JPH10310079A - 作業車の旋回装置 - Google Patents

作業車の旋回装置

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JPH10310079A
JPH10310079A JP12266997A JP12266997A JPH10310079A JP H10310079 A JPH10310079 A JP H10310079A JP 12266997 A JP12266997 A JP 12266997A JP 12266997 A JP12266997 A JP 12266997A JP H10310079 A JPH10310079 A JP H10310079A
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brake
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wheel brake
auto
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Takehiro Soga
武寛 曽我
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の作業車のオートブレーキ機構は油圧式
や電気式の構成であり、構造が複雑で高価となり、油圧
式の場合にはオートブレーキ機構の作動中にエンジンが
停止するとブレーキの制動力が弱まって作業者がブレー
キペダルを踏む必要があった。 【解決手段】 オートブレーキ機構をステアリング操作
部より機械的に連結し、ステアリングの切角に比例した
制動力を発生させるよう構成し、ステアリングの切角に
対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節する調
節手段を設け、該オートブレーキ機構の中間リンクを支
持する中継支軸11を機体中央部の左右方向に横設し、
中間リンクの途中部で左右に分岐させた分岐部の前部に
前記切換具31を配設し、該オートブレーキ機構の旋回
リンク21を前記作動モードの切状態では固定する固定
手段を設け、前記切換具の入切部の固着防止機構を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリング操作
に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装置が作動するオー
トブレーキ機構を備えた作業車の旋回装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、機体の旋回時に、ステアリン
グ操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装置が作動す
るオートブレーキ機構を備えた作業機は知られており、
例えば、特開平8−15に示されている。そして、この
ようなオートブレーキ機構は、油圧により動作を制御し
たり、電動式の機構により構成されていた。また、作業
車が踏圧して後輪ブレーキ装置を作動させるブレーキペ
ダルは、左右別々に設けて、片方の後輪ブレーキ装置の
みを作動させることを可能にし、両方を作動させる場合
には、左右のブレーキペダルを連結操作具で連結して操
作するもの、所謂ツーペダルが多く、左右の後輪ブレー
キ装置を同時に作動させるブレーキペダル、所謂ワンペ
ダルは左右ブレーキの遊び量に違いがあった場合などに
は、該左右ブレーキに同等の制動力を与えることができ
なかった。また、旋回時には、作業者が前輪の回転を増
速する前輪増速装置を作動させるよう構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述のように、
オートブレーキ機構が油圧式や電気式の構成であると、
構造が複雑で高価な機構となり、油圧式の場合にはオー
トブレーキ機構が作動しているときにエンジンが停止し
てしまうとブレーキの制動力が弱まるので、作業者がブ
レーキペダルを踏む必要があった。ブレーキペダルが前
記ワンペダルの場合は、左右のブレーキの遊び量に違い
があると左右の制動力が異なるので、後輪ブレーキ装置
の性能を十分に発揮することができなかった。そして、
ツーペダルとワンペダルとでは構造が大きく違っていた
ので、同一仕様の機体でこれらのペダルの交換を行なう
ことは容易でなかった。また、旋回動作と同時に前輪増
速装置を作動させる必要があったので、旋回操作が煩雑
になっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、作業車の旋回
装置における以上のような課題を解決すべく、次のよう
な手段を用いるものである。即ち、左右独立した後輪ブ
レーキ装置と、ステアリングの回転操作に連動して旋回
内側の後輪ブレーキ装置が作動するオートブレーキ機構
と、該オートブレーキ機構の作動モードを入切する切換
具とを有する作業車の旋回装置において、該オートブレ
ーキ機構はステアリング操作部より機械的に連結して、
ステアリングの切角に比例した制動力を発生させるよう
に構成し、ステアリングの切角に対する後輪ブレーキ装
置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け、該オー
トブレーキ機構の中間リンクを支持する中継支軸を機体
中央部の左右方向に横設し、該中間リンクは途中部で左
右に分岐させて、該分岐部の前部に前記切換具を配設
し、該オートブレーキ機構の旋回リンクを前記作動モー
ドの切状態では固定する固定手段を設け、前記切換具の
入切部の固着防止機構を設けた。
【0005】また、左右独立した後輪ブレーキ装置と、
ステアリングの回転操作に連動して旋回内側の後輪ブレ
ーキ装置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブ
レーキ機構の作動モードを入切する切換具とを有する作
業車の旋回装置において、左右後輪ブレーキ装置を操作
するブレーキペダルを、該左右後輪ブレーキ装置を同時
に操作する一つのブレーキペダルで構成し、該ブレーキ
ペダルには左右後輪ブレーキ装置を等しい制動力で動作
させるバランス機構を設け、左右後輪ブレーキ装置の遊
び量を調節する調節手段を設け、ブレーキペダルの操作
がオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置
を作動させるよう構成した。
【0006】また、左右独立した後輪ブレーキ装置と、
ステアリング操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装
置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ
機構の作動モードを入切する切換具とを有する作業車の
旋回装置において、左右後輪ブレーキ装置を操作するブ
レーキペダルを、該左右後輪ブレーキ装置を同時に操作
する一つのブレーキペダルで構成し、該ブレーキペダル
の支持軸を、該ブレーキペダルの操作部よりも上方に配
設し、該ブレーキペダルには左右後輪ブレーキ装置を等
しい制動力で動作させるバランス機構を設けた。
【0007】また、左右独立した後輪ブレーキ装置と、
ステアリングの回転操作に連動して旋回内側の後輪ブレ
ーキ装置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブ
レーキ機構の作動モードを入切する切換具とを有する作
業車の旋回装置において、該切換具に連動して前輪増速
装置の作動モードを入切する切換具を設け、オートブレ
ーキ機構及び前輪増速装置の作動可能状態において、旋
回時にオートブレーキ機構及び前輪増速装置が作動を開
始するタイミングを調節する調節機構を設け、変速装置
を高速状態に切換えると前記両切換具が切状態に連動
し、該両切換具が入状態に切換わると変速装置が低速状
態に連動する牽制機構を設けた。
【0008】また、左右独立した後輪ブレーキ装置と、
ステアリング操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装
置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ
機構の作動モードを入切する切換具とを有する作業車の
旋回装置において、左右後輪ブレーキ装置を同時に操作
するブレーキペダルを、旋回装置に対して嵌脱自在に形
成するとともに、左右の後輪ブレーキ装置を独立して作
動する2本の左右ブレーキペダルを、旋回装置に対して
嵌脱自在に形成し、該左右ブレーキペダルを支持する支
持軸の端部には爪状部材を形成して、ブレーキペダルの
操作がオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ
装置を作動させるよう構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面より説明する。図1は本発明の旋回装置を備えたトラ
クタを示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3は旋
回装置を示す平面図、図4は同じく側面図、図5は同じ
く部分平面図、図6は同じく部分側面図、図7は中間リ
ンクを示す側面図、図8はブレーキ機構を示す正面図、
図9は同じく斜視図、図10はクラッチ機構を示す斜視
図、図11は同じく後面図、図12はクラッチの動作状
態を示す後面図、図13はオートブレーキ機構及び前進
増速装置の牽制機構を示す側面図、図14は同じく平面
図、図15は前進増速装置の作動機構を示す側面図、図
16はブレーキペダルの別実施例を示す斜視図、図17
は図16におけるステアリング部の別実施例を示す斜視
図、図18はブレーキペダルの別実施を示す正面図、図
19は図18におけるブレーキペダルのブレーキ支軸を
示す斜視図、図20はブレーキ支軸とカムレバーとの噛
合状態を示す側面断面図である。
【0010】まず、本発明の旋回装置を備えたトラクラ
の概略構成について、図1、図2により説明する。前輪
FWと後輪RWとによって、クラッチハウジングCH及
びミッションケースMを支持している。クラッチハウジ
ングCHの上部にはボンネットBを載置して、該ボンネ
ットBの後方にステアリングハンドルSを配設し、該ス
テアリングハンドルSの後方には座席SEを設けてい
る。また、前記クラッチハウジングCH左右側にはステ
ップ1を張り出し、該ステップ1から上方にブレーキペ
ダル2を突出している。座席SEの側方に配設したレバ
ーガイド3・4には変速レバーや切換えレバーなどを配
置している。
【0011】次に、旋回装置について説明する。まず、
オートブレーキ機構について説明する。図3乃至図7に
おいて、前記ステアリングハンドルSは、ステアリング
ポスト17に支持され、該ステアリングポスト17下方
にピットマンアーム16を上下回動可能に配設してい
る。前記クラッチハウジングCHの下部において、機体
左右方向に回動自在に横設したピットマンシャフト11
の一端部にピットマンアーム13を嵌装し、該ピットマ
ンアーム13とピットマンシャフト11とが一体的に回
動可能に構成している。該ピットマンアーム13のアー
ム13aと前記ピットマンアーム16の先端部とはドラ
ッグロッド15で連結され、ピットマンアーム13のア
ーム13bにはドラッグロッド14の一端が取付けられ
ている。
【0012】ステアリングハンドルSを回転操作する
と、ピットマンアーム16が上下に回動して、ピットマ
ンアーム13のアーム13aを上下に回動させ、該アー
ム13aの回動動作に伴ってアーム13bが前後に回動
する。そして、アーム13bの回動動作によりドラッグ
ロッド14が前後移動するとともにタイロッド18が左
右移動して、前輪FW・FWを操向するように構成して
いる。
【0013】前記ピットマンシャフト11の他端部には
旋回リンク21が回動自在に嵌入され、該ピットマンシ
ャフト11の他端からはクラッチ31を挿脱可能に嵌入
して、該クラッチ31に固設したカムアーム37と旋回
リンク21とが一体的に回動可能に連結されている。ピ
ットマンシャフト11の後方にはブレーキシャフト12
が左右に横設され、ピットマンシャフト11と略平行に
配置されている。該ブレーキシャフト12には左右カム
レバー22・23を嵌装し、該左カムレバー22はブレ
ーキシャフト12と一体的に回動可能に構成して、右カ
ムレバー23はブレーキシャフト12に対して回動自在
に構成している。該左右カムレバー22・23の間にブ
レーキペダル2の支持軸を回動自在に嵌装している。
【0014】前記旋回リンク21のステー21aと左カ
ムレバー22のステー22aとを左連結ロッド24で連
結し、旋回リンク21のステー21bと右カムレバー2
