JP2018051101A - 移動補助装置 - Google Patents

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Yasuaki Hiyama
康明 檜山
昌樹 清水
Masaki Shimizu
昌樹 清水
遼平 林
Ryohei Hayashi
遼平 林
吉田 雅彦
Masahiko Yoshida
雅彦 吉田
賢 植木
Masaru Ueki
賢 植木
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Hiromi Matsumoto
浩実 松本
靖弘 射塲
Yasuhiro Iba
靖弘 射塲
上原 一剛
Kazutaka Uehara
一剛 上原
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Abstract

【課題】利用者が座位姿勢から立位姿勢へ容易かつ安全に移行できるように補助する移動補助装置を提供する。【解決手段】移動補助装置(1)は、利用者が着座可能なシート部(20)と、シート部(20)を上昇及び下降させ得る第一アクチュエータ(28)と、シート部(20)を回動させて、シート部(20)を後端から前端に向けて下り傾斜させつつ前上方に変位させ得る第二アクチュエータ(29)と、利用者の膝を前方から支えるために当該シート部20よりも前方に設けられた膝当部(22)と、を備えており、当該シート部(20)は、膝当部(22)よりも後方かつシート部(20)の前縁よりも前方に位置する回動軸(33)を中心に回動する。【選択図】図6

Description

本発明は、車椅子などのような利用者の移動を補助する移動補助装置に関する。
足腰の弱った老人や肢体が不自由な人などの移動を補助する手段として、車椅子が多く利用されている。車椅子の中には、電気で車輪を駆動する電動車椅子もある。
特許文献1には、移乗時に後方が開放されており利用者が後方又は側方から着座可能となっている移乗・移動装置が提案されている。これによれば、利用者は、ベッドや便座に着座した状態から体の向きを変えることなくそのまま後方より跨ぐようにして当該装置に容易に移乗することができ、介護者への負担も軽減することができる。
特許文献2には、ユーザが関心のある物に近づきそれを容易に入手することができるようにする起立補助車椅子が提案されている。この車椅子では、シートとバックレストとフットレストを有する起立補助フレームがリフト装置により上方に持ちあげられると共に前方に移動し、シートの前縁部が、起立する際にシートが回転する軸からその前縁部の距離だけ前方に位置することで、ユーザがその距離だけ前方に移動できるようにしている。
特許第5563570号 特許第4202916号
しかしながら、上述のような提案手法では、座位姿勢から立位姿勢への移行の補助に関して改善の余地を残している。例えば、特許文献2の手法では、利用者が起立姿勢をとる際に、シート等に後方から押され脚自体が前方に移動することになるため、足腰の弱い利用者にとって負担が大きく、不安定となる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、利用者が座位姿勢から立位姿勢へ容易かつ安全に移行できるように補助する移動補助装置を提供する。
本発明の一側面に係る移動補助装置は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。即ち、当該一側面に係る移動補助装置は、利用者が着座可能なシート部と、このシート部を上昇及び下降させ得る第一アクチュエータと、そのシート部を回動させて、そのシート部を後端から前端に向けて下り傾斜させつつ前上方に変位させ得る第二アクチュエータと、利用者の膝を前方から支えるために当該シート部よりも前方に設けられた膝当部と、を備えており、当該シート部は、膝当部よりも後方かつシート部の前縁よりも前方に位置する回動軸を中心に回動する。
上述の記載「前端」、「後端」、「前上方」、「前縁」、「前方」、及び「後方」において示されている「前」の方向は、本移動補助装置に適切な姿勢で搭乗した(シート部に着座した)利用者の背中側から腹側への方向を意味し、「後ろ」の方向は、その利用者の腹側から背中側への方向を意味する。
上記一側面によれば、利用者が着座した状態でシート部を上昇及び回動させることにより、利用者の座位姿勢から立位姿勢への移行が補助される。このとき、シート部は、膝当部よりも後方かつシート部の前縁よりも前方の位置、即ち利用者の膝に近い位置に存在する回動軸を中心に回動する。これにより、立位姿勢への移行にあたり、利用者の膝や足首などへ掛かる負担を最小限にすることができ、足腰に不安のある利用者であっても、容易かつ安全に立位姿勢へ移行することができる。
