物を
作成した後、縮合硬化して成形するものである。このた
め硬化した成形体を得るために、1週間程度の養生期間
を必要としたり、工業的には生産性が悪く、大面積のシ
ートや施工部位に合わせた特定形状の成形体を得ること
が困難であり、加工性、成形性に課題があり、大量生産
には向かないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の従来技術の課題に鑑み、可燃物を防火したり、煙、
炎、燃焼により発生するガス等の外部への流出を防いだ
りする効果を有する発泡型防火組成物で、大面積のシー
トや施行部位に合わせた特定形状の成形体を短時間で大
量に製造できる組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)粘度平均分子量が50,000以上である飽和炭
化水素系重合体と(B)ポリリン酸塩化合物とを含有し
てなる発泡型防火性組成物である。上記組成物に、さら
に(C)多官能アルコール、(D)アミノ基含有化合物
および(E)無機系充填材から選択される1種以上を含
有することもできる。
【0010】また(A)の重合体中、イソブチレンに起
因する繰り返し単位の総量が50重量%以上であるのが
好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる飽和炭
化水素系重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6のオレ
フィン系化合物を主モノマーとして重合させる、(2)
ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を
単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系
化合物とを共重合させたりした後、水素添加する、など
の方法により得ることができるが、低吸水性、水蒸気バ
リア性、成形体に加工した時のガスケット、シーリング
材としての弾性、施工性の点でイソブチレン系重合体や
水添ポリブタジエン系重合体あるいは水添ポリイソプレ
ン系重合体であるのが望ましい。
【0012】前記イソブチレン系重合体は、単量体単位
のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよ
く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソ
ブチレン系重合体中の好ましくは50%(重量%、以下
同様)以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、
ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン
類、アリルシラン類等が挙げられる。このような共重合
体成分の具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテ
ン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチル
ビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−
ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p
−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−
ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビ
ニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジ
ビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチル
シラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシ
シラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシ
シラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ
る。
【0013】前記水添ポリブタジエン系重合体や他の飽
和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重
合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、
他の単量体単位を含有させてもよい。また、本発明中
(A)成分として用いる飽和炭化水素系重合体には、本
発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレ
ン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエ
ン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のご
とき重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好
ましくは10%以下の範囲で含有させてもよい。
【0014】前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイ
ソブチレン系重合体、水添ポリイソプレンまたは水添ポ
リブタジエン系重合体の粘度平均分子量は50,000
以上であり、50,000〜200,000が好まし
く、特に60,000〜140,000程度であるのが
取り扱いやすさなどの点から好ましい。粘度平均分子量
が50,000未満となると、樹脂の流動性が高くなり
すぎ、押出やカレンダー加工などの通常の樹脂の成型方
法ができなくなる。さらに、分子量分布(Mw/Mn)
に関しては、同一分子量における粘度が低くなるという
