JP3824362B2 - 液晶パネルのtcpリペア方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶パネルに異方性導電膜(以下ACFという)を介して接続されたTCP(Tape Carrier Package)のリペア方法及びこれに用いる加熱治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶パネルとTCPとの電気的な接続を図8、図9に示す。図8、図9において、1は液晶パネル、2はITO配線、3はTCP、4はACF、7はACF中の導電粒子、5はTCPのCu配線、8はACFの接着剤としての樹脂成分、6はTCPのベースフィルム、18は駆動素子である。なお、図9は図8におけるA−A断面図である。
【0003】
図9に示されるように、液晶パネル1の端子部のITO配線2とCu配線5との電気的な接続は、ACF4中の導電粒子7によって行われている。
【0004】
接続のプロセスとしては、まず液晶パネル1の端子部にACF4を貼付ける。その上に顕微鏡等で位置合わせを行ったTCP3を乗せ、該TCP3の上から熱と圧力を加え、熱圧着する。すると、液晶パネル上のITO配線2とTCP3上のCu配線5との間にACF4中の導電粒子7が挟まり、両者が電気的に接続される。このとき、熱及び圧力を加えたことによって、ACF4中の樹脂成分8が硬化し、この両者が剥がれないように接続される。
【0005】
ところで、このTCP3の液晶パネル1への接続後、表示不良等が発生した場合は、TCP3を交換(リペア)する必要がある。このリペア方法としては、TCP3を液晶パネル1から引き剥がした後に、液晶パネルに残存し、硬化したACF4をアルコール等である程度除去し、更にヘラ等で除去した上で、再度新しいACFとTCPとを貼付け、熱圧着を行うという作業が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術においては、以下に示す問題点があった。
【0007】
まず、液晶パネル1からTCP3を引き剥がす際に、ACF4の接着強度が強いため、液晶パネル1の端面を損傷させてしまうという問題点があった。
【0008】
また、ACF4中に含まれる樹脂成分8としては主にエポキシ樹脂を用いるのが一般的であるが、このエポキシ樹脂がアルコールでは除去されにくいという問題点があった。
【0009】
また、例えば図10に示すようにITO配線2にカラーフィルタ等の有機薄膜9が積層されている場合は、前記有機薄膜9が傷つき易いため、前記液晶パネル1からTCP3を引き剥がす際に傷つけてしまうことがあり、TCP3のリペアが非常に困難であったため、TCPを液晶パネルごと破棄せざるを得なくなり、製造歩留が低下してしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は上述したような問題点に鑑み、確実にかつITO配線や有機薄膜を傷つけることのない液晶パネルのTCPリペア方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の液晶パネルのTCPリペア方法は、電極端子が形成された液晶パネルに異方性導電膜を介してTCPが接続された液晶パネルのTCPリペア方法において、
前記TCPのうち不良のTCPを加熱して前記液晶パネルから剥離する工程と、
再度液晶パネルに異方性導電膜を塗布し、剥離したTCPの位置合わせに用いたアライメントマークと同一のアライメントマークを用いて、剥離したTCPの位置からアライメントマークの線幅分だけずらして位置合わせし、新たなTCPを貼付る工程と、を有し、
TCPを加熱する手段は、TCPの形状に対応させた加熱治具であって、前記TCPを前記加熱治具を用いて加熱する際に、前記TCPと前記加熱治具との間にシリコンゴムを介在させ、TCPの接続部に圧力を加えずに、熱のみを与えることを特徴とする液晶パネルのTCPリペア方法である。
【0012】