従って、本発明によれば、利用者が座位姿勢から立位姿勢へ容易かつ安全に移行できるように補助する移動補助装置を提供することができる。
本実施形態に係る移乗移動ロボットの主な構造の斜視図である。 本実施形態に係る移乗移動ロボットの主な構造の平面図である。 移乗補助モードにおける本実施形態に係る移乗移動ロボットの主な構造の左側面図である。 移動補助モードにおける本実施形態に係る移乗移動ロボットの主な構造の左側面図である。 姿勢移行補助モードにおける本実施形態に係る移乗移動ロボットの主な構造の左側面図である。 立位補助モードにおける本実施形態に係る移乗移動ロボットの主な構造の左側面図である。 本実施形態におけるシート部の拡大斜視図である。 実施例におけるシート部及び足置部の変位位置を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
図1は、本実施形態に係る移乗移動ロボット1の主な構造の斜視図であり、図2は、本実施形態に係る移乗移動ロボット1の主な構造の平面図である。
本実施形態に係る移乗移動ロボット1は、利用者が車椅子、椅子、ベッドなどから移乗でき、利用者の少なくとも移動を補助する。このため、移乗移動ロボット1は、移動補助装置と呼ぶこともできる。なお、以降、本実施形態に係る移乗移動ロボット1を単にロボット1と略称する場合もある。
また、以下の説明において指し示す前後方向、左右方向、及び上下方向は、移動ロボット1に適切な姿勢で搭乗した(シート部に着座した)利用者を中心に設定された方向である。即ち、図2において、紙面上方が前方、紙面下方が後方、紙面左方向が左方向、紙面右方向が右方向となる。
本実施形態に係るロボット1は、骨格をなすパイプフレーム2と、パイプフレーム2を支持する複数の車輪とを有する。
パイプフレーム2は、平面視において、後方が開放された略E字形状を有しており、両サイドの略平行に対向する側方フレーム部と、側方フレーム間に略平行に介在する中心フレーム部と、二つの側方フレーム部及び中心フレーム部を前方で連結する前方フレーム部とから形成されている。
パイプフレーム2の各側方フレーム部には、前方及び後方に自在輪4及び5がそれぞれ設けられており、前後方向の中央に駆動輪3がそれぞれ設けられている。更に、パイプフレーム2の中心フレーム部には後方に自在輪6が設けられている。
即ち、ロボット1は、前方の左右両サイドに設けられた一対の自在輪4と、後方の左右両サイドに設けられた一対の自在輪5と、後方の左右方向の中央に設けられた自在輪6と、前後方向の中央の両サイドに設けられた一対の駆動輪3とを有し、これら複数の車輪がパイプフレーム2を支持し、パイプフレーム2を路上から離間させている。
自在輪4、5及び6は、路面上を全方向に回転自在に設けられた非駆動輪である。自在輪4及び5は、上述したように、パイプフレーム2の各側方フレームの前方及び後方にそれぞれ設けられている。自在輪6は、パイプフレーム2の中心フレーム部の後方に連結されるシート支持台12の底面に設けられており、パイプフレーム2と共にシート支持台12を底部から支持する。
駆動輪3は、自在輪4、5及び6よりも大径に形成されており、その向きが前後方向に固定されている。駆動輪3は、伝達ベルト16により走行モータ15からの回転動力が伝達され、駆動される。具体的には、駆動輪3のホイールにはフランジで駆動プーリ18が固定されており、走行モータ15の出力シャフトには出力プーリ17が設けられており、出力プーリ17及び駆動プーリ18に架け渡されている伝達ベルト16により走行モータ15の回転動力が駆動輪3に伝達される。
駆動輪3の動力源となる車輪駆動用のアクチュエータとして、ロボット1は、走行モータ15を更に有している。走行モータ15は、左右の各駆動輪3について一つずつ設けられており、バッテリ(図示せず)に蓄電された電力により動作する。
また、本実施形態における走行モータ15には、正逆回転可能なモータが採用されており、回転速度及び回転方向が各走行モータ15について個々に独立制御される。これにより、左右の駆動輪3の回転速度の差により、ロボット1は、右折又は左折をすることができ、更に、駆動輪3の回転方向の違いにより右旋回又は左旋回可能である。
更に、ロボット1は、利用者の身体を支える構成として、シート部20、足置部21、膝当部22、肘当部23、腹当部24、胸当部25、脚補助バー59などを有する。
シート部20は、利用者が着座可能な座面を有し、後方からの移乗を可能とするため背もたれ(バックシート)などを有さない後方開放型となっている。
