JPH06144047A - 四輪駆動型作業車 - Google Patents

四輪駆動型作業車

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JPH06144047A
JPH06144047A JP30427292A JP30427292A JPH06144047A JP H06144047 A JPH06144047 A JP H06144047A JP 30427292 A JP30427292 A JP 30427292A JP 30427292 A JP30427292 A JP 30427292A JP H06144047 A JPH06144047 A JP H06144047A
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富美男 高田
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辰彰 二宮
Kiyoshi Maeike
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の走行高速状態では前輪自動増速と旋回
中心側の後輪のサイドブレーキを制動作動させての小回
り旋回が行われないようにするとともに、そのための構
造を耐久性の高いものにする。 【構成】 前輪の旋回操作に伴って前輪変速装置が標準
状態から増速状態に切換操作されとともに旋回中心側の
後輪に備えたサイドブレーキが制動側に操作される自動
ブレーキモードと、サイドブレーキが制動側に操作され
ない自動ブレーキ解除モードとに人為的に切換操作自在
なモード切換機構50を備え、モード切換機構50の操
作レバー52を、自動ブレーキモードをもたらすON位
置と、自動ブレーキ解除モードをもたらすOFF位置と
に弾性係合式のデテント機構56により保持可能に構成
し、かつ、走行用の変速機構が設定以上の高速状態に操
作されると、ON位置にある前記モード切換機構50の
操作レバー52をデテント機構56に打ち勝ってOFF
位置に切り換える弾性付勢力を操作レバー52に付与す
る牽制機構60を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動型作業車にお
ける旋回時の前輪の変速構造及び後輪の制動構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】前述のような四輪駆動型作業車において
は、例えば実開平1−107632号公報に開示されて
いるように、前輪及び後輪が略等しい速度で駆動される
標準状態と、前輪が後輪よりも高速で駆動される増速状
態とに切換操作自在な前輪変速装置を、操向操作自在な
前輪への伝動系に備えているものがある。これにより、
旋回時に前輪変速装置を増速状態に切換操作して小回り
旋回が円滑に行える。
【0003】この場合、前輪用のピットマンアームにカ
ム機構を備えて、カム機構と前輪変速装置のシフト部材
とを、ワイヤにより機械的に連動連結し、前輪を直進位
置から右又は左に設定角度以上に操向操作すると、カム
機構により前輪変速装置が標準状態から増速状態に切換
操作されるように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】四輪駆動型作業車の一
例である農用トラクタにおいては、左右の後輪を各々独
立に制動可能な左右一対のサイドブレーキ、及びこのサ
イドブレーキ用の左右一対のサイドブレーキペダルを装
備している。従って、旋回時に前輪変速装置により前輪
を増速駆動し、且つ、旋回中心側のサイドブレーキペダ
ルを踏み操作すれば、さらに小さな半径で小回り旋回す
ることができる。しかし、このような旋回時には操縦ハ
ンドルによる前輪の操向操作と同時に、旋回中心側のサ
イドブレーキペダルを踏み操作しなければならないの
で、旋回操作の簡略化と言う面で改良の余地がある。
又、サイドブレーキを制動作動させての小回り旋回は低
速で行うことが望ましい。本発明は、前輪変速装置のみ
