JPH0972235A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH0972235A
JPH0972235A JP8117290A JP11729096A JPH0972235A JP H0972235 A JPH0972235 A JP H0972235A JP 8117290 A JP8117290 A JP 8117290A JP 11729096 A JP11729096 A JP 11729096A JP H0972235 A JPH0972235 A JP H0972235A
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air
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久代 堂田
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勝彦 川合
Shigenori Isomura
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒内吸着物質量を適正に考慮に入れた空燃
比制御を行う。 【解決手段】 触媒53内の吸着物質量を推定する手段
として触媒反応モデルを用いる。この触媒反応モデル
は、触媒53内における流入ガス成分の吸着反応、流入
ガス成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸
着物質の離脱反応、流入ガス成分の未反応部分の存在が
全て考慮されている。この触媒反応モデルを用いて空燃
比センサ54の出力に基づいて吸着物質量を吸着物質量
推定手段55により推定する。そして、推定した吸着物
質量が所定範囲内のときに該吸着物質量に応じて目標空
燃比を設定し、吸着物質量が所定範囲外のときに内燃機
関51の筒内空気量に応じて目標空燃比を設定する。ま
た、触媒反応モデルと同様のセンサ反応モデルを用いて
下流センサ57の出力をセンサ出力推定手段58により
推定し、この推定出力と実出力との関係から触媒53の
劣化も判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排出ガスの空燃比
をリニアに検出する空燃比センサの出力に基づいて空燃
比をフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば特開平6−74072号公
報に示すように、内燃機関の排気通路の途中に排出ガス
浄化用の三元触媒を設けると共に、この触媒の上流側に
排出ガスの空燃比をリニアに検出する空燃比センサを設
け、この空燃比センサの出力信号に基づいて排出ガス中
の空燃比を目標空燃比に合わせるようにフィードバック
制御すると共に、触媒の下流側に、排出ガス中の空燃比
がリッチかリーンかを検出する酸素センサを設け、この
酸素センサの出力信号に基づいて上記目標空燃比を補正
するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、触媒に流入す
る排出ガス中のCO,HC,NOx,H2 等のガス成分
に対して触媒は次のように作用する。
【0004】触媒内における流入ガス成分の吸着反応 触媒内に流入したガス成分の一部は、触媒内部に吸着さ
れる。
【0005】流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸化
還元反応 例えば、吸着物質がリーン成分(NOx,O2 等の酸化
性成分)の場合には、このリーン成分と流入ガス中のリ
ッチ成分(HC,CO,H2 等の還元性成分)とが酸化
還元反応して無害の中性ガス成分(CO2 ,H2 O,N
2 等)が生成され、触媒から排出される。
【0006】触媒内吸着物質の離脱反応 触媒内吸着物質の一部は、酸化還元反応を起こさずに触
媒から離脱して触媒下流に排出される。
【0007】流入ガス成分の未反応部分の存在(以下
「すり抜け」という) 流入ガス成分の一部は、触媒内で吸着反応も酸化還元反
応も起こさずにそのまま触媒下流に排出される。
【0008】従って、触媒による排出ガスの浄化効率を
高めるには、の吸着反応との酸化還元反応を増加さ
せ、の離脱反応を少なくすると共に、のすり抜けを
低減することが必要となる。これら〜の条件は、触
媒内の吸着物質量によって大きく変動し、排出ガスの浄
化効率を変動させる。例えば、リーン成分の吸着量が増
加するに従って、リーン成分の吸着反応が低下し、リー
ン成分のすり抜けが多くなるが、この状態でも、流入ガ
ス中のリッチ成分の割合が増えれば、酸化還元反応が増
加して吸着物質量が減少する。
【0009】このような触媒の特性から、本来的には触
媒内の吸着物質量によって空燃比を制御することが理想
的であるが、前述したように、従来は、触媒下流側の酸
素センサの出力信号に基づいて目標空燃比を補正するだ
けであり、触媒内吸着物質量を適正に考慮に入れた空燃
比制御は不可能であった。
【0010】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、触媒内吸着物質量を
適正に考慮に入れた空燃比制御を行うことができて、排
出ガスの浄化効率を高めることができる内燃機関の空燃
比制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の空燃比制御装置は、
図1に例示するように、内燃機関51の排気通路52の
途中に排出ガス浄化用の触媒53を設けると共に、この
触媒53の上流側に排出ガスの空燃比をリニアに検出す
る空燃比センサ54を設け、この空燃比センサ54の出
力に基づいて目標空燃比と実空燃比との偏差を小さくす
るようにフィードバック制御するものにおいて、前記触
媒53内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス成
分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物質
の離脱反応、及び、流入ガス成分の未反応部分の存在を
考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記空燃比センサ
54の出力に基づいて吸着物質量を推定する吸着物質量
推定手段55と、この吸着物質量推定手段55により推
定した吸着物質量が所定範囲内に収まるように前記目標
空燃比を設定する目標空燃比設定手段56とを備えた構
成としている。
【0012】ここで、触媒53内の吸着物質量を推定す
るために用いる触媒反応モデルは、触媒53内におけ
る流入ガス成分の吸着反応(リーン成分の吸着とリッチ
成分の吸着)、流入ガス成分と触媒内吸着物質との酸
化還元反応(触媒内リッチ成分が流入ガスのリーン成分
により酸化され、触媒内リーン成分が流入ガスのリッチ
成分により還元される)、触媒内吸着物質の離脱反
応、流入ガス成分の未反応部分の存在(すり抜け)が
全て考慮されている。これら〜の条件が触媒53の
排出ガス浄化能力を左右する。
【0013】このような触媒反応モデルを用いて空燃比
センサ54の出力に基づいて吸着物質量を吸着物質量推
定手段55により推定することで、触媒内リッチ成分の
吸着量とリーン成分の吸着量を精度良く推定する。そし
て、この吸着物質量推定手段55により推定した吸着物
質量が所定範囲内に収まるように(つまり触媒内リッチ
成分とリーン成分の吸着量が共に所定量以下となるよう
に)、目標空燃比を目標空燃比設定手段56により設定
し、この目標空燃比に基づいて噴射量演算手段62によ
り燃料噴射量(噴射パルス幅)を演算し、その演算結果
に応じて燃料噴射弁63を駆動する。これにより、排出
ガスの空燃比が触媒53内の吸着物質量を少なくするよ
うに制御され、常に触媒53の排出ガス浄化能力(つま
り吸着反応と酸化還元反応)の低下が抑えられる。
【0014】更に、請求項2では、目標空燃比設定手段
56は、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物
質量に応じて目標空燃比を設定する。これにより、触媒
内の吸着物質量の変化に追従して目標空燃比が設定さ
れ、吸着物質量に対する空燃比制御の精度が向上し、常
に排出ガス浄化能力が最良の状態に保たれる。
【0015】また、請求項3では、目標空燃比設定手段
56は、吸着物質量推定手段55により推定した吸着物
質量が所定範囲内のときに該吸着物質量に応じて目標空
燃比を設定し、前記吸着物質量が所定範囲外のときに内
燃機関51の筒内空気量に応じて目標空燃比を設定す
る。これにより、吸着物質量が所定範囲外になっても、
速やかに低減され、所定範囲内に収まる。
【0016】ところで、触媒53の下流側に設けられた
下流センサ57(酸素センサ)は、白金電極の触媒作用
により流入ガス中のリッチ成分とリーン成分(酸素)と
を反応させて、流入ガスの空燃比又はリッチ/リーンを
検出する。下流センサ57の内部でも、触媒53と同様
の触媒反応が起こるため、下流センサ57の出力を、触
媒反応モデルと同様のセンサ反応モデルを用いて推定可
能である。
【0017】そこで、請求項4では、触媒反応モデルを
下流センサ57のサイズに縮小したセンサ反応モデルを
用いて下流センサ57の出力をセンサ出力推定手段58
により推定し、この推定センサ出力と下流センサ57の
実出力との偏差に応じて触媒反応モデルのパラメータを
モデル修正手段59により修正する。これにより、触媒
53の経時変化に応じて触媒反応モデルが自動的に修正
され、触媒53の経時変化による吸着物質量の推定精度
の低下が抑えられる。
【0018】また、請求項5では、燃料カット復帰後に
センサ出力推定手段58による推定センサ出力と下流セ
ンサ57の実出力がリーンからリッチへ反転するまでの
時間に基づいて触媒53の容量変化を触媒容量判定手段
60により判定する。これにより、触媒53の劣化度合
が判定可能となる。
【0019】更に、請求項6では、内燃機関51が完全
暖機されているときに判定した触媒容量の低下度合によ
って触媒53の劣化の有無を判定し、触媒劣化時に警告
表示手段61に警告表示させる。これにより、触媒劣化
時にはこれを運転者が速やかに知ることができる。
【0020】上述した請求項4では、下流センサ57の
出力を、触媒反応モデルと同様の原理のセンサ反応モデ
ルを用いて推定したが、下流センサ57の出力は、触媒
下流に流出する流出ガス成分量の変化に応じて変化し、
流出ガス成分量の変化が下流センサ57の出力を変化さ
せる関係は一次遅れ系で近似できる。従って、流出ガス
成分量を一次遅れ系で処理しても、下流センサ57の出
力を推定可能である。
【0021】そこで、請求項7では、センサ出力推定手
段58は、触媒反応モデルを用いて求めた触媒下流に流
出する流出ガス成分量を一次遅れ系で処理して下流セン
サ57の出力を推定し、その推定センサ出力と下流セン
サ57の実出力とに基づいて触媒最大容量を触媒容量判
定手段60により算出し、この触媒最大容量に基づいて
前記触媒反応モデルのパラメータをモデル修正手段59
により修正する。これにより、前記請求項4と同じく、
触媒53の経時変化に応じて触媒反応モデルが自動的に
修正され、触媒53の経時変化による吸着物質量の推定
精度の低下が抑えられる。
【0022】更に、請求項8では、触媒下流に流出する
流出ガス成分量に応じて一次遅れ系の時定数を切り換え
て下流センサ57の出力を推定する。これにより、流出
ガス成分に応じて最適な時定数を設定でき、下流センサ
出力の推定精度を向上させることができる。
【0023】一般に、空燃比センサ(A/Fセンサ)
は、作動電圧オン中は空燃比に応じて出力がリニアに変
化するが、作動電圧をオフすると、空燃比がリッチかリ
ーンかで出力が反転する酸素センサとして動作する。こ
の場合、空燃比が目標空燃比の付近で変化するときに
は、酸素センサの出力変化の方が空燃比センサの出力変
化よりも大きくなるため、目標空燃比の付近では酸素セ
ンサの方が空燃比を検出しやすい。また、触媒内の吸着
物質量が少ないと、触媒下流の空燃比と目標空燃比との
偏差が小さくなり、触媒内の吸着物質量が多くなると、
触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が大きくなると
いう関係がある。
【0024】この関係を利用し、請求項9では、下流セ
ンサ57として空燃比センサを用い、吸着物質量推定手
段55により推定した吸着物質量が所定範囲内のとき、
つまり触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的
小さいときには、下流センサ57の作動電圧をオフして
酸素センサとして動作させることで、触媒下流の空燃比
の検出精度を高める。これに対し、吸着物質量推定手段
55により推定した吸着物質量が所定範囲外のとき、つ
まり触媒下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的大
きいときには、下流センサ57の作動電圧をオンして空
燃比センサとして動作させる。これは、触媒下流の空燃
比と目標空燃比との偏差が大きい領域では、酸素センサ
として動作させたのでは出力変化が少なく、触媒下流の
空燃比を検出するのは困難であるため、空燃比センサと
して動作させることで、触媒下流の空燃比を精度良く検
出するものである。
【0025】更に、請求項10では、吸着物質量推定手
段55により推定した吸着物質量が所定範囲内のときに
は、下流センサ57の作動電圧をオフして酸素センサと
して機能させ、第1の空燃比制御手段により第1の空燃
比制御を実行する。そして、吸着物質量が所定範囲外の
ときには、下流センサ57の作動電圧をオンして空燃比
センサとして機能させ、第2の空燃比制御手段により第
2の空燃比制御を実行する。これにより、吸着物質量に
応じた最適な空燃比制御が可能となる。
【0026】更に、請求項11では、前記触媒容量判定
手段60による触媒最大容量の算出と前記モデル修正手
段59による触媒反応モデルのパラメータの修正を、吸
着物質量推定手段55により推定した吸着物質量が所定
範囲外のときに実行する。これは、吸着物質量が所定範
囲外のときに、下流センサ57の作動電圧をオンして空
燃比センサとして機能させるため、その空燃比センサの
実出力を利用して触媒最大容量を精度良く算出するもの
である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態(1)を
図2乃至図32に基づいて説明する。まず、図2に基づ
いてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部に
は、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ1
3の下流側に吸気温度Tamを検出する吸気温センサ1
4が設けられ、この吸気温センサ14の下流側にスロッ
トルバルブ15とスロットル開度THを検出するスロッ
トル開度センサ16とが設けられている。更に、スロッ
トルバルブ15の下流側には、吸気管圧力PMを検出す
る吸気管圧力センサ17が設けられ、この吸気管圧力セ
ンサ17の下流側にサージタンク18が設けられてい
る。このサージタンク18には、エンジン11の各気筒
に空気を導入する吸気マニホールド19が接続され、こ
の吸気マニホールド19の各気筒の分岐管部にそれぞれ
燃料を噴射するインジェクタ20(燃料噴射弁)が取り
付けられている。
【0028】また、エンジン11には各気筒毎に点火プ
ラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火
回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23
を介して供給される。このディストリビュータ23に
は、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個
のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けら
れ、このクランク角センサ24の出力パルス間隔によっ
てエンジン回転数Neを検出するようになっている。ま
た、エンジン11には、エンジン冷却水温Thwを検出
する水温センサ38が取り付けられている。
【0029】一方、エンジン11の排気ポート(図示せ
ず)には、排気マニホールド25を介して排気管26
(排気通路)が接続され、この排気管26の途中に、排
出ガス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を低減さ
せる三元触媒等の触媒27が設けられている。この触媒
27の上流側には、排出ガスの空燃比に応じたリニアな
空燃比信号を出力する空燃比センサ28が設けられ、ま
た、触媒27の下流側には、排出ガス中の空燃比がリッ
チかリーンかによって出力が反転する酸素センサ29が
“下流センサ”として設けられている。
【0030】上述した各種のセンサの出力は電子制御回
路30内に入力ポート31を介して読み込まれる。電子
制御回路30は、マイクロコンピュータを主体として構
成され、CPU32、ROM33、RAM34、バック
アップRAM35を備え、各種センサ出力から得られた
エンジン運転状態パラメータを用いて燃料噴射量TAU
や点火時期Ig等を演算し、その演算結果に応じた信号
を出力ポート36からインジェクタ20や点火回路22
に出力する。また、触媒27の劣化を検出したときに
は、出力ポート36から警告ランプ37(警告表示手
段)に点灯信号を出力する。
【0031】更に、この電子制御回路30は、触媒27
内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス成分と触
媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物質の離脱
反応及び流入ガス成分の未反応部分の存在を考慮に入れ
た触媒反応モデルを用いて前記空燃比センサ28の出力
に基づいて吸着物質量を推定する吸着物質量推定手段と
して機能すると共に、推定した吸着物質量が所定範囲内
に収まるように目標空燃比を設定する目標空燃比設定手
段としても機能する。以下、これについて詳細に説明す
る。
【0032】[流入ガスモル数演算]図3は、触媒27
内に流入する排出ガス(流入ガス)の各成分のモル数を
演算するルーチンであり、所定クランク角毎又は所定時
間毎に繰り返し処理される。処理が開始されると、まず
ステップ91で、空燃比センサ28の出力信号を読み込
んで、流入ガスの空燃比A/Fを検出する。次のステッ
プ92で、流入ガス中のO2 モル濃度O2INMC,H
2 モル濃度H2INMC,COモル濃度COINMC,
CO2 モル濃度CO2INMCを空燃比A/Fに応じて
テーブル検索又は理論式で算出し(図4参照)、これら
の算出値を用いて、次のステップ93にて、H2 Oモル
濃度H2OINMCを算出する。次のステップ94で
は、後述するステップ97で用いる分数式の分母KKK
BUNBOを算出し、続くステップ95で、基本噴射量
Tpg(g換算)を基本噴射時間Tp,インジェクタサ
イズINJSIZE,燃料比重ρを用いて次式により算
出する。
【0033】Tpg=Tp×INJSIZE×ρ 更に、ステップ96では、次のステップ97で用いる変
数OFIN,OMOLを算出する。この後、ステップ9
7で、上述したステップ92〜96の処理で求めた数値
を用いて流入ガス中のO2 モル数O2INM,H2 モル
数H2INM,COモル数COINM,CO2 モル数C
O2INM,H2 Oモル数H2OINMを算出する。
【0034】[触媒反応モデル]次に、図5〜図7を用
いて触媒反応モデルの処理の流れを説明する。この処理
では、まずステップ100で、空燃比A/Fに対するリ
ッチ成分とリーン成分の浄化率RJOUKA,LJOU
KAをテーブル検索により求める(図8参照)。次のス
テップ101では、触媒内吸着物質のうち触媒27から
離脱する量KDROP1K,KDROP1H,KDRO
P2H,KDROP2K(モル数)を、前回の処理で求
められた吸着物質量OSIOLDに係数K1,K2,K
3,K4を乗算して求める。
【0035】ここで、KDROP1Kは、触媒27内で
リーン成分の吸着反応が起こっているときにそのリーン
成分の一部が触媒27下流に離脱する量である。
【0036】KDROP1Hは、触媒27内に吸着され
たリーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で反応が起
こっているときにリーン成分の一部が反応せずにそのま
ま触媒27下流に離脱する量である。
【0037】KDROP2Hは、触媒27内に吸着され
たリッチ成分と流入ガスのリーン成分との間で反応が起
こっているときにリッチ成分の一部が反応せずにそのま
ま触媒27下流に離脱する量である。
【0038】KDROP2Kは、触媒27内でリッチ成
分の吸着反応が起こっているときにそのリッチ成分の一
部が触媒27下流に離脱する量である。
【0039】次のステップ102では、前回の処理で求
められた吸着物質量OSIOLDの±を判別すること
で、吸着物質がリーン成分(+)であるか、リッチ成分
(−)であるかを判別する。更に、ステップ103,1
04で、空燃比A/Fが理論空燃比(14.6)以上で
あるか否かを判別することによって、流入ガスのリーン
/リッチを判別する。これらステップ102〜104の
処理により、触媒27内での反応を下記の表1に示すよ
うに4つの反応形態LK,LH,RH,RKに分類し、
各反応形態毎に吸着物質量OSIを算出する。
【0040】
【表1】
【0041】各反応形態LK,LH,RH,RK毎に、
ステップ105〜108で、触媒27内で浄化されない
成分割合YUKOU0,YUKOURを、前記ステップ
100で求められた浄化率RJOUKA,LJOUKA
を用いて算出する。この後、ステップ109〜112
で、流入ガスのうち触媒27内で吸着反応も酸化還元反
応も起こさずにそのまま触媒27下流に排出される未反
応成分量(すり抜け量)SURINUKEを算出する。
反応形態LK(ステップ109)では、リーン成分の吸
着反応であるため、O2 のすり抜け量を算出し、反応形
態LH(ステップ110)では、触媒27内に吸着され
たリーン成分が流入ガスのリッチ成分で還元される反応
であるため、H2 とCOとの合計すり抜け量を算出す
る。また、反応形態RH(ステップ111)では、触媒
27内に吸着されたリッチ成分が流入ガスのリーン成分
で酸化される反応であるため、O2 のすり抜け量を算出
し、反応形態RK(ステップ112)では、リッチ成分
の吸着反応であるため、H2 とCOのすり抜け量を算出
する。尚、A1〜A4は係数である。
【0042】次のステップ113〜116では、有効吸
着割合YUKOUを算出し、続くステップ117〜12
0で、各反応形態を考慮して触媒27内の吸着物質量O
SIを算出する。この後、ステップ121〜124で、
吸着物質量OSIを後述するようにガード処理する。ガ
ード処理後、ステップ125〜124で、触媒27から
流出するガス中のO2 モル数O2OUTM,H2 モル数
H2OUTM,COモル数COOUTM,CO2 モル数
CO2OUTM,H2 Oモル数H2OOUTMを各反応
形態を考慮して算出する。更に、ステップ129〜13
2で、各反応形態を考慮して流出ガス中の無害な中性ガ
ス成分(H2 O,CO2 ,O2 )の合計モル数NEUT
RALOUTを算出する。次のステップ133で、今回
の処理で求めた吸着物質量OSIをOSIOLDとして
記憶し、これを次回の処理に利用する。
【0043】[ガード処理]上述したステップ121〜
124で行われる吸着物質量OSIのガード処理1〜4
は、図9〜図12のフローチャートに従って行われる。
このガード処理により、MINOSI≦OSI≦MAX
OSIとなる。この場合、吸着物質量OSIはリッチ成
分がマイナス値となり、リーン成分がプラス値となる。
従って、MINOSIはリッチ成分の最大吸着量であ
り、MAXOSIはリーン成分の最大吸着量である。
【0044】反応形態LK(OSIOLD>0,A/F
≧14.6)の場合のガード処理1は、図9に示すよう
に、まずステップ141で、吸着物質量OSIをMAX
OSIと比較し、OSI≧MAXOSIの場合には、ス
テップ142に進んで、OSI=MAXOSIとし、次
のステップ143で、有効吸着割合YUKOUを0にす
る。また、ステップ144で、吸着物質量OSIがマイ
ナス値(リッチ成分)と判定された場合には、ステップ
145に進んで、OSI=0とし、次のステップ146
で、触媒27内でリーン成分の吸着反応が起こっている
ときにそのリーン成分の一部が触媒27下流に離脱する
量KDROP1Kを計算する。一方、上記ステップ14
1,144の判定がいずれも「No」の場合(0≦OS
I<MAXOSI)には、吸着物質量OSIのガード処
理は行われない。
【0045】また、反応形態LH(OSIOLD>0,
A/F<14.6)の場合のガード処理2は、図10に
示すように、まずステップ151で、吸着物質量OSI
がマイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、ス
テップ152に進んで、OSI=0とし、次のステップ
153で、触媒27内に吸着されたリーン成分と流入ガ
スのリッチ成分との間で反応が起こっているときにリー
ン成分の一部が反応せずにそのまま触媒27下流に離脱
する量KDROP1Hを計算する。一方、上記ステップ
151で、吸着物質量OSIがプラス値(リーン成分)
と判定された場合には、吸着物質量OSIのガード処理
は行われない。
【0046】また、反応形態RH(OSIOLD≦0,
A/F≧14.6)の場合のガード処理3は、図11に
示すように、まずステップ161で、吸着物質量OSI
がプラス値(リーン成分)と判定された場合には、ステ
ップ162に進んで、OSI=0とし、次のステップ1
63で、触媒27内に吸着されたリッチ成分と流入ガス
のリーン成分との間で反応が起こっているときにリッチ
成分の一部が反応せずにそのまま触媒27下流に離脱す
る量KDROP2Hを計算する。一方、上記ステップ1
61で、吸着物質量OSIがマイナス値(リッチ成分)
と判定された場合には、吸着物質量OSIのガード処理
は行われない。
【0047】また、反応形態RK(OSIOLD≦0,
A/F<14.6)の場合のガード処理4は、図12に
示すように、まずステップ171で、吸着物質量OSI
をMINOSIと比較し、OSI<MINOSIの場合
には、ステップ172に進んで、OSI=MINOSI
とし、次のステップ173で、有効吸着割合YUKOU
を0にする。また、ステップ174で、吸着物質量OS
Iがプラス値(リーン成分)と判定された場合には、ス
テップ175に進んで、OSI=0とし、次のステップ
176で、触媒27内でリッチ成分の吸着反応が起こっ
ているときにそのリッチ成分の一部が触媒27下流に離
脱する量KDROP2Kを計算する。一方、上記ステッ
プ171,174の判定がいずれも「No」の場合(M
INOSI≦OSI≦0)には、吸着物質量OSIのガ
ード処理は行われない。
【0048】[酸素センサ流入ガス成分判定]次に、図
13のフローチャートに基づいて、触媒27下流の酸素
センサ29に流入するガス成分を判定する処理を説明す
る。まず、ステップ200で、酸素センサ29に流入す
るガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを判
定するためのリーン成分/リッチ成分の余剰モル数HA
NNOUとリッチ成分モル数COH2OUTMを計算す
る。
【0049】続くステップ201〜203で、流入する
ガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを余剰
モル数HANNOUの値によって判定する。HANNO
U=0の場合(バランスが取れている場合)には、ステ
ップ204,207に進み、中性ガス成分のモル数NE
UTRALINRを算出する。HANNOU>0(リー
ン成分が余剰)の場合には、ステップ205,208に
進み、O2 モル数O2INRと中性ガス成分のモル数N
EUTRALINRを算出する。HANNOU<0(リ
ッチ成分が余剰)の場合には、ステップ206,209
に進み、リッチ成分のモル数COH2INRと中性ガス
成分のモル数NEUTRALINRを算出する。尚、ス
テップ207〜209において、PARTは、触媒27
から流出したガスが酸素センサ29に流入する比率を示
す定数である。
【0050】[センサ反応モデル]触媒27下流の酸素
センサ29は、白金電極の触媒作用により流入ガス中の
リッチ成分とリーン成分(酸素)とを反応させて流入ガ
ス中の残存酸素濃度を低下させ、その酸素濃度低下度合
によって流入ガスのリッチ/リーンを検出する。つま
り、流入ガスがリッチであれば、残存酸素濃度が大幅に
低下し、リーンであれば、残存酸素濃度の低下幅が小さ
い。このように酸素センサ29の内部でも、触媒27と
同様の触媒反応が起こるため、酸素センサ29の出力
を、触媒反応モデルと同様のセンサ反応モデルを用いて
推定可能である。
【0051】このセンサ反応モデルを用いて酸素センサ
29の出力を推定する処理が図14及び図16に示され
ている。この処理では、まずステップ300で、酸素セ
ンサ29内の吸着物質のうち酸素センサ29から離脱す
る量KDROP1RK,KDROP1RH,KDROP
2RH,KDROP2RK(モル数)を、前回の処理で
求められた吸着物質量OSRO2OLDに係数K1R,
K2R,K3R,K4Rを乗算して求める。
【0052】ここで、KDROP1RKは、酸素センサ
29内でリーン成分の吸着反応が起こっているときにそ
のリーン成分の一部がセンサ下流に離脱する量である。
【0053】KDROP1RHは、酸素センサ29内に
吸着されたリーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で
反応が起こっているときにリーン成分の一部が反応せず
にそのままセンサ下流に離脱する量である。
【0054】KDROP2RHは、酸素センサ29内に
吸着されたリッチ成分と流入ガスのリーン成分との間で
反応が起こっているときにリッチ成分の一部が反応せず
にそのままセンサ下流に離脱する量である。
【0055】KDROP2RKは、酸素センサ29内で
リッチ成分の吸着反応が起こっているときにそのリッチ
成分の一部がセンサ下流に離脱する量である。
【0056】次のステップ301では、前回の処理で求
められた吸着物質量OSRO2OLDの±を判別するこ
とで、吸着物質がリーン成分(+)であるか、リッチ成
分(−)であるかを判別する。更に、ステップ302,
303では、前述した図13のステップ200で算出さ
れたリーン成分/リッチ成分の余剰モル数HANNOU
の±を判別することで、流入ガスのリーン/リッチを判
別する。これらステップ301〜303の処理により、
酸素センサ29内での反応を前掲した表1に示すように
4つの反応形態LK,LH,RH,RKに分類し、ステ
ップ304〜307で、各反応形態毎に吸着物質量OS
RO2を算出する。センサ反応モデルは、触媒反応モデ
ルと基本的に同じ(サイズが小さいだけ)であるが、セ
ンサ反応モデルでは、未反応部分の存在(すり抜け)を
無視できる(YOUKOUR=1)。従って、すり抜け
に関する図7のステップ105〜116の処理は省略さ
れている。
【0057】以上のようにして各反応形態毎に吸着物質
量OSRO2を算出した後、ステップ308〜311
で、吸着物質量OSRO2を後述するようにガード処理
する。ガード処理後、ステップ312〜315で、酸素
センサ29から流出するガス中のO2 モル数O2OUT
R,リッチ成分モル数COH2OUTR,中性ガス成分
のモル数NEUTRALOUTRを算出する。
【0058】この後、ステップ316に進み、酸素セン
サ29から流出するガス全体の合計モル数TOTALR
を算出し、続くステップ317で、流出ガス中のO2
ス濃度PO2Rを算出し、更に、ステップ318で、流
出ガス中のリッチ成分ガス濃度PCOH2Rを算出す
る。次のステップ319で、流出ガス中のO2 ガス濃度
PO2Rとリッチ成分ガス濃度PCOH2Rとの濃度差
PGDELRを算出し、続くステップ320で、この濃
度差PGDELRに応じて所定のセンサ出力電圧テーブ
ル(図16参照)に基づいて酸素センサ29の出力電圧
推定値RVTMを算出する。この後、ステップ321
で、今回の処理で求めた吸着物質量OSRO2をOSR
O2OLDとして記憶し、これを次回の処理に利用す
る。
【0059】[ガード処理]上述したステップ308〜
311で行われる吸着物質量OSRO2のガード処理1
〜4は、図17〜図20のフローチャートに従って行わ
れる。このガード処理により、MINOSRO2≦OS
RO2≦MAXOSRO2となる。この場合、吸着物質
量OSRO2はリッチ成分がマイナス値となり、リーン
成分がプラス値となる。従って、MINOSRO2はリ
ッチ成分の最大吸着量であり、MAXOSRO2はリー
ン成分の最大吸着量である。
【0060】反応形態LK(OSRO2OLD>0,H
ANNOU≧0)の場合のガード処理1は、図17に示
すように、まずステップ341で、吸着物質量OSRO
2をMAXOSRO2と比較し、OSRO2≧MAXO
SRO2の場合には、ステップ342に進んで、OSR
O2=MAXOSRO2に設定する。また、ステップ3
43で、吸着物質量OSRO2がマイナス値(リッチ成
分)と判定された場合には、ステップ344に進んで、
OSRO2=0とし、次のステップ345で、酸素セン
サ29内でリーン成分の吸着反応が起こっているときに
そのリーン成分の一部がセンサ下流に離脱する量KDR
OP1RKを計算する。一方、上記ステップ341,3
43の判定がいずれも「No」の場合(0≦OSRO2
<MAXOSRO2)には、吸着物質量OSRO2のガ
ード処理は行われない。
【0061】また、反応形態LH(OSRO2OLD>
0,HANNOU<0)の場合のガード処理2は、図1
8に示すように、まずステップ351で、吸着物質量O
SRO2がマイナス値(リッチ成分)と判定された場合
には、ステップ352に進んで、OSRO2=0とし、
次のステップ353で、酸素センサ29内に吸着された
リーン成分と流入ガスのリッチ成分との間で反応が起こ
っているときにリーン成分の一部が反応せずにそのまま
センサ下流に離脱する量KDROP1RHを計算する。
一方、上記ステップ351で、吸着物質量OSRO2が
プラス値(リーン成分)と判定された場合には、吸着物
質量OSRO2のガード処理は行われない。
【0062】また、反応形態RH(OSRO2OLD≦
0,HANNOU≧0)の場合のガード処理3は、図1
9に示すように、まずステップ361で、吸着物質量O
SRO2がプラス値(リーン成分)と判定された場合に
は、ステップ362に進み、OSRO2=0とし、次の
ステップ363で、酸素センサ29内に吸着されたリッ
チ成分と流入ガスのリーン成分との間で反応が起こって
いるときにリッチ成分の一部が反応せずにそのままセン
サ下流に離脱する量KDROP2RHを計算する。一
方、上記ステップ361にて、吸着物質量OSRO2が
マイナス値(リッチ成分)と判定された場合には、吸着
物質量OSRO2のガード処理は行われない。
【0063】また、反応形態RK(OSRO2OLD≦
0,HANNOU<0)の場合のガード処理4は、図2
0に示すように、まずステップ371で、吸着物質量O
SRO2をMINOSRO2と比較し、OSRO2<M
INOSRO2の場合には、ステップ372に進んで、
OSRO2=MINOSRO2に設定する。また、ステ
ップ373で、吸着物質量OSRO2がプラス値(リー
ン成分)と判定された場合には、ステップ374に進ん
で、OSRO2=0とし、次のステップ375で、酸素
センサ29内でリッチ成分の吸着反応が起こっていると
きにそのリッチ成分の一部がセンサ下流に離脱する量K
DROP2RKを計算する。一方、上記ステップ37
1,373の判定がいずれも「No」の場合(MINO
SRO2≦OSRO2≦0)には、吸着物質量OSRO
2のガード処理は行われない。
【0064】[触媒状態判定]図21に示す触媒状態判
定ルーチンでは、まずステップ400で、触媒27内の
吸着物質量OSIが第1の所定範囲内(R1≦OSI≦
L1)か否かを判定する。ここで、R1はリッチ側の限
界値(マイナス値)で、L1はリーン側の限界値(プラ
ス値)である。もし、吸着物質量OSIが第1の所定範
囲外になれば、ステップ403に進み、後述する目標λ
設定処理2を実行し、吸着物質量OSIを速やかに減少
させる。一方、吸着物質量OSIが第1の所定範囲内に
収まっていれば、ステップ401に進み、後述する目標
λ設定切替フラグFLAGの値によって目標λ設定処理
1(ステップ402)又は目標λ設定処理2(ステップ
403)のいずれかを選択して実行する。ここで、目標
λとは目標空気過剰率を意味し、次式で表される。 目標λ=目標空燃比/理論空燃比 従って、目標λを設定することで、目標空燃比を設定す
ることにもなる。
【0065】[目標λ設定処理1]触媒27内の吸着物
質量OSIが第1の所定範囲内で、FLAG=1の場合
に実行される目標λ設定処理1は、図22に示されてい
る。この目標λ設定処理1は、吸着物質量OSIに応じ
て目標λを設定するものである。この目標λ設定処理1
では、まずステップ500で、目標λ設定切替フラグF
LAGが2であるか否か、つまり前回の目標λTGの設
定が目標λ設定処理2で行われたか否かを判定し、「Y
es」であれば、ステップ511に進み、目標λTGを
1に設定し、目標λ設定切替フラグFLAGを1にセッ
トした後、ステップ513に進み、そのときのリッチ/
リーンを記憶して本ルーチンを終了する。
【0066】その後、本ルーチンが続けて実行されると
きには、ステップ500,501を経てステップ502
に進み、触媒27内の吸着物質量OSIがプラス値であ
るか否かによって触媒27内がリーン状態であるか否か
を判定し、リーン状態であれば、ステップ503に進
み、前回処理で求めた吸着物質量OSIOLDがプラス
値であるか否かによって、前回も今回もリーンである
か、或は、前回リッチで今回リーンに反転したか否かを
判定する。前回も今回もリーンである場合には、ステッ
プ505に進んで、演算タイミング毎に目標λTGを所
定値λIRだけリッチ側に修正する(積分項)。また、
前回リッチで今回リーンに反転した場合には、ステップ
506に進んで、リッチ側へのスキップ量λSKRを前
回の吸着物質量OSIOLDに応じて図23(a)に示
すテーブルから求める。この後、ステップ507に進
み、目標λTGをλIR+λSKRだけリッチ側に修正
し、そのときのリッチ/リーンを記憶して(ステップ5
13)、本ルーチンを終了する。
【0067】一方、ステップ502で、OSI≦0の場
合、つまり触媒27内がリッチ状態である場合には、ス
テップ504に進み、前回処理で求めた吸着物質量OS
IOLDがマイナス値であるか否かによって、前回も今
回もリッチであるか、或は、前回リーンで今回リッチに
反転したか否かを判定する。前回も今回もリッチである
場合には、ステップ508に進み、演算タイミング毎に
目標λTGを所定値λILだけリーン側に修正する。ま
た、前回リーンで今回リッチに反転した場合には、ステ
ップ509に進み、リーン側へのスキップ量λSKLを
前回の吸着物質量OSIOLDに応じて図23(b)に
示すテーブルから求める。この後、ステップ510に進
み、目標λTGをλIL+λSKLだけリーン側に修正
し、そのときのリッチ/リーンを記憶して(ステップ5
13)、本ルーチンを終了する。
【0068】以上説明した目標λ設定処理1により目標
λTGを設定する場合の挙動が図24のタイムチャート
に示されている。上述したように、リッチ/リーンが反
転したときに、スキップ量λSKR,λSKLを前回の
吸着物質量OSIOLDに応じて変化させることで、常
に目標λTGを1付近に保つことができる。
【0069】尚、上述したステップ506,509で
は、スキップ量λSKR,λSKLをテーブル検索によ
り算出するようにしたが、次式のように、触媒27内の
吸着物質量OSIに定数C1,C2を乗算して求めるよ
うにしても良い。 λSKR=C1×OSI λSKL=C2×(−OSI)
【0070】[目標λ設定処理2]触媒27内の吸着物
質量OSIが第1の所定範囲外の場合、又は目標λ設定
切替フラグFLAGが1以外の場合には、図25に示す
目標λ設定処理2が実行される。この目標λ設定処理2
では、まずステップ600で、目標λ設定切替フラグF
LAGを2にセットし、次のステップ601で、触媒2
7内の吸着物質量OSIがプラス値であるか否かによっ
て触媒27内がリーン状態であるか否かを判定し、リー
ン状態であれば、ステップ602に進み、図26(a)
に示すテーブルから目標λであるλSTRをエンジン1
1の筒内空気量に応じて求め、このλSTRを目標λT
Gとする(ステップ603)。これにより、触媒27内
がリーン状態であるときに、それとは反対のリッチ成分
のガスが触媒27内に流入するように目標λTGが設定
される。
【0071】一方、ステップ601で、OSI≦0の場
合、つまり触媒27内がリッチ状態である場合には、ス
テップ604に進んで、図26(b)に示すテーブルか
ら目標λであるλSTLをエンジン11の筒内空気量に
応じて求め、このλSTLを目標λTGとする(ステッ
プ605)。これにより、触媒27内がリッチ状態であ
るときに、それとは反対のリーン成分のガスが触媒27
内に流入するように目標λTGが設定される。
【0072】この後、ステップ606で、触媒27内の
吸着物質量OSIが第2の所定範囲内(R2≦OSI≦
L2)か否かを判定する。第2の所定範囲は、この目標
λ設定処理2から図22の目標λ設定処理1へ復帰する
タイミングを判定するものであり、前述した図23のス
テップ400で判定する第1の所定範囲(R1〜L1)
よりも幅が狭く、R1≦R2<0<L2≦L1の関係に
設定されている。これにより、目標λ設定処理1と目標
λ設定処理2の切り替えにヒステリシスを持たせて、制
御を安定させる。そして、R2≦OSI≦L2になれ
ば、ステップ607に進み、目標λ設定切替フラグFL
AGを1にセットし、次回の処理では、図22の目標λ
設定処理1を実行する。
【0073】以上説明したように、触媒27内の吸着物
質量OSIが第1の所定範囲外になったときに、目標λ
TGをエンジン11の筒内空気量に応じて設定すること
により、図29に示すように、吸着物質量OSIを速や
かに低減することができ、排出ガス浄化能力を良好に維
持できる。
【0074】[触媒容量変化推定]図28及び図29に
示す触媒容量変化推定処理では、燃料カット復帰後に図
15のステップ320で算出した酸素センサ29の出力
推定値RVTMと実出力RVTSがリーンからリッチへ
反転するまでの時間TS,TMの比によって触媒27の
容量変化を判定するものである(図30のタイムチャー
ト参照)。
【0075】具体的には、まず、図28のステップ70
0で、燃料カット信号(燃料カットフラグFFCの値)
を取り込み、次のステップ701で、燃料カットフラグ
の現在値FFCと前回値FFCOとの差DFFCを算出
し、このDFFCが−1であるか否かによって燃料カッ
ト復帰であるか否かを判定する(ステップ702)。燃
料カット復帰(DFFC=−1)であれば、ステップ7
03に進んで、タイムカウントフラグCS,CMを共に
タイムカウント中であることを示す“1”に設定する。
次のステップ704にて、酸素センサ29の実出力RV
TSを0.45(V)と比較し、RVTS>0.45、
つまり実出力RVTSの反転タイミングに至れば、ステ
ップ705に進み、タイムカウントフラグCSを“0”
にリセットする。
【0076】次のステップ706では、図17のステッ
プ320で算出した酸素センサ29の推定出力RVTM
を0.45(V)と比較し、RVTM>0.45、つま
り推定出力RVTMの反転タイミングに至れば、ステッ
プ707に進んで、タイムカウントフラグCMを“0”
にリセットする。次のステップ708で、タイムカウン
トフラグCSがタイムカウント中であることを示す
“1”であるか否かを判定し、CS=1であれば、ステ
ップ709に進み、実出力RVTSがリーンからリッチ
へ反転するまでの時間TSをカウントするタイムカウン
タCCSを1カウントアップする。更に、ステップ71
0で、このタイムカウンタCCSの値に定数Dを乗算し
て、燃料カット復帰後に実出力RVTSがリーンからリ
ッチへ反転するまでの時間TSを求める。
【0077】次のステップ711では、タイムカウント
フラグCMがタイムカウント中であることを示す“1”
であるか否かを判定し、CM=1であれば、ステップ7
12に進んで、推定出力RVTMがリーンからリッチへ
反転するまでの時間TMをカウントするタイムカウンタ
CCMを1カウントアップする。更に、ステップ713
で、このタイムカウンタCCMの値に定数Dを乗算し
て、燃料カット復帰後に推定出力RVTMがリーンから
リッチへ反転するまでの時間TMを求める。
【0078】この後、ステップ714で、触媒27の容
量変化率BAIRITUを次式により算出する。 BAIRITU=TS/TM×E (E:定数)
【0079】上式により算出される触媒27の容量変化
率BAIRITUは、触媒27の最大吸着容量に対する
現在容量の比率である。次のステップ715で、現在の
リーン成分の最大吸着量MAXOSIをMAXOSIO
Dに容量変化率BAIRITUを掛け合わせて算出し、
現在のリッチ成分の最大吸着量MINOSIをMINO
SIODに容量変化率BAIRITUを掛け合わせて算
出する。ここで、MAXOSIODは、新品触媒での完
全暖機後のリーン成分の最大吸着量であり、MINOS
IODは、新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大
吸着量である。その後、ステップ716で、エンジン冷
却水温Thwが80℃以上、つまり完全暖機後であるか
否かを判定し、完全暖機前であれば、以降の処理を行わ
ずに本ルーチンを終了する。
【0080】完全暖機後であれば、ステップ717に進
んで、容量変化率BAIRITUの変化が所定範囲内に
入ったか否かを判定し、所定範囲内に入っていれば、ス
テップ718に進み、触媒劣化度合DETERIOを次
式により算出する。 DETERIO=MAXOSI/MAXOSIOD
【0081】ここで、MAXOSIは、現在のリーン成
分の最大吸着量であり、MAXOSIODは、新品触媒
での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量である。次の
ステップ719で、触媒劣化度合DETERIOを所定
の劣化判定値Fと比較し、DETERIO≦Fであれ
ば、触媒劣化と判定される。以上の処理により、DET
ERIO≦F(触媒劣化)の状態が所定回数続いた時
に、最終的に触媒劣化と判定され、警告ランプ37を点
灯させて警告表示する(ステップ720)。
【0082】[空燃比制御]前述した図22又は図25
の処理で求められた目標λTGを用いて、図31の空燃
比制御処理により空燃比が目標λTGに一致するように
制御される。具体的には、まずステップ801で、吸気
管圧力PM、エンジン回転数Ne等の運転状態パラメー
タに基づいて基本燃料噴射量TPを算出し、続くステッ
プ802で、空燃比のフィードバック条件が成立してい
るか否かを判定する。ここで、フィードバック条件とし
ては、エンジン冷却水温Thwが所定温度以上であるこ
と、運転状態が高回転・高負荷領域ではないこと等があ
り、これらの条件を全て満たしたときにフィードバック
条件が成立し、ステップ804に進むが、フィードバッ
ク条件が不成立の場合には、空燃比補正係数FAFを
1.0に設定してオープンループ制御を行う。
【0083】フィードバック条件が成立している場合に
は、ステップ804で、前述した図22又は図25の処
理で求められた目標λTGを用い、空燃比補正係数FA
Fを算出する(ステップ805)。この後、ステップ8
06で、燃料噴射量TAUを次式により算出する。 TAU=TP×FAF×FALL (FALL:他
の補正係数)
【0084】[制御特性]図32は、本実施例による空
燃比制御と従来の空燃比制御とを対比して示すタイムチ
ャートである。本実施例では、触媒反応モデルを用いて
吸着物質量OSIを推定し、その吸着物質量OSIが所
定範囲内に収まるように目標λ(目標空燃比)を設定す
るようにしたので、従来と比較して、排出ガス中のリー
ン成分とリッチ成分を低減することができ、排出ガス浄
化能力を高めることができる。
【0085】以上説明した実施例では、図22の目標λ
設定処理1において、ステップ502〜504で、触媒
27内の吸着物質量OSI,OSIOLDの正負によっ
てリッチ/リーンを判別すると共に、目標λTGのスキ
ップ量λSKR,λSKLを吸着物質量OSIOLDに
応じてテーブル検索して求めるようにしている(ステッ
プ506,509)。
【0086】これに対し、図33及び図34に示す本発
明の実施形態(2)では、ステップ502a〜504a
で、酸素センサ29の出力電圧RVTSによってリッチ
/リーンを判別すると共に、目標λTGのスキップ量λ
SKR,λSKLを酸素センサ29の出力電圧RVTS
に応じて図34に示すテーブルから求める(ステップ5
06a,509a)。これ以外の処理は、前述した図2
2の処理と同じである。このようにしても前述した実施
例と同様の効果を得ることができる。
【0087】また、上記実施形態では、図21、図22
に示されるように、吸着物質量OSIが所定範囲内のと
きには吸着物質量OSIに応じて目標空燃比λTGを設
定し、所定範囲外のときには内燃機関の筒内空気量に応
じて目標空燃比λTGを設定しているが、吸着物質の量
に関係なく常に吸着物質量OSIに応じて目標空燃比λ
TGを設定するようにしても良い。これに関して、図3
5、図36に2つの実施例を示している。尚、この場
合、図21にて実行される触媒状態判定は行う必要がな
い。
【0088】図35に示す実施形態(3)では、図22
のステップ500,501,511,512を省略する
ことにより、吸着物質量OSIに応じてのみ目標空燃比
λTGを設定するようにしている。尚、図35のフロー
チャートの各ステップの処理は図22と同じであるため
説明を省略する。
【0089】また、図36に示す実施形態(4)では、
目標λ設定処理が実行されると、まずステップ900に
て吸着物質量OSIが0以上か否かで空燃比がリーンか
リッチかを判断する。吸着物質量OSIが0以上のと
き、つまり空燃比がリーンのときには、ステップ901
に進み、目標空燃比λTGを吸着物質量OSIに応じて
次式により算出して本処理を終了する。 λTG=λTG−C1・OSI
【0090】また、ステップ900にて吸着物質量OS
Iが0より小さいとき、つまり空燃比がリッチのときに
は、ステップ902に進み、目標空燃比λTGを吸着物
質量OSIに応じて次式により算出して本処理を終了す
る。 λTG=λTG+C2・(−OSI) 以上の処理を実行することにより、吸着物質量OSIに
応じてのみ目標空燃比λTGを設定するようにしても良
い。
【0091】以上説明した各実施形態では、触媒27の
下流に設置する下流センサとして酸素センサ27を用い
たが、空燃比センサ(A/Fセンサ)を用いるようにし
ても良い。この場合、空燃比センサは、作動電圧が印加
されているときには排出ガスの空燃比に応じたリニアな
空燃比信号を出力するリニアA/Fセンサとして動作
し、作動電圧が印加されていないときには排出ガスの空
燃比がリッチかリーンかのみを検出する(リッチかリー
ンかで出力が反転する)酸素センサとして動作する。
【0092】以下、触媒27の下流に空燃比センサを設
置した実施形態(5)について図37乃至図44を参照
して説明する。以下、触媒27の下流の空燃比センサを
下流側空燃比センサと呼び、前述した実施形態(1)と
異なる部分についてのみ説明する。
【0093】[下流側空燃比センサ流入ガス成分判定]
図37のフローチャートに基づいて、下流側空燃比セン
サに流入するガス成分を判定する処理を説明する。ま
ず、ステップ1200で、下流側空燃比センサに流入す
るガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを判
定するためのリーン成分/リッチ成分の余剰モル数HA
NNOUとリッチ成分モル数COH2OUTMを計算す
る。
【0094】続くステップ1201〜1203で、流入
するガス成分のリーン成分とリッチ成分とのバランスを
余剰モル数HANNOUの値によって判定する。HAN
NOU=0の場合(バランスが取れている場合)には、
ステップ1204,1207に進み、中性ガス成分のモ
ル数NEUTRALINRを算出する。
【0095】また、HANNOU>0(リーン成分が余
剰)の場合には、ステップ1205,1208に進み、
2 モル数O2INRと中性ガス成分のモル数NEUT
RALINRを算出する。一方、HANNOU<0(リ
ッチ成分が余剰)の場合には、ステップ1206,12
09に進み、リッチ成分のモル数COH2INRと中性
ガス成分のモル数NEUTRALINRを算出する。
尚、ステップ1207〜1209において、PART
は、触媒27から流出したガスが下流側空燃比センサに
流入する比率を示す定数である。
【0096】[下流側空燃比センサ出力推定]前記実施
形態(1)では、触媒27の下流に設置された酸素セン
サ29の出力を触媒反応モデルと同様の原理のセンサ反
応モデルを用いて推定したが、この実施形態(5)で
は、触媒反応モデルを用いて求めた触媒27下流に流出
する流出ガス成分量を一次遅れ系で処理して下流側空燃
比センサの出力を推定する。これは、下流側空燃比セン
サの出力は、触媒27下流に流出する流出ガス成分量の
変化に応じて変化し、流出ガス成分量の変化が下流側空
燃比センサの出力を変化させる関係は一次遅れ系で近似
できるためである。
【0097】図37のフローチャートに基づいて下流側
空燃比センサの出力を推定する処理の流れを説明する。
まず、ステップ1300で、下流側空燃比センサに流入
するO2 モル数O2INR(図37のステップ1208
で算出された値)が0より大きいか否かで、下流側空燃
比センサに流入するガスがリーンかリッチかを判別し、
O2INR>0(リーン)の場合には、ステップ130
1に進んで、流入ガス中のリーン成分濃度を次式により
算出する。 リーン成分濃度=O2INR/(NEUTRALINR
+O2INR)
【0098】ここで、NEUTRALINRは、図37
のステップ1208で算出された中性ガス成分のモル数
である。そして、次のステップ1302で、流入ガス中
のリーン成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテーブ
ルL[図39(a)参照]を用いて、ステップ1301
で算出したリーン成分濃度に対応する空燃比テーブル値
tA/Fを求める。
【0099】次のステップ1303で、この空燃比テー
ブル値tA/Fを一次遅れ系で処理して下流側空燃比
センサの出力推定値RA/FMを算出する。一次遅れ系
としては、次の(1)式又は(2)式のいずれかを用
いれば良い。 RA/FM=tA/F・(1−e-ktimeL ) ……(1) RA/FM=tA/F・(1−knamasiL )+前回RA/FM・knamasiL ……(2)
【0100】ここで、ktimeL はリーン時の一次遅れ系
の時定数、knamasiL はリーン時のなまし係数である。
尚、(2)式は一般になまし処理と呼ばれているが、な
まし処理も一次遅れの要素を含み、(1)式とほぼ同じ
結果が得られる。従って、特許請求の範囲で言う一次遅
れ系とは、なまし処理も含む広義の概念であり、一次遅
れの要素を含む系であれば良い。
【0101】一方、前記ステップ1300で、O2IN
R≦0と判断された場合には、ステップ1304に進
み、下流側空燃比センサに流入するリッチ成分のモル数
COH2INR(図37のステップ1209で算出され
た値)が0より大きいか否かで、下流側空燃比センサに
流入するガスがリッチかリーンかを判別する。そして、
COH2INR>0(リッチ)の場合には、ステップ1
305に進んで、リッチ成分濃度を次式により算出す
る。 リッチ成分濃度=COH2INR/(NEUTRALI
NR+COH2INR)
【0102】ここで、NEUTRALINRは、図37
のステップ1209で算出された中性ガス成分のモル数
である。そして、次のステップ1306で、流入ガス中
のリッチ成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテーブ
ルR[図39(b)参照]を用いて、ステップ1305
で算出したリッチ成分濃度に対応する空燃比テーブル値
tA/Fを求める。
【0103】次のステップ1307で、この空燃比テー
ブル値tA/Fを一次遅れ系で処理して下流側空燃比
センサの出力推定値RA/FMを算出する。一次遅れ系
としては、次の(3)式又は(4)式のいずれかを用
いれば良い。
【0104】 RA/FM=tA/F・(1−e-ktimeR ) ……(3) RA/FM=tA/F・(1−knamasiR )+前回RA/FM・knamasiR ……(4) ここで、ktimeR はリッチ時の一次遅れ系の時定数、k
namasiR はリッチ時のなまし係数である。
【0105】一方、前述したステップ1300とステッ
プ1304のいずれでも「No」と判定された場合、つ
まり流入ガスがリーンでもリッチでもない、ストイキの
場合には、ステップ1308に進み、下流側空燃比セン
サの出力推定値RA/FMを目標空燃比A/F0に設定
し、次のステップ1309で、この値A/F0を一次遅
れ系で処理して下流側空燃比センサの出力推定値RA
/FMを算出する。一次遅れ系としては、次の(5)
式又は(6)式のいずれかを用いれば良い。
【0106】 RA/FM=A/F0・(1−e-ktimeN ) ……(5) RA/FM=A/F0・(1−knamasiN )+前回RA/FM・knamasiN ……(6) ここで、ktimeN はストイキ時の一次遅れ系の時定数、
knamasiN はストイキ時のなまし係数である。
【0107】このように流入ガス成分量に応じて一次遅
れ系の時定数を切り換えることで、流入ガス成分量に応
じた最適な時定数を設定することができ、下流側空燃比
センサの出力の推定精度を向上させることができる。
【0108】[触媒容量変化推定]図40及び図41に
示す触媒容量変化推定処理では、燃料カット復帰後に図
38のステップ1303で算出した下流側空燃比センサ
の出力推定値RA/FMと実出力RA/FSがリーン状
態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TS,T
Mの比によって触媒27の容量変化と最大容量(最大吸
着量)を判定するものであり、前記実施形態(1)で行
った図28と図29の処理に対応する処理である。
【0109】具体的には、まず、図40のステップ17
00で、燃料カット信号(燃料カットフラグFFCの
値)を取り込み、次のステップ1701で、燃料カット
フラグの現在値FFCと前回値FFCOとの差DFFC
を算出し、このDFFCが−1であるか否かによって燃
料カット復帰であるか否かを判定する(ステップ170
2)。燃料カット復帰(DFFC=−1)であれば、ス
テップ1703に進んで、タイムカウントフラグCS,
CMを共にタイムカウント中であることを示す“1”に
設定する。次のステップ1704で、下流側空燃比セン
サの実出力RA/FSを目標空燃比A/F0と比較し、
RA/FS>A/F0、つまり実出力RA/FSがリッ
チ側に至れば、ステップ1705に進み、タイムカウン
トフラグCSを“0”にリセットする。
【0110】次のステップ1706では、図38のステ
ップ1303で算出した下流側空燃比センサの推定出力
RA/FMを目標空燃比A/F0と比較し、RA/FM
>A/F0つまり推定出力RA/FMがリッチ側に至れ
ば、ステップ1707に進んで、タイムカウントフラグ
CMを“0”にリセットする。次のステップ1708
で、タイムカウントフラグCSがタイムカウント中であ
ることを示す“1”であるか否かを判定し、CS=1で
あれば、ステップ1709に進み、実出力RA/FSが
リーン状態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間
TSをカウントするタイムカウンタCCSを1カウント
アップする。更に、ステップ1710で、このタイムカ
ウンタCCSの値に定数Dを乗算して、燃料カット復帰
後に実出力RA/FSがリーン状態から目標空燃比A/
F0に達するまでの時間TSを求める。
【0111】次のステップ1711では、タイムカウン
トフラグCMがタイムカウント中であることを示す
“1”であるか否かを判定し、CM=1であれば、ステ
ップ1712に進んで、推定出力RA/FMがリーン状
態から目標空燃比A/F0に達するまでの時間TMをカ
ウントするタイムカウンタCCMを1カウントアップす
る。更に、ステップ1713で、このタイムカウンタC
CMの値に定数Dを乗算して、燃料カット復帰後に推定
出力RA/FMがリーン状態から目標空燃比A/F0に
達するまでの時間TMを求める。
【0112】この後、ステップ1714で、触媒27の
容量変化率BAIRITUを次式により算出する。 BAIRITU=TS/TM×E (E:定数)
【0113】上式により算出される触媒27の容量変化
率BAIRITUは、触媒27の最大吸着容量(最大容
量)に対する現在容量の比率である。次のステップ17
15で、現在のリーン成分の最大吸着量MAXOSIを
MAXOSIODに容量変化率BAIRITUを掛け合
わせて算出し、現在のリッチ成分の最大吸着量MINO
SIをMINOSIODに容量変化率BAIRITUを
掛け合わせて算出する。ここで、MAXOSIODは、
新品触媒での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量であ
り、MINOSIODは、新品触媒での完全暖機後のリ
ーン成分の最大吸着量である。この後、ステップ171
6で、エンジン冷却水温Thwが80℃以上、つまり完
全暖機後であるか否かを判定し、完全暖機前であれば、
以降の処理を行わずに本ルーチンを終了する。
【0114】完全暖機後であれば、ステップ1717に
進んで、容量変化率BAIRITUの変化が所定範囲内
に入ったか否かを判定し、所定範囲内に入っていれば、
ステップ1718に進み、触媒劣化度合DETERIO
を次式により算出する。 DETERIO=MAXOSI/MAXOSIOD
【0115】ここで、MAXOSIは、現在のリーン成
分の最大吸着量であり、MAXOSIODは、新品触媒
での完全暖機後のリーン成分の最大吸着量である。次の
ステップ1719で、触媒劣化度合DETERIOを所
定の劣化判定値Fと比較し、DETERIO≦Fであれ
ば、触媒劣化と判定される。以上の処理により、DET
ERIO≦F(触媒劣化)の状態が所定回数続いた時
に、最終的に触媒劣化と判定され、警告ランプ37を点
灯させて警告表示する(ステップ1720)。
【0116】[触媒反応モデルパラメータ修正]図42
と図43は、触媒反応モデルのパラメータである最大吸
着量MAXOSI,MINOSIを修正する処理を示し
ている。図42は、図41のステップ1715で算出さ
れたリーン成分の最大吸着量MAXOSIを下記の式で
なまし処理してリーン成分の最大吸着量MAXOSIを
修正する(ステップ1400)。
【0117】MAXOSI(i)={MAXOSI(i) +
(a−1)・MAXOSI(i-1) }/a ここで、aはなまし係数、(i) は今回値、(i-1) は前回
値を示す。上式により修正されたリーン成分の最大吸着
量MAXOSIは、図9に示すガード処理に用いられ
る。
【0118】一方、図43は、図41のステップ171
5で算出されたリッチ成分の最大吸着量MINOSIを
下記の式でなまし処理してリッチ成分の最大吸着量MI
NOSIを修正する(ステップ1500)。 MINOSI(i)={MINOSI(i) +(b−1)・
MIMOSI(i-1) }/b ここで、bはなまし係数である。上式により修正された
リッチ成分の最大吸着量MINOSIは、図12に示す
ガード処理に用いられる。
【0119】[空燃比制御]空燃比制御は、図44に示
すように、触媒反応モデルを用いて推定した触媒27の
吸着物質量OSIが所定範囲内にあるか否かで下流側空
燃比センサの作動電圧をオン/オフして行う。具体的に
は、まずステップ1800にて、触媒反応モデルを用い
て推定した触媒27の吸着物質量OSIが所定範囲内に
あるか否かを判定し、所定範囲内であれば、ステップ1
801に進んで、下流側空燃比センサの作動電圧印加を
停止して、該下流側空燃比センサを、排出ガスの空燃比
がリッチかリーンかのみを検出する(リッチかリーンか
で出力が反転する)酸素センサとして動作させる。これ
は、吸着物質量OSIが所定範囲内のときには、触媒2
7下流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的小さいた
め、酸素センサの出力変化の方が空燃比センサの出力変
化よりも大きくなり、空燃比を検出しやすいためであ
る。
【0120】次のステップ1802では、酸素センサ
(下流側空燃比センサ)の出力RVTSを読み込み、続
くステップ1803で、酸素センサの出力RVTSに基
づく第1の空燃比制御を実行する。この第1の空燃比制
御は、例えば図33に示すように酸素センサ出力RVT
Sに基づいて目標λTGを設定して行う。或は、図22
又は図35に示すように、触媒反応モデルを用いて推定
した触媒27の吸着物質量OSIに基づいて目標λTG
を設定しても良い。
【0121】一方、ステップ1800で、吸着物質量O
SIが所定範囲外であると判定された場合(触媒27下
流の空燃比と目標空燃比との偏差が比較的大きい場合)
には、ステップ1804に進み、下流側空燃比センサに
作動電圧を印加して、該下流側空燃比センサを、排出ガ
スの空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出力するリニ
アA/Fセンサとして動作させる。これは、触媒下流の
空燃比と目標空燃比との偏差が大きい領域では、酸素セ
ンサとして動作させたのでは出力変化が少なく、触媒下
流の空燃比を検出するのは困難であるため、リニアA/
Fセンサとして動作させることで、触媒下流の空燃比を
精度良く検出するものである。
【0122】次のステップ1805では、下流側空燃比
センサ出力RA/FSを読み込み、続くステップ180
6で、触媒最大容量を前述した図40及び図41に示す
触媒容量変化推定処理によって算出する。この後、ステ
ップ1807で、前述した図42及び図43に示す触媒
反応モデルパラメータ修正処理を実行して、触媒反応モ
デルのパラメータである最大吸着量MAXOSI,MI
NOSIを修正する。そして、次のステップ1808
で、第2の空燃比制御を実行する。この第2の空燃比制
御は、例えば図25に示すように筒内空気量に基づいて
目標λTGを設定して行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施態様を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態(1)を示すエンジン制御シ
ステム全体の概略構成図
【図3】流入ガスモル数演算ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート
【図4】流入ガスの空燃比A/Fと各成分の濃度との関
係を示す図
【図5】触媒反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その1)
【図6】触媒反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その2)
【図7】触媒反応モデル演算ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その3)
【図8】流入ガスの空燃比A/Fとリッチ成分浄化率R
JYOUKAとリーン成分浄化率LJOUKAとの関係
を示す図
【図9】ガード処理1の流れを示すフローチャート
【図10】ガード処理2の流れを示すフローチャート
【図11】ガード処理3の流れを示すフローチャート
【図12】ガード処理4の流れを示すフローチャート
【図13】酸素センサに流入するガス成分を判定する処
理の流れを示すフローチャート
【図14】センサ反応モデル演算ルーチンの処理の流れ
を示すフローチャート(その1)
【図15】センサ反応モデル演算ルーチンの処理の流れ
を示すフローチャート(その2)
【図16】酸素センサ出力電圧PVTMとPGDELR
との関係を示す図
【図17】ガード処理1の流れを示すフローチャート
【図18】ガード処理2の流れを示すフローチャート
【図19】ガード処理3の流れを示すフローチャート
【図20】ガード処理4の流れを示すフローチャート
【図21】触媒状態判定ルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図22】目標λ設定処理1の処理の流れを示すフロー
チャート
【図23】スキップ量λSKR,λSKLと触媒内吸着
物質量OSIOLDとの関係を示す図
【図24】スキップ量λSKR,λSKLを説明するた
めのタイムチャート
【図25】目標λ設定処理2の処理の流れを示すフロー
チャート
【図26】スキップ量λSKR,λSKLと筒内空気量
との関係を示す図
【図27】スキップ量λSKR,λSKLを説明するた
めのタイムチャート
【図28】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その1)
【図29】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その2)
【図30】触媒容量変化を推定する処理を説明するため
のタイムチャート
【図31】空燃比制御ルーチンの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図32】本実施例の制御特性を従来と対比して示すタ
イムチャート
【図33】本発明の実施形態(2)における目標λ設定
処理1の処理の流れを示すフローチャート
【図34】スキップ量λSKR,λSKLと酸素センサ
出力RVTSとの関係を示す図
【図35】本発明の実施形態(3)における目標λ設定
処理1の処理の流れを示すフローチャート
【図36】本発明の実施形態(4)における目標λ設定
処理の処理の流れを示すフローチャート
【図37】本発明の実施形態(5)における下流側空燃
比センサに流入するガス成分を判定する処理の流れを示
すフローチャート
【図38】下流側空燃比センサの出力を推定する処理の
流れを示すフローチャート
【図39】(a)は下流側空燃比センサに流入するガス
中のリーン成分濃度から空燃比tA/Fを換算するテー
ブルLを概念的に示す図、(b)は下流側空燃比センサ
に流入するガス中のリッチ成分濃度から空燃比tA/F
を換算するテーブルRを概念的に示す図
【図40】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その1)
【図41】触媒容量変化推定ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート(その2)
【図42】触媒反応モデルのパラメータMAXOSIを
修正する処理の流れを示すフローチャート
【図43】触媒反応モデルのパラメータMINOSIを
修正する処理の流れを示すフローチャート
【図44】空燃比制御ルーチンの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、17…吸気管圧力セン
サ、26…排気管、27…触媒、28…空燃比センサ、
29…酸素センサ(下流センサ)、30…電子制御回
路、37…警告ランプ(警告表示手段)、51…内燃機
関、52…排気通路、53…触媒、54…空燃比セン
サ、55…吸着物質量推定手段、56…目標空燃比設定
手段、57…下流センサ、58…センサ出力推定手段、
59…モデル修正手段、60…触媒容量判定手段、61
…警告表示手段。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路の途中に排出ガス浄
    化用の触媒を設けると共に、この触媒の上流側に排出ガ
    スの空燃比をリニアに検出する空燃比センサを設け、こ
    の空燃比センサの出力に基づいて目標空燃比と実空燃比
    との偏差を小さくするようにフィードバック制御する内
    燃機関の空燃比制御装置において、 前記触媒内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス
    成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物
    質の離脱反応、及び、流入ガス成分の未反応部分の存在
    を考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記空燃比セン
    サの出力に基づいて吸着物質量を推定する吸着物質量推
    定手段と、 前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所
    定範囲内に収まるように前記目標空燃比を設定する目標
    空燃比設定手段とを備えていることを特徴とする内燃機
    関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標空燃比設定手段は、前記吸着物
    質量推定手段により推定した吸着物質量に基づいて前記
    目標空燃比を設定することを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標空燃比設定手段は、前記吸着物
    質量推定手段により推定した吸着物質量が所定範囲内の
    ときに該吸着物質量に基づいて前記目標空燃比を設定
    し、前記吸着物質量が所定範囲外のときに内燃機関の筒
    内空気量に基づいて前記目標空燃比を設定することを特
    徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 前記触媒の下流に流出する流出ガスの空
    燃比又はリッチ/リーンを検出する下流センサと、 前記触媒反応モデルを前記下流センサのサイズに縮小し
    たセンサ反応モデルを用いて前記下流センサの出力を推
    定するセンサ出力推定手段と、 前記センサ出力推定手段による推定センサ出力と前記下
    流センサの実出力との偏差に基づいて前記触媒反応モデ
    ルのパラメータを修正するモデル修正手段とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 燃料カット復帰後に前記センサ出力推定
    手段による推定センサ出力と前記下流センサの実出力が
    リーンからリッチへ反転するまでの時間に基づいて前記
    触媒の容量変化を判定する触媒容量判定手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の空燃比
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記触媒容量判定手段は、内燃機関が完
    全暖機されているときに判定した触媒容量の低下度合に
    よって前記触媒の劣化の有無を判定し、触媒劣化時に警
    告表示手段に警告表示させることを特徴とする請求項5
    に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】 前記触媒の下流に流出する排出ガスの空
    燃比を検出する下流センサと、 前記触媒反応モデルを用いて求めた触媒下流に流出する
    流出ガス成分量を一次遅れ系で処理して前記下流センサ
    の出力を推定するセンサ出力推定手段と、 前記センサ出力推定手段による推定センサ出力と前記下
    流センサの実出力とに基づいて触媒最大容量を求める触
    媒容量判定手段と、 前記触媒容量判定手段により求めた触媒最大容量に基づ
    いて前記触媒反応モデルのパラメータを修正するモデル
    修正手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】 前記センサ出力推定手段は、触媒下流に
    流出する流出ガス成分量に応じて一次遅れ系の時定数を
    切り換えて下流センサの出力を推定することを特徴とす
    る請求項7に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  9. 【請求項9】 前記下流センサは、作動電圧オン中は空
    燃比に応じて出力がリニアに変化し、作動電圧オフ中は
    空燃比がリッチかリーンかで出力が反転する出力特性を
    有する空燃比センサを用い、 前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所
    定範囲内のときに前記下流センサの作動電圧をオフし、
    前記吸着物質量が所定範囲外のときに前記下流センサの
    作動電圧をオンするセンサ特性切換手段を設けたことを
    特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の空燃比制
    御装置。
  10. 【請求項10】 前記吸着物質量推定手段により推定し
    た吸着物質量が所定範囲内のときに前記下流センサの作
    動電圧をオフして第1の空燃比制御を実行する第1の空
    燃比制御手段と、 前記吸着物質量が所定範囲外のときに前記下流センサの
    作動電圧をオンして第2の空燃比制御を実行する第2の
    空燃比制御手段とを備えていることを特徴とする請求項
    9に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  11. 【請求項11】 前記触媒容量判定手段による触媒最大
    容量の算出と前記モデル修正手段による触媒反応モデル
    のパラメータの修正を、前記吸着物質量推定手段により
    推定した吸着物質量が所定範囲外のときに実行すること
    を特徴とする請求項9又は10に記載の内燃機関の空燃
    比制御装置。
  12. 【請求項12】 触媒上流の空燃比が目標空燃比となる
    ようにフィードバック制御する空燃比制御手段と、 前記触媒内における流入ガス成分の吸着反応、流入ガス
    成分と触媒内吸着物質との酸化還元反応、触媒内吸着物
    質の離脱反応、及び、流入ガス成分の未反応部分の存在
    を考慮に入れた触媒反応モデルを用いて前記触媒上流の
    空燃比に基づいて前記触媒に吸着されている吸着物質量
    を推定する吸着物質量推定手段と、 前記吸着物質量推定手段により推定した吸着物質量が所
    定範囲内に収まるように前記目標空燃比を設定する目標
    空燃比設定手段とを備えていることを特徴とする内燃機
    関の空燃比制御装置。
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