更に、シート部20は、電動で上昇及び下降、並びに前後方向に回動可能に形成されている。シート部20は、回動することにより、後端から前端に向けて下り傾斜した状態で前上方に変位する。シート部20は、上昇及び下降する際には、その座面上に利用者が着座可能となっており、座位姿勢の利用者の臀部及び太腿を下支えする。一方で、回動後のシート部20は、その座面により立位姿勢の利用者の腰から臀部にかけて後方から支える。
シート部20の座面の具体的形状及びシート部20の変位を実現する構成については後述する。
足置部21は、ロボット1に搭乗している利用者の足が置かれるフットレストである。足置部21は、シート部20の前縁よりも前方かつパイプフレーム2の両側方フレーム及び前方フレームの内側において、パイプフレーム2の中心フレーム部を跨ぐように形成された底板部を含む。このため、足置部21は、左右方向の中央において上方に突起した凸部を有しており、その凸部でパイプフレーム2の中心フレーム部を跨いでいる。
更に、足置部21は、シート部20と連動して上昇及び下降可能に形成されており、その底板部の底面が路面に当接する位置まで下降可能に形成されている。足置部21の底板部の底面が路面に接することで、ロボット1の機体を安定させることができる。以降、足置部21の底板部の底面を足置部21の底面と略称する場合もある。
膝当部22は、利用者の膝を前方から支えるためにシート部20の前縁よりも前方に設けられている。具体的には、膝当部22は、左右に二つ、足置部21の上方に設けられており、利用者の少なくとも膝蓋骨の下を前方から支持可能となるように後ろ向きの膝当面を有している。
また、二つの膝当部22はそれぞれ足置部21で支持されており、足置部21と共に上昇及び下降するよう形成されている。これにより、膝当部22は、足置部21が上昇及び下降したとしても、利用者の膝に追従して変位する。
肘当部23は、シート部20を挟んで左右両側に一つずつ設けられている。具体的には、左右の肘当部23の各々は、パイプフレーム2の各側方フレームの上方にそれぞれ設けられており、各側方フレームに支持されている。また、各肘当部23は、シート部20との間に間隙をおいて配置されており、この間隙を利用して利用者は後方から移乗することができる。
また、肘当部23は、略水平で前後方向に延びる略長方形状の上面(肘当面)を有し、その上面により利用者の肘を下方から支える。このため、肘当部23は、少なくとも肘当面がクッション性を有するような素材で形成されている。また、肘当部23は、肘当面の高さ位置を手動で調整可能に形成されており、その高さ位置は利用者の体格に応じて調整される。
腹当部24は、左右方向の中央に設けられており、利用者の腹を前方から支える。腹当部24は、後ろ向きの腹当面を有しており、少なくとも腹当面がクッション性を有するような素材で形成されている。
胸当部25は、左右方向の中央かつ腹当部24よりも上方に設けられており、利用者の胸を前方から支える。胸当部25は、後ろ向きの胸当面を有しており、少なくとも胸当面がクッション性を有するような素材で形成されている。
脚補助バー59は、平面視においてシート部20と左右の肘当部23との間にそれぞれ一つずつ設けられており、利用者の両脚を左右外側から支える。言い換えれば、各脚補助バー59は、左右方向に所定間隔空けた位置に配置されており、腹当部24よりも下方の位置から後下方に延設されている。肢体不自由な利用者は、座位姿勢から立位姿勢への移行時又は立位姿勢時に不安定となり、不意に脚の外旋又は外転を引き起こす場合がある。本実施形態によれば、利用者は、左右の脚補助バー59の間に両脚を入れた状態でロボット1に搭乗することで、両脚が不意に外旋又は外転するのを防ぐことができる。結果、利用者は、安全に立位姿勢へ移行しかつ立位姿勢を保持することができる。また、脚補助バー59間の間隔が調整可能となるような調整手段が設けられていてもよい。
胸当部25、腹当部24、及び脚補助バー59は、一体的に、シート部20と連動して上昇及び下降可能となっていると共に、胸当面又は腹当面からの利用者の荷重に応じて、同一軸を中心に前後方向に回動可能となっている。これにより、胸当部25、腹当部24、及び脚補助バー59は、シート部20の回動により利用者が立位姿勢に移行する際に、利用者の胸、腹、及び両脚を支えながら、利用者からの荷重により回動し、利用者の胸、腹、及び両脚に追従する。なお、胸当部25、腹当部24、及び脚補助バー59のこのような変位を実現する構成については後述する。
シート部20、足置部21、膝当部22、腹当部24、胸当部25、脚補助バー59などの上述のような変位により、ロボット1は、次のような少なくとも4つの補助モードを実現することができる。このような補助モードには、利用者がロボット1へ移乗するのを補助する移乗補助モード、利用者の移動を補助する移動補助モード、利用者の座位姿勢から立位姿勢への移行を補助する姿勢移行補助モード、及び、利用者の立位姿勢を補助する立位補助モードが含まれる。