を用いての旋回、および、前輪変速装置と後輪用サイド
ブレーキを用いての小回り旋回操作を任意に行えるよう
に構成すると共に、適切な走行速度においてのみ前輪変
速装置及び後輪用サイドブレーキを用いての小回り旋回
が行えるようにし、かつ、そのための構造を耐久性の高
いものにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな四輪駆動型作業車において、次のように構成するこ
とにある。つまり、前輪及び後輪が略等しい速度で駆動
される標準状態と、前輪が後輪よりも高速で駆動される
増速状態とに切換操作自在な前輪変速装置を、操向操作
自在な前輪への伝動系に備え、前輪用のステアリング機
構に備えられたカム機構と前記前輪変速装置とを第1連
係機構により機械的に連動連結し、前記ステアリング機
構により前輪を直進位置から右又は左に設定角度以上に
操向操作すると、前記カム機構により前記前輪変速装置
が標準状態から増速状態に切換操作されるように構成し
た四輪駆動型作業車において、前記前輪変速装置が標準
状態から増速状態に切換操作されるのに連動して旋回中
心側の後輪に備えたサイドブレーキが制動側に操作され
るように前記カム機構と左右のサイドブレーキとを第2
連係機構により各々連動連結し、前記第2連係機構を連
係作動させる自動ブレーキモードと、連係解除させる自
動ブレーキ解除モードとに人為的に切換操作自在なモー
ド切換機構を備え、モード切換機構の操作レバーを、自
動ブレーキモードをもたらすON位置と、自動ブレーキ
解除モードをもたらすOFF位置とに弾性係合式のデテ
ント機構により保持可能に構成し、かつ、走行用の変速
機構が設定以上の高速状態に操作されると、ON位置に
ある前記モード切換機構の操作レバーをデテント機構に
打ち勝ってOFF位置に切り換える弾性付勢力を操作レ
バーに付与する牽制機構を備えてある。
【0006】
【作用】本発明の構成によると、モード切換機構の操作
レバーをON位置にして自動ブレーキモードを選択して
いる状態では、ステアリング機構により前輪を直進位置
から例えば右に設定角度以上に操向操作したとすると、
カム機構や第1及び第2連係機構の作用により、前輪変
速装置が標準状態から増速状態に機械的に切換操作され
ると共に、右側のサイドブレーキも制動側に操作され
る。これにより、前輪の増速作用及び旋回中心側の後輪
に対する制動作用によって、小さな半径で小回り旋回が
行える。
【0007】モード切換機構の操作レバーをOFF位置
にして自動ブレーキ解除モードを選択している状態で
は、ステアリング機構により前輪を直進位置から設定角
度以上に操向操作した場合に、カム機構及び第1連係機
構の作用により、前輪変速装置が標準状態から増速状態
に機械的に切換操作されるが、旋回中心側のサイドブレ
ーキが制動操作されることはない。
【0008】又、モード切換機構を自動ブレーキモード
にしている状態で走行変速機構を設定以上の高速状態に
操作すると、牽制機構によって与えられた付勢力でON
位置の操作レバーがOFF位置に切り換えられて自動ブ
レーキ解除モードとなり、カム機構と左右のサイドブレ
ーキとの連動が絶たれて、上記小回り旋回が行われなく
なる。又、走行変速機構を設定以上の高速状態に操作し
ている状態では、デテント機構に打ち勝つOFF位置側
への付勢力が操作レバーに与え続けられるので、操作レ
バーは付勢力に抗して操作可能であるが、操作レバーか
ら手を放すとOFF位置に戻されてしまい、ON位置に
保持しておくことができなくなる。つまり、高速走行時
には前輪変速装置及び後輪用サイドブレーキが自動作動
しての小回り旋回が現出しない。
【0009】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
モード切換機構の操作レバーをON位置にして自動ブレ
ーキモードを選択しておくことで、操縦ハンドルの操作
だけで、前輪変速装置の増速状態への切換操作、及び、
旋回中心側のサイドブレーキの制動側への操作が自動的
に行われるので、旋回時にサイドブレーキペダルを踏み