本発明の請求項2記載の液晶パネルのTCPリペア方法は、請求項1記載の液晶パネルのTCPリペア方法において、前記TCPを液晶パネルから剥離した後に、前記液晶パネルの電極端子部に残存したACFを削取る工程を有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項3記載の液晶パネルのTCPリペア方法は、請求項1記載の液晶パネルのTCPリペア方法において、前記電極端子が有機薄膜と共に積層されている場合、前記液晶パネルの電極端子部を、有機洗浄剤を用いて洗浄する工程を有することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項4記載の液晶パネルのTCPリペア方法は、請求項1乃至3記載の液晶パネルのTCPリペア方法において、TCPを液晶パネルから剥離し、異方性導電膜を削取る前に、或いは有機洗浄剤を用いて洗浄した後に、液晶パネルの電極端子部に残存した異方性導電膜に有機溶剤を塗布し、一定時間経過後にこれを拭取る工程を有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項5記載の液晶パネルのTCPリペア方法は、請求項1乃至4記載の液晶パネルのTCPリペア方法において、前記TCPを加熱する際、加熱温度を150℃以上210℃以下とすることを特徴とするものである。
【0017】
以下、上記構成による作用について説明する。
【0018】
本発明の液晶パネルのTCPリペア方法は、電極端子が形成された液晶パネルにACFを介してTCPが接続された液晶パネルのTCPリペア方法において、TCPを加熱した後に剥離することによって、TCP剥離の際に液晶パネルの端子を損傷する事なく剥離させることが可能となる。また新たなTCPを、アライメントマークの線幅分位置をずらして貼付ることによって、ACFの不必要な除去作業を回避することができる。
さらにTCPを加熱する際、加熱温度はACFに均等に熱を加えるために、加熱治具とTCPとの間にシリコンゴムを介在させる。このシリコンゴムを介在させ、TCPの接続部に圧力を加えずに、熱のみを与える。これによって、加熱されるACFが液晶パネルから浮いた状態となり、加熱せずに剥離する場合よりも剥離しやすくなる。
【0019】
また、TCPを液晶パネルから剥離した後に、前記液晶パネルの電極端子部に残存したACFを削取ることによって、ACFを確実に除去することが可能となる。
【0020】
また、前記電極端子が有機薄膜と共に積層されている場合、前記液晶パネルの電極端子部を、有機洗浄剤を用いて洗浄することによって、前記電極端子及び有機薄膜を損傷させる事なくACFを確実に除去することが可能となる。前記有機洗浄剤としてはエポキシ樹脂を溶かすトルエン等を用いることができる。
【0021】
また、TCPを液晶パネルから剥離し、異方性導電膜を削取る前に、或いは有機洗浄剤を用いて洗浄した後に、液晶パネルの電極端子部に残存した異方性導電膜に有機溶剤を塗布し、一定時間経過後にこれを拭取ることによって、ACFを更に確実に除去することが可能となる。前記有機溶剤としてはエポキシ樹脂を膨潤させるN−メチルピロリドン等を用いることができる。
【0022】
前記TCPを加熱する際に、熱をACFに均等に加えるため、加熱治具とTCPとの間にシリコンゴムを介在させることが好ましい。
【0023】
また、前記TCPを加熱する際、加熱温度はACFと液晶パネルとの剥離性を向上させるために150℃以上とし、液晶パネルの背面に設けられた偏光板に損傷を与えなくするために210℃以下とすることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態について以下に説明する。本実施の形態は、図10に示したような、電極端子となるITO配線2とカラーフィルタ等の有機薄膜9とが積層された液晶パネル1に、半熱硬化型のACF4を介してTCP3が接続された液晶パネルに関するTCPリペア方法について説明したものである。
【0025】
本実施の形態における液晶パネルのTCPリペア時には、ITO薄膜2の下に有機薄膜9が形成されているため、ヘラ等を用いてACF4を削り取ることができないので、図1に示すフローに従ってTCPリペアを行う。以下、本実施の形態におけるTCPリペア方法について説明する。
【0026】
