JP3816173B2 - 介助支援トランスファ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に介護者不足や障害者の日常生活支援を目的として医療福祉分野で利用されるものであり、例えば、病人等がベッドから車椅子に移動する等のときに、移動を補助する介助支援トランスファ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
傷害や疾病等によりベッドに寝ている人が車椅子等に移動するとき、自力での移動が困難な場合には、介助者の手助けを受ける必要がある。しかし、このような作業は介助者に多大な負担を掛けるため、最近では、被介助者を移動させることができるトランスファ装置を予め用意しておき、この装置を介助の補助に使用したり、被介助者自身が装置を操作して移動したりする方法が実用化されつつある。
【0003】
従来、このような装置としては、図5に示すように、レール20をベッド室の天井に固定したり支柱で支持したりして被介助者の上方に配置し、このレール20に自走できる移動装置21を取り付けるとともに、該移動装置21に人を載せるシート台座22を昇降可能に吊り下げたものが知られている。
上記トランスファ装置の使用方法を説明すると、ベッド23に被介助者25が居るとき、移動装置21をレール20に沿って自走させ、シート台座22を適当な高さ位置に昇降させる。この状態で介助者の補助によってシート台座22を被介助者25の下に敷く。次いで、シート台座22を適当な位置まで上昇させ、移動装置21をレール20に沿って自走させ、車椅子近傍の所望の位置まで被介助者25を吊り下げたまま移動させる。シート台座22が所望の位置に達したならば、シート台座22を適当な位置まで下降させ、介助者の補助によってシート台座22上の被介助者25を車椅子等に移動させて着座させる。これら動作によって被介助者を移動させて介助者の負担を軽減している。
なお、上記従来例は、レール20を配置してこれに移動装置21を取り付けたものであるが、この他に、シート台座を昇降装置から吊り下げ、この昇降装置をキャスター付きの支柱の上部に取り付けた移動型のトランスファ装置も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように従来のトランスファ装置は、人をシート台座に載せて吊り上げるため、移動中不安定であり、また、これにより移動する人は、物として搬送されているような感覚を味わい、自尊心を傷つけられるという問題がある。また、シート台座に載ったり降りたりする際には、介助者の補助が必要とされるため、介助者の負担が十分に軽減されないという問題もある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、被介助者の自尊心を損なうことなく自然な感じで被介助者を移動でき、また、介助者の負担を一層軽減して介助をより容易にすることができる介助支援トランスファ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の介助支援トランスファ装置のうち、第1の発明は、被介助者の膝を当てるニーパッドが前方に向けて配置されているとともに、該ニーパッドの上方位置に、被介助者の脇の下に挿入される抱き上げアームが前方に伸張するように配置されており、さらに、該抱き上げアームを上下動させるアーム駆動手段が設けられ、前記抱き上げアームの上下動動作に伴って前記ニーパッドの位置または/および傾斜角度を変更するニーパッド調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、アーム駆動手段の駆動源が水素吸蔵合金アクチュエータであることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、抱き上げアームの上下動動作に伴って該抱き上げアームの高さ位置および/または傾斜角度を変更するアーム調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明は、上述したようにニーパッドと抱き上げアームとアーム駆動手段と抱き上げアームの上下動動作に伴ってニーパッドの位置または/および傾斜角度を変更するニーパッド調整手段を最少限の構成要素としており、これら部材間の連結構造やその他の部材の存在等は特に限定されない。但し、介助を一層容易とするためには、これら部材を共通の装置本体に取り付け、この装置本体をキャスター等により移動可能とするのが望ましく、移動用の駆動装置を設けることも可能である。
【0008】
抱き上げアームは、被介助者の両脇に差し込めるように、2つ設けるのが望ましいが、この抱き上げアームの材質、数、形状等は本発明としては特に限定されない。
抱き上げアームはアーム駆動手段によって上下動されるが、このアーム駆動手段にも各種構成のものを使用することができる。ただし、その内では水素吸蔵合金を利用したアクチュエータが本装置に適している。これは、水素吸蔵合金アクチュエータは不必要な騒音や振動を発生しないため、人体に不快感を与えないという利点を有しており、さらに、作動に緩衝作用があるため人体関節のコンプライアンス性に似た状態で被介助者に駆動力を伝えることができ、被介助者の不快感(機械的に移動されているという感じ)を減少できるという利点を有するためである。また、駆動に電動モーターやコンプレッサー式の油圧、空圧シリンダを用いると、装置全体の重量が増し、移動式の装置では不利になるのに対し、水素吸蔵合金アクチュエータは比較的軽量であり、装置を軽量化できるという利点も有している。
また、駆動装置には、当然に、駆動源の他に適当な駆動力伝達機構を含むことができる。
【0009】
また、上記抱き上げアームは、アーム調整手段によって前後位置や傾斜角度等を調整できるものが望ましく、この場合、アーム調整手段によって抱き上げアームの上下動動作に伴ってこれらが調整されるのが望ましい。アーム調整手段については、アームを移動、回転等させたりして前後位置や傾斜角度を変更する駆動装置で構成することができるが、抱き上げアームの駆動手段と適当な運動伝達機構で連結し、抱き上げアームの移動に伴ってアームの前後位置や傾斜角度の調整が行われる構成とすることもできる。なお、抱き上げアームをその上下動とともに前後位置や傾斜角度を変えれば、被介助者の脇の下における抱き上げアームの抜き差しが容易になり、また抱き上げ時の被介助者の姿勢を適切に調整でき、作業が容易になるとともに被介助者の負担も軽減することができる。なお、抱き上げアームの前後位置、傾斜角度等の調整は単独でなされてもよく、また複合的になされるものであってもよい。
【0010】
さらに抱き上げを一層容易にするために、被介助者の胸部分を支持するチェストパッドを抱き上げアーム付近に配置するのが望ましく、2つの抱き上げアームを有する場合には、アーム間に配置することができる。なお、アームとチェストパッドとは一体物で構成することもできる。また、このチェストパッドも上記ニーパッドと同様に抱き上げアームの移動に伴って位置や傾斜角度が変わるものとすることができる。
【0011】
次に、ニーパッドの材質、枚数、形状等も抱き上げアームと同様に本発明としては特に限定されるものではなく、例えば被介助者の膝を優しくサポートできる等の観点から適宜選定することができる。なお、ニーパッドは少なくとも抱き上げ時に膝を立てた状態で膝が当たるものであればよい。また、抱き上げが進むに従って被介助者の姿勢が変わり被介助者の膝がニーパッドに当たる角度も変わるので、ニーパッド調整手段によってニーパッドの位置や傾斜角度を調整できるのが望ましい。この調整は、例えば、ニーパッドを装置本体に自在継手で取り付けてニーパッドが自由回転できるようにすることによって達成することができるが、より望ましくは、ニーパッド調整手段により、抱き上げアームの作動に伴ってこれらの調整がなされるのがよい。また、この場合、前記した自在継手と組み合わせることも可能である。これらにより、ニーパッドの調整が行われれば、被介助者の膝を良好に支持して被介助者に負担を与えることなく最適な状態で抱き上げることができる。
なお上記したニーパッド調整手段としては、ニーパッドを回転させたり、移動させたりする駆動装置の他、抱き上げアームの駆動手段や抱き上げアームと、ニーパッドとを適当な運動伝達機構で連結し、抱き上げアームが移動するに伴ってニーパッドの位置等が調整されるようにすることもできる。なお、ニーパッドの調整では位置と傾斜角度のいずれか一方を調整してもよく、また両方を調整することもできる。
【0012】
すなわち、本発明によれば、ニーパッドと抱き上げアームで被介助者の体を支えつつ抱き上げアームを上昇させるので、被介助者の体が抱き上げられて容易に車椅子等に移動させることができる。この際に、被介助者は、抱き上げアームで抱き上げられ、しかも膝で適度に支持され、さらに場合により足を床等に付けているので、体の一部に荷重が集中することがなく、また従来の吊り下げのように機械的に移動させられる印象は感じず、自尊心を傷つけられることなく目的場所に円滑に移動することができる。しかも、移動の際に、抱き上げアームにより容易に被介助者を抱き上げられるので、介助者の負担を大幅に小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に図1〜図3に基づいて本発明の一実施形態のトランスファ装置を説明する。
キャスタ1…1が下面に取り付けられたベース枠材2の略中央上部にベース円板3が回転可能に取り付けられており、該ベース円板3上に後方(図1左方)に僅かに傾斜したメインフレーム4が立設されており、該メインフレーム4の上端に近い部位には、棒状の握り5が左右に伸張するように設けられている。また、ベース円板3上にはさらに、短尺でやや前方(図1右方)に傾斜した補助フレーム6が立設されており、該補助フレーム6の上部側とメインフレーム4との間に補強フレーム6bが架設、固定されている。
上記メインフレーム4と補助フレーム6の先端にはそれぞれ回転軸4a、6aが設けられており、該回転軸4a、6a間には、回転軸7a、7bを介して連杆8、9、10が軸止されて、リンク機構が構成されている。
なお、上記回転軸7aは左右に伸張して、その両側端に前方に伸張するニーパッド固定杆11、11が軸止されており、該ニーパッド固定杆11、11の先端にそれぞれ前方やや上方に向けたニーパッド12、12が取り付けられている。なお、連杆9、10、回転軸7a、補助フレーム6、回転軸6aからなるリンク機構によってニーパッド調整手段が構成されている。
【0014】
一方、回転軸7bには、水素吸蔵合金アクチュエータ13の作動ロッド13aが固定されており、該アクチュエータ13の基部は図示しない装置本体に回転可能に取り付けられている。また、軸部7bには前方に伸張するアーム固定杆15が軸止されており、該アーム固定杆15の先端にチェストパッド16が固定されており、該チェストパッド16の両側に、前方に伸張する抱き上げアーム17、17が固定されている。なお、上記連杆8、回転軸7b、アクチュエータ13によって抱き上げアーム駆動手段およびアーム調整手段が構成されている。
【0015】
次に、水素吸蔵合金アクチュエータ13の具体的構造を詳述すると、アクチュエータ13は、内部にベローズシリンダ130を有しており、該シリンダ130に上方に伸張する作動ロッド13aが取り付けられている。ベローズシリンダ130は、水素移動管131によって水素吸蔵合金容器132に連結されており、該水素吸蔵合金容器132内には、水素吸蔵合金134とペルチェ素子135とが収容されている。なお、水素吸蔵合金容器132から水素移動管131およびベローズシリンダ130に至る空間には水素吸蔵合金134と接触可能に水素ガスが封入されている。また上記ペルチェ素子135は、水素吸蔵容器132外の外部電源(バッテリ)136およびコントロール部137に接続されている。
なお、上記水素吸蔵合金132および外部電源136は、トランスファ装置の適宜箇所に設置することができ、例えば、上記したチェストパッド16内に収容することができる。また、コントロール部137は、例えば、介助者等が容易に操作でき、また被介助者の移動の妨げにならないようにトランスファ装置の適宜箇所に配置することができる。
【0016】
上記水素ガスを水素吸蔵合金134に吸蔵させる際には、ペルチェ素子135に所定方向の電流を流して吸熱させ、水素吸蔵合金134を冷却する。これにより上記空間に封入されている水素ガスは水素吸蔵合金134に吸蔵され、ベローズシリンダ130が負圧により収縮する。一方、水素吸蔵合金134に吸蔵されている水素を放出する場合には、ペルチェ素子135に上記と逆方向の電流を流して発熱させる。これにより水素吸蔵合金134から水素ガスが放出され、水素移動管133を通ってベローズシリンダ130を伸張させる。ベローズシリンダ130の伸縮は、作動ロッド13aの伸縮動作として現れ、回転軸7aを上昇または下降させることになる。これらの動作は、上記したコントロール部137を操作することによって容易に行うことができる。
【0017】
以下に上記トランスファ装置の動作について説明する。
トランスファ装置全体をキャスタ1…1により適宜箇所に移動させ、移乗に備えておく。この後、トランスファ装置が不意に動かないようにキャスタ1…1に一時固定装置を設けておくのが望ましい。
なお、被介助者25を抱き上げる前には、抱き上げアーム17を下方位置に待機させる必要があり、抱き上げアーム17が適当な高さ位置にない場合には、上記したようにペルチェ素子135に電流を流し、水素吸蔵合金134における水素の吸蔵または放出によってベローズシリンダ130の伸縮量を調整し、抱き上げアーム17の高さを調整する。なお、抱き上げアーム17は、下方位置にある場合には、リンク機構(アーム調整手段)により前方側に位置しており、被介助者25の脇の下への挿入を容易にしている。
【0018】
次いで、適当な高さ位置に調整した抱き上げアーム17を被介助者25の脇の下に入れ、被介助者25の膝がニーパッド12、12に当たる姿勢にする。また、このような姿勢を直ちにとるのが難しい場合には、ペルチェ素子135への通電によって抱き上げアーム17を若干上昇させて被介助者25を多少抱き上げて、被介助者25の移動を容易にした後、上記姿勢へと移行させることができる。その後、さらに水素を放出させて作動ロッド13aを伸張させて抱き上げアーム17を上昇させると、抱き上げアーム17はリンク機構によって上昇しつつ後退し、被介助者25をより立った状態にする。また、ニーパッド12も、リンク機構(ニーパッド調整手段)によって抱き上げアーム17の上昇に伴って上昇しつつ前方に移動し、被介助者25の姿勢を楽にする。これら抱き上げアーム17やニーパッド12の角度、位置の変化によって被介助者25はより楽な姿勢で抱き上げられ、抱き上げ時の負担を小さくすることができる。なお、被介助者25は、所望により握り部5を掴んで姿勢を安定させることもできる。
【0019】
被介助者25をトランスファ装置によって十分に抱き上げた後は、トランスファ装置のキャスタ1…1を利用してトランスファ装置とともに被介助者25を車椅子等の近傍に移動させる。次いで、車椅子にそのまま着座できるように、被介助者25を車椅子の前に後ろ向きに位置させ、抱き上げアーム17を下降させる。この際に、抱き上げアーム17は下降とともに徐々に前方に移動し、ニーパッド12も下降しつつ前方に移動するので、被介助者25は着座しやすい姿勢になり、遂には臀部が車椅子の座部に載り、着座することができる。その後は、抱き上げアーム17を被介助者25の脇から抜き去ることにより移動を終了することができる。また、抱き上げアーム17の抜き取りを容易にするように、着座した後、さらに抱き上げアーム17を下降させてもよい。
上記移動では、介助者の支援は殆ど必要ないか、大幅に軽減されている。また、水素吸蔵合金アクチュエータ13の機能により、被介助者25を抱き上げた際に、直接的に駆動力が被介助者25に伝わらず、人体関節のコンプライアンス性に似た伝わり方をするので、被介助者25はあたかも人により抱き上げられているかの如き印象を受け、不快感を味わうことなく静かにかつ円滑に移動することができる。
【0020】
なお、上記実施形態では、介助者の補助を受けつつ移動する場合について説明したが、本発明では、移動が容易になっているので、従来、移動の介助が必要であった被介助者でも自力で移動することも可能になる。
また、上記実施形態では、抱き上げアーム17とニーパッド12とがそれぞれの後方側に枢軸があるリンク機構で連結され、抱き上げアーム17もリンク機構の中間軸に取り付けられているので、抱き上げアームの上下動に伴って抱き上げアーム及びニーパッドが位置を変え、被介助者をより楽な姿勢で抱き上げることが可能になる。しかも、上記リンク機構により、特別な駆動装置を必要とせず、簡単な機構によって上記抱き上げアームおよびニーパッドの調整がなされるという利点を有している。
【0021】
なお、上記のように本実施形態では、抱き上げアームはリンク機構によってその上下動に伴って前後位置等が変わるものとしたが、抱き上げアームを伸縮自在にして前後位置を変えたり中途で屈曲させて傾斜角度を変えたりすることもできる。
本発明では、上記実施形態に拘わらず、抱き上げアームを上記のように伸縮自在としたり屈曲可能にしたりすることによってさらに被介助者への差込、抜き取りが容易になる。例えば、抱き上げアームの伸縮は手動で行うものとしてもよいが、適当な駆動手段によって伸縮させるものであってもよい。但し、抱き上げアームの上下駆動に水素吸蔵合金アクチュエータを使用するのが望ましいように、抱き上げアームの伸縮においても同様の理由で水素吸蔵合金アクチュエータを駆動源に用いるのが望ましい。なお、抱き上げアームの伸縮を駆動手段によって行う場合には、本発明における第3の発明に示すように、抱き上げアームの上下動作に伴って該アームを伸縮させるのが望ましく、この伸縮のための駆動源や制御装置をアーム調整手段に含ませることができる。
【0022】
図4は、抱き上げアーム171を伸縮自在としたものであり、該抱き上げアーム171は筒状に形成され、チェストパッド16の両側に固定された水素圧シリンダ18にスライド可能に外嵌されている。なお、該水素圧シリンダ18は、その作動ロッド18aを前方に向けており、該作動ロッド18aの先端は、抱き上げアーム171内の穴底部に固定されている。上記水素圧シリンダ18には、水素移動管19aを介してチェストパッド16内に収容した水素吸蔵合金容器19が接続されている。なお、水素吸蔵合金容器19には、上記水素吸蔵合金容器132と同様に、ペルチェ素子を含ませることができる。これら水素圧シリンダ18、水素移動管19a、水素吸蔵合金容器19や図示しないアクチュエータ制御部によって水素吸蔵合金アクチュエータが構成されている。
【0023】
この抱き上げアーム171では、水素吸蔵合金容器19内の合金からの水素の放出により前進するようにして伸張し、水素吸蔵合金容器19の合金への水素の吸蔵により後退するようにして収縮する。なお、被介助者へのアーム171の差込みに際しては、収縮しているアーム171を被介助者に近づけ、これを伸張させつつ被介助者の脇の下等へ差し込むことにより容易に差込みを行うことができる。一方、被介助者の脇の下等からアーム171を抜き取る際にはアーム171を伸縮させれば、これら作業を容易に行うことができる。アーム171の伸張は例えば100mm程度行うことによっても上記作業は非常に容易になる。
【0024】
なお、上記水素吸蔵合金容器19は、抱き上げアームを上下動させるために使用される水素吸蔵合金アクチュエータの水素吸蔵合金容器と兼用することも可能である。その際に抱き上げアームの上下動に用いられるシリンダと伸縮に用いられるシリンダをそれぞれ用意し、各シリンダに連結された水素移動管のバルブ開度をそれぞれ制御することにより、アームの上下動と伸縮動とを個別に制御することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトランスファ装置によれば、被介助者の膝を当てるニーパッドを前方に向けて配置するとともに、該ニーパッドの上方位置に、被介助者の脇の下に挿入する抱き上げアームを前方に伸張するように配置し、さらに、該抱き上げアームを上下動させるアーム駆動手段を設けたので、被介助者を介助者なしで、または介助者の負担を大幅に軽減して移動させることができる。また、被介助者を抱き上げて移動させるので、被介助者に機械的に移動させる感情を抱かせず、自然な感じで移動させることができる。また、抱き上げアームの上下動動作に伴って、ニーパッドの位置や傾斜角度等が変更されので、被介助者をより適切な状態で抱き上げて支持することができるので、被介助者に無理な力が加わることがなく負担を小さくすることができる。さらに抱き上げアームの前後位置や傾斜角度を変更できるものとすれば、被介助者の負担を一層小さくすることができる。
【0026】
また、アーム駆動手段の駆動源に水素吸蔵合金アクチュエータを用いれば、より人間の介護動作に近い動きが得られ、被介助者に不快感を与えることなく移動することができる。また、水素吸蔵合金アクチュエータの使用によりトランスファ装置を小型軽量化することができ、騒音、振動の発生も抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 同じく斜視図である。
【図3】 同じく水素吸蔵合金アクチュエータの概念図である。
【図4】 本発明の他の実施形態であって、伸縮可能とした抱き上げアームの概略機構図である。
【図5】 従来のトランスファ装置の使用状態を示す概略図である。
【符号の説明】
4 メインフレーム
4a 回転軸
6 補助フレーム
6a 回転軸
7a 回転軸
7b 回転軸
8 連杆
9 連杆
10 連杆
12 ニーパッド
13 水素吸蔵合金アクチュエータ
13a 作動ロッド
16 チェストパッド
17 抱き上げアーム
171 抱き上げアーム
25 被介助者
Claims (3)
- 被介助者の膝を当てるニーパッドが前方に向けて配置されているとともに、該ニーパッドの上方位置に、被介助者の脇の下に挿入される抱き上げアームが前方に伸張するように配置されており、さらに、該抱き上げアームを上下動させるアーム駆動手段が設けられ、前記抱き上げアームの上下動動作に伴って前記ニーパッドの位置または/および傾斜角度を変更するニーパッド調整手段が設けられていることを特徴とする介助支援トランスファ装置。
- 前記アーム駆動手段は、その駆動源が水素吸蔵合金アクチュエータであることを特徴とする請求項1に記載の介助支援トランスファ装置。
- 前記抱き上げアームの上下動動作に伴って該抱き上げアームの前後位置または/および傾斜角度を変更するアーム調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の介助支援トランスファ装置。
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