JP3804882B2 - 作業車の旋回装置 - Google Patents

作業車の旋回装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3804882B2
JP3804882B2 JP12266997A JP12266997A JP3804882B2 JP 3804882 B2 JP3804882 B2 JP 3804882B2 JP 12266997 A JP12266997 A JP 12266997A JP 12266997 A JP12266997 A JP 12266997A JP 3804882 B2 JP3804882 B2 JP 3804882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
turning
rear wheel
arm
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12266997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10310079A (ja
Inventor
武寛 曽我
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP12266997A priority Critical patent/JP3804882B2/ja
Publication of JPH10310079A publication Critical patent/JPH10310079A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3804882B2 publication Critical patent/JP3804882B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Guiding Agricultural Machines (AREA)
  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリング操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装置が作動するオートブレーキ機構を備えた作業車の旋回装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、機体の旋回時に、ステアリング操作に連動して、旋回内側の後輪ブレーキ装置が作動するオートブレーキ機構を備えた作業機は知られている。例えば、特開平8−15に示されている。そして、このようなオートブレーキ機構は、油圧により動作を制御したり、電動式の機構により構成されていた。また、作業車が踏圧して後輪ブレーキ装置を作動させるブレーキペダルは、左右別々に設けて、片方の後輪ブレーキ装置のみを作動させることを可能にし、両方を作動させる場合には、左右のブレーキペダルを連結操作具で連結して操作するもの、所謂ツーペダルが多く、左右の後輪ブレーキ装置を同時に作動させるブレーキペダル、所謂ワンペダルは左右ブレーキの遊び量に違いがあった場合などには、該左右ブレーキに同等の制動力を与えることができなかった。また、旋回時には、作業者が前輪の回転を増速する前輪増速装置を作動させるよう構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前述のように、オートブレーキ機構が油圧式や電気式の構成であると、構造が複雑で高価な機構となり、油圧式の場合にはオートブレーキ機構が作動しているときにエンジンが停止してしまうとブレーキの制動力が弱まるので、作業者がブレーキペダルを踏む必要があった。ブレーキペダルが前記ワンペダルの場合は、左右のブレーキの遊び量に違いがあると左右の制動力が異なるので、後輪ブレーキ装置の性能を十分に発揮することができなかった。そして、ツーペダルとワンペダルとでは構造が大きく違っていたので、同一仕様の機体でこれらのペダルの交換を行なうことは容易でなかった。また、旋回動作と同時に前輪増速装置を作動させる必要があったので、旋回操作が煩雑になっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、作業車の旋回装置における以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
【0005】
請求項1においては、左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステアリングハンドルSの回転操作に連動して、旋回内側の後輪ブレーキ装置のみを作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ機構の作動モードを入切する切換えレバー32とを有する作業車の旋回装置において、該左右独立した後輪ブレーキ装置を、一つのブレーキペダル2で同時に制動操作すべく構成し、該ブレーキペダル2には左右後輪ブレーキ装置を等しい制動力で動作させるバランス機構であるイコライザ30を設け、ブレーキペダル2の踏込み操作が、ステアリングハンドルSによるオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置を作動させるよう構成し、前記ブレーキペダル2をブレーキ支持軸38に固設し、該ブレーキ支持軸38は、ブレーキシャフト12上において、左右カムレバー22・23を回動自在に遊嵌した間の位置に回動自在に嵌装し、前記イコライザ30は、該ブレーキ支持軸38に固設したブラケット30bと、左右に横設したアーム30aとで構成し、該アーム30aは、前記ブラケット30bの回動軸30cを中心にして水平方向に回動自在に構成し、前記左右カムレバー22・23から下方に突出したレバー22b・23bの前端を、前記イコライザ30のアーム30aと当接する位置に配置し、該オートブレーキ機構はステアリングハンドルSの操作部左右独立した後輪ブレーキ装置に連結された連結ロッド24・25に機械的に連結して、ステアリングハンドルSの左右への切角に比例した制動力を発生させるように構成し、該ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け、該調節手段は、左右連結ロッド24・25の後端に螺合した螺子部材24b・25bを回転して前後に移動させることで、該左右連結ロッド24・25の後部に摺動自在に配設した係止部材24a・25aを、前記左右カムレバー22・23から上方に突設したステー22a・23aに当接させるまでに必要なステアリングハンドルSの回動量を変化させて、ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節し、該ステアリングハンドルSの切角に対する左右後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段である螺子部材24b・25bを、前記ブレーキペダル2の踏込み操作による左右後輪ブレーキ装置の遊び量を調節する調節手段として兼用したのである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の作業車の旋回装置において、該オートブレーキ機構は、前記ステアリングハンドルSの操作により前後に回動する旋回リンク21により構成し、該旋回リンク21を固設するピットマンアーム11を機体中央部の左右方向に横設し、該オートブレーキ機構の旋回リンク21より後方は左右のオートブレーキ機構を構成するリンク機構に分岐させ、該分岐部である旋回リンク21と、ピットマンアーム11との間に、前記切換えレバー32による切換機構であるクラッチ31を配設したものである。
【0007】
請求項3においては、請求項2記載の作業車の旋回装置において、
該オートブレーキ機構のクラッチ31には、前記切換えレバー32により操作されるカムアーム37が一体的に取付けられ、該カムアーム37の固定ピン37aが、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cへ摺動自在に嵌入して、オートブレーキ機構の作動モードが切状態のときには、旋回リンク21が回動しないように固定したものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3記載の作業車の旋回装置において、該固定孔21cは、該固定孔21cの外側部よりも内側部21eを大径に形成して、該内側部21eと固定ピン37aとの間に間隙を設け、固定ピン37aと固定孔21cとの間に異物が侵入しても、固定ピン37aの摺動動作が妨げられないように構成し、固着を防止したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面より説明する。
図1は本発明の旋回装置を備えたトラクタを示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3は旋回装置を示す平面図、図4は同じく側面図、図5は同じく部分平面図、図6は同じく部分側面図、図7は中間リンクを示す側面図、図8はブレーキ機構を示す正面図、図9は同じく斜視図、図10はクラッチ機構を示す斜視図、図11は同じく後面図、図12はクラッチの動作状態を示す後面図、図13はオートブレーキ機構及び前進増速装置の牽制機構を示す側面図、図14は同じく平面図、図15は前進増速装置の作動機構を示す側面図、図16はブレーキペダルの別実施例を示す斜視図、図17は図16におけるステアリング部の別実施例を示す斜視図、図18はブレーキペダルの別実施を示す正面図、図19は図18におけるブレーキペダルのブレーキ支軸を示す斜視図、図20はブレーキ支軸とカムレバーとの噛合状態を示す側面断面図である。
【0010】
まず、本発明の旋回装置を備えたトラクラの概略構成について、図1、図2により説明する。
前輪FWと後輪RWとによって、クラッチハウジングCH及びミッションケースMを支持している。クラッチハウジングCHの上部にはボンネットBを載置して、該ボンネットBの後方にステアリングハンドルSを配設し、該ステアリングハンドルSの後方には座席SEを設けている。また、前記クラッチハウジングCHの左右側にはステップ1を張り出し、該ステップ1から上方にブレーキペダル2を突出している。座席SEの側方に配設したレバーガイド3・4には変速レバーや切換えレバーなどを配置している。
【0011】
次に、旋回装置について説明する。まず、オートブレーキ機構について説明する。
図3乃至図7において、前記ステアリングハンドルSは、ステアリングポスト17に支持され、該ステアリングポスト17下方にピットマンアーム16を上下回動可能に配設している。前記クラッチハウジングCHの下部において、機体左右方向に回動自在に横設したピットマンシャフト11の一端部にピットマンアーム13を嵌装し、該ピットマンアーム13とピットマンシャフト11とが一体的に回動可能に構成している。該ピットマンアーム13のアーム13aと前記ピットマンアーム16の先端部とはドラッグロッド15で連結され、ピットマンアーム13のアーム13bにはドラッグロッド14の一端が取付けられている。
【0012】
ステアリングハンドルSを回転操作すると、ピットマンアーム16が上下に回動して、ピットマンアーム13のアーム13aを上下に回動させ、該アーム13aの回動動作に伴ってアーム13bが前後に回動する。そして、アーム13bの回動動作によりドラッグロッド14が前後移動するとともにタイロッド18が左右移動して、前輪FW・FWを操向するように構成している。
【0013】
前記ピットマンシャフト11の他端部には、旋回リンク21が回動自在に嵌入され、該ピットマンシャフト11の他端からはクラッチ31を挿脱可能に嵌入して、該クラッチ31に固設したカムアーム37と旋回リンク21とが一体的に回動可能に連結されている。ピットマンシャフト11の後方にはブレーキシャフト12が左右に横設され、ピットマンシャフト11と略平行に配置されている。該ブレーキシャフト12には左右カムレバー22・23を嵌装し、該左カムレバー22はブレーキシャフト12と一体的に回動可能に構成して、右カムレバー23はブレーキシャフト12に対して回動自在に構成している。該左右カムレバー22・23の間にブレーキペダル2の支持軸を回動自在に嵌装している。
【0014】
前記旋回リンク21のステー21aと左カムレバー22のステー22aとを左連結ロッド24で連結し、旋回リンク21のステー21bと右カムレバー23のステー23aとを右連結ロッド25で連結し、該左右連結ロッド24・25はステー22a・23a内を摺動自在に構成している。また、左右連結ロッド24・25の後部には係止部材24a・25aを摺動自在に配設して、該係止部材24a・25aと左右連結ロッド24・25後端に螺合した螺子部材24b・25bとの間にはスプリング28・28を介装している。
そして、左右連結ロッド24・25が前方に移動すると、該係止部材24a・25aがステー21a・22aに係止し、更に前方に移動すると、スプリング28・28が係止部材24a・25aを前方に付勢するようになるので、この付勢力によって該係止部材24a・25aがステー21a・22aを前方に回動することとなる。
なお、旋回リンク21、左右カムレバー22・23、左右連結ロッド24・25などで中間リンクを構成しており、該旋回リンク21のボス部21dが嵌装されているピットマンアーム11は、該中間リンクを支持する中継支軸を兼ねている。
