JP3818006B2 - グロメット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグロメットに関し、詳しくは、車体パネルの取付け孔にワイヤハーネスを挿通する際に、取付け孔とワイヤハーネスが接触するのを防止するとともに、取付け孔を通してパネル内に水等が侵入するのを防止することができるグロメットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車体の外部と内部を区画するパネル部材に形成された取付け孔にワイヤハーネスを保持したグロメットを挿通する際に、取付け孔とグロメットが接触するのを防止するとともに、水等が取付け孔とコルゲート管の間の隙間からパネル内(室内)に侵入するのを防止するためにグロメットが使用されている。
【0003】
従来のこの種のグロメットとしては、図3、4に示すようなものがある。図3、4において、1はゴム等から構成されるグロメットであり、このグロメット1の延在方向略中央部には凹状嵌合部1aが形成され、この凹状嵌合部1aは図4(a)に示すように車体パネル3に形成された取付け孔3aに嵌合されるようになっている。また、凹状嵌合部1aの近傍にはフランジ部2が設けられており、このフランジ部2はグロメット1から外方に延在するとともに突出方向先端部に突起部2aが形成されている。
【0004】
このフランジ部2は凹状嵌合部1aが取付け孔3aに嵌合したときに突起部2aが取付け孔3a周縁のパネル部材3に当接することにより、取付け孔3aを密閉するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなグロメット1にあっては、凹状嵌合部1aの幅aと車体パネルの板厚tがa=tの関係になるように凹状嵌合部1aの幅aが設定されるが、図4に示すように凹状嵌合部1aの幅aよりも大きい板厚tを有する車体パネル4に凹状嵌合部1aを嵌合させると、突起部2aが車体パネル4に強く突き当ってしまい、フランジ部2が折れ曲ってグロメット1を取付け孔4aに挿通し難い上に、密閉性を低下させてしまうという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、異なる板厚のパネル部材に装着した場合であっても、挿通を容易に行なうことができるとともに密閉性が低下してしまうのを防止することができるグロメットを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、パネル部材に形成された取付け孔に嵌合される凹状嵌合部と、該凹状嵌合部の近傍から外方に延在し、前記凹状嵌合部が前記取付け孔に嵌合したときに該取付け孔周縁の前記パネル部材に当接するフランジ部とを有するグロメットであって、前記凹状嵌合部を、第1凹状嵌合部と、該第1凹状嵌合部の底面に形成され、該第1凹状嵌合部の幅よりも小さい幅に形成された第2凹状嵌合部とから構成し、該フランジ部の延在方向先端部から本グロメットの延在方向に沿って突出し、前記第2凹状嵌合部が前記取付け孔に嵌合したときにパネル部材に当接する第1リブと、該第1リブに対して前記フランジ部の放射方向内方から前記グロメットの延在方向に沿って突出するとともに、前記第1リブの突出高さよりも低い高さに形成され、第1凹状嵌合部が前記取付け孔に嵌合したときにパネル部材に当接する第2リブとを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
その場合、幅の異なる第1凹状嵌合部および第2凹状嵌合部を設けるとともに、第1凹状嵌合部および第2凹状嵌合部に対応するフランジ部の部位に第1リブと第2リブを設けたため、異なる板厚のパネル部材の取付け孔に第1または第2凹状嵌合部を嵌合させたときに、第1リブまたは第2リブをパネル部材の取付け孔周縁に当接させることができる。
【0009】
このため、板厚が異なるパネル部材にグロメットを挿通したときに、第1リブおよび第2リブがパネル部材に強く突き当ってフランジ部が折れ曲ることがなく、グロメットを取付け孔に強い挿通力で挿通するのを不要にできるとともに、取付け孔を確実に密閉することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1、2は本発明に係るグロメットの一実施形態を示す図である。
【0012】
まず、構成を説明する。図1、2において、11はグロメットであり、このグロメット11の内周部には図示しないワイヤハーネスが挿通されるようになっている。
【0013】
また、グロメット11には幅広の第1凹状嵌合部12が形成されており、この第1凹状嵌合部12は厚い板厚を有する車体パネル(パネル部材)15の取付け孔15aに嵌合するようになっている。また、第1凹状嵌合部12の底面には第1凹状嵌合部12の幅よりも小さい幅を有する第2凹状嵌合部13が形成されており、第2凹状嵌合部13は薄い板厚を有する車体パネル(パネル部材)16の取付け孔16aに嵌合するようになっている。
【0014】
また、グロメット11にはフランジ部14が形成されており、このフランジ部14は第1凹状嵌合部12の近傍から外方に延在している。また、フランジ部14の突出方向先端部には第1リブ14aが形成されており、この第1リブ14aはフランジ部14の延在方向先端部からグロメット11の延在方向(フランジ部14の突出方向と直交する方向)に沿って突出している。
【0015】
また、第1リブ14aに対してフランジ部14の放射方向内方には第2リブ14bが設けられており、この第2リブ14bはグロメット11の延在方向に沿って突出するとともに、第1リブ14aの突出高さよりも低い高さに設定されている。
【0016】
すなわち、第1リブ14aと第2リブ14bは段差状に形成されており、これら第1リブ14aと第2リブ14bの突出先端部は第1凹状嵌合部13と第2凹状嵌合部14の壁面A、Bの延長線C、Dに対して突出するようになっている。
【0017】
このような構成を有するグロメット11にあっては、図2(a)に示すように、板厚の薄い車体パネル16に取付けられる際には、第2凹状嵌合部13が挿通孔16aに嵌合されるとともに、第1リブ14aが挿通孔16aの周縁の車体パネル16に当接する。
【0018】
一方、図2(b)に示すように、板厚の厚い車体パネル15に取付けられる際には、第1凹状嵌合部12が挿通孔15aに嵌合されるとともに、第2リブ14bが挿通孔15aの周縁の車体パネル15に当接する。
【0019】
この結果、板厚が異なるパネル部材15、16にグロメット11を挿通したときに、第1リブ14aおよび第2リブ14bが車体パネル15、16に強く突き当ってフランジ部14が折れ曲るのを防止することができ、グロメット11を取付け孔15a、16aに強い挿通力で挿通するのを不要にできるとともに、取付け孔15a、16aを確実に密閉することができる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、板厚が異なるパネル部材にグロメットを挿通したときに、第1リブおよび第2リブがパネル部材に強く突き当ってフランジ部が折れ曲ることがなく、グロメットを取付け孔に強い挿通力で挿通するのを不要にできるとともに、取付け孔を確実に密閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグロメットの一実施形態を示す図であり、(a)はグロメットの外観図、(b)はそのグロメットの第1凹状嵌合部、第2凹状嵌合部およびフランジ部の断面図である。
【図2】(a)は一実施形態のグロメットを板厚の薄い車体パネルに取付けた状態を示す図、(b)はグロメットを板厚の厚い車体パネルに取付けた状態を示す図である。
【図3】従来のグロメット外観図である。
【図4】(a)は従来のグロメットを板厚の薄い車体パネルに取付けた状態を示す図、(b)は従来のグロメットを板厚の厚い車体パネルに取付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
11 グロメット
12 第1凹状嵌合部
13 第2凹状嵌合部
14 フランジ部
14a 第1リブ
14b 第2リブ
15、16 車体パネル(パネル部材)
15a、16a 挿通孔
Claims (1)
- パネル部材に形成された取付け孔に嵌合される凹状嵌合部と、該凹状嵌合部の近傍から外方に延在し、前記凹状嵌合部が前記取付け孔に嵌合したときに該取付け孔周縁の前記パネル部材に当接するフランジ部とを有するグロメットであって、
前記凹状嵌合部を、第1凹状嵌合部と、該第1凹状嵌合部の底面に形成され、該第1凹状嵌合部の幅よりも小さい幅に形成された第2凹状嵌合部とから構成し、
該フランジ部の延在方向先端部から本グロメットの延在方向に沿って突出し、前記第2凹状嵌合部が前記取付け孔に嵌合したときにパネル部材に当接する第1リブと、該第1リブに対して前記フランジ部の放射方向内方から前記グロメットの延在方向に沿って突出するとともに、前記第1リブの突出高さよりも低い高さに形成され、第1凹状嵌合部が前記取付け孔に嵌合したときにパネル部材に当接する第2リブとを設けたことを特徴とするグロメット。
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