点で分子量分布が狭いほど好ましい。
【0015】粘度平均分子量が50,000以上である
飽和炭化水素系重合体の製造方法について、特にイソブ
チレン系重合体の場合を例として説明する。
【0016】上記のイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)を用いて製造することができる。また、イニファ
ー法を用いた場合は、ポリマーの末端に反応性の官能基
を容易に導入できる。本発明においても、末端にこのよ
うな官能基を持つものを用いることもできる。反応性官
能基の具体例としては、水酸基、フェノール性水酸基、
チオール基、カルボン酸基、エポキシ基、ビニル基等が
例示される。特にビニル基を末端に持つ場合は、SiH
基を分子内に少なくとも1以上有する化合物と、白金錯
体と併用して、成形後架橋することもできる。
【0017】本発明の(B)成分としてはポリリン酸塩
化合物を使用する。このポリリン酸塩化合物は、加熱環
境下において、有機物の脱水触媒として作用するほか、
自らも不燃性の無機質リン酸被膜を形成する働きを持つ
ものである。ポリリン酸塩化合物としては、ポリリン酸
の塩であれば、特に制限はないが、ポリリン酸のアンモ
ニアまたは有機塩基との塩が好ましく、ポリリン酸のア
ンモニアまたはアミンとの塩が更に好ましく、特にポリ
リン酸アンモニウムが好ましい。また、前記塩を形成す
るアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン
等が挙げられる。ポリリン酸のアンモニアまたはアミン
との塩は加熱により分解温度に達すると、脱アンモニア
等脱アミンにより縮合リン酸を生じる。この酸が有機物
の脱水触媒として作用し、有機物を炭化させる結果、防
火炭化層の形成につながる。また、この際発生するアン
モニアガス等は、発泡剤として作用し、組成物全体を膨
張させることになる。本発明に使用するポリリン酸のア
ンモニアまたはアミンとの塩は、リン含有量15重量
%、窒素含有量14重量%、分解温度200℃以上のも
の、また、取り扱いやすさの点から吸湿性の低いものが
適している。このようなポリリン酸のアンモニアまたは
アミンとの塩としては、特に限定はないが、例えば、ポ
リリン酸アンモニウムからなる住友化学工業株式会社製
の不溶化高分子リン化合物(商品名「スミセーフP
M」)等が挙げられる。
【0018】この成分(B)の配合量は、特に限定され
るわけではないが、成分(A)である飽和炭化水素系重
合体100重量部に対して10〜200重量部、あるい
は可塑剤を配合する場合には成分(A)と可塑剤の合計
100重量部に対して10〜200重量部であることが
好ましい。成分(B)の配合量が10重量部未満である
と、組成物全体を効果的に炭化、発泡させることが期待
できなくなる。一方、成分(B)の配合量が200重量
部を超えると、配合物の粘度が高くなり作業性が低下す
ることから好ましくない。
【0019】本発明では上記(A)及び(B)成分以外
に(C)成分として多官能アルコールを使用してもよ
い。多官能アルコールは、加熱により膨張し、さらに脱
水触媒であるポリリン酸塩化合物の存在下、炭化により
発泡炭化膜を形成するものである。加熱により炭化する
分解温度が200℃以上、好ましくは300℃以上のも
のが使用できる。このような多官能アルコールとして
は、モノ、ジ、トリペンタエリスリトール等の多価アル
コールや、でんぷんやセルロース等の多糖類、グルコー
ス、フルクトース等の少糖類等が例示されるが、これに
限定されるものではない。また、これらは単独で使用す
るほか、2種以上併用してもよい。
【0020】この成分(C)の配合量は、特に限定され
るものではなく、成分(A)である飽和炭化水素系重合
体100重量部に対して10〜100重量部、あるいは
可塑剤を配合する場合には成分(A)と可塑剤の合計1
00重量部に対して10〜100重量部であることが好
ましい。成分(C)の配合量が10重量部未満であると
膨張が不十分となり、一方、成分(C)の配合量が10
0重量部を超えると発泡炭化膜の形成が不十分となる。
【0021】さらに、本発明では上記(A)及び(B)
成分以外に(D)成分としてアミノ基含有化合物を使用
してもよい。アミノ基含有化合物は、膨張剤として作用
し、加熱による分解に伴い、窒素やアンモニア等の不燃
性ガスを発生し、組成物全体を適度の大きさに膨張させ
るものである。具体的にはジシアンジアミド、メラミ
ン、グアナミン、グアニジン、尿素、アゾジカルボンア
ミンやメラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂等のア
ミノ樹脂等が例示されるが、これに限定されるものでは
ない。また、これらは単独で使用するほか、2種以上併
用してもよい。
【0022】この成分(D)の配合量は、特に限定され
るものではなく、成分(A)である飽和炭化水素系重合
体100重量部に対して5〜50重量部、あるいは可塑
剤を配合する場合には成分(A)と可塑剤の合計100
重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
成分(D)の配合量が5重量部未満であると膨張が不十
分となり、一方、成分(D)の配合量が50重量部を超
えると形成される発泡炭化膜の強度が不十分となる。
【0023】さらに、本発明では上記(A)及び(B)
成分以外に(E)成分として無機系充填材を使用しても
よい。無機系充填材は、成形体の補強剤として作用し、
シーリング材及びガスケット等としての強度向上や燃焼
時の成形体の形状保持に寄与する。具体的には炭酸カル
シウム、石膏、マイカ、クレー、タルク、グラファイ
ト、アスベスト、カーボンブラックセメント、酸化アン
チモン、アルミナ、珪石、珪藻土、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリ
ン、カオリナイト等が例示されるが、これに限定される
