JP3822744B2 - 作業車 - Google Patents

作業車 Download PDF

Info

Publication number
JP3822744B2
JP3822744B2 JP06648598A JP6648598A JP3822744B2 JP 3822744 B2 JP3822744 B2 JP 3822744B2 JP 06648598 A JP06648598 A JP 06648598A JP 6648598 A JP6648598 A JP 6648598A JP 3822744 B2 JP3822744 B2 JP 3822744B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
state
brake
turning
steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06648598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11257111A (ja
Inventor
武寛 曽我
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP06648598A priority Critical patent/JP3822744B2/ja
Publication of JPH11257111A publication Critical patent/JPH11257111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3822744B2 publication Critical patent/JP3822744B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Lifting Devices For Agricultural Implements (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車における、ステアリング操作に連動して旋回時の車速を自動変速する旋回連動式自動変速機構や、ステアリング操作に連動して旋回内側のブレーキを作動させるオートブレーキ機構等の旋回装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタ等の作業車において、高速作業時に旋回する場合は、先ず、作業機上昇スイッチをONすることで作業機を上昇させるとともに、エンジン回転数を下げて減速し、その後ステアリング操作を行って旋回を行うものが例えば、特開平7−17300に示すように、公知とされていた。
また、ステアリング操作に連動して作業機が上昇するように、所謂オートリフト機構を構成したものもあり、この場合は、ステアリング操作速度を速度センサにより電気的に検出して作業機を制御していた。
また、作業車には前記オートリフト機構に加えて、ステアリング操作に連動して、旋回内側のブレーキを作動させるオートブレーキ機構、及び、ステアリング操作に連動して前輪を増速する前輪増速機構等が具備されており、これらの機構の作動状態を入切する切換スイッチが、それぞれの機構毎に各々設けられていた。
そして、前記オートブレーキ機構には機械式に作動するように構成して、該オートブレーキ機構のブレーキ機構部とステアリング機構部とをワイヤーで接続したものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の作業車のように、作業機を上昇して減速した後に旋回すると、円滑に旋回できて精度の良い高能率作業ができるが、作業機上昇スイッチのON操作を行うタイミングが難しく、また、ステアリング操作を行いながら作業機上昇スイッチを操作する必要があったので、操作が煩雑となっていた。
この作業の煩雑さを解消するために、ステアリング操作に連動して作業機が上昇するように構成すると、作業機が上昇した後に減速されるので、高速作業の状態のまま旋回が開始されて、作業機を引きずったまま旋回することとなって、円滑な旋回ができずに作業の精度が低下していた。
そして、ステアリング操作速度は電気的に検出しているために、ノイズ等により誤動作して正確な速度検出ができなくなる場合があり、速度センサや制御を行うコントローラが故障した場合には、故障原因の探求が困難であり、原因が解明できないときには、センサやコントローラごと交換しなければならないので、修理コストが高額になっていた。
【0004】
また、オートリフト機構、オートブレーキ機構、及び、前輪増速機構等にはそれぞれに作動状態を入切する切換スイッチが設けられていたので、操作が複雑となって誤操作を招く恐れがあり、コスト高となって、機能的にも不合理となる。 さらに、オートブレーキ機構及び前輪増速機構は高速作業時に作動させると円滑な旋回を行うことができないので、変速装置が高速状態になっているときにはオートブレーキ機構及び前輪増速機構が作動しないような構成にすることが望まれている。
また、オートブレーキ機構のブレーキ機構部とステアリング機構部とをワイヤーで接続していたので、構造が複雑となったり、経時的にワイヤが伸びて制動力が変化したり、外観的に見栄えが悪かったり、ワイヤに草木が引っかかったりしていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、作業車の旋回装置における以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
【0006】
請求項1においては、ステアリングの操作速度の速遅に応じてエンジン回転数又は車速を変化する旋回連動式自動変速機構、該ステアリングの操作速度の速遅に応じて作業機を自動上昇させるオートリフト機構、該ステアリングの操作角度に応じて旋回内側のブレーキを作動させるオートブレーキ機構、及び、ステアリングの操作角度に応じて前輪を増速する前輪増速機構を有する作業車において、該旋回連動式自動変速機構とオートリフト機構との作動状態を同時に入切する操作速度対応機構切換具、及び、オートブレーキ機構と前輪増速機構との作動状態を同時に入切する操作角度対応機構切換具を設けたものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の作業車において、変速装置を高速状態に切り換えると、該操作角度対応機構切換具が切状態に連動し、変速装置が高速状態である場合に操作角度対応機構切換具を入状態に切り換えると該変速装置が低速状態へ連動する牽制機構を設けたものである。
【0008】
請求項3においては、請求項1記載の作業車において、該オートブレーキ機構の作動状態を入切するクラッチ部を機体前部の左右略中央に配置し、該オートブレーキ機構のクラッチ部と、フロントアクスル部の舵取装置のステーとの間を、弾性部材により左右略中央部で連結したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面より説明する。
【0010】
図1は本発明の旋回装置を備えたトラクタを示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3は旋回装置を示す平面図、図4は同じく側面図、図5は同じく部分平面図、図6は同じく部分側面図、図7は作動モードの切換機構を示す後面図、図8は同じく平面図、図9は主変速レバーを示す斜視図、図10は直進状態検出スイッチによる直進状態検出を示す側面図、図11は同じく正面図、図12はオートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構を示す回路図、図13は同じく別実施例を示す回路図、図14は同じくオートリフト機構の作動を入切する切換スイッチと旋回連動式自動変速機構作動を入切する切換スイッチとを別々に設けた例を示す回路図、図15は同じくオートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構を一つの切換操作具で纏めて切り換えるように構成した例を示す回路図、図16は同じくオートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構を一つの切換操作具で纏めて切り換えるように構成した例の別実施例を示す回路図、図17はオートブレーキ機構及び前輪増速機構の牽制機構を示す側面図、図18は図12の構成において旋回連動式自動変速機構を、機体速度が一定の範囲の速度域にある場合のみに作動するように構成した場合を示す回路図、図19は図13の構成において旋回連動式自動変速機構を、機体速度が一定の範囲の速度域にある場合のみに作動するように構成した場合を示す回路図、図20は副変速レバーの変速位置を検出する副変速レバースイッチを示す側面図、図21は機械式に構成した操向装置のリンク機構を示す図、図22はパワーステアリング機構に構成した操向装置のリンク機構を示す図、図23は操作速度センサを示す側面断面図、図24は同じく平面図、図25は中立位置にある状態の操作速度センサを示す作動状態図、図26は急激な圧縮方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図、図27は緩やかな圧縮方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図、図28は急激な引っ張り方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図、図29は緩やかな引っ張り方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図、図30はオートブレーキ機構の別実施例を示す平面図、図31は同じく側面図、図32は同じく正面図、図33は図30におけるオートブレーキ機構の別実施例を示す平面図である。