操作しなくてもよくなり、旋回操作の簡略化及び旋回の
操作性の向上を図ることができた。又、モード切換機構
の操作レバーをOFF位置にして自動ブレーキ解除モー
ドを選択しておくことで、前輪の増速作用のみにより旋
回する状態を得ることもできるので、地面を荒らさずに
小回り旋回することもできるようになり、作業条件等に
応じて任意の旋回特性の旋回モードを選択して作業性を
高めることが可能となった。又、高速走行時には前輪変
速装置及び後輪用サイドブレーキを用いての小回り旋回
が未然に回避されるようにして、操作忘れや誤った操作
を行えないようにし、取扱性を高めることができた。し
かも、高速走行時にモード切換機構の操作レバーをON
位置に切り換えようとした場合、操作レバーを一旦ON
操作できるので、例えば、操作レバーをOFF位置にロ
ックして自動ブレーキモードの現出を牽制阻止する手段
の際に、無理に操作レバーをON操作して変形させた
り、牽制機構を損傷したりするおそれがなく、耐久性の
高いものとして実施できる利点がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明を農用トラクタに適用した実施
例を図面に基づいて説明する。図14に示すように前輪
1及び後輪2で支持された機体の前部にエンジン3、機
体の後部にミッションケース4を搭載して、四輪駆動型
作業車の一例である農用トラクタを構成している。図1
及び図15に示すように、エンジン3からの動力はミッ
ションケース4内において、4段変速を行う主変速機構
M1、高低2段の変速が可能なクリープ変速機構(超減
速装置)M2、前後進切り換え変速機構M3、および、
高低2段の変速が可能な副変速機構M4、等から成る走
行変速装置で変速操作されて、最終変速軸16から後輪
デフ機構5を介して左右の後輪2に伝達されると共に、
最終変速軸16から分岐した動力が、前輪変速装置7、
前輪伝動軸8及び前輪デフ機構6を介して左右の前輪1
に伝達されるようになっている。
【0011】次に、前輪変速装置7について説明する。
図13に示すように、前記最終変速軸16に設けた伝動
ギヤ16aから第1標準ギヤ12に伝達され、この第1
標準ギヤ12及び伝動軸11を介して第1増速ギヤ13
に伝達されている。前輪伝動軸8に第2標準ギヤ9及び
第2増速ギヤ10が相対回転自在に外嵌されており、第
1及び第2標準ギヤ12,9、第1及び第2増速ギヤ1
3,10の各々が咬合している。
【0012】そして、前輪伝動軸8にスプライン嵌合し
てスライド自在に取り付けられたシフト部材14を第2
標準ギヤ9に咬合させると、前輪1が後輪2と略同じ速
度で駆動される状態で動力伝達される(標準状態)。逆
に、第2増速ギヤ10と前輪伝動軸8との間に構成され
た多板式の摩擦クラッチ15を、シフト部材14により
押圧操作してクラッチオンすると、前輪1が後輪2より
も高速で駆動される状態で動力伝達される(増速状
態)。
【0013】次に、前輪変速装置7のシフト部材14の
操作系の構造について説明する。図13に示すように、
シフト部材14用のシフトフォーク17が、軸芯方向に
摺動自在な操作軸18に融通用のバネ19を介して外嵌
され、バネ19よりも付勢力の弱いバネ20により、シ
フトフォーク17が第2標準ギヤ9との咬合側(標準状
態側)に付勢されている。これに対して図2及び図1に
示すように、パワーステアリング機構21に前輪1の操
向操作用のピットマンアーム22が支持され、このピッ
トマンアーム22にカム板からなるカム機構23が固定
されており、機体固定部の縦軸芯P1周りに揺動自在に
支持されたカムアーム24のピン24aが、カム機構2
3のカム孔23aに係入されている。そして、ワイヤか
らなる第1連係機構25が、カムアーム24の先端と操
作軸18とに亘って接続されている。
【0014】以上の構造により、操縦ハンドル26を操
作してパワーステアリング機構21により、ピットマン
アーム22が直進位置から右又は左に設定角度以上に揺
動操作されると、つまり前輪1が直進位置から右又は左
に設定角度以上に操向操作されると、図3に示すように