ものではない。特にその中でも、水酸基や結晶水を含
み、加熱することにより水蒸気を発生するものは、この
組成物の燃焼速度を著しく遅延させる効果も期待でき、
防火性の点からも好ましい。このような補強剤や充填剤
の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、カオリン、カオリナイト等
が挙げられる。また、これらは単独で使用するほか、2
種以上併用してもよい。
【0024】この成分(E)の配合量は、特に限定され
るものではなく、成分(A)である飽和炭化水素系重合
体100重量部に対して5〜500重量部、あるいは可
塑剤を配合する場合には成分(A)と可塑剤の合計10
0重量部に対して5〜500重量部であることが好まし
い。成分(E)の配合量が5重量部未満であると強度が
不十分となり、一方、成分(E)の配合量が500重量
部を超えると膨張が不十分となる。
【0025】本発明においては(A)、(B)両成分に
対し(C)、(D)、(E)の少なくとも一種の成分が
添加されることが好ましいが、(C)、(D)、(E)
3成分が併用して添加されることが最もこのましい。ま
た、本発明の組成物には各用途に合わせた要求特性に応
じて、上記成分以外に、必要に応じて可塑剤やヒンダー
ドフェノール系やヒンダードアミン系の酸化防止剤や紫
外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、さらにシラ
ンカップリング剤等の接着性付与剤等を適宜配合するこ
とができる。
【0026】このうち、可塑剤は流動特性を調整し、作
業性をよくするためのものであり、一般的に使用されて
いる可塑剤が使用できるが、本発明に用いる成分(A)
の飽和炭化水素系重合体と相溶性のよいものが好まし
い。相溶性のよい可塑剤の具体例としては、例えばポリ
ブテン、水添ポリブテン、α−メチルスチレンオリゴマ
−、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、パ
ラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレン
等が挙げられるが、その中でも好ましくは不飽和結合を
含まない水添ポリブテン、水添液状ポリブタジエン、パ
ラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレン
などの炭化水素系化合物類が好ましい。これらの可塑剤
は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用しても
よい。さらに単独では相溶性が悪い可塑剤についても、
上記炭化水素系化合物類との併用により相溶性を良好に
すれば使用できる。
【0027】さらに、本発明の発泡型防火性組成物には
(A)成分100重量部に対して、100重量部を超え
ない範囲で、ゴム成分や熱可塑性樹脂成分を添加するこ
とができる。ゴム成分や熱可塑性樹脂成分の具体例とし
ては、再生ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ネオ
プレン(登録商標)ゴム、天然ゴム、エチレンプロピレ
ン共重合ゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等が例示される。これらの成分は
単独で用いても良いが、2種以上併用しても良い。
【0028】本発明の発泡型防火性組成物の製造方法に
は特に制限はなく、例えば、上記各成分を混合し、バン
バリーミキサーやロール、ニーダー、押出機、カレンダ
ー加工機等を用いて常温または加熱下において混練する
ことなど、通常の方法を採用することができる。また、
加工方法としては、これら混練物のプレス成形、射出成
型、異形押出成型、ブロー成型などにより所望の形状に
成型することができる。但し、これらの加熱混練及び成
型に関しては、発泡型防火性組成物が発泡しない温度で
混練成型することが必要である。
【0029】また、本発明の発泡型防火性組成物はこの
他、発泡シート、発泡ガスケット、成形体としても利用
できる。具体的には、防火扉の上下左右の隙間部にシー
ト貼りやガスケット固定等によりセットすることによ
り、火災時の炎や煙の貫通を防止できるといった使用方
法がある。このようにして得られた本発明の組成物は、
発泡型防火性材料として従来から問題とされてきた発泡
特性における耐水性に優れたものである。この耐水性の
向上にあたっては、使用する樹脂として水蒸気透過性が
極めて小さい飽和炭化水素系重合体を用いることによ
り、組成物自体の耐水性を向上させるといった新たな方
法により達成したものである。
【0030】さらに、本発明の発泡型防火性組成物の成
型物には、金属メッシュやセメント板等による補強が施
されていても良い。
【0031】本発明の発泡型防火性組成物によれば、熱
可塑性樹脂で用いられる様々な成型方法を用いることが
できるので、成形加工に要する時間は、縮合硬化型の樹
脂組成物に比較して、きわめて短く、短時間で大量に成
形体等を製造できるため、工業生産を考えた場合、生産
性が非常に高い。さらに、異形押出、射出成型法などに
より、中空製品を含む複雑な形状の成形体を製造するこ
とが可能である。また、シート押出成型、カレンダー加工
等により、大面積のシートや長尺のシートを製造することが容
易である。
【0032】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。尚、実施例に先立ち、各種評価試験の方法
について説明する。
【0033】(ゴム物性試験)得られたシートからJI
SK6301に準拠して3号型ダンベルを打ち抜き、引
張り速度200mm/分で引張り試験を行った。
【0034】(発泡特性試験)10×20×2mmの成
形品をガスバーナーにより約900℃の炎で加熱し、発
泡状態を観察した。
【0035】(耐水性試験)上記発泡特性の観察に使用
