本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
本件においては、平面図において、機体の進行方向に対して左側を機体左右一側、機体の進行方向に対して右側を機体左右他側と称する。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
図1から図3は、本発明の作業機の一実施例である乗用型田植機の側面図、平面図と正面図である。なお、図2に開示されている田植機は4条植えの構成であるが、本構成を4条未満の田植機、並びに5条以上の田植機に用いても構わない。また、図3は主として左右の予備苗枠38,87を装着した状態を示すものであり、煩雑化を避けるべく、苗植付部4等を省略した図面としている。
この乗用型田植機は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4を昇降可能に設け、該走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分を配置している。そして、該走行車体2の前部にミッションケース12を設け、該ミッションケース12の左右側方にそれぞれ前輪ファイナルケース13,13を設けると共に、該左右の前輪ファイナルケース13,13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右の前輪車軸14に駆動輪である左右一対の前輪10,10を設ける。
また、前記ミッションケース12の背面部に機体のメインフレーム15の前端部を固着し、該メインフレーム15の後端部で且つ左右方向中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸(図示省略)を支点として左右の後輪ギアケース18,18をローリング自在に設け、該後輪ギアケース18,18から外側方向に向けて突出させた左右の後輪車軸18a,18aにそれぞれ後輪11,11を軸着する。
さらに、前記メインフレーム15の上部で且つ、機体の前後及び左右方向の略中央位置にエンジン20を設け、該エンジン20の駆動力をベルト伝動装置21及び油圧式無段変速装置(HST)23を介して前記ミッションケース12に伝動する構成とする。そして、前記ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ミッションケース12に内装するトランスミッション(図示省略)により変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。
これにより、走行駆動力の一部が前記左右の前輪ファイナルケース13,13に伝達されて左右の前輪10,10を回転駆動させると共に、残りの走行駆動力は前記左右の後輪ギアケース18,18に伝達されて左右の後輪11,11を回転駆動させる。
また、外部取出動力は、前記走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、該植付クラッチケース25から植付伝動軸26を経由して苗植付部4へ伝動されると共に、施肥伝動機構(図示省略)を経由して前記施肥装置5に伝動される。
前記メインフレーム15の上部に、該メインフレーム15を覆う平坦なフロアステップ35を前記エンジン20を避けて設け、該フロアステップ35上で且つエンジン20の外周に、エンジン20を覆うエンジンカバー30を設ける。該エンジンカバー30は前側下部を回動支点として回動可能に構成すると共に、上部に作業者が着座する作業座席31を装着する。
そして、該作業座席31よりも機体前側で且つフロアステップ35上に、本件作業車両の各種作業機構を内装するボンネット32を設け、該ボンネット32の上部に各作業部の設定を変更操作するスイッチ類を配置する操作パネル33と、作業者が前記左右の前輪10,10を操舵するハンドル34を設ける。
また、前記フロアステップ35のうち、作業座席31の左右両側は格子状に形成し、フロアステップ35上を異動する作業者の足等に付着した泥土が圃場に落下する構成としている。そして、前記フロアステップ35の後部には、前記左右の後輪11,11のフェンダを兼ねるリアステップ36,36を設ける。
さらに、図1から図3で示す通り、前記走行車体2の右前側に支柱37を設け、該支柱37に補充用の苗を載置する予備苗載せ台38aを上下方向に複数、本件では図1で示すとおり上段側の第1予備苗載せ台38a1と下段側の第2予備苗載せ台38a2の2つを設けて、固定側の予備苗枠38を構成する。
一方、図3から図5で示す通り、前記走行車体2の左前側には、機体の前側フレーム15aから機体右側に向かう途中から上方に向かって屈曲する前側支柱83aと、前記フロアステップ35の左前側に設ける後側支柱83bを設け、該前側支柱83aと後側支柱83bの上部に扇形状の下部支持板83cと円状の上部支持板83dを重ねて設ける。そして、該円状の上部支持板83dに取付フレーム84を共に回転自在に設け、該取付フレーム84の機体内側部に下段アーム85aを前側傾斜姿勢で取り付けると共に、機体外側方向に向かって突出する前後の下側苗枠アームを取り付ける。
また、該下段アーム85aの前部に、後下側に突出する屈曲形状の前側リンクアーム85cを前後方向に回動自在に設けると共に、下段アーム85aの後側に、前上側に突出する屈曲形状の後側リンクアーム85dを前後方向に回動自在に設ける。さらに、前側リンクアーム85cと後側リンクアーム85dの上端部に上段アーム85bを前側傾斜姿勢で取り付け、該上段アーム85bから機体外側方向に向かって突出する前後の上側取付アームを取り付ける。前記下段アーム85aと上段アーム85bとは、上下方向に重なり合う位置に配置する。
前記前後の下側取付アームと上側取付アームには、それぞれ補充用の苗を載置する上段側の第1予備苗載せ台38a1と、下段側の予備苗載せ台38a2をボルト等の固定部材で取り付ける。
上記の通り構成することにより、前後のリンクアーム85c,85dを前方に向かって回動させると、第1予備苗載せ台38a1が機体前側に突出すると共に、第2予備苗載せ台38a2が機体後側に位置する展開形態とすることができると共に、前後のリンクアーム85c,85dを後方に向かって回動させると、第1予備苗載せ台38a1と第2予備苗載せ台38a2が上下方向に重なり合う積層形態とすることのできる、回動式の予備苗枠87が構成される。
そして、前記上段アーム85bの前端部で且つ第1予備苗載せ台38a1から機体内側に離間する位置に、棒材をループ状に形成した前側の操作グリップ86aを設け、前記上段アーム85bの後端部で且つ第1予備苗載せ台38a1から機体内側に離間する位置に、樹脂製の後側の操作グリップ86bを設ける。さらに、前記下段アーム85aの後部側に、積層状態としたときの後側のリンクアーム85dの回動を規制して作業者の操作によらない可動式予備苗輪枠87の積層形態から展開形態への変形を防止する、円弧形状のロック装置88を回動自在に設ける。
上記構成としたことにより、圃場の外周部に水路が形成されているなど、圃場内まで移動するか、圃場外から圃場内に身を乗り出さないと苗や肥料袋の補充が容易に行えない作業条件であっても、可動式予備苗枠87の上段の第1予備苗載せ台38a1を前方に移動させ、積層形態から展開形態に切り替えることにより、少なくとも第1予備苗載せ台38aの前後長さの分、圃場外に突出させることができるので、圃場外からの苗や肥料袋の積み込みが容易になり、作業能率が向上すると共に、作業者が圃場内に入り込んだり、無理な姿勢で苗や肥料袋を走行車体2に積み込んだりする作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
また、ロック装置88を回動自在に設け、積層状態としたときに後側リンクアーム85dに接触して回動を規制する構成としたことにより、作業中に生じる振動で前後のリンクアーム85c,85dが前方に回動することを防止することができるので、作業者が意図しない積層形態から展開形態への変形が生じることがなく、第1及び第2の予備苗載せ台38a1,38a2に積載した苗が落下することが防止され、苗を拾い直す作業が不要となり、作業能率が控除すると共に、落下の際に苗が傷付くことが防止され、苗が生育不良を起こすことが防止される。
そして、上段アーム85bの前端部に前側の操作グリップ86aを設けたことにより、圃場外の作業者が可動式予備苗枠87を積層形態から展開形態、あるいは展開形態から積層形態に切替操作する際、手を大きく伸ばすことなく作業することができるので、作業能率が向上する。
また、上段アーム85bの後端部に後側の操作グリップ86bを設けたことにより、走行車体2上の作業者が可動式予備苗枠87を積層形態から展開形態、あるいは展開形態から積層形態に切替操作する際、手を大きく伸ばすことなく作業することができるので、作業能率が向上する。
さらに、前後の操作グリップ86a,86bはいずれも上段の第1予備苗載せ台38a1から機体内側に離間する位置に設けられていることにより、前後の操作グリップ86a,86bを作業者が掴む際、苗や苗の栽培土に手が触れることを防止できるので、苗が握り潰されて無駄になる苗の発生が抑えられると共に、苗の破片や土が作業者の手に付着することが防止され、作業者が不快感を覚えることなく作業を継続することができる。
図2、図3で示す通り、前記走行車体2及びボンネット32の前側で且つ左右方向の中央位置に畦越えアーム39を設け、該畦越えアーム39の上端部に、前後方向に回動自在にセンターマスコット40aを取り付ける。そして、該畦越えアーム39には、緊急停止スイッチ40bを設ける。
さらに、図1で示す通り、前記メインフレーム15の後端部で且つ左右中央位置に上下方向の支持フレーム41を設け、該支持フレーム41に上下一対の昇降リンクアーム42,42の基部を平行に配置する。そして、該昇降リンクアーム42,42の端部を苗植付部4のリンクフレーム43に取り付けて平行リンクとし、前記メインフレーム15と支持フレーム41に亘って昇降シリンダ44を伸縮自在に取り付ける。該昇降シリンダ44が伸びると苗植付部4が下降し、縮むと苗植付部4が上昇する構成とする。なお、該昇降シリンダ44は、メインフレーム15に設ける油圧バルブ44aの開閉により伸縮する構成とする。
また、図1、図2で示す通り、前記リンクフレーム43に伝動ケース45を設け、該伝動ケース45の前側上部に植付部フレーム46を上下方向に配置する。該植付部フレーム46の上端部には受けローラ47を回転自在に設け、該受けローラ47と伝動ケース45の後部で複数の苗を載置する苗タンク48を支持する。該苗タンク48には、苗を仕切る苗フェンス49を等間隔に設け、苗タンク48の上端部には、苗を一対の苗フェンス49,49の左右間に案内する苗ガイド50を1条ごとに設ける。
なお、一対の苗フェンス49,49はその左右間隔は約30cmとし、苗ガイド50の左右幅もこの左右間隔と同じ約30cmとすると、苗が苗タンク48にずれることなく案内されやすくなる。
そして、前記苗タンク48の下端部には、苗を受け止める側面視L字形状の苗受け板51を固定すると共に、苗タンク48の機体前部には、苗を下方に送り出す苗送り装置52,52を、1条につき左右一対配置する。該苗送り装置52,52の左右間には、積載される苗に押され、苗が減少して押されなくなると苗の補充時期が近い、即ち苗が減少していることを検知する苗減少センサ52aを各々設ける。さらに、前記伝動ケース45の後側下部に複数の、本件では図2で示すとおり2つの植付伝動ケース53,53を設け、該植付伝動ケース53の左右両側に、2つの植込稈54,54を備える植付ロータリ55をそれぞれ配置する。
なお、前記伝動ケース45は、植付伝動ケース53,53に駆動力を供給するだけでなく、苗タンク48を左右方向に移動させる摺動装置(図示省略)も駆動している。この摺動装置の駆動によって苗タンク48が左右端に到着すると、苗送り装置52,52を所定距離に亘って作動させるスイッチ(図示省略)が入る構成とする。
また、前記植付部フレーム46の下部で且つ左右中央部に回動支持アーム56を上下方向に回動自在に設け、左右両側部にフロート支持アーム(図示省略)を設ける。該回動支持アーム56の下部に圃場に接触して滑走するセンターフロート57Cを設け、左右のフロート支持アームの下部に圃場に接触して滑走するサイドフロート57L,57Rをそれぞれ設ける。そして、該センターフロート57Cの取付部にポテンショメータ58を設け、該ポテンショメータ58の検知するセンターフロート57Cの角度に合わせて前記油圧バルブ44aを微細に開閉し、昇降シリンダ44を微細に伸縮させる構成とする。
さらに、前記植付部フレーム46の上部側に一対のロータリンクアーム59,59を設け、該ロータリンクアーム59,59の一方にロータ吊下アーム60を伸縮自在に設けると共に、ロータリンクアーム59の他側にロータ支持アーム61を設ける。なお、ロータ支持アーム61は、左右に1本ずつ設ける。
そして、機体右側の後輪ギアケース18の後部に後側下方に向けてロータ伝動軸62の基部を設け、該ロータ伝動軸62の端部をロータ伝動ケース(図示省略)を設ける。該ロータ伝動ケースの右側に、右側のサイドフロート57Rの前側の圃場面を回転しながら均す右側のサイドロータ63Rを設け、ロータ伝動ケースの左側に、前後方向の接続伝動ケース64Rの後部側を設ける。さらに、該右側の接続伝動ケース64Rの前部側に、センターフロート57Cの前側の圃場面を回転しながら均すセンターロータ63Cの右側端部を連結し、該センターロータ63Cの左側端部を左側の接続伝動ケース64Lの前部側に設けると共に、該左側の接続伝動ケース64Lの後部側に左側のサイドフロート57Lの前側の圃場面を回転しながら均す左側のサイドフロート57Lを設ける。
さらに、前記センターロータ63Cの上部を覆うセンターロータカバー65Cを左右の接続伝動ケース64L,64Rの左右間に亘って設け、左右の接続伝動ケース64L,64Rの後部側に左右のサイドロータ63L,63Rの上部を覆うサイドロータカバー65L,65Rを設けることにより、整地ロータユニット66が構成される。
上記構成により、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rで圃場面を均した後をセンターフロート57C及び左右のサイドフロート57L,57Rが接地しながら移動することができるので、植込稈54で圃場に植え付ける苗の深さが一定に保たれるため、苗の生育が安定する。
また、センターフロート57Cの上下角度に合わせて苗植付部4が微細に昇降する構成となっているが、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rで圃場面を均しているため、センターフロート57Cの角度変化が過度に発生することが防止され、大きな圃場の凹凸があるときのみ苗植付部4が上下動するため、いっそう苗の植付精度が向上する。
さらに、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rの上部をセンターロータカバー65C及びサイドロータカバー65L,65Rで覆うことにより、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rが圃場の泥土を跳ね上げても、この泥土が周辺に飛散することを防止できるので、機体や作業者が泥土で汚れることが防止される。
そして、図1及び図2で示すとおり、前記苗タンク48の機体前側、即ち苗を載置しない側の左右端部側にマーカロッド67をそれぞれ設け、該マーカロッド67,67の端部に、圃場に機体直進の目印となる線を引く線引きマーカ68,68を回転自在に装着する。なお、図6、図8及び図9に示すとおり、線引きマーカ68はディスク体68aの外周縁部に土を描き切って溝を形成する溝切り突起68bを等間隔に複数配置して構成するものである。
図6で示すとおり、前記植付部フレーム46の下部に支持ブラケット46aを設け、該支持ブラケット46aの左右両端部で且つ苗タンク48の前側に、左右方向に回動自在なマーカアーム69を介して前記マーカロッド67を取り付ける。そして、前記支持ブラケット46aの下部とマーカアーム69の間に、マーカアーム69を苗タンク48側に付勢する付勢スプリング70を設けると 共に、前記昇降シリンダ44の固定側、即ち伸縮動作時に動かない側に、左右のマーカ操作ワイヤ71L,71Rを備えた左右切替ソレノイド72を設ける。
図7で示すとおり、該左右切替ソレノイド72には、左のマーカ操作ワイヤ71Lの作動を規制する左側の引張ピン73Lと、右側のマーカ操作ワイヤ71Rの作動を規制する右側の引張ピン73Rが設けられており、左右切替ソレノイド72の動作により、左側の引張ピン73Lが作動する状態、右側の引張ピン73Rが作動する状態、そして左右の引張ピン73L,73Rの両方が作動していない状態に切り替わるものとする。
そして、前記左右のマーカ操作ワイヤ71L,71Rをそれぞれ左右のマーカアーム69,69の上部に連結し、前記ハンドル34の基部に操舵方向を検出するハンドルポテンショメータ74を設け、該ハンドルポテンショメータ74が操舵方向を検出すると、左右切替ソレノイド72を作動させる構成とする。
まず、ハンドル34を左右いずれかの旋回方向に操作すると油圧バルブ44aが作動して昇降シリンダ44を収縮させ、苗植付部4を非植付作業高さまで上昇させる。このとき、左右のマーカ操作ワイヤ71L,71Rは昇降シリンダ44の収縮動作により非作用状態となるため、マーカアーム69,69が付勢スプリング70,70に引っ張られてマーカロッド67,67を持ち上げた状態、即ち、左右のマーカロッド67,67が共に非作用状態となる。
そして、ハンドル34が右旋回方向に操舵されたことをハンドルポテンショメータ74が検知した状態で、旋回操作から直進操作に戻すと、油圧バルブ44aが作用して昇降シリンダ44が伸張し、苗植付部4が植付作業高さまで下降する。このとき、左右切替ソレノイド72は左側の引張ピン73Lを作動させて左側のマーカ操作ワイヤ71Lを非作用状態に切り替え、左側のマーカアーム69が付勢スプリング70によって付勢され、左側のマーカロッド67が上昇した状態とする。一方、右側のマーカ操作ワイヤ71Rは昇降シリンダ44の伸張に伴い復動し、右側のマーカアーム69を付勢スプリング70の張力よりも強い力で回動させて右側のマーカロッド67を圃場面に対して略水平な姿勢に変更し、端部に装着した右側の線引きマーカ68が圃場面に接触して溝を形成する形態とする。
また、ハンドル34が左旋回方向に操舵されたことをハンドルポテンショメータ74が検知した状態で、旋回操作から直進操作に戻すと、油圧バルブ44aが作用して昇降シリンダ44が伸張し、苗植付部4が植付作業高さまで下降する。このとき、左右切替ソレノイド72は右側の引張ピン73Rを作動させて右側のマーカ操作ワイヤ71Rを非作用状態に切り替え、右側のマーカアーム69が付勢スプリング70によって付勢され、右側のマーカロッド67が上昇した状態とする。一方、左側のマーカ操作ワイヤ71Lは昇降シリンダ44の伸張に伴い復動し、左側のマーカアーム69を付勢スプリング70の張力よりも強い力で回動させて左側のマーカロッド67を圃場面に対して略水平な姿勢に変更し、端部に装着した左側の線引きマーカ68が圃場面に接触して溝を形成する形態とする。
そして、前記植付部フレーム46の左右両側に、左右のマーカロッド67,67を引っ掛けて非作用状態とする収容フック75をそれぞれ設け、苗移植機をしまうときや、線引きマーカ68,68を使用しないときに、左右のマーカロッド67,67を収容可能な構成とする。マーカロッド67,67を収容フック75,75に引っ掛けた状態では、マーカロッド67,67が苗タンク48の左右幅内に収まる構成としておくと、線引きマーカ68,68が左右に突出しにくくなるため、線引きマーカ68,68が壁等に当たって破損しにくくなる。
上記構成としたことにより、圃場端で旋回する前に左右の線引きマーカ68,68が自動的に上昇するので、旋回中に線引きマーカ68,68が圃場面や畦に接触することを防止でき、苗が押し倒されることが防止されて苗の植え直し作業が省略されると共に、線引きマーカ68,68の破損が防止され、耐久性が向上する。
また、旋回終了時に、ハンドルポテンショメータ74が検知した右または左の旋回方向と同じ側の線引きマーカ68が圃場面に向かって下降移動して線を引く状態となり、旋回方向と反対側の線引きマーカ68が圃場面から離間した位置に上昇移動して非作用状態となる構成としたことにより、植付作業を行いながら次の作業位置に直進の目安となる線を引くことができるので、苗移植機が直進しやすくなり、苗の植付精度が向上する。
そして、旋回前、旋回後のいずれも線引きマーカ68,68を操作する必要が無いので、作業者が余分な操作をする必要が無く、操作性や作業能率が向上する。
上記の構成では、苗植付部4を手動操作で昇降させるなど、作業者が意図的な操作を行わない限りは、左右の線引きマーカ68,68が交互に作用状態と非作用状態になり、次の植付作業時に直進の目安とする線を圃場に形成するものである。
しかしながら、苗や肥料や燃料の補充作業や、作業者の休憩を行うときに、苗植付部4を上昇させた状態が長時間(例:10分以上)続くと、該苗植付部4が自重で下降しようとすることにより、昇降シリンダ44が油圧バルブ44aから作動油を吸い上げ、該昇降シリンダ44が伸張し、これにより苗植付部4が10cm程度下降することがある。本件の苗移植機には、後進時に苗植付部4の下部に設けられる整地ロータユニット66や植込杆54,54等が土中に進入して接触の抵抗で破損することを防止すべく、苗植付部4が略最上位置まで上昇していないときに後述する走行操作レバー91が後進方向に操作されると、苗植付部4の上昇、下降、昇降停止(中立)並びに植付クラッチ25aの入切操作を行う作業操作レバー80が昇降停止位置から上昇位置に移動させ、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44から作動油を移動させて収縮させ、苗植付部4を上昇させるバックリフト機構203が備えられている。
上記バックリフト機構203が作動すると、苗植付部4が下降した後で上昇操作されることになるので、前記左右切替ソレノイド72の作動方向が切り替わる。
これにより、補充作業や休憩を終えて苗移植機を旋回開始位置まで後進させると、その時点でバックリフト機構203が作動してしまうので、旋回終了後に既に苗を植え付けた条の側の線引きマーカ68が作用状態となり、この状態で苗植付部4が下降して線引きマーカ68が接地してしまうと、苗が線引きマーカ68に押し潰されたり圃場から引き抜かれたりして、手作業で苗を植え直す必要が生じ、作業者の労力や苗の消費量が増大する問題がある。
また、苗植付部4が下降する前に左右の線引きマーカ68,68の作用状態となる側と非作用状態となる側が逆になっていることに気付いたときは、作業者は苗植付部4の昇降操作を1回手動で行い、左右の線引きマーカ68,68の作用状態となる側と非作用状態となる側を、植付作業を行う条に対応させる操作が必要となり、作業能率が低下する問題がある。
上記の問題を解消すべく、図10、図11で示す通り、前記作業操作レバー80に、該作業操作レバー80の操作角度から現在の作業状態を検知する作業ポテンショメータ80aを設ける。そして、前記走行操作レバー91を操作して苗移植機を後進させたとき、左右の後輪11,11の回転を検知する左右の後輪回転センサ78,78が検知する後進方向の回転数が、旋回開始位置に到達する回転数と同じ、あるいは旋回開始位置に到達する回転数よりも大きい回転数になるまでは、制御装置200はバックリフト機構203が作動して作業操作レバー80が昇降停止位置から上昇位置に移動させられたことを作業ポテンショメータ80aが検知したとき、苗植付部4が上昇しても左右切替ソレノイド72の作動方向を変化させる信号を発信しない制御構成とする。
上記の制御構成により、補充作業や休憩後に苗移植機を後進操作してバックリフト機構203が作動しても、左右切替ソレノイド72の作動方向は変化しないので、旋回開始位置まで後進してから旋回し、旋回終了後に苗植付部4を下降させたときに、既に苗を植え付けた側の線引きマーカ68が作用状態となって圃場に接地することを防止できるので、線引きマーカ68が植え付けられた苗を押し潰したり引き抜いたりすることが防止され、作業者が手作業で苗の植付作業を行なう必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
また、苗植付部4を昇降操作して左右の線引きマーカ68,68の作用状態になる側と非作用状態になる側を切り替える操作が不要となるので、旋回終了後にすぐに苗の植付作業を始めることができ、作業能率が向上する。
但し、旋回前に左右切替ソレノイド72の作動方向を切り替え得る苗植付部4の操作が行われており、旋回終了後に作用状態となる線引きマーカ68が既に苗を植え付けた側に作動した時には、作業者は作業操作レバー80を操作して苗植付部4を昇降させ、左右切替ソレノイド72の作動方向を切り替える必要があるので、図10、図12で示す通り、前記左右の後輪回転センサ78,78が検出する後進走行時の回転数が、旋回開始位置に到達する回転数と同じ、あるいはこの回転数よりも若干大きな回転数であるときは、作業操作レバー80が下降位置に移動してから上昇位置に移動したことを作業ポテンショメータ80aが検知すると、制御装置200が左右切替ソレノイド72の作動方向の切り替え信号を発信する制御構成とする。
上記の制御構成により、旋回前に左右切替ソレノイド72の作動方向が逆に切り替わっていても、作業者が旋回終了までに苗植付部4の昇降操作を行えば左右切替ソレノイド72の作動方向を変更することができるので、線引きマーカ68が圃場に接地する前に作用状態となる線引きマーカ68と非作用状態となる線引きマーカ68が切り替えられて苗の押し潰しや引き抜きが防止され、作業者が手作業で苗の植付作業を行なう必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
上記の左右切替ソレノイド72の作動方向の切替規制は、次の制御構成を加えてもよい。
図1や図10、図13で示す通り、前記センターマスコット40aにLED41aを設け、前記苗タンク48から1条でも苗が所定量未満に減少するか、施肥装置5に貯留された肥料が所定量未満に減少するか、燃料が所定量未満に減少すると該LED41aが点滅する構成とすると共に、前記苗タンク48に苗が補充されるか、施肥装置5に肥料が補充されるか、燃料が補充されると該LED41aが常時点灯する、または消灯する構成とする。
そして、該LED41aが点滅状態であるか否かを制御装置200で検知し、該制御装置200がLED41aの点滅を検知しているときは、制御装置200は苗植付部4が昇降しても、左右切替ソレノイド72の作動方向を変更させない制御構成とする。なお、LED41aが点滅状態でないときは、左右の後輪回転センサ78,78の後進方向の回転数が所定回転数以上になるか、あるいは左右の後輪回転センサ78,78の後進方向の回転数が所定回転数未満であり、且つ作業操作レバー80が下降位置から上昇操作位置に操作されると、左右切替ソレノイド72の作動方向を切り替えるものとする。
上記の制御構成により、作業操作レバー80を誤って昇降停止位置から上昇位置に移動させたり、走行操作レバー91を誤って後進に操作してバックリフト機構203を作動させたり、あるいは苗の補充作業時に苗を苗タンク48に投入しやすくすべく苗植付部4を上昇させる操作を行ったりしても、左右切替ソレノイド72の作動方向が切り替わることを防止できるので、補充作業や休憩後に旋回走行して、苗植付部4を下降させる際に線引きマーカ68が次の苗植付作業条に下降して圃場に線を引くことができ、作業能率が向上すると共に、苗を作業者が手作業で植え直す必要が無く、作業者の労力が軽減される。
あるいは、図10、図14で示す通り、制御装置200に時間をカウントするタイマー201を設け、該タイマー201は苗植付部4が上昇した状態で停止する、即ち、前記作業操作レバー80が上昇位置から昇降停止位置に操作されたことを作業ポテンショメータ80aが検知するとカウントを開始する構成とすると共に、該タイマー201が所定時間、例えば5分以上の経過をカウントすると、制御装置200は、バックリフト機構203を作動させたり、または作業操作レバー80を昇降停止位置から上昇位置に移動させたりしても、左右切替ソレノイド72の作動方向を変更する信号を発しない制御構成としてもよい。
上記の制御構成とすることにより、補充作業が長引いたときや、休憩をしたときには、制御装置200が自動的に左右切替ソレノイド72の作動方向の切替をロックすることができるので、旋回後に左右の線引きマーカ68,68の作動方向を切り替える操作が不要となり、作業能率や操作性が向上する。
上記の、旋回方向に合わせて交互に左右の線引きマーカ68,68が作用状態と非作用状態とする作業は、圃場内を直進走行し、圃場端で180度旋回する工程で行うものである。一方、圃場の四隅、所謂畦際では、圃場端部に沿って直進しながら苗の植え付けを行い、隅まで植え付けると所定距離後進した後で90度旋回し、所定距離後進した後、直進しながら植え付けを行う工程では、交互に線引きマーカ68,68が作動すると、畦際に近い側の線引きマーカ68が下降して畦際に接触し、必要な箇所に線が引けず直進性が低下すると共に、接触の際に線引きマーカ68やマーカロッド67が破損してしまう問題があった。
このため、線引きマーカ68,68を使用せずに作業をすることもあるが、畦際とその内周をそれぞれ一周して畦際の植付を行う作業形態を行うときは、畦際の作業の際に目安となる線が無く、既に植え付けられた苗を前輪10や後輪11で踏み潰してしまい、踏み潰した苗を手作業で抜いて植え直す作業が必要となり、作業者の労力が増加してしまう問題がある。また、苗を踏み潰さなくとも、苗同士の条間隔が極端に狭くなり、養分の取り合いで生育不良を起こす問題や、風通しの悪さにより病害虫が発生しやすくなる問題がある。
上記の問題を解決すべく、図2、図16で示すとおり、操作パネル33に畦際作業スイッチ76を設け、該畦際作業スイッチ76を「入」操作すると左右切替ソレノイド72の切替方向をハンドルポテンショメータ74の操作方向にかかわらず一定方向にのみ作動させると共に、線引きマーカ68,68の昇降動作回数をカウントするマーカ作動センサ77が作動する構成とする。
図15で示す通り、畦際とその内周をそれぞれ一周ずつ回りながら苗を植え付ける作業工程では、まず内周側を植付走行し、畦際の最終作業位置に一側の線引きマーカ68で線を引いていく。圃場の四隅での旋回角度は約90度であるため、線を形成するために必要な線引きマーカ68は、左右のどちらか一側の線引きマーカ68となる。
畦際作業スイッチ76を「入」にすると、圃場隅での90度旋回後にマーカ作動センサ77が畦際側の線引きマーカ68を自動的に連続して下降移動させることにより、作業者が直進走行開始前に苗植付部4を昇降させて畦際側の線引きマーカ68を下降移動させる操作が不要となるため、操作性や作業能率が向上する。
また、マーカ作動センサ77が線引きマーカ68の昇降をカウントしていることにより、畦際の内周の四辺で植付作業をするときは自動的に畦際側の線引きマーカ68を下降移動させて線引き作業状態とすることができると共に、畦際の内周から畦際に作業が移行するとき、即ち線引きマーカ68による線引き作業が不要となる工程に移行するときに、線引きマーカ68,68が左右どちらも非作用状態となるよう左右切替ソレノイド72が切り替わる制御構成とすることができるので、畦に一方の線引きマーカ68が接触して破損することが防止されると共に、他方の線引きマーカ68が圃場に植え付けられた苗に接触して押し潰してしまうことが防止される。
上記構成とすべく、マーカ作動センサ77は、4回目の苗植付部4の上昇に伴う左右切替ソレノイド72の作動が行われると、該左右切替ソレノイド72の切替を規制する信号を制御装置200に発信するものとする。但し、畦際の四隅で90度旋回する際にもマーカ作動センサ77はカウントを継続し、8回目のカウントが発生する、即ち畦際の四隅の植付作業が完了して苗植付部4が上昇されると、作業者が畦際作業スイッチ76を操作しなくても、自動的に該畦際作業スイッチ76を「切」操作する制御構成とする。
上記構成により、次の圃場に移動して作業を開始した際に、圃場端で180度旋回する必要がある圃場内での作業工程であるにもかかわらず、畦際作業スイッチ76が「入」のままになっており、最初にハンドル34を操舵してハンドルポテンショメータ74が検知した旋回方向の線引きマーカ68が出続け、適切な線引き作業が行われなくなることが防止され、作業能率が向上すると共に、苗の踏み潰しが防止される。
なお、前記マーカ作動センサ77は、左右切替ソレノイド72の作動が規制される畦際での植付作業工程でもカウントを確実に取るべく、昇降リンクアーム42,42に設け、苗植付部4の上下動に連動させる構成とすると、確実且つ簡潔にカウントを行うことができる構成となる。
また、前記畦際作業スイッチ76が「切」状態であるとき、後輪11,11の回転数をカウントして走行距離や走行速度を算出する左右の後輪回転センサ78,78が所定回転数をカウントするまでは操作を受け付けない構成とする。この所定回転数は圃場の広さや作業速度によって変化するので、作業者が受付可能とする最低回転数を設定可能にするとよい。
上記構成により、植付作業前や走行再開する際など、発進時に苗植付部4を下降させる作業が行われ得る状態であるとき、畦際作業スイッチ76を誤って操作してしまっても、所定距離を走行するまでは線引きマーカ68の畦際作業制御が行なわれなくなるため、不要な箇所に線引きが行われたり、苗を押し潰したりすることが防止され、作業者の労力が軽減される。
なお、図10、図16で示す通り、畦際作業スイッチ76にLED等の発光体76aを設け、畦際作業スイッチ76の操作が受付できる状態、即ち後輪回転センサ78,78が所定数以上回転した状態になると、畦際作業スイッチ76が点滅する構成とすると、作業者が操作受付タイミングを把握しやすくなり、操作性が向上する。
なお、前記発光体76aは点滅でなく、常時発光して操作を受け付ける状態であることを示す構成としてもよい。
また、走行車体2のメインフレーム15に、苗移植機の前後方向、即ちピッチング方向の傾斜を検知する傾斜センサ79を設け、所定角度、例えば約10度以上傾斜すると、圃場の出入口の傾斜部を移動していると判断して、畦際作業スイッチ76を自動的に「切」にする構成としても良い。
上記構成とすることにより、圃場の出入口の直前まで苗植付部4を下降させて苗を植え付ける作業を行うとき、即ちその圃場での作業を終了するときを基準として畦際作業を終わることができるので、畦際作業スイッチ76を切り忘れることが防止され、次の圃場での作業性や苗の植付精度が向上する。
また、本件構成の苗移植機では、ハンドル34を旋回角度まで操舵すると旋回内側のサイドクラッチ(図示省略)が切れる構成としており、このとき後輪回転センサ78の回転数と旋回外側の後輪回転センサ78の回転数に所定値以上の差が生じると、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44を収縮させ、自動的に苗植付部4を昇降させると共に、ハンドル34の操舵角度が所定値未満に戻され、サイドクラッチが繋がり左右の後輪回転センサ78,78の回転数が略同じに戻ると、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44を伸張させ、自動的に苗植付部4を下降させ、後輪回転センサ78,78の回転数がさらに所定値をカウントすると、植付クラッチケース25内の植付クラッチ25aを自動的に「入」にして苗の植付作業を開始する旋回制御機構が搭載されている。
しかしながら、上記旋回制御機構は、180度旋回の際には苗の植付終了位置や植付開始位置を揃えて植付精度を向上させる効果を有するものの、畦際直前まで機体を前進させて苗を植え付け、いったん後進してから旋回し、旋回後に畦際まで後進した後、苗植付部4を下降させてから植付作業を再開する90度旋回の場合は、苗の植付タイミングが乱れてかえって植付精度が低下したり、作業者の意図に反する昇降を行うことにより、苗を押し潰してしまい、作業者が植え直すため労力が増大するという問題が生じる。
このため、前記畦際作業スイッチ76を操作すると、左右の後輪回転センサ78,78の回転数に所定値以上の差が発生しても油圧バルブ44aを作動させず、作業者がボンネット32に設ける、作業操作レバー80を操作すると苗植付部4が昇降すると共に、植付クラッチ25aが「入」となって植付伝動ケース53,53に駆動力が伝動される構成としてもよい。
上記構成により、苗移植機の旋回位置に合わせて旋回制御機構の入切を変更することができるので、旋回制御機構Tの入切操作を行なう必要が無く、操作性や作業能率が向上する。
また、上記のとおり、圃場の四隅で90度旋回する際には、畦際まで機体を前進させ、旋回開始位置まで後進した後、旋回終了後に畦際まで後進した後、苗植付部4を下降させて植付走行を行うという操作が必要となる。
このとき、苗植付部4は上昇させた状態であるため、90度旋回の終了後に畦際まで後退する際、苗植付部4の苗タンク48や苗ガイド50が作業者の視界を妨げ、畦際まで後退せずに植付作業を始めてしまい、苗が植え付けられていないところに手作業で苗を植えるため、作業者の労力が増大する問題がある。また、苗植付部4の下部側の植付伝動ケース53,53や植込稈54等を畦際に接触させて破損させてしまう問題がある。
これを解消すべく、作業者は手動操作で苗植付部4を僅かに下降させて視界を確保しているが、微細な調整作業であるため調整に時間がかかり、作業能率を低下させてしまうと共に、操作を誤ると苗植付部4が下がり過ぎてしまい、植込稈54…に泥土が付着して苗の掻き取りを失敗し、苗の植付不良を起こす問題があると共に、圃場の隅の表面が荒れて、苗の植付深さが一定にならず、生育不良が生じる問題がある。
このため、図10で示す通り、作業操作レバー80、あるいは操作パネル33に調整下降ボタン81を設け、該調整下降ボタン81を操作すると油圧バルブ44aが所定時間、例えば約2秒間作動して昇降シリンダ44を対応する長さだけ伸張させて、苗植付部4を僅かに下降させる構成とすると良い。
上記構成により、苗タンク48や苗ガイド50が作業座席31に着座した作業者の視界を妨げず、且つ植付伝動ケース53,53や植込稈54…が圃場面から十分に離間する高さまで苗植付部4を下降させることができるので、作業者は畦際までの距離を視認しながら後進することができ、苗が畦際直前から植え付けられて手作業による植え付けが不要となり、作業者の労力が軽減されると共に、圃場面が荒らされることや植込稈54…に泥土が付着することが無く、苗の植付深さが一定となり、苗の生育が安定し、収量や品質が向上する。
なお、苗植付部4の下降は、上記のとおり油圧バルブ44aの作動時間を制御してもよいが、昇降リンクアーム42,42にポテンショメータ(図示省略)を設け、該ポテンショメータが所定角度を検出すると油圧バルブ44aを停止させる構成としても良い。
前記線引きマーカ68,68の作動方向は、旋回時の苗植付部4の昇降に伴う、昇降シリンダ44の作動に連動する左右切替ソレノイド72によって定められているが、作業者が旋回タイミングを誤ってハンドル34を操作したり、障害を回避するべく大きく操作した際に、苗植付部4が上昇して左右切替ソレノイド72を作動させてしまうことがある。この状態で作業を継続すると、旋回方向と反対側の線引きマーカ68が線引き作業状態となり、既に苗を植え付けた位置に下降し、苗を押し潰してしまう問題がある。
このため、作業者は誤操作による線引きマーカ68,68の誤作動を防止すべく、走行を停止して苗植付部4を昇降させ、左右切替ソレノイド72の作動順を調整する必要がある。
しかしながら、上記の調整操作ができるのは、作業者が誤操作を行ったことを認識しているときであり、作業者が誤操作したことに気付いていないときは、気付かずに旋回操作を行ってしまい、作業状態になってはならない側の線引きマーカ68が作業状態となってしまう。
これを防止すべく、左右の後輪回転センサ78,78の回転数の差から旋回方向を判断し、左右切替ソレノイド72の作動方向、即ち左側の引張ピン73または右側の引張ピン73Rを作動させる方向が旋回方向と一致しないときは、ブザー82を作動させて作業者に報知する構成とすると、作業者は遅くとも旋回途中で線引きマーカ68の作動タイミングが合わなくなっていることに気付くことができるので、旋回が終了し、苗の植付が開始される前に調整操作を行うことができ、線引き作業が適切に行われ、苗の植付精度が向上する。
なお、苗移植機の旋回方向の検出は、ハンドルポテンショメータ74の検出方向を用いても良い。
次に、施肥装置5の詳細な構成について説明する。
図1及び図17、図18で示す通り、走行車体2側で昇降リンクアーム42,42を支持する後部フレーム101上に施肥支持フレーム102を設け、該施肥支持フレーム102の機体左右一側端部に肥料を搬送する搬送風を発生させる施肥ブロア103を設ける。該施肥ブロア103は、電気や油圧等の駆動力により作動するモータ(図示省略)の回転によってファン(図示省略)を回して搬送風を発生させるものである。
そして、前記施肥支持フレーム102の後部には、前記エンジン20の作動に伴い発生した熱を逃がすラジエータ(図示省略)から送られてくる熱風が通過する熱風通路104を機体左右方向に向けて設け、該熱風通路104の機体左右一側端部と施肥ブロア103とを連結する。これにより、施肥ブロア103が発生させる搬送風を温風とする。
なお、前記熱風通路104の機体左右他側端部は、施肥装置5の左右幅の略中間部の後方に位置させ、前記ラジエータから熱風が送られてくる収束通路(図示省略)と連結し、効率よく熱風を送ることのできる構成とする。
また、前記施肥ブロア103の左右他側には、発生した搬送風が排出される分岐ダクト105を設け、該分岐ダクト105の機体前側に肥料を圃場に案内する際に搬送風が通過する案内ダクト106を機体左右一側から左右他側に向けて設けると共に、分岐ダクト105の機体後側に施肥装置5に残留する肥料を排出する際に搬送風が通過する排出ダクト107を機体左右一側から左右他側に向けて設ける。該排出ダクト107の機体左右他側端部には、肥料が排出される排出口107aを設ける。
前記分岐ダクト105の内部には、搬送風を案内ダクト106または排出ダクト107の何れか一方に移動可能とすると共に、反対側には移動不可能とする切替シャッタ108を回動自在に設け、該切替シャッタ108を切替操作する送風切替レバー109を前記施肥支持フレーム102の機体左右他側端部に設けると共に、該送風切替レバー109の下部と切替シャッタ108の上部を連結する切替シャフト110を機体左右一側から左右他側に向けて設ける。該切替操作レバー109を操作すると、切替シャフト110が回転して切替シャッタ108が回動し、搬送風の移動方向が切り替えられる構成である。
前記案内ダクト106には、機体左右一側から左右他側に向かって、所定間隔ごとに、搬送風によって肥料が圃場へと案内される施肥ホース111…が設けられている。該施肥ホース111…は、苗植付部4の植付条数と同数設けるものであり、本件では4条分設ける。そして、該施肥ホース111…の上部に下部に漏斗形状の繰出し口を備えると共に、側面視で上部が機体前側から後側に向かうほど高くなる後上がり傾斜となる形状のロワーカプセル112…を各々設ける。該ロワーカプセル112…の繰出し口は、施肥ホース111…の基部の開放部に接触させ、肥料が施肥ホース111…内に落下する構成とする。
さらに、前記ロワーカプセル112…の上部には、上部が開口されていると共に、下部にロワーカプセル112…の後上がり傾斜面に沿った後上がり傾斜面を有するアッパーカプセル113…を各々設け、該アッパーカプセル113…とロワーカプセル112…との接触面のうち、機体前後方向の略中央位置に、施肥伝動機構(図示省略)から駆動力を受けると回転する施肥回転軸114を貫通させる。該施肥回転軸114は、複数の回転軸を施肥クラッチ機構で連結し、施肥装置5の左右幅と略同じ長さに構成する。
そして、該施肥回転軸114には、後述する貯留ホッパ117…から落下する肥料を受けて所定量ずつ下方に放出する繰出しロール115…を植付条数と同数設ける。該繰出しロール115は、外周縁部に所定間隔毎に同じ深さの側面視半円形状の繰出し溝115a…を形成しており、前記施肥回転軸114の回転速度を変更すると、一つの繰出し溝115aが貯留ホッパ117…から落下する肥料を受ける量が変化して、圃場に供給される施肥量が変更される。なお、施肥回転軸114の回転速度は、走行速度の変化に連動して増減すると共に、施肥量調節ギア116の回転数を施肥量調節装置(図示省略)を操作して変更すると、施肥伝動機構の作動が切り替えられて、作業者が設定した施肥量を供給可能な回転数に切り替わる構成としている。
また、前記アッパーカプセル113…の上方には、下端部の開口部117aと、該開口部117aの周囲の傾斜部117bと、該傾斜部117bの上部の上下方向の壁部117cと、該壁部117cの上方に開閉自在に設ける蓋部117dからなる、施肥用の肥料を貯留する貯留ホッパ117を設ける。該貯留ホッパ117は、内部に肥料を貯留しておき、この肥料が傾斜部117bを伝って開口部117aに移動すると、肥料が各条の前記繰出しロール115…に供給される構成であり、肥料の貯留量は、1条辺り10kg〜20kg程度である。
なお、該貯留ホッパ117は、本例では施肥装置5の左右長さと同じ長さの一体物としているが、条数が多くなると蓋部117d等を開閉する際、蓋部117dが樹脂製であることにより、作業者から遠い側は捩れて開閉操作が行いにくくなることがある。このため、複数条、例えば8条植えの田植機であれば、植付条数の半分である4条分の貯留ホッパ117を二つ、左右方向に並べて配置してもよい。こうすると、蓋部117dを2回開閉操作する必要はあるものの、開閉操作の際に捩れることが防止されるので、作業能率が向上する。
これに加えて、前記壁部117cと傾斜部117bとの境目には、肥料が一斉に貯留部117bや開口部117aに落ち込むことを防止する篩い網118を設ける。図17、図19で示す通り、該篩い網118には、上下方向の突起118aを1つまたは複数形成しておくと、篩い網118上に乗った肥料の重量による圧力を分散することができ、肥料が塊になることを防止できる。
また、貯留ホッパ117内の肥料が所定量未満になる、即ち肥料が接触しなくなった状態を検知する肥料残量センサ119を設ける。該肥料残量センサ119が検知状態になると、前記制御装置200はブザー82等の報知部材を作動させて作業者に肥料切れが間近であることを知らせる構成とする。
なお、該肥料残留センサ119は、傾斜部117bに設けておくと、肥料が貯留ホッパ117の少なくとも1条分から無くなるよりも前に作業者に報知するので、作業者は次の圃場端への到達時等に肥料の補充作業を行うことができ、苗植付作業の途中で圃場の端まで戻って肥料を補充する必要が無く、作業能率が向上する。
一方、傾斜部117bだけでなく壁部117cにも肥料残量センサ119を設けておくと、所定量肥料が消費された段階で、作業者におおよその肥料消費量を認識させることができるので、圃場端の到着時に早期の補充を行うことも可能になる。広い圃場では、一旦圃場端から離れるとしばらく到達しないこともあり得るので、無くなる直前よりも早く肥料の減少傾向を把握すると、補充のための余分な移動が不要となり、作業能率の向上や燃費の向上が図られる。
なお、段階的に報知部材を作動させるときは、壁部117cに設ける肥料残量センサ119が検知状態になったときと、傾斜部117bに設ける肥料残量センサ119が検知状態になったときの作動パターンを異ならせておくと、作業者が誤った認識をすることが防止され、上記の作業能率の向上や燃費の向上がいっそう図られる。
そして、前記アッパーカプセル113…の前側上部には、前記繰出しロール115…の表面及び繰出し溝115a…の内部に付着した肥料粉等を除去する清掃ブラシ120…を各々着脱自在に設ける。さらに、前記アッパーカプセル113…の後部の開放部には、前記貯留ホッパ117に残留する肥料を前記排出ダクト107に案内する、傾斜部と上下方向の落下部からなる排出通路121…の上端部を各々差し込んで設ける。該排出通路121…の下端部は、前記排出ダクト107の上部に条数分形成した開口部に各々差し込み、排出される肥料が外部にこぼれない構成とする。
また、該排出通路121…の基部側で、且つ前記アッパーカプセル113…とロワーカプセル112…の合わせ面に、貯留ホッパ117の各開口部117a…から排出通路121…への肥料の移動を切り替える、即ち、繰出しロール115…に肥料を所定量ずつ圃場に供給するときと肥料を排出するときとで切り替える、肥料切替シャッタ122…を各々回動自在に設ける。該肥料切替シャッタ122…は、施肥作業状態に操作すると、前記アッパーカプセル113…とロワーカプセル112…に沿った後上がり傾斜姿勢となり、その上面がアッパーカプセル113…とロワーカプセル112…の合わせ面に並ぶものとする。
上記構成としたことにより、貯留ホッパ117の開口部117a…から落下する肥料は、肥料切替シャッタ122…の上面からアッパーカプセル113…とロワーカプセル112…の合わせ面に円滑に引き継がれるので、繰出しロール115…に肥料が円滑に供給されることにより、肥料不足による植付苗の生育不良が防止される。
また、作業終了時に、肥料切替シャッタ122…上に肥料が残ることを防止できるので、肥料切替シャッタ122…を排出作業側に回動させる際、上方に積もった肥料を除去する作業が不要となると共に、積もった肥料が肥料切替シャッタ122…の回動を妨げることが防止され、肥料の排出スピードが十分に確保され、肥料の排出作業の能率が向上する。
ロワーカプセル112の上部にアッパーカプセル113を重ねる構成とすると共に、互いの合わせ面が後上がり傾斜姿勢であることにより、アッパーカプセル113を取り外し、ロワーカプセル112に繰出しロール115が保持された状態とすることができるので、繰出し溝115a…に肥料が詰まって施肥量が設定量と大幅に異なっているときは、僅かな部品を外すだけで繰出しロール115の繰出し溝115a…の掃除を行い、施肥量を設定量に戻すことが可能となる。
また、エンジン20の排熱を施肥ブロア103に送り、この施肥ブロア103が発生させる搬送風を温風とすることにより、施肥作業時及び肥料排出時に搬送通路内の湿気を除去することができると共に、肥料が多少水を含んで固まりかけていても、乾燥させて崩すことができるので、作業中に肥料の詰まりが発生することが防止され、施肥作業や肥料の排出作業が中断されることが無く、作業能率が向上する。
上記の構成では、貯留ホッパ117内に篩い網118…を各々設けて、大量の肥料が各開口部117aから一斉に落下して各繰出しロール115…上に滞留することを防止している。これにより、肥料は機体の振動等によって少しずつ下方に落下する。
しかしながら、苗の植付作業を行うべく、苗移植機の保管場所から圃場まで移動するときには、保管場所で貯留ホッパ117に肥料を供給しておくことが多く、圃場に着くまでの移動時の振動により、多くの肥料が繰出しロール115…上に溜まることがある。植付作業時以外は繰出しロール115…は回転していないので、貯留ホッパ117の開口部117a…から繰出しロール115…の上面までの間に溜まった肥料は、自重によって塊になってしまうことがある。このとき、肥料切替シャッタ122…上にも肥料が溜まっていることが多く、肥料切替シャッタ122…の回動操作を塊となった肥料が妨げることがある。
上記の問題を防止すべく、前記アッパーカプセル113…の後側上部に機体前後方向を向けてシリンダやクランクロッド等の切替作動部材124…の基部を各条設け、前記繰出しロール115…の左右どちらか一方に回動アーム125…の下を各々設け、該回動アーム125…の上部と切替作動部材124…の端部を連結する。そして、該回動アーム125…に、繰出しロール115…の外周面に沿うことのできる円弧状の第1シャッタプレート126…を各々設ける。
なお、図20(a)または(b)で示す通り、該第1シャッタプレート126…の上面は、肥料が上方に載っても塊になることを防止すべく、複数の突起を形成したり、細かい溝を形成したりして凹凸を生じさせ、肥料の重量による圧力が分散できる構成とする。また、前記回動アーム125…は、施肥回転軸114を回動軸とするが、ベアリング等を設けて施肥回転軸114の駆動回転には連動しない構成とする。
そして、前記ボンネット32の機体後側、即ち作業座席31の前側に、走行車体2の走行速度を、圃場で苗の植付作業を行う際に用いる植付作業と、移動の際に用いる路上走行と、走行は行わず苗植付部4や施肥装置5にのみ駆動力を行う走行中立とに切り替える副変速操作レバー92を設け、該副変速操作レバー92の操作位置を検知する副変速ポテンショメータ93を前記ボンネット32の内部に設ける。
上記の副変速操作レバー92を切替操作すると、走行伝動機構(図示省略)が切り替えられ、走行操作レバー91を操作した際の走行速度が変更される。圃場での苗の植付作業時は、速過ぎると苗の植付間隔が乱れるなど、苗の植付作業に支障が出るので、植付作業位置に副変速操作レバー92を操作しているときは、走行操作レバー91を操作しても速度が抑えられる。一方、路上走行中に速度が出ないと、圃場から苗移植機の保管場所までの移動に要する時間が長くなるので、路上走行位置に副変速操作レバー92を操作しているときは、走行操作レバー91の操作量(操作角度)が大きくなるほど走行速度が早くなる。なお、走行中立位置にするのは、メンテナンス作業時や肥料排出作業時等、走行車体2を移動させること無く苗植付部4や施肥装置5のみを作動させる必要があるときである。
上記の副変速操作レバー92の操作位置がどこであるかは、副変速ポテンショメータ93で検知することができる。これを利用して、路上走行位置に副変速操作レバー92が操作されたことが検知されると制御装置200が前記切替作動部材124…を伸張させて第1シャッタプレート126…を繰出しロール115…上に移動させる構成とすると、路上走行時の振動で開口部117aから落下する肥料は圧力の分散が可能な第1シャッタプレート126…上に載ることになるので、苗移植機の移動中に肥料が塊になり、苗の植付作業時に肥料が圃場に供給されなくなることが防止され、肥料不足による苗の生育不良が防止される。
なお、図17では上記の通り第1シャッタプレート126…を円弧状とし、施肥駆動軸114を回動軸とする回動アーム125…を切替作動部材124…の伸縮で移動させる構成としているが、図21で示す通り、切替作動部材124…に少なくとも貯留ホッパ117の開口部117a…よりも面積の広い第2シャッタプレート127…を各々設け、前記副変速操作レバー92が路上走行位置に操作されたことを副変速ポテンショメータ93が検知すると、切替作動部材124…が作動して第2シャッタプレート127…が開口部117aを完全に塞ぎ、肥料の落下を防止する構成としてもよい。このとき、第2シャッタプレート127…の上面には、図20(a)または(b)で示す通り、肥料が載った際の圧力を分散すべく、突起や凹凸を形成しておく。この突起や凹凸は、第1シャッタプレート126、第2シャッタプレート127のどちらも同じ形状としてもよい。
上記の構成では、第2シャッタプレート127…を切替作動部材124…の伸縮で開口部117a…を塞ぐ状態と開放する状態とに切り替えるだけのシンプルな構成となり、比較的低コストで移動時の肥料の固化の防止が図られる。
肥料が集まり自重により塊となる問題は、保管場所から圃場までの移動の際に生じやすいが、苗や肥料の補充作業時等の長時間走行が停止し得るときや、畦際での植付作業時等、一部の条の植付作業及び施肥作業を停止させているときにも発生することがある。
前記操作パネル33には、ハンドル34が旋回開始位置まで操作されたことをハンドルポテンショメータ74が検知すると、自動的に苗植付部4の作動を停止させると共に上昇させ、ハンドル34が旋回終了位置まで操作されたことをハンドルポテンショメータ74が検知すると、自動的に苗植付部4を下降させると共に、旋回終了時からカウントする左右の後輪回転センサ78,78の回転数が一定回転数を超えると苗植付部4を植付作動させる旋回連動スイッチ123が設けられている。
なお、施肥装置5は苗植付部4の作動の入切に連動する構成であるので、旋回連動中は停止するが、このとき開口部117a…から落下してくる肥料は繰出しロール115…や肥料切替シャッタ122…上に載ることになる。
該旋回連動スイッチ123を「入」操作すると、上記の旋回連動動作が行われるが、旋回走行を行うのは圃場端であり、旋回走行の途中で苗や肥料を補充すべく、あるいは休憩すべく停止することがある。このとき、補充作業にかかる時間や、休憩時間が長いと、旋回連動機構の作動により停止した施肥装置5の繰出しロール115や肥料切替シャッタ122…の上部に載った肥料が塊となり、旋回再開後に肥料が供給されなくなり、苗が肥料不足で生育不良となることがある。
これを防止すべく、前記副変速操作レバー92の操作位置が植付作業位置であり、前記旋回連動スイッチ123が「入」である状態で、ハンドルポテンショメータ74がハンドル34の旋回開始角度を検知すると、制御装置200が前記切替作動部材124…を伸張させ、第1シャッタプレート126…または第2シャッタプレート127…が開口部117a…から落下する肥料を受ける構成とする。