カム孔23aとピン24aとのカム作用により、カムア
ーム24が図中左方に揺動操作されて、第1連係機構2
5がカムアーム24側に引き操作される。これにより、
図13の操作軸18及びシフトフォーク17が図中左方
にスライド操作され、シフト部材14が摩擦クラッチ1
5を押圧してクラッチオンとなり、前輪1が増速駆動さ
れる。
【0015】図1に示すように、左右の後輪2を各々独
立に制動可能なサイドブレーキ27を左右一対備えてい
る。次に、この左右のサイドブレーキ27の操作構造に
ついて説明する。左右一対のサイドブレーキ27に対し
て一対のブレーキ操作機構33が備えられている。この
ブレーキ操作機構33には図5及び図6に示すように、
軸芯P2周りにL字状のブレーキアーム28が揺動自在
に支持されており、ブレーキアーム28の図中下端とサ
イドブレーキ27とが、ロッドからなる第2連係機構2
9により各々連動連結されている。図1及び図6に示す
ように機体の操縦部の右側に左右一対のサイドブレーキ
ペダル30が備えられており、図1,5,6に示すよう
にサイドブレーキペダル30とブレーキアーム28の一
端が、連係ロッド31及び連結ピン32により連動連結
されている。以上の構造により例えば左側のサイドブレ
ーキペダル30を踏み操作すると、図7に示すように連
係ロッド31が図中上方に引き操作され、ブレーキアー
ム28が図中反時計方向に揺動して、第2連係機構29
により左側のサイドブレーキ27が制動側に操作され
る。
【0016】次に、左右のサイドブレーキ27と前輪1
用のパワーステアリング機構21との連係について説明
する。図5及び図6に示すように、ブレーキ操作機構3
3の軸芯P2周りに操作アーム34が、ブレーキアーム
28に対して独立に揺動自在に支持されており、操作ア
ーム34の先端の支持ピン35周りに、連係アーム36
が揺動自在に支持されている。図6に示すように、連係
アーム36を図中時計方向に付勢する捩じりバネ37が
支持ピン35に取り付けられており、連係アーム36の
図中左側辺に縦長状の凹部36aが形成されている。こ
れにより捩じりバネ37の付勢力で、連係アーム36の
凹部36a内にブレーキアーム28の連結ピン32が入
り込んでいる。
【0017】図1,2,4に示すように、機体前部の右
のフレーム38の縦軸芯P3周りに右操作アーム39が
揺動自在に支持されており、右のブレーキ操作機構33
の操作アーム34の支持ピン35と右操作アーム39と
が、バネ40及びワイヤからなる第2連係機構41によ
り連動連結されている。左のフレーム38の縦軸芯P4
周りに支持軸42が回動自在に支持されており、支持軸
42の上端に左第1操作アーム43が固定され、下端に
左第2操作アーム44が固定されている。そして、左の
ブレーキ操作機構33の操作アーム34の支持ピン35
と左第2操作アーム44とが、バネ40及びワイヤから
なる第2連係機構41により連動連結されている。右操
作アーム39及び左第2操作アーム44を図2に示す姿
勢で止めるストッパー46が、左右のフレーム38に固
定されている。又、図2及び図5に示すように、ブレー
キ操作機構33の操作アーム34の支持ピン35に、操
作アーム34を図中時計方向側に付勢するバネ45が取
り付けられている。
【0018】以上の構造により、例えば前輪1を左に設
定角度以上に操向操作すると、図3に示すように、ピッ
トマンアーム22が図中下方に揺動して、カム機構23
が左第1操作アーム43に接当し、左第1及び左第2操
作アーム43,44が図中時計方向に揺動操作される。
これにより、左の第2連係機構41が左第1及び左第2
操作アーム43,44側に引き操作されて、左のブレー
キ操作機構33の操作アーム34が図中反時計方向に揺
動する。この場合、図3に示すように連係アーム36の
凹部36a内にブレーキアーム28の連結ピン32が入
り込んでいるので、操作アーム34の揺動に伴い連係ア
ーム36が図中上方に引き上げられると、凹部36aと
連結ピン32との係合によりブレーキアーム28も図中
反時計方向に揺動操作されて、左のサイドブレーキ27
が制動側に操作されるのである。