以下、各補助モードに対応するロボット1の形態と共に、上述のシート部20などの変位を実現する構成について図3、図4、図5、及び図6を用いて説明する。図3は、移乗補助モードにおける本実施形態に係るロボット1の主な構造の左側面図である。図4は、移動補助モードにおける本実施形態に係るロボット1の主な構造の左側面図である。図5は、姿勢移行補助モードにおける本実施形態に係るロボット1の主な構造の左側面図である。図6は、立位補助モードにおける本実施形態に係るロボット1の主な構造の左側面図である。
シート部20は、図3、図4、及び図5に示されるように、電動で上昇及び下降可能に形成されており、ロボット1は、シート部20の上昇及び下降を実現する駆動装置として第一アクチュエータ28を更に備えている。
第一アクチュエータ28は、電力で動作し、モータの回転運動を直線運動に変換することにより伸縮部を上下方向に伸縮させることができる駆動装置である。第一アクチュエータ28は、シート支持台12上に設けられており、シート部20を間接的に下方から伸縮部の上面で押し引きする。これにより、第一アクチュエータ28がその伸縮部を上下方向に伸縮させることで、シート部20が上昇及び下降することになる。但し、第一アクチュエータ28の動力源は電力でなくてもよく、油圧、空気圧などでもよい。
以降、第一アクチュエータ28からの動力により上昇又は下降可能であり、その座面が利用者により着座可能な状態となっているシート部20の状態を水平状態と表記する。
更に、シート部20は、図6に示されるように、前後方向に回動可能に形成されており、ロボット1は、シート部20の回動を実現する駆動装置として、第二アクチュエータ29を更に備えている。即ち、第二アクチュエータ29は、シート部20を回動させて、シート部20を後端から前端に向けて下り傾斜させつつ前上方に変位させることができる。
第二アクチュエータ29も、第一アクチュエータ28と同様の駆動装置である。但し、第一アクチュエータ28が、利用者が着座しているシート部20を上昇又は下降させる必要があるのに対して、第二アクチュエータ29は、座位から立位へ移行する利用者の腰から臀部にかけて後方から支えながらシート部20を回動させればよいため、第一アクチュエータ28よりも小出力の駆動装置であればよい。第二アクチュエータ29は、第一アクチュエータ28と同じ駆動装置であってもよいし、異種の駆動装置であってもよい。本実施形態における第二アクチュエータ29は、ロッドの出し引きにより動力を出力する。
シート部20の変位を可能とする構造として、ロボット1は、支持アーム30、シート接続アーム31、シート連結部32、第一回動リンク36、第二回動リンク37、シート支持プレート40、シート支柱41及び42、支柱支持部43及び44、支持アーム接続部45、プレート支持部46などを有している。
シート接続アーム31は、一端側でシート部20に接続されており、シート部20から前方に延設されている。本実施形態では、シート接続アーム31は、細長い二枚の板状部材が相互に一主面を並行に対向させた形状を有する。そして、シート接続アーム31は、一端側でシート部20に内装されているシート内プレート(図示せず)と固着されており、前後方向に回動可能な状態で他端側でシート連結部32と連結されている。
シート連結部32は、支持アーム30上における膝当部22よりも後方かつシート部20の前縁よりも前方に設けられている。シート連結部32は、シート連結軸33を含み、このシート連結軸33を中心にシート接続アーム31が前後方向に回動可能となるように、シート接続アーム31と連結している。つまり、シート部20は、膝当部22よりも後方かつシート部20の前縁よりも前方に位置する回動軸(シート連結軸33)を中心に回動する。これにより、シート部20は、利用者の膝に近い位置を軸にして回動することになるため、シート部20の座面を人間の自然な立ち上がりの臀部軌道に近い軌道で回動させることができる。更に言えば、本実施形態では、シート連結軸33は、膝当部22よりも後方かつシート部20の前縁よりも前方であって、シート部20の前縁よりも膝当部22に近い位置に設けられている。結果として、立位姿勢への移行にあたり、利用者の膝や足首などへ掛かる負担を最小限にすることができ、足腰に不安のある利用者であっても、容易かつ安全に立位姿勢へ移行することができる。
支持アーム30は、ロボット1の機体の左右方向の中央において、シート部20の前縁より前方から前方向に延設されている、断面形状が方形の棒状部材である。支持アーム30には、上述のシート連結部32と、シート連結部32よりも前方に後述の胸当連結部50が設けられている。支持アーム30は、プレート支持部46を介してシート支持プレート40に固定されている。