【0015】
前記ブレーキシャフト12の左端部とミッションケースMの左方に配設した左ブレーキカム84aとがブレーキロッド26にて連結され、ブレーキシャフト12の右端部に配設した右カムレバー23と右ブレーキカム84bとがブレーキロッド27にて連結されて、ブレーキシャフト12が回動して左ブレーキカム84aが前方に回動すると左後輪ブレーキ装置が作動し、右カムレバー23が回動して右ブレーキカム84bが前方に回動すると右後輪ブレーキ装置が作動するように構成している。また、前記クラッチ31と切換えレバー32とを切換えロッド33などで連結して、該レバー32を操作することでオートブレーキ機構の作動モードの入切を切換えできるように構成している。
【0016】
このようにオートブレーキ機構を構成して、例えば機体が左へ旋回する方向へステアリングハンドルSを回転操作すると、ピットマンアーム16は下方へ回動して、ピットマンアーム13のアーム13aを下方に回動させる。それに伴ってピットマンシャフト11が回動して、ピットマンアーム11の他端に設けたクラッチ31に固設したカムアーム37を回動させる。カムアーム37は、図11における該カムアーム37の固定ピン37aを旋回リンク21の固定孔21cに嵌入して、該旋回リンク21と一体的に回動するように構成しているので、図7に示すように旋回リンク21の固定孔21c及びステー21aが前方に回動する。
【0017】
すると、該ステー21aに取付けられた左連結ロッド24が前方へ移動して、左連結ロッド24の係止部材24aが、ブレーキシャフト12上の左カムレバー22のステー22aに当接し、スプリング28の付勢力によって該ステー22aが前方に回動する。ステー22aが前方に回動した左カムレバー22は、ブレーキシャフト12を一体的に回動して、ブレーキロッド26を前方に移動させるとともに左ブレーキカム84aを前方に回動させて、左後輪ブレーキ装置を作動させるのである。この場合、右カムレバー23のステー23aに取付けられた右連結ロッド25は、旋回リンク21のステー21bが摺動しながら後方に移動するため前方へは引っ張られないので、右カムレバー23は回動せず、右後輪ブレーキ装置は作動しない。
【0018】
逆に、機体が右へ旋回する方向へステアリングハンドルSを回転操作すると、旋回リンク21のステー21bが前方へ回動する。すると、該ステー21bに取付けられた右連結ロッド25が前方へ移動して、右連結ロッド25の係止部材25aが右カムレバー23のステー23aに当接して、該ステー23aを前方に回動する。
そして、右カムレバー23に前端を連結したブレーキロッド27が前方へ移動するとともに右ブレーキカム84bを前方に回動して右後輪ブレーキ装置が作動する。この場合、左カムレバー22のステー22aに取付けられた左連結ロッド24は、旋回リンク21のステー21aが摺動しながら後方に移動するため前方へは引っ張られないので、左カムレバー22は回動せずに、左後輪ブレーキ装置は作動しない。
また、前記ピットマンアーム16の回動量はステアリングハンドルSの回転操作量、即ちステアリングハンドルSの切角に比例するように構成しているので、該回転操作量に比例した左ブレーキカム84a若しくは右ブレーキカム84bの回動量が得られ、ステアリングハンドルSの回転操作量に比例した左右後輪ブレーキ装置の制動力を得ることができる。
また、左右のブレーキロッド26・27には、該ロッド26・27を後方に付勢するスプリング29・29が取付けられているので、ステアリングハンドルSを直進走行状態に戻せば左右ブレーキカム84a・84bは後方に回動して、左右後輪ブレーキ装置は作動を停止する。
【0019】
左右カムレバー22・23の回動は、左右連結ロッド24・25の移動で増加したスプリング28の付勢力によるものなので、旋回リンク21が回動してから若干遅れて左右後輪ブレーキ装置が作動することとなる。
なお、スプリング28に代えて、ゴム、又は、ゴムダンパーなどを使用しても良く、ゴムに変更した場合はスプリングと違って、ゴミや泥などが侵入する心配がなく、また、安価に構成できるという特徴がある。
また、前述の遅れ時間は、左右連結ロッド24・25の後端に螺合した螺子部材24b・25bを回転して前後に移動させることで調節することができる。また、該螺子部材24b・25bを前後に移動させることで、前記係止部材24a・25aをステー22a・23aに当接させるまでに必要な旋回リンク21の回動量を変化させて左右後輪ブレーキ装置の遊び量を調節し、ステアリングハンドルSの切角に対する左右後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節することができる。
【0020】
次に、作業者がブレーキペダル2を踏圧して左右後輪ブレーキ装置を作動させるブレーキ機構について説明する。
図8、図9に示すように、前記ブレーキシャフト12には左右カムレバー22・23が嵌装され、該左右カムレバー22・23間にはブレーキ支持軸38が回動自在に嵌装されている。該ブレーキ支持軸38にはブレーキペダル2が固設され、該ブレーキペダル2の操作部2aを踏圧するとブレーキ支持軸38が回動するよう構成している。ブレーキ支持軸38の下端部にはバランス機構であるイコライザ30が固設され、該イコライザ30は、ブレーキ支持軸38に固設したブラケット30bと、左右に横設したアーム30aとで構成されている。該アーム30aは、回動軸30cを中心にして水平方向に回動自在にブラケット30bへ取付けられている。
【0021】
左カムレバー22は、回動軸22dの上方にステー22aを配設し、該回動軸22dの下方にレバー22bを固設している。また、右カムレバー23は、回動軸23dの上方にステー23aをアーム23cを介して取付け、該回動軸23dの下方にレバー23bを固設して、該レバー22b・23bは、その前端が前記イコライザ30のアーム30aと当接する位置に配置されている。
【0022】
そして、ブレーキペダル2の操作部2aを下方に踏圧すると、ブレーキ支持軸38に固設したイコライザ30が後方に回動して、左右カムレバー22・23のレバー22b・23bを同時に後方に回動し、ステー22a・23aを前方に回動する。ステー22a・23aが前方に回動すると、前述のようにブレーキカム84a・84bが回動して、左右後輪ブレーキ装置が作動する。このように、ブレーキペダル2を操作することで左右後輪ブレーキ装置を同時に作動させることができるのである。
【0023】