3のステー23aとを右連結ロッド25で連結し、該左
右連結ロッド24・25はステー22a・23a内を摺
動自在に構成している。また、左右連結ロッド24・2
5の後部には係止部材24a・25aを摺動自在に配設
して、該係止部材24a・25aと左右連結ロッド24
・25後端に螺合した螺子部材24b・25bとの間に
はスプリング28・28を介装している。そして、左右
連結ロッド24・25が前方に移動すると、該係止部材
24a・25aがステー21a・22aに係止し、更に
前方に移動すると、スプリング28・28が係止部材2
4a・25aを前方に付勢するようになるので、この付
勢力によって該係止部材24a・25aがステー21a
・22aを前方に回動することとなる。尚、旋回リンク
21、左右カムレバー22・23、左右連結ロッド24
・25などで中間リンクを構成しており、該旋回リンク
21のボス部21dが嵌装されているピットマンアーム
11は、該中間リンクを支持する中継支軸を兼ねてい
る。
【0015】前記ブレーキシャフト12の左端部とミッ
ションケースMの左方に配設した左ブレーキカム34a
とがブレーキロッド26にて連結され、ブレーキシャフ
ト12の右端部に配設した右カムレバー23と右ブレー
キカム34bとがブレーキロッド27にて連結されて、
ブレーキシャフト12が回動して左ブレーキカム34a
が前方に回動すると左後輪ブレーキ装置が作動し、右カ
ムレバー23が回動して右ブレーキカム34bが前方に
回動すると右後輪ブレーキ装置が作動するように構成し
ている。また、前記クラッチ31と切換えレバー32と
を切換えロッド33などで連結して、該レバー32を操
作することでオートブレーキ機構の作動モードの入切を
切換えできるように構成している。
【0016】このようにオートブレーキ機構を構成し
て、例えば機体が左へ旋回する方向へステアリングハン
ドルSを回転操作すると、ピットマンアーム16は下方
へ回動して、ピットマンアーム13のアーム13aを下
方に回動させる。それに伴ってピットマンシャフト11
が回動して、クラッチ31に固設したカムアーム37を
回動させる。カムアーム37は、図11における該カム
アーム37の固定ピン37aを旋回リンク21の固定孔
21cに嵌入して、該旋回リンク21と一体的に回動す
るように構成しているので、図7に示すように旋回リン
ク21の固定孔21c及びステー21aが前方に回動す
る。
【0017】すると、該ステー21aに取付けられた左
連結ロッド24が前方へ移動して、左連結ロッド24の
係止部材24aが左カムレバー22のステー22aに当
接し、スプリング28の付勢力によって該ステー22a
が前方に回動する。ステー22aが前方に回動した左カ
ムレバー22は、ブレーキシャフト12を一体的に回動
して、ブレーキロッド26を前方に移動させるとともに
左ブレーキカム34aを前方に回動させて、左後輪ブレ
ーキ装置を作動させるのである。この場合、右カムレバ
ー23のステー23aに取付けられた右連結ロッド25
は、旋回リンク21のステー21bが摺動しながら後方
に移動するため前方へは引っ張られないので、右カムレ
バー23は回動せず、右後輪ブレーキ装置は作動しな
い。
【0018】逆に、機体が右へ旋回する方向へステアリ
ングハンドルSを回転操作すると、旋回リンク21のス
テー21bが前方へ回動する。すると、該ステー21b
に取付けられた右連結ロッド25が前方へ移動して、右
連結ロッド25の係止部材25aが右カムレバー23の
ステー23aに当接して、該ステー23aを前方に回動
する。そして、右カムレバー23に前端を連結したブレ
ーキロッド27が前方へ移動するとともに右ブレーキカ
ム34bを前方に回動して右後輪ブレーキ装置が作動す
る。この場合、左カムレバー22のステー22aに取付
けられた左連結ロッド24は、旋回リンク21のステー
21aが摺動しながら後方に移動するため前方へは引っ
張られないので、左カムレバー22は回動せずに、左後
輪ブレーキ装置は作動しない。また、前記ピットマンア
ーム16の回動量はステアリングハンドルSの回転操作
量、即ちステアリングハンドルSの切角に比例するよう
に構成しているので、該回転操作量に比例した左ブレー
キカム34a若しくは右ブレーキカム34bの回動量が
得られ、ステアリングハンドルSの回転操作量に比例し
た左右後輪ブレーキ装置の制動力を得ることができる。
また、左右のブレーキロッド26・27には、該ロッド
26・27を後方に付勢するスプリング29・29が取
付けられているので、ステアリングハンドルSを直進走
行状態に戻せば左右ブレーキカム34a・34bは後方
に回動して、左右後輪ブレーキ装置は作動を停止する。
【0019】左右カムレバー22・23の回動は、左右
連結ロッド24・25の移動で増加したスプリング28
の付勢力によるものなので、旋回リンク21が回動して
から若干遅れて左右後輪ブレーキ装置が作動することと
なる。尚、スプリング28に代えて、ゴム、又は、ゴム
ダンパーなどを使用しても良く、ゴムに変更した場合は
スプリングと違って、ゴミや泥などが侵入する心配がな
く、また、安価に構成できるという特徴がある。また、
前述の遅れ時間は、左右連結ロッド24・25の後端に
螺合した螺子部材24b・25bを回転して前後に移動
させることで調節することができる。また、該螺子部材
24b・25bを前後に移動させることで、前記係止部
材24a・25aをステー22a・23aに当接させる
までに必要な旋回リンク21の回動量を変化させて左右
後輪ブレーキ装置の遊び量を調節し、ステアリングハン
ドルSの切角に対する左右後輪ブレーキ装置の制動力の
大きさを調節することができる。
【0020】次に、作業者がブレーキペダル2を踏圧し
て左右後輪ブレーキ装置を作動させるブレーキ機構につ
いて説明する。図8、図9に示すように、前記ブレーキ
シャフト12には左右カムレバー22・23が嵌装さ
れ、該左右カムレバー22・23間にはブレーキ支持軸
38が回動自在に嵌装されている。該ブレーキ支持軸3
8にはブレーキペダル2が固設され、該ブレーキペダル
2の操作部2aを踏圧するとブレーキ支持軸38が回動
するよう構成している。ブレーキ支持軸38の下端部に
はバランス機構であるイコライザ30が固設され、該イ
コライザ30は、ブレーキ支持軸38に固設したブラケ
ット30bと、左右に横設したアーム30aとで構成さ