上記構成により、旋回途中に走行を停止し、停止時間が長時間になることがあっても、肥料の詰まりが防止されるので、肥料不足による苗の生育不良が防止される。
また、詰まった肥料を取り除く作業が不要となるので、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
図3、図10で示す通り、作業座席31の左右一側には、2つの植付伝動ケース53,53への駆動力の伝動を各々遮断して、部分的に苗の植付作業を停止させる2つの部分条クラッチ操作レバー128,128を設けている。作業者は、圃場端での苗植付作業時に走行車体2と苗植付部4が通過する幅を圃場端に確保すべく、左右の部分条クラッチ操作レバー128,128のいずれか一方を操作して、対応する植付伝動ケース53への駆動力の伝動を遮断し、該植付伝動ケース53に設ける一対の植付ロータリ55,55の回転駆動を停止させて苗の植付を中断させる。
前記施肥駆動軸114は、部分条クラッチ操作レバー128の操作により伝動を遮断された植付条に対応する施肥クラッチ機構114aが連動して「切」状態になる構成となっており、苗の植付を行わない間、対応する条の繰出しロール115…は回転しない。これにより、一部の条の繰出しロール115…に載った肥料が自重と振動により塊となることがあり、部分条クラッチ操作レバー128を操作して全ての植付ロータリ55,55、55,55を回転駆動させるときに、連動して回転する繰出しロール115…の繰出し溝115a…に肥料が入り込めず、肥料不足による苗の生育不良が発生する問題がある。また、繰出しロール115…上に溜まった肥料の塊を取り除く作業が必要となるので、その間植付作業が中断され、作業能率が低下する問題がある。
上記の問題を解消すべく、左右の部分条クラッチ操作レバー128,128の操作状態を検知する部分条操作検知スイッチ129,129を各々設け、左右の部分条クラッチ操作レバー128,128のうち何れか一方を切操作し、対応する部分条操作検知スイッチ129が操作検知状態になると、制御装置200が前記切替作動部材124…を伸張させ、第1シャッタプレート126…または第2シャッタプレート127…が繰出しを停止している条の開口部117a…から落下する肥料を受ける構成とする。
上記構成により、畦際植付作業時等、一部の条の施肥を停止した状態が長時間に継続することがあっても、肥料の詰まりが防止されるので、肥料不足による苗の生育不良が防止される。
また、詰まった肥料を取り除く作業が不要となるので、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
前記副変速操作レバー92は、作業座席31の前側のボンネット32の下部寄りの位置に、操作性を確保すべく機体後側に向かって外部に突出して設けられている。また、該副変速操作レバー92よりも下方には、植付クラッチケース25内に内装される株間ギア機構(図示省略)を変更し、苗の前後の植付間隔、所謂株間を切り替え操作する株間切換レバー130が設けられている。
しかしながら、この株間切換レバー130は、ボンネット32の下部から機体後側に突出させて配置しているので、作業者が操縦に集中しているときや、苗や肥料の補充作業等、フロアステップ35上で移動するとき等に、気付かないうちに株間切換レバー130の操作部に足が接触しており、作業者の意図とは異なる株間に切り替わっていることがある。
これにより、圃場の場所によって株間が異なり、風通しの悪い場所で病害虫が発生して苗が枯れてしまうことや、養分を取り合って育ち、収穫物となったときの品質が低化しまうことがある。
また、株間切換レバー130の操作位置がどの株間にも該当しないところになっていると、植付クラッチケース25内の株間ギア機構のどのギアの組み合わせも作動しない状態になるので、植付ロータリ55,55、55,55が回転せず、苗の植え付けられない区間が発生する問題がある。
これにより、作業者は苗を手作業で植え付ける必要が生じ、作業者の労力が増大する問題がある。
上記の問題を解消すべく、図22、図23に示す通り、株間切換ピン131を操作する株間切換バー132をパイプを曲げ加工して構成し、ボンネット32から機体後側への該株間切換バー132の突出量を、先端部が僅かに突出する突出量(例:2〜3cm)とする。そして、該株間切換バー132の突出部分に形成する孔部に回動ピン133を左又は右側方から差し込んで、株間切換グリップ134を機体前後方向に回動自在に構成する。
該株間切換グリップ134は、把持部134aと、該把持部134aを取り付ける断面視U字形状の回動メタル134bで構成する。該回動メタル134bの上端部に把持部134aを設けると共に、下端部に前記回動ピン133を差し込む孔部を形成する。
前記回動メタル134bの下部は、該株間切換グリップ134を機体後側に回動させる際、前記株間切換バー132の直線部分と同じ後上がり傾斜姿勢となるとそれ以上機体下方側に回動することを防止する規制部として作用する。一方、上方は覆われない構造となるので、株間切換グリップ134を機体前側に回動させると、前記ボンネット32の機体後側の壁面に接触するまで回動することができる。
なお、回動ピン133にはトルク・スプリング(図示省略)等を設けて、株間切換グリップ134が前方に回動してボンネット32の壁面に接触した状態から、機体の振動や自重により後方に回動することを防止する構成とする。
上記の構成により、株間切換レバー130を操作した後、株間切換グリップ134を機体前側に回動させてボンネット32の壁面に接触させておくことにより、作業者の足が通過し得る空間部に株間切換レバー130が突出することを防止できるので、作業中に作業者の足が当たり、作業者の設定した株間とは異なる株間で苗が植え付けられることが防止され、苗の間の風通しや日当たりが確保されて、病害虫の発生や生育不良が防止される。
また、株間切換レバー130が設定可能な株間と株間の間に操作され、苗植付部4に植え付け用の駆動力が伝動されなくなることを防止できるので、苗が植え付けられていないことに気付かずに作業を続けてしまうことが防止され、作業者が手作業で苗を植え付ける作業が不要となる。
なお、図24(a)で示す通り、前記ボンネット32の機体後側の壁面で、且つ切替可能な株間に対応する位置に、機体前側に回動させた株間切換グリップ134が入り込むことのできる受け溝135a…を各々形成すると、上記のトルク・スプリング等を設けることなく株間切換グリップ134の機体後側への回動を防止することができるので、株間切換グリップ134の回動操作に要する作業者の力が小さくなり、作業者の労力が軽減される。
あるいは、図24(b)で示す通り、前記ボンネット32の機体後側の壁面で、且つ切替可能な株間に対応する位置に、ゴムやバネ鋼等の強い弾性を有する素材で構成する受けリング135b…を各々設け、機体前側に回動させた株間切換グリップ134を該受けリング135b…に差し込み、株間切換グリップ134の機体後側への回動を防止する構成としてもよい。この構成では、株間切換グリップ134が受けリング135b…に拘束されるので、作業中に機体が大きく揺れることがあっても株間切換グリップ134が機体後側に回動することが確実に防止できる。
図25、図26で示すのは、前記走行操作レバー91を後進側に操作したことを検知し、バックリフト機構203を作動させる、バック検知機構の構成である。
前記ハンドル34を支持するボンネット32内のハンドルポスト136のうち、走行操作レバー91を設ける側寄りに補強プレート137を設け、該補強プレート137のうち、前記ステアリングポスト136から側方に突出する取付突出部137aに、側面視U字形状の板バネ139を介してバック検知スイッチ138を取り付ける。該板バネ139は、前記ハンドルポスト136を基準として前上がり傾斜姿勢で設け、該板バネ139にバック検知スイッチ138を前下がり傾斜姿勢で取り付ける。
なお、該バック検知スイッチ138は、板バネ139が接触するとオン状態になり、ケーブル138aを介して制御装置200に信号を発信するものとする。該ケーブル138aは、前記補強プレート137に形成した孔部を通過させて制御装置200に向かわせ、バック検知機構の近傍位置で弛みが生じることを防止している。
そして、前記走行操作レバー91の下端部には、走行操作レバー91の前後進及び停止操作に連動して回動する連動ピン140を設け、該連動ピン140を、後進操作が行われると油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44を収縮させ、苗植付部4を自動的に非作業高さまで上昇させるバックリフト機構203のバックリフトロッド141に連結する。
なお、該連動ピン140は、走行操作レバー91を前進方向に操作すると機体下側に向かって回動し、後進方向に操作すると機体上側に向かって回動して、前記板バネ139を上方に押し上げる配置構成とする。このとき、該連動ピン140は、前進及び後進操作を最大限まで行っても、前記バック検知スイッチ138よりも機体前側に位置するものとする。
また、該バックリフトロッド141と連動ピン140とに亘って規制スプリング142を設け、該規制スプリング142の付勢力によって走行操作レバー91の操作時以外の連動ピン140の回動を規制する構成とする。
上記構成としたことにより、走行操作レバー91を前進方向に操作すると連動ピン140が下方に回動して板バネ139から離間し、この状態を規制スプリング142が維持するので、前進走行中にバック検知スイッチ138が誤検知されることが防止され、苗植付部4が突然上昇して苗の植付が行われない区間が生じることが無く、作業者が苗を手作業で植える労力が軽減される。