【0011】
まず、本発明の作業車であるトラクタの概略構成について、図1、図2により説明する。
前輪4と後輪5とによって、クラッチハウジング8及びミッションケース9を支持している。クラッチハウジング8の上部にはボンネット6を載置して、該ボンネット6の後方にステアリングハンドル10を配設し、該ステアリングハンドル10の後方には座席20を設けている。
また、前記クラッチハウジング8の左右側にはステップ1を張り出し、該ステップ1から上方にブレーキペダル2を突出している。座席20の両側方に配設したレバーガイド3・3には主変速レバー60、副変速レバー及び切換えレバーなどを配置している。そして、機体後端部には作業機19を昇降可能に装着している。
なお、図3、図4に示すように、前記クラッチハウジング8にはHST式変速装置62が内蔵されている。
【0012】
次に、本トラクタの旋回装置について説明する。該旋回装置はオートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回時の旋回連動式自動変速機構等で構成されている。
まず、オートブレーキ機構について説明する。図3乃至図6において、ステアリングポスト17に支持されたステアリングハンドル10を回転操作すると、ピットマンアーム16が上下に回動して、ドラッグロッド15によってピットマンアーム16と連結されたピットマンアーム13が回動するとともにドラッグロッド14を前後移動させ、タイロッド18が左右に移動して前輪4・4を操向するように構成している。
【0013】
また、ステアリングポスト17の上端部には、ギア状に形成したパルス発生部材45をステアリングハンドル10と一体的に回転可能に取り付け、該パルス発生部材45から発生するパルスを、ステアリングハンドル10の操作速度としてステアリング操作速度検出センサ44により検出するように構成している。
そして、ステアリングハンドル10下方のダッシュボード49には、旋回時の車速を設定する旋回車速設定器46、及び、ステアリングハンドル10の操作速度の検出レベルを設定する操作速度検出レベル設定器47を配設している。
さらに、ステアリングポスト17の下端部におけるピットマンアーム16の回動中心16aの部分には、直進状態検出スイッチ48を取り付けて、ピットマンアーム16の回動角度が一定角度以内であれば直進状態であると判断し、該回動角度が一定角度以上であれば直進状態ではないと判断するように構成している。
【0014】
また、ピットマンシャフト11を、前記クラッチハウジング8の下部において機体左右方向に回動自在に横設して、ピットマンアーム13の回動動作とともに回動するよう構成し、該ピットマンアーム13の配設側とは反対側端部にクラッチ31を配設して、該クラッチ31をピットマンシャフト11に挿脱可能に嵌入している。該クラッチ31にはカムアーム37を固設し、該カムアーム37に形成した固定ピン31a(図7参照)を、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cに摺動自在に嵌入し、カムアーム37と旋回リンク21とが一体的に回動可能に構成している。
【0015】
ピットマンシャフト11の後方には、ブレーキシャフト12を横設して、該ブレーキシャフト12には左右カムレバー22・23を嵌装し、左カムレバー22はブレーキシャフト12と一体的に回動し、右カムレバー23はブレーキシャフト12に対して回動自在としている。左右カムレバー22・23のステー22a・23aは、前記旋回リンク21のステー21a・21bに、左右連結ロッド24・25を介して各々連結され、また、ブレーキシャフト12は、左後輪ブレーキ装置を作動させる左ブレーキカム34aに、左ブレーキロッド26を介して連結され、右カムレバー23は、右後輪ブレーキ装置を作動させる右ブレーキカム34bに、右ブレーキロッド27を介して連結されている。
【0016】
そして、旋回リンク21の固定孔21cが前方に回動すると、左ブレーキカム34aが回動して左後輪ブレーキ装置が作動し、固定孔21cが後方に回動すると、右ブレーキカム34bが回動して右後輪ブレーキ装置が作動するように構成している。
また、前述の切換えレバー32を上下に回動して切換えロッド33を前後に移動させ、回動軸34を中心に切換えピン35を回動させることで、クラッチ31をピットマンシャフト11に対して挿脱させて、オートブレーキ機構の作動モードを入切することができる。
【0017】
このようにオートブレーキ機構を構成して、例えば機体が左へ旋回する方向へステアリングハンドル10を回転操作すると、該回転操作に連動してピットマンシャフト11が回動し、クラッチ31に固設したカムアーム37と一体的に回動するように構成した旋回リンク21のステー21aが前方に回動する。
すると、左連結ロッド24によりステー21aと連結したステー22aが前方に回動し、左カムレバー22とブレーキシャフト12が一体的に回動して、ブレーキロッド26を前方に移動させるとともに左ブレーキカム34aを前方に回動させて、左後輪ブレーキ装置を作動させる。この場合、右後輪ブレーキ装置は作動しないように構成している。
【0018】
逆に、機体が右へ旋回する方向へステアリングハンドル10を回転操作すると、旋回リンク21のステー21bが前方へ回動し、該ステー21bに取付けられた右連結ロッド25が前方へ移動して、右連結ロッド25で連結したステー23aを前方に回動する。そして、右カムレバー23に前端を連結したブレーキロッド27が前方へ移動するとともに右ブレーキカム34bを前方に回動して右後輪ブレーキ装置が作動する。
この場合、左後輪ブレーキ装置は作動しないように構成している。
【0019】
次に、作業者がブレーキペダル2を踏圧して左右後輪ブレーキ装置を作動させるブレーキ機構について説明する。
前記ブレーキシャフト12には左右カムレバー22・23が嵌装され、該左右カムレバー22・23間にはブレーキペダル2のブレーキ支持軸が回動自在に嵌装され、該ブレーキペダル2の操作部2aを踏圧するとブレーキ支持軸が回動するよう構成している。ブレーキペダル2のブレーキ支持軸の下端部には、バランス機構である図4図示のイコライザ30が固設され、該イコライザ30により、ブレーキペダル2を踏圧した場合に左右後輪ブレーキ装置を同時に作動させ、かつ、該ブレーキ装置が等しい制動力を生じるように構成している。
また、本実施例では、ブレーキペダルを1本のブレーキペダル2で構成しているが、左右後輪ブレーキ装置を別々に操作する左ブレーキペダルと右ブレーキペダルとの2本のブレーキペダルで構成してもよい。
【0020】
次に、オートブレーキ機構や前輪増速機構などの作動モードの切換機構について説明する。
図3、図7及び図8において、ピットマンシャフト11のピットマンアーム13配設側とは反対側の端部に前記クラッチ31が配設され、該クラッチ31の爪部31bが、ピットマンシャフト11の端部に挿脱自在に嵌入して、該ピットマンシャフト11とクラッチ31とが一体的に回動可能に構成されている。前記の如く、クラッチ31には、カムアーム37が一体的に取付けられ、該カムアーム37の固定ピン37aが、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cへ摺動自在に嵌入して、オートブレーキ機構の作動モードが切状態のときには旋回リンクが回動しないように固定している。カムアーム37の外周部に形成した凹部31aには、切換えアーム34bに固設した切換えピン35が上方から嵌入し、該切換えアーム34bは、クラッチハウジング8にブラケットを介して回動自在に取付けられた回動軸34に固設されている。該回動軸34は、回動アーム34aを介して切換えロッド33と連結されている。
【0021】
前記切換えレバー32は、図1図示の座席20の一側方のレバーガイド3に配置されている。該切換えレバー32を上方に回動させると、オートブレーキ機構の作動モードは切状態となる。即ち、図4の如く、該切換えレバー32を上方に回動させると、切換えロッド33が前方へ移動し、これに伴って前記回動軸34が回動するとともに、前記切換えピン35が機体の左右外側へ移動し、これに伴って、前記クラッチ31が外側へ移動し、ピットマンシャフト11に嵌入していた爪部31bが該ピットマンシャフト11から抜脱して、ピットマンシャフト11の回動動作はクラッチ31に伝達されず、従ってブレーキシャフト12へ伝達されなくなり、機体を旋回してもオートブレーキ機構は作動しないこととなる。
そして、切換えレバー32が下方に回動された状態においては、オートブレーキ機構の作動モードが入状態になっており、クラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11に嵌入し、クラッチ31とピットマンシャフト11とが一体的に回動して、該ピットマンシャフト11の回動動作を、旋回リンク21などにより構成した中間リンクを介してブレーキシャフト12へ伝達するので、オートブレーキ機構を作動させることができる。
【0022】
また、切換えレバー32が下方に回動され、オートブレーキ機構の作動モードが入状態の場合は、機体の旋回時に前輪の回転を増加させる前輪増速機構を構成する前輪増速装置54も作動モードが入状態となっている。即ち、ピットマンシャフト11と一体的にクラッチ31とカムアーム37とが回動して、該カムアーム37がローラカム39を介して連結ロッド36を押し、これにより機体旋回時に該連結ロッド36の前方に配設された前輪増速装置54を作動させることができるように構成している。