ブレーキカム84a・84bを回動させるのに必要な力は、例えば、該ブレーキカム84a・84bが回動を開始して実際に後輪ブレーキ装置が制動力を生じるまでの間、即ちブレーキカム84a・84bの回動動作が該ブレーキ装置の遊びの範囲にある場合と、ブレーキカム84a・84bの回動動作が実際に制動力を生じさせている範囲にある場合とでは異なり、この両者の場合においてはレバー22b・23bを回動させるのに必要な力は同様に異なる。ブレーキペダル2を下方に踏圧してイコライザ30のアーム30aによりレバー22b・23bを回動させる際に、両者を回動させるのに必要な力が異なる場合は、該アーム30aは、水平方向に回動可能に構成しており、回動させるのに大きな力が必要なレバーに当接している側が、他側に比べて前方に回動されて、両側に掛かる力が等しくなった位置で回動が停止する。即ち、左右の後輪ブレーキ装置が同一の制動力を有する状態でレバー22b・23bを回動することができ、ブレーキペダル2を踏圧すると、左右の後輪ブレーキ装置は同一の制動力を生じさせることができるのである。
【0024】
次に、オートブレーキ機構の作動モードの切換機構について説明する。
図10乃至図12において、ピットマンシャフト11のピットマンアーム13配設側とは反対側の端部にクラッチ31が配設され、該クラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11端部から挿脱自在に嵌入して、該ピットマンシャフト11とクラッチ31とが一体的に回動可能に構成されている。クラッチ31にはカムアーム37が一体的に取付けられ、該カムアーム37の固定ピン37aが、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cへ摺動自在に嵌入して、オートブレーキ機構の作動モードが切状態のときには、旋回リンクが回動しないように固定している。該固定孔21cは、該固定孔21cの外側部よりも内側部21eを大径に形成して、該内側部21eと固定ピン37aとの間に間隙を設け、固定ピン37aと固定孔21cとの間に泥水のような異物が侵入しても固定ピン37aの摺動動作が妨げられないように構成して固着を防止している。
【0025】
カムアーム37の外周部に形成した凹部31aには、切換えアーム34bに固設した切換えピン35が上方から嵌入し、該切換えアーム34bは、クラッチハウジングCHにブラケット49を介して回動自在に取付けられた回動軸34に固設されている。該回動軸34は、回動アーム34aを介して切換えロッド33と連結されている。
【0026】
また、前記切換えレバー32は座席SEの一側方のレバーガイド3に配置され、図13に示すように、該レバー32の下端部は切換えアーム41に固設され、該切換えアーム41は支軸41aを中心に回動自在に構成されている。切換えアーム41の下方には切換えカム42が配設され、該切換えカム42は支軸42aから略前後方向及び略上方に突出した突出部42d・42・42cを形成して、前後の一方向に突出した突出部42bと前記切換えアーム41の前後方向における途中部とが連結ロッド43で連結されている。前記切換えカム42の略上方に突出した突出部42cには、前記切換えロッド33の後端が連結され、突出部42dはスプリング44によって上方に付勢されている。
【0027】
この切換えレバー32を上方に回動させると、切換えアーム41が上方に回動して、切換えカム42の突出部42bが上方に回動するとともに、突出部42cが前方へ回動し、切換えロッド33が前方へ移動する。また、突出部42dは下方に回動し、スプリング44は支点越えをして、該突出部42dを下方に付勢するようになるので、この状態は安定して保持される。前方へ移動した切換えロッド33により前記回動軸34が回動するとともに、前記切換えピン35が機体の左右外側へ移動する。そして、切換えピン35の移動に伴って前記クラッチ31が外側へ移動し、ピットマンシャフト11に嵌入していた爪部31bが該ピットマンシャフト11から抜脱して、ピットマンシャフト11の回動動作はクラッチ31に伝達されなくなる。
【0028】
このように、切換えレバー32が下方に回動された状態においては、作動モードが入状態になっており、クラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11に嵌入し、クラッチ31とピットマンシャフト11とが一体的に回動して、該ピットマンシャフト11の回動動作を、旋回リンク21などにより構成した中間リンクを介してブレーキシャフト12へ伝達するので、オートブレーキ機構を作動させることができる。一方、切換えレバー32を上方に回動した状態においては、作動モードが切状態になっており、クラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11から抜脱して、ピットマンシャフト11が回動してもクラッチ31は回動しないので、該ピットマンシャフト11の回動動作はブレーキシャフト12へ伝達されなくなり、機体を旋回してもオートブレーキ機構は作動しないこととなる。
【0029】
切換えレバー32が下方に回動され、オートブレーキ機構の作動モードが入状態の場合は、機体の旋回時に前輪の回転を増加させる前輪増速装置も作動モードが入状態となっている。即ち、前記回動軸34によりクラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11に嵌入し、クラッチ31とピットマンシャフト11とが一体的に回動して、該ピットマンシャフト11の回動動作により、カムアーム37で連結ロッドを押して、機体旋回時には前輪増速装置54を作動させることを可能にしている。
【0030】
図14、図15に示すように、旋回リンク21のボス部21d外周には前方からローラカム39が前後摺動可能に嵌装し、該ローラカム39の係止ピン39a・39aをカムアーム37の前側面に係止させ、該ローラカム39と前輪増速装置54を作動させる作動レバー53とが連結ロッド36によって連結されている。連結ロッド36のロッド36aの一端はローラカム39に固設して、他端は前記作動レバー53の先端部53aに摺動可能に嵌入している。ロッド36aのローラカム39側には螺子部材である調整ボルト36bが螺合し、該調整ボルト36bの前方にはケース36cを配設して、該ケース36cの前端部にはロッド36aに対して摺動可能にキャップ36dを設けている。また、調整ボルト36bとキャップ36dとの間にはスプリング51が介装されて、キャップ36dを前方に付勢している。
【0031】
そして、前述のように前輪増速モードスイッチ40がON状態の場合に、ステアリングハンドルSを回転操作して機体を旋回させると、ピットマンシャフト11が回動するとともに、クラッチ31に固設したカムアーム37が回動して前記係止ピン39aを前方へ押し出し、ローラカム39、ロッド36a、調整ボルト36b及びケース36cが前方へ移動する。調整ボルト36bが前方へ移動すると、スプリング51の付勢力によってキャップ36dが前方に押し出されて、作動レバー53の先端部53aに当接するとともに、作動レバー53が支点軸52を中心にして前方に回動される。この作動レバー53の回動により前輪増速装置54が作動するのである。