【0019】前述のように前輪1の操向操作により一方
のサイドブレーキ27が制動側に操作されると、図3に
示すカム機構23とカムアーム24との作用により第1
連係機構25が引き操作されて、前述のように前輪変速
装置7が標準状態から増速状態に切換操作される。以上
のように、前輪1を設定角度以上に操向操作すると、前
輪変速装置7が増速状態に切換操作されて前輪1が増速
駆動され、右又は左のブレーキ操作機構33の作用によ
り、旋回中心側の後輪2のサイドブレーキ27が制動側
に操作されるのである。
【0020】図5及び図6に示すように、サイドブレー
キペダル30側の連係ロッド31に長孔31aを設け
て、この長孔31aに連結ピン32を挿入している。こ
れにより、前述のように前輪1を設定角度以上に操向操
作して、図3に示すように操作アーム34及びブレーキ
アーム28が図中反時計方向に揺動しても、長孔31a
内を連結ピン32が図中上方に移動するだけで、サイド
ブレーキペダル30は操作されない。
【0021】又、図2に示す状態(直進状態で第2連係
機構41が引き操作されていない状態)において、サイ
ドブレーキペダル30を踏み操作して連係ロッド31が
図中上方に移動した場合、図7に示すようにブレーキア
ーム28が図中反時計方向に揺動して、連結ピン32が
連係アーム36の凹部36a内を図中上方に移動するだ
けであり、操作アーム34及び連係アーム36は図2及
び図7に示す姿勢のままで動くことはない。
【0022】前輪1を設定角度以上に操向操作した場合
に、前述のように旋回中心側のサイドブレーキ27が自
動的に制動操作される自動ブレーキモードと、制動操作
されない自動ブレーキ解除モード状態とに切換え可能な
モード切換え機構50が備えられており、以下にその構
造について説明する。図8及び図9に示すように、機体
の操縦部の横軸芯P5周りにT字レバー51が揺動自在
に支持されるとともに、このT字レバー51の中心から
操作レバー52が延出されている。図1,2,8に示す
ように、左右のブレーキ操作機構33の連係アーム36
の各々とT字レバー51の一組の端部とに亘って夫々ワ
イヤ53が接続されている。又、T字レバー51の中心
に固着されたボス部51aに、一対の凹部d1 ,d2 が
所定の位相で形成されるとともに、これにバネ54で付
勢係入するボール55が配備され、T字レバー51及び
操作レバー52を、自動ブレーキモードをもたらすON
位置と、自動ブレーキ解除モードをもたらすOFF位置
とに位置決め保持するデテント機構56が構成されてい
る。尚、ON位置の凹部d1 を浅く、OFF位置の凹部
d2 が深く設定されている。
【0023】図8に示すように、モード切換え機構50
のT字レバー51及び操作レバー52をON位置に操作
している自動ブレーキモードでは、図2に示すように左
右のブレーキ操作機構33における連係アーム36が図
中時計方向に揺動操作されて、連係アーム36の凹部3
6a内にブレーキアーム28側の連結ピン32が入り込
んでいる。そして、この状態では、例えば前輪1を左に
設定角度以上に操向操作すると、図3に示すように左の
ブレーキ操作機構33の操作アーム34が図中反時計方
向に揺動し、凹部36aと連結ピン32との係合によ
り、ブレーキアーム28が図中図中反時計方向に揺動操
作されて左のサイドブレーキ27が制動側に操作され
る。尚、図示しないが、モード切換え機構50のT字レ
バー51がON位置にあると、これがリミットスイッチ
などで検知されてモニターランプが点灯作動し、自動ブ
レーキモードに切換えられていることをオペレータが容
易に視認できるようになっている。
【0024】そして、モード切換え機構50の操作レバ
ー52及びT字レバー51をOFF位置に操作すると、
一対のワイヤ53が引き操作され、図6の二点鎖線に示
すように左右のブレーキ操作機構33の連係アーム36
が図中反時計方向に揺動操作されて、連係アーム36の
凹部36aがブレーキアーム28側の連結ピン32から
図中右方に離れ、自動ブレーキ解除モードとなる。この
自動ブレーキ解除モードでは、例えば前輪1を左に設定