また、植付ロータリ55,55…が苗を掻き取って落下させることを防止できるので、無駄な苗の消費が防止される。
そして、走行操作レバー91を後進操作すると、連動ピン140が板バネ139を介してバック検知スイッチ138をオン状態とすることにより、確実にバック検知スイッチ138に後進走行を行うことを認識させることができるので、後進走行を行うにもかかわらず苗植付部4が圃場面に接近した状態、特にセンターフロート57C、左右のサイドフロート57L,57R、植込杆54…、及び整地ロータユニット66が接地した状態で後進することが防止され、センター及び左右のサイドフロート57C,57L,57Rや整地ロータユニット66が泥を後方に押し、苗の植付位置を深くしてしまい、苗の植え付けが浅くなることが防止される。苗の植え付けが浅いと、根部が土壌に固着しない段階で水流や風によって流されてしまうことがあり、植付作業後に苗のない部分が生じ、収穫量が減少する問題があるが、本案ではこの問題の発生を防止できる。
また、植込杆54…が土中に進入したまま後進することを防止できるので、植込杆54…に泥が付着し、苗がこの泥に付着して植付時に植込杆54…から離れなくなることが防止され、苗の植付ミスの発生が防止される。
そして、上記している部材が土壌や石等と接触して破損することを防止でき、各部材の耐久性や機能が長期に亘って維持されるので、苗移植機の運用コストの低減が図られる。
さらに、ケーブル138aを補強プレート137に形成した孔部を通過させて制御装置200に向かわせたことにより、ケーブル138aが弛んで走行操作レバー91や連動ピン140に引っ掛かることを防止できるので、走行操作レバー91の操作が妨げられたり、連動ピン140が回動し切れず、バック検知スイッチ138が操作されなかったりする問題の発生が防止される。
また、バック検知スイッチ138を前下がり傾斜姿勢で設けると共に、板バネ139を前上がり傾斜姿勢で設けたことにより、バック検知スイッチ138と板バネ139との隙間、及び板バネ139と連動ピン140との隙間を十分に確保することができるので、走行操作レバー91を中立位置等、後進操作に近い位置まで操作したときに連動ピン140が板バネ139に僅かに接触しただけでは、板バネ139がバック検知スイッチ138に到達せず、中立位置に操作したときに後進と誤検知されることが防止され、苗や肥料の補充後、機体を前進させるたびに苗植付部4を下降操作する手間が省かれ、作業能率が向上する。
そして、連動ピン140をバック検知スイッチ138よりも機体前側に位置させたことにより、連動ピン140に軽い力で曲がり得るU字形状の板バネ139の端部側を押し上げさせる構成となるので、走行操作レバー91の後進操作に必要な力を殆ど増やす必要が無く、操作性が維持されると共に、作業者の労力が軽減される。
さらに、バック検知スイッチ138をステアリングポスト136から側方に突出する取付突出部137aに設けたことにより、ステアリングポスト136に邪魔されることなくバック検知スイッチ138の着脱ができるので、メンテナンス作業の能率が向上する。
図1、図10、図27(a)(b)及び図28で示す通り、前記操作パネル33に数字を表示可能なカウンタ143を設け、前記センターマスコット40aの上部に苗の残量減少やアイドリングストップ状態を示すLEDユニット144を設ける。また、前記作業座席31の下方で且つエンジン20の上部に、燃料を貯留する燃料タンク145を設け、該燃料タンク145の内部に、燃料の残量を検知するフロートセンサ145aを設ける。
上記のLEDユニット144は、苗減少センサ52aが苗を検知しているときに点灯する緑色LED144gを上下中央部に設け、上部に苗減少センサ52aが苗を検知しなくなると点灯する橙色LED144oを設けると共に、下部にエンジン20が作動した状態で後輪回転センサ78,78の回転が検知されていない状態、または走行操作レバー91が中立位置にある状態が所定時間以上(例:3〜5分以上)継続されたとき、アイドリングストップ中を示す赤色LED144rを設けて構成する。植付作業中は、基本的に緑色LED144g、橙色LED144o、赤色LED144rのいずれか一つが点灯すると、制御装置200は条件に変更が生じるまで、他のLEDを消灯状態とし、複数のLEDが同時に点灯して作業者が現在の状態を認識できなくなることを防止する。但し、エンジン20の始動時等、通電が行われるときには、確認のため一旦LEDユニット144の全てのLEDを点灯させる構成とし、故障が無いか否かを確認可能としてもよい。
なお、走行操作レバー91が中立位置にあることは、走行操作ポテンショメータ91aの検出角度で判定するものとし、時間の経過は前記タイマー201で行うものとする。
アイドリングストップ状態と看做す条件が揃うと、制御装置200は、前記赤色LED144rを点灯させると共に、タイマー201のカウントしたアイドリングストップ時間を、前記カウンタ143に表示し、一秒単位で表示する。左右の後輪回転センサ78,78が回転を検知する、または走行操作ポテンショメータ91aが操作角度を検知すると、カウンタ143の表示を記憶した後終了すると共に、赤色LED144rを消灯させ、苗減少センサ52aが苗を検知していれば緑色LED144rを、苗を検知してなければ橙色LED144oを点灯させる。
なお、アイドリングストップ状態と看做すときには、前記ブザー82等の報知部材を作動させて、アイドリング状態であることを作業者に視覚的、聴覚的に報知する構成としてもよい。
また、制御装置200には、継続時間算出プログラム202を組み込んでおき、前記フロートセンサ145aが検知する燃料の残量から燃料が無くなるまでの時間を算出し、カウンタ143に算出された時間を表示する構成とする。作業時間は、分単位、時間単位の作業を要するものであり、秒単位の表示の意味に乏しいので、カウンタ143は時間と分を表示するものとする。
上記構成により、LEDユニット144で苗の減少やアイドリングストップ状態を視覚的に報知することにより、作業者は苗の補充タイミングを把握して作業を行うことができ、苗の植付作業中に苗の補充を行うべく圃場端まで移動する必要が無く、作業能率が向上すると共に、無駄な燃料消費が抑えられる。
また、アイドリングストップ状態であることを忘れて苗や肥料の補充を続けたり、休憩したりすることが防止され、余分な燃料の消費がさらに抑えられる。
そして、路上走行時や植付作業時には、フロートセンサ145aが検知する燃料の残量を、継続時間算出プログラム202が時間に換算してカウンタ143に表示することにより、作業者は燃料補充の必要になるタイミングを認識した作業をすることができるので、圃場内で燃料が無くなり、足場の悪い水田圃場から苗移植機を離脱させる作業が不要となり、作業者の労力が大幅に軽減されると共に、作業能率が向上する。
または、重い燃料の入ったポリタンク等を持って圃場内を移動し、圃場内で燃料補充をする必要がなく、作業者の労力が軽減されると共に、圃場に燃料がこぼれて水や土が汚染されることが防止される。
上記構成では、エンジン20は作業者の操作によって入切するものであり、アイドリングストップ状態であることを報知することはできるものの、作業者が報知すればアイドリング状態は維持されてしまい、燃料の余分な消費が継続される問題が解消されない。特に、食事等の際には、長時間機体から離れることがあり、アイドリングストップ状態を報知しても作業者が認識し得ない状態となる問題がある。
この問題を防止すべく、図10,図29で示す通り、前記メインフレーム15とフロアステップ35の間に重量センサ146を設け、該重量センサ146が所定重量、例えば作業者がフロアステップ35上に搭乗したことを検知していないと、制御装置200は、エンジン20を所定時間(例:3〜5分)経過後に強制的に作動停止させる構成とするとよい。
該重量センサ146は、フロアステップ35上に作業者が乗っていれば、作業者が立っていても座っていても検知状態となり得るので、作業者が走行車体2に乗り降りするときのみ、エンジン20を所定時間経過後に切状態とすることができる。これにより、苗や肥料の補充作業の際、作業者が作業座席31から立ち上がっていても、エンジン20は停止状態になることが無く、補充作業に時間を取られた際にエンジン20を再始動させる作業が不要となり、補充作業後の植付作業への復帰が早まり、作業能率が向上する。
しかしながら、苗や肥料の補充作業時の燃料消費を抑えれば、エンジン20の再始動の手間がかかるとはいえ、その労力以上の燃費の向上を図ることができる。
このため、前記苗減少センサ52aが苗を検知していない状態、または肥料残留センサ119が貯留ホッパ117内の肥料を検知していない状態であり、且つ走行操作ポテンショメータ91aの検知角度が中立位置である、または左右の後輪回転センサ78,78が回転を検知していないときは、重量センサ146が所定値以上の重量を検知していても、制御装置200がエンジン20を自動的に切状態にする構成としてもよい。
上記の条件では、苗または肥料が減少している状態で走行を停止している、と認識することができ、苗または肥料の補充作業を行うべく停止したと判断することができる。よって、制御装置200がエンジン20を自動的に切状態とすることにより、タイマー201がアイドリングストップ状態と看做す時間が経過するよりも前にエンジン20を止めることができるので、燃料の消費の抑制が図られる。
なお、上記のアイドリング防止機構を設けると、メンテナンス作業時に停車状態でエンジン20を動かせなくなるので、メンテナンス作業中であることを認識させるスイッチ(図示省略)を設けて、上記条件が整ってもエンジン20を自動的に切状態にしない構成としておくと、メンテナンス作業の能率が向上する。