なお、作動レバー53の回動は、調整ボルト36bなどの移動で増加したスプリング51の付勢力によるものなので、カムアーム37が回動してから若干遅れて前輪増速装置54が作動することとなる。この遅れ時間は、調整ボルト36bを回転して調整ボルト36bとキャップ36dとの間隔を変化させることで調節することができる。
【0032】
逆に、切換えレバー32を上方に回動してオートブレーキ機構の作動モードが切状態となっている場合においては、スイッチレバー34cが回動して前記当接部40aに当接しなくなって前輪増速モードスイッチ40がOFF状態となるとともに、クラッチ31のカムアーム37が回動しなくなるので、機体を旋回させても前輪増速装置54を作動させることができなくなる。
【0033】
以上のような構成により、切換えレバー32を下方に回動すれば、機体が旋回した際にオートブレーキ機構及び前輪増速装置が作動できる作動モード入状態にすることができ、該切換えレバー32を上方に回動すれば、機体を旋回してもオートブレーキ機構及び前輪増速装置が作動しない作動モード切状態にすることができるのである。
【0034】
次に、オートブレーキ機構及び前輪増速装置の牽制機構について図13、図14により説明する。
前記レバーガイド3には、変速レバー45が前記切換えレバー32と併設されている。変速レバー45の副軸46aから下方に向けて変速アーム46を配設し、前記切換えアーム41の下方に牽制アーム48を配設している。該牽制アーム48は主軸48aを中心に回動可能に構成され、該主軸48aより前方に牽制ピン48bを固設している。
そして、牽制アーム48と変速アーム46とを連結具47で連結し、変速レバー45を上方に回動して機体の走行状態を低速にすると、前記牽制ピン48bが下方に回動して、変速レバー45を下方に回動して機体の走行状態を高速にすると、前記牽制ピン48bが上方に回動するよう構成している。
【0035】
そして、前記切換えレバー32が下方に回動されて、オートブレーキ機構及び前輪増速装置の作動モードが入状態の場合に、変速レバー45を下方に回動して機体の走行状態を高速にすると、牽制ピン48bが上方に回動されて、該牽制ピン48bは切換えアーム41の当接面41bに当接して、該切換えアーム41及び切換えレバー32を上方へ回動させ、オートブレーキ機構及び前輪増速装置が作動しない状態に牽制するのである。
また、変速レバー45が下方に回動されて高速走行の状態にある場合に、上方に回動されてオートブレーキ機構及び前輪増速装置の作動モードが切状態の切換えレバー32を下方に回動すると、切換えアーム41の当接面41bが下方に回動して前記牽制ピン48bに当接し、該牽制ピン48bを下方に回動させるとともに変速レバー45を上方に回動して、走行状態を低速にするように牽制する。 このように、機体が高速走行の状態にある場合には、オートブレーキ機構及び前輪増速装置が作動しないように構成して、機体の転倒などを防止している。
なお、オートブレーキ機構及び前輪増速装置を牽制する走行速度は任意に設定できるように構成している。
【0036】
前述の旋回装置は次のようにも構成できる。図16において、ステアリングポスト17に支持されたステアリングハンドルを回転操作すると、ピットンアーム16が上下に回動して、ドラッグロッド15によってピットンアーム16と連結されたピットマンアーム13が回動するとともに、ドラッグロッド14を前後移動させて、前輪FW・FWを走行するように構成している。
【0037】
また、本実施例のオートブレーキ機構は前述例と同様に、ピットマンアーム13の回動動作とともに回動するピットマンシャフト11の、該ピットマンアーム13の配設側とは反対側端部にクラッチ31を配設して、該クラッチ31をピットマンシャフト11に挿脱可能に嵌入している。該クラッチ31に固設したカムアーム37の固定ピン37aを、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cに摺動自在に嵌入し、カムアーム37と旋回リンク21とが一体的に回動可能に構成している。ピットマンシャフト11の後方には、ブレーキシャフト12を横設して、該ブレーキシャフト12には、左右カムレバー58・59を回動自在に嵌装し、左カムレバー58はブレーキシャフト12と一体的に回動して、右カムレバー59はブレーキシャフト12に対して回動自在としている。
【0038】
左右カムレバー58・59は、前記旋回リンク21と左右連結ロッド24・25を介して連結され、また、ブレーキシャフト12は左後輪ブレーキ装置を作動させる左ブレーキカム84aと、左ブレーキロッド26を介して連結され、右カムレバー59は右後輪ブレーキ装置を作動させる右ブレーキカム84bと、右ブレーキロッド27を介して連結されている。
そして、旋回リンク21の固定孔21cが前方に回動すると左ブレーキカム84aが回動して左後輪ブレーキ装置が作動し、固定孔21cが後方に回動すると右ブレーキカム84bが回動して右後輪ブレーキ装置が作動するように構成している。
また、前述の切換えレバー32を上下に回動して切換えロッド33を前後に移動させ、回動軸34を中心に切換えピン35を回動させることで、クラッチ31をピットマンシャフト11に対して挿脱させて、オートブレーキ機構の作動を入切することができる。
【0039】
右ブレーキロッド27の上方には支軸55を左右方向に横設し、該支軸55には左右カムレバー56・57を回動自在に配設して、両カムレバー56・57の間にブレーキ支持軸38’を回動自在に嵌装している。該ブレーキ支持軸38’は下方に向けてブレーキペダル2’を垂設し、ブレーキ支持軸38’の外周上部には前記イコライザ30を固設している。左カムレバー56は左カムレバー58と連結リンク62で連結され、右カムレバー57は右カムレバー59と連結リンク61で連結されており、左右カムレバー58・59が左右カムレバー56・57の回動動作に連動するよう構成している。
【0040】
以上のように構成したので、ブレーキペダル2’を踏圧すると、イコライザ30の作用により、左右後輪ブレーキ装置が同時に、同一の制動力で作動するのである。また、オートブレーキ機構によって左右一方の後輪ブレーキ装置が作動している場合においても、ブレーキペダル2’を踏圧すると、該オートブレーキ機構に優先して、ブレーキペダル2’の操作によるブレーキ機構が作動し、左右後輪ブレーキ装置が同時に作動するように構成している。
このように、ブレーキシャフト12の上方に配設した中間支軸からブレーキペダル2’を垂設したことにより、足元のスペースが有効に使用できるようになり、作業車がキャビン仕様にも対応可能になり、また防音、防振に優れた設計を行なうことができるようになる。
本実施例は、図17に示すように、ステアリングがパワーシリンダー63を介して操向を行なうパワーステアリング仕様の場合にも構成できる。なお、前述の実施例においても、このようなパワーステアリング仕様で構成できることはいうまでもない。
【0041】
前記ブレーキペダル2は、図18に示すように左右ブレーキペダル67・68で構成することも可能である。左右ブレーキペダル67・68のブレーキ支軸65・66は、ブレーキシャフト12に嵌脱自在、及び回動自在に嵌装され、該左ブレーキ支軸65はブレーキシャフト12に嵌装した前記カムレバー22・23間に配置し、ブレーキ支軸66はカムレバー23の外側方に配置している。
【0042】
図19、図20に示すように、左ブレーキ支軸65のカムレバー22側面には爪部65a・65aを形成し、カムレバー22の左ブレーキ支軸65側面は該爪部65a・65aと合う形状に形成して両者を噛合させ、左ブレーキペダル67を踏圧すると、左ブレーキ支軸65とカムレバー22とが一体的に回動して左後輪ブレーキ機構が作動するように構成している。
また、右ブレーキ支軸66のカムレバー23側面には爪部66a・66aを形成し、カムレバー23の右ブレーキ支軸66側面は該爪部66a・66aと合う形状に形成して両者を噛合させ、右ブレーキペダル68を踏圧すると右ブレーキ支軸66とカムレバー23とが一体的に回動して右後輪ブレーキ機構が作動するように構成している。
そして、左右後輪ブレーキ機構を同時に作動させるには、左右ブレーキペダル67・68を同時に踏圧すればよく、この場合、左右ブレーキペダル67・68を連結具などで連結してもよい。
【0043】
前記ブレーキペダル2及び左右ブレーキペダル67・68はブレーキシャフト12へ嵌脱自在に嵌装しているので、例えば作業車を左右ブレーキペダル67・68が装着された、所謂ツーペダル仕様から、ブレーキペダル2が装着された、所謂ワンペダル仕様へ変更するのには、左右ブレーキペダル67・68をブレーキシャフト12から抜脱して、代わりにブレーキペダル2を嵌装するだけでよい。また、ワンペダル仕様の作業車からツーペダル仕様の作業車への変更も同様に、ブレーキペダル2と左右ブレーキペダル67・68とを交換するだけでよい。
また、オートブレーキ機構の作動時に、ブレーキペダルが該ペダルの自重で踏込み方向に動くことを防ぐため、ブレーキロッド26・27のリターンスプリングとは別に、作業機本体とペダルとを連結するペダルスプリングを設けている。これにより、ペダルの不要な動きやガタつきを防止することができる。
【0044】
例えば、ワンペダル仕様の作業車を使用している際に、圃場条件や作業者の機体操作に対する熟練度によっては、ステアリングハンドルSを機体が直進する角度に保持したまま、左右一方のブレーキを操作して軌道修正を行ったり、姿勢の立て直しを行ったりする必要があるが、このような場合においてはブレーキペダル2と左右ブレーキペダル67・68とをその場ですぐさま交換することができる。
また、オートブレーキ機構を作動させた旋回時の制動力を、圃場を荒らさないようにロック寸前に設定すると、超湿田などでは制動力が不足する場合があるが、ツーペダル仕様の場合、オートブレーキ機構に優先して左右任意の片側のペダルを足で操作することができるように構成している。勿論、両ブレーキ操作についてはワンペダル仕様の場合と同様に構成している。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、作業車の旋回機構において、以上のような構成とすることで、次のような効果を奏する。
請求項1の如く、左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステアリングハンドルSの回転操作に連動して、旋回内側の後輪ブレーキ装置のみを作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ機構の作動モードを入切する切換えレバー32とを有する作業車の旋回装置において、該左右独立した後輪ブレーキ装置を、一つのブレーキペダル2で同時に制動操 作すべく構成し、該ブレーキペダル2には左右後輪ブレーキ装置を等しい制動力で動作させるバランス機構であるイコライザ30を設け、ブレーキペダル2の踏込み操作が、ステアリングハンドルSによるオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置を作動させるよう構成し、前記ブレーキペダル2をブレーキ支持軸38に固設し、該ブレーキ支持軸38は、ブレーキシャフト12上において、左右カムレバー22・23を回動自在に遊嵌した間の位置に回動自在に嵌装し、前記イコライザ30は、該ブレーキ支持軸38に固設したブラケット30bと、左右に横設したアーム30aとで構成し、該アーム30aは、前記ブラケット30bの回動軸30cを中心にして水平方向に回動自在に構成し、前記左右カムレバー22・23から下方に突出したレバー22b・23bの前端を、前記イコライザ30のアーム30aと当接する位置に配置し、該オートブレーキ機構はステアリングハンドルSの操作部左右独立した後輪ブレーキ装置に連結された連結ロッド24・25に機械的に連結して、ステアリングハンドルSの左右への切角に比例した制動力を発生させるように構成し、該ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け、該調節手段は、左右連結ロッド24・25の後端に螺合した螺子部材24b・25bを回転して前後に移動させることで、該左右連結ロッド24・25の後部に摺動自在に配設した係止部材24a・25aを、前記左右カムレバー22・23から上方に突設したステー22a・23aに当接させるまでに必要なステアリングハンドルSの回動量を変化させて、ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節し、該ステアリングハンドルSの切角に対する左右後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段である螺子部材24b・25bを、前記ブレーキペダル2の踏込み操作による左右後輪ブレーキ装置の遊び量を調節する調節手段として兼用したので、一つのブレーキペダル2を操作するだけで、左右後輪ブレーキ装置の遊び量が異なった場合においても、該左右ブレーキ装置を等しい制動力で作動させることができ、ブレーキペダルの操作がオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置を作動させるよう構成したので、安全性の向上が図れ、作業者の労力を低減することができた。