角度以上に操向操作しても、左のブレーキ操作機構33
の操作アーム34が図中反時計方向に揺動するだけで、
ブレーキアーム28が図中反時計方向に揺動操作される
ことはなく、左のサイドブレーキ27は制動側に操作さ
れることはない。
【0025】前記モード切換え機構50は、上記のよう
にオペレータが任意に切り換え操作できるとともに、走
行変速操作手段に対して相互牽制関係にあるように構成
されており、以下にその牽制機構60の構造を図10乃
至図12に基づいて説明する。操縦部の左側脇に、前記
副変速機構M3を操作する副変速レバー61と、前記ク
リープ変速機構M2を操作するクリープ変速レバー62
とが共通の横軸心P6周りに前後揺動可能に配備され、
両レバー61,62とミッションケース4側面に突設さ
れた副変速操作軸63及びクリープ変速操作軸64とが
夫々連係ロッド65及び66を介して連動連結されてい
る。
【0026】前記クリープ変速操作軸64の延長部分に
牽制レバー67が天秤揺動可能に遊嵌されるとともに、
この牽制レバー67の下端と前記副変速レバー61とが
連係リンク68を介して一定の長孔融通69をもってピ
ン連係され、又、牽制レバー67の上端とクリープ変速
レバー62とが連係リンク70を介して一定の長孔融通
71をもってピン連係されている。そして、牽制レバー
67のボス部67aに設けたアーム67bと車体に固定
のブラケット72とに亘って引張りバネ73が張設され
て、もって牽制レバー67が図中時計方向に揺動付勢さ
れている。又、牽制レバー67のボス部67aに設けた
アーム67cに牽制ワイヤ74の一端74aが連結さ
れ、この牽制ワイヤ74の他端74bが前記T字レバー
51の残りの遊端に連結されている。
【0027】図10に示すように、副変速レバー61と
クリープ変速レバー62が共に低速(L)にある状態で
は、牽制レバー67は引張りバネ73の付勢揺動力に抗
して反時計方向に揺動されており、牽制ワイヤ74の一
端74aの引き込みが許されて、デテント機構56のボ
ール55が浅い凹部d1 に係入して前記操作レバー52
をON位置に操作保持可能となっている。
【0028】図10の状態から、副変速レバー61のみ
を高速(H)に操作しても、連係リンク70側の長孔融
通71が牽制レバー67の図中時計方向への揺動を許さ
ないために牽制ワイヤ74の弛み状態が維持され、又、
図10の状態から、クリープ変速レバー62のみを高速
(H)に操作しても、連係リンク68側の長孔融通69
が牽制レバー67の図中時計方向への揺動を許さないた
めに牽制ワイヤ74の弛み状態が維持される。
【0029】又、図12に示すように、副変速レバー6
1とクリープ変速レバー62を共に高速(H)に操作す
ると、上下の長孔融通69,71が共に牽制レバー67
の図中時計方向への揺動を許す状態となり、引張りバネ
73の付勢力によって牽制レバー67が図中時計方向へ
揺動付勢され、これによって牽制ワイヤ74の一端74
aが上方に引張操作される。
【0030】この際、前記モード切換え機構50が自動
ブレーキモードに切換えられていると、つまり操作レバ
ー52がON位置に操作保持されていると、牽制ワイヤ
74の引張操作によってT字レバー51がデテント機構
56の保持力に打ち勝って図中時計方向に回動され、操
作レバー52がOFF位置に強制的に切換えられ、モー
ド切換え機構50は自動ブレーキ解除モードとなる。
【0031】逆に、副変速レバー61とクリープ変速レ
バー62が共に高速(H)に操作されている状態で、前
記操作レバー52をON位置に操作すると、上記のよう
に牽制ワイヤ74が引張りバネ73に引き付勢されてい
る状態では、操作レバー52を引張りバネ73に抗して
ON位置まで操作することはできるが、操作レバー52
から手を放せば操作レバー52は引張りバネ73の付勢
力でOFF位置に戻されることとになる。
【0032】つまり、副変速レバー61とクリープ変速
レバー62が共に高速(H)に操作されている高速走行
状態で自動ブレーキモードを現出することを相互に牽制
阻止するように構成されているのである。