れている。該アーム30aは、回動軸30cを中心にし
て水平方向に回動自在にブラケット30bへ取付けられ
ている。
【0021】左カムレバー22は、回動軸22dの上方
にステー22aを配設し、該回動軸22dの下方にレバ
ー22bを固設している。また、右カムレバー23は、
回動軸23dの上方にステー23aをアーム23cを介
して取付け、該回動軸23dの下方にレバー23bを固
設して、該レバー22b・23bは、その前端が前記イ
コライザ30のアーム30aと当接する位置に配置され
ている。
【0022】そして、ブレーキペダル2の操作部2aを
下方に踏圧すると、ブレーキ支持軸38に固設したイコ
ライザ30が後方に回動して、左右カムレバー22・2
3のレバー22b・23bを同時に後方に回動し、ステ
ー22a・23aを前方に回動する。ステー22a・2
3aが前方に回動すると、前述のようにブレーキカム3
4a・34bが回動して、左右後輪ブレーキ装置が作動
する。このように、ブレーキペダル2を操作することで
左右後輪ブレーキ装置を同時に作動させることができる
のである。
【0023】ブレーキカム34a・34bを回動させる
のに必要な力は、例えば、該ブレーキカム34a・34
bが回動を開始して実際に後輪ブレーキ装置が制動力を
生じるまでの間、即ちブレーキカム34a・34bの回
動動作が該ブレーキ装置の遊びの範囲にある場合と、ブ
レーキカム34a・34bの回動動作が実際に制動力を
生じさせている範囲にある場合とでは異なり、この両者
の場合においてはレバー22b・23bを回動させるの
に必要な力は同様に異なる。ブレーキペダル2を下方に
踏圧してイコライザ30のアーム30aによりレバー2
2b・23bを回動させる際に、両者を回動させるのに
必要な力が異なる場合は、該アーム30aは、水平方向
に回動可能に構成しており、回動させるのに大きな力が
必要なレバーに当接している側が、他側に比べて前方に
回動されて、両側に掛かる力が等しくなった位置で回動
が停止する。即ち、左右の後輪ブレーキ装置が同一の制
動力を有する状態でレバー22b・23bを回動するこ
とができ、ブレーキペダル2を踏圧すると、左右の後輪
ブレーキ装置は同一の制動力を生じさせることができる
のである。
【0024】次に、オートブレーキ機構の作動モードの
切換機構について説明する。図10乃至図12におい
て、ピットマンシャフト11のピットマンアーム13配
設側とは反対側の端部にクラッチ31が配設され、該ク
ラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11端部
から挿脱自在に嵌入して、該ピットマンシャフト11と
クラッチ31とが一体的に回動可能に構成されている。
クラッチ31にはカムアーム37が一体的に取付けら
れ、該カムアーム37の固定ピン37aが、ピットマン
シャフト11に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固
定孔21cへ摺動自在に嵌入して、オートブレーキ機構
の作動モードが切状態のときには、旋回リンクが回動し
ないように固定している。該固定孔21cは、該固定孔
21cの外側部よりも内側部21eを大径に形成して、
該内側部21eと固定ピン37aとの間に間隙を設け、
固定ピン37aと固定孔21cとの間に泥水のような異
物が進入しても固定ピン37aの摺動動作が妨げられな
いように構成して固着を防止している。
【0025】カムアーム37の外周部に形成した凹部3
1aには、切換えアーム34bに固設した切換えピン3
5が上方から嵌入し、該切換えアーム34bは、クラッ
チハウジングCHにブラケット49を介して回動自在に
取付けられた回動軸34に固設されている。該回動軸3
4は、回動アーム34aを介して切換えロッド33と連
結されている。
【0026】また、前記切換えレバー32は座席SEの
一側方のレバーガイド3に配置され、図13に示すよう
に、該レバー32の下端部は切換えアーム41に固設さ
れ、該切換えアーム41は支軸41aを中心に回動自在
に構成されている。切換えアーム41の下方には切換え
カム42が配設され、該切換えカム42は支軸42aか
ら略前後方向及び略上方に突出した突出部42d・42
・42cを形成して、前後の一方向に突出した突出部4
2bと前記切換えアーム41の前後方向における途中部
とが連結ロッド43で連結されている。前記切換えカム
42の略上方に突出した突出部42cには、前記切換え
ロッド33の後端が連結され、突出部42dはスプリン
グ44によって上方に付勢されている。
【0027】この切換えレバー32を上方に回動させる
と、切換えアーム41が上方に回動して、切換えカム4
2の突出部42bが上方に回動するとともに、突出部4
2cが前方へ回動し、切換えロッド33が前方へ移動す
る。また、突出部42dは下方に回動し、スプリング4
4は支点越えをして、該突出部42dを下方に付勢する
ようになるので、この状態は安定して保持される。前方
へ移動した切換えロッド33により前記回動軸34が回
動するとともに、前記切換えピン35が機体の左右外側
へ移動する。そして、切換えピン35の移動に伴って前
記クラッチ31が外側へ移動し、ピットマンシャフト1
1に嵌入していた爪部31bが該ピットマンシャフト1
1から抜脱して、ピットマンシャフト11の回動動作は
クラッチ31に伝達されなくなる。
【0028】このように、切換えレバー32が下方に回
動された状態においては、作動モードが入状態になって
おり、クラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト
11に嵌入し、クラッチ31とピットマンシャフト11
とが一体的に回動して、該ピットマンシャフト11の回
動動作を、旋回リンク21などにより構成した中間リン
クを介してブレーキシャフト12へ伝達するので、オー
トブレーキ機構を作動させることができる。一方、切換
えレバー32を上方に回動した状態においては、作動モ
ードが切状態になっており、クラッチ31の爪部31b
がピットマンシャフト11から抜脱して、ピットマンシ
ャフト11が回動してもクラッチ31は回動しないの
で、該ピットマンシャフト11の回動動作はブレーキシ
ャフト12へ伝達されなくなり、機体を旋回してもオー
トブレーキ機構は作動しないこととなる。
【0029】切換えレバー32が下方に回動され、オー
トブレーキ機構の作動モードが入状態の場合は、機体の