また、左右後輪ブレーキ装置の遊び量を調節する調節手段を設けたので、左右後輪ブレーキ装置の遊び量を左右別々に調整することができた。
【0046】
また、該オートブレーキ機構はステアリングハンドルSの操作部より機械的に連結して、ステアリングハンドルSの切角に比例した制動力を発生させるように構成し、ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け、該調節手段は、前記左右後輪ブレーキ装置の遊び量を調節する調節手段と兼用したので、まず機械的に連結したことにより、簡単な構造に構成することができ、故障が少なくなって信頼性の向上が図れ、安価に該オートブレーキ機構を構成することができた。
また、オートブレーキ機構をステアリングの切角に比例した制動力を発生させるように構成し、ステアリングの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設けたので、小旋回を行いつつ圃場の荒れを最小限に抑えることが、例えば湿田と乾田といった異なる状態の圃場においてもそれぞれで行うことができ、旋回時のステアリング操作により間欠的なブレーキ操作を行うことができたのである。
【0047】
請求項2の如く、該オートブレーキ機構は、前記ステアリングハンドルSの操作により前後に回動する旋回リンク21により構成し、該旋回リンク21を固設するピットマンアーム11を機体中央部の左右方向に横設し、該オートブレーキ機構の旋回リンク21より後方は左右のオートブレーキ機構を構成するリンク機構に分岐させ、該分岐部である旋回リンク21と、ピットマンアーム11との間に、前記切換えレバー32による切換機構であるクラッチ31を配設したので、ピットマンシャフト端部にオートブレーキ機構を入切する切換具を構成するクラッチを配設し、該クラッチを、切換えレバー32により操作するように構成することができ、左右のオートブレーキ機構を同時に入切することができることとなった。
【0048】
請求項3の如く、該オートブレーキ機構のクラッチ31には、前記切換えレバー32により操作されるカムアーム37が一体的に取付けられ、該カムアーム37の固定ピン37aが、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cへ摺動自在に嵌入して、オートブレーキ機構の作動モードが切状態のときには、旋回リンク21が回動しないように固定したので、切換えレバー32よるオートブレーキ機構の切状態の時では、カムアーム37と旋回リンク21の相対位置が変化しないので、ピットマンアーム11からカムアーム37を介して旋回リンク21への回動力の伝達の入切が確実で滑らかに行えるようになったのである。
【0049】
請求項4の如く、該固定孔21cは、該固定孔21cの外側部よりも内側部21eを大径に形成して、該内側部21eと固定ピン37aとの間に間隙を設け、固定ピン37aと固定孔21cとの間に異物が侵入しても、固定ピン37aの摺動動作が妨げられないように構成し、固着を防止したので、オートブレーキ機構の旋回リンク21を前記作動モードの切状態では固定する固定手段を設け、前記切換具の入切部の固着防止機構とすることが出来たので、カムアームの固定ピンが旋回アームの固定孔に嵌入する嵌入部分に泥水などが浸入しても錆びついたりして固定ピンと固定孔とが固着することがなくなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の旋回装置を備えたトラクタを示す全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 旋回装置を示す平面図である。
【図4】 同じく側面図である。
【図5】 同じく部分平面図である。
【図6】 同じく部分側面図である。
【図7】 中間リンクを示す側面図である。
【図8】 ブレーキ機構を示す正面図である。
【図9】 同じく斜視図である。
【図10】 クラッチ機構を示す斜視図である。
【図11】 同じく後面図である。
【図12】 クラッチの動作状態を示す後面図である。
【図13】 オートブレーキ機構及び前進増速装置の牽制機構を示す側面図である。
【図14】 同じく平面図である。
【図15】 前進増速装置の作動機構を示す側面図である。
【図16】 ブレーキペダルの別実施例を示す斜視図である。
【図17】 図16におけるステアリング部の別実施例を示す斜視図である。
【図18】 ブレーキペダルの別実施を示す正面図である。
【図19】 図18におけるブレーキペダルのブレーキ支軸を示す斜視図である。
【図20】 ブレーキ支軸とカムレバーとの噛合状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
M ミッションケース
S ステアリングハンドル
CH クラッチハウジング
2 ブレーキペダル
2’ ブレーキペダル
11 ピットマンシャフト
12 ブレーキシャフト
13 ピットマンアーム
21 旋回リンク
21c 固定孔
21d ボス部
21e 固定孔
22 左カムレバー
23 右カムレバー
24 左連結ロッド
25 右連結ロッド
24b・25b 螺子部材
30 イコライザ
31 クラッチ
31a 凹部
31b 爪部
32 切換レバー
34 回動軸
37 カムアーム
37a 固定ピン
38 ブレーキ支持軸
38’ ブレーキ支持軸
40 前輪増速モードスイッチ
45 変速レバー
48b 牽制ピン
54 前輪増速装置
55 支軸
56・58 左カムレバー
57・59 右カムレバー
65・66 左右ブレーキペダル
65a・66a 爪部
67・68 左右ブレーキ支軸

Claims (4)

  1. 左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステアリングハンドルSの回転操作に連動して、旋回内側の後輪ブレーキ装置のみを作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ機構の作動モードを入切する切換えレバー32とを有する作業車の旋回装置において、該左右独立した後輪ブレーキ装置を、一つのブレーキペダル2で同時に制動操作すべく構成し、該ブレーキペダル2には左右後輪ブレーキ装置を等しい制動力で動作させるバランス機構であるイコライザ30を設け、ブレーキペダル2の踏込み操作が、ステアリングハンドルSによるオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置を作動させるよう構成し、前記ブレーキペダル2をブレーキ支持軸38に固設し、該ブレーキ支持軸38は、ブレーキシャフト12上において、左右カムレバー22・23を回動自在に遊嵌した間の位置に回動自在に嵌装し、前記イコライザ30は、該ブレーキ支持軸38に固設したブラケット30bと、左右に横設したアーム30aとで構成し、該アーム30aは、前記ブラケット30bの回動軸30cを中心にして水平方向に回動自在に構成し、前記左右カムレバー22・23から下方に突出したレバー22b・23bの前端を、前記イコライザ30のアーム30aと当接する位置に配置し、該オートブレーキ機構はステアリングハンドルSの操作部左右独立した後輪ブレーキ装置に連結された連結ロッド24・25に機械的に連結して、ステアリングハンドルSの左右への切角に比例した制動力を発生させるように構成し、該ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け、該調節手段は、左右連結ロッド24・25の後端に螺合した螺子部材24b・25bを回転して前後に移動させることで、該左右連結ロッド24・25の後部に摺動自在に配設した係止部材24a・25aを、前記左右カムレバー22・23から上方に突設したステー22a・23aに当接させるまでに必要なステアリングハンドルSの回動量を変化させて、ステアリングハンドルSの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節し、該ステアリングハンドルSの切角に対する左右後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段である螺子部材24b・25bを、前記ブレーキペダル2の踏込み操作による左右後輪ブレーキ装置の遊び量を調節する調節手段として兼用したことを特徴とする作業車の旋回装置。
  2. 請求項1記載の作業車の旋回装置において、
    該オートブレーキ機構は、前記ステアリングハンドルSの操作により前後に回動する旋回リンク21により構成し、該旋回リンク21を固設するピットマンアーム11を機体中央部の左右方向に横設し、該オートブレーキ機構の旋回リンク21より後方は左右のオートブレーキ機構を構成するリンク機構に分岐させ、該分岐部である旋回リンク21と、ピットマンアーム11との間に、前記切換えレバー32による切換機構であるクラッチ31を配設したことを特徴とする作業車の旋回装置。
  3. 請求項2記載の作業車の旋回装置において、
    該オートブレーキ機構のクラッチ31には、前記切換えレバー32により操作されるカムアーム37が一体的に取付けられ、該カムアーム37の固定ピン37aが、ピットマンシャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cへ摺動自在に嵌入して、オートブレーキ機構の作動モードが切状態のときには、旋回リンク21が回動しないように固定したことを特徴とする作業車の旋回装置。
  4. 請求項3記載の作業車の旋回装置において、
    該固定孔21cは、該固定孔21cの外側部よりも内側部21eを大径に形成して、該内側部21eと固定ピン37aとの間に間隙を設け、固定ピン37aと固定孔21cとの間に異物が侵入しても、固定ピン37aの摺動動作が妨げられないように構成し、固着を防止したことを特徴とする作業車の旋回装置。
JP12266997A 1997-05-13 1997-05-13 作業車の旋回装置 Expired - Fee Related JP3804882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12266997A JP3804882B2 (ja) 1997-05-13 1997-05-13 作業車の旋回装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12266997A JP3804882B2 (ja) 1997-05-13 1997-05-13 作業車の旋回装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10310079A JPH10310079A (ja) 1998-11-24
JP3804882B2 true JP3804882B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=14841715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12266997A Expired - Fee Related JP3804882B2 (ja) 1997-05-13 1997-05-13 作業車の旋回装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3804882B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10310079A (ja) 1998-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2648262B2 (ja) 作業車の変速操作構造
JP5959461B2 (ja) 作業車の車速操作装置
JP3804882B2 (ja) 作業車の旋回装置
JP3822744B2 (ja) 作業車
JPH07205774A (ja) 作業車の制動装置
JP3825554B2 (ja) 作業車
JP4263062B2 (ja) 作業車の変速操作構造
JP4749967B2 (ja) 作業車両の走行操作装置
JP3568425B2 (ja) 作業機の変速中立検出装置
JP2004114964A (ja) 農用車両の変速操作装置
JPH01190553A (ja) 作業車の変速操作構造
JP2012116290A (ja) 作業車両の駐車ブレーキ操作装置
JP3904303B2 (ja) 作業車の変速操作装置
JPH0728035Y2 (ja) 車軸駆動装置
JP4408344B2 (ja) 作業車両の操作装置
JPH0732897A (ja) 作業車の変速ペダル支持構造
JPH032447Y2 (ja)
JPH08242601A (ja) 油圧走行農作業機の操作部構造
JP4537764B2 (ja) 作業車の走行変速構造
JPS5813371Y2 (ja) 乗用トラクタのチェンジレバ−装置
JPS5821824Y2 (ja) 歩行型移動農機の操作構造
JP3519812B2 (ja) 移動農機における制動制御装置
KR910001546Y1 (ko) 무한궤도차량 조향장치
JP2591908Y2 (ja) トラクタの始動安全装置
JP2007055388A (ja) 作業車両

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees