JP2013247903A - 苗移植機 - Google Patents

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Manabu Namoto
学 名本
Kazuhiko Ishii
和彦 石井
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】
高速で旋回走行する際に、適切なタイミングで苗植付部の下降や苗の植付開始を行える旋回連動機構を備え、苗の植付開始位置に移動し得ない旋回走行を行うと自動的に旋回連動機構が解除される苗移植機を提供する。
【解決手段】
走行車体2の後部に苗植付部4を昇降自在に設け、旋回走行後に所定の位置で苗植付部4を下降させる旋回連動機構を設け、操舵部材34を回動自在に設け、操舵部材34の回動角度を検知する操舵角検知部材74を設け、走行速度を変速操作する走行操作部材111を設け、走行操作部材111の操作量を検知する操作量検知部材112を設け、操舵角検知部材74が旋回走行の開始角度を検知したとき、操作量検知部材112の検知に基づいて、制御装置200は旋回走行速度が高速であると判断すると、苗植付部4を下降させる所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成とする。
【選択図】図17

Description

本発明は、水田圃場に苗を移植する、苗移植機に関するものである。
従来の苗移植機には、旋回走行に連動して苗植付部の昇降調節と苗の植付開始を制御する制御装置を備え、ハンドルの操作または植付装置の切操作によって走行距離のカウントを開始し、走行距離のカウントが所定の旋回走行距離に到達したときに苗植付部を下降させると共に、苗の植付開始を制御する技術が存在する。(特許文献1)
特開2010− 88457号公報
しかしながら、特許文献1に記載された苗移植機は、旋回走行時の走行速度を考慮していないので、走行速度を高速に設定したまま旋回走行を開始すると、走行距離のカウントが早々に所定の旋回走行距離に到達し、高速以外の旋回走行時と比べて、早過ぎるタイミングで苗植付部が下降されてしまうと共に、早過ぎるタイミングで苗の植え付けが開始されてしまい、苗の植付開始位置を隣接条の苗の植付終了位置に合わせられなくなる問題がある。
これにより、苗同士の間隔が狭くなり過ぎる、あるいは広くなり過ぎるので、除草作業や追肥作業、並びに作物の収穫作業が行いにくく、作業能率が低下する問題がある。
また、苗同士が近付き過ぎると、養分を取り合い生育不良を起こす問題があるとともに、風通しの悪さから病害虫が発生しやすくなる問題がある。
そして、苗が圃場端に近い位置に植えられていると、圃場端に苗を植え付ける際、走行輪で苗を踏み潰してしまう問題がある。
これに加えて、苗を旋回開始位置の手前まで植え付けた後、苗や肥料、燃料等の補充作業を行うべく、走行車体を圃場端まで移動させることがあるが、制御装置に圃場端まで前進するとき、並びに旋回開始位置まで後進するときの走行距離が記録されてしまうと、この走行距離の分、旋回終了後に苗植付部が下降するタイミングや、植付伝動部が作動するタイミングが早くなる問題がある。
苗植付部の下降中に植付伝動部が作動すると、空中で苗が掻き取られ、圃場に落下させられてしまうので、苗が余分に消費されてしまい、植付作業に必要な苗の量が増大する問題がある。
本発明は、この問題を解消しようとするものである。
請求項1記載の発明は、走行車体(2)の後部に圃場に苗を植え付ける苗植付部(4)を昇降自在に設け、該走行車体(2)を旋回走行させると所定の位置で該苗植付部(4)を下降させる旋回連動機構を設け、前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)を回動自在に設け、該操舵部材(34)の回動角度を検知する操舵角検知部材(74)を設け、前記走行車体(2)の走行速度を変速操作する走行操作部材(111)を設け、該走行操作部材(111)の操作量を検知する前記操作量検知部材(112)を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始角度を検知したとき、前記操作量検知部材(112)の検知に基づいて、前記制御装置(200)は旋回走行速度が高速であると判断すると、前記苗植付部(4)を下降させる前記所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項2記載の発明は、走行車体(2)の後部に圃場に苗を植え付ける苗植付部(4)を昇降自在に設け、該走行車体(2)を旋回走行させると所定の位置で該苗植付部(4)を下降させる旋回連動機構を設け、前記走行車体(2)の左右の後輪(11,11)の回転数を検知する左右の回転検知部材(78,78)を各々設け、前記走行車体(2)の走行速度を変速操作する走行操作部材(111)を設け、該走行操作部材(111)の操作量を検知する前記操作量検知部材(112)を設け、前記左右の回転検知部材(78,78)が旋回走行の開始角度を検知したとき、前記操作量検知部材(112)の検知に基づいて、前記制御装置(200)は旋回走行速度が高速であると判断すると、前記苗植付部(4)を下降させる前記所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項3記載の発明は、走行車体(2)の後部に圃場に苗を植え付ける苗植付部(4)を昇降自在に設け、該走行車体(2)を旋回走行させると所定の位置で該苗植付部(4)を下降させる旋回連動機構を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始角度を検知してから終了角度を検知するまでの時間を測定する時間検知部材(201)を設け、前記走行車体(2)の走行速度を変速操作する走行操作部材(111)を設け、該走行操作部材(111)の操作量を検知する前記操作量検知部材(112)を設け、該時間検知部材(201)が検知した前記操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始角度を検知してから終了角度を検知するまでの時間が所定時間未満であると、前記制御装置(200)は旋回走行速度が高速であると判断し、前記苗植付部(4)を下降させる前記所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項4記載の発明は、前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)を回動自在に設け、該操舵部材(34)の回動角度を検知する操舵角検知部材(74)を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始を検出してから前記左右の回転検知部材(78,78)が所定値以上の回転数を検知する間に、前記操舵角検知部材(74)の検知角度が所定値以下になるときは、制御装置(200)は旋回連動機構を解除し、前記苗植付部(4)の下降を行わない構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
請求項5記載の発明は、前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)を回動自在に設け、該操舵部材(34)の回動角度を検知する操舵角検知部材(74)を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始を検出してから前記時間検知部材(201)に設定された所定時間内に、該左右の回転検知部材(78,78)の回転数の差が所定値以上にならないときは、制御装置(200)は旋回連動機構を解除し、前記苗植付部(4)の下降を行わない構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機とした。
請求項6記載の発明は、前記旋回連動機構が解除されると、制御装置(200)は旋回連動機構の解除を通知する連動解除通知部材(114a,114b)を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の苗移植機とした。
請求項1記載の発明によれば、操舵部材(34)が旋回走行の開始角度まで操作されたときに、走行操作レバー(111)の操作量から旋回時の走行速度を制御装置(200)が判断し、高速であると判断されると苗植付部(4)の下降タイミングを遅らせることができるので、高速で旋回走行を行っても苗の植付開始位置が隣接条の植付終了位置から大幅に離れることが防止され、苗の植付精度が向上する。
そして、苗の植付開始が早くなり過ぎないことにより、圃場端に苗を植え付ける工程で走行車体(2)が苗を踏み潰すことや、苗植付部(4)の苗の植付位置が重複することを防止できるので、苗の消費量が削減される。
請求項2記載の発明によれば、左右の後輪(11,11)の回転数の差が所定値以上となる旋回走行の開始時に、走行操作レバー(111)の操作量から旋回時の走行速度を制御装置(200)が判断し、高速であると判断されると苗植付部(4)の下降タイミングを遅らせることができるので、高速で旋回走行を行っても苗の植付開始位置が隣接条の植付終了位置から大幅に離れることが防止され、苗の植付精度が向上する。
そして苗の植付開始が早くなり過ぎないことにより、圃場端に苗を植え付ける工程で走行車体(2)が苗を踏み潰すことや、苗植付部(4)の苗の植付位置が重複することを防止できるので、苗の消費量が削減される。
請求項3記載の発明によれば、操舵部材(34)が旋回走行の開始角度に操作されてから旋回走行の終了角度に操作されるまでの時間が所定時間内であると、旋回時の走行速度が高速であると制御装置(200)が判断することにより、苗植付部(4)の下降タイミングを遅らせることができるので、高速で旋回走行を行っても苗の植付開始位置が隣接条の植付終了位置から大幅に離れることが防止され、苗の植付精度が向上する。
そして、苗の植付開始が早くなり過ぎないことにより、圃場端に苗を植え付ける工程で走行車体(2)が苗を踏み潰すことや、苗植付部(4)の苗の植付位置が重複することを防止できるので、苗の消費量が削減される。
請求項4記載の発明の効果は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、苗植付部(4)が上昇してから左右の後輪(11,11)の回転数が所定値以上回転するまでの間に操舵部材(34)が旋回走行の操舵角度が所定値以下になるときは、制御装置(200)は180度旋回走行が行われないと判断して旋回連動機構を解除する構成としたことにより、180度旋回走行以外の走行軌跡で走行する際に、左右の回転検知部材(78,78)が検知した後輪(11,11)の回転数が苗植付部(4)を下降させる回転数に到達しても苗植付部(4)が下降することを防止できるので、苗の植付開始位置が早くなり過ぎることが防止され、隣接条の植付終了位置に苗の植付開始位置を合わせ易くなり、苗の植付精度が向上する。
また、苗植付部(4)が圃場面から上方に離間した状態で苗の植付が開始されないので、圃場に苗が落とされることが防止され、苗の消費量が抑えられる。
請求項5記載の発明の効果は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、苗植付部(4)が上昇してから時間検知部材(201)に設定された時間内に、左右の後輪(11,11)の回転数の差が所定値以上に生じないときは、制御装置(200)は180度旋回走行が行われないと判断して旋回連動機構を解除する構成としたことにより、180度旋回走行以外の走行軌跡で走行する際に、左右の回転検知部材(78,78)が検知した後輪(11,11)の回転数が苗植付部(4)を下降させる回転数に到達しても苗植付部(4)が下降することを防止できるので、苗の植付開始位置が早くなり過ぎることが防止され、隣接条の植付終了位置に苗の植付開始位置を合わせ易くなり、苗の植付精度が向上する。
また、苗植付部(4)が圃場面から上方に離間した状態で苗の植付が開始されないので、圃場に苗が落とされることが防止され、苗の消費量が抑えられる。
請求項6記載の発明の効果は、請求項4または5に記載の発明の効果に加えて、旋回連動機構が解除されると連動解除通知部材(114a,114b)が作動し、作業者に旋回連動機構が解除されたことを通知することができるので、次の旋回走行開始までに旋回連動機構を作動させ忘れることが防止され、旋回走行が容易に行える。
乗用型田植機の側面図 乗用型田植機の平面図 乗用型田植機の正面図 可動式予備苗枠を積層状態とした要部側面図 可動式予備苗枠を展開状態とした要部側面図 線引きマーカの作用状態を示す要部正面図 昇降シリンダと左右切替ソレノイドを示す要部側面図 線引きマーカを示す要部正面図 線引きマーカを示す断面図 各制御部材のブロック図 左右切替ソレノイドの作動方向の切替規制制御を示すフローチャート 条件を追加した左右切替ソレノイドの作動方向の切替規制制御を示すフローチャート センターマスコットのLEDの作動状態に対応した左右切替ソレノイドの作動方向の切替規制制御を示すフローチャート タイマーにより作動する左右切替ソレノイドの作動方向の切替規制制御を示すフローチャート 作業時の走行方向を示す参考図 畦際作業スイッチを「入」にしたときの制御を示すフローチャート 高速で旋回走行するとき、ハンドルの操舵角度を基準として苗植付部を下降させるタイミングの制御を示すフローチャート 高速で旋回走行するとき、左右の後輪回転数の差を基準として苗植付部を下降させるタイミングの制御を示すフローチャート 高速で旋回走行するとき、旋回走行に要した時間を基準として苗植付部を下降させるタイミングの制御を示すフローチャート 苗植付部を上昇させてから所定時間内に後輪の回転数の差が証しないと旋回連動機構を停止する制御を示すフローチャート (a)前後から操作可能なデフロックアームを示す要部側面図、(b)前後から操作可能なデフロックアームを示す要部平面図 デフロックアームを装着した乗用型田植機の正面図 デファレンシャルロック機構及びエンジン回転操作位置を示す要部平面図 (a)機体前側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第1動作を示す要部正面図、(b)機体前側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第2動作を示す要部正面図、(c)機体前側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第3動作を示す要部正面図、(d)機体前側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第4動作を示す要部正面図 (a)機体後側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第1動作を示す要部正面図、(b)機体後側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第2動作を示す要部正面図、(c)機体後側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第3動作を示す要部正面図、(d)機体前側からデファレンシャルロック機構を解除する際の第後動作を示す要部正面図 デフ検知スイッチの入切に合わせてブレーキアクチュエータを伸縮させる制御を示すフローチャート 補助車輪検知センサの検知に合わせてブレーキアクチュエータを伸縮させる制御を示すフローチャート 補助車輪検知スイッチの検知に合わせてブレーキアクチュエータを伸縮させる制御を示すフローチャート 部分条クラッチレバーの操作数に合わせた苗植付部の昇降制御を示すフローチャート 苗送り装置とスクレーパを示す要部正面図 (a)苗送り装置とスクレーパを示す要部側面図、(b)スクレーパの拡大側面図
本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
本件においては、平面図において、機体の進行方向に対して左側を機体左右一側、機体の進行方向に対して右側を機体左右他側と称する。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
図1、図2、図3は、本発明の作業機の一実施例である乗用型田植機の側面図、平面図と正面図である。なお、図2に開示されている田植機は4条植えの構成であるが、本構成を4条未満の田植機、並びに5条以上の田植機に用いても構わない。また、図3は主として左右の予備苗枠38,87を装着した状態を示すものであり、煩雑化を避けるべく、苗植付部4等を省略した図面としている。
この乗用型田植機は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4を昇降可能に設け、該走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分を配置している。そして、該走行車体2の前部にミッションケース12を設け、該ミッションケース12の左右側方にそれぞれ前輪ファイナルケース13,13を設けると共に、該左右の前輪ファイナルケース13,13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右の前輪車軸14に駆動輪である左右一対の前輪10,10を設ける。
また、前記ミッションケース12の背面部に機体のメインフレーム15の前端部を固着し、該メインフレーム15の後端部で且つ左右方向中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸(図示省略)を支点として左右の後輪ギアケース18,18をローリング自在に設け、該後輪ギアケース18,18から外側方向に向けて突出させた左右の後輪車軸18a,18aにそれぞれ後輪11,11を軸着する。
さらに、前記メインフレーム15の上部で且つ、機体の前後及び左右方向の略中央位置にエンジン20を設け、該エンジン20の駆動力をベルト伝動装置21及び油圧式無段変速装置(HST)23を介して前記ミッションケース12に伝動する構成とする。そして、前記ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ミッションケース12に内装するトランスミッション(図示省略)により変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。
これにより、走行駆動力の一部が前記左右の前輪ファイナルケース13,13に伝達されて左右の前輪10,10を回転駆動させると共に、残りの走行駆動力は前記左右の後輪ギアケース18,18に伝達されて左右の後輪11,11を回転駆動させる。
また、外部取出動力は、前記走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、該植付クラッチケース25から植付伝動軸26を経由して苗植付部4へ伝動されると共に、施肥伝動機構(図示省略)を経由して前記施肥装置5に伝動される。
前記メインフレーム15の上部に、該メインフレーム15を覆う平坦なフロアステップ35を前記エンジン20を避けて設け、該フロアステップ35上で且つエンジン20の外周に、エンジン20を覆うエンジンカバー30を設ける。該エンジンカバー30は前側下部を回動支点として回動可能に構成すると共に、上部に作業者が着座する作業座席31を装着する。
そして、該作業座席31よりも機体前側で且つフロアステップ35上に、本件作業車両の各種作業機構を内装するボンネット32を設け、該ボンネット32の上部に各作業部の設定を変更操作するスイッチ類を配置する操作パネル33と、作業者が前記左右の前輪10,10を操舵するハンドル34を設ける。
また、前記フロアステップ35のうち、作業座席31の左右両側は格子状に形成し、フロアステップ35上を異動する作業者の足等に付着した泥土が圃場に落下する構成としている。そして、前記フロアステップ35の後部には、前記左右の後輪11,11のフェンダを兼ねるリアステップ36,36を設ける。
さらに、図1から図3で示す通り、前記走行車体2の右前側に支柱37を設け、該支柱37に補充用の苗を載置する予備苗載せ台38a…を上下方向に複数、本件では図1で示すとおり上段側の第1予備苗載せ台38a1と下段側の第2予備苗載せ台38a2の2つを設けて、固定側の予備苗枠38を構成する。
一方、図3から図5で示す通り、前記走行車体2の左前側には、機体の前側フレーム15aから機体右側に向かう途中から上方に向かって屈曲する前側支柱83aと、前記フロアステップ35の左前側に設ける後側支柱83bを設け、該前側支柱83aと後側支柱83bの上部に扇形状の下部支持板83cと円状の上部支持板83dを重ねて設ける。そして、該円状の上部支持板83dに取付フレーム84を共に回転自在に設け、該取付フレーム84の機体内側部に下段アーム85aを前側傾斜姿勢で取り付けると共に、機体外側方向に向かって突出する前後の下側苗枠アームを取り付ける。
また、該下段アーム85aの前部に、後下側に突出する屈曲形状の前側リンクアーム85cを前後方向に回動自在に設けると共に、下段アーム85aの後側に、前上側に突出する屈曲形状の後側リンクアーム85dを前後方向に回動自在に設ける。さらに、前側リンクアーム85cと後側リンクアーム85dの上端部に上段アーム85bを前側傾斜姿勢で取り付け、該上段アーム85bから機体外側方向に向かって突出する前後の上側取付アームを取り付ける。前記下段アーム85aと上段アーム85bとは、上下方向に重なり合う位置に配置する。
前記前後の下側取付アームと上側取付アームには、それぞれ補充用の苗を載置する上段側の第1予備苗載せ台38a1と、下段側の予備苗載せ台38a2をボルト等の固定部材で取り付ける。
上記の通り構成することにより、前後のリンクアーム85c,85dを前方に向かって回動させると、第1予備苗載せ台38a1が機体前側に突出すると共に、第2予備苗載せ台38a2が機体後側に位置する展開形態とすることができると共に、前後のリンクアーム85c,85dを後方に向かって回動させると、第1予備苗載せ台38a1と第2予備苗載せ台38a2が上下方向に重なり合う積層形態とすることのできる、回動式の予備苗枠87が構成される。
そして、前記上段アーム85bの前端部で且つ第1予備苗載せ台38a1から機体内側に離間する位置に、棒材をループ状に形成した前側の操作グリップ86aを設け、前記上段アーム85bの後端部で且つ第1予備苗載せ台38a1から機体内側に離間する位置に、樹脂製の後側の操作グリップ86bを設ける。さらに、前記下段アーム85aの後部側に、積層状態としたときの後側のリンクアーム85dの回動を規制して作業者の操作によらない可動式予備苗輪枠87の積層形態から展開形態への変形を防止する、円弧形状のロック装置88を回動自在に設ける。
上記構成としたことにより、圃場の外周部に水路が形成されているなど、圃場内まで移動するか、圃場外から圃場内に身を乗り出さないと苗や肥料袋の補充が容易に行えない作業条件であっても、可動式予備苗枠87の上段の第1予備苗載せ台38a1を前方に移動させ、積層形態から展開形態に切り替えることにより、少なくとも第1予備苗載せ台38aの前後長さの分、圃場外に突出させることができるので、圃場外からの苗や肥料袋の積み込みが容易になり、作業能率が向上すると共に、作業者が圃場内に入り込んだり、無理な姿勢で苗や肥料袋を走行車体2に積み込む作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
また、ロック装置88を回動自在に設け、積層状態としたときに後側リンクアーム85dに接触して回動を規制する構成としたことにより、作業中に生じる振動で前後のリンクアーム85c,85dが前方に回動することを防止することができるので、作業者が意図しない積層形態から展開形態への変形が生じることがなく、第1及び第2の予備苗載せ台38a1,38a2に積載した苗が落下することが防止され、苗を拾い直す作業が不要となり、作業能率が控除すると共に、落下の際に苗が傷付くことが防止され、苗が生育不良を起こすことが防止される。
そして、上段アーム85bの前端部に前側の操作グリップ86aを設けたことにより、圃場外の作業者が可動式予備苗枠87を積層形態から展開形態、あるいは展開形態から積層形態に切替操作する際、手を大きく伸ばすことなく作業することができるので、作業能率が向上する。
また、上段アーム85bの後端部に後側の操作グリップ86bを設けたことにより、走行車体2上の作業者が可動式予備苗枠87を積層形態から展開形態、あるいは展開形態から積層形態に切替操作する際、手を大きく伸ばすことなく作業することができるので、作業能率が向上する。
さらに、前後の操作グリップ86a,86bはいずれも上段の第1予備苗載せ台38a1から機体内側に離間する位置に設けられていることにより、前後の操作グリップ86a,86bを作業者が掴む際、苗や苗の栽培土に手が触れることを防止できるので、苗が握り潰されて無駄になる苗の発生が抑えられると共に、苗の破片や土が作業者の手に付着することが防止され、作業者が不快感を覚えることなく作業を継続することができる。
図2、図3で示す通り、前記走行車体2及びボンネット32の前側で且つ左右方向の中央位置に畦越えアーム39を設け、該畦越えアーム39の上端部に、前後方向に回動自在にセンターマスコット41を取り付ける。そして、該畦越えアーム39には、緊急停止スイッチ40を設ける。
さらに、図1で示す通り、前記メインフレーム15の後端部で且つ左右中央位置に上下方向の支持フレーム41を設け、該支持フレーム41に上下一対の昇降リンクアーム42,42の基部を平行に配置する。そして、該昇降リンクアーム42,42の端部を苗植付部4のリンクフレーム43に取り付けて平行リンクとし、前記メインフレーム15と支持フレーム41に亘って昇降シリンダ44を伸縮自在に取り付ける。該昇降シリンダ44が伸びると苗植付部4が下降し、縮むと苗植付部4が上昇する構成とする。なお、該昇降シリンダ44は、メインフレーム15に設ける油圧バルブ44aの開閉により伸縮する構成とする。
また、図1、図2で示す通り、前記リンクフレーム43に伝動ケース45を設け、該伝動ケース45の前側上部に植付部フレーム46を上下方向に配置する。該植付部フレーム46の上端部には受けローラ47を回転自在に設け、該受けローラ47と伝動ケース45の後部で複数の苗を載置する苗タンク48を支持する。該苗タンク48には、苗を仕切る苗フェンス49を等間隔に設け、苗タンク48の上端部には、苗を一対の苗フェンス49,49の左右間に案内する苗ガイド50を1条ごとに設ける。
なお、一対の苗フェンス49,49はその左右間隔は約30cmとし、苗ガイド50の左右幅もこの左右間隔と同じ約30cmとすると、苗が苗タンク48にずれることなく案内されやすくなる。
そして、前記苗タンク48の下端部には、苗を受け止める側面視L字形状の苗受け板51を固定すると共に、苗タンク48の機体前部には、苗を下方に送り出す苗送り装置52,52を、1条につき一対配置する。さらに、前記伝動ケース45の後側下部に複数の、本件では図2で示すとおり2つの植付伝動ケース53,53を設け、該植付伝動ケース53の左右両側に、2つの植込稈54,54を備える植付ロータリ55をそれぞれ配置する。
なお、前記伝動ケース45は、植付伝動ケース53,53に駆動力を供給するだけでなく、苗タンク48を左右方向に移動させる摺動装置(図示省略)も駆動している。この摺動装置の駆動によって苗タンク48が左右端に到着すると、苗送り装置52,52を所定距離に亘って作動させるスイッチ(図示省略)が入る構成とする。
また、前記植付部フレーム46の下部で且つ左右中央部に回動支持アーム56を上下方向に回動自在に設け、左右両側部にフロート支持アーム(図示省略)を設ける。該回動支持アーム56の下部に圃場に接触して滑走するセンターフロート57Cを設け、左右のフロート支持アームの下部に圃場に接触して滑走するサイドフロート57L,57Rをそれぞれ設ける。そして、該センターフロート57Cの取付部にポテンショメータ58を設け、該ポテンショメータ58の検知するセンターフロート57Cの角度に合わせて前記油圧バルブ44aを微細に開閉し、昇降シリンダ44を微細に伸縮させる構成とする。
さらに、前記植付部フレーム46の上部側に一対のロータリンクアーム59,59を設け、該ロータリンクアーム59,59の一方にロータ吊下アーム60を伸縮自在に設けると共に、ロータリンクアーム59の他側にロータ支持アーム61を設ける。なお、ロータ支持アーム61は、左右に1本ずつ設ける。
そして、機体右側の後輪ギアケース18の後部に後側下方に向けてロータ伝動軸62の基部を設け、該ロータ伝動軸62の端部をロータ伝動ケース(図示省略)を設ける。該ロータ伝動ケースの右側に、右側のサイドフロート57Rの前側の圃場面を回転しながら均す右側のサイドロータ63Rを設け、ロータ伝動ケースの左側に、前後方向の接続伝動ケース64Rの後部側を設ける。さらに、該右側の接続伝動ケース64Rの前部側に、センターフロート57Cの前側の圃場面を回転しながら均すセンターロータ63Cの右側端部を連結し、該センターロータ63Cの左側端部を左側の接続伝動ケース64Lの前部側に設けると共に、該左側の接続伝動ケース64Lの後部側に左側のサイドフロート57Lの前側の圃場面を回転しながら均す左側のサイドフロート57Lを設ける。
さらに、前記センターロータ63Cの上部を覆うセンターロータカバー65Cを左右の接続伝動ケース64L,64Rの左右間に亘って設け、左右の接続伝動ケース64L,64Rの後部側に左右のサイドロータ63L,63Rの上部を覆うサイドロータカバー65L,65Rを設けることにより、整地ロータユニット66が構成される。
上記構成により、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rで圃場面を均した後をセンターフロート57C及び左右のサイドフロート57L,57Rが接地しながら移動することができるので、植込稈54…で圃場に植え付ける苗の深さが一定に保たれるため、苗の生育が安定する。
また、センターフロート57Cの上下角度に合わせて苗植付部4が微細に昇降する構成となっているが、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rで圃場面を均しているため、センターフロート57Cの角度変化が過度に発生することが防止され、大きな圃場の凹凸があるときのみ苗植付部4が上下動するため、いっそう苗の植付精度が向上する。
さらに、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rの上部をセンターロータカバー65C及びサイドロータカバー65L,65Rで覆うことにより、センターロータ63C及び左右のサイドロータ63L,63Rが圃場の泥土を跳ね上げても、この泥土が周辺に飛散することを防止できるので、機体や作業者が泥土で汚れることが防止される。
そして、図1及び図2で示すとおり、前記苗タンク48の機体前側、即ち苗を載置しない側の左右端部側にマーカロッド67をそれぞれ設け、該マーカロッド67,67の端部に、圃場に機体直進の目印となる線を引く線引きマーカ68,68を回転自在に装着する。なお、図6、図8及び図9に示すとおり、線引きマーカ68はディスク体68aの外周縁部に土を描き切って溝を形成する溝切り突起68b…を等間隔に複数配置して構成するものである。
図6で示すとおり、前記植付部フレーム46の下部に支持ブラケット46aを設け、該支持ブラケット46aの左右両端部で且つ苗タンク48の前側に、左右方向に回動自在なマーカアーム69を介して前記マーカロッド67を取り付ける。そして、前記支持ブラケット46aの下部とマーカアーム69の間に、マーカアーム69を苗タンク48側に付勢する付勢スプリング70を設けると 共に、前記昇降シリンダ44の固定側、即ち伸縮動作時に動かない側に、左右のマーカ操作ワイヤ71L,71Rを備えた左右切替ソレノイド72を設ける。
図7で示すとおり、該左右切替ソレノイド72には、左のマーカ操作ワイヤ71Lの作動を規制する左側の引張ピン73Lと、右側のマーカ操作ワイヤ71Rの作動を規制する右側の引張ピン73Rが設けられており、左右切替ソレノイド72の動作により、左側の引張ピン73Lが作動する状態、右側の引張ピン73Rが作動する状態、そして左右の引張ピン73L,73Rの両方が作動していない状態に切り替わるものとする。
そして、前記左右のマーカ操作ワイヤ71L,71Rをそれぞれ左右のマーカアーム69,69の上部に連結し、前記ハンドル34の基部に操舵方向を検出するハンドルポテンショメータ74を設け、該ハンドルポテンショメータ74が操舵方向を検出すると、左右切替ソレノイド72を作動させる構成とする。
まず、ハンドル34を左右いずれかの旋回方向に操作すると油圧バルブ44aが作動して昇降シリンダ44を収縮させ、苗植付部4を非植付作業高さまで上昇させる。このとき、左右のマーカ操作ワイヤ71L,71Rは昇降シリンダ44の収縮動作により非作用状態となるため、マーカアーム69,69が付勢スプリング70,70に引っ張られてマーカロッド67,67を持ち上げた状態、即ち、左右のマーカロッド67,67が共に非作用状態となる。
そして、ハンドル34が右旋回方向に操舵されたことをハンドルポテンショメータ74が検知した状態で、旋回操作から直進操作に戻すと、油圧バルブ44aが作用して昇降シリンダ44が伸張し、苗植付部4が植付作業高さまで下降する。このとき、左右切替ソレノイド72は左側の引張ピン73Lを作動させて左側のマーカ操作ワイヤ71Lを非作用状態に切り替え、左側のマーカアーム69が付勢スプリング70によって付勢され、左側のマーカロッド67が上昇した状態とする。一方、右側のマーカ操作ワイヤ71Rは昇降シリンダ44の伸張に伴い復動し、右側のマーカアーム69を付勢スプリング70の張力よりも強い力で回動させて右側のマーカロッド67を圃場面に対して略水平な姿勢に変更し、端部に装着した右側の線引きマーカ68が圃場面に接触して溝を形成する形態とする。
また、ハンドル34が左旋回方向に操舵されたことをハンドルポテンショメータ74が検知した状態で、旋回操作から直進操作に戻すと、油圧バルブ44aが作用して昇降シリンダ44が伸張し、苗植付部4が植付作業高さまで下降する。このとき、左右切替ソレノイド72は右側の引張ピン73Rを作動させて右側のマーカ操作ワイヤ71Rを非作用状態に切り替え、右側のマーカアーム69が付勢スプリング70によって付勢され、右側のマーカロッド67が上昇した状態とする。一方、左側のマーカ操作ワイヤ71Lは昇降シリンダ44の伸張に伴い復動し、左側のマーカアーム69を付勢スプリング70の張力よりも強い力で回動させて左側のマーカロッド67を圃場面に対して略水平な姿勢に変更し、端部に装着した左側の線引きマーカ68が圃場面に接触して溝を形成する形態とする。
そして、前記植付部フレーム46の左右両側に、左右のマーカロッド67,67を引っ掛けて非作用状態とする収容フック75をそれぞれ設け、苗移植機をしまうときや、線引きマーカ68,68を使用しないときに、左右のマーカロッド67,67を収容可能な構成とする。マーカロッド67,67を収容フック75,75に引っ掛けた状態では、マーカロッド67,67が苗タンク48の左右幅内に収まる構成としておくと、線引きマーカ68,68が左右に突出しにくくなるため、線引きマーカ68,68が壁等に当たって破損しにくくなる。
上記構成としたことにより、圃場端で旋回する前に左右の線引きマーカ68,68が自動的に上昇するので、旋回中に線引きマーカ68,68が圃場面や畦に接触することを防止でき、苗が押し倒されることが防止されて苗の植え直し作業が省略されると共に、線引きマーカ68,68の破損が防止され、耐久性が向上する。
また、旋回終了時に、ハンドルポテンショメータ74が検知した右または左の旋回方向と同じ側の線引きマーカ68が圃場面に向かって下降移動して線を引く状態となり、旋回方向と反対側の線引きマーカ68が圃場面から離間した位置に上昇移動して非作用状態となる構成としたことにより、植付作業を行いながら次の作業位置に直進の目安となる線を引くことができるので、苗移植機が直進しやすくなり、苗の植付精度が向上する。
そして、旋回前、旋回後のいずれも線引きマーカ68,68を操作する必要が無いので、作業者が余分な操作をする必要が無く、操作性や作業能率が向上する。
上記の構成では、苗植付部4を手動操作で昇降させるなど、作業者が意図的な操作を行わない限りは、左右の線引きマーカ68,68が交互に作用状態と非作用状態になり、次の植付作業時に直進の目安とする線を圃場に形成するものである。
しかしながら、苗や肥料や燃料の補充作業や、作業者の休憩を行うときに、苗植付部4を上昇させた状態が長時間(例:10分以上)続くと、該苗植付部4が自重で下降しようとすることにより、昇降シリンダ44が油圧バルブ44aから作動油を吸い上げ、該昇降シリンダ44が伸張し、これにより苗植付部4が10cm程度下降することがある。本件の苗移植機には、後進時に苗植付部4の下部に設けられる整地ロータユニット66や植込杆54,54等が土中に進入して接触の抵抗で破損することを防止すべく、苗植付部4が略最上位置まで上昇していないときに後述する走行操作レバー111が後進方向に操作されると、苗植付部4の上昇、下降、昇降停止(中立)並びに植付クラッチ25aの入切操作を行う作業操作レバー80が昇降停止位置から上昇位置に移動させ、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44から作動油を移動させて収縮させ、苗植付部4を上昇させるバックリフト機構が備えられている。
上記バックリフト機構が作動すると、苗植付部4が下降した後で上昇操作されることになるので、前記左右切替ソレノイド72の作動方向が切り替わる。
これにより、補充作業や休憩を終えて苗移植機を旋回開始位置まで後進させると、その時点でバックリフト機構が作動してしまうので、旋回終了後に既に苗を植え付けた条の側の線引きマーカ68が作用状態となり、この状態で苗植付部4が下降して線引きマーカ68が接地してしまうと、苗が線引きマーカ68に押し潰されたり圃場から引き抜かれたりして、手作業で苗を植え直す必要が生じ、作業者の労力や苗の消費量が増大する問題がある。
また、苗植付部4が下降する前に左右の線引きマーカ68,68の作用状態となる側と非作用状態となる側が逆になっていることに気付いたときは、作業者は苗植付部4の昇降操作を1回手動で行い、左右の線引きマーカ68,68の作用状態となる側と非作用状態となる側を、植付作業を行う条に対応させる操作が必要となり、作業能率が低下する問題がある。
上記の問題を解消すべく、図10、図11で示す通り、前記作業操作レバー80に、該作業操作レバー80の操作角度から現在の作業状態を検知する作業ポテンショメータ80aを設ける。そして、前記走行操作レバー111を操作して苗移植機を後進させたとき、左右の後輪11,11の回転を検知する左右の後輪回転センサ78,78が検知する後進方向の回転数が、旋回開始位置に到達する回転数と同じ、あるいは旋回開始位置に到達する回転数よりも大きい回転数になるまでは、制御装置200はバックリフト機構が作動して作業操作レバー80が昇降停止位置から上昇位置に移動させられたことを作業ポテンショメータ80aが検知したとき、苗植付部4が上昇しても左右切替ソレノイド72の作動方向を変化させる信号を発信しない制御構成とする。
上記の制御構成により、補充作業や休憩後に苗移植機を後進操作してバックリフト機構が作動しても、左右切替ソレノイド72の作動方向は変化しないので、旋回開始位置まで後進してから旋回し、旋回終了後に苗植付部4を下降させたときに、既に苗を植え付けた側の線引きマーカ68が作用状態となって圃場に接地することを防止できるので、線引きマーカ68が植え付けられた苗を押し潰したり引き抜いたりすることが防止され、作業者が手作業で苗の植付作業を行なう必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
また、苗植付部4を昇降操作して左右の線引きマーカ68,68の作用状態になる側と非作用状態になる側を切り替える操作が不要となるので、旋回終了後にすぐに苗の植付作業を始めることができ、作業能率が向上する。
但し、旋回前に左右切替ソレノイド72の作動方向を切り替え得る苗植付部4の操作が行われており、旋回終了後に作用状態となる線引きマーカ68が既に苗を植え付けた側に作動した時には、作業者は作業操作レバー80を操作して苗植付部4を昇降させ、左右切替ソレノイド72の作動方向を切り替える必要があるので、図10、図12で示す通り、前記左右の後輪回転センサ78,78が検出する後進走行時の回転数が、旋回開始位置に到達する回転数と同じ、あるいはこの回転数よりも若干大きな回転数であるときは、作業操作レバー80が下降位置に移動してから上昇位置に移動したことを作業ポテンショメータ80aが検知すると、制御装置200が左右切替ソレノイド72の作動方向の切り替え信号を発信する制御構成とする。
上記の制御構成により、旋回前に左右切替ソレノイド72の作動方向が逆に切り替わっていても、作業者が旋回終了までに苗植付部4の昇降操作を行えば左右切替ソレノイド72の作動方向を変更することができるので、線引きマーカ68が圃場に接地する前に作用状態となる線引きマーカ68と非作用状態となる線引きマーカ68が切り替えられて苗の押し潰しや引き抜きが防止され、作業者が手作業で苗の植付作業を行なう必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
上記の左右切替ソレノイド72の作動方向の切替規制は、次の制御構成を加えてもよい。
図1や図10、図13で示す通り、前記センターマスコット41にLED41aを設け、前記苗タンク48から1条でも苗が所定量未満に減少するか、施肥装置5に貯留された肥料が所定量未満に減少するか、燃料が所定量未満に減少すると該LED41aが点滅する構成とすると共に、前記苗タンク48に苗が補充されるか、施肥装置5に肥料が補充されるか、燃料が補充されると該LED41aが常時点灯する、または消灯する構成とする。
そして、該LED41aが点滅状態であるか否かを制御装置200で検知し、該制御装置200がLED41aの点滅を検知しているときは、制御装置200は苗植付部4が昇降しても、左右切替ソレノイド72の作動方向を変更させない制御構成とする。なお、LED41aが点滅状態でないときは、左右の後輪回転センサ78,78の後進方向の回転数が所定回転数以上になるか、あるいは左右の後輪回転センサ78,78の後進方向の回転数が所定回転数未満であり、且つ作業操作レバー80が下降位置から上昇操作位置に操作されると、左右切替ソレノイド72の作動方向を切り替えるものとする。
上記の制御構成により、作業操作レバー80を誤って昇降停止位置から上昇位置に移動させたり、走行操作レバー111を誤って後進に操作してバックリフト機構を作動させたり、あるいは苗の補充作業時に苗を苗タンク48に投入しやすくすべく苗植付部4を上昇させる操作を行ったりしても、左右切替ソレノイド72の作動方向が切り替わることを防止できるので、補充作業や休憩後に旋回走行して、苗植付部4を下降させる際に線引きマーカ68が次の苗植付作業条に下降して圃場に線を引くことができ、作業能率が向上すると共に、苗を作業者が手作業で植え直す必要が無く、作業者の労力が軽減される。
あるいは、図10、図14で示す通り、制御装置200に時間をカウントするタイマー201を設け、該タイマー201は苗植付部4が上昇した状態で停止する、即ち、前記作業操作レバー80が上昇位置から昇降停止位置に操作されたことを作業ポテンショメータ80aが検知するとカウントを開始する構成とすると共に、該タイマー201が所定時間、例えば5分以上の経過をカウントすると、制御装置200は、バックリフト機構を作動させたり、または作業操作レバー80を昇降停止位置から上昇位置に移動させたりしても、左右切替ソレノイド72の作動方向を変更する信号を発しない制御構成としてもよい。
上記の制御構成とすることにより、補充作業が長引いたときや、休憩をしたときには、制御装置200が自動的に左右切替ソレノイド72の作動方向の切替をロックすることができるので、旋回後に左右の線引きマーカ68,68の作動方向を切り替える操作が不要となり、作業能率や操作性が向上する。
上記の、旋回方向に合わせて交互に左右の線引きマーカ68,68が作用状態と非作用状態とする作業は、圃場内を直進走行し、圃場端で180度旋回する工程で行うものである。一方、圃場の四隅、所謂畦際では、圃場端部に沿って直進しながら苗の植え付けを行い、隅まで植え付けると所定距離後進した後で90度旋回し、所定距離後進した後、直進しながら植え付けを行う工程では、交互に線引きマーカ68,68が作動すると、畦際に近い側の線引きマーカ68が下降して畦際に接触し、必要な箇所に線が引けず直進性が低下すると共に、接触の際に線引きマーカ68やマーカロッド67が破損してしまう問題があった。
このため、線引きマーカ68,68を使用せずに作業をすることもあるが、畦際とその内周をそれぞれ一周して畦際の植付を行う作業形態を行うときは、畦際の作業の際に目安となる線が無く、既に植え付けられた苗を前輪10や後輪11で踏み潰してしまい、踏み潰した苗を手作業で抜いて植え直す作業が必要となり、作業者の労力が増加してしまう問題がある。また、苗を踏み潰さなくとも、苗同士の条間隔が極端に狭くなり、養分の取り合いで生育不良を起こす問題や、風通しの悪さにより病害虫が発生しやすくなる問題がある。
上記の問題を解決すべく、図2、図16で示すとおり、操作パネル33に畦際作業スイッチ76を設け、該畦際作業スイッチ76を「入」操作すると左右切替ソレノイド72の切替方向をハンドルポテンショメータ74の操作方向にかかわらず一定方向にのみ作動させると共に、線引きマーカ68,68の昇降動作回数をカウントするマーカ作動センサ77が作動する構成とする。
図15で示す通り、畦際とその内周をそれぞれ一周ずつ回りながら苗を植え付ける作業工程では、まず内周側を植付走行し、畦際の最終作業位置に一側の線引きマーカ68で線を引いていく。圃場の四隅での旋回角度は約90度であるため、線を形成するために必要な線引きマーカ68は、左右のどちらか一側の線引きマーカ68となる。
畦際作業スイッチ76を「入」にすると、圃場隅での90度旋回後にマーカ作動センサ77が畦際側の線引きマーカ68を自動的に連続して下降移動させることにより、作業者が直進走行開始前に苗植付部4を昇降させて畦際側の線引きマーカ68を下降移動させる操作が不要となるため、操作性や作業能率が向上する。
また、マーカ作動センサ77が線引きマーカ68の昇降をカウントしていることにより、畦際の内周の四辺で植付作業をするときは自動的に畦際側の線引きマーカ68を下降移動させて線引き作業状態とすることができると共に、畦際の内周から畦際に作業が移行するとき、即ち線引きマーカ68による線引き作業が不要となる工程に移行するときに、線引きマーカ68,68が左右どちらも非作用状態となるよう左右切替ソレノイド72が切り替わる制御構成とすることができるので、畦に一方の線引きマーカ68が接触して破損することが防止されると共に、他方の線引きマーカ68が圃場に植え付けられた苗に接触して押し潰してしまうことが防止される。
上記構成とすべく、マーカ作動センサ77は、4回目の苗植付部4の上昇に伴う左右切替ソレノイド72の作動が行われると、該左右切替ソレノイド72の切替を規制する信号を制御装置200に発信するものとする。但し、畦際の四隅で90度旋回する際にもマーカ作動センサ77はカウントを継続し、8回目のカウントが発生する、即ち畦際の四隅の植付作業が完了して苗植付部4が上昇されると、作業者が畦際作業スイッチ76を操作しなくても、自動的に該畦際作業スイッチ76を「切」操作する制御構成とする。
上記構成により、次の圃場に移動して作業を開始した際に、圃場端で180度旋回する必要がある圃場内での作業工程であるにもかかわらず、畦際作業スイッチ76が「入」のままになっており、最初にハンドル34を操舵してハンドルポテンショメータ74が検知した旋回方向の線引きマーカ68が出続け、適切な線引き作業が行われなくなることが防止され、作業能率が向上すると共に、苗の踏み潰しが防止される。
なお、前記マーカ作動センサ77は、左右切替ソレノイド72の作動が規制される畦際での植付作業工程でもカウントを確実に取るべく、昇降リンクアーム42,42に設け、苗植付部4の上下動に連動させる構成とすると、確実且つ簡潔にカウントを行うことができる構成となる。
また、前記畦際作業スイッチ76が「切」状態であるとき、後輪11,11の回転数をカウントして走行距離や走行速度を算出する左右の後輪回転センサ78,78が所定回転数をカウントするまでは操作を受け付けない構成とする。この所定回転数は圃場の広さや作業速度によって変化するので、作業者が受付可能とする最低回転数を設定可能にするとよい。
上記構成により、植付作業前や走行再開する際など、発進時に苗植付部4を下降させる作業が行われ得る状態であるとき、畦際作業スイッチ76を誤って操作してしまっても、所定距離を走行するまでは線引きマーカ68の畦際作業制御が行なわれなくなるため、不要な箇所に線引きが行われたり、苗を押し潰したりすることが防止され、作業者の労力が軽減される。
なお、図10、図16で示す通り、畦際作業スイッチ76にLED等の発光体76aを設け、畦際作業スイッチ76の操作が受付できる状態、即ち後輪回転センサ78,78が所定数以上回転した状態になると、畦際作業スイッチ76が点滅する構成とすると、作業者が操作受付タイミングを把握しやすくなり、操作性が向上する。
なお、前記発光体76aは点滅でなく、常時発光して操作を受け付ける状態であることを示す構成としてもよい。
また、走行車体2のメインフレーム15に、苗移植機の前後方向、即ちピッチング方向の傾斜を検知する傾斜センサ79を設け、所定角度、例えば約10度以上傾斜すると、圃場の出入口の傾斜部を移動していると判断して、畦際作業スイッチ76を自動的に「切」にする構成としても良い。
上記構成とすることにより、圃場の出入口の直前まで苗植付部4を下降させて苗を植え付ける作業を行うとき、即ちその圃場での作業を終了するときを基準として畦際作業を終わることができるので、畦際作業スイッチ76を切り忘れることが防止され、次の圃場での作業性や苗の植付精度が向上する。
また、本件構成の苗移植機では、ハンドル34を旋回角度まで操舵すると旋回内側のサイドクラッチ(図示省略)が切れる構成としており、このとき後輪回転センサ78の回転数と旋回外側の後輪回転センサ78の回転数に所定値以上の差が生じると、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44を収縮させ、自動的に苗植付部4を昇降させると共に、ハンドル34の操舵角度が所定値未満に戻され、サイドクラッチが繋がり左右の後輪回転センサ78,78の回転数が略同じに戻ると、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44を伸張させ、自動的に苗植付部4を下降させ、後輪回転センサ78,78の回転数がさらに所定値をカウントすると、植付クラッチケース25内の植付クラッチ25aを自動的に「入」にして苗の植付作業を開始する旋回制御機構が搭載されている。
しかしながら、上記旋回制御機構は、180度旋回の際には苗の植付終了位置や植付開始位置を揃えて植付精度を向上させる効果を有するものの、畦際直前まで機体を前進させて苗を植え付け、いったん後進してから旋回し、旋回後に畦際まで後進した後、苗植付部4を下降させてから植付作業を再開する90度旋回の場合は、苗の植付タイミングが乱れてかえって植付精度が低下したり、作業者の意図に反する昇降を行うことにより、苗を押し潰してしまい、作業者が植え直すため労力が増大するという問題が生じる。
このため、前記畦際作業スイッチ76を操作すると、左右の後輪回転センサ78,78の回転数に所定値以上の差が発生しても油圧バルブ44aを作動させず、作業者がボンネット32に設ける、作業操作レバー80を操作すると苗植付部4が昇降すると共に、植付クラッチ25aが「入」となって植付伝動ケース53,53に駆動力が伝動される構成としてもよい。
上記構成により、苗移植機の旋回位置に合わせて旋回制御機構の入切を変更することができるので、旋回制御機構Tの入切操作を行なう必要が無く、操作性や作業能率が向上する。
また、上記のとおり、圃場の四隅で90度旋回する際には、畦際まで機体を前進させ、旋回開始位置まで後進した後、旋回終了後に畦際まで後進した後、苗植付部4を下降させて植付走行を行うという操作が必要となる。
このとき、苗植付部4は上昇させた状態であるため、90度旋回の終了後に畦際まで後退する際、苗植付部4の苗タンク48や苗ガイド50が作業者の視界を妨げ、畦際まで後退せずに植付作業を始めてしまい、苗が植え付けられていないところに手作業で苗を植えるため、作業者の労力が増大する問題がある。また、苗植付部4の下部側の植付伝動ケース53,53や植込稈54…等を畦際に接触させて破損させてしまう問題がある。
これを解消すべく、作業者は手動操作で苗植付部4を僅かに下降させて視界を確保しているが、微細な調整作業であるため調整に時間がかかり、作業能率を低下させてしまうと共に、操作を誤ると苗植付部4が下がり過ぎてしまい、植込稈54…に泥土が付着して苗の掻き取りを失敗し、苗の植付不良を起こす問題があると共に、圃場の隅の表面が荒れて、苗の植付深さが一定にならず、生育不良が生じる問題がある。
このため、図10で示す通り、作業操作レバー80、あるいは操作パネル33に調整下降ボタン81を設け、該調整下降ボタン81を操作すると油圧バルブ44aが所定時間、例えば約2秒間作動して昇降シリンダ44を対応する長さだけ伸張させて、苗植付部4を僅かに下降させる構成とすると良い。
上記構成により、苗タンク48や苗ガイド50が作業座席31に着座した作業者の視界を妨げず、且つ植付伝動ケース53,53や植込稈54…が圃場面から十分に離間する高さまで苗植付部4を下降させることができるので、作業者は畦際までの距離を視認しながら後進することができ、苗が畦際直前から植え付けられて手作業による植え付けが不要となり、作業者の労力が軽減されると共に、圃場面が荒らされることや植込稈54…に泥土が付着することが無く、苗の植付深さが一定となり、苗の生育が安定し、収量や品質が向上する。
なお、苗植付部4の下降は、上記のとおり油圧バルブ44aの作動時間を制御してもよいが、昇降リンクアーム42,42にポテンショメータ(図示省略)を設け、該ポテンショメータが所定角度を検出すると油圧バルブ44aを停止させる構成としても良い。
前記線引きマーカ68,68の作動方向は、旋回時の苗植付部4の昇降に伴う、昇降シリンダ44の作動に連動する左右切替ソレノイド72によって定められているが、作業者が旋回タイミングを誤ってハンドル34を操作したり、障害を回避するべく大きく操作した際に、苗植付部4が上昇して左右切替ソレノイド72を作動させてしまうことがある。この状態で作業を継続すると、旋回方向と反対側の線引きマーカ68が線引き作業状態となり、既に苗を植え付けた位置に下降し、苗を押し潰してしまう問題がある。
このため、作業者は誤操作による線引きマーカ68,68の誤作動を防止すべく、走行を停止して苗植付部4を昇降させ、左右切替ソレノイド72の作動順を調整する必要がある。
しかしながら、上記の調整操作ができるのは、作業者が誤操作を行ったことを認識しているときであり、作業者が誤操作したことに気付いていないときは、気付かずに旋回操作を行ってしまい、作業状態になってはならない側の線引きマーカ68が作業状態となってしまう。
これを防止すべく、左右の後輪回転センサ78,78の回転数の差から旋回方向を判断し、左右切替ソレノイド72の作動方向、即ち左側の引張ピン73または右側の引張ピン73Rを作動させる方向が旋回方向と一致しないときは、ブザー82を作動させて作業者に報知する構成とすると、作業者は遅くとも旋回途中で線引きマーカ68の作動タイミングが合わなくなっていることに気付くことができるので、旋回が終了し、苗の植付が開始される前に調整操作を行うことができ、線引き作業が適切に行われ、苗の植付精度が向上する。
なお、苗移植機の旋回方向の検出は、ハンドルポテンショメータ74の検出方向を用いても良い。
次に、旋回走行後における、苗植付部4の下降タイミングを安定化させる制御構成について説明する。
図1、図2及び図17に示すとおり、前記ボンネット32のうち、作業操作レバー80を設けた側とは反対側に走行車体2の前後進及び走行速度を変更する走行操作レバー111を設け、該走行操作レバー111の下部側に、走行操作レバー111の操作量を回動角度から検知するレバーポテンショメータ112を設けると共に、前記制御装置200に所定の作動時間を検知するタイマー201を設ける。該タイマー201は、機械的なものでも、プログラムであってもよい。
前記制御装置200は、前記ハンドル34の操作角度が所定角度、例えば30度以上となったことをハンドルポテンショメータ74が検知すると、旋回走行が開始されたと判断すると共に、旋回走行の開始後に前記ハンドル34が検出の操作角度が所定角度未満、例えば30度未満まで操作されたことをハンドルポテンショメータ74が検知すると、旋回走行が終了されたと判断する。
このとき、制御装置200は油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44に作動油を送り、該昇降シリンダ44を伸張させて苗植付部4を自動的に下降させる制御構成としているが、従来は走行車体2の走行速度にかかわらず、ハンドルポテンショメータ74の検知角度のみを下降開始の基準としていたため、旋回時の走行速度が速いと、苗植付部4の下降タイミングが早くなり、苗の植付開始位置が前の条の植付終了位置とは異なる位置になってしまう問題がある。
上記の問題を解消すべく、前記レバーポテンショメータ112が走行操作レバー111を前進方向に所定角度以上、例えば中立位置を0度として60度以上回動させていることを検知しているときに、前記ハンドル34の操作角度が旋回角度を超えたことをハンドルポテンショメータ74が検知すると、前記制御装置200は、走行速度が高速である状態で旋回走行を開始したと判断する。
このとき、該制御装置200は苗植付部4を下降させるべく油圧バルブ44aを作動させるハンドルポテンショメータ74の検知角度を、高速以外の走行速度であるときよりも小さい角度(第2操作角度)に変更し、前記ハンドルポテンショメータ74がこのハンドル34の第2操作角度、例えば15〜20度未満を検知すると、油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44に作動油を送り、該昇降シリンダ44が適切なタイミングで伸張して、苗植付部4を下降させる制御を行なうものとする。
上記の制御構成により、走行速度が高速のまま旋回走行しても、苗植付部4の下降タイミングが自動的に補正されるので、旋回後の苗の植付開始位置と旋回前の植付終了位置が揃いやすく、苗の植付精度が向上する。
また、苗植付部4の下降タイミングがずれた際に、作業操作レバー80を手動操作して苗植付部4を下降させると共に、植付クラッチケース25内の植付クラッチ25aを繋いで植付ロータリ55…を下降させる操作が不要となるので、旋回走行終了の直前に作業者が複数の操作を並行して行う必要が無く、操作性が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
加えて、旋回終了時の走行車体2の進行方向が直進方向からずれたり、苗の植付開始タイミングが旋回前の植付終了位置からずれた位置になることが防止されるので、次の条での苗の植付精度が向上する。
そして、最終工程である圃場端の苗の植付作業時に走行車体2及び苗植付部4が通過する位置に苗が植え付けられることが無いので、苗同士の間隔が狭くなる箇所が生じにくく、苗が成長しても風通しがよく、病害虫の発生が防止される。
上記構成は、ハンドル34の操作角度を基準として苗植付部4の下降タイミングを補正する制御構成であるが、本件の苗移植機は、旋回走行時には旋回走行を円滑に行うべく旋回内側の後輪11にブレーキをかける構成としているので、図18で示す通り、前記左右の後輪回転センサ78,78の間に生じる回転数差を利用し、高速で旋回走行するときに苗植付部4を下降させる左右の後輪回転センサ78,78の回転数差を、高速以外で旋回走行するときに苗植付部4を下降させる左右の後輪回転センサ78,78の回転数差よりも小さい第2回転数差に制御装置200が自動的に補正する構成としてもよい。
また、図19で示す通り、前記ハンドル34の操作角度が旋回開始角度(例:30度以上)であるとハンドルポテンショメータ74が検知すると前記タイマー201が時間のカウントを開始し、ハンドルポテンショメータ74が旋回終了角度(例:30度未満)を検知するまでにカウントされた時間が所定時間(例:3〜5秒未満)であるときは、旋回走行が高速で行われたと判断できるので、制御装置200は油圧バルブ44aの作動信号を1〜2秒程度遅らせて発信し、苗植付部4の下降タイミングを高速での旋回走行に対応させる制御構成とすることもできる。
このとき、前記ハンドル34の操作角度が旋回終了角度になったとき、タイマー201がカウントした時間が所定時間(例:3〜5秒以上)であると、制御装置200は即座に油圧バルブ44aに作動信号を発信する構成とし、高速以外で旋回走行するときにも、苗植付部4が適切なタイミングで下降する制御構成とする。
上記構成により、走行操作レバー111に設けるレバーポテンショメータ112や、このレバーポテンショメータ112の検知角度から走行速度を算出する制御装置200内のプログラムが不要となるので、部品点数やプログラムの削減が可能となり、簡潔な制御構成とすることができる。
上記の旋回制御は、前記操作パネル33に設ける旋回連動スイッチ113を「入」操作しているときに行い、該旋回連動スイッチ113を「切」操作したときには、苗植付部4の下降操作及び植付クラッチ25aの連結操作は、前記走行操作レバー111に設ける作業操作レバー80を作業者が手動操作して行うものとする。
また、高速以外の走行速度で旋回走行するときも、該旋回連動スイッチ113を「入」にすると、前記ハンドルポテンショメータ74がハンドル34の所定角度以上の操作を検知すると制御装置200が油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44から作動油を移動させ、該昇降シリンダ44を収縮させて苗植付部4を自動的に上昇させると共に、左右の後輪回転センサ78,78の回転数差をカウントする。そして、該左右の後輪回転センサ78,78の回転数差が所定値未満になると油圧バルブ44aを作動させて昇降シリンダ44を伸張させ、苗植付部4を自動的に下降させると共に、苗植付部4の下降後に左右の後輪回転センサ78,78の回転数が所定回転数に到達すると、植付クラッチ25aを自動的に連結して複数の植付ロータリ55…を回転させて苗の植付を開始する旋回連動制御を行なうものとする。本構成は従来構成であるため、説明図は省略する。
しかしながら、旋回連動スイッチ113を「入」にして旋回連動制御をするときは、苗の植付終了直後に180度旋回を行うことを前提としている。このため、苗や肥料の補充や休憩を行うべく、苗植付部4を上昇させて走行車体2を前進させると、左右の後輪回転センサ78,78が前進時、並びに旋回位置に戻る際の後進時の回転数が制御装置200にカウントされてしまい、苗植付部4の下降タイミングや植付クラッチ25aが連結されて苗の植付が開始されるタイミングが早くなり過ぎ、苗の植付精度が低下する問題がある。
上記問題を解消すべく、図20で示す通り、前記苗植付部4を上昇させてから、左右の後輪回転センサ78,78が所定の回転数を検知するまでに左右の後輪回転センサ78,78の回転数差が所定値以上にならないときは、苗の植付終了後に直進走行したものと判断し、旋回連動スイッチ113を強制的に「切」操作し、苗植付部4の下降操作及び植付クラッチ25aの連結操作を、作業者が手動操作で行う制御構成とする。
あるいは、前記苗植付部4を上昇させてから、左右の後輪回転センサ78,78が所定の回転数を検知するまでに前記ハンドルポテンショメータ74がハンドル34の操作を検知しないときは、苗の植付終了後に直進走行したものと判断し、旋回連動スイッチ113を強制的に「切」操作し、苗植付部4の下降操作及び植付クラッチ25aの連結操作を、作業者が手動操作で行う制御構成としてもよい。
上記の制御構成としたことにより、苗や肥料の補充作業または休憩後に走行車体2を旋回開始位置に後進走行で移動させ、その後旋回走行を行ったときに、旋回前の前後進時にカウントされた左右の後輪回転センサ78,78の回転数が旋回終了後に反映され、苗植付部4が下降すると同時に、または苗植付部4の下降よりも早いタイミングで植付クラッチ25aが連結されて苗の植付作業が開始されることが防止されるので、苗の植付開始位置が苗の植付終了位置とずれた位置になることが防止され、苗の植付精度が向上すると共に、空中で苗が掻き取られて地面に落とされることが防止され、苗が無駄に消費されることが防止される。
加えて、落下した苗が圃場内で根付いて成長し、作業者の意図しない位置に苗が植生することを防止できるので、作物の収穫作業が計画的に行えると共に、苗同士の間隔が狭まって風通しが悪くなり、病害虫が発生することが防止される。
なお、上記の構成では旋回連動スイッチ113は旋回終了後も「切」操作されたままであるので、上記条件を満たした際に連動停止通知ブザー114aが作動して音声で作業者に「切」操作を通知する構成としたり、前記操作パネル33に設ける連動停止通知ランプ114bが点灯して視覚情報で作業者に「切」操作を通知する構成としたりしてもよい。
図21から図25で示すとおり、前記作業座席31の左前側で且つ、前記ボンネット32の下側で且つ機体左側に、デフ操作レバーガイド94aを形成したデフ操作パネル94を上下方向に立てて設け、該デフ操作レバーガイド94aを貫通させて側面視で「へ」の字形のデフアーム93を設ける。
該デフアーム93の屈曲部には、メインフレーム15に回動軸(図示省略)を介して取り付ける回動支点を形成して前後方向に回動自在に構成し、連繋ワイヤ95を、前記デフアーム93の前端部側とデファレンシャルギア機構(図示省略)のデフペダルアームに亘って設ける。そして、前記デフアーム93の前端部に、作業者が機体前側からデフアーム93を操作するフロントデフグリップ96を左右方向に回動自在に設け、該フロントデフグリップ96を操作していないと機体左側の外側方向へと付勢する第1スプリング97をデフ操作パネル94とに亘って配置する。
さらに、前記デフ操作パネル94にはエンジン20のスロットルを操作して回転数を増減させるエンジン回転ワイヤ98を貫通させており、該エンジン回転ワイヤ98の端部を、フロントデフグリップ96に取り付ける。
そして、前記フロアステップ35から下方に向けて第2スプリング99を設け、前記デフアーム93の回動支点よりも後部とフロアステップ35を該第2スプリング99で連繋し、デフアーム93を下方に付勢する構成とすると共に、該デフアーム93の後端部側を、作業座席31の左側の下部側方に設ける後側デフ操作パネル100に形成した後側デフ操作レバーガイド100aを貫通させる。さらに、デフアーム93の後端部には、作業座席31に着座した作業者が手作業で操作する、リアデフグリップ101を設ける。
前記デフ操作パネル94には、上下方向に長い溝と、この上下溝の上部側に左右方向の溝からなるデフ操作レバーガイド94aが形成されており、上下溝の下端部にデファレンシャルギア機構を作動させない状態でフロントデフグリップ96が位置する「切」ポジションを形成する。また、横溝のうち、上下溝に近い側にデファレンシャルギア機構が「入」となるデフ「入」ポジションを形成すると共に、上下溝から遠い側に、エンジン20の回転数を最大にするアクセル最大ポジションを形成する。なお、各ポジションには、それぞれ上下方向の切溝が形成されており、この切溝に差し込み可能な前側突起102が、前記フロントデフグリップ96の下側に取り付けられている。
「切」ポジションの切溝に前側突起102を差し込むと、デファレンシャルギア機構は非作動状態となり、左右の前輪10,10が独立して作動する。そして、デフ「入」ポジションの切溝に前側突起102を差し込むと、デファレンシャルギア機構がロック状態となって左右の前輪10,10が連動して回転する構成としている。さらに、アクセル最大ポジションの切溝に前側突起102を差し込むと、エンジン回転ワイヤ98が最大まで引っ張られて、エンジン20の回転数が最大まで上昇する構成としている。
また、前記後側デフ操作パネル100には左右方向にも幅の広い後側デフ操作レバーガイド100aが形成されており、リアデフグリップ101は第2スプリング99の付勢力により、非操作時はこの上下溝の上側にリアデフグリップ101が位置する構成である。後側デフ操作レバーガイド100aの下方で且つ機体内側には、機体内側に向かって上方傾斜する溝部が形成されており、前記デフアーム93の機体内側には、上方傾斜姿勢の後側突起103が設けられており、この後側突起103を後側デフ操作レバーガイド100aの溝部に差し込むと、デファレンシャルギア機構がロック状態となって左右の前輪10,10が連動して回転する構成としている。
上記構成により、作業者は作業座席31に着座した状態、または走行車体2から降りた状態のいずれのときでも、前輪10,10が空転して旋回できなくなると、フロントデフグリップ96またはリアデフグリップ101を操作してデファレンシャルギア機構をロック状態に切り替えることができるので、圃場端の旋回時等に泥土に足を取られても作業が中断されること無く、作業能率が向上する。
従来は、走行車体2の外側から走行車体2上のデフロックペダルを操作することはできなかったため、作業者はデフロックペダル92を踏みに走行車体2上に再度上がる必要があったため、作業能率が低下する問題があった。
本案では、デフロックペダルがフロアステップ35から上方に突出していないため、フロアステップ35を移動する際にデフロックペダルが作業者の足に引っ掛かることが防止され、作業能率が向上するとともに、安全性が向上する。
そして、デファレンシャルギア機構だけでなく、フロントデフグリップ96をアクセル最大ポジションに操作すると、エンジン20の回転数が最大まで上昇するため、圃場の泥土の粘性が高く、デファレンシャルギア機構だけでは泥濘から脱出できないことがあっても、出力を上げることにより泥土の抵抗を上回らせることができるので、走行作業が妨げられることが防止され、作業能率が向上する。
さらに、第1スプリング97と第2スプリング99によって、デフアーム93とフロントデフグリップ96が切溝に引っ掛けられていない、非操作状態になると自動的にデファレンシャルロック機構が非作用状態になると共にエンジン20の回転数が低下する構成としているので、デファレンシャルロック機構やエンジン20の高い回転数が必要な箇所を通過した後、軽くデフアーム93及びフロントデフグリップ96を操作すれば作業状態を変更することができるので、操作性や作業能率が向上する。
上記のデファレンシャルギア機構をロックすると、左右の前輪10,10の回転が同調するため、ぬかるみの強い圃場端であっても泥土に足を取られることなく走行することができ、旋回走行が能率よく行えるという利点があるが、反面、旋回軌跡が大きくなるため、旋回後に次の苗の植付作業条に走行車体2の進行方向を合わせることが困難になる、という問題が生じる。
上記の問題を解消すべく、図10、図26で示す通り、前記デフ「入」ポジションにデフ検知スイッチ103を設け、前記左右の後輪11,11のうち、ハンドル34を操作して旋回走行が開始されると旋回内側の後輪11の回転駆動にブレーキをかけて極端に回転数を減少させるサイドブレーキ機構104に、該サイドブレーキ機構104の効果量を変更して後輪11の回転数を増減させるブレーキアクチュエータ105を設ける。
そして、前記デフアーム93を操作して前側突起102がデフ「入」ポジションに入り込んでデフ検知スイッチ103が「入」になると、前記ブレーキアクチュエータ105が伸張してサイドブレーキ機構104の効果量を増大させ、旋回内側の後輪11の回転数を通常の旋回走行時よりも小さくする制御構成とする。
上記の構成とすることにより、旋回内側の後輪11が圃場面の接地抵抗以外で略回転しなくなり、駆動回転する旋回外側の後輪11と該旋回内側の後輪11による走行の旋回半径を小さくすることができるので、左右の前輪10,10の回転を同期させて大きくなる前輪11,11の旋回半径が小さく抑えられ、苗移植機全体の旋回半径が小さくなり、旋回後の苗の植付開始位置への進行方向の調節が容易になり、作業能率や苗の植付精度が向上する。
また、表面から耕盤までの深さが深い圃場では、前記左右の後輪車軸18a,18aに、外側に左右の補助車輪106,106を各々設け、苗移植機が泥土に足を取られたり、圃場に過度に沈み込んだりすることを防止することがある。
しかしながら、該左右の補助車輪106,106を装着すると、左右幅の大きい車輪を装着した状態になるので、旋回時の旋回半径が大きくなり、上記のデファレンシャルロック機構と同じく、次の苗の植付開始位置に苗移植機を移動させることが困難になる問題がある。
上記の問題を解消すべく、図10、図27及び図28に示す通り、前記左右の補助車輪106,106を左右の後輪車軸18a,18aに取り付けられていることを検知する補助車輪センサ107を設ける、または左右の補助車輪106,106を装着すると作業者が操作し、制御装置200に認識させる補助車輪スイッチ108を設ける構成とする。
該補助車輪センサ107が検知状態である、または補助車輪スイッチ108が「入」操作されているときは、前記ブレーキアクチュエータ105を伸張させてサイドブレーキ機構104の効果量を増大させ、旋回内側の後輪11の回転数を通常の旋回走行時よりも小さくする制御構成とする。
これにより、旋回内側の後輪11と補助車輪106が圃場面の接地抵抗以外で略回転しなくなり、駆動回転する旋回外側の後輪11と補助車輪106、ならびに該旋回内側の後輪11と補助車輪106による走行の旋回半径を小さくすることができるので、苗移植機全体の旋回半径が小さくなり、旋回後の苗の植付開始位置への進行方向の調節が容易になり、作業能率や苗の植付精度が向上する。
図2、図10及び図29で示す通り、作業座席31の左右一側には、2つの植付伝動ケース53,53への駆動力の伝動を各々遮断して、部分的に苗の植付作業を停止させる2つの部分条クラッチ操作レバー121,121を設けている。作業者は、圃場端での苗植付作業時に走行車体2と苗植付部4が通過する幅を圃場端に確保すべく、左右の部分条クラッチ操作レバー121,121のいずれか一方を操作して、対応する植付伝動ケース53への駆動力の伝動を遮断し、該植付伝動ケース53に設ける一対の植付ロータリ55,55の回転駆動を停止させて苗の植付を中断させる。
部分条クラッチレバー121を「切」操作して作業を行うときは、苗移植機は圃場端に接近する位置を通過するが、圃場の隅で90度旋回すべくハンドル34を操作すると、オートリフト機構によって苗植付部4が上昇する。田園地帯など、圃場の周辺に何も無い場所であれば問題はないが、近くに住宅があり、ブロック塀が隣接している圃場や、圃場の隅に電柱等の障害物があるときは、上昇した苗植付部4が上記の障害物に接触し、傷付いたり、破損したりする問題がある。オートリフト機構を「切」操作することも可能ではあるが、「切」操作すると旋回開始時に作業者が手動で作業操作レバー80を上昇位置まで操作して苗植付部4を上昇させなければならない。このとき、片手でハンドル34を操作しながら、もう片方の手で作業操作レバー34を操作する必要があり、操作に手間取り作業能率が低下する、あるいは旋回軌跡が乱れてしまい、進行方向の修正を行なう必要が生じ、操作性が低下する問題がある。特に、植付作業から旋回操作に移行する際、作業操作レバー80は上昇位置から最も離間した下降位置に操作されているので、操作性が更に低下するおそれがある。
上記の問題を防止すべく、2つの部分条クラッチ操作レバー121,121を「切」操作したことを検知する2つの部分条検知スイッチ122,122を各々設け、該2つの部分条検知スイッチ122,122のうち、どちらか一方だけが部分条クラッチ操作レバー121が「切」操作されたことを検知すると、ハンドル34を旋回走行と認識する角度まで操作しても、制御装置200は油圧バルブ44aの作動信号を発信させず、オートリフト機構を作動させない構成とする。
なお、2つの部分条検知スイッチ122,122が両方とも2つの部分条クラッチ操作レバー121,121の「切」操作を検知しているときは、苗植付部4を非植付作業高さまで上昇させた状態であり、オートリフト機構は作動し得ない。また、2つの部分条検知スイッチ122,122が両方とも2つの部分条クラッチ操作レバー121,121の「切」操作を検知していないときは、苗の植付作業中である。
上記の制御構成としたことにより、圃場端での作業中、苗植付部4をブロック塀や電柱などの障害物にぶつけて傷つけたり、破損させたりすることを防止できるので、苗植付部4の耐久性が向上すると共に、苗植付部4が破損して苗の植付作業が中断されることが防止される。
図30、図31(a)(b)で示す通り、苗植付部4を構成する左右の植付フレーム4a,4aを設け、該左右の植付フレーム4a,4aを連結フレーム4bで連結する。該連結フレーム4bは、前記複数の苗送り装置52,52の非搬送作用側、即ち機体前側に設け、該連結フレーム4bの機体後部側に、複数の苗送り装置52,52の非搬送作用面に接触して付着した泥土や苗の根屑等の夾雑物を擦り落とすスクレーパ122…を、苗送り装置52,52…の数と同数配置する。本件の構成例としている4条の苗移植機には、苗送り装置52,52が計8個設けられるので、スクレーパ122も8個設けることになる。
なお、スクレーパ122の表面は、軟質材で構成するブラシ毛を多数集めて構成し、苗送り装置52,52との接触の際に接触する摩擦で苗送り装置52,52を破損させ難い構成とする。
該複数のスクレーパ122…は、苗植付部4の左右スライドによって、回転駆動していない苗送り装置52,52…の非搬送作用面に付着した夾雑物を擦り落とす。該複数のスクレーパ122…で夾雑物を擦り落とせる範囲は狭いが、泥土の塊や葉や根の屑は、一箇所を擦れば纏まって落ちやすいものであり、十分な効能を発揮し得る。
前記苗植付部4が左右スライド方向の端部まで移動すると、左右の植付フレーム4a,4a及び連結フレーム4bを一体で上方に持ち上げ移動させると共に、苗送り装置52,52…の作動機構(図示省略)を作動させ、植込杆54,54が苗を取り損ねることがないように、苗を所定量下方に移動させる構成としている。
上記により、苗送り装置52,52…が作動するときにはスクレーパ122…は上方に離間するので、苗送り装置52,52…の回転駆動が抵抗によって乱れたり停止したりすることを防止できるので、苗が確実に下方に送られ、植込杆54,54が苗を取り損なうことがなく、作業者が苗を植え付けられていない箇所に手作業で苗を植え付ける作業が省略される。
2 走行車体
4 苗植付部
11 後輪(走行装置)
72 左右切替ソレノイド(マーカ切替部材)
76 畦際作業スイッチ(畦際検知部材)
76a 発光体
77 マーカ作動センサ(作動回数検知部材)
78 後輪回転センサ(走行回転検知装置)
79 傾斜センサ(傾斜検知部材)
80 作業操作レバー(作業操作部材)
81 調節下降ボタン(調節下降部材)

Claims (6)

  1. 走行車体(2)の後部に圃場に苗を植え付ける苗植付部(4)を昇降自在に設け、該走行車体(2)を旋回走行させると所定の位置で該苗植付部(4)を下降させる旋回連動機構を設け、前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)を回動自在に設け、該操舵部材(34)の回動角度を検知する操舵角検知部材(74)を設け、前記走行車体(2)の走行速度を変速操作する走行操作部材(111)を設け、該走行操作部材(111)の操作量を検知する前記操作量検知部材(112)を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始角度を検知したとき、前記操作量検知部材(112)の検知に基づいて、前記制御装置(200)は旋回走行速度が高速であると判断すると、前記苗植付部(4)を下降させる前記所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成としたことを特徴とする苗移植機。
  2. 走行車体(2)の後部に圃場に苗を植え付ける苗植付部(4)を昇降自在に設け、該走行車体(2)を旋回走行させると所定の位置で該苗植付部(4)を下降させる旋回連動機構を設け、前記走行車体(2)の左右の後輪(11,11)の回転数を検知する左右の回転検知部材(78,78)を各々設け、前記走行車体(2)の走行速度を変速操作する走行操作部材(111)を設け、該走行操作部材(111)の操作量を検知する前記操作量検知部材(112)を設け、前記左右の回転検知部材(78,78)が旋回走行の開始角度を検知したとき、前記操作量検知部材(112)の検知に基づいて、前記制御装置(200)は旋回走行速度が高速であると判断すると、前記苗植付部(4)を下降させる前記所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成としたことを特徴とする苗移植機。
  3. 走行車体(2)の後部に圃場に苗を植え付ける苗植付部(4)を昇降自在に設け、該走行車体(2)を旋回走行させると所定の位置で該苗植付部(4)を下降させる旋回連動機構を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始角度を検知してから終了角度を検知するまでの時間を測定する時間検知部材(201)を設け、前記走行車体(2)の走行速度を変速操作する走行操作部材(111)を設け、該走行操作部材(111)の操作量を検知する前記操作量検知部材(112)を設け、該時間検知部材(201)が検知した前記操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始角度を検知してから終了角度を検知するまでの時間が所定時間未満であると、前記制御装置(200)は旋回走行速度が高速であると判断し、前記苗植付部(4)を下降させる前記所定の位置を旋回走行の終了側に変更する構成としたことを特徴とする苗移植機。
  4. 前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)を回動自在に設け、該操舵部材(34)の回動角度を検知する操舵角検知部材(74)を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始を検出してから前記左右の第2の走行条件検知部材(78,78)が所定値以上の回転数を検知する間に、前記操舵角検知部材(74)の検知角度が所定値以下になるときは、制御装置(200)は旋回連動機構を解除し、前記苗植付部(4)の下降を行わない構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
  5. 前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)を回動自在に設け、該操舵部材(34)の回動角度を検知する操舵角検知部材(74)を設け、該操舵角検知部材(74)が旋回走行の開始を検出してから前記時間検知部材(201)に設定された所定時間内に、該左右の第2の走行条件検知部材(78,78)の回転数の差が所定値以上にならないときは、制御装置(200)は旋回連動機構を解除し、前記苗植付部(4)の下降を行わない構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
  6. 前記旋回連動機構が解除されると、制御装置(200)は旋回連動機構の解除を通知する連動解除通知部材(114a,114b)を設けたことを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の苗移植機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016082946A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 井関農機株式会社 作業車両
JP2020115889A (ja) * 2016-05-26 2020-08-06 株式会社クボタ 時間ベース管理システム

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