旋回時に前輪の回転を増加させる前輪増速装置も作動モ
ードが入状態となっている。即ち、前記回動軸34によ
りクラッチ31の爪部31bがピットマンシャフト11
に嵌入し、クラッチ31とピットマンシャフト11とが
一体的に回動して、該ピットマンシャフト11の回動動
作により、カムアーム37で連結ロッドを押して、機体
旋回時には前輪増速装置54を作動させることを可能に
している。
【0030】図14、図15に示すように、旋回リンク
21のボス部21d外周には前方からローラカム39が
前後摺動可能に嵌装し、該ローラカム39の係止ピン3
9a・39aをカムアーム37の前側面に係止させ、該
ローラカム39と前輪増速装置54を作動させる作動レ
バー53とが連結ロッド36によって連結されている。
連結ロッド36のロッド36aの一端はローラカム39
に固設して、他端は前記作動レバー53の先端部53a
に摺動可能に嵌入している。ロッド36aのローラカム
39側には螺子部材である調整ボルト36bが螺合し、
該調整ボルト36bの前方にはケース36cを配設し
て、該ケース36cの前端部にはロッド36aに対して
摺動可能にキャップ36dを設けている。また、調整ボ
ルト36bとキャップ36dとの間にはスプリング51
が介装されて、キャップ36dを前方に付勢している。
【0031】そして、前述のように前輪増速モードスイ
ッチ40がON状態の場合に、ステアリングハンドルS
を回転操作して機体を旋回させると、ピットマンシャフ
ト11が回動するとともに、クラッチ31に固設したカ
ムアーム37が回動して前記係止ピン39aを前方へ押
し出し、ローラカム39、ロッド36a、調整ボルト3
6b及びケース36cが前方へ移動する。調整ボルト3
6bが前方へ移動すると、スプリング51の付勢力によ
ってキャップ36dが前方に押し出されて、作動レバー
53の先端部53aに当接するとともに、作動レバー5
3が支点軸52を中心にして前方に回動される。この作
動レバー53の回動により前輪増速装置54が作動する
のである。尚、作動レバー53の回動は、調整ボルト3
6bなどの移動で増加したスプリング51の付勢力によ
るものなので、カムアーム37が回動してから若干遅れ
て前輪増速装置54が作動することとなる。この遅れ時
間は、調整ボルト36bを回転して調整ボルト36bと
キャップ36dとの間隔を変化させることで調節するこ
とができる。
【0032】逆に、切換えレバー32を上方に回動して
オートブレーキ機構の作動モードが切状態となっている
場合においては、スイッチレバー34cが回動して前記
当接部40aに当接しなくなって前輪増速モードスイッ
チ40がOFF状態となるとともに、クラッチ31のカ
ムアーム37が回動しなくなるので、機体を旋回させて
も前輪増速装置54を作動させることができなくなる。
【0033】以上のような構成により、切換えレバー3
2を下方に回動すれば、機体が旋回した際にオートブレ
ーキ機構及び前輪増速装置が作動できる作動モード入状
態にすることができ、該切換えレバー32を上方に回動
すれば、機体を旋回してもオートブレーキ機構及び前輪
増速装置が作動しない作動モード切状態にすることがで
きるのである。
【0034】次に、オートブレーキ機構及び前輪増速装
置の牽制機構について図13、図14により説明する。
前記レバーガイド3には、変速レバー45が前記切換え
レバー32と併設されている。変速レバー45の副軸4
6aから下方に向けて変速アーム46を配設し、前記切
換えアーム41の下方に牽制アーム48を配設してい
る。該牽制アーム48は主軸48aを中心に回動可能に
構成され、該主軸48aより前方に牽制ピン48bを固
設している。そして、牽制アーム48と変速アーム46
とを連結具47で連結し、変速レバー45を上方に回動
して機体の走行状態を低速にすると、前記牽制ピン48
bが下方に回動して、変速レバー45を下方に回動して
機体の走行状態を高速にすると、前記牽制ピン48bが
上方に回動するよう構成している。
【0035】そして、前記切換えレバー32が下方に回
動されて、オートブレーキ機構及び前輪増速装置の作動
モードが入状態の場合に、変速レバー45を下方に回動
して機体の走行状態を高速にすると、牽制ピン48bが
上方に回動されて、該牽制ピン48bは切換えアーム4
1の当接面41bに当接して、該切換えアーム41及び
切換えレバー32を上方へ回動させ、オートブレーキ機
構及び前輪増速装置が作動しない状態に牽制するのであ
る。また、変速レバー45が下方に回動されて高速走行
の状態にある場合に、上方に回動されてオートブレーキ
機構及び前輪増速装置の作動モードが切状態の切換えレ
バー32を下方に回動すると、切換えアーム41の当接
面41bが下方に回動して前記牽制ピン48bに当接
し、該牽制ピン48bを下方に回動させるとともに変速
レバー45を上方に回動して、走行状態を低速にするよ
うに牽制する。このように、機体が高速走行の状態にあ
る場合には、オートブレーキ機構及び前輪増速装置が作
動しないように構成して、機体の転倒などを防止してい
る。尚、オートブレーキ機構及び前輪増速装置を牽制す
る走行速度は任意に設定できるように構成している。
【0036】前述の旋回装置は次のようにも構成でき
る。図16において、ステアリングポスト17に支持さ
れたステアリングハンドルを回転操作すると、ピットン
アーム16が上下に回動して、ドラッグロッド15によ
ってピットンアーム16と連結されたピットマンアーム
13が回動するとともに、ドラッグロッド14を前後移
動させて、前輪FW・FWを走行するように構成してい
る。
【0037】また、本実施例のオートブレーキ機構は前
述例と同様に、ピットマンアーム13の回動動作ととも
に回動するピットマンシャフト11の、該ピットマンア
ーム13の配設側とは反対側端部にクラッチ31を配設
して、該クラッチ31をピットマンシャフト11に挿脱
可能に嵌入している。該クラッチ31に固設したカムア
ーム37の固定ピン37aを、ピットマンシャフト11
に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cに
摺動自在に嵌入し、カムアーム37と旋回リンク21と
が一体的に回動可能に構成している。ピットマンシャフ
ト11の後方には、ブレーキシャフト12を横設して、
該ブレーキシャフト12には、左右カムレバー58・5
9を回動自在に嵌装し、左カムレバー58はブレーキシ
ャフト12と一体的に回動して、右カムレバー59はブ
レーキシャフト12に対して回動自在としている。
【0038】左右カムレバー58・59は、前記旋回リ
ンク21と左右連結ロッド24・25を介して連結さ
れ、また、ブレーキシャフト12は左後輪ブレーキ装置
を作動させる左ブレーキカム34aと、左ブレーキロッ
ド26を介して連結され、右カムレバー59は右後輪ブ
レーキ装置を作動させる右ブレーキカム34bと、右ブ
レーキロッド27を介して連結されている。そして、旋
回リンク21の固定孔21cが前方に回動すると左ブレ
ーキカム34aが回動して左後輪ブレーキ装置が作動
し、固定孔21cが後方に回動すると右ブレーキカム3
4bが回動して右後輪ブレーキ装置が作動するように構
成している。また、前述の切換えレバー32を上下に回
動して切換えロッド33を前後に移動させ、回動軸34
を中心に切換えピン35を回動させることで、クラッチ
31をピットマンシャフト11に対して挿脱させて、オ
ートブレーキ機構の作動を入切することができる。
【0039】右ブレーキロッド27の上方には支軸55
を左右方向に横設し、該支軸55には左右カムレバー5
6・57を回動自在に配設して、両カムレバー56・5
7の間にブレーキ支持軸38’を回動自在に嵌装してい
る。該ブレーキ支持軸38’は下方に向けてブレーキペ
ダル2’を垂設し、ブレーキ支持軸38’の外周上部に
は前記イコライザ30を固設している。左カムレバー5
6は左カムレバー58と連結リンク62で連結され、右
カムレバー57は右カムレバー59と連結リンク61で
連結されており、左右カムレバー58・59が左右カム
レバー56・57の回動動作に連動するよう構成してい
る。
【0040】以上のように構成したので、ブレーキペダ
ル2’を踏圧すると、イコライザ30の作用により、左
右後輪ブレーキ装置が同時に、同一の制動力で作動する
のである。また、オートブレーキ機構によって左右一方
の後輪ブレーキ装置が作動している場合においても、ブ
レーキペダル2’を踏圧すると、該オートブレーキ機構
に優先して、ブレーキペダル2’の操作によるブレーキ
機構が作動し、左右後輪ブレーキ装置が同時に作動する
ように構成している。このように、ブレーキシャフト1
2の上方に配設した中間支軸からブレーキペダル2’を
垂設したことにより、足元のスペースが有効に使用でき
るようになり、作業車がキャビン仕様にも対応可能にな
り、また防音、防振に優れた設計を行なうことができる
ようになる。本実施例は、図17に示すように、ステア
リングがパワーシリンダー63を介して操向を行なうパ
ワーステアリング仕様の場合にも構成できる。尚、前述
の実施例においても、このようなパワーステアリング仕
様で構成できることはいうまでもない。
【0041】前記ブレーキペダル2は、図18に示すよ
うに左右ブレーキペダル67・68で構成することも可
能である。左右ブレーキペダル67・68のブレーキ支
軸65・66は、ブレーキシャフト12に嵌脱自在、及
び回動自在に嵌装され、該左ブレーキ支軸65はブレー
キシャフト12に嵌装した前記カムレバー22・23間
に配置し、ブレーキ支軸66はカムレバー23の外側方
に配置している。
【0042】図19、図20に示すように、左ブレーキ
支軸65のカムレバー22側面には爪部65a・65a
を形成し、カムレバー22の左ブレーキ支軸65側面は
該爪部65a・65aと合う形状に形成して両者を噛合
させ、左ブレーキペダル67を踏圧すると、左ブレーキ
支軸65とカムレバー22とが一体的に回動して左後輪
ブレーキ機構が作動するように構成している。また、右
ブレーキ支軸66のカムレバー23側面には爪部66a
・66aを形成し、カムレバー23の右ブレーキ支軸6
6側面は該爪部66a・66aと合う形状に形成して両
者を噛合させ、右ブレーキペダル68を踏圧すると右ブ
レーキ支軸66とカムレバー23とが一体的に回動して
右後輪ブレーキ機構が作動するように構成している。そ
して、左右後輪ブレーキ機構を同時に作動させるには、
左右ブレーキペダル67・68を同時に踏圧すればよ
く、この場合、左右ブレーキペダル67・68を連結具
などで連結してもよい。
【0043】前記ブレーキペダル2及び左右ブレーキペ
ダル67・68はブレーキシャフト12へ嵌脱自在に嵌
装しているので、例えば作業車を左右ブレーキペダル6
7・68が装着された、所謂ツーペダル仕様から、ブレ
ーキペダル2が装着された、所謂ワンペダル仕様へ変更
するのには、左右ブレーキペダル67・68をブレーキ
シャフト12から抜脱して、代わりにブレーキペダル2
を嵌装するだけでよい。また、ワンペダル仕様の作業車
からツーペダル仕様の作業車への変更も同様に、ブレー
キペダル2と左右ブレーキペダル67・68とを交換す
るだけでよい。また、オートブレーキ機構の作動時に、
ブレーキペダルが該ペダルの自重で踏込み方向に動くこ
とを防ぐため、ブレーキロッド26・27のリターンス
プリングとは別に、作業機本体とペダルとを連結するペ
ダルスプリングを設けている。これにより、ペダルの不
要な動きやガタつきを防止することができる。
【0044】例えば、ワンペダル仕様の作業車を使用し
ている際に、圃場条件や作業者の機体操作に対する熟練
度によっては、ステアリングハンドルSを機体が直進す
る角度に保持したまま、左右一方のブレーキを操作して
軌道修正を行ったり、姿勢の立て直しを行ったりする必
要があるが、このような場合においてはブレーキペダル
2と左右ブレーキペダル67・68とをその場ですぐさ
ま交換することができる。また、オートブレーキ機構を
作動させた旋回時の制動力を、圃場を荒らさないように
ロック寸前に設定すると、超湿田などでは制動力が不足
する場合があるが、ツーペダル仕様の場合、オートブレ
ーキ機構に優先して左右任意の片側のペダルを足で操作
することができるように構成している。勿論、両ブレー
キ操作についてはワンペダル仕様の場合と同様に構成し
ている。
【0045】
【発明の効果】本発明は、作業車の旋回機構において、
以上のような構成とすることで、次のような効果を奏す
る。まず、請求項1の如く、オートブレーキ機構はステ
アリング操作部より機械的に連結したので、簡単な構造
に構成することができ、故障が少なくなって信頼性の向
上が図れ、安価に該オートブレーキ機構を構成すること
ができた。また、該オートブレーキ機構が作動中にエン