また、前記回動軸34にはスイッチレバー34cが該回動軸34と一体的に回動可能に形成されており、前記切換えレバー32が下方に回動されて回動アーム34aが後方に回動した状態では、該スイッチレバー34cは図8に示す前輪増速モードスイッチ(以下ハイグリップスイッチと記す)40の当接部40aに当接して、該ハイグリップスイッチ40をON状態に保ち、表示部のモード表示ランプを点灯して、オートブレーキ、及び、前輪増速のモードに入っていることを表示している。
即ち、切換えレバー32は、旋回時に、ステアリング操作を一定角度以上行った場合に作動するオートブレーキ機構及び前輪増速機構の前輪増速装置54の作動状態を同時に入切する操作角度対応機構切換具であり、ハイグリップスイッチ40はオートブレーキ機構と前輪増速装置54との入状態を検出する検出スイッチである。
なお、本願発明では、上記のように前輪増速を機械的に行なっている例を示したが、ハイグリップスイッチ40のON状態時に、電気式、又は油圧式で、カムアーム37、又は、後述するステアリングセンサ64の動きに連動させることにより、該前輪増速装置を作動させてもよい。
【0023】
このように、切換えレバー32を下方に回動すれば、機体が旋回した際にオートブレーキ機構及び前輪増速機構が共に作動できる作動モード入状態にすることができ、一方、該切換えレバー32を上方に回動すれば、機体を旋回してもオートブレーキ機構及び前輪増速機構が共に作動しない作動モード切状態にすることができるのである。
【0024】
次に、作業車後部に装着した作業機を、ステアリングハンドル10の回転操作に連動して昇降させる、オートリフト機構(旋回連動式自動昇降機構)について説明する。
図6に示すように、ステアリングハンドル10の回転に伴って回動するピットマンシャフト11には、ステアリングセンサ64を設けている。
また、ピットマンシャフト11のステアリングセンサ64が当接する当接部はカム形状に形成してあり、ステアリングハンドル10の切角が一定角度以上となったときに該ステアリングセンサ64がONするように構成している。
そして、ステアリングセンサ64がONすると、作業機19が自動的に上昇するように構成しているのである。
なお、本オートリフト機構には、後述するオートリフト入切スイッチ52を設けて、該オートリフト機構の作動状態を入切することができるようにしている。
また、図9に示すように、左右一方のレバーガイド3に配設した主変速レバー60の操作部側面には、作業機を昇降させる作業機上昇スイッチ60a、及び作業機下降スイッチ60bを配設して、該主変速レバー60を握ったままで手動により、作業機を昇降できるようにしている。
【0025】
次に、旋回連動式自動変速機構について説明する。
図10、図11に示すように、直進状態検出スイッチ48は、ステアリングハンドル10の回転に伴って上下回動するピットマンアーム16の回動支点16aの部分に配設されている。該回動支点16aの部分には、ピットマンアーム16と一体的に回動するスイッチ切換角設定板62を装着し、該スイッチ切換角設定板62には外側へ突出する突起片62a・62aが形成されており、直進状態検出スイッチ48の当接部48aがスイッチ切換角設定板62に当接するように配置している。
【0026】
そして、スイッチ切換角設定板62がステアリングハンドル10の回転に伴って上下回動すると、直進状態検出スイッチ48の当接部64aは、該スイッチ切換角設定板62面上を移動して前記突起片62aの部分に達し、該当接部64aが突起片62aに乗り上げて直進状態検出スイッチ48がONされる。この直進状態検出スイッチ48のON状態は、ステアリングハンドル10の切角が最切角となるまで維持される。突起片62aは、スイッチ切換角設定板62が一定角度以上回動したとき、即ち、ステアリングハンドル10が、適宜設定された一定角度以上左右に回転されたときに直進状態検出スイッチ48がONするように配置されており、直進状態検出スイッチ48がOFFの場合に略直進状態であると判断し、ONの場合に直進状態ではないと判断するように構成している。
また、前記ステアリング操作速度検出センサ44は、ステアリングハンドル10と一体的に回転するパルス発生部材45からのパルスを、該ステアリングハンドル10の回転操作速度として検出するように構成している。
【0027】
そして、前記直進状態検出スイッチ48がOFF(機体が略直進状態であると判断されている状態)からON(旋回状態)に移行した時に、ステアリング操作速度検出センサ44により検出したステアリングハンドル10の操作速度が予め設定した一定値よりも大きい場合には、旋回前のエンジン61の回転数から、予め設定された回転数へ自動的に変更されるように構成している。
【0028】
即ち、図12には、旋回連動式自動変速機構、前輪増速機構、及び、オートリフト機構の回路図を示しているが、オートリフト機構には、該オートリフト機構の作動状態を入切する切換スイッチであるオートリフト入切スイッチ52が設けられており、該オートリフト入切スイッチ52が入状態に切り換えられると、旋回連動式自動変速機構の作動状態を入切する自動変速入切リレー56がONされ、該旋回連動式自動変速機構が作動可能な状態となるように構成している。
そして、機体が略直進状態にあるときには直進状態検出スイッチ48がOFFされており、この状態でステアリングハンドル10を急旋回操作すると、スイッチがONし、この時に、ステアリング操作速度検出センサ44により検出したステアリング操作速度が前記一定値よりも速い速度であれば、ステアリングハンドル急旋回検出スイッチ55がONされ、これに伴って、エンジン・ガバナ制御コントローラ50aによりエンジン61が制御されて、該エンジン61の回転数が予め設定しておいた回転数まで減少され、機体は減速されるのである。
この場合、オートリフト入切スイッチ52は、旋回連動式自動変速機構及び前輪増速機構の作動状態を同時に入切する操作速度対応機構切換具として作用している。
【0029】
また、エンジン61の回転数が減少されると略同時に、作業機昇降制御コントローラ50bが作業機昇降装置58を制御して、作業機19を上昇させるように構成している。
このように、旋回開始とともに、車速の減速と作業機19の上昇とが略同時になされるのである。
そして、作業機19が上昇した状態で旋回を終了して、前記直進状態検出スイッチ48により機体が再度直進状態になったと判断された場合に、前記作業機下降スイッチ60bをONすると、上昇状態にある作業機19を下降させるとともに、エンジン回転数が旋回前の回転数へ自動的に戻るように構成している。
【0030】
また、直進状態検出スイッチ48がOFFからONした時に、ステアリング操作速度検出センサ44により検出したステアリング操作速度が一定値以下であれば、ステアリングハンドル急旋回検出スイッチ55はOFFのままであり、この場合には、エンジン・ガバナ制御コントローラ50a及び作業機昇降制御コントローラ50bによる制御が行われず、エンジン61の回転数は旋回前のまま保持され、減速はなされない。即ち、ステアリング操作がゆっくりとされた場合には、減速が不要な状態として、直進時の走行速度のまま旋回がなされるのである。 以上のように、旋回連動式自動変速機構を構成しているのである。
【0031】
このように構成した場合、作業中の旋回操作は、旋回開始時にステアリングハンドル10を操作速度検出レベル設定器47により適宜設定した一定値以上の速度で回転操作するだけで、旋回連動式自動変速機構により、旋回速度へ自動変速されるとともに、オートリフト機構により作業機19が上昇され、そして、旋回終了時には、ステアリングハンドル10を機体が略直進状態となるように戻し、作業機下降スイッチ60bをONするだけで、車速が旋回前に戻って作業機19が下降する。
従って、作業者が旋回、及び、旋回後の作業の再開を行うためには、一定速度以上でのステアリングハンドル10の回転操作と、旋回終了時の作業機下降スイッチ60bのON操作を行うのみでよく、高速作業を行う場合においても簡単な作業で、適正な速度でタイミング良く作業機19を上昇させるこことができて、安定したスムーズな旋回を行うことができ、作業者の疲労を大幅に軽減することができる。また、作業者の旋回作業の熟練度に関係なく、作業精度が均一化され高精度で高能率の作業を行うことができる。
さらに、エンジン回転数を減少させることで、旋回時の騒音の低減を図ることができる。
また、旋回連動式自動変速機構が作動するのは、機体が略直進状態にある場合のみなので、ステアリングハンドル10を最切位置から高速度で直進方向側へ戻す場合等に誤って旋回連動式自動変速機構が作動することを防止することができる。
【0032】
また、旋回連動式自動変速機構は次のように構成することもできる。即ち、図13に示す回路図においては、オートリフト機構の前記オートリフト入切スイッチ52が入状態に切り換えられると自動変速入切リレー56がONされ、この状態でステアリングハンドル10の回転操作によりステアリングセンサ64がONされると作業機昇降制御コントローラ50bが作業機昇降装置58を制御して、作業機19を上昇させるように構成している。
一方、機体が略直進状態にあるときには直進状態検出スイッチ48がOFFされており、この状態でステアリングハンドル10を急旋回操作すると、スイッチがONし、この時に、ステアリング操作速度検出センサ44により検出したステアリング操作速度が前記一定値よりも速い速度であれば、ステアリングハンドル急旋回検出スイッチ55がONされ、これに伴って、エンジン・ガバナ制御コントローラ50aによりエンジン61が制御されて、該エンジン61の回転数が予め設定しておいた回転数まで減少され、機体は減速されるように構成している。