したものと同様のサンプルを用いて、50℃の温水に1
週間浸漬後、濡れた状態で発泡状態を観察した。
【0036】(加工性評価1)バンバリー混合する前の
混合物をブラベンダーにて150℃で混練し、得られた
組成物を170℃のフ゜レス成型機により2mm厚のシートに加工
し、加工可能かどうかを調べた。評価基準は、加工可能
なものを○、シートにはなるが表面性が不良なものを△、
成形不能なのものを×とした。
【0037】(加工性評価2)バンバリー混合する前の
混合物を押出機にて150℃で混練し、Tダイより押出
し、2mm厚のシートに加工し、加工可能かどうかを調べた。
評価は加工評価1と同様に評価した。
【0038】(実施例1)ポリイソブチレン(エクソン
ケミカル(株)社製VISTANEX MML-80、粘度平均分子量
64000)150重量部,ポリリン酸アンモニウム
(住友化学(株)社製スミセーフPM)100重量部,
多価アルコールとしてペンタエリスリトール40重量
部,アミノ基含有化合物としてメラミン15重量部をバ
ンバリー混合機を用いて150℃で混合し、ロール温度
上150℃下40℃でカレンダー加工し、厚さ2mmの
シートを得た。得られたシートを用いて以下に示す方法
で成型品の発泡特性及び発泡特性に対する耐水性を評価
した。結果を表1に示す。
【0039】(実施例2)ポリイソブチレン(エクソン
ケミカル(株)社製VISTANEX MML-140、粘度平均分子
量117000)150重量部に対して、スチレンブタ
ジエンゴム(日本合成ゴム(株)社製JSR1507)20重量
部、低密度ポリエチレン(昭和電工(株)社製ショウレ
ックスM250)75重量部を配合した以外は、実施例1と同
様にして組成物を調製し、発泡特性および発泡特性にお
ける耐水性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0040】(製造例1)飽和炭化水素系重合体の製造 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブにP−DCC(下記
化合物) p−Cl(CH32CC64C(CH32Cl 7.5mmoleを入れ、撹拌用羽根、三方コック及び
真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換した。
【0041】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−
シ−ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330m
L、ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−
ピコリン3.0mmolを添加した。次に、酸化バリウ
ムを充填したカラムを通過させることにより脱水したイ
ソブチレンが650g入っているニ−ドルバルブ付耐圧
ガラス製液化ガス採取管を三方コックに接続した後、容
器本体を−70℃のドライアイスーアセトンバスに浸積
し、重合器内部を撹拌しながら1時間冷却した。冷却
後、真空ラインにより内部を減圧した後、ニ−ドルバル
ブを開け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管
から重合容器に導入した。その後三方コックの一方から
窒素を流すことにより常圧に戻した。
【0042】次に、重合容器内が−70℃で安定してい
ることを確認し、TiCl4を7.18g(3.8mm
ol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を
開始させ、2時間経過した後、反応混合物を水に注ぎ込
むことにより触媒を失活させた。
【0043】次に有機層を純水により3回洗浄した後分
液し、溶剤を減圧留去することにより、イソブチレンポ
リマ−を得た。得られたポリマーの粘度平均分子量は1
20000であった。
【0044】(実施例3)製造例で得られたイソブチレ
ンポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして組成
物を調製し、発泡特性および発泡特性における耐水性を
評価した。評価結果を表1に示す。
【0045】(比較例1)変性シリコーン系シーリング
剤(鐘淵化学工業(株)社製MSポリマーを100重量
部用い、これに可塑剤としてジオクチルフタレート(D
OP)を50重量部、ポリリン酸アンモニウムを100
重量部、多価アルコールとしてペンタエリスルトールを
40重量部、アミノ基含有化合物としてジシアンジアミ
ドを15重量部加え、室温下で撹拌した後、さらに3本
ロールにてよく混練し、ペースト状とした。この組成物
に硬化触媒としてオクチル酸錫を3重量部、硬化助剤と
してラウリルアミンを0.75重量部加え、撹拌した。
【0046】このようにして得られた組成物を用いて、
厚さ2mm厚のシートを作製した後、23℃で1週間、
更に50℃で1週間養生した。得られた硬化物シートか
ら、JISK6301に準拠して3号型ダンベルを打ち
抜き、引張り速度500mm/分で引張り試験を行っ
た。更に、10×20×10mmの型に上記組成物を注
入し、これを23℃で1週間、更に50℃で1週間養生
した。その成型品により発泡特性試験及び耐水性試験を
行った。結果を表1に示す。
【0047】(比較例2)特開平9−53075に開示
されている方法で、両末端に反応性ケイ素を有するイソ
ブチレンポリマーを100重量部用い、これに可塑剤と
してパラフィン系プロセスオイルを100重量部、ポリ
リン酸アンモニウムを100重量部、多価アルコールと
してペンタエリスルトールを40重量部、アミノ基含有
化合物としてジシアンジアミドを15重量部加え、室温
下で撹拌した後、さらに3本ロールにてよく混練し、ペ
ースト状とした。この組成物に硬化触媒としてオクチル
酸錫を3重量部、硬化助剤としてラウリルアミンを0.
75重量部加え、さらにボウ硝10水和物を5重量部加
え、撹拌した。このようにして得られた組成物を用い
て、厚さ2mm厚のシートを作製した後、23℃で1週
間、更に50℃で1週間養生した。得られた硬化物シー
トから、JISK6301に準拠して3号型ダンベルを
打ち抜き、引張り速度500mm/分で引張り試験を行
った。更に、10×20×10mmの型に上記組成物を
注入し、これを23℃で1週間、更に50℃で1週間養
生した。その成型品により発泡特性試験及び耐水性試験
を行った。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 表1に示されるように、実施例1〜3の組成物は不燃性
の発泡炭化層を形成することにより防火性能を有するこ
とが確認できた。更に、比較例の変性シリコーン系シー
リング剤の組成物に比べ、成形加工性において優れ、耐
水性においても優れていることが明らかになった。ま
た、両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリマ
ーに対しても、短時間で容易に成形できる点で優れてい
る。
【0049】
【発明の効果】このように、本発明の発泡型防火性組成
物は、成形加工性に優れ、熱可塑性樹脂で用いられる成
型方法により成形体を製造でき、工業生産性もきわめて
高く、大面積、長尺シートを成型可能である。また、異形
押出や射出成型などにより、複雑な形状を有する成形体
にも加工することが容易にできる。このような組成物
は、一般建築物において防火・耐火性能が要求される場
所に広範囲に適用可能となる優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/16 C08K 5/16 C08L 23/00 C08L 23/00 23/20 23/20 C09K 3/10 C09K 3/10 J K Q Z 21/02 21/02 E04B 1/94 E04B 1/94 U H L Fターム(参考) 2E001 DE01 DE07 FA03 FA31 FA33 FA71 GA24 GA51 HD11 JA02 JD00 JD01 JD08 KA01 KA03 LA04 LA09 4F074 AA13 AA16 AA17 AA26 AC31 AD04 AG01 AG10 BA13 BA20 DA39 DA59 4H017 AA03 AA22 AA31 AB07 AC01 AC13 AC19 AD03 AD05 AE02 AE03 4H028 AA02 AA03 AA07 AA10 AA11 AA12 AA42 AB03 AB04 BA03 BA06 4J002 AB012 AB042 AC031 AC061 BB001 BB171 BB181 CC163 CC183 CC193 DA029 DA039 DE089 DE129 DE239 DH046 DJ029 DJ039 DJ049 DJ059 EC057 EQ018 ER028 ET018 EU188 EW046 FD019 FD020 FD070 FD132 FD136 FD137 FD323 FD328 GL00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)粘度平均分子量が50,000以上
    である飽和炭化水素系重合体と(B)ポリリン酸塩化合
    物とを含有してなる発泡型防火性組成物。
  2. 【請求項2】さらに(C)多官能アルコールを含有する
    請求項1記載の発泡型防火性組成物。
  3. 【請求項3】さらに(D)アミノ基含有化合物を含有す
    る請求項1又は2に記載の発泡型防火性組成物。
  4. 【請求項4】さらに(E)無機系充填材を含有する請求
    項1、2又は3に記載の発泡型防火性組成物。
  5. 【請求項5】(A)の重合体中、イソブチレンに起因す
    る繰り返し単位の総量が50重量%以上である請求項
    1、2、3又は4に記載の発泡型防火性組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105165A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Kuraray Co Ltd 難燃性水添スチレン系エラストマー組成物
JP2006176987A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 熱膨張性防火装着具、及び、それを用いた防火構造
JP2012111826A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Inoac Corp 難燃性軟質ポリウレタンフォームとその製造方法
JP2016142007A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 積水化学工業株式会社 防火材及び建築物の開口部構造

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