ジンが停止しても制動力を保つことができるので、この
ような場合にブレーキペダルを操作する手間が省けて、
作業者の労力を低減することができた。また、該オート
ブレーキ機構はステアリング機構がメカニカルステアリ
ング及びパワーステアリングの何れでも構成することが
でき、様々な作業車で構成することができた。
【0046】そして、オートブレーキ機構をステアリン
グの切角に比例した制動力を発生させるように構成し、
ステアリングの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力
の大きさを調節する調節手段を設けたので、小旋回を行
いつつ圃場の荒れを最小限に抑えることが、例えば湿田
と乾田といった異なる状態の圃場においてもそれぞれで
行うことができ、旋回時のステアリング操作により間欠
的なブレーキ操作を行うことができた。
【0047】また、オートブレーキ機構の中間リンクを
支持する中継支軸を機体中央部の左右方向に横設し、該
中間リンクは途中部で左右に分岐させて、該分岐部の前
部に前記切換具を配設したので、ピットマンシャフト端
部にオートブレーキ機構を入切する切換具を構成するク
ラッチを配設し、該クラッチを、前輪増速モードスイッ
チを操作する回動軸の動作によって操作するように構成
することができ、左右のオートブレーキ機構を同時に入
切することができるとともに、前輪増速装置の作動モー
ドと同時に入切することができることとなった。また、
オートブレーキ機構の旋回リンクを前記作動モードの切
状態では固定する固定手段を設け、前記切換具の入切部
の固着防止機構を設けたので、カムアームの固定ピンが
旋回アームの固定孔に嵌入する嵌入部分に泥水などが浸
入しても錆びついたりして固定ピンと固定孔とが固着す
ることがなく、旋回リンクへのピットマンシャフトから
の回動力の伝達の入切が確実で滑らかに行えた。
【0048】更に、請求項2の如く、左右後輪ブレーキ
装置を操作するブレーキペダルを、該左右後輪ブレーキ
装置を同時に操作する一つのブレーキペダルで構成し、
該ブレーキペダルには左右後輪ブレーキ装置を等しい制
動力で動作させるバランス機構を設けたので、一つのペ
ダルを操作するだけで、左右後輪ブレーキ装置の遊び量
が異なった場合においても、該左右ブレーキ装置を等し
い制動力で作動させることができ、ブレーキペダルの操
作がオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装
置を作動させるよう構成したので、安全生の向上が図
れ、作業者の労力を低減することができた。また、左右
後輪ブレーキ装置の遊び量を調節する調節手段を設けた
ので、左右後輪ブレーキ装置の遊び量を左右別々に調整
することができた。
【0049】更に、請求項3の如く、左右後輪ブレーキ
装置を操作するブレーキペダルを、該左右後輪ブレーキ
装置を同時に操作する一つのブレーキペダルで構成し、
該ブレーキペダルの支持軸を、該ブレーキペダルの操作
部よりも上方に配設し、該ブレーキペダルには左右後輪
ブレーキ装置を等しい制動力で動作させるバランス機構
を設けたので、ブレーキペダルの操作部付近のスペース
を広く設けることができ、キャビン仕様の作業車にも本
旋回装置を適用することが可能となって、防音、防振設
計を行うことができるようになった。
【0050】更に、請求項4の如く、前記切換具に該切
換具と連動して前輪増速装置の作動モードを入切する切
換具を設けたので、オートブレーキ機構と前輪増速装置
との作動可能状態の入切を同時に行うことができ、切換
えの手間を減少して、切換えの誤操作を防止することが
できた。また、オートブレーキ機構及び前輪増速装置の
作動可能状態において、旋回時にオートブレーキ機構及
び前輪増速装置が作動を開始するタイミングを調節する
調節機構を設けたので、旋回時に作動するオートブレー
キ機構及び前輪増速装置をそれぞれ最適なタイミングで
作動させることができた。そして、変速装置を高速状態
に切換えると前記両切換具が切状態に連動して、該両切
換具が入状態に切換わると変速装置が低速状態に連動す
る牽制機構を設けたので、機体が高速走行を行っている
場合には、オートブレーキ機構と前輪増速装置とを同時
に安全方向へ牽制することができ、牽制作業の手間を減
少して、牽制機構の誤操作を防止することができて、安
全性を保つことができた。
【0051】更に、請求項5の如く、左右後輪ブレーキ
装置を同時に操作するブレーキペダルを、旋回装置に対
して嵌脱自在に形成するとともに、左右の後輪ブレーキ
装置を独立して作動する2本の左右ブレーキペダルを、
旋回装置に対して嵌脱自在に形成したので、両ブレーキ
ペダルを容易に交換することができ、ワンブレーキ仕様
の作業車からツーブレーキ仕様の作業車へ、場所を選ば
ず簡単に変更することが可能となり、顧客の様々な要求
に対応することができることとなった。また、左右ブレ
ーキペダルの支軸端部に爪部を形成したので、ブレーキ
ペダル周辺をコンパクトに構成することができ、該支軸
の外周に突出部がないので、ブレーキペダルの交換を容
易にすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旋回装置を備えたトラクタを示す全体
側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】旋回装置を示す平面図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】同じく部分平面図である。
【図6】同じく部分側面図である。
【図7】中間リンクを示す側面図である。
【図8】ブレーキ機構を示す正面図である。
【図9】同じく斜視図である。
【図10】クラッチ機構を示す斜視図である。
【図11】同じく後面図である。
【図12】クラッチの動作状態を示す後面図である。
【図13】オートブレーキ機構及び前進増速装置の牽制
機構を示す側面図である。
【図14】同じく平面図である。
【図15】前進増速装置の作動機構を示す側面図であ
る。
【図16】ブレーキペダルの別実施例を示す斜視図であ
る。
【図17】図16におけるステアリング部の別実施例を
示す斜視図である。
【図18】ブレーキペダルの別実施を示す正面図であ
る。
【図19】図18におけるブレーキペダルのブレーキ支
軸を示す斜視図である。
【図20】ブレーキ支軸とカムレバーとの噛合状態を示
す側面断面図である。
【符号の説明】
M ミッションケース S ステアリングハンドル CH クラッチハウジング 2 ブレーキペダル 2’ ブレーキペダル 11 ピットマンシャフト 12 ブレーキシャフト 13 ピットマンアーム 21 旋回リンク 21c 固定孔 21d ボス部 21e 固定孔 22 左カムレバー 23 右カムレバー 24 左連結ロッド 25 右連結ろっど 24b・25b 螺子部材 30 イコライザー 31 クラッチ 31a 凹部 31b 爪部 32 切換レバー 34 回動軸 37 カムアーム 37a 固定ピン 38 ブレーキ支持軸 38’ ブレーキ支持軸 40 前輪増速モードスイッチ 45 変速レバー 48b 牽制ピン 54 前輪増速装置 55 支軸 56・58 左カムレバー 57・59 右カムレバー 65・66 左右ブレーキペダル 65a・66a 爪部 67・68 左右ブレーキ支軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステ
    アリングの回転操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ
    装置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブレー
    キ機構の作動モードを入切する切換具とを有する作業車
    の旋回装置において、該オートブレーキ機構はステアリ
    ング操作部より機械的に連結して、ステアリングの切角
    に比例した制動力を発生させるように構成し、ステアリ
    ングの切角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさ
    を調節する調節手段を設け、該オートブレーキ機構の中
    間リンクを支持する中継支軸を機体中央部の左右方向に
    横設し、該中間リンクは途中部で左右に分岐させて、該
    分岐部の前部に前記切換具を配設し、該オートブレーキ
    機構の旋回リンクを前記作動モードの切状態では固定す
    る固定手段を設け、前記切換具の入切部の固着防止機構
    を設けたことを特徴とする作業車の旋回装置。
  2. 【請求項2】 左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステ
    アリングの回転操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ
    装置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブレー
    キ機構の作動モードを入切する切換具とを有する作業車
    の旋回装置において、左右後輪ブレーキ装置を操作する
    ブレーキペダルを、該左右後輪ブレーキ装置を同時に操
    作する一つのブレーキペダルで構成し、該ブレーキペダ
    ルには左右後輪ブレーキ装置を等しい制動力で動作させ
    るバランス機構を設け、左右後輪ブレーキ装置の遊び量
    を調節する調節手段を設け、ブレーキペダルの操作がオ
    ートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置を作
    動させるよう構成したことを特徴とする作業車の旋回装
    置。
  3. 【請求項3】 左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステ
    アリング操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装置が
    作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ機構
    の作動モードを入切する切換具とを有する作業車の旋回
    装置において、左右後輪ブレーキ装置を操作するブレー
    キペダルを、該左右後輪ブレーキ装置を同時に操作する
    一つのブレーキペダルで構成し、該ブレーキペダルの支
    持軸を、該ブレーキペダルの操作部よりも上方に配設
    し、該ブレーキペダルには左右後輪ブレーキ装置を等し
    い制動力で動作させるバランス機構を設けたことを特徴
    とする作業車の旋回装置。
  4. 【請求項4】 左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステ
    アリングの回転操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ
    装置が作動するオートブレーキ機構と、該オートブレー
    キ機構の作動モードを入切する切換具とを有する作業車
    の旋回装置において、該切換具と連動して前輪増速装置
    の作動モードを入切する切換具を設け、オートブレーキ
    機構及び前輪増速装置の作動可能状態において、旋回時
    にオートブレーキ機構及び前輪増速装置が作動を開始す
    るタイミングを調節する調節機構を設け、変速装置を高
    速状態に切換えると前記両切換具が切状態に連動し、該
    両切換具が入状態に切換わると変速装置が低速状態に連
    動する牽制機構を設けたことを特徴とする作業車の旋回
    装置。
  5. 【請求項5】 左右独立した後輪ブレーキ装置と、ステ
    アリング操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装置が
    作動するオートブレーキ機構と、該オートブレーキ機構
    の作動モードを入切する切換具とを有する作業車の旋回
    装置において、左右後輪ブレーキ装置を同時に操作する
    ブレーキペダルを、旋回装置に対して嵌脱自在に形成す
    るとともに、左右の後輪ブレーキ装置を独立して作動す
    る2本の左右ブレーキペダルを、旋回装置に対して嵌脱
    自在に形成し、該左右ブレーキペダルを支持する支持軸
    の端部には爪状部材を形成して、ブレーキペダルの操作
    がオートブレーキ機構に優先して左右後輪ブレーキ装置
    を作動させるよう構成したことを特徴とする作業車の旋
    回装置。
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