この場合、ステアリングハンドル急旋回検出スイッチ55がONされてからエンジン61の回転数が減少されるまでの時間をタイマ59により適宜設定することが可能である。
【0033】
そして、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構が作動可能な状態にある場合に、ステアリングハンドル10を設定した一定値よりも速い速度で、また、ステアリングセンサ64がONされるだけの角度で急旋回操作すると、まず、作業機19が自動的に上昇し、その後タイマ59により設定した一定時間後にエンジン61の回転数が減少されて減速されるように構成している。
さらに、作業機19が上昇した状態で旋回を終了して、前記直進状態検出スイッチ48により機体が再度直進状態になったと判断された場合に、前記作業機下降スイッチ60bをONすると、上昇状態にある作業機19を下降させるとともに、エンジン回転数が旋回前の回転数へ自動的に戻るように構成している。
【0034】
旋回開始時に、作業機19を上昇させると同時にエンジン回転数を旋回時の速度まで減少させた場合には、例えば、重負荷作業を行っていると、エンジン61に負荷がかかりすぎて該エンジン61が停止してしまったり、作業機19の上昇に時間がかかりすぎたりして、作業精度が悪くなることがある。
そこで、旋回開始時に作業機19を上昇させ、その一定時間後にエンジン回転数を減少させるように構成することで、前述のようなエンジン61の停止や作業機19の上昇に時間がかかるといったことを防止でき、作業精度を向上することができる。また、適正な旋回時の速度へ減速するまでの時間を減少することもできる。
【0035】
なお、前述の如く、図12、図13において、オートリフト機構には、該オートリフト機構の作動状態を入切する切換スイッチであるオートリフト入切スイッチ52が設けられ、旋回連動式自動変速機構には、該旋回連動式自動変速機構の作動状態を入切する自動変速入切リレー56が設けられている。そして、該自動変速入切リレー56はオートリフト入切スイッチ52の入切操作に連動するように構成されて、オートリフト入切スイッチ52のみを入切操作するだけで、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構の作動状態を同時に入切することができる。
即ち、旋回時に、ステアリング操作を予め設定した一定値よりも速い速度で行った場合に作動するオートリフト機構と、旋回連動式自動変速機構との作動状態を、オートリフト入切スイッチ52により同時に入切可能に構成しているのである。
【0036】
このように、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構の作動状態を同時に入切する操作速度対応機構切換具としてオートリフト入切スイッチ52を構成することにより、作業条件や作業形態に応じてオートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構の作動状態を共に切り換える場合には、オートリフト入切スイッチ52を切り換えるだけの簡単容易な操作を行うだけでよいので、図14に示すように、旋回連動式自動変速機構の作動状態を入切する切換スイッチを、オートリフト入切スイッチ52とは別個に操作する自動変速入切スイッチ53で構成した場合に発生する恐れがある、例えば、一方の入切スイッチの操作を忘れるといったような誤操作を防止することができる。
そして、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構を、共にステアリング操作速度に応じて自動で作動させた場合の両者の作動タイミングを、適正なタイミングに調整すると、作業者の熟練度等に関係なく常に適正な作動タイミングで作動させることができて、良好な旋回動作を得ることができる。
【0037】
また、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構と、作動タイミングを特別に微妙に合わせる必要がないオートブレーキ機構及び前輪増速装置54は、オートリフト入切スイッチ52とは別個に操作する前記切換レバー32により、同時に作動状態を入切するようにしている。
これにより、オートリフト入切スイッチ52を切状態に切り換えるとともに、切換レバー32を入状態に切り換えることで、例えば、代かき作業を行う場合等、作業者の好みに応じて、作業機を上昇させない状態でオートブレーキ機構及び前輪増速装置54を作動させることが可能となる。
さらに、オートリフト入切スイッチ52や切換レバー32の如く、必要に応じて各機構の作動状態を纏めて入切するように切換具を構成することで、該切換具や切換具の指示銘板等の必要数量を減少することができて、コストダウンを図ることができる。
【0038】
また、オートブレーキ機構、前輪増速装置54、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態は、一つの切換操作具で纏めて切り換えるように構成することができる。図15に示すように、前記切換レバー32を下方に回動してオートブレーキ機構の作動状態を入状態に切り換えると、ハイグリップスイッチ40がONして前輪増速装置54の作動状態が入状態となり、これに伴って連動リレースイッチ66がONする。そして、該連動リレースイッチがONすると、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構の作動状態を同時に入切するリレースイッチ67がONされるように構成している。
【0039】
このように、オートブレーキ機構、前輪増速装置54、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態を切換レバー32の操作のみで切換可能に構成することで、作業状態での旋回と非作業状態での旋回とをワンッタッチで切り換えることができ、作業者が高齢である場合等においても、誤操作することなく簡便に切換操作を行うことができる。
また、各機構の作動状態を切り換える切換具や、該切換具の指示銘板等の必要数量を減少することができて、コストダウンを図ることができる。
【0040】
また、オートブレーキ機構、前輪増速装置54、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態を、一つの切換操作具で纏めて切換可能とする構成は図16に示すように構成することもできる。
即ち、前記切換レバー32を下方に回動するとオートブレーキ機構の作動状態が入状態となるように構成されており、オートブレーキ機構が入状態となると、オートブレーキ入状態検出スイッチ68がONし、これに連動して連動リレースイッチ66と、前輪増速装置54の作動状態を入状態とする前輪増速入切スイッチ69とがONされるように構成している。さらに、連動リレースイッチ66がONすると、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構の作動状態を同時に入切するリレースイッチ67がONされるように構成するのである。
【0041】
次に、オートブレーキ機構、前輪増速装置54、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態を、一つの切換操作具で纏めて切換可能とするように構成した場合におけるオートブレーキ機構及び前輪増速装置54の牽制機構について説明する。
図17に示すように、レバーガイド3に配置されている前記切換えレバー32はの下端部は切換えアーム71に固設され、該切換えアーム71は支軸71aを中心に回動自在に構成されている。切換えアーム71の下方には切換えカム72が配設され、該切換えカム72は支軸72aから略前後方向及び略上方に突出した突出部72d・72c・72bを形成して、前後の一方向に突出した突出部72bと前記切換えアーム71の前後方向における途中部とが連結ロッド73で連結されている。前記切換えカム72の略上方に突出した突出部72cには、前記切換えロッド33の後端が連結され、突出部72dはスプリング74によって上方に付勢されている。
【0042】
この切換えレバー32を上方に回動させると、切換えアーム71が上方に回動して、切換えカム72の突出部72bが上方に回動するとともに、突出部72cが前方へ回動し、切換えロッド33が前方へ移動する。また、突出部72dは下方に回動し、スプリング74は支点越えをして、該突出部72dを下方に付勢するようになるので、この状態は安定して保持される。切換えロッド33が前方へ移動することにより前述の如く、オートブレーキ機構及び前輪増速機構の作動状態が切状態となって、これに伴い、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態も切状態となる。
逆に、切換えレバー32を上方に回動させると、切換えロッド33が後方へ移動することにより前述の如く、オートブレーキ機構及び前輪増速機構の作動状態が入状態となって、これに伴い、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態も入状態となる。
【0043】
そして、前記切換えレバー32には副変速レバー75が併設されている。副変速レバー75の副軸76aから下方に向けて変速アーム76を配設し、前記切換えアーム41の下方に牽制アーム78を配設している。該牽制アーム78は主軸78aを中心に回動可能に構成され、該主軸78aより前方に牽制ピン78bを固設している。
そして、牽制アーム78と変速アーム76とを連結具77で連結し、副変速レバー75を上方に回動して機体の走行状態を低速にすると、前記牽制ピン78bが下方に回動して、副変速レバー75を下方に回動して機体の走行状態を高速にすると、前記牽制ピン78bが上方に回動するよう構成している。
【0044】
そして、前記切換えレバー32が下方に回動されて、オートブレーキ機構及び前輪増速機構の作動状態、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態が入状態の場合に、副変速レバー75を下方に回動して機体の走行状態を高速にすると、牽制ピン78bが上方に回動されて、該牽制ピン78bは切換えアーム41の当接面41bに当接して、該切換えアーム41及び切換えレバー32を上方へ回動させ、オートブレーキ機構、前輪増速機構の作動状態、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構の作動状態を切状態に牽制するのである。
また、副変速レバー75が下方に回動されて高速走行の状態にある場合に、上方に回動されてオートブレーキ機構及び前輪増速機構の作動モードが切状態の切換えレバー32を下方に回動すると、切換えアーム41の当接面41bが下方に回動して前記牽制ピン78bに当接し、該牽制ピン78bを下方に回動させるとともに副変速レバー75を上方に回動して、走行状態を低速にするように牽制する。このように、機体が高速走行の状態にある場合には、オートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構が作動しないように構成している。
なお、この牽制機構を作動させる走行速度は任意に設定できるように構成している。
【0045】
このように、機体を高速走行させる場合にオートブレーキ機構、前輪増速機構の作動状態、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構が作動しないように一括して牽制することにより、高速走行時においても簡単な操作で円滑に、安定して旋回することができることとなる。
また、各機構に対してそれぞれ牽制機構を設けた場合に比べて、簡単な構造にすることができて、該牽制機構の故障やコストを低減することができる。
【0046】
また、この牽制機構は、作業車を、オートブレーキ機構と前輪増速装置54との作動状態を切換レバー32により同時に入切し、オートリフト機構と旋回連動式自動変速機構とをオートリフト入切スイッチ52により同時に入切するように構成した場合に、オートブレーキ機構及び前輪増速装置54のみを牽制するように構成することもできる。
即ち、切換えレバー32が下方に回動されて、オートブレーキ機構及び前輪増速機構の作動状態が入状態の場合に、副変速レバー75を下方に回動して機体の走行状態を高速にすると、前述の構成と同様に切換えレバー32が上方へ回動されて、オートブレーキ機構、前輪増速機構の作動状態が切状態に牽制され、逆に、副変速レバー75が下方に回動されて高速走行の状態にある場合に、オートブレーキ機構及び前輪増速機構の作動モードを切状態とする上方に回動された切換えレバー32を下方に回動すると、副変速レバー75が上方に回動して、走行状態が低速となるように牽制するように構成するのである。
機体が高速走行の状態にある場合には、オートブレーキ機構、及び、前輪増速機構のみが作動しないように構成できるのである。
【0047】
このように、旋回時に車速を減速して旋回動作を円滑にするためのオートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構は牽制せずに、牽制効果の高いオートブレーキ機構及び前輪増速装置54のみを牽制するように構成することにより、前述の牽制機構で奏される効果に加えて、牽制機構を、故障が少ない高信頼性な構成とすることができるとともに、低コストで構成することができるといった効果を奏することができる。
【0048】
次に、図12又は図13に示す構成における旋回連動式自動変速機構を、機体速度が一定の範囲の速度域にある場合のみに作動するように構成した例を示す。
即ち、図18に示す構成は、図12に示す構成において、エンジン・ガバナ制御コントローラ50aの上流側に副変速レバースイッチ70を配設したものであり、図19に示す構成は、図13に示す構成において、エンジン・ガバナ制御コントローラ50aの上流側に副変速レバースイッチ70を配設したものである。
【0049】
図20に示すように、前記副変速レバー75下端部には、該副変速レバー75と一体的に回動するカム体79が取り付けられ、該カム体79の下方に副変速レバースイッチ70が配置されている。そして、副変速レバー75を高速位置に変速すると、カム体79のカム部79aが副変速レバースイッチ70の接点70aに当接して該副変速レバースイッチ70をONし、副変速レバー75が高速位置以外(走行位置、中立位置、低速位置)に変速されている場合には、カム体79は副変速レバースイッチ70に当接せず該副変速レバースイッチ70はOFF状態となるように構成している。
【0050】
そして、図18、図19においては、副変速レバースイッチ70がONされている状態で、前記直進状態検出スイッチ48がOFF(機体が略直進状態であると判断されている状態)からON(旋回状態)に移行した時に、ステアリング操作速度検出センサ44により検出したステアリングハンドル10の操作速度が予め設定した一定値よりも大きいと、旋回前のエンジン61の回転数から、予め設定された回転数へ自動的に変更されるのである。
逆に、副変速レバースイッチ70がOFFされた状態では、前記直進状態検出スイッチ48がOFFからONに移行した時に、ステアリングハンドル10の操作速度が予め設定した一定値よりも大きくても、エンジン61の回転数は変更されない。
なお、車速を検出する車速検出具を設けて、検出した車速が予め定めた一定範囲内にある場合のみ副変速レバースイッチ70がONするように構成してもよい。
【0051】
このように、旋回連動式自動変速機構を、機体速度が、例えば、高速域にある場合のみに作動するように構成することにより、旋回時に減速する必要はない低速作業時には、エンジン回転数は変更されずに作業時と同じ速度で旋回することができ、高速作業時のみエンジン回転数が変更されて減速することができるといったように、作業に合わせた速度での旋回を自動的に行うことができるので、高能率で精度の高い作業を、特別な操作を必要とせずに容易に行うことができるのである。
【0052】
前述のトラクタにおいては、ステアリングハンドル10の操作速度をステアリング操作速度検出センサ44により電気的に検出するように構成しているが、機械的に作動するように構成した操作速度検出手段を設けて、該操作速度検出手段により、ステアリングハンドル10の操作速度が予め定めた設定値よりも速いか又は遅いかを検出することも可能である。
【0053】
図21には操向装置のリンク機構を示しているが、ステアリングハンドル10を回転操作するとピットマンシャフト11が回動するとともに、ピットマンアーム13を介してピットマンシャフト11と連結されたドラッグロッド14が前後移動し、これに伴ってタイロッド18が左右方向に移動して前輪4・4を操向するように構成している。ピットマンアーム13には、操作速度検出手段である操作速度センサ80の移動連結部80aが連結され、該操作速度センサ80の固定連結部80bが機体に固設されている。また、ピットマンアーム13とドラッグロッド14との連結部分には直進状態検出センサ89を配設して、ピットマンアーム13の回動位置により機体が直進状態にあるか否かを検出するように構成している。
そして、前記操作速度センサ80は、ピットマンアーム13の回動動作により伸縮して、この伸縮動作によってステアリングハンドル10の操作速度の速遅を検出するようにしている。
【0054】
また、図22にて示すように、操向装置をパワーステアリング機構に構成した場合においても、前記操作速度センサ80によりステアリングハンドル10の操作速度の速遅を検出することができ、この場合は、操向装置を構成するパワーシリンダ90の伸縮操作に伴って操作速度センサ80が伸縮するように構成している。
【0055】
次に、操作速度センサ80の構成、及び、該操作速度センサ80によるステアリングハンドル10操作速度の検出機構について説明する。
図23、図24に示すように、操作速度センサ80は、ダンパ84にシリンダ83が固設され、該シリンダ83には、略円筒形状に形成された第一本体81及び第二本体82が摺動自在に外嵌されている。第一本体81と第二本体82との間には引っ張りスプリング86・86が介装され、該第一本体81と第二本体82とはお互いに圧接する方向に付勢されている。また、第一本体81とシリンダ83との間には圧縮スプリング85が介装され、第一本体81が第二本体82側へ付勢されている。第二本体82には外周部からセンサスイッチ87が貫入され、該センサスイッチ87の接点87aが、シリンダ83の外周に形成された凹部83aに嵌入している。第二本体82側の外側端部には移動連結部80aが形成され、ダンパ84のロッド84a外側端部に固定連結部80bが形成されている。
【0056】
そして、操作速度センサ80の移動連結部80aと固定連結部80bとの間に、一定速度以上の急激な力が引っ張り方向へかかると、引っ張りスプリング86が伸長して第二本体82が第一本体81から離れる方向に移動し、一定速度以上の急激な力が圧縮方向へかかると、圧縮スプリング85が縮小して、第一本体81及び第二本体82がシリンダ83に対してダンパ84方向へ移動するように構成している。
また、移動連結部80aと固定連結部80bとの間に、一定速度以下の緩やかな力が引っ張り方向へかかると、ダンパ84のロッド84aが伸長し、一定速度以下の緩やかな力が圧縮方向へかかると、ダンパ84のロッド84aが縮小するように構成している。
【0057】
