JP3820625B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサの出力に基づいて空燃比をフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば特開平6−74072号公報に示すように、内燃機関の排気通路の途中に排出ガス浄化用の三元触媒を設けると共に、この触媒の上流側に排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサを設け、この空燃比センサの出力信号に基づいて排出ガス中の空燃比を目標空燃比に合わせるようにフィードバック制御すると共に、触媒の下流側に、排出ガス中の空燃比がリッチかリーンかを検出する酸素センサを設け、この酸素センサの出力信号に基づいて上記目標空燃比を補正するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、触媒に流入する排出ガス中のCO,HC,NOx,H2 等のガス成分に対して触媒は次のように作用する。
【0004】
▲1▼触媒内における流入ガス成分の吸着反応
触媒内に流入したガス成分の一部は、触媒内部に吸着される。
【0005】
▲2▼流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応
例えば、吸着物質がリーン成分(NOx,O2 等の酸化性成分)の場合には、このリーン成分と流入ガス中のリッチ成分(HC,CO,H2 等の還元性成分)とが酸化還元反応して無害の中性ガス成分(CO2 ,H2 O,N2 等)が生成され、触媒から排出される。
【0006】
▲3▼触媒内吸着物質の離脱反応
触媒内吸着物質の一部は、酸化還元反応を起こさずに触媒から離脱して触媒下流に排出される。
【0007】
▲4▼流入ガス成分の未反応部分の存在(以下「すり抜け」という)
流入ガス成分の一部は、触媒内で吸着反応も酸化還元反応も起こさずにそのまま触媒下流に排出される。
【0008】
従って、触媒による排出ガスの浄化効率を高めるには、▲1▼の吸着反応と▲2▼の酸化還元反応を増加させ、▲3▼の離脱反応を少なくすると共に、▲4▼のすり抜けを低減することが必要となる。これら▲1▼〜▲4▼の条件は、触媒内の吸着物質量によって大きく変動し、排出ガスの浄化効率を変動させる。例えば、リーン成分の吸着量が増加するに従って、リーン成分の吸着反応が低下し、リーン成分のすり抜けが多くなるが、この状態でも、流入ガス中のリッチ成分の割合が増えれば、酸化還元反応が増加して吸着物質量が減少する。
【0009】
このような触媒の特性から、本来的には触媒内の吸着物質量によって空燃比を制御することが理想的であるが、前述したように、従来は、触媒下流側の酸素センサの出力信号に基づいて目標空燃比を補正するだけであり、触媒内吸着物質量を適正に考慮に入れた空燃比制御は不可能であった。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、触媒内吸着物質量を適正に考慮に入れた空燃比制御を行うことができて、排出ガスの浄化効率を高めることができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の空燃比制御装置は、図1に例示するように、内燃機関51の排気通路52の途中に排出ガス浄化用の触媒53を設けると共に、この触媒53の上流側に排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサ54を設け、この空燃比センサ54の出力に基づいて目標空燃比と実空燃比との偏差を小さくするようにフィードバック制御するものにおいて、前記触媒53内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物質の離脱反応、及び、流入ガス成分の未反応部分の存在を考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記空燃比センサ54の出力に基づいて吸着物質量を推定する吸着物質量推定手段55と、この吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲内に収まるように前記目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段56とを備えた構成としている。
【0012】
ここで、触媒53内の吸着物質量を推定するために用いる触媒反応モデルは、▲1▼触媒53内における流入ガス成分の吸着反応(リーン成分の吸着とリッチ成分の吸着)、▲2▼流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応(触媒内リッチ成分が流入ガスのリーン成分により酸化され、触媒内リーン成分が流入ガスのリッチ成分により還元される)、▲3▼触媒内吸着物質の離脱反応、▲4▼流入ガス成分の未反応部分の存在(すり抜け)が全て考慮されている。これら▲1▼〜▲4▼の条件が触媒53の排出ガス浄化能力を左右する。
【0013】
このような触媒反応モデルを用いて空燃比センサ54の出力に基づいて吸着物質量を吸着物質量推定手段55により推定することで、触媒内リッチ成分の吸着量とリーン成分の吸着量を精度良く推定する。そして、この吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲内に収まるように(つまり触媒内リッチ成分とリーン成分の吸着量が共に所定量以下となるように)、目標空燃比を目標空燃比設定手段56により設定し、この目標空燃比に基づいて噴射量演算手段62により燃料噴射量(噴射パルス幅)を演算し、その演算結果に応じて燃料噴射弁63を駆動する。これにより、排出ガスの空燃比が触媒53内の吸着物質量を少なくするように制御され、常に触媒53の排出ガス浄化能力(つまり吸着反応と酸化還元反応)の低下が抑えられる。
【0015】
また、請求項1、10では、目標空燃比設定手段56は、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲内のときに該吸着物質量に応じて目標空燃比を設定し、前記吸着物質量が所定範囲外のときに内燃機関51の筒内空気量に応じて目標空燃比を設定する。これにより、吸着物質量が所定範囲外になっても、速やかに低減され、所定範囲内に収まる。しかも、吸着物質量が所定範囲内のときに該吸着物質量に応じて目標空燃比を設定するため、触媒内の吸着物質量の変化に追従して目標空燃比が設定され、吸着物質量に対する空燃比制御の精度が向上し、常に排出ガス浄化能力が最良の状態に保たれる。
【0016】
ところで、触媒53の下流側に設けられた下流センサ57(酸素センサ)は、白金電極の触媒作用により流入ガス中のリッチ成分とリーン成分(酸素)とを反応させて、流入ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する。下流センサ57の内部でも、触媒53と同様の触媒反応が起こるため、下流センサ57の出力を、触媒反応モデルと同様のセンサ反応モデルを用いて推定可能である。
【0017】
そこで、請求項2では、触媒反応モデルを下流センサ57のサイズに縮小したセンサ反応モデルを用いて下流センサ57の出力をセンサ出力推定手段58により推定し、この推定センサ出力と下流センサ57の実出力との偏差に応じて触媒反応モデルのパラメータをモデル修正手段59により修正する。これにより、触媒53の経時変化に応じて触媒反応モデルが自動的に修正され、触媒53の経時変化による吸着物質量の推定精度の低下が抑えられる。
【0018】
また、請求項3では、燃料カット復帰後にセンサ出力推定手段58による推定センサ出力と下流センサ57の実出力がリーンからリッチへ反転するまでの時間に基づいて触媒53の容量変化を触媒容量判定手段60により判定する。これにより、触媒53の劣化度合が判定可能となる。
【0019】
更に、請求項4では、内燃機関51が完全暖機されているときに判定した触媒容量の低下度合によって触媒53の劣化の有無を判定し、触媒劣化時に警告表示手段61に警告表示させる。これにより、触媒劣化時にはこれを運転者が速やかに知ることができる。
【0020】
上述した請求項2では、下流センサ57の出力を、触媒反応モデルと同様の原理のセンサ反応モデルを用いて推定したが、下流センサ57の出力は、触媒下流に流出する流出ガス成分量の変化に応じて変化し、流出ガス成分量の変化が下流センサ57の出力を変化させる関係は一次遅れ系で近似できる。従って、流出ガス成分量を一次遅れ系で処理しても、下流センサ57の出力を推定可能である。
【0021】
そこで、請求項5では、センサ出力推定手段58は、触媒反応モデルを用いて求めた触媒下流に流出する流出ガス成分量を一次遅れ系で処理して下流センサ57の出力を推定し、その推定センサ出力と下流センサ57の実出力とに基づいて触媒最大容量を触媒容量判定手段60により算出し、この触媒最大容量に基づいて前記触媒反応モデルのパラメータをモデル修正手段59により修正する。これにより、前記請求項4と同じく、触媒53の経時変化に応じて触媒反応モデルが自動的に修正され、触媒53の経時変化による吸着物質量の推定精度の低下が抑えられる。
【0022】
更に、請求項6では、触媒下流に流出する流出ガス成分量に応じて一次遅れ系の時定数を切り換えて下流センサ57の出力を推定する。これにより、流出ガス成分に応じて最適な時定数を設定でき、下流センサ出力の推定精度を向上させることができる。
【0023】