まず、加熱治具を用いてTCPの接続部の上から熱を与える。このとき、熱をTCPに均等に与えるために、図2に示すようにTCP3と加熱治具11との間にシリコンゴム10を介在させることが好ましい。本実施の形態においては、前記シリコンゴム10は厚みが0.2mmのものを用いた。前記加熱治具11として、本実施の形態では、図3の(a)に示されるように、半田こて12の先端に加熱部14をビス13によって固定したものを用いた。前記加熱部14は、底面形状が図3の(b)に示すように平板状となっており、一度に広範囲を加熱することができるとともに、加熱時に液晶パネルに過度の熱や圧力を与えることを防ぐことができるようになっている。なお、前記半田こて12は制御部15によってスイッチのON,OFFや加熱温度の調整等が制御されるものである。
【0027】
前記加熱工程においては、TCP3の接続部に圧力を加えず、熱のみを与えるようにする。こうすることによって、加熱されたACF4が液晶パネル1から浮いた状態となり、加熱せずに剥離するよりも剥離しやすくなる。
【0028】
次に、前記加熱治具11によってTCP3に所定温度の熱を与えた後、前記加熱治具11を外し、ピンセット等を用いてTCP3を液晶パネル1から剥離する。前記加熱温度は、150℃よりも小さいとACF4と液晶パネル1との剥離性が悪くなり、液晶パネル1に形成されたITO配線2や有機薄膜9を損傷させてしまう。また、210℃よりも大きいと液晶パネル1の背面に設けられた偏光板に80℃以上の熱が伝わり、偏光板焼け等の損傷を与えてしまう。従って、前記加熱温度は150℃〜210℃が好ましい。なお、本実施の形態では、前記加熱温度として、図4に示されるようにTCP3とACF4との間に温度計17に接続された熱電対16を挿入し、8〜12秒程度加熱した時の温度とした。前記加熱温度は、液晶パネル1の機種やACF4の材質等によってその最適値が左右されることがあるので、予め液晶パネル1の機種やACF4の材質毎にTCP3の剥離に最適な温度を測っておき、TCPリペア時にはその温度を参考にして加熱温度を設定すれば良い。なお、前記熱電対16及び温度計17は、液晶パネル1の機種毎の最適な加熱温度を測定するときに用いるものであり、実際のTCPリペア時に用いるものではない。
【0029】
次に、液晶パネル1のITO配線2上の半熱硬化型ACF4を、綿棒等に浸したトルエン等の有機洗浄剤で前記ITO配線2と平行な方向に拭取り、前記半熱硬化型ACF4を除去する。本実施の形態では、前記有機洗浄剤としてリグロイン(キシダ化学製)を用いた。
【0030】
有機洗浄剤の拭取り後でも半熱硬化型ACF4が残存した場合は、前記半熱硬化型ACF4の樹脂成分であるエポキシ樹脂を膨潤させる働きがあるN−メチルピロリドン(以下NMPという)等の有機溶剤を残存した半熱硬化型ACF4上に塗布し、前記残存した半熱硬化型ACF4を軟化させ、1時間程度放置した後、綿棒等で前記有機溶剤を拭取り、前記軟化させた半熱硬化型ACF4を、再度綿棒等に浸した有機洗浄剤で前記ITO配線2と平行な方向に拭取る。なお、前記NMPを塗布し放置している間は他の作業を行うことが可能であるので、1時間程度の時間を有していても作業効率が低下するものではない。
【0031】
最後に、再度半熱硬化型ACF4を前記ITO配線2上に塗布し、TCP3を貼付け、熱圧着を行うことによって、TCPリペアが完了する。
【0032】
このTCPの貼付けに関して、前記残存した半熱硬化型ACF4が完全に除去できた場合は問題ないが、場合によっては図5の(a)に示すように、再利用可能な範囲で若干残る場合があるが、このような場合はこれ以上残存する半熱硬化型ACF4を除去する必要は無く、液晶パネル1とTCP3とを所定の位置より残存するACF4を避けるようにずらして貼合せれば良い。
【0033】
つまり、例えば図5の(b)に示したようなアライメントマークを用いて液晶パネルの電極端子部とTCPとを位置合わせしている場合は、通常アライメントマーク19をアライメントマーク20の中央に合わせるが、図5の(c)に示すように前記アライメントマーク19とアライメントマーク20とを合わせることによって、前記アライメントマーク20の線幅分だけずらして位置合わせを行うことが可能であるので、このようにずらして貼合せる際に前記残存するACFが邪魔にならない場合は、これ以上ACFを除去する必要はない。
【0034】
このように、本実施の形態では、TCP3を加熱剥離することによって、TCP3の剥離の際に液晶パネル1に無理な力が加わることが無くなるので、前記液晶パネル1の端面を損傷させる事なくTCP3を剥離することができる。
【0035】
また、前記TCP3を剥離した後に液晶パネル1に残存する半熱硬化型ACF4をリグロインを用いて洗浄しているので、アルコールよりも効果的に前記半熱硬化型ACF4を除去することができる。
【0036】
更に、前記リグロインによる洗浄の後に前記半熱硬化型ACF4が残存した場合においても、この残存した半熱硬化型ACF4をヘラ等で削り取ることがないので、前記ITO配線2とこれに積層された有機薄膜9とが傷ついたり剥離したりすることを防ぐことができる。
【0037】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。本実施の形態は、図9に示したような、電極端子となるITO配線2が直接形成された液晶パネル1に、熱硬化型のACF4を介してTCP3が接続された液晶パネルに関するTCPリペア方法について説明したものである。本実施の形態においては、ITO配線2に積層して有機薄膜が設けられていない点と、前記液晶パネル1とTCP3との接続に熱硬化型のACF4が用いられている点において、実施の形態1と異なっている。本実施の形態におけるTCPリペア方法のフロー図を図6に示す。以下、図6、図9に基づいて、本実施の形態におけるTCPリペア方法について説明する。
【0038】
まず、実施の形態1と同様に、加熱治具を用いてTCPの上から熱を与え、ピンセット等を用いてTCPを剥離する。
【0039】
次に、液晶パネル1のITO配線2上の熱硬化型ACF4にNMP等の有機溶剤を残存した熱硬化型ACF4上に塗布し、前記残存した熱硬化型ACF4を軟化させ、3時間程度放置した後、綿棒等で前記有機溶剤を拭取り、前記軟化させた熱硬化型ACF4を、綿棒等に浸したトルエン等の有機洗浄剤で前記ITO配線2と平行な方向に拭取る。本実施の形態でも実施の形態1と同様に前記有機洗浄剤としてリグロインを用いた。なお、前記NMPを塗布し放置している間は他の作業を行うことが可能であるので、1時間程度の時間を有していても作業効率が低下するものではない。
【0040】
本実施の形態のように、液晶表示パネル1とTCP3との接続を熱硬化型ACF4を用いて行った場合、直接リグロインによって除去することができないので、最初にNMPを用いて軟化させた後にリグロインによって拭取ることが好ましい。
【0041】
前記リグロインの拭取り後でも熱硬化型ACF4が残存した場合は、ヘラ等を用いて前記残存した熱硬化型ACF4を削り取る。本実施の形態のように、液晶パネル1上に直接ITO配線2が設けられており、端子部がITO薄膜以外に有機薄膜が形成されていない場合は、ITO配線2が傷つきにくいため、リグロインによって洗浄するよりもヘラ等を用いて削り取った方が効率的であるため好ましい。
【0042】
最後に、再度熱硬化型ACF4を前記ITO配線2上に塗布し、TCP3を貼付け、熱圧着を行うことによって、TCPリペアが完了する。
【0043】
このTCP3の貼付けに関して、前記残存した熱硬化型ACF4が再利用可能な範囲で若干残る場合があるが、この場合は実施の形態1と同様に液晶パネル1とTCP3とを所定の位置より残存するACF4を避けるようにずらして貼合せれば良い。
【0044】
このように、本実施の形態では、TCP3を加熱剥離することによって、TCP3の剥離の際に液晶パネル1に無理な力が加わることが無くなるので、前記液晶パネル1の端面を損傷させる事なくTCP3を剥離することができる。
【0045】
また、前記TCP3を剥離した後に液晶パネル1に残存する熱硬化型ACF4をNMPを用いて軟化させた後、リグロインを用いて洗浄しているので、アルコールで拭取るよりも効果的に前記熱硬化型ACF4を除去することができる。
【0046】
更に、前記リグロインによる洗浄の後にも前記熱硬化型ACF4が残存した場合においても、ヘラ等で削り取ることによって効果的に前記残存した熱硬化型ACF4を除去することができる。
【0047】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態について以下に説明する。本実施の形態は、図9に示したような、電極端子となるITO配線2が直接形成された液晶パネル1に、半熱硬化型のACF4を介してTCP3が接続された液晶パネルに関するTCPリペア方法について説明したものである。本実施の形態においては、ITO配線2に積層して有機薄膜が設けられていない点において、実施の形態1と異なっている。本実施の形態におけるTCPリペア方法のフロー図を図7に示す。以下、図7、図9に基づいて、本実施の形態におけるTCPリペア方法について説明する。
【0048】
まず、実施の形態1と同様に、加熱治具を用いてTCP3の上から熱を与え、ピンセット等を用いてTCP3を剥離する。
【0049】
次に、実施の形態1と同様に、液晶パネル1のITO配線2上の半熱硬化型ACF4を、綿棒等に浸したトルエン等の有機洗浄剤で前記ITO配線2と平行な方向に拭取り、前記半熱硬化型ACF4を除去する。本実施の形態でも実施の形態1と同様に前記有機洗浄剤としてリグロインを用いた。
【0050】
更に、それでもなお半熱硬化型ACF4が残存した場合は、ヘラ等を用いて削り取る。本実施の形態においては、実施の形態2と同様、液晶パネル1上に、端子部がITO配線2以外に有機薄膜が形成されていないため、ヘラ等で削り取ることも可能である。
【0051】
なお、ヘラ等を用いて削り取る代わりに、実施の形態1のように、NMP等の有機溶剤を残存した半熱硬化型ACF4上に塗布し、前記残存した半熱硬化型ACF4を軟化させ、1時間程度放置した後、綿棒等で前記有機溶剤を拭取り、前記軟化させた半熱硬化型ACF4を、再度綿棒等に浸した有機洗浄剤で前記ITO配線2と平行な方向に拭取るようにしても良い。
【0052】
最後に、再度半熱硬化型ACF4を前記ITO配線2上に塗布し、TCP3を貼付け、熱圧着を行うことによって、TCPリペアが完了する。
【0053】
このTCP3の貼付けに関して、前記残存した半熱硬化型ACF4が再利用可能な範囲で若干残る場合があるが、この場合は実施の形態1と同様に液晶パネル1とTCP3とを所定の位置より残存するACF4を避けるようにずらして貼合せれば良い。
【0054】
このように、本実施の形態では、TCP3を加熱剥離することによって、TCP3の剥離の際に液晶パネル1に無理な力が加わることが無くなるので、前記液晶パネル1の端面を損傷させる事なくTCP3を剥離することができる。
【0055】
また、前記TCP3を剥離した後に液晶パネル1に残存する半熱硬化型ACF4をリグロインを用いて洗浄しているので、アルコールよりも効果的に前記半熱硬化型ACF4を除去することができる。
【0056】
更に、前記リグロインによる洗浄の後にも前記半熱硬化型ACF4が残存した場合においても、ヘラ等で削り取ることによって効果的に前記残存した半熱硬化型ACF4を除去することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶パネルのTCPリペア方法は、電極端子が形成された液晶パネルにACFを介してTCPが接続された液晶パネルのTCPリペア方法において、前記TCPのうち不良のTCPを加熱して前記液晶パネルから剥離する工程と、再度液晶パネルにACFを塗布し、新たなTCPを貼付る工程と、を有することによって、TCP剥離の際に液晶パネルの端子を損傷する事なく剥離させることができるという効果を奏する。さらに新たなTCPを、アライメントマークの線幅分位置をずらして貼付ることによって、ACFの不必要な除去作業を回避することができる。
さらにTCPを加熱する手段が、TCPの形状に対応させた加熱治具であって、前記TCPを加熱治具を用いて加熱する際に、前記TCPと前記加熱治具との間にシリコンゴムを介在させることをことによって、前記TCPの接着部を均一に加熱させることができる。しかもTCPの接続部に圧力を加えずに、熱のみを与える。これによって、加熱されるACFが液晶パネルから浮いた状態となり、加熱せずに剥離する場合よりも剥離しやすくなる。
【0058】
また、前記TCPを液晶パネルから剥離した後に、前記液晶パネルの電極端子部に残存したACFを削取る工程を有することによって、ACFを確実に除去することができるという効果を奏する。
【0059】
また、前記電極端子が有機薄膜と共に積層されている場合、前記液晶パネルの電極端子部を、有機洗浄剤を用いて洗浄する工程を有することによって、前記電極端子及び有機薄膜を損傷させる事なくACFを確実に除去することができるという効果を奏する。
【0060】
また、TCPを液晶パネルから剥離し、異方性導電膜を削取る前に、或いは有機洗浄剤を用いて洗浄した後に、液晶パネルの電極端子部に残存した異方性導電膜に有機溶剤を塗布し、一定時間経過後にこれを拭取る工程を有することによって、ACFを更に確実に除去することができるという効果を奏する。
【0062】
また、前記TCPを加熱する際、加熱温度を150℃以上210℃以下とすることによって、加熱温度はACFと液晶パネルとの剥離性を向上させると共に、液晶パネルの背面に設けられた偏光板に損傷を与えることなく前記TCPを剥離することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるTCPリペア方法を示すフロー図である。
【図2】TCPの接続部を加熱する様子を示す図である。
【図3】本発明のTCPリペア方法に用いる加熱治具を示す図である。
【図4】加熱温度を設定する方法を示す図である。
【図5】残存するACFが許容範囲以内となるように除去された液晶パネルを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるTCPリペア方法を示すフロー図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるTCPリペア方法を示すフロー図である。
【図8】液晶パネルとTCPとの接続の様子を示す図である。
【図9】図8におけるA−A断面図である。
【図10】有機薄膜が形成された液晶パネルとTCPとの接続の様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶パネル
2 ITO配線
3 TCP
4 ACF
5 TCPのCu配線
6 TCPのベースフィルム
7 ACF中の導電粒子
8 ACF中の樹脂成分
9 有機薄膜
10 シリコンゴム
11 加熱治具
12 半田こて
13 ビス
14 加熱部
15 制御部
16 熱電対
17 温度計
18 駆動素子
19 アライメントマーク
20 アライメントマーク
Claims (5)
- 電極端子が形成された液晶パネルに異方性導電膜を介してTCPが接続された液晶パネルのTCPリペア方法において、
前記TCPのうち不良のTCPを加熱して前記液晶パネルから剥離する工程と、
再度液晶パネルに異方性導電膜を塗布し、剥離したTCPの位置合わせに用いたアライメントマークと同一のアライメントマークを用いて、剥離したTCPの位置からアライメントマークの線幅分だけずらして位置合わせし、新たなTCPを貼付る工程と、を有し、
TCPを加熱する手段は、TCPの形状に対応させた加熱治具であって、前記TCPを前記加熱治具を用いて加熱する際に、前記TCPと前記加熱治具との間にシリコンゴムを介在させ、TCPの接続部に圧力を加えずに、熱のみを与えることを特徴とする液晶パネルのTCPリペア方法。 - 前記TCPを液晶パネルから剥離した後に、前記液晶パネルの電極端子部に残存した異方性導電膜を削取る工程を有することを特徴とする請求項1記載のTCPリペア方法。
- 前記電極端子が有機薄膜と共に積層されている場合、前記液晶パネルの電極端子部を、有機洗浄剤を用いて洗浄する工程を有することを特徴とする請求項1記載の液晶パネルのTCPリペア方法。
- TCPを液晶パネルから剥離し、異方性導電膜を削取る前に、或いは有機洗浄剤を用いて洗浄した後に、液晶パネルの電極端子部に残存した異方性導電膜に有機溶剤を塗布し、一定時間経過後にこれを拭取る工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の液晶パネルのTCPリペア方法。
- 前記TCPを加熱する際、加熱温度を150℃以上210℃以下とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の液晶パネルのTCPリペア方法。
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