図25においては、機体が略直進状態にある場合の操作速度センサ80が示されており、該操作速度センサ80は中立状態にあって、センサスイッチ87の接点87aがシリンダ83の凹部83aに嵌入して該センサスイッチ87はOFFされている。この、操作速度センサ80が中立状態にある機体の略直進状態から、ステアリングハンドル10をある一定の速度以上で左回りに急旋回させると、ピットマンアーム13が急激に前方へ回動する。ピットマンアーム13の回動動作によって操作速度センサ80の移動連結部80aと固定連結部80bとの間には、予め設定された一定速度以上の急激な力が圧縮方向へかかって、図26に示すように、圧縮スプリング85が縮小して、第一本体81及び第二本体82がシリンダ83に対してダンパ84方向へ移動する。第二本体82の移動に伴って、センサスイッチ87の接点87aがシリンダ83の凹部83aから抜け出して該シリンダ83の外周部に当接し、センサスイッチ87がONされる。
そして、センサスイッチ87がONされることで、ステアリングハンドル10が一定の速度以上で操作されたことを検出するようにしている。
【0058】
また、ステアリングハンドル10がある一定の速度以下で左回りに旋回された場合には、ピットマンアーム13の回動動作によって操作速度センサ80の移動連結部80aと固定連結部80bとの間に、予め設定された一定速度以下の緩やかな力が圧縮方向へかかる。
そして、図27に示すように、圧縮方向へ緩やかにかかった力によっては圧縮スプリング85は縮小せずに、ダンパ84のロッド84aが縮小し、センサスイッチ87はOFFされたままである。
この場合には、ステアリングハンドル10が一定の速度以上で操作されたとは検出されない。
【0059】
一方、ステアリングハンドル10をある一定の速度以上で右回りに急旋回させると、ピットマンアーム13は急激に後方へ回動する。ピットマンアーム13の回動動作によって操作速度センサ80の移動連結部80aと固定連結部80bとの間には、予め設定された一定速度以上の急激な力が引っ張り方向へかかって、図28に示すように、引っ張りスプリング86が伸長して第二本体82が第一本体81から離れる方向に移動する。該第二本体82の移動に伴って、センサスイッチ87の接点87aがシリンダ83の凹部83aから抜け出して該シリンダ83の外周部に当接し、センサスイッチ87がONされる。
そして、センサスイッチ87がONされることで、ステアリングハンドル10が一定の速度以上で操作されたことを検出されるのである。
【0060】
さらに、ステアリングハンドル10がある一定の速度以下で右回りに旋回された場合には、ピットマンアーム13の回動動作によって操作速度センサ80の移動連結部80aと固定連結部80bとの間に、予め設定された一定速度以下の緩やかな力が引っ張り方向へかかる。
そして、図29に示すように、圧縮方向へ緩やかにかかった力によっては引っ張りスプリング86は伸長せずに、ダンパ84のロッド84aが伸長し、センサスイッチ87はOFFされたままである。
この場合には、ステアリングハンドル10が一定の速度以上で操作されたとは検出されない。
【0061】
このように、ステアリングハンドル10をある一定の速度以上で左右に旋回すると、センサスイッチ87がONされて該ステアリングハンドル10が一定の速度以上で操作されたと検出され、ある一定の速度以下で左右に旋回すると、センサスイッチ87がOFFされたままとなって、ステアリングハンドル10が一定の速度以上で操作されたとは検出されないように構成している。
【0062】
これにより、ステアリングハンドル10の操作速度により、オートリフト機構や旋回連動式自動変速機構を作動させる場合に、作業機の昇降を電気的に駆動する以外は、作動機構をコントローラ等を用いずに機械的に構成することができ誤動作や故障が少ない構成とすることができる。また、万が一故障が発生した場合でも、修理が容易で安価に行える。その結果、作動機構自体を安価に構成することができる。
また、前述のステアリングハンドル10の操作速度検出機構を、操向装置のリンク機構部に配置することにより、該操作速度検出機構を、既存の作業車や市販されている作業車に後付けするだけの小さな改造で付設することができる。
【0063】
また、前述のオートブレーキ機構は次に示すようにも構成することができる。図30乃至図32には、操向装置をパワーステアリング機構に構成した作業車の例を示している。該作業車のフロントアクスル部にはパワーステアリング機構の舵取装置であるパワーシリンダ90を横設しており、該パワーシリンダ90は、左右外側に突出するシリンダロッド90a・90aを左右移動可能に設けている。該シリンダロッド90aは、ボールジョイント106を介してナックルアーム105と連結されており、該シリンダロッド90a・90aを左右方向に移動させることで前輪4・4を操向するように構成している。
【0064】
パワーシリンダ90のシリンダロッド90a・90aには、平面視略コ字状に形成されたステー91が固設されており、該ステー91の前端部左右には、スプリングブラケット91a・91aを固設している。ステー91は、シリンダロッド90a・90aの左右移動に連動して左右方向へ平行移動可能に構成されている。該ステー91の前方における左右略中央にはスイングステー92を配設し、該スイングステー92の後端部と左右のスプリングブラケット91a・91aとは、それぞれスプリング99・99により連結されている。スイングステー92の前端部における上方にはスイングアーム94が配設されており、該スイングアーム94は、クラッチ部93を介してスイングステー92と連結されている。
【0065】
該スイングアーム94は、左右方向略中央部に配置されているクラッチ部93から左右外側方向へ延設されており、該スイングアーム94の両端部には、該スイングアーム94両端部から後方へ延設される前部ブレーキロッド95・95がそれぞれ接続されている。前部ブレーキロッド95の途中部には、ターンバックル95aが介装されて、前部ブレーキロッド95の長さを調節可能としている。該ターンバックル95aは前部ブレーキロッド95の長さ調節を行い易い箇所に配置している。前部ブレーキロッド95の後方には後部ブレーキロッド96が配設されており、該後部ブレーキロッド96と前部ブレーキロッド95とは連結ステー98により連結され、後部ブレーキロッド96の後端部はブレーキカム97と連結されている。
【0066】
そして、例えば、ステアリング操作によりパワーシリンダ90のシリンダロッド90a・90aを左方向に移動させて左旋回した場合には、ステー91が左方に移動して、左方に位置するスプリング99を介してスイングステー92が左方へ回動され、クラッチ部93によりスイングステー92と連結されたスイングアーム94が一体的に回動する。
この場合、スイングアーム94の左端部が前方へ回動して、前部ブレーキロッド95及び後部ブレーキロッド96を前方へ移動させ、これによりブレーキカム97が前方に移動して左ブレーキ装置が作動する。
逆に、ステアリング操作によりパワーシリンダ90のシリンダロッド90a・90aを右方向に移動させて右旋回した場合には、同様にスイングアーム94の右端部が前方へ回動して右ブレーキ装置が作動する。
そして、ステー91の左右移動によりスイングアーム94が回動する際には、スプリング99の弾性により衝撃なく円滑に回動することができる。
【0067】
また、ブレーキペダル110は前記連結ステー98と連結ロッド109等を介して連結されており、ブレーキペダル110のペダル部110aを踏み下げ操作すると、ブレーキシャフト100に固設された連結アーム107が前方へ回動して、左右の後部ブレーキロッド96を前方へ移動させて左右のブレーキ装置が作動するように構成している。
なお、ブレーキペダル110は、左右別々に操作する左右ブレーキペダルに構成して、該左右ブレーキペダルによって、左右のブレーキ装置を個別に作動させることもできる。
このように構成したオートブレーキ機構には、回動支点110bがペダル部110aよりも上方に位置するブレーキペダル110を連結ロッド109等の簡単な構成を介してオートブレーキ機構に連結しているが、図3、図4に示す前述のブレーキペダル2の如く、回動支点がペダル部2aよりも下方に位置するブレーキペダルも、同様にロッドを介して簡単な構成でオートブレーキ機構に接続することが可能である。
【0068】
前記クラッチ部93は、スイングステー92の左右回動動作のスイングアーム94への伝達を入切するように構成している。クラッチ部93は、スイングステー92上面に固設した基部103にスイングアーム94が回動自在に嵌入し、該スイングアーム94の上方に、カムアーム101及びクラッチ102が基部103と一体的に回動可能、且つ、摺動自在に嵌入している。カムアーム101とクラッチ102とは一体的に形成され、切換ピン104の上下移動に伴って、一体的に上下移動する。
そして、クラッチ部93が入状態の場合は、カムアーム101には、スイングアーム94に固設された固定ピン94aが嵌脱自在に嵌入して、基部103が回動するとスイングアーム94が一体的に回動するように構成している。
また、切換ピン104によりカムアーム101及びクラッチ102が上方に移動されると、カムアーム101が固定ピン94aから脱抜して、基部103の回動動作がスイングアーム94に伝達されなくなり、クラッチ部93は切状態となる。
即ち、切換ピン104を上下に移動させることで、クラッチ部93を入切操作し、オートブレーキ機構の作動状態を切り換えるように構成しているのである。
【0069】
このように、フロントアクスル部に配置されたパワーシリンダ90等の舵取装置をオートブレーキ機構を構成するスイングステー92とスプリング99・99により連結することで、舵取装置の動作を円滑にオートブレーキ機構に伝達することができる。また、該舵取装置の動作ストロークと、前後部ブレーキロッド95・96の前後移動のストローク等といったオートブレーキ機構の移動ストロークとの、ストローク差を該スプリング99・99により吸収する緩衝機能を具備することができる。
また、オートブレーキ機構の左右略中央部でスプリング99・99により連結し、該オートブレーキ機構の作動状態を入切するクラッチ部93を左右略中央部に配置することで、左右の前後部ブレーキロッド95・96を前後移動させて左右ブレーキ装置を制動するスイングアーム94を、該スイングアーム94の略中央部を中心として回動させることができ、該スイングアーム94の回動動作による左右ブレーキ装置の制動力を左右で均一にすることができる。
さらに、オートブレーキ機構と左右ブレーキ装置とを前後部ブレーキロッド95・96により連結することで、回動支点110bがペダル部110aよりも上方に位置するブレーキペダル110のような所謂吊りペダルのみならず、回動支点がペダル部よりも下方に位置するブレーキペダルのような所謂突出しペダルも簡単な構成で該オートブレーキ機構に連結することができ、且つ、ワイヤのように経時変化により伸びてしまって制動力が変化することもない。
【0070】
また、前部ブレーキロッド95は長さ変更可能に構成しているので、オートブレーキ機構による左右ブレーキ装置の制動力や、ステアリングハンドル10の切れ角と制動力との関係を容易に調整することができる。
さらに、前部ブレーキロッド95はフロントアクスルを支持するフロントアクスルブラケットに沿って配置することができるので、ドラッグロッドのように回動動作による位置変化がないため、前輪4・4の切れ角を制限することもない。
【0071】
また、パワーシリンダ90のシリンダロッド90a・90aにステー91を固設し、該ステー91の前端部左右に前記スプリング99・99を連結するスプリングブラケット91a・91aを設けたことにより、該スプリング99・99を、前記フロントアクスルブラケットの範囲内に収納することができて、オートブレーキ機構をコンパクトに構成するとともに、外観性を向上することができる。 さらに、簡単な構成のためオートブレーキ機構を安価に提供することができ、フロントアクスルブラケットとオートブレーキ機構とが干渉することもない。
また、前記クラッチ部93はフロントアクスルブラケットの上方に配置しており、該クラッチ部93の防塵性及び防水性を向上して、動作の信頼性を高めている。
【0072】
なお、本オートブレーキ機構のスプリング99は、図33に示すように、ナックルアーム105とスイングステー92との間に介装しても、同様に作動させることができ、ステー91を設けなくて良い分コストダウンを図ることができる。
【0073】
本構成は、作業車において、ステアリング角度が一定角度以下の時に略直進状態であると検出する直進状態検出手段と、ステアリング操作速度を検出する操作速度検出手段とを具備して、該直進状態検出手段がステアリングの略直進状態を検出する状態から検出しない状態へと移行した時に、該操作速度検出手段による検出値が予め定めた設定値よりも高ければ、エンジン回転数を予め定めた回転数へ自動的に変更する旋回連動式自動変速機構を構成し、該旋回連動式自動変速機構の作動に連動して略同時に作業機が自動的に上昇するように構成したので、作業者が旋回、及び、旋回後の作業の再開を行うためには、一定速度以上でのステアリングハンドルの回転操作と、旋回終了時の作業機下降スイッチのON操作を行うのみでよく、高速作業を行う場合においても簡単な作業で、適正な速度でタイミング良く作業機を上昇させるこことができて、安定したスムーズな旋回を行うことができ、作業者の疲労を大幅に軽減することができた。
また、作業者の旋回作業の熟練度に関係なく、作業精度が均一化され高精度で高能率の作業を行うことができ、エンジン回転数を減少させることで、旋回時の騒音の低減を図ることができた。
さらに、旋回連動式自動変速機構が作動するのは、機体が略直進状態にある場合のみなので、ステアリングハンドルを最切位置から高速度で直進方向側へ戻す場合等に誤って旋回連動式自動変速機構が作動することを防止できた。
【0074】
さらに、ステアリングハンドルの操作速度が、予め定めた設定値よりも速いか又は遅いかを検出する操作速度検出手段を設け、該操作速度検出手段を機械的に作動するように構成したので、ステアリングハンドルの操作速度により、オートリフト機構や旋回連動式自動変速機構を作動させる場合に、作業機の昇降を電気的に駆動する以外は、作動機構をコントローラ等を用いずに機械的に構成することができ誤動作や故障が少ない構成とすることができた。
また、万が一故障が発生した場合でも、修理が容易で安価に行うことができ、その結果、作動機構自体を安価に構成することができた。
また、前述のステアリングハンドルの操作速度検出機構を、操向装置のリンク機構部に配置することにより、該操作速度検出機構を、既存の作業車や市販されている作業車に後付けするだけの小さな改造で付設することができた。
【0075】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1の如く、ステアリングの操作速度の速遅に応じてエンジン回転数又は車速を変化する旋回連動式自動変速機構、該ステアリングの操作速度の速遅に応じて作業機を自動上昇させるオートリフト機構、該ステアリングの操作角度に応じて旋回内側のブレーキを作動させるオートブレーキ機構、及び、ステアリングの操作角度に応じて前輪を増速する前輪増速機構を有する作業車において、該旋回連動式自動変速機構とオートリフト機構との作動状態を同時に入切する操作速度対応機構切換具、及び、オートブレーキ機構と前輪増速機構との作動状態を同時に入切する操作角度対応機構切換具を設けたので、作業条件や作業形態に応じてオートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構の作動状態を共に切り換える場合には、操作速度対応機構切換具を切り換えるだけの簡単容易な操作を行うだけでよいので、旋回連動式自動変速機構の作動状態のみを入切する切換スイッチを、オートリフト機構を入切するスイッチと別個に構成した場合に発生する恐れがある、例えば、一方の入切スイッチの操作を忘れるといったような誤操作を防止することができた。
そして、オートリフト機構及び旋回連動式自動変速機構を、共にステアリング操作速度に応じて自動で作動させた場合の両者の作動タイミングを、適正なタイミングに調整すると、作業者の熟練度等に関係なく常に適正な作動タイミングで作動させることができて、良好な旋回動作を得ることができることとなった。
また、操作速度対応機構切換具を切状態に切り換えるとともに、操作角度対応機構切換具を入状態に切り換えることで、例えば、代かき作業を行う場合等、作業者の好みに応じて、作業機を上昇させない状態でオートブレーキ機構及び前輪増速機構を作動させることが可能となった。
さらに、操作速度対応機構切換具や操作角度対応機構切換具の如く、必要に応じて各機構の作動状態を纏めて入切するような切換具を構成することで、該切換具や切換具の指示銘板等の必要数量を減少することができて、コストダウンを図ることができた。
【0076】
さらに、請求項2の如く、請求項1記載の作業車において、変速装置を高速状態に切り換えると、該操作角度対応機構切換具が切状態に連動し、変速装置が高速状態である場合に操作角度対応機構切換具を入状態に切り換えると該変速装置が低速状態へ連動する牽制機構を設けたので、牽制機構を、故障が少ない高信頼性な構成とすることができるとともに、低コストで構成することができた。
また、各機構に対してそれぞれ牽制機構を設けた場合に比べて、簡単な構造にすることができて、該牽制機構の故障やコストを低減することができた。
【0077】
さらに、請求項3の如く、請求項1記載の作業車において、該オートブレーキ機構の作動状態を入切するクラッチ部を機体前部の左右略中央に配置し、該オートブレーキ機構のクラッチ部と、フロントアクスル部の舵取装置のステーとの間を、弾性部材により左右略中央部で連結したので、舵取装置の動作を円滑にオートブレーキ機構に伝達することができた。
また、該舵取装置の動作ストローク、及び、オートブレーキ機構と左右ブレーキ装置とを連結するブレーキロッドの前後移動のストローク等といったオートブレーキ機構の移動ストロークの、ストローク差を該弾性部材により吸収する緩衝機能を具備することができた。
また、オートブレーキ機構の左右略中央部で弾性部材により連結し、該オートブレーキ機構の作動状態を入切するクラッチ部を左右略中央部に配置することで、左右のブレーキロッドを前後移動させて左右ブレーキ装置を制動するスイングアームを、該スイングアームの略中央部を中心として回動させることができ、該スイングアームの回動動作による左右ブレーキ装置の制動力を左右で均一にすることができた。
さらに、オートブレーキ機構と左右ブレーキ装置とをブレーキロッドにより連結することで、回動支点がペダル部よりも上方に位置するブレーキペダルのような所謂吊りペダルのみならず、回動支点がペダル部よりも下方に位置するブレーキペダルのような所謂突出しペダルも簡単な構成で該オートブレーキ機構に連結することができ、且つ、ワイヤのように経時変化により伸びてしまって制動力が変化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の旋回装置を備えたトラクタを示す全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 旋回装置を示す平面図である。
【図4】 同じく側面図である。
【図5】 同じく部分平面図である。
【図6】 同じく部分側面図である。