一般に、空燃比センサ(A/Fセンサ)は、作動電圧オン中は空燃比に応じて出力がリニアに変化するが、作動電圧をオフすると、空燃比がリッチかリーンかで出力が反転する酸素センサとして動作する。この場合、空燃比が目標空燃比の付近で変化するときには、酸素センサの出力変化の方が空燃比センサの出力変化よりも大きくなるため、目標空燃比の付近では酸素センサの方が空燃比を検出しやすい。また、触媒内の吸着物質量が少ないと、触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が小さくなり、触媒内の吸着物質量が多くなると、触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が大きくなるという関係がある。
【0024】
この関係を利用し、請求項7では、下流センサ57として空燃比センサを用い、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲内のとき、つまり触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的小さいときには、下流センサ57の作動電圧をオフして酸素センサとして動作させることで、触媒下流の空燃比の検出精度を高める。これに対し、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲外のとき、つまり触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的大きいときには、下流センサ57の作動電圧をオンして空燃比センサとして動作させる。これは、触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が大きい領域では、酸素センサとして動作させたのでは出力変化が少なく、触媒下流の空燃比を検出するのは困難であるため、空燃比センサとして動作させることで、触媒下流の空燃比を精度良く検出するものである。
【0025】
更に、請求項8では、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲内のときには、下流センサ57の作動電圧をオフして酸素センサとして機能させ、第1の空燃比制御手段により第1の空燃比制御を実行する。そして、吸着物質量が所定範囲外のときには、下流センサ57の作動電圧をオンして空燃比センサとして機能させ、第2の空燃比制御手段により第2の空燃比制御を実行する。これにより、吸着物質量に応じた最適な空燃比制御が可能となる。
【0026】
更に、請求項9では、前記触媒容量判定手段60による触媒最大容量の算出と前記モデル修正手段59による触媒反応モデルのパラメータの修正を、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定範囲外のときに実行する。これは、吸着物質量が所定範囲外のときに、下流センサ57の作動電圧をオンして空燃比センサとして機能させるため、その空燃比センサの実出力を利用して触媒最大容量を精度良く算出するものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態(1)を図2乃至図32に基づいて説明する。まず、図2に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に吸気温度Tamを検出する吸気温センサ14が設けられ、この吸気温センサ14の下流側にスロットルバルブ15とスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。更に、スロットルバルブ15の下流側には、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ17が設けられ、この吸気管圧力センサ17の下流側にサージタンク18が設けられている。このサージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が接続され、この吸気マニホールド19の各気筒の分岐管部にそれぞれ燃料を噴射するインジェクタ20(燃料噴射弁)が取り付けられている。
【0028】
また、エンジン11には各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23を介して供給される。このディストリビュータ23には、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けられ、このクランク角センサ24の出力パルス間隔によってエンジン回転数Neを検出するようになっている。また、エンジン11には、エンジン冷却水温Thwを検出する水温センサ38が取り付けられている。
【0029】
一方、エンジン11の排気ポート(図示せず)には、排気マニホールド25を介して排気管26(排気通路)が接続され、この排気管26の途中に、排出ガス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を低減させる三元触媒等の触媒27が設けられている。この触媒27の上流側には、排出ガスの空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出力する空燃比センサ28が設けられ、また、触媒27の下流側には、排出ガス中の空燃比がリッチかリーンかによって出力が反転する酸素センサ29が“下流センサ”として設けられている。
【0030】
上述した各種のセンサの出力は電子制御回路30内に入力ポート31を介して読み込まれる。電子制御回路30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、CPU32、ROM33、RAM34、バックアップRAM35を備え、各種センサ出力から得られたエンジン運転状態パラメータを用いて燃料噴射量TAUや点火時期Ig等を演算し、その演算結果に応じた信号を出力ポート36からインジェクタ20や点火回路22に出力する。また、触媒27の劣化を検出したときには、出力ポート36から警告ランプ37(警告表示手段)に点灯信号を出力する。
【0031】
更に、この電子制御回路30は、触媒27内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物質の離脱反応及び流入ガス成分の未反応部分の存在を考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記空燃比センサ28の出力に基づいて吸着物質量を推定する吸着物質量推定手段として機能すると共に、推定した吸着物質量が所定範囲内に収まるように目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段としても機能する。以下、これについて詳細に説明する。
【0032】
[流入ガスモル数演算]
図3は、触媒27内に流入する排出ガス(流入ガス)の各成分のモル数を演算するルーチンであり、所定クランク角毎又は所定時間毎に繰り返し処理される。処理が開始されると、まずステップ91で、空燃比センサ28の出力信号を読み込んで、流入ガスの空燃比A/Fを検出する。次のステップ92で、流入ガス中のO2 モル濃度O2INMC,H2 モル濃度H2INMC,COモル濃度COINMC,CO2 モル濃度CO2INMCを空燃比A/Fに応じてテーブル検索又は理論式で算出し(図4参照)、これらの算出値を用いて、次のステップ93にて、H2 Oモル濃度H2OINMCを算出する。次のステップ94では、後述するステップ97で用いる分数式の分母KKKBUNBOを算出し、続くステップ95で、基本噴射量Tpg(g換算)を基本噴射時間Tp,インジェクタサイズINJSIZE,燃料比重ρを用いて次式により算出する。
【0033】
Tpg=Tp×INJSIZE×ρ
更に、ステップ96では、次のステップ97で用いる変数OFIN,OMOLを算出する。この後、ステップ97で、上述したステップ92〜96の処理で求めた数値を用いて流入ガス中のO2 モル数O2INM,H2 モル数H2INM,COモル数COINM,CO2 モル数CO2INM,H2 Oモル数H2OINMを算出する。
【0034】
[触媒反応モデル]
次に、図5〜図7を用いて触媒反応モデルの処理の流れを説明する。この処理では、まずステップ100で、空燃比A/Fに対するリッチ成分とリーン成分の浄化率RJOUKA,LJOUKAをテーブル検索により求める(図8参照)。次のステップ101では、触媒内吸着物質のうち触媒27から離脱する量KDROP1K,KDROP1H,KDROP2H,KDROP2K(モル数)を、前回の処理で求められた吸着物質量OSIOLDに係数K1,K2,K3,K4を乗算して求める。
【0035】
ここで、KDROP1Kは、触媒27内でリーン成分の吸着反応が起こっているときにそのリーン成分の一部が触媒27下流に離脱する量である。
【0036】
KDROP1Hは、触媒27内に吸着されたリーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で反応が起こっているときにリーン成分の一部が反応せずにそのまま触媒27下流に離脱する量である。
【0037】
KDROP2Hは、触媒27内に吸着されたリッチ成分と流入ガスのリーン成分との間で反応が起こっているときにリッチ成分の一部が反応せずにそのまま触媒27下流に離脱する量である。
【0038】
KDROP2Kは、触媒27内でリッチ成分の吸着反応が起こっているときにそのリッチ成分の一部が触媒27下流に離脱する量である。
【0039】
次のステップ102では、前回の処理で求められた吸着物質量OSIOLDの±を判別することで、吸着物質がリーン成分(+)であるか、リッチ成分(−)であるかを判別する。更に、ステップ103,104で、空燃比A/Fが理論空燃比(14.6)以上であるか否かを判別することによって、流入ガスのリーン/リッチを判別する。これらステップ102〜104の処理により、触媒27内での反応を下記の表1に示すように4つの反応形態LK,LH,RH,RKに分類し、各反応形態毎に吸着物質量OSIを算出する。
【0040】
【表1】
【0041】
各反応形態LK,LH,RH,RK毎に、ステップ105〜108で、触媒27内で浄化されない成分割合YUKOU0,YUKOURを、前記ステップ100で求められた浄化率RJOUKA,LJOUKAを用いて算出する。この後、ステップ109〜112で、流入ガスのうち触媒27内で吸着反応も酸化還元反応も起こさずにそのまま触媒27下流に排出される未反応成分量(すり抜け量)SURINUKEを算出する。反応形態LK(ステップ109)では、リーン成分の吸着反応であるため、O2 のすり抜け量を算出し、反応形態LH(ステップ110)では、触媒27内に吸着されたリーン成分が流入ガスのリッチ成分で還元される反応であるため、H2 とCOとの合計すり抜け量を算出する。また、反応形態RH(ステップ111)では、触媒27内に吸着されたリッチ成分が流入ガスのリーン成分で酸化される反応であるため、O2 のすり抜け量を算出し、反応形態RK(ステップ112)では、リッチ成分の吸着反応であるため、H2 とCOのすり抜け量を算出する。尚、A1〜A4は係数である。
【0042】
次のステップ113〜116では、有効吸着割合YUKOUを算出し、続くステップ117〜120で、各反応形態を考慮して触媒27内の吸着物質量OSIを算出する。この後、ステップ121〜124で、吸着物質量OSIを後述するようにガード処理する。ガード処理後、ステップ125〜124で、触媒27から流出するガス中のO2 モル数O2OUTM,H2 モル数H2OUTM,COモル数COOUTM,CO2 モル数CO2OUTM,H2 Oモル数H2OOUTMを各反応形態を考慮して算出する。更に、ステップ129〜132で、各反応形態を考慮して流出ガス中の無害な中性ガス成分(H2 O,CO2 ,O2 )の合計モル数NEUTRALOUTを算出する。次のステップ133で、今回の処理で求めた吸着物質量OSIをOSIOLDとして記憶し、これを次回の処理に利用する。
【0043】
[ガード処理]
上述したステップ121〜124で行われる吸着物質量OSIのガード処理1〜4は、図9〜図12のフローチャートに従って行われる。このガード処理により、MINOSI≦OSI≦MAXOSIとなる。この場合、吸着物質量OSIはリッチ成分がマイナス値となり、リーン成分がプラス値となる。従って、MINOSIはリッチ成分の最大吸着量であり、MAXOSIはリーン成分の最大吸着量である。
【0044】
反応形態LK(OSIOLD>0,A/F≧14.6)の場合のガード処理1は、図9に示すように、まずステップ141で、吸着物質量OSIをMAXOSIと比較し、OSI≧MAXOSIの場合には、ステップ142に進んで、OSI=MAXOSIとし、次のステップ143で、有効吸着割合YUKOUを0にする。また、ステップ144で、吸着物質量OSIがマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、ステップ145に進んで、OSI=0とし、次のステップ146で、触媒27内でリーン成分の吸着反応が起こっているときにそのリーン成分の一部が触媒27下流に離脱する量KDROP1Kを計算する。一方、上記ステップ141,144の判定がいずれも「No」の場合(0≦OSI<MAXOSI)には、吸着物質量OSIのガード処理は行われない。
【0045】
また、反応形態LH(OSIOLD>0,A/F<14.6)の場合のガード処理2は、図10に示すように、まずステップ151で、吸着物質量OSIがマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、ステップ152に進んで、OSI=0とし、次のステップ153で、触媒27内に吸着されたリーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で反応が起こっているときにリーン成分の一部が反応せずにそのまま触媒27下流に離脱する量KDROP1Hを計算する。一方、上記ステップ151で、吸着物質量OSIがプラス値(リーン成分)と判定された場合には、吸着物質量OSIのガード処理は行われない。
【0046】
また、反応形態RH(OSIOLD≦0,A/F≧14.6)の場合のガード処理3は、図11に示すように、まずステップ161で、吸着物質量OSIがプラス値(リーン成分)と判定された場合には、ステップ162に進んで、OSI=0とし、次のステップ163で、触媒27内に吸着されたリッチ成分と流入ガスのリーン成分との間で反応が起こっているときにリッチ成分の一部が反応せずにそのまま触媒27下流に離脱する量KDROP2Hを計算する。一方、上記ステップ161で、吸着物質量OSIがマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、吸着物質量OSIのガード処理は行われない。
【0047】
また、反応形態RK(OSIOLD≦0,A/F<14.6)の場合のガード処理4は、図12に示すように、まずステップ171で、吸着物質量OSIをMINOSIと比較し、OSI<MINOSIの場合には、ステップ172に進んで、OSI=MINOSIとし、次のステップ173で、有効吸着割合YUKOUを0にする。また、ステップ174で、吸着物質量OSIがプラス値(リーン成分)と判定された場合には、ステップ175に進んで、OSI=0とし、次のステップ176で、触媒27内でリッチ成分の吸着反応が起こっているときにそのリッチ成分の一部が触媒27下流に離脱する量KDROP2Kを計算する。一方、上記ステップ171,174の判定がいずれも「No」の場合(MINOSI≦OSI≦0)には、吸着物質量OSIのガード処理は行われない。
【0048】
[酸素センサ流入ガス成分判定]
次に、図13のフローチャートに基づいて、触媒27下流の酸素センサ29に流入するガス成分を判定する処理を説明する。まず、ステップ200で、酸素センサ29に流入するガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを判定するためのリーン成分/リッチ成分の余剰モル数HANNOUとリッチ成分モル数COH2OUTMを計算する。
【0049】
続くステップ201〜203で、流入するガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを余剰モル数HANNOUの値によって判定する。HANNOU=0の場合(バランスが取れている場合)には、ステップ204,207に進み、中性ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。HANNOU>0(リーン成分が余剰)の場合には、ステップ205,208に進み、O2 モル数O2INRと中性ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。HANNOU<0(リッチ成分が余剰)の場合には、ステップ206,209に進み、リッチ成分のモル数COH2INRと中性ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。尚、ステップ207〜209において、PARTは、触媒27から流出したガスが酸素センサ29に流入する比率を示す定数である。
【0050】
[センサ反応モデル]
触媒27下流の酸素センサ29は、白金電極の触媒作用により流入ガス中のリッチ成分とリーン成分(酸素)とを反応させて流入ガス中の残存酸素濃度を低下させ、その酸素濃度低下度合によって流入ガスのリッチ/リーンを検出する。つまり、流入ガスがリッチであれば、残存酸素濃度が大幅に低下し、リーンであれば、残存酸素濃度の低下幅が小さい。このように酸素センサ29の内部でも、触媒27と同様の触媒反応が起こるため、酸素センサ29の出力を、触媒反応モデルと同様のセンサ反応モデルを用いて推定可能である。
【0051】
このセンサ反応モデルを用いて酸素センサ29の出力を推定する処理が図14及び図16に示されている。この処理では、まずステップ300で、酸素センサ29内の吸着物質のうち酸素センサ29から離脱する量KDROP1RK,KDROP1RH,KDROP2RH,KDROP2RK(モル数)を、前回の処理で求められた吸着物質量OSRO2OLDに係数K1R,K2R,K3R,K4Rを乗算して求める。
【0052】
ここで、KDROP1RKは、酸素センサ29内でリーン成分の吸着反応が起こっているときにそのリーン成分の一部がセンサ下流に離脱する量である。
【0053】
KDROP1RHは、酸素センサ29内に吸着されたリーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で反応が起こっているときにリーン成分の一部が反応せずにそのままセンサ下流に離脱する量である。
【0054】
KDROP2RHは、酸素センサ29内に吸着されたリッチ成分と流入ガスのリーン成分との間で反応が起こっているときにリッチ成分の一部が反応せずにそのままセンサ下流に離脱する量である。
【0055】
KDROP2RKは、酸素センサ29内でリッチ成分の吸着反応が起こっているときにそのリッチ成分の一部がセンサ下流に離脱する量である。
【0056】
次のステップ301では、前回の処理で求められた吸着物質量OSRO2OLDの±を判別することで、吸着物質がリーン成分(+)であるか、リッチ成分(−)であるかを判別する。更に、ステップ302,303では、前述した図13のステップ200で算出されたリーン成分/リッチ成分の余剰モル数HANNOUの±を判別することで、流入ガスのリーン/リッチを判別する。これらステップ301〜303の処理により、酸素センサ29内での反応を前掲した表1に示すように4つの反応形態LK,LH,RH,RKに分類し、ステップ304〜307で、各反応形態毎に吸着物質量OSRO2を算出する。センサ反応モデルは、触媒反応モデルと基本的に同じ(サイズが小さいだけ)であるが、センサ反応モデルでは、未反応部分の存在(すり抜け)を無視できる(YOUKOUR=1)。従って、すり抜けに関する図7のステップ105〜116の処理は省略されている。
【0057】
以上のようにして各反応形態毎に吸着物質量OSRO2を算出した後、ステップ308〜311で、吸着物質量OSRO2を後述するようにガード処理する。ガード処理後、ステップ312〜315で、酸素センサ29から流出するガス中のO2 モル数O2OUTR,リッチ成分モル数COH2OUTR,中性ガス成分のモル数NEUTRALOUTRを算出する。
【0058】
この後、ステップ316に進み、酸素センサ29から流出するガス全体の合計モル数TOTALRを算出し、続くステップ317で、流出ガス中のO2 ガス濃度PO2Rを算出し、更に、ステップ318で、流出ガス中のリッチ成分ガス濃度PCOH2Rを算出する。次のステップ319で、流出ガス中のO2 ガス濃度PO2Rとリッチ成分ガス濃度PCOH2Rとの濃度差PGDELRを算出し、続くステップ320で、この濃度差PGDELRに応じて所定のセンサ出力電圧テーブル(図16参照)に基づいて酸素センサ29の出力電圧推定値RVTMを算出する。この後、ステップ321で、今回の処理で求めた吸着物質量OSRO2をOSRO2OLDとして記憶し、これを次回の処理に利用する。
【0059】
[ガード処理]
上述したステップ308〜311で行われる吸着物質量OSRO2のガード処理1〜4は、図17〜図20のフローチャートに従って行われる。このガード処理により、MINOSRO2≦OSRO2≦MAXOSRO2となる。この場合、吸着物質量OSRO2はリッチ成分がマイナス値となり、リーン成分がプラス値となる。従って、MINOSRO2はリッチ成分の最大吸着量であり、MAXOSRO2はリーン成分の最大吸着量である。
【0060】
反応形態LK(OSRO2OLD>0,HANNOU≧0)の場合のガード処理1は、図17に示すように、まずステップ341で、吸着物質量OSRO2をMAXOSRO2と比較し、OSRO2≧MAXOSRO2の場合には、ステップ342に進んで、OSRO2=MAXOSRO2に設定する。また、ステップ343で、吸着物質量OSRO2がマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、ステップ344に進んで、OSRO2=0とし、次のステップ345で、酸素センサ29内でリーン成分の吸着反応が起こっているときにそのリーン成分の一部がセンサ下流に離脱する量KDROP1RKを計算する。一方、上記ステップ341,343の判定がいずれも「No」の場合(0≦OSRO2<MAXOSRO2)には、吸着物質量OSRO2のガード処理は行われない。
【0061】
また、反応形態LH(OSRO2OLD>0,HANNOU<0)の場合のガード処理2は、図18に示すように、まずステップ351で、吸着物質量OSRO2がマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、ステップ352に進んで、OSRO2=0とし、次のステップ353で、酸素センサ29内に吸着されたリーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で反応が起こっているときにリーン成分の一部が反応せずにそのままセンサ下流に離脱する量KDROP1RHを計算する。一方、上記ステップ351で、吸着物質量OSRO2がプラス値(リーン成分)と判定された場合には、吸着物質量OSRO2のガード処理は行われない。
【0062】
また、反応形態RH(OSRO2OLD≦0,HANNOU≧0)の場合のガード処理3は、図19に示すように、まずステップ361で、吸着物質量OSRO2がプラス値(リーン成分)と判定された場合には、ステップ362に進み、OSRO2=0とし、次のステップ363で、酸素センサ29内に吸着されたリッチ成分と流入ガスのリーン成分との間で反応が起こっているときにリッチ成分の一部が反応せずにそのままセンサ下流に離脱する量KDROP2RHを計算する。一方、上記ステップ361にて、吸着物質量OSRO2がマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、吸着物質量OSRO2のガード処理は行われない。
【0063】
また、反応形態RK(OSRO2OLD≦0,HANNOU<0)の場合のガード処理4は、図20に示すように、まずステップ371で、吸着物質量OSRO2をMINOSRO2と比較し、OSRO2<MINOSRO2の場合には、ステップ372に進んで、OSRO2=MINOSRO2に設定する。また、ステップ373で、吸着物質量OSRO2がプラス値(リーン成分)と判定された場合には、ステップ374に進んで、OSRO2=0とし、次のステップ375で、酸素センサ29内でリッチ成分の吸着反応が起こっているときにそのリッチ成分の一部がセンサ下流に離脱する量KDROP2RKを計算する。一方、上記ステップ371,373の判定がいずれも「No」の場合(MINOSRO2≦OSRO2≦0)には、吸着物質量OSRO2のガード処理は行われない。
【0064】
[触媒状態判定]
図21に示す触媒状態判定ルーチンでは、まずステップ400で、触媒27内の吸着物質量OSIが第1の所定範囲内(R1≦OSI≦L1)か否かを判定する。ここで、R1はリッチ側の限界値(マイナス値)で、L1はリーン側の限界値(プラス値)である。もし、吸着物質量OSIが第1の所定範囲外になれば、ステップ403に進み、後述する目標λ設定処理2を実行し、吸着物質量OSIを速やかに減少させる。一方、吸着物質量OSIが第1の所定範囲内に収まっていれば、ステップ401に進み、後述する目標λ設定切替フラグFLAGの値によって目標λ設定処理1(ステップ402)又は目標λ設定処理2(ステップ403)のいずれかを選択して実行する。ここで、目標λとは目標空気過剰率を意味し、次式で表される。
目標λ=目標空燃比/理論空燃比
従って、目標λを設定することで、目標空燃比を設定することにもなる。
【0065】
[目標λ設定処理1]
触媒27内の吸着物質量OSIが第1の所定範囲内で、FLAG=1の場合に実行される目標λ設定処理1は、図22に示されている。この目標λ設定処理1は、吸着物質量OSIに応じて目標λを設定するものである。この目標λ設定処理1では、まずステップ500で、目標λ設定切替フラグFLAGが2であるか否か、つまり前回の目標λTGの設定が目標λ設定処理2で行われたか否かを判定し、「Yes」であれば、ステップ511に進み、目標λTGを1に設定し、目標λ設定切替フラグFLAGを1にセットした後、ステップ513に進み、そのときのリッチ/リーンを記憶して本ルーチンを終了する。
【0066】
その後、本ルーチンが続けて実行されるときには、ステップ500,501を経てステップ502に進み、触媒27内の吸着物質量OSIがプラス値であるか否かによって触媒27内がリーン状態であるか否かを判定し、リーン状態であれば、ステップ503に進み、前回処理で求めた吸着物質量OSIOLDがプラス値であるか否かによって、前回も今回もリーンであるか、或は、前回リッチで今回リーンに反転したか否かを判定する。前回も今回もリーンである場合には、ステップ505に進んで、演算タイミング毎に目標λTGを所定値λIRだけリッチ側に修正する(積分項)。また、前回リッチで今回リーンに反転した場合には、ステップ506に進んで、リッチ側へのスキップ量λSKRを前回の吸着物質量OSIOLDに応じて図23(a)に示すテーブルから求める。この後、ステップ507に進み、目標λTGをλIR+λSKRだけリッチ側に修正し、そのときのリッチ/リーンを記憶して(ステップ513)、本ルーチンを終了する。
【0067】
一方、ステップ502で、OSI≦0の場合、つまり触媒27内がリッチ状態である場合には、ステップ504に進み、前回処理で求めた吸着物質量OSIOLDがマイナス値であるか否かによって、前回も今回もリッチであるか、或は、前回リーンで今回リッチに反転したか否かを判定する。前回も今回もリッチである場合には、ステップ508に進み、演算タイミング毎に目標λTGを所定値λILだけリーン側に修正する。また、前回リーンで今回リッチに反転した場合には、ステップ509に進み、リーン側へのスキップ量λSKLを前回の吸着物質量OSIOLDに応じて図23(b)に示すテーブルから求める。この後、ステップ510に進み、目標λTGをλIL+λSKLだけリーン側に修正し、そのときのリッチ/リーンを記憶して(ステップ513)、本ルーチンを終了する。
【0068】
以上説明した目標λ設定処理1により目標λTGを設定する場合の挙動が図24のタイムチャートに示されている。上述したように、リッチ/リーンが反転したときに、スキップ量λSKR,λSKLを前回の吸着物質量OSIOLDに応じて変化させることで、常に目標λTGを1付近に保つことができる。
【0069】
尚、上述したステップ506,509では、スキップ量λSKR,λSKLをテーブル検索により算出するようにしたが、次式のように、触媒27内の吸着物質量OSIに定数C1,C2を乗算して求めるようにしても良い。
λSKR=C1×OSI
λSKL=C2×(−OSI)
【0070】
[目標λ設定処理2]
触媒27内の吸着物質量OSIが第1の所定範囲外の場合、又は目標λ設定切替フラグFLAGが1以外の場合には、図25に示す目標λ設定処理2が実行される。この目標λ設定処理2では、まずステップ600で、目標λ設定切替フラグFLAGを2にセットし、次のステップ601で、触媒27内の吸着物質量OSIがプラス値であるか否かによって触媒27内がリーン状態であるか否かを判定し、リーン状態であれば、ステップ602に進み、図26(a)に示すテーブルから目標λであるλSTRをエンジン11の筒内空気量に応じて求め、このλSTRを目標λTGとする(ステップ603)。これにより、触媒27内がリーン状態であるときに、それとは反対のリッチ成分のガスが触媒27内に流入するように目標λTGが設定される。
【0071】
一方、ステップ601で、OSI≦0の場合、つまり触媒27内がリッチ状態である場合には、ステップ604に進んで、図26(b)に示すテーブルから目標λであるλSTLをエンジン11の筒内空気量に応じて求め、このλSTLを目標λTGとする(ステップ605)。これにより、触媒27内がリッチ状態であるときに、それとは反対のリーン成分のガスが触媒27内に流入するように目標λTGが設定される。
【0072】
この後、ステップ606で、触媒27内の吸着物質量OSIが第2の所定範囲内(R2≦OSI≦L2)か否かを判定する。第2の所定範囲は、この目標λ設定処理2から図22の目標λ設定処理1へ復帰するタイミングを判定するものであり、前述した図23のステップ400で判定する第1の所定範囲(R1〜L1)よりも幅が狭く、R1≦R2<0<L2≦L1の関係に設定されている。これにより、目標λ設定処理1と目標λ設定処理2の切り替えにヒステリシスを持たせて、制御を安定させる。そして、R2≦OSI≦L2になれば、ステップ607に進み、目標λ設定切替フラグFLAGを1にセットし、次回の処理では、図22の目標λ設定処理1を実行する。
【0073】
以上説明したように、触媒27内の吸着物質量OSIが第1の所定範囲外になったときに、目標λTGをエンジン11の筒内空気量に応じて設定することにより、図29に示すように、吸着物質量OSIを速やかに低減することができ、排出ガス浄化能力を良好に維持できる。
【0074】
[触媒容量変化推定]
図28及び図29に示す触媒容量変化推定処理では、燃料カット復帰後に図15のステップ320で算出した酸素センサ29の出力推定値RVTMと実出力RVTSがリーンからリッチへ反転するまでの時間TS,TMの比によって触媒27の容量変化を判定するものである(図30のタイムチャート参照)。
【0075】
具体的には、まず、図28のステップ700で、燃料カット信号(燃料カットフラグFFCの値)を取り込み、次のステップ701で、燃料カットフラグの現在値FFCと前回値FFCOとの差DFFCを算出し、このDFFCが−1であるか否かによって燃料カット復帰であるか否かを判定する(ステップ702)。燃料カット復帰(DFFC=−1)であれば、ステップ703に進んで、タイムカウントフラグCS,CMを共にタイムカウント中であることを示す“1”に設定する。次のステップ704にて、酸素センサ29の実出力RVTSを0.45(V)と比較し、RVTS>0.45、つまり実出力RVTSの反転タイミングに至れば、ステップ705に進み、タイムカウントフラグCSを“0”にリセットする。
【0076】
次のステップ706では、図17のステップ320で算出した酸素センサ29の推定出力RVTMを0.45(V)と比較し、RVTM>0.45、つまり推定出力RVTMの反転タイミングに至れば、ステップ707に進んで、タイムカウントフラグCMを“0”にリセットする。次のステップ708で、タイムカウントフラグCSがタイムカウント中であることを示す“1”であるか否かを判定し、CS=1であれば、ステップ709に進み、実出力RVTSがリーンからリッチへ反転するまでの時間TSをカウントするタイムカウンタCCSを1カウントアップする。更に、ステップ710で、このタイムカウンタCCSの値に定数Dを乗算して、燃料カット復帰後に実出力RVTSがリーンからリッチへ反転するまでの時間TSを求める。
【0077】
次のステップ711では、タイムカウントフラグCMがタイムカウント中であることを示す“1”であるか否かを判定し、CM=1であれば、ステップ712に進んで、推定出力RVTMがリーンからリッチへ反転するまでの時間TMをカウントするタイムカウンタCCMを1カウントアップする。更に、ステップ713で、このタイムカウンタCCMの値に定数Dを乗算して、燃料カット復帰後に推定出力RVTMがリーンからリッチへ反転するまでの時間TMを求める。
【0078】
この後、ステップ714で、触媒27の容量変化率BAIRITUを次式により算出する。
BAIRITU=TS/TM×E (E:定数)
【0079】
上式により算出される触媒27の容量変化率BAIRITUは、触媒27の最大吸着容量に対する現在容量の比率である。次のステップ715で、現在のリーン成分の最大吸着量MAXOSIをMAXOSIODに容量変化率BAIRITUを掛け合わせて算出し、現在のリッチ成分の最大吸着量MINOSIをMINOSIODに容量変化率BAIRITUを掛け合わせて算出する。ここで、MAXOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量であり、MINOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量である。その後、ステップ716で、エンジン冷却水温Thwが80℃以上、つまり完全暖機後であるか否かを判定し、完全暖機前であれば、以降の処理を行わずに本ルーチンを終了する。
【0080】
完全暖機後であれば、ステップ717に進んで、容量変化率BAIRITUの変化が所定範囲内に入ったか否かを判定し、所定範囲内に入っていれば、ステップ718に進み、触媒劣化度合DETERIOを次式により算出する。
DETERIO=MAXOSI/MAXOSIOD
【0081】
ここで、MAXOSIは、現在のリーン成分の最大吸着量であり、MAXOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量である。次のステップ719で、触媒劣化度合DETERIOを所定の劣化判定値Fと比較し、DETERIO≦Fであれば、触媒劣化と判定される。以上の処理により、DETERIO≦F(触媒劣化)の状態が所定回数続いた時に、最終的に触媒劣化と判定され、警告ランプ37を点灯させて警告表示する(ステップ720)。
【0082】
[空燃比制御]
前述した図22又は図25の処理で求められた目標λTGを用いて、図31の空燃比制御処理により空燃比が目標λTGに一致するように制御される。具体的には、まずステップ801で、吸気管圧力PM、エンジン回転数Ne等の運転状態パラメータに基づいて基本燃料噴射量TPを算出し、続くステップ802で、空燃比のフィードバック条件が成立しているか否かを判定する。ここで、フィードバック条件としては、エンジン冷却水温Thwが所定温度以上であること、運転状態が高回転・高負荷領域ではないこと等があり、これらの条件を全て満たしたときにフィードバック条件が成立し、ステップ804に進むが、フィードバック条件が不成立の場合には、空燃比補正係数FAFを1.0に設定してオープンループ制御を行う。
【0083】
フィードバック条件が成立している場合には、ステップ804で、前述した図22又は図25の処理で求められた目標λTGを用い、空燃比補正係数FAFを算出する(ステップ805)。この後、ステップ806で、燃料噴射量TAUを次式により算出する。
TAU=TP×FAF×FALL (FALL:他の補正係数)
【0084】
[制御特性]
図32は、本実施例による空燃比制御と従来の空燃比制御とを対比して示すタイムチャートである。本実施例では、触媒反応モデルを用いて吸着物質量OSIを推定し、その吸着物質量OSIが所定範囲内に収まるように目標λ(目標空燃比)を設定するようにしたので、従来と比較して、排出ガス中のリーン成分とリッチ成分を低減することができ、排出ガス浄化能力を高めることができる。
【0085】
以上説明した実施例では、図22の目標λ設定処理1において、ステップ502〜504で、触媒27内の吸着物質量OSI,OSIOLDの正負によってリッチ/リーンを判別すると共に、目標λTGのスキップ量λSKR,λSKLを吸着物質量OSIOLDに応じてテーブル検索して求めるようにしている(ステップ506,509)。
【0086】
これに対し、図33及び図34に示す本発明の実施形態(2)では、ステップ502a〜504aで、酸素センサ29の出力電圧RVTSによってリッチ/リーンを判別すると共に、目標λTGのスキップ量λSKR,λSKLを酸素センサ29の出力電圧RVTSに応じて図34に示すテーブルから求める(ステップ506a,509a)。これ以外の処理は、前述した図22の処理と同じである。このようにしても前述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0087】
また、上記実施形態では、図21、図22に示されるように、吸着物質量OSIが所定範囲内のときには吸着物質量OSIに応じて目標空燃比λTGを設定し、所定範囲外のときには内燃機関の筒内空気量に応じて目標空燃比λTGを設定しているが、吸着物質の量に関係なく常に吸着物質量OSIに応じて目標空燃比λTGを設定するようにしても良い。これに関して、図35、図36に2つの実施例を示している。尚、この場合、図21にて実行される触媒状態判定は行う必要がない。
【0088】
図35に示す実施形態(3)では、図22のステップ500,501,511,512を省略することにより、吸着物質量OSIに応じてのみ目標空燃比λTGを設定するようにしている。尚、図35のフローチャートの各ステップの処理は図22と同じであるため説明を省略する。