【0033】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステアリング機構と前輪変速装置及び左右のサ
イドブレーキとの連係構成を示す平面図
【図2】直進時におけるステアリング機構と左右のブレ
ーキ操作機構との連係状態を示す平面及び側面図
【図3】前輪を左に設定角度以上に操向操作した状態に
おける、ステアリング機構と左右のブレーキ操作機構と
の連係状態を示す平面及び側面図
【図4】図2における前輪のステアリング機構付近を図
2の図中右側から見た背面図
【図5】図2におけるブレーキ操作機構付近を図2の図
中右側から見た背面図
【図6】左右のブレーキ操作機構と左右のサイドブレー
キ及びサイドブレーキペダルとの連係構成を示す側面図
【図7】図6に示す状態からサイドブレーキペダルを踏
み操作した状態を示す側面図
【図8】モード切換え機構の正面図
【図9】モード切換え機構の横断平面図
【図10】牽制機構の牽制解除状態を示す正面図
【図11】牽制機構の一部切り欠き平面図
【図12】牽制機構の牽制作動状態を示す正面図
【図13】前輪変速装置の縦断側面図
【図14】農用トラクタの全体側面図
【図15】伝動系のブロック図
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 7 前輪変速装置 21 ステアリング機構 23 カム機構 25 第1連係機構 27 サイドブレーキ 29,41 第2連係機構 50 モード切換え機構 52 操作レバー 56 デテント機構 60 牽制機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪(1)及び後輪(2)が略等しい速
    度で駆動される標準状態と、前輪(1)が後輪(2)よ
    りも高速で駆動される増速状態とに切換操作自在な前輪
    変速装置(7)を、操向操作自在な前輪(1)への伝動
    系に備え、前輪(1)用のステアリング機構(21)に
    備えられたカム機構(23)と前記前輪変速装置(7)
    とを第1連係機構(25)により機械的に連動連結し、
    前記ステアリング機構(21)により前輪(1)を直進
    位置から右又は左に設定角度以上に操向操作すると、前
    記カム機構(23)により前記前輪変速装置(7)が標
    準状態から増速状態に切換操作されるように構成した四
    輪駆動型作業車において、 前記前輪変速装置(7)が標準状態から増速状態に切換
    操作されるのに連動して旋回中心側の後輪(2)に備え
    たサイドブレーキ(27)が制動側に操作されるように
    前記カム機構(23)と左右のサイドブレーキ(27)
    とを第2連係機構(29),(41)により各々連動連
    結し、 前記第2連係機構(29),(41)を連係作動させる
    自動ブレーキモードと、連係解除させる自動ブレーキ解
    除モードとに人為的に切換操作自在なモード切換機構
    (50)を備え、 モード切換機構(50)の操作レバー(52)を、自動
    ブレーキモードをもたらすON位置と、自動ブレーキ解
    除モードをもたらすOFF位置とに弾性係合式のデテン
    ト機構(56)により保持可能に構成し、 かつ、走行用の変速機構が設定以上の高速状態に操作さ
    れると、ON位置にある前記モード切換機構(50)の
    操作レバー(52)をデテント機構(56)に打ち勝っ
    てOFF位置に切り換える弾性付勢力を操作レバー(5
    2)に付与する牽制機構(60)を備えてある四輪駆動
    型作業車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005186859A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Iseki & Co Ltd 走行車体

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