【図7】 作動モードの切換機構を示す後面図である。
【図8】 同じく平面図である。
【図9】 主変速レバーを示す斜視図である。
【図10】 直進状態検出スイッチによる直進状態検出を示す側面図である。
【図11】 同じく正面図である。
【図12】 オートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構を示す回路図である。
【図13】 同じく別実施例を示す回路図である。
【図14】 同じくオートリフト機構の作動を入切する切換スイッチと旋回連動式自動変速機構作動を入切する切換スイッチとを別々に設けた例を示す回路図である。
【図15】 同じくオートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構を一つの切換操作具で纏めて切り換えるように構成した例を示す回路図である。
【図16】 同じくオートブレーキ機構、前輪増速機構、オートリフト機構、及び、旋回連動式自動変速機構を一つの切換操作具で纏めて切り換えるように構成した例の別実施例を示す回路図である。
【図17】 オートブレーキ機構及び前輪増速機構の牽制機構を示す側面図である。
【図18】 図12の構成において旋回連動式自動変速機構を、機体速度が一定の範囲の速度域にある場合のみに作動するように構成した場合を示す回路図である。
【図19】 図13の構成において旋回連動式自動変速機構を、機体速度が一定の範囲の速度域にある場合のみに作動するように構成した場合を示す回路図である。
【図20】 副変速レバーの変速位置を検出する副変速レバースイッチを示す側面図である。
【図21】 機械式に構成した操向装置のリンク機構を示す図である。
【図22】 パワーステアリング機構に構成した操向装置のリンク機構を示す図である。
【図23】 操作速度センサを示す側面断面図である。
【図24】 同じく平面図である。
【図25】 中立位置にある状態の操作速度センサを示す作動状態図である。
【図26】 急激な圧縮方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図である。
【図27】 緩やかな圧縮方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図である。
【図28】 急激な引っ張り方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図である。
【図29】 緩やかな引っ張り方向の力が加わった状態の操作速度センサを示す作動状態図である。
【図30】 オートブレーキ機構の別実施例を示す平面図である。
【図31】 同じく側面図である。
【図32】 同じく正面図である。
【図33】 図30におけるオートブレーキ機構の別実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
3 レバーガイド
10 ステアリングハンドル
19 作業機
32 切換レバー(操作角度対応機構切換具)
40 ハイグリップスイッチ
44 ステアリング操作速度検出センサ(操作速度検出手段)
48 直進状態検出スイッチ(直進状態検出手段)
50a エンジン・ガバナ制御コントローラ
50b 作業機昇降制御コントローラ
52 オートリフト入切スイッチ(操作速度対応機構切換具)
58 作業機昇降装置
75 副変速レバー
91 パワーシリンダ
93 クラッチ部
94 スイングアーム
95 前部ブレーキロッド
96 後部ブレーキロッド
97 ブレーキカム

Claims (3)

  1. ステアリングの操作速度の速遅に応じてエンジン回転数又は車速を変化する旋回連動式自動変速機構、該ステアリングの操作速度の速遅に応じて作業機を自動上昇させるオートリフト機構、該ステアリングの操作角度に応じて旋回内側のブレーキを作動させるオートブレーキ機構、及び、ステアリングの操作角度に応じて前輪を増速する前輪増速機構を有する作業車において、該旋回連動式自動変速機構とオートリフト機構との作動状態を同時に入切する操作速度対応機構切換具、及び、オートブレーキ機構と前輪増速機構との作動状態を同時に入切する操作角度対応機構切換具を設けたことを特徴とする作業車。
  2. 請求項1記載の作業車において、変速装置を高速状態に切り換えると、該操作角度対応機構切換具が切状態に連動し、変速装置が高速状態である場合に操作角度対応機構切換具を入状態に切り換えると該変速装置が低速状態へ連動する牽制機構を設けたことを特徴とする作業車。
  3. 請求項1記載の作業車において、該オートブレーキ機構の作動状態を入切するクラッチ部を機体前部の左右略中央に配置し、該オートブレーキ機構のクラッチ部と、フロントアクスル部の舵取装置のステーとの間を、弾性部材により左右略中央部で連結したことを特徴とする作業車。
JP06648598A 1998-03-17 1998-03-17 作業車 Expired - Fee Related JP3822744B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06648598A JP3822744B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 作業車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06648598A JP3822744B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 作業車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11257111A JPH11257111A (ja) 1999-09-21
JP3822744B2 true JP3822744B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=13317150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06648598A Expired - Fee Related JP3822744B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 作業車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3822744B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102531963B1 (ko) * 2022-10-18 2023-05-12 현대농기계(주) 4륜 구동형 승용 관리장치

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4797355B2 (ja) * 2004-09-29 2011-10-19 井関農機株式会社 乗用型作業機
JP5544825B2 (ja) * 2009-10-30 2014-07-09 井関農機株式会社 乗用型田植機
JP5614442B2 (ja) * 2012-11-19 2014-10-29 井関農機株式会社 乗用型作業機
JP6056428B2 (ja) * 2012-11-30 2017-01-11 井関農機株式会社 苗移植機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102531963B1 (ko) * 2022-10-18 2023-05-12 현대농기계(주) 4륜 구동형 승용 관리장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11257111A (ja) 1999-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3822744B2 (ja) 作業車
JPH045171A (ja) 作業車
JP7531294B2 (ja) 作業車
JP4456214B2 (ja) クローラ式走行車両
JP2019213565A (ja) 作業車両
JP4838057B2 (ja) 作業車の変速操作装置
JP2008290512A (ja) 草刈り機
JPS6016753Y2 (ja) 作業機における原動機の回転速度制御装置
JP2004114964A (ja) 農用車両の変速操作装置
JP2011110984A (ja) 作業車両
JP6935794B2 (ja) 歩行型管理機
JP3804882B2 (ja) 作業車の旋回装置
JP3759817B2 (ja) 作業車
JPS6230506Y2 (ja)
JP3828658B2 (ja) 作業車の旋回制御装置
JP3591038B2 (ja) 移動農機におけるブレーキ用アクチュエータの取付構造
JPS5821824Y2 (ja) 歩行型移動農機の操作構造
JP3501377B2 (ja) 操縦レバー
JP2007055388A (ja) 作業車両
JP2007069642A (ja) 作業車両
JPH0713105U (ja) 作業用走行車における変速レバーガイド構造
JPH02209671A (ja) 走行用無段変速装置の操作構造
JP3519812B2 (ja) 移動農機における制動制御装置
JPH0425383Y2 (ja)
JPH0616059A (ja) 四輪駆動型作業車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040311

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees