JP3822410B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、nチャネルMOSトランジスタを用いた電圧変換回路に関し、特に不揮発性半導体メモリのローデコーダに利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来の不揮発性半導体メモリのローデコーダについて説明する。
【0003】
図13は、従来の不揮発性半導体メモリにおける一例のローデコーダの回路図である。図14は、前記ローデコーダの動作時のタイミングチャートである。図13に示すローデコーダにて、ワード線W1−0〜W1−15のうちの1本のワード線を高電圧Vppにすることにより、メモリセルに書き込みを行う場合を説明する。ここでは、ワード線W1−0を選択し、高電圧Vppにするものとする。なお、ワード線W1−16〜W1−31は、非選択のワード線群である。
【0004】
ワード線W1−0〜W1−15を有する選択ブロック(図13の上段参照)では、ワード線W1−0を選択する場合、AND回路D31の出力は電源電圧Vddとなり、nチャネルMOSトランジスタ(以下nMOSトランジスタ)TR31はデプレッション型のトランジスタでオンしているため、図14に示すように、ノードB0は最初Vddに充電される。その後、ノードAに0Vを印加すると、nMOSトランジスタTR31はカットオフされ、ノードB0はVddのまま保持される。
【0005】
ノードCは、ノードB0が電源電圧VddであるためnMOSトランジスタTR32がオンしていることから、このnMOSトランジスタTR32のドレインに印加される高電圧Vppにより充電される。このとき、ノードCは、ノードB0の電圧V(B0)からnMOSトランジスタTR32のしきい値電圧Vtを引いた電圧まで充電される。
【0006】
信号φは発振器の出力であり、図14に示すような発振信号φがキャパシタC31の一端に入力される。また、nMOSトランジスタTR33はオンしているため、ノードCの電荷がノードB0へと流れ、ノードB0の電位は上昇する。前述のように動作しノードCの電荷がノードB0へと流れる場合の条件は、ノードCの電位をV(C)、ノードB0の電位をV(B0)、nMOSトランジスタTR32、TR33のしきい値電圧をVtとすると次のようになる。
【0007】
V(C)+Vdd−Vt>V(B0)
V(B0)−Vt+Vdd−Vt>V(B0)
したがって、Vdd>2Vt
この条件、Vdd>2Vtが満たされるならば、ノードB0の電位はVpp−Vt+Vddまで上昇する。このノードB0の電位はトランジスタTRW0のゲートに入力され、nMOSトランジスタTRW0がオンする。ここで、入力信号RA0がVppまで上昇すれば、nMOSトランジスタTRW0がオンしているため、ワード線W1−0の電位は高電圧Vppとなる。
【0008】
なお、ワード線W1−16〜W1−31を有する非選択ブロック(図13の下段参照)では、AND回路D31の出力は0Vとなり、nMOSトランジスタTR31がオンしているため、ノードB1の電位は0Vになる。この場合、入力信号RA0がVppまで上昇しても、ノードB1の電位はこれを通すのに充分な電位になっておらず、ワード線W1−16〜W1−31W1−0が高電圧Vppとなることはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示したローデコーダでは、不揮発性半導体メモリが大容量化するにつれて、そのローデコーダの数が増加するため、発振信号φの駆動する負荷が非常に大きくなってくる。発振信号φが十分に振幅しないと、ノードB0の電位が上昇せず、ワード線を適正な電位にすることができない。したがって、図13に示したローデコーダは、大容量化に適していない。
【0010】
また、図13に示したローデコーダでは、前述したように電源電圧Vddの下限値はVdd>2Vtで制限される。ノードB0を高い電圧にしようとすると、しきい値電圧Vtは基板バイアス効果で高くなるため、Vddを下げるのはいよいよ苦しくなる。したがって、図13に示したローデコーダは、電源電圧Vddの低電圧化に対応できない。また、キャパシタを設けなければならないため、大きな回路面積を必要とする。さらに、発振信号を用いるため、消費電力が大きくなる。
【0011】
前述の課題を対策したものとして、図15に示すようなローデコーダがある。
【0012】
図15は、従来の不揮発性半導体メモリにおける別例のローデコーダの回路図である。なお、図15は、選択するワード線が存在する選択ブロックのみを示し、選択するワード線が存在しない非選択ブロックは示していない。図16は、前記ローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【0013】
ワード線W1−0を選択する場合、AND回路D31の出力は電源電圧Vddとなり、nMOSトランジスタTR41、TR42はそれぞれのゲートにVddが印加されてオンしているため、図16に示すように、ノードD、EはVdd−Vtに充電される。そして、入力信号RA0を0Vから高電圧Vppに持ち上げる。すると、nMOSトランジスタTRW0のゲート電位はチャネルとの容量結合で持ち上がっているため、高電圧Vppがワード線W1−0に転送される。入力信号RA1〜RA15は0Vのままであるため、ワード線W1−1〜W1−15も0Vのままである。なお、非選択ブロックは図示していないが、AND回路D31の出力が0Vであるため、ノードD、Eが充電されることはなく、入力信号RA0〜RA15〜がワード線W1−16〜W1−31に転送されることはない。
【0014】
このように構成されたローデコーダでは、発振信号φ及びキャパシタが必要なく、さらに電源電圧Vddの下限値はVdd>Vtであればよい。しかし、図15に示したこのローデコーダでは、ワード線1本に1個のnMOSトランジスタTR41あるいはnMOSトランジスタTR42を必要とするため、回路面積が著しく大きくなる。さらに、不揮発性半導体メモリでは、前記nMOSトランジスタTR41あるいはTR42に高電圧がかかるため、これらnMOSトランジスタは通常のトランジスタより大きな回路面積を必要とする。
【0015】
また、図17に示すようなローデコーダでは、前記nMOSトランジスタを共通の1個にして回路面積の増大を防止できるが、この場合にはブート効率が著しく低下してしまう。
【0016】
そこでこの発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、不揮発性半導体メモリにおける大容量化、低電圧化に適しており、消費電力も低減することができるローデコーダを有する半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明に係る半導体集積回路は、第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタとを具備し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給して、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態にして前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする。
【0018】
また、この発明に係る半導体集積回路は、第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタと、第4のゲート及び第4の電流経路を有し、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端の電位が前記第4のゲートに供給される第4のMOSトランジスタとを具備し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給して、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、前記第3のゲートがチャージされた第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の他端に前記第2の電位を供給して、前記第4のMOSトランジスタの第4のゲートをチャージし、前記第4のMOSトランジスタの第4のゲートをフローティング状態にして前記第4のMOSトランジスタの第4の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係る半導体集積回路は、第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートと第2の電流経路の他端との間に接続された第1のキャパシタとを具備し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給して、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする半導体集積回路。
【0020】
また、この発明に係る半導体集積回路は、第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートと第2の電流経路の他端との間に接続された第1のキャパシタと、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートと第3の電流経路の一端との間に接続された第2のキャパシタとを具備し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給して、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給して、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態にして前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、この発明の第1の実施の形態の半導体集積回路について説明する。ここでは、不揮発性半導体メモリであるNAND型フラッシュメモリのローデコーダを例にとる。
【0024】
図1(a)、(b)は、第1の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。図1(a)は、選択するワード線が存在する選択ブロックを示し、図1(b)は、選択するワード線が存在しない非選択ブロックを示している。このローデコーダの選択ブロックの回路構成は次のようになっている。
【0025】
図1(a)に示すように、ノードN1は、nチャネルMOSトランジスタ(以下nMOSトランジスタ)TR1のゲートに接続され、ノードN2はnMOSトランジスタTR1のドレインに接続される。このnMOSトランジスタTR1のソース(ノードN3)は、nMOSトランジスタTR2のゲートに接続される。
【0026】
前記nMOSトランジスタTR2のドレインには信号電圧V1が入力され、このnMOSトランジスタTR2のソース(ノードN4)はワード線側のnMOSトランジスタTRW0〜TRW15のゲートにそれぞれ接続される。
【0027】
入力信号RA0は、ワード線W1−0に接続されたnMOSトランジスタTRW0のドレインに入力され、入力信号RA1はワード線W1−1に接続されたnMOSトランジスタTRW1のドレインに入力される。同様に、入力信号RA2〜RA15は、ワード線W1−2〜W1−15にそれぞれ接続されたnMOSトランジスタTRW2〜TRW15のドレインにそれぞれ入力される。これらのワード線W1−0〜W1−15には、メモリセルのゲートが接続されている(図1(a)にはメモリセルは図示していない)。
【0028】
また、ローデコーダの非選択ブロックの回路構成は次のようになっている。
【0029】
図1(b)に示すように、前記選択ブロックと同様に、ノードN1は、nチャネルMOSトランジスタ(以下nMOSトランジスタ)TR1のゲートに接続され、ノードN2はnMOSトランジスタTR1のドレインに接続される。このnMOSトランジスタTR1のソース(ノードN3)は、nMOSトランジスタTR2のゲートに接続される。
【0030】
前記nMOSトランジスタTR2のドレインには信号電圧V1が入力され、このnMOSトランジスタTR2のソース(ノードN4)はワード線側のnMOSトランジスタTRW16〜TRW31のゲートにそれぞれ接続される。
【0031】
入力信号RA0は、ワード線W1−16に接続されたnMOSトランジスタTRW16のドレインに入力され、入力信号RA1はワード線W1−17に接続されたnMOSトランジスタTRW17のドレインに入力される。同様に、入力信号RA2〜RA15は、ワード線W1−18〜W1−31にそれぞれ接続されたnMOSトランジスタTRW18〜TRW31のドレインにそれぞれ入力される。これらのワード線W1−16〜W1−31には、メモリセルトランジスタのゲートが接続されている。
【0032】
次に、前記第1の実施の形態のローデコーダの動作について説明する。
【0033】
図2は、このローデコーダの動作時のタイミングチャートである。図1(a)、(b)に示すローデコーダにて、ワード線W1−0〜W1−15のうちの1本のワード線を高電圧Vppにすることにより、メモリセルに書き込みを行う場合を説明する。ここでは、ワード線W1−0を選択し、高電圧Vppにするものとする。なお、ワード線W1−16〜W1−31は、非選択のワード線群である。
【0034】
図1(a)に示す選択ブロックにおいて、ノードN1には常に電源電圧Vddが入力されており、nMOSトランジスタTR1はオン状態にある。ノードN2には、電源電圧Vddのレベルで動作するデコード回路の出力部が接続されている。この選択ブロックでは、ワード線W1−0〜W1−15のうちのいずれか(ここではワード線W1−0)が選択されるため、ノードN2にはVddが入力される。
【0035】
ノードN2にVddが入力されると、nMOSトランジスタTR1を電流が流れ、ノードN3はVdd−Vtまで充電される。Vtは、nMOSトランジスタTR1のしきい値電圧である。この充電が終了すると、nMOSトランジスタTR1はカットオフし、ノードN3はフローティング状態になる。
【0036】
その後、信号電圧V1を0VからVppまで上昇させる。なお、ここでは信号電圧V1を、書き込みワード線レベルと同じVppまで上昇させている。ノードN3がVdd−Vtである場合、nMOSトランジスタTR2は、最初にオンしているので、nMOSトランジスタTR2のチャネル電位が0VからVppまで変化するのに従って、ノードN3の電位はチャネルとの容量結合によりVpp+Vdd−Vtまで上昇する。このとき、nMOSトランジスタTR2はオンしており、ノードN3の電位Vpp+Vdd−VtはVpp−Vtより高いため、nMOSトランジスタTR2でしきい値落ちすることはない。したがって、ノードN4の電位は、信号電圧V1の電位であるVppまで充電される。
【0037】
次に、ノードN2を0Vに設定する。すると、ノードN3もこれに従って0Vになり、nMOSトランジスタTR2はオフする。これにより、ノードN4がフローティング状態になる。
【0038】
ノードN4がフローティング状態になった後、入力信号RA0をVpp、RA1〜RA15をVpass(<Vpp)まで上昇させると、ノードN4の電位はチャネルとの容量結合により図2に示すように、Vpppassまで上昇する。これによって、nMOSトランジスタTRW0〜TRW15がオンし、入力信号RA0〜RA15がワード線W1−0〜W1−15にそれぞれ入力されて、ワード線W1−0〜W1−15に所望の電位が供給される。ここで、Vpass<Vpp<Vpppassという関係を満たしている。
【0039】
一方、図1(b)に示す非選択ブロックにおいても、ノードN1には常に電源電圧Vddが入力されており、nMOSトランジスタTR1はオン状態にある。ノードN2には、電源電圧Vddのレベルで動作するデコード回路の出力部が接続されている。非選択ブロックでは、ノードN2に0Vが入力され、nMOSトランジスタTR1がオンしているため、ノードN3も0Vになる。このため、nMOSトランジスタTR2はオフになる。この場合、nMOSトランジスタTRW16〜TRW31はオンせず、入力信号RA0〜RA15がワード線W1−16〜W1−31に入力されることはない。
【0040】
このように構成された第1の実施の形態のローデコーダの効果を列記すると、次のようになる。
【0041】
高電圧を転送するために、nMOSトランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要ないため、回路面積を低減できる。キャパシタが不要のため、キャパシタに入力する発振信号も必要ないので、大容量化に適しており、さらに消費電力も低減できる。また、高電圧を転送するためのゲート電位(ノードN4の電位)を発生するのに、電源電圧を直接使用していないので低電圧化に適している。
【0042】
また、nMOSトランジスタTR1をオフするためにノードN1の電位のタイミング設定が必要ないため、回路を簡素化できる。さらに、このタイミングを取るための配線引き回しが必要ないため、回路面積を低減できる。さらに、余計なタイミングが必要ないので、高速化に適している。図13、図15に示した従来のローデコーダに比べて、構成に必要な素子数を少なくできるため、高集積化に適している。
【0043】
また、不揮発性半導体メモリのデコーダをnMOSトランジスタだけで構成できるため、回路面積(チップサイズ)を小さくすることができるとともに、nMOSトランジスタに比べて大きな容量を持つpMOSトランジスタを駆動しなくてよいため、消費電力を減らすことができる。また、不揮発性メモリでは、書き込みなどで高電圧をワード線に印加する必要があるが、この実施の形態を適用すれば容易に高電圧を転送することができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位(ノードN4の電位)を発生する電圧変換部(nMOSトランジスタTR1、TR2等)を複数のワード線で共用できるため、回路面積(チップサイズ)を小さくすることができる。
【0044】
以上説明したようにこの第1の実施の形態では、トランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要なく、このキャパシタに入力する発振信号も必要ないため、大容量化に適したものとすることができると共に、消費電力の増大を防ぐことができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位を発生させるのに、電源電圧Vddを直接使用していないため、電源電圧Vddの低電圧化に適したものとすることができる。
【0045】
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施の形態の半導体集積回路について説明する。
【0046】
図3は、第2の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。図4は、このローデコーダの動作時のタイミングチャートである。このローデコーダは、図1に示した第1の実施の形態において、nMOSトランジスタTR1をデプレッション型(ノーマリーオン)のnMOSトランジスタTR3に換えたものであり、その他は第1の実施の形態と同様である。なお、図3には、選択するワード線が存在する選択ブロックのみを示し、非選択ブロックについては省略している。
【0047】
図3に示す選択ブロックにおいて、nMOSトランジスタTR3はデプレッション型のトランジスタであり、またノードN2には電源電圧Vddのレベルで動作するデコード回路の出力部が接続されている。選択ブロックでは、ワード線W1−0〜W1−15のうちのいずれか(ここではワード線W1−0)が選択されるため、ノードN2にはVddが入力される。
【0048】
ノードN1及びノードN2にVddが入力されると、nMOSトランジスタTR3がオンし、ノードN3はVddまで充電される。この充電が終了した後、ノードN1に0Vを入力する。すると、nMOSトランジスタTR3はカットオフし、ノードN3はフローティング状態になる。
【0049】
その後、信号電圧V1を0VからVppまで上昇させる。なお、ここでは信号電圧V1を、書き込みワード線レベルと同じVppまで上昇させている。ノードN3がVddである場合、nMOSトランジスタTR2は最初オンしているので、nMOSトランジスタTR2のチャネル電位が0VからVppまで変化するのに従って、ノードN3の電位はチャネルとの容量結合によりVpp+Vddまで上昇する。このとき、nMOSトランジスタTR2はオンしているので、ノードN4は信号電圧V1に従ってVppまで充電される。
【0050】
次に、ノードN2を0Vに設定する。すると、ノードN3もこれに従って0Vになり、nMOSトランジスタTR2はオフする。これにより、ノードN4がフローティング状態になる。
【0051】
ノードN4がフローティング状態になった後、入力信号RA0をVpp、RA1〜RA15をVpassまで上昇させると、ノードN4の電位はチャネルとの容量結合により図4に示すように、Vpppassまで上昇する。これによって、nMOSトランジスタTRW0〜TRW15がオンし、入力信号RA0〜RA15がワード線W1−0〜W1−15にそれぞれ入力されて、ワード線W1−0〜W1−15に所望の電位が供給される。
【0052】
一方、図示しない非選択ブロックにおいても、ノードN1には常にnMOSトランジスタTR3のしきい値電圧以上の電圧が入力されており、nMOSトランジスタTR3はオン状態にある。ノードN2には、電源電圧Vddのレベルで動作するデコード回路の出力部が接続されている。非選択ブロックでは、ノードN2に0Vが入力され、nMOSトランジスタTR3がオンしているため、ノードN3も0Vになる。このため、nMOSトランジスタTR2はオフになる。この場合、nMOSトランジスタTRW16〜TRW31はオンせず、入力信号RA0〜RA15がワード線W1−16〜W1−31に入力されることはない。
【0053】
前述したように、このローデコーダでは、ノードN3の初期充電がVddとなるので、nMOSトランジスタTR2のチャネルとの容量結合により電位上昇するノードN3は、図4に示すように、第1の実施の形態に比べてnMOSトランジスタTR1のしきい値電圧Vt分だけ電位が高くなる。したがって、nMOSトランジスタTR2は、十分に信号電圧V1をノードN4に転送することができる。
【0054】
このように構成された第2の実施の形態のローデコーダの効果を列記すると、前記第1の実施の形態と同様に次のようになる。
【0055】
高電圧を転送するために、nMOSトランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要ないため、回路面積を低減できる。キャパシタが不要のため、キャパシタに入力する発振信号も必要ないので、大容量化に適しており、さらに消費電力も低減できる。また、高電圧を転送するためのゲート電位(ノードN4の電位)を発生するのに、電源電圧を直接使用していないので低電圧化に適している。
【0056】
また、nMOSトランジスタTR2のゲートに接続されたnMOSトランジスタTR3にデプレッション型を用いることにより、nMOSトランジスタTR2のゲートに十分な電圧を供給できるため、電源マージンを増加させること、すなわち動作可能な電圧の範囲を広げることができる。図13、図15に示した従来のローデコーダに比べて、構成に必要な素子数を少なくできるため、高集積化に適している。
【0057】
また、不揮発性半導体メモリのデコーダをnMOSトランジスタだけで構成できるため、回路面積(チップサイズ)を小さくすることができるとともに、nMOSトランジスタに比べて大きな容量を持つpMOSトランジスタを駆動しなくてよいため、消費電力を減らすことができる。また、不揮発性メモリでは、書き込みなどで高電圧をワード線に印加する必要があるが、この実施の形態を適用すれば容易に高電圧を転送することができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位(ノードN4の電位)を発生する電圧変換部(nMOSトランジスタTR1、TR2等)を複数のワード線で共用できるため、回路面積(チップサイズ)を小さくすることができる。
【0058】
以上説明したようにこの第2の実施の形態では、トランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要なく、このキャパシタに入力する発振信号も必要ないため、大容量化に適したものとすることができると共に、消費電力の増大を防ぐことができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位を発生させるのに、電源電圧Vddを直接使用していないため、電源電圧Vddの低電圧化に適したものとすることができる。また、デプレッション型のnMOSトランジスタを用いることにより、ノードN3の初期充電がVddとなるため、nMOSトランジスタTR2のチャネルとの容量結合により電位上昇するノードN3は、第1の実施の形態に比べてnMOSトランジスタのしきい値電圧Vt分だけ電位が高くなる(Vpp+Vdd)。これにより、nMOSトランジスタTR2は、十分に信号電圧V1をノードN4に転送することができる。
【0059】
[第3の実施の形態]
次に、この発明の第3の実施の形態の半導体集積回路について説明する。
【0060】
図5は、第3の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。このローデコーダは、図1に示した第1の実施の形態において、ノードN4と信号電圧V1の間に、ノードN4の電位を制限するためのダイオード接続のnMOSトランジスタTR4、TR5を設けたものであり、その他は第1の実施の形態と同様である。なお、図5には、選択するワード線が存在する選択ブロックのみを示し、非選択ブロックについては省略している。
【0061】
前述した前記第1の実施の形態のローデコーダでは、ノードN4の電位は信号電圧V1と同程度になっている。しかし、入力信号RA0〜RA15によってさらにブートがかかると、トランジスタの耐圧上好ましくない電位まで上昇する可能性がある。
【0062】
そこで、この第3の実施の形態のローデコーダでは、ノードN4の電位が信号電圧V1と同程度より高くなるのを制限するために、ノードN4と信号電圧V1の間に、ダイオード接続のnMOSトランジスタTR4、TR5を設けている。これにより、nMOSトランジスタTR2が耐圧以上の電圧によって破壊されるのを防ぐことができる。この第3の実施の形態のローデコーダのその他の動作は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0063】
このように構成された第3の実施の形態のローデコーダでは、前述した第1の実施の形態の効果に加えて、ノードN4の電位が信号電圧V1と同程度より高くなるのを制限し、nMOSトランジスタTR2が破壊されるのを防止できる。このように、このローデコーダは、nMOSトランジスタTR2の信頼性上、好ましい構成を有している。
【0064】
以上説明したようにこの第3の実施の形態では、トランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要なく、このキャパシタに入力する発振信号も必要ないため、大容量化に適したものとすることができると共に、消費電力の増大を防ぐことができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位を発生させるのに、電源電圧Vddを直接使用していないため、電源電圧Vddの低電圧化に適したものとすることができる。さらに、高電圧を転送するためのトランジスタTR2が、耐圧以上の電圧が印加されること、すなわちノードN4の電位が信号電圧V1と同程度より高くなることによって破壊されるのを防ぐことができる。
【0065】
また、この第3の実施の形態の変形例を図6に示す。この変形例は、ノードN4の電圧制限手段として、ノードN4と信号電圧V2との間にダイオード接続のnMOSトランジスタTR6〜TR8を有している。図6に示すnMOSトランジスタTR9はV2の発生手段である。このような構成によれば、例えば動作中に信号電圧V1の電位降下が発生した場合などにおいても、ノードN4の電位は信号電圧V1の電位降下の影響を受けなくてすむ。また、ノードN4に流れ込む過剰な電荷は、V2が持つ容量に蓄積される。これにより、ノードN4の電位が信号電圧V1と同程度より高くなるのを制限でき、nMOSトランジスタTR2が耐圧以上の電圧によって破壊されるのを防ぐことができる。このように、このローデコーダは、nMOSトランジスタTR2の信頼性上、好ましい構成を有している。この第3の実施の形態の変形例のローデコーダのその他の動作及び効果は、前記第3の実施の形態と同様である。
【0066】
[第4の実施の形態]
次に、この発明の第4の実施の形態の半導体集積回路について説明する。
【0067】
図7は、第4の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。なお、図7には、選択するワード線が存在する選択ブロックのみを示し、非選択ブロックについては省略している。このローデコーダの回路構成は次のようになっている。
【0068】
アドレス信号が入力されるNAND回路ND1の出力は、NOR回路NR1の第1端子に入力される。このNOR回路NR1の第2端子にはノードN5が接続される。ノードN1は、nMOSトランジスタTR3のゲートに接続され、NOR回路NR1の出力部(ノードN2)はnMOSトランジスタTR3のドレインに接続される。
【0069】
前記nMOSトランジスタTR3のソース(ノードN3)は、nMOSトランジスタTR2のゲートに接続される。nMOSトランジスタTR2のドレインには信号電圧V1が入力され、このnMOSトランジスタTR2のソース(ノードN4)はワード線側のnMOSトランジスタTRW0〜TRW15のゲートにそれぞれ接続される。
【0070】
さらに、ノードN4は、nMOSトランジスタTR10のドレインに接続され、そのソースは接地電位(0V)点に接続される。nMOSトランジスタTR10のゲートには、前記NAND回路ND1の出力部が接続される。ノードN4と信号電圧V1の間には、ノードN4の電位を制限するためのダイオード接続のnMOSトランジスタTR4、TR5が設けられている。
【0071】
入力信号RA0は、ワード線W1−0に接続されたnMOSトランジスタTRW0のドレインに入力され、入力信号RA1はワード線W1−1に接続されたnMOSトランジスタTRW1のドレインに入力される。同様に、入力信号RA2〜RA15は、ワード線W1−2〜W1−15にそれぞれ接続されたnMOSトランジスタTRW2〜TRW15のドレインにそれぞれ入力される。これらのワード線W1−0〜W1−15には、メモリセルトランジスタのゲートが接続されている。
【0072】
前述した第2の実施の形態のローデコーダでは、非選択のときのノードN4は、ノードN3をハイレベルにしnMOSトランジスタTR2をオンにしておいて、信号電圧V1により0Vに設定することができるが、この第4の実施の形態では非選択のときにnMOSトランジスタTR10によりノードN4を0Vにする。
【0073】
また、前記第2の実施の形態のローデコーダでは、ノードN4の電位は信号電圧V1と同程度になっている。しかし、入力信号RA0〜RA15によってさらにブートがかかると、トランジスタの耐圧上好ましくない電位まで上昇する可能性がある。そこで、この第4の実施の形態のローデコーダでは、ノードN4の電位が信号電圧V1と同程度より高くなるのを制限するために、ノードN4と信号電圧V1の間に、ダイオード接続のnMOSトランジスタTR4、TR5を設けている。これにより、nMOSトランジスタTR2が耐圧以上の電圧によって破壊されるのを防ぐことができる。なお、ノードN5には、図2に示すようにノードN2の信号をコントロールするための信号が入力される。この第4の実施の形態のローデコーダのその他の動作は、前記第2の実施の形態と同様である。
【0074】
このように構成された第4の実施の形態のローデコーダでは、前述した第2の実施の形態の効果に加えて、非選択のときにnMOSトランジスタTR10によりノードN4を0Vにすることができる。さらに、ノードN4の電位が信号電圧V1と同程度より高くなるのを制限し、nMOSトランジスタTR2が破壊されるのを防止できる。このように、このローデコーダは、nMOSトランジスタTR2の信頼性上、好ましい構成を有している。また、NOR回路NR1は、NAND回路、AND回路、OR回路、またはそれらの組み合わせから構成されるロジック回路であってもよい。
【0075】
また、トランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要なく、このキャパシタに入力する発振信号も必要ないため、大容量化に適したものとすることができると共に、消費電力の増大を防ぐことができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位を発生させるのに、電源電圧Vddを直接使用していないため、電源電圧Vddの低電圧化に適したものとすることができる。さらに、高電圧を転送するためのトランジスタが耐圧以上の電圧によって破壊されるのを防ぐことができる。
【0076】
[第5の実施の形態]
次に、この発明の第5の実施の形態の半導体集積回路について説明する。
【0077】
図8は、第5の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。なお、図8には、選択するワード線が存在する選択ブロックのみを示し、非選択ブロックについては省略している。このローデコーダの回路構成は次のようになっている。
【0078】
アドレス信号が入力されるNAND回路ND1の出力は、インバータ回路IV1の入力部に入力される。このインバータ回路IV1の出力部(ノードN2)は、nMOSトランジスタTR1のドレインに接続される。ノードN1は、前記nMOSトランジスタTR1のゲートに接続され、このnMOSトランジスタTR1のソース(ノードN3)は、nMOSトランジスタTR2のゲートに接続される。
【0079】
前記nMOSトランジスタTR2のドレインには信号電圧V1が入力され、このnMOSトランジスタTR2のソース(ノードN6)はnMOSトランジスタTR11のドレインに接続され、そのソースは接地電位(0V)点に接続される。
【0080】
さらに、前記nMOSトランジスタTR2のソースはnMOSトランジスタTR12のゲートに接続される。このnMOSトランジスタTR12のソース(ノードN7)はnMOSトランジスタTR13のドレインに接続され、そのソースは接地電位点に接続される。nMOSトランジスタTR11、TR13のそれぞれのゲートには、前記NAND回路ND1の出力部が接続される。
【0081】
さらに、nMOSトランジスタTR12のドレインには信号電圧V1が入力され、nMOSトランジスタTR12のソース(ノードN7)はワード線側のnMOSトランジスタTRW0〜TRW15のゲートにそれぞれ接続される。
【0082】
入力信号RA0は、ワード線W1−0に接続されたnMOSトランジスタTRW0のドレインに入力され、入力信号RA1はワード線W1−1に接続されたnMOSトランジスタTRW1のドレインに入力される。同様に、入力信号RA2〜RA15は、ワード線W1−2〜W1−15にそれぞれ接続されたnMOSトランジスタTRW2〜TRW15のドレインにそれぞれ入力される。これらのワード線W1−0〜W1−15には、メモリセルトランジスタのゲートが接続されている。
【0083】
次に、第5の実施の形態のローデコーダの動作について説明する。
【0084】
図9は、このローデコーダの動作時のタイミングチャートである。図8に示すローデコーダにて、ワード線W1−0〜W1−15のうちの1本のワード線を高電圧Vppにすることにより、メモリセルに書き込みを行う場合を説明する。ここでは、ワード線W1−0を選択し、高電圧Vppにするものとする。
【0085】
ノードN1には常に電源電圧Vddが入力されており、nMOSトランジスタTR1はオン状態にある。選択ブロックでは、ワード線W1−0〜W1−15のうちのいずれか(ここではワード線W1−0)が選択されるため、ノードN2にはVddが入力される。
【0086】
ノードN2にVddが入力されると、nMOSトランジスタTR1を電流が流れ、ノードN3はVdd−Vtまで充電される。Vtは、nMOSトランジスタTR1のしきい値電圧である。この充電が終了すると、nMOSトランジスタTR1はカットオフし、ノードN3はフローティング状態になる。
【0087】
その後、信号電圧V1を0VからVppまで上昇させる。なお、ここでは信号電圧V1を、書き込みワード線レベルと同じVppまで上昇させている。ノードN3がVdd−Vtである場合、nMOSトランジスタTR2は最初オンしているので、nMOSトランジスタTR2のチャネル電位が0VからVppまで変化するのに従って、ノードN3の電位はチャネルとの容量結合によりVpp+Vdd−Vtまで上昇する。このとき、nMOSトランジスタTR2はオンしているので、ノードN6は信号電圧V1に従ってVppまであるいはnMOSトランジスタTR2のしきい値電圧Vtで制限される電位まで充電される。
【0088】
これに伴い、ノードN7は、ノードN6の電位よりnMOSトランジスタTR12のしきい値電圧Vt分低い電位まで充電される。この充電が終了すると、nMOSトランジスタTR12はカットオフし、ノードN7はフローティング状態になる。
【0089】
ここで、メモリセルに書き込みを行う場合は、図9に示すように、選択ワード線W1−0に接続されたnMOSトランジスタTRW0のドレインに入力信号RA0にて高電圧Vppをバイアスする。非選択ワード線W1−1〜W1−15に接続されたnMOSトランジスタTRW1〜TRW15のドレインには、入力信号RA1〜RA15にてVppよりも低電圧のVpassをバイアスする。
【0090】
ノードN7がフローティング状態になった後、入力信号RA0をVpp、RA1〜RA15をVpassまで上昇させると、ノードN7の電位はチャネルとの容量結合により図9に示すように、Vpppassまで上昇する。これによって、nMOSトランジスタTRW0〜TRW15がオンし、入力信号RA0〜RA15がワード線W1−0〜W1−15にそれぞれ入力されて、ワード線W1−0〜W1−15に所望の電位が供給される。すなわち、ワード線W1−0に高電圧Vppが供給され、ワード線W1−1〜W1−15にVpassが供給される。
【0091】
一方、図示しない非選択ブロックにおいても、ノードN1には常に電源電圧Vddが入力されており、nMOSトランジスタTR1はオン状態にある。非選択ブロックでは、ノードN2に0Vが入力され、nMOSトランジスタTR1がオンしているため、ノードN3も0Vになる。このため、nMOSトランジスタTR2はオフになる。さらに、NAND回路ND1からnMOSトランジスタTR11、nMOSトランジスタTR13のそれぞれのゲートにVddが入力され、nMOSトランジスタTR11、TR13がオンする。これにより、ノードN6及びノードN7が接地電位(0V)になる。この場合、ノードN7に接続されたワード線側のnMOSトランジスタはオンせず、入力信号RA0〜RA15がワード線W1−16〜W1−31に入力されることはない。
【0092】
このように構成された第5の実施の形態のローデコーダでは、前述した第1の実施の形態の効果に加えて、最後にワード線W1−0〜W1−15に電位を転送するためのトランジスタTRW0〜TRW15のゲートを充電するnMOSトランジスタTR12がワード線への電位転送時には常にオフしているので、このnMOSトランジスタTR12をオフさせるためのタイミング制御を行う必要がない。タイミング制御が必要ないため、このローデコーダは高速化に適している。
【0093】
以上説明したようにこの第5の実施の形態では、トランジスタのゲートを昇圧するキャパシタが必要なく、このキャパシタに入力する発振信号も必要ないため、大容量化に適したものとすることができると共に、消費電力の増大を防ぐことができる。さらに、高電圧を転送するためのゲート電位を発生させるのに、電源電圧Vddを直接使用していないため、電源電圧Vddの低電圧化に適したものとすることができる。さらに、ワード線に電位を転送するためのトランジスタのゲートを充電するnMOSトランジスタTR12がワード線への電位転送時には常にオフしているため、このnMOSトランジスタTR12をオフさせるためのタイミング制御が必要なく回路を簡素化することができる。
【0094】
[第6の実施の形態]
図7に示した前記第4の実施の形態、及び図8に示した前記第5の実施の形態は、この発明の目的を十分に達成できるものであるが、使用方法によっては以下のような課題を生ずる場合がある。図7に示した第4の実施の形態を例に説明する。まず、第1の課題を述べる。
【0095】
図7において、nMOSトランジスタTR2が正のしきい値電圧を持つトランジスタであり、トランジスタTR2のゲート(ノードN3)に電荷を充電してトランジスタTR2にチャネルを形成し、その後、ノードN1を電源電圧Vddから接地電位(0V)にしてノードN3をフローティングにする。その後、ノードN4を昇圧するために、電圧V1の電位を上げていく場合、トランジスタTR2のゲート(ノードN3)とドレイン(電圧V1)との電位差がしきい値より小さくなってしまい、ノードN4に十分な電圧を供給する前にトランジスタTR2がカットオフ状態になる。このため、電圧V1の電位が高くなるにつれて、入力信号RAi(i=0,1,2,…、15)により供給される高電圧をワード線W1−iに転送するのが困難になってくる。
【0096】
例えば、トランジスタTR2のゲートに始め電圧V0が供給された場合、このトランジスタTR2のゲートとドレインとの電位差は電圧V0である。ノードN3がフローティング状態になった後、電圧V1が電圧Vpgmまで昇圧されたとする。このとき、トランジスタTR2のゲート容量をCg、ノードN3におけるその他の寄生容量をC0とすると、ノードN3での容量結合比は“α=(1+C0/Cg)<1”で与えられる。トランジスタTR2のゲート(ノードN3)の電位は、“V0+αVpgm”になり、トランジスタTR2のソースには“V0+αVpgm−Vt”(VtはトランジスタTR2のしきい値電圧)が供給される。このとき、α<1なのでトランジスタTR2のゲートとドレインとの電位差は“V0+αVpgm−Vpgm=V0−(1−α)Vpgm<V0”となる。したがって、トランジスタTR2のゲートとドレインの電位差は小さくなる。
【0097】
一方、トランジスタTR2のしきい値電圧は、基板バイアス効果によって高くなる。以上のように、電圧V1を昇圧しその電圧を高めていくと、トランジスタTR2のゲートとドレインの電位差は小さくなっていく一方で、トランジスタTR2のしきい値電圧は高くなる。したがって、電圧V1が高くなっていくと、トランジスタTR2がカットオフ状態になる。
【0098】
次に、第2の課題を述べる。図7において、同様に、トランジスタTR2が正のしきい値電圧を持つトランジスタであり、トランジスタTR2のゲート(ノードN3)に電荷を充電してトランジスタTR2にチャネルを形成し、その後、ノードN1を電源電圧Vddから接地電位(0V)にしてノードN3をフローティングにする。その後、ノードN4を昇圧するために、電圧V1の電位を上げていく場合、ノードN3の電位がノードN3とトランジスタTR2のチャネルとの容量結合で昇圧される。このとき、ノードN3がトランジスタTR2の耐圧以上の電位まで昇圧される可能性があるため、ノードN3の電位を制限する手段が必要である。
【0099】
次に、第3の課題を述べる。例えば、図7において、nMOSトランジスタTRWi(i=0,1,2,…、15)が正のしきい値電圧を持つトランジスタであり、トランジスタTRWiのゲート(ノードN4)に電荷を充電して、トランジスタTRWiにチャネルを形成し、その後、ノードN4がフローティング状態になり、電圧V1を昇圧した場合、ノードN4の電位がノードN4とトランジスタTRWiのチャネルとの容量結合で昇圧される。しかし、このときノードN4はフローティングになっているので、nMOSトランジスタTR10のリーク電流でノードN4の電荷が抜ける。ここで、トランジスタTR10のソースは接地電位になっているので、リーク電流が大きく、ノードN4の電位が大きく降下する可能性がある。
【0100】
以上説明したように、図7に示した第4の実施の形態においては、電圧V1の電位が高くなっていくと、ノードN4に十分な電圧を供給される前にトランジスタTR2がカットオフ状態になり、ワード線W1−iに高電圧を転送するのが困難になる可能性がある。また、ノードN4が昇圧され、ノードN4がフローティングになると、トランジスタTR10のリーク電流によって、ノードN4の電位が大きく降下し、ワード線W1−iに高電圧を転送するのが困難になる可能性がある。また、電圧V1の電位が高くなっていくと、トランジスタTR2のゲート(ノードN3)がトランジスタTR2の耐圧以上の電位まで昇圧される可能性があるため、ノードN3の電位を制限する手段が必要である。
【0101】
また、図8に示した第5の実施の形態においても同様に、トランジスタTR2がカットオフしてしまう、またトランジスタTR13のリーク電流が大きく、ノードN7の電位が大きく降下してしまうことにより、ワード線W1−iに高電圧を転送するのが困難になる可能性がある。さらに、トランジスタTR2のゲート(ノードN3)がトランジスタTR2の耐圧以上の電位まで昇圧される可能性があるため、ノードN3の電位を制限する手段が必要である。
【0102】
以上のような課題を解決するための半導体集積回路を、第6の実施の形態として説明する。
【0103】
図10は、第6の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。なお、図10には、配列されているブロックB1〜Bnのうち、2つのブロックB1、B2のみを示し、その他のブロックについては省略している。さらに、ブロックB1、B2の個々には、それぞれ16本のワード線WL1-1〜WL1-16およびWL2-1〜WL2-16が設けられ、個々のワード線には転送トランジスタとキャパシタが設けられている。
【0104】
このローデコーダのブロックB1の回路構成は以下のようになっている。アドレス信号が入力されるNAND回路ND1の出力部は、インバータ回路IV1の入力部に接続される。このインバータ回路IV1の出力部(ノードN11)は、nMOSトランジスタMD1のドレインに接続される。nMOSトランジスタMD1は、nMOSトランジスタMD2と直列接続されており、nMOSトランジスタMD2のソース(ノードN12)は、MOSキャパシタMDC1のゲート、nMOSトランジスタME1のゲート、nMOSトランジスタME2のゲート及びドレインにそれぞれ接続される。
【0105】
前記nMOSトランジスタMD1およびnMOSトランジスタMD2は、負のしきい値電圧を持つデプレッション型のトランジスタであり、nMOSトランジスタMD1のゲートにはノードN13が接続される。また、nMOSトランジスタMD2のゲートには、電源電位Vddが供給されている。前記MOSキャパシタMDC1は、負のしきい値電圧を持つデプレッション型のトランジスタであり、ソースとドレインが短絡されてキャパシタを形成している。このMOSキャパシタMDC1のソース及びドレインには、nMOSトランジスタME1のドレイン、ノードN14がそれぞれ接続される。
【0106】
また、前記インバータ回路IV1の出力部(ノードN11)は、nMOSトランジスタME3のドレインに接続される。nMOSトランジスタME3のソース(ノードN15)は、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16の個々のゲート、MOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16の個々のゲート、前記nMOSトランジスタME1のソース、及びnMOSトランジスタME5のゲート及びドレインにそれぞれ接続される。このnMOSトランジスタME5のソースは、nMOSトランジスタME6のゲート及びドレインにそれぞれ接続される。nMOSトランジスタME3のゲートには、ノードN16が接続される。
【0107】
前記nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16の個々のドレインには、ノードN17-1〜N17-16の個々が接続される。前記MOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16は、負のしきい値電圧を持つデプレッション型のトランジスタであり、ソースとドレインが短絡されてキャパシタを形成している。このMOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16の個々のソース及びドレインには、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16の個々のソース、及びワード線WL1-1〜WL1-16の個々が接続される。なお、ブロックB2の場合は、ワード線WL1-1〜WL1-16に換えて、ワード線WL2-1〜WL2-16の個々が接続される。さらに、ワード線WL1-1〜WL1-16の個々には、図示していないメモリセルトランジスタのゲートが接続されている。
【0108】
また、nMOSトランジスタME7のゲート及びドレインには、高電圧Vppが供給される。このnMOSトランジスタME7のソース(ノードN18)は、前記nMOSトランジスタME2のソース、nMOSトランジスタME6のソースにそれぞれ接続される。
【0109】
すなわち、このように構成されたローデコーダでは、インバータ回路IV1の出力部からはアドレスデコード信号が出力される。また、nMOSトランジスタME1のゲート(ノードN12)とドレイン(ノードN14)との間には、MOSキャパシタMDC1が接続されている。nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16の個々のゲート(ノードN15)とソース(ワード線WL1-1〜WL1-16の個々)との間には、MOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16の個々が接続されている。
【0110】
また、nMOSトランジスタME2はノードN12の電位を制限する手段であり、nMOSトランジスタME5、ME6はノードN15の電位を制限する手段である。高電圧Vppはデータ書き込みにおいて電圧Vpgmとなるので、ノードN18はトランジスタME7のしきい値電圧Vt分低い電圧となり、“電圧Vpgm−Vt”となる。したがって、ノードN12は、nMOSトランジスタME2によって“電圧Vpgm−Vt+Vt=Vpgm”以下に制限される。同様に、ノードN15は、nMOSトランジスタME5、ME6によって“電圧Vpgm+Vt”以下に制限される。
【0111】
また、このローデコーダのブロックB2の回路構成は、ワード線WL1-1〜WL1-16がWL2-1〜WL2-16に換わる以外は、前述したブロックB1と同様であるため、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0112】
次に、第6の実施の形態のローデコーダの動作について説明する。
【0113】
図11は、このローデコーダの動作時のタイミングチャートである。ここでは、図10に示すローデコーダにより、ブロックB1が選択、ブロックB2が非選択とされ、ブロックB1内のワード線WL1-1を書き込み電圧Vpgmにすることにより、メモリセルに書き込みを行う場合を述べる。なお、図11では、選択されたブロックB1における信号を実線にて示し、非選択のブロックB2における信号を破線、選択されたブロックB1及び非選択のブロックB2の共通の信号を一点破線にて示す。
【0114】
まず、選択ブロックB1における動作を説明する。
【0115】
選択されたブロックB1のノードN11には、アドレスデコード信号として電源電圧Vddが供給される。さらに、初期状態(時刻T1前)では、ノードN13、N14に電源電圧Vddが供給され、nMOSトランジスタMD2のゲートにも電源電圧Vddが供給される。これにより、nMOSトランジスタMD1及びnMOSトランジスタMD2はデプレッション型のトランジスタであるためオンし、ノードN12には電源電圧Vdd(ノードN11の電位)が供給される。
【0116】
また、ノードN16には、昇圧電位VsgHHHが供給される。これにより、nMOSトランジスタME3はオンし、ノードN15には電源電圧Vdd(ノードN11の電位)が供給される。また、ノードN17-1には接地電位が供給され、ノードN17-2〜N17-16にも接地電位が供給される。ノードN15が電源電圧Vddになるため、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16はオンし、ワード線WL1-1〜WL1-16の個々にはノードN17-1〜N17-16の個々から接地電位GNDが供給される。以上が初期状態(時刻T1前)の動作である。
【0117】
次に、ノードN16を昇圧電位VsgHHHから接地電位GNDにする(時刻T1)。これにより、nMOSトランジスタME3がカットオフし、ノードN15がフローティング状態になる。また、高電圧Vppは書き込み電圧Vpgmとなり、ノードN18にはnMOSトランジスタME7を介して電圧Vpgmのしきい値電圧分だけ低い電圧“Vpgm−Vt”が供給される。
【0118】
続いて、ノードN14を電源電圧Vddから接地電位GNDにする(時刻T2)。これにより、nMOSトランジスタME1はオンし、ノードN15が接地電位GNDになる。なお、nMOSトランジスタME3はカットオフしているので、ノードN11からノードN14に電流が流れることはない。
【0119】
次に、ノードN13を電源電圧Vddから接地電位GNDにする(時刻T3)。これにより、デプレッション型のnMOSトランジスタMD1はカットオフし、ノードN12がフローティング状態になる。
【0120】
続いて、ノードN14を接地電位GNDから書き込み電圧Vpgmにする(時刻T4)。このとき、時刻T3で述べたように、ノードN12はフローティング状態になっているので、MOSキャパシタMDC1及びnMOSトランジスタME1のゲート容量とその他のノードN12の寄生容量との容量結合により、ノードN12の電位が昇圧される。ノードN18には、時刻T1で述べたように、電圧“Vpgm−Vt”が供給されている。
【0121】
したがって、ノードN12が“(Vpgm−Vt)+Vt=Vpgm”以上になると、nMOSトランジスタME2が導通し、ノードN12が電圧Vpgm以下の電位に制限される。その結果、ノードN12が電圧Vpgm以下の電位に、ノードN14が電圧VpgmとなってnMOSトランジスタME1はカットオフし、ノードN15に“(ノードN12の電位)−(トランジスタME1のしきい値電圧)”が充電される。このとき、nMOSトランジスタME1はカットオフ状態を維持しているので、ノードN15はフローティングのままである。
【0122】
次に、ノードN16を接地電位GNDから電源電位Vddにする(時刻T5)。これにより、nMOSトランジスタME3のゲート(ノードN16)とソース(ノードN15)の電位差を小さくし、nMOSトランジスタME3の耐圧負担を軽減している。これは、サーフェスブレイクダウンを回避するためである。さらに、nMOSトランジスタME3のドレイン(ノードN11)には電源電圧Vddが供給されているので、基板バイアス効果によりnMOSトランジスタME3のしきい値電圧が高くなり、リーク電流を小さくできる利点がある。
【0123】
さらに、ノードN13を接地電位GNDから電源電位Vddにする(時刻T5)。これにより、nMOSトランジスタMD1がオンし、nMOSトランジスタMD2がすでにオン状態であることから、ノードN12が電源電位Vddに放電される。nMOSトランジスタMD2は、この放電を行う際に、nMOSトランジスタのソース、ドレイン間の電位差を小さくするための耐圧保護用のトランジスタである。これにより、nMOSトランジスタME1を確実にカットオフ状態にする。このときも、ノードN15はフローティングのままである。
【0124】
次に、実質的なデータ書き込み期間(時刻T6〜T7までの期間)の動作を述べる。ノードN17-1を接地電位GNDから書き込み電圧Vpgmにする(時刻T6)。なお、ノードN17-2〜N17-16は、書き込み中間電位Vpass(<Vpgm)にする。このとき、時刻T5で述べたように、ノードN15はフローティング状態を維持しているので、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16及びMOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16のゲート容量とその他のノードN15の寄生容量との容量結合により、ノードN15の電位が昇圧される。このとき、ノードN15の電位が“電圧Vpgm+トランジスタME4-1のしきい値電圧”よりも高い電位に昇圧されれば、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16が導通状態になり、ノードN17-1からワード線WL1-1に書き込み電圧Vpgmが転送され、ノードN17-2〜N17-16の個々からワード線WL1-2〜WL1-16のそれぞれに書き込み中間電位Vpassが転送される。
【0125】
また、nMOSトランジスタME5、ME6は、時刻T4で述べたのと同様に、ノードN15が不要に高電位になるのを回避するための電位制限回路である。ノードN15が“(Vpgm−Vt)+Vt+Vt=Vpgm+Vt”以上になると、nMOSトランジスタME5、ME6が導通し、ノードN15が電圧Vpgm+Vt以下の電位に制限される。
【0126】
次に、データ書き込み後のリカバリーシーケンスの動作を述べる。
【0127】
ノードN17-1を書き込み電圧Vpgmから接地電位GNDにし、ノードN17-2〜N17-16を書き込み中間電位Vpassから接地電位GNDにする(時刻T7)。これにより、ワード線WL1-1も書き込み電圧Vpgmから接地電位GNDになり、ワード線WL1-2〜WL1-16も書き込み中間電位Vpassから接地電位GNDになる。ノードN15は、時刻T6で述べたのと同様に、容量結合により電位が低下する。また、ノードN16を電源電位Vddから接地電位GNDにする。
【0128】
さらに、ノードN14を書き込み電圧Vpgmから接地電位GNDにする(時刻T8)。このとき、nMOSトランジスタME1のゲート(ノードN12)は時刻T5にて電源電位Vddになっているので、ノードN14の電位が“Vdd−(nMOSトランジスタME1のしきい値電圧)以下になると、nMOSトランジスタME1がオン状態になる。これにより、ノードN15は放電され、接地電位となる。
【0129】
次に、初期状態へのリカバリーシーケンスの動作を述べる。
【0130】
ノードN16を接地電位GNDから昇圧電位VsgHHHにし、さらにノードN14を接地電位GNDから電源電位Vddにする(時刻T9)。これにより、nMOSトランジスタME3はオンし、ノードN15は電源電位Vddになる。また、高電圧Vppを、書き込み電圧Vpgmから電源電位Vddにする。以上により、初期状態に戻る。
【0131】
次に、非選択のブロックB2における動作を説明する。
【0132】
非選択のブロックB2のノードN11には、アドレスデコード信号として接地電位GNDが供給される。さらに、選択ブロックB1の場合と同様に、初期状態(時刻T1前)では、ノードN13、N14に電源電圧Vddが供給され、nMOSトランジスタMD2のゲートにも電源電圧Vddが供給される。これにより、nMOSトランジスタMD1及びnMOSトランジスタMD2はデプレッション型のトランジスタであるためオンし、ノードN12には接地電位(ノードN11の電位)が供給される。ノードN12が接地電位であるため、nMOSトランジスタME1はカットオフ状態となる。
【0133】
また、選択ブロックB1の場合と同様に、ノードN16には、昇圧電位VsgHHHが供給され、またノードN17-1〜N17-16には接地電位が供給される。これにより、nMOSトランジスタME3はオンし、ノードN15には接地電位(ノードN11の電位)が供給される。ノードN15が接地電位であるため、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16はカットオフ状態となる。したがって、ワード線WL2-1〜WL2-16は、フローティング状態になる。以上が初期状態(時刻T1前)の動作である。
【0134】
次に、ノードN16を昇圧電位VsgHHHから接地電位GNDにする(時刻T1)。これにより、nMOSトランジスタME3がカットオフし、ノードN15がフローティング状態になる。
【0135】
続いて、ノードN14を電源電圧Vddから接地電位GNDにする(時刻T2)。このとき、nMOSトランジスタME1はカットオフ状態にあるので、その他の信号に変化はない。
【0136】
次に、ノードN13を電源電圧Vddから接地電位GNDにする(時刻T3)。このとき、デプレッション型のnMOSトランジスタMD1はオン状態を保つので、その他の信号に変化はない。
【0137】
続いて、ノードN14を接地電位GNDから書き込み電圧Vpgmにする(時刻T4)。このとき、ノードN12は接地電位になっており、nMOSトランジスタME1はオンしていないので、ノードN15の電位は昇圧されない。したがって、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16はカットオフ状態を維持する。その他の信号に変化はない。
【0138】
次に、ノードN16を接地電位GNDから電源電位Vddにする(時刻T5)。これにより、nMOSトランジスタME3がオンし、ノードN15はフローティングでなくなり、接地電位に固定される。nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16はカットオフ状態を維持するため、ワード線WL2-1〜WL2-16はフローティング状態のままである。また、ノードN13を接地電位GNDから電源電位Vddにする(時刻T5)。このとき、デプレッション型のnMOSトランジスタMD1はオン状態のまま維持されるので、ノードN12は接地電位GNDのままである。
【0139】
次に、実質的なデータ書き込み期間(時刻T6〜T7までの期間)の動作を述べる。ノードN17-1は、接地電位GNDから書き込み電圧Vpgmになる(時刻T6)。また、ノードN17-2〜N17-16は、接地電位GNDから書き込み中間電位Vpassになる。このとき、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16はカットオフ状態であるため、ノードN17-1からワード線WL2-1に書き込み電圧Vpgmが転送されることはなく、同様に、ノードN17-2〜N17-16からワード線WL2-2〜ワード線WL2-16に書き込み中間電位Vpassが転送されることもない。よって、データ書き込みは行われない。
【0140】
次に、データ書き込み後のリカバリーシーケンスの動作を述べる。
【0141】
ノードN17-1を書き込み電圧Vpgmから接地電位GNDにする(時刻T7)。このとき、nMOSトランジスタME4-1はカットオフ状態を維持する。また、ノードN16を電源電位Vddから接地電位GNDにする。これにより、nMOSトランジスタME3がカットオフし、ノードN15がフローティング状態になる。
【0142】
さらに、ノードN14を書き込み電圧Vpgmから接地電位GNDにする(時刻T8)。このとき、nMOSトランジスタME1はカットオフしているので、その他の信号に変化はない。
【0143】
次に、初期状態へのリカバリーシーケンスの動作を述べる。
【0144】
ノードN16を接地電位GNDから昇圧電位VsgHHHにし、さらにノードN14を接地電位GNDから電源電位Vddにする(時刻T9)。これにより、nMOSトランジスタME3はオンし、ノードN15は接地電位になる。また、高電圧Vppを書き込み電圧Vpgmから電源電位Vddにする。以上により、初期状態に戻る。
【0145】
この第6の実施の形態では、昇圧用のブートキャパシタMDC1を用いることでワード線の転送トランジスタであるnMOSトランジスタME4-1〜ME4-16のゲート(ノードN15)に十分な電圧を供給できるため、ワード線に高電圧を転送するのが困難になることはない。かつ、昇圧用のブートキャパシタMDC2-1〜MDC2-16を用いることで、高電圧転送を容易にしている。また、ノードN12の電位を制限するために、nMOSトランジスタME2を設けているので、ノードN12の電位がnMOSトランジスタME1の耐圧以上の電位まで昇圧されることはない。同様に、ノードN15の電位を制限するために、nMOSトランジスタME5、ME6を設けているので、ノードN15の電位がnMOSトランジスタME4の耐圧以上の電位まで昇圧されることはない。また、ブロックB1においてノードN15を昇圧する場合、nMOSトランジスタME3のゲート(ノードN16)及びドレイン(ノードN11)には電源電圧Vddが供給され、ブロックB2においてはノードN11からノードN15に接地電位GNDを供給する機能がある。以上により、前述した第1〜第3の課題を解決することができる。
【0146】
また、この第6の実施の形態おいては、図10に示す回路を半導体基板に形成するに当たり、レイアウトパターンを工夫した。以下に、そのレイアウトパターンについて以下に説明する。ノードN12においては、nMOSトランジスタME1のゲートのパターンとMOSキャパシタMDC1のゲートのパターンはできるだけ大きく、nMOSトランジスタME2のゲート及びドレインのパターンとnMOSトランジスタMD1のソースのパターンはできるだけ小さいほうがよい。さらに、ノードN12の配線パターンは、できるだけ短い(面積が小さい)ほうがよい。
【0147】
また、ノードN15においては、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16のゲートのパターンとMOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16のゲートのパターンはできるだけ大きく、nMOSトランジスタME5のゲート及びドレインのパターンとnMOSトランジスタME1のソースのパターン、及びnMOSトランジスタME3のソースのパターンはできるだけ小さいほうがよい。さらに、ノードN15の配線パターンは、できるだけ短い(面積が小さい)ほうがよい。これは、寄生容量を減らすことにより、ノードN12及びノードN15が昇圧される電位を高めることができるからである。
【0148】
また、ノードN12及びノードN15に接続される素子の回路構成上の理由から、ノードN12及びノードN15のうち、一方を短くすると他方が長くなってしまうため、ノードN12の配線パターンとノードN15の配線パターンは同程度の長さ(面積)になっているのがよい。以上の目的を実現したレイアウトパターンを図12に示す。
【0149】
図12は、図10に示すローデコーダのうち、ブロックB1を半導体基板上に形成したときのレイアウトパターンの一部を示す平面図である。詳しくは図12には、ノードN12を形成する配線パターンとノードN12に接続されるトランジスタ、キャパシタを形成するパターン、およびノードN15を形成する配線パターンとノードN15に接続されるトランジスタ、キャパシタを形成するパターン、さらにはこれらトランジスタと拡散層の一部を共有するトランジスタを示す。なおここでは、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16、MOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16のうち、nMOSトランジスタME4-1、MOSキャパシタMDC2-1のみを示す。また、ノードN12及びノードN15に接続されていないトランジスタを示す。
【0150】
図12において、図面上の左側から順に、nMOSトランジスタME4-1とMOSキャパシタMDC2-1、nMOSトランジスタME2とnMOSトランジスタMD2及びnMOSトランジスタMD1、nMOSトランジスタME6とnMOSトランジスタME5、nMOSトランジスタME3とnMOSトランジスタME1、及びMOSキャパシタMDC1が配置されている。なお、nMOSトランジスタME6とnMOSトランジスタME5は、nMOSトランジスタME2とnMOSトランジスタMD2及びnMOSトランジスタMD1の下側に配置されている。
【0151】
また、nMOSトランジスタME4-1とMOSキャパシタMDC2-1は、電流経路の一端を同一の拡散層61で共有するように形成されている。同様に、nMOSトランジスタME2とnMOSトランジスタMD2は、電流経路の一端を同一の拡散層62で共有するように形成されている。nMOSトランジスタMD2とnMOSトランジスタMD1も、電流経路の一端を同一の拡散層63で共有するように形成されている。nMOSトランジスタME6とnMOSトランジスタME5も、電流経路の一端を同一の拡散層64で共有するように、さらにnMOSトランジスタME3とnMOSトランジスタME1も、電流経路の一端を同一の拡散層65で共有するように形成されている。
【0152】
このようなレイアウトにより、ノードN12は以下のように接続された配線パターン71により形成される。ノードN12の配線パターン71は、図面上、水平方向に伸びたパターン71Aにより、nMOSトランジスタME1のゲート72とMOSキャパシタMDC1のゲート73に接続され、パターン71Aから下方に伸びたパターン71Bにより、nMOSトランジスタME2及びnMOSトランジスタMD2の電流経路の一端62に接続され、さらにパターン71Bから水平方向に伸びたパターン71Cにより、nMOSトランジスタME2のゲート74に接続されている。
【0153】
また、ノードN15は以下のように接続された配線パターン81により形成される。ノードN15の配線パターン81は、図面上、水平方向に伸びたパターン81Aにより、nMOSトランジスタME4-1のゲート82とMOSキャパシタMDC2-1のゲート83に接続され、パターン81Aから下方に伸びたパターン81B、水平方向に伸びたパターン81Cを経て、このパターン81Cから上方に伸びたパターン81D、及び81Eにより、それぞれnMOSトランジスタME5のゲート84、及びnMOSトランジスタME5の電流経路の一端85に接続され、さらにパターン81Cから上方に伸びたパターン81Fにより、nMOSトランジスタME1及びME3の電流経路の一端65に接続されている。
【0154】
以上のようなレイアウトパターンを形成することにより、ノードN12の配線パターン71とノードN15の配線パターン81とを、概略等しい長さにし、それぞれの配線容量も等しくしている。
【0155】
ここで例えば、nMOSトランジスタMD1、MD2、ME2と、nMOSトランジスタME1、ME3のレイアウト位置を交換した場合、配線パターン81の長さに比べて配線パターン71の長さは長くなる。この結果、配線パターン71は、他の配線パターン(例えば、電源線パターン等)と近接して配線される機会が多くなることが考えられ、配線パターン81に比べてノイズの影響を受けやすくなり、誤動作の原因となってしまう。前述したように、配線パターン71と配線パターン81は動作中にフローティング状態となるため、ノイズの影響を受けやすい。そこで、配線パターン71(ノードN12)と配線パターン81(ノードN15)とを、概略等しい長さで、かつできるだけ短い長さにする必要がある。
【0156】
また、ノードN12に接続された素子に関し、前記nMOSトランジスタME2、MD2のトランジスタサイズは、nMOSトランジスタME1のトランジスタサイズ、及びMOSキャパシタMDC1のサイズに比べて小さく形成されている。これにより、ノードN12では、nMOSトランジスタME1のゲート72、及びMOSキャパシタMDC1のゲート73に形成される容量を大きく、この容量に比べてnMOSトランジスタME2のゲート74及びドレイン62、及びnMOSトランジスタMD2のソース62に形成される容量を小さくしている。さらに、ノードN12の配線パターン71をできるだけ短い長さにすることで、配線パターン71に形成される寄生容量を小さくしている。この結果、ノードN14から見たときのノードN12の寄生容量を小さくすることができ、ノードN12を昇圧した場合に昇圧されるノードN12の電位を高めることができる。
【0157】
また、ノードN15に接続された素子に関し、前記nMOSトランジスタME5のトランジスタサイズは、nMOSトランジスタME4-1のトランジスタサイズ、及びMOSキャパシタMDC2-1のサイズに比べて小さく形成されている。これにより、ノードN15では、nMOSトランジスタME4-1のゲート82、及びMOSキャパシタMDC2-1のゲート83に形成される容量を大きく、この容量に比べてnMOSトランジスタME5のゲート84及びドレイン85に形成される容量を小さくしている。さらに、ノードN15の配線パターン81をできるだけ短い長さにすることで、配線パターン81に形成される寄生容量を小さくしている。この結果、ノードN17-1から見たときのノードN15の寄生容量を小さくすることができ、ノードN15を昇圧した場合に昇圧されるノードN15の電位を高めることができる。
【0158】
以上に説明した第6の実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0159】
nMOSトランジスタME1(第1のMOSトランジスタ)のゲートとドレインの間にMOSキャパシタMDC1を設けることよって、ノードN12とノードN14間の容量結合比を向上させることができ、nMOSトランジスタME1のゲートに電荷を充電し、チャネルを形成した後、このゲートをフローティングにし、ドレイン電位(ノードN14の電位)を上昇させた場合に、nMOSトランジスタME1のゲート電位(ノードN12の電位)の上昇を大きくすることができ、ノードN14からノードN15へ、より高電圧の転送が可能になる。
【0160】
さらに、nMOSトランジスタME4-1(第2のMOSトランジスタ)のゲートとソースの間にあるいはゲートとドレインの間に、MOSキャパシタMDC2-1を設けることによって、同様にnMOSトランジスタME4-2〜ME4-16の個々のゲートとソースの間、あるいはゲートとドレインの間に、MOSキャパシタMDC2-2〜MDC2-16の個々を設けることによって、ノードN15とワード線WL1-1〜WL1-16間の容量結合比を向上させることができる。このため、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16のゲートに電荷を充電し、チャネルを形成した後、このゲートをフローティングにし、ドレイン電位(ノードN17の電位)を上昇させた場合に、nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16のゲート電位(ノードN15の電位)の上昇を大きくすることができ、ノードN17-1〜N17-16からワード線WL1-1〜WL1-16へ、より高電圧の転送が可能になる。
【0161】
また、MOSキャパシタMDC2-1〜MDC2-16の個々をnMOSトランジスタME4-1〜ME4-16の個々のソース側に設けることにより、非選択のブロックB2でnMOSトランジスタME4-1〜ME4-16がカットオフされている場合、ノードN17-1〜N17-16から見たnMOSトランジスタME4-1〜ME4-16のドレイン側の負荷容量を小さくできるという利点がある。
【0162】
また、選択ブロックB1において、nMOSトランジスタME4-1のゲートの電位を上昇させる場合、このゲートにソースが接続されたMOSトランジスタME3を設け、このnMOSトランジスタME3のドレインに第1の電圧(例えばVdd)をバイアスすることによって、基板バイアス効果でnMOSトランジスタME3のしきい値電圧を高くすることにより、フローティングであるnMOSトランジスタME4-1のゲートからnMOSトランジスタME3のドレインへのリーク電流を低減することができる。これにより、リーク電流によって生じるnMOSトランジスタME4-1のゲートの電位降下を抑えることができる。
【0163】
さらに、nMOSトランジスタME3のゲートに第2の電圧(例えばVdd)をバイアスすることによって、ソース(nMOSトランジスタME4-1〜ME4-16のゲートで高電圧)とゲート間の電位差を小さくでき、nMOSトランジスタME3の耐圧の負荷を低減することができる。また、nMOSトランジスタME3は、非選択のブロックB2において、ノードN11からノードN15に接地電位GNDを供給する機能を兼ねている。
【0164】
さらに、負のしきい値電圧を持つMOSトランジスタのソースとドレインの短絡、及びゲートによってMOSキャパシタMDC1、MDC2-1〜MDC2-16を構成することにより、高い電圧がMOSキャパシタMDC1、MDC2-1〜MDC2-16に印加されても、これらMOSキャパシタMDC1、MDC2-1〜MDC2-16の容量を確保することができ、容量結合による電位昇圧を大きくすることができる。
【0165】
また、nMOSトランジスタME1のゲート電圧を制限する手段(nMOSトランジスタME2)を設けることによって、nMOSトランジスタME1のゲートが、このトランジスタの耐圧以上の電位に昇圧されることを防ぐことができ、nMOSトランジスタME1の信頼性を向上することができる。
【0166】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、不揮発性半導体メモリにおける大容量化、低電圧化に適しており、消費電力も低減することができるローデコーダを有する半導体集積回路を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、この発明の第1の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態のローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【図3】この発明の第2の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図4】第2の実施の形態のローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【図5】この発明の第3の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態の変形例のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図7】この発明の第4の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図8】この発明の第5の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図9】第5の実施の形態のローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【図10】この発明の第6の実施の形態のローデコーダの構成を示す回路図である。
【図11】第6の実施の形態のローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【図12】第6の実施の形態のローデコーダを半導体基板上に形成したときのレイアウトパターンの一部を示す平面図である。
【図13】従来の不揮発性半導体メモリにおける一例のローデコーダの回路図である。
【図14】前記ローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【図15】従来の不揮発性半導体メモリにおける別例のローデコーダの回路図である。
【図16】前記ローデコーダの動作時のタイミングチャートである。
【図17】従来の不揮発性半導体メモリにおける他の別例のローデコーダの回路図である。
【符号の説明】
B1、B2…ブロック
IV1…インバータ回路
ME1〜ME7、MD1、MD2…nチャネルMOSトランジスタ
MDC1、MDC2…MOSキャパシタ
N1〜N7…ノード
N11〜N18…ノード
ND1…NAND回路
NR1…NOR回路
RA0〜RA15…入力信号
TR1〜TR5、TR10〜TR13…nチャネルMOSトランジスタ
TRW0〜TRW31…nチャネルMOSトランジスタ
V1…信号電圧
W1−0〜W1−31…ワード線
WL1-1〜WL1-16、WL2-1〜WL2-16…ワード線

Claims (20)

  1. 第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、
    第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、
    第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタとを具備し、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、
    前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給し、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする半導体集積回路。
  2. 第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、
    第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、
    第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタと、
    第4のゲート及び第4の電流経路を有し、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端の電位が前記第4のゲートに供給される第4のMOSトランジスタとを具備し、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、
    前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給し、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、
    前記第3のゲートがチャージされた第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の他端に前記第2の電位を供給し、前記第4のMOSトランジスタの第4のゲートをチャージし、前記第4のMOSトランジスタの第4のゲートをフローティング状態にして前記第4のMOSトランジスタの第4の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする半導体集積回路。
  3. 第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、
    第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、
    第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタと、
    前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートと第2の電流経路の他端との間に接続された第1のキャパシタと、
    を具備することを特徴とする半導体集積回路。
  4. 前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、
    前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給し、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。
  5. 前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、
    前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給し、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を前記第1の電位よりも低い第4の電位に維持することを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。
  6. 第1のゲート及び第1の電流経路を有する第1のMOSトランジスタと、
    第2のゲート及び第2の電流経路を有し、前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の一端の電位が前記第2のゲートに供給される第2のMOSトランジスタと、
    第3のゲート及び第3の電流経路を有し、前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端の電位が前記第3のゲートに供給される第3のMOSトランジスタと、
    前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートと第2の電流経路の他端との間に接続された第1のキャパシタと、
    前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートと第3の電流経路との間に接続された第2のキャパシタと、
    を具備することを特徴とする半導体集積回路。
  7. 前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、
    前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給し、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を昇圧電位にすることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路。
  8. 前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に第1の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをチャージした後、前記第2のMOSトランジスタを導通状態にし、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをフローティング状態にし、
    前記第2のゲートがチャージされた第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の他端に前記第1の電位よりも高い第2の電位を供給し、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージし、
    前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に前記第1の電位と等しいか若しくは低い第3の電位を供給し、前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートをディスチャージし、前記第2のMOSトランジスタを非導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをフローティング状態にし、前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端を前記第1の電位よりも低い第4の電位に維持することを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路。
  9. 前記第1のキャパシタは、負のしきい値電圧を持つMOSトランジスタの電流経路の一端と他端が短絡されて形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。
  10. 前記第1、第2のキャパシタは、負のしきい値電圧を持つMOSトランジスタの電流経路の一端と他端が短絡されて形成されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路。
  11. 前記第2のMOSトランジスタのゲート電位の上限を制限する第5のMOSトランジスタをさらに具備することを特徴とする請求項3乃至10のいずれか1つに記載の半導体集積回路。
  12. 前記第5のMOSトランジスタの第5のゲート及び第5の電流経路の一端には前記第2のMOSトランジスタの第2のゲートが接続され、前記第5のMOSトランジスタの第5の電流経路の他端には第2の電位以下の電位が供給されることを特徴とする請求項11に記載の半導体集積回路。
  13. 前記第3のMOSトランジスタのゲート電位の上限を制限する第6のMOSトランジスタをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の半導体集積回路。
  14. 前記第6のMOSトランジスタの第6のゲート及び第6の電流経路の一端には前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートの電位が供給され、前記第6のMOSトランジスタの第6の電流経路の他端には第5の電位が供給されることを特徴とする請求項13に記載の半導体集積回路。
  15. 第7のゲート及び第7の電流経路を有し、前記第7の電流経路の一端に前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端の電位が供給され、前記第7の電流経路の他端に前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートが接続される第7のMOSトランジスタをさらに具備し、
    前記第7のMOSトランジスタの第7の電流経路の一端と他端間を非導通状態とし、前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをチャージした後、
    前記第7のMOSトランジスタの第7の電流経路の一端に前記第3の電位が供給されている場合は、前記第7のMOSトランジスタの第7の電流経路の一端と他端間を導通状態として前記第3のMOSトランジスタの第3のゲートをディスチャージし、
    前記第7のMOSトランジスタの第7の電流経路の一端に前記第1の電位が供給されている場合は、前記第7のMOSトランジスタの第7の電流経路の一端と他端間を非導通状態とすることを特徴とする請求項3または6に記載の半導体集積回路。
  16. 前記第1のMOSトランジスタは、負のしきい値電圧を持つデプレッション型のトランジスタであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載の半導体集積回路。
  17. メモリセルトランジスタのゲートに電位を供給するワード線をさらに具備し、
    前記第3のMOSトランジスタの第3の電流経路の一端に供給される第6の電位は、前記メモリセルトランジスタのゲートに供給されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1つに記載の半導体集積回路。
  18. メモリセルトランジスタのゲートに電位を供給する複数のワード線をさらに具備し、
    前記第2のMOSトランジスタの第2の電流経路の一端には複数の前記第3のMOSトランジスタの各々の第3のゲートが接続され、これら第3のMOSトランジスタの各々の第3の電流経路の一端には前記メモリセルトランジスタの選択場所を示すアドレス信号をデコードした信号が供給され、前記第3のMOSトランジスタの各々の第3の電流経路の他端には各々の前記ワード線が接続されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1つに記載の半導体集積回路。
  19. 前記第1のMOSトランジスタの第1の電流経路の他端に供給される電位は前記メモリセルトランジスタの選択場所を示すアドレス信号をデコードした信号であることを特徴とする請求項17または18に記載の半導体集積回路。
  20. 前記メモリセルトランジスタは、不揮発性のメモリセルトランジスタであることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1つに記載の半導体集積回路。
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