【0089】
また、図36に示す実施形態(4)では、目標λ設定処理が実行されると、まずステップ900にて吸着物質量OSIが0以上か否かで空燃比がリーンかリッチかを判断する。吸着物質量OSIが0以上のとき、つまり空燃比がリーンのときには、ステップ901に進み、目標空燃比λTGを吸着物質量OSIに応じて次式により算出して本処理を終了する。
λTG=λTG−C1・OSI
【0090】
また、ステップ900にて吸着物質量OSIが0より小さいとき、つまり空燃比がリッチのときには、ステップ902に進み、目標空燃比λTGを吸着物質量OSIに応じて次式により算出して本処理を終了する。
λTG=λTG+C2・(−OSI)
以上の処理を実行することにより、吸着物質量OSIに応じてのみ目標空燃比λTGを設定するようにしても良い。
【0091】
以上説明した各実施形態では、触媒27の下流に設置する下流センサとして酸素センサ27を用いたが、空燃比センサ(A/Fセンサ)を用いるようにしても良い。この場合、空燃比センサは、作動電圧が印加されているときには排出ガスの空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出力するリニアA/Fセンサとして動作し、作動電圧が印加されていないときには排出ガスの空燃比がリッチかリーンかのみを検出する(リッチかリーンかで出力が反転する)酸素センサとして動作する。
【0092】
以下、触媒27の下流に空燃比センサを設置した実施形態(5)について図37乃至図44を参照して説明する。以下、触媒27の下流の空燃比センサを下流側空燃比センサと呼び、前述した実施形態(1)と異なる部分についてのみ説明する。
【0093】
[下流側空燃比センサ流入ガス成分判定]
図37のフローチャートに基づいて、下流側空燃比センサに流入するガス成分を判定する処理を説明する。まず、ステップ1200で、下流側空燃比センサに流入するガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを判定するためのリーン成分/リッチ成分の余剰モル数HANNOUとリッチ成分モル数COH2OUTMを計算する。
【0094】
続くステップ1201〜1203で、流入するガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを余剰モル数HANNOUの値によって判定する。HANNOU=0の場合(バランスが取れている場合)には、ステップ1204,1207に進み、中性ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。
【0095】
また、HANNOU>0(リーン成分が余剰)の場合には、ステップ1205,1208に進み、O2 モル数O2INRと中性ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。一方、HANNOU<0(リッチ成分が余剰)の場合には、ステップ1206,1209に進み、リッチ成分のモル数COH2INRと中性ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。尚、ステップ1207〜1209において、PARTは、触媒27から流出したガスが下流側空燃比センサに流入する比率を示す定数である。
【0096】
[下流側空燃比センサ出力推定]
前記実施形態(1)では、触媒27の下流に設置された酸素センサ29の出力を触媒反応モデルと同様の原理のセンサ反応モデルを用いて推定したが、この実施形態(5)では、触媒反応モデルを用いて求めた触媒27下流に流出する流出ガス成分量を一次遅れ系で処理して下流側空燃比センサの出力を推定する。これは、下流側空燃比センサの出力は、触媒27下流に流出する流出ガス成分量の変化に応じて変化し、流出ガス成分量の変化が下流側空燃比センサの出力を変化させる関係は一次遅れ系で近似できるためである。
【0097】
図37のフローチャートに基づいて下流側空燃比センサの出力を推定する処理の流れを説明する。まず、ステップ1300で、下流側空燃比センサに流入するO2 モル数O2INR(図37のステップ1208で算出された値)が0より大きいか否かで、下流側空燃比センサに流入するガスがリーンかリッチかを判別し、O2INR>0(リーン)の場合には、ステップ1301に進んで、流入ガス中のリーン成分濃度を次式により算出する。
リーン成分濃度=O2INR/(NEUTRALINR+O2INR)
【0098】
ここで、NEUTRALINRは、図37のステップ1208で算出された中性ガス成分のモル数である。そして、次のステップ1302で、流入ガス中のリーン成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテーブルL[図39(a)参照]を用いて、ステップ1301で算出したリーン成分濃度に対応する空燃比テーブル値tA/Fを求める。
【0099】
次のステップ1303で、この空燃比テーブル値tA/Fを一次遅れ系▲1▼で処理して下流側空燃比センサの出力推定値RA/FMを算出する。一次遅れ系▲1▼としては、次の(1)式又は(2)式のいずれかを用いれば良い。
RA/FM=tA/F・(1−e-ktimeL ) ……(1)
RA/FM=tA/F・(1−knamasiL )+前回RA/FM・knamasiL ……(2)
【0100】
ここで、ktimeL はリーン時の一次遅れ系の時定数、knamasiL はリーン時のなまし係数である。尚、(2)式は一般になまし処理と呼ばれているが、なまし処理も一次遅れの要素を含み、(1)式とほぼ同じ結果が得られる。従って、特許請求の範囲で言う一次遅れ系とは、なまし処理も含む広義の概念であり、一次遅れの要素を含む系であれば良い。
【0101】
一方、前記ステップ1300で、O2INR≦0と判断された場合には、ステップ1304に進み、下流側空燃比センサに流入するリッチ成分のモル数COH2INR(図37のステップ1209で算出された値)が0より大きいか否かで、下流側空燃比センサに流入するガスがリッチかリーンかを判別する。そして、COH2INR>0(リッチ)の場合には、ステップ1305に進んで、リッチ成分濃度を次式により算出する。
リッチ成分濃度=COH2INR/(NEUTRALINR+COH2INR)
【0102】
ここで、NEUTRALINRは、図37のステップ1209で算出された中性ガス成分のモル数である。そして、次のステップ1306で、流入ガス中のリッチ成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテーブルR[図39(b)参照]を用いて、ステップ1305で算出したリッチ成分濃度に対応する空燃比テーブル値tA/Fを求める。
【0103】
次のステップ1307で、この空燃比テーブル値tA/Fを一次遅れ系▲2▼で処理して下流側空燃比センサの出力推定値RA/FMを算出する。一次遅れ系▲2▼としては、次の(3)式又は(4)式のいずれかを用いれば良い。
【0104】
RA/FM=tA/F・(1−e-ktimeR ) ……(3)
RA/FM=tA/F・(1−knamasiR )+前回RA/FM・knamasiR ……(4)
ここで、ktimeR はリッチ時の一次遅れ系の時定数、knamasiR はリッチ時のなまし係数である。
【0105】
一方、前述したステップ1300とステップ1304のいずれでも「No」と判定された場合、つまり流入ガスがリーンでもリッチでもない、ストイキの場合には、ステップ1308に進み、下流側空燃比センサの出力推定値RA/FMを目標空燃比A/F0に設定し、次のステップ1309で、この値A/F0を一次遅れ系▲3▼で処理して下流側空燃比センサの出力推定値RA/FMを算出する。一次遅れ系▲3▼としては、次の(5)式又は(6)式のいずれかを用いれば良い。
【0106】
RA/FM=A/F0・(1−e-ktimeN ) ……(5)
RA/FM=A/F0・(1−knamasiN )+前回RA/FM・knamasiN ……(6)
ここで、ktimeN はストイキ時の一次遅れ系の時定数、knamasiN はストイキ時のなまし係数である。
【0107】
このように流入ガス成分量に応じて一次遅れ系の時定数を切り換えることで、流入ガス成分量に応じた最適な時定数を設定することができ、下流側空燃比センサの出力の推定精度を向上させることができる。
【0108】
[触媒容量変化推定]
図40及び図41に示す触媒容量変化推定処理では、燃料カット復帰後に図38のステップ1303で算出した下流側空燃比センサの出力推定値RA/FMと実出力RA/FSがリーン状態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TS,TMの比によって触媒27の容量変化と最大容量(最大吸着量)を判定するものであり、前記実施形態(1)で行った図28と図29の処理に対応する処理である。
【0109】
具体的には、まず、図40のステップ1700で、燃料カット信号(燃料カットフラグFFCの値)を取り込み、次のステップ1701で、燃料カットフラグの現在値FFCと前回値FFCOとの差DFFCを算出し、このDFFCが−1であるか否かによって燃料カット復帰であるか否かを判定する(ステップ1702)。燃料カット復帰(DFFC=−1)であれば、ステップ1703に進んで、タイムカウントフラグCS,CMを共にタイムカウント中であることを示す“1”に設定する。次のステップ1704で、下流側空燃比センサの実出力RA/FSを目標空燃比A/F0と比較し、RA/FS>A/F0、つまり実出力RA/FSがリッチ側に至れば、ステップ1705に進み、タイムカウントフラグCSを“0”にリセットする。
【0110】
次のステップ1706では、図38のステップ1303で算出した下流側空燃比センサの推定出力RA/FMを目標空燃比A/F0と比較し、RA/FM>A/F0つまり推定出力RA/FMがリッチ側に至れば、ステップ1707に進んで、タイムカウントフラグCMを“0”にリセットする。次のステップ1708で、タイムカウントフラグCSがタイムカウント中であることを示す“1”であるか否かを判定し、CS=1であれば、ステップ1709に進み、実出力RA/FSがリーン状態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TSをカウントするタイムカウンタCCSを1カウントアップする。更に、ステップ1710で、このタイムカウンタCCSの値に定数Dを乗算して、燃料カット復帰後に実出力RA/FSがリーン状態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TSを求める。
【0111】
次のステップ1711では、タイムカウントフラグCMがタイムカウント中であることを示す“1”であるか否かを判定し、CM=1であれば、ステップ1712に進んで、推定出力RA/FMがリーン状態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TMをカウントするタイムカウンタCCMを1カウントアップする。更に、ステップ1713で、このタイムカウンタCCMの値に定数Dを乗算して、燃料カット復帰後に推定出力RA/FMがリーン状態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TMを求める。
【0112】
この後、ステップ1714で、触媒27の容量変化率BAIRITUを次式により算出する。
BAIRITU=TS/TM×E (E:定数)
【0113】
上式により算出される触媒27の容量変化率BAIRITUは、触媒27の最大吸着容量(最大容量)に対する現在容量の比率である。次のステップ1715で、現在のリーン成分の最大吸着量MAXOSIをMAXOSIODに容量変化率BAIRITUを掛け合わせて算出し、現在のリッチ成分の最大吸着量MINOSIをMINOSIODに容量変化率BAIRITUを掛け合わせて算出する。ここで、MAXOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量であり、MINOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量である。この後、ステップ1716で、エンジン冷却水温Thwが80℃以上、つまり完全暖機後であるか否かを判定し、完全暖機前であれば、以降の処理を行わずに本ルーチンを終了する。
【0114】
完全暖機後であれば、ステップ1717に進んで、容量変化率BAIRITUの変化が所定範囲内に入ったか否かを判定し、所定範囲内に入っていれば、ステップ1718に進み、触媒劣化度合DETERIOを次式により算出する。
DETERIO=MAXOSI/MAXOSIOD
【0115】
ここで、MAXOSIは、現在のリーン成分の最大吸着量であり、MAXOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量である。次のステップ1719で、触媒劣化度合DETERIOを所定の劣化判定値Fと比較し、DETERIO≦Fであれば、触媒劣化と判定される。以上の処理により、DETERIO≦F(触媒劣化)の状態が所定回数続いた時に、最終的に触媒劣化と判定され、警告ランプ37を点灯させて警告表示する(ステップ1720)。
【0116】
[触媒反応モデルパラメータ修正]
図42と図43は、触媒反応モデルのパラメータである最大吸着量MAXOSI,MINOSIを修正する処理を示している。図42は、図41のステップ1715で算出されたリーン成分の最大吸着量MAXOSIを下記の式でなまし処理してリーン成分の最大吸着量MAXOSIを修正する(ステップ1400)。
【0117】
MAXOSI(i)
={MAXOSI(i) +(a−1)・MAXOSI(i-1) }/a
ここで、aはなまし係数、(i) は今回値、(i-1) は前回値を示す。上式により修正されたリーン成分の最大吸着量MAXOSIは、図9に示すガード処理に用いられる。
【0118】
一方、図43は、図41のステップ1715で算出されたリッチ成分の最大吸着量MINOSIを下記の式でなまし処理してリッチ成分の最大吸着量MINOSIを修正する(ステップ1500)。
MINOSI(i)
={MINOSI(i) +(b−1)・MIMOSI(i-1) }/b
ここで、bはなまし係数である。上式により修正されたリッチ成分の最大吸着量MINOSIは、図12に示すガード処理に用いられる。
【0119】
[空燃比制御]
空燃比制御は、図44に示すように、触媒反応モデルを用いて推定した触媒27の吸着物質量OSIが所定範囲内にあるか否かで下流側空燃比センサの作動電圧をオン/オフして行う。具体的には、まずステップ1800にて、触媒反応モデルを用いて推定した触媒27の吸着物質量OSIが所定範囲内にあるか否かを判定し、所定範囲内であれば、ステップ1801に進んで、下流側空燃比センサの作動電圧印加を停止して、該下流側空燃比センサを、排出ガスの空燃比がリッチかリーンかのみを検出する(リッチかリーンかで出力が反転する)酸素センサとして動作させる。これは、吸着物質量OSIが所定範囲内のときには、触媒27下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的小さいため、酸素センサの出力変化の方が空燃比センサの出力変化よりも大きくなり、空燃比を検出しやすいためである。
【0120】
次のステップ1802では、酸素センサ(下流側空燃比センサ)の出力RVTSを読み込み、続くステップ1803で、酸素センサの出力RVTSに基づく第1の空燃比制御を実行する。この第1の空燃比制御は、例えば図33に示すように酸素センサ出力RVTSに基づいて目標λTGを設定して行う。或は、図22又は図35に示すように、触媒反応モデルを用いて推定した触媒27の吸着物質量OSIに基づいて目標λTGを設定しても良い。
【0121】
一方、ステップ1800で、吸着物質量OSIが所定範囲外であると判定された場合(触媒27下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的大きい場合)には、ステップ1804に進み、下流側空燃比センサに作動電圧を印加して、該下流側空燃比センサを、排出ガスの空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出力するリニアA/Fセンサとして動作させる。これは、触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が大きい領域では、酸素センサとして動作させたのでは出力変化が少なく、触媒下流の空燃比を検出するのは困難であるため、リニアA/Fセンサとして動作させることで、触媒下流の空燃比を精度良く検出するものである。
【0122】
次のステップ1805では、下流側空燃比センサ出力RA/FSを読み込み、続くステップ1806で、触媒最大容量を前述した図40及び図41に示す触媒容量変化推定処理によって算出する。この後、ステップ1807で、前述した図42及び図43に示す触媒反応モデルパラメータ修正処理を実行して、触媒反応モデルのパラメータである最大吸着量MAXOSI,MINOSIを修正する。そして、次のステップ1808で、第2の空燃比制御を実行する。この第2の空燃比制御は、例えば図25に示すように筒内空気量に基づいて目標λTGを設定して行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施態様を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態(1)を示すエンジン制御システム全体の概略構成図
【図3】流入ガスモル数演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図4】流入ガスの空燃比A/Fと各成分の濃度との関係を示す図
【図5】触媒反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図6】触媒反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図7】触媒反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その3)
【図8】流入ガスの空燃比A/Fとリッチ成分浄化率RJYOUKAとリーン成分浄化率LJOUKAとの関係を示す図
【図9】ガード処理1の流れを示すフローチャート
【図10】ガード処理2の流れを示すフローチャート
【図11】ガード処理3の流れを示すフローチャート
【図12】ガード処理4の流れを示すフローチャート
【図13】酸素センサに流入するガス成分を判定する処理の流れを示すフローチャート
【図14】センサ反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図15】センサ反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図16】酸素センサ出力電圧PVTMとPGDELRとの関係を示す図
【図17】ガード処理1の流れを示すフローチャート
【図18】ガード処理2の流れを示すフローチャート
【図19】ガード処理3の流れを示すフローチャート
【図20】ガード処理4の流れを示すフローチャート
【図21】触媒状態判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図22】目標λ設定処理1の処理の流れを示すフローチャート
【図23】スキップ量λSKR,λSKLと触媒内吸着物質量OSIOLDとの関係を示す図
【図24】スキップ量λSKR,λSKLを説明するためのタイムチャート
【図25】目標λ設定処理2の処理の流れを示すフローチャート
【図26】スキップ量λSKR,λSKLと筒内空気量との関係を示す図
【図27】スキップ量λSKR,λSKLを説明するためのタイムチャート
【図28】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図29】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図30】触媒容量変化を推定する処理を説明するためのタイムチャート
【図31】空燃比制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図32】本実施例の制御特性を従来と対比して示すタイムチャート
【図33】本発明の実施形態(2)における目標λ設定処理1の処理の流れを示すフローチャート
【図34】スキップ量λSKR,λSKLと酸素センサ出力RVTSとの関係を示す図
【図35】本発明の実施形態(3)における目標λ設定処理1の処理の流れを示すフローチャート
【図36】本発明の実施形態(4)における目標λ設定処理の処理の流れを示すフローチャート
【図37】本発明の実施形態(5)における下流側空燃比センサに流入するガス成分を判定する処理の流れを示すフローチャート
【図38】下流側空燃比センサの出力を推定する処理の流れを示すフローチャート
【図39】(a)は下流側空燃比センサに流入するガス中のリーン成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテーブルLを概念的に示す図、(b)は下流側空燃比センサに流入するガス中のリッチ成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテーブルRを概念的に示す図
【図40】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図41】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図42】触媒反応モデルのパラメータMAXOSIを修正する処理の流れを示すフローチャート
【図43】触媒反応モデルのパラメータMINOSIを修正する処理の流れを示すフローチャート
【図44】空燃比制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、17…吸気管圧力センサ、26…排気管、27…触媒、28…空燃比センサ、29…酸素センサ(下流センサ)、30…電子制御回路、37…警告ランプ(警告表示手段)、51…内燃機関、52…排気通路、53…触媒、54…空燃比センサ、55…吸着物質量推定手段、56…目標空燃比設定手段、57…下流センサ、58…センサ出力推定手段、59…モデル修正手段、60…触媒容量判定手段、61…警告表示手段。
Claims (10)
- 内燃機関の排気通路の途中に排出ガス浄化用の触媒を設けると共に、この触媒の上流側に排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサを設け、この空燃比センサの出力に基づいて目標空燃比と実空燃比との偏差を小さくするようにフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置において、
前記触媒内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物質の離脱反応、及び、流入ガス成分の未反応部分の存在を考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記空燃比センサの出力に基づいて吸着物質量を推定する吸着物質量推定手段と、
前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内に収まるように前記目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段とを備え、
前記目標空燃比設定手段は、前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内のときに該吸着物質量に基づいて前記目標空燃比を設定し、前記吸着物質量が所定範囲外のときに内燃機関の筒内空気量に基づいて前記目標空燃比を設定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記触媒の下流に流出する流出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する下流センサと、
前記触媒反応モデルを前記下流センサのサイズに縮小したセンサ反応モデルを用いて前記下流センサの出力を推定するセンサ出力推定手段と、
前記センサ出力推定手段による推定センサ出力と前記下流センサの実出力との偏差に基づいて前記触媒反応モデルのパラメータを修正するモデル修正手段と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 燃料カット復帰後に前記センサ出力推定手段による推定センサ出力と前記下流センサの実出力がリーンからリッチへ反転するまでの時間に基づいて前記触媒の容量変化を判定する触媒容量判定手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記触媒容量判定手段は、内燃機関が完全暖機されているときに判定した触媒容量の低下度合によって前記触媒の劣化の有無を判定し、触媒劣化時に警告表示手段に警告表示させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記触媒の下流に流出する排出ガスの空燃比を検出する下流センサと、
前記触媒反応モデルを用いて求めた触媒下流に流出する流出ガス成分量を一次遅れ系で処理して前記下流センサの出力を推定するセンサ出力推定手段と、
前記センサ出力推定手段による推定センサ出力と前記下流センサの実出力とに基づいて触媒最大容量を求める触媒容量判定手段と、
前記触媒容量判定手段により求めた触媒最大容量に基づいて前記触媒反応モデルのパラメータを修正するモデル修正手段と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記センサ出力推定手段は、触媒下流に流出する流出ガス成分量に応じて一次遅れ系の時定数を切り換えて下流センサの出力を推定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記下流センサは、作動電圧オン中は空燃比に応じて出力がリニアに変化し、作動電圧オフ中は空燃比がリッチかリーンかで出力が反転する出力特性を有する空燃比センサを用い、
前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内のときに前記下流センサの作動電圧をオフし、前記吸着物質量が所定範囲外のときに前記下流センサの作動電圧をオンするセンサ特性切換手段を設けたことを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内のときに前記下流センサの作動電圧をオフして第1の空燃比制御を実行する第1の空燃比制御手段と、
前記吸着物質量が所定範囲外のときに前記下流センサの作動電圧をオンして第2の空燃比制御を実行する第2の空燃比制御手段とを備えていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記触媒容量判定手段による触媒最大容量の算出と前記モデル修正手段による触媒反応モデルのパラメータの修正を、前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲外のときに実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 触媒上流の空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御する空燃比制御手段と、
前記触媒内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物質の離脱反応、及び、流入ガス成分の未反応部分の存在を考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記触媒上流の空燃比に基づいて前記触媒に吸着されている吸着物質量を推定する吸着物質量推定手段と、
前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内に収まるように前記目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段とを備え、
前記目標空燃比設定手段は、前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内のときに該吸着物質量に基づいて前記目標空燃比を設定し、前記吸着物質量が所定範囲外のときに内燃機関の筒内空気量に基づいて前記目標空燃比を設定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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