プレート支持部46は、支持アーム30をシート支持プレート40の下面側に固定させるための部材であり、細長い二枚の板状部材が相互に一主面を並行に対向させた形状を有している。プレート支持部46の各板状部材は、支持アーム30におけるシート連結部32が設けられている箇所よりも後方の左側面又は右側面にそれぞれ連結されており、支持アーム30から後方にそれぞれ延設されている。プレート支持部46は、その大部分においてシート支持プレート40の下面に固着されており、その一部が第一アクチュエータ28の伸縮部の上面と当接する位置に設けられている。このため、シート部20は、少なくともシート支持プレート40及びプレート支持部46を介して第一アクチュエータ28の動力を受け、上昇及び下降することになる。
また、プレート支持部46は、支持アーム接続部45を介して支柱支持部43及び44と接続されている。
シート支持プレート40は、水平状態のシート部20を底面側から支持する板状部材であり、複数本のシート支柱(41及び42のみが図示されている)により下面側から支持されている。
シート支柱41及び42は、シート支持プレート40と支柱支持部43及び44との間に介設されており、上端でシート支持プレート40を支持し、下端で支柱支持部43及び44に支持されている。
支柱支持部43及び44は、シート支柱41又は42を下方から支持する。支柱支持部43及び44は、第一アクチュエータ28の側面周囲を跨いで相互に連結されると共に、支持アーム接続部45を介してプレート支持部46と接続されている。このため、支柱支持部43及び44は、第一アクチュエータ28の側周面に沿って、プレート支持部46と一体的に上昇及び下降する。
また、支柱支持部43は、第二アクチュエータ29を下方で支持している。第二アクチュエータ29は、回動可能な状態でその下端部で支柱支持部43に支持されている。これにより、第二アクチュエータ29は、プレート支持部46及び支柱支持部43と一体的に上昇及び下降する。
第一回動リンク36及び第二回動リンク37は、第二アクチュエータ29の動力をシート接続アーム31に伝達してシート接続アーム31をシート連結軸33周りに回動させるリンク機構である。
第一回動リンク36は、細長い二枚の板状部材が相互に一主面を並行に対向させた形状を有している。第一回動リンク36は、一端側において第二アクチュエータ29のロッドの先端を挟み、回動可能な状態でそのロッドに連結されている。また、第一回動リンク36は、他端側において回動可能な状態でプレート支持部46と連結されている。
第二回動リンク37は、断面形状が方形状の棒状部材であり、一端側において回動可能に第一回動リンク36と連結されている。第二回動リンク37は、第一回動リンク36における第二アクチュエータ29及びプレート支持部46と連結される両端部の間で、第一回動リンク36の板状部材間に架設された連結軸により回動可能に連結されている。また、第二回動リンク37は、他端側において回動可能にシート接続アーム31と連結されている。第二回動リンク37は、シート接続アーム31におけるシート部20との接続部とシート連結部32との連結部との間で、シート接続アーム31の板状部材間に架設された連結軸により回動可能に連結されている。
腹当部24及び胸当部25の変位を可能とする構造として、ロボット1は、胸当連結部50と、第二胸当連結アーム53と、第一胸当連結アーム55とを更に備えている。
胸当連結部50は、支持アーム30の前方端部であって膝当部22よりも前方に設けられている。このため、胸当連結部50は、シート連結部32等と共に、支持アーム30と連動して上昇及び下降する。また、胸当連結部50は、第二胸当連結アーム53を胸当連結軸51周りに回動自在に支持する。
第二胸当連結アーム53は、胸当連結部50から左右両側に延び、そこから後方へ延設されている左右の部材で形成されており、胸当連結軸51周りに前後方向に回動可能な状態で胸当連結部50と連結されている。第二胸当連結アーム53と上述の支持アーム30及びプレート支持部46とは、側面視において、後方が開放された横倒しの略U字形状を形成する。具体的には、プレート支持部46及び支持アーム30が後方から前方に延設されており、第二胸当連結アーム53が支持アーム30の先端から支持アーム30の上方を後方に延設されている。
第二胸当連結アーム53は、胸当連結部50とは逆側の後端部では、左右の部材間に架設されている連結部材を有しており、その連結部材に腹当部24が設けられている。腹当部24は、第二胸当連結アーム53の左右部材の間に、腹当面を後方に向けて設けられている。
更に、第二胸当連結アーム53の胸当連結部50とは逆側の後端部には、左右それぞれ脚補助バー59が設けられている。このため、左右二つの脚補助バー59は、第二胸当連結アーム53の後端から後下方に延設されている。
第一胸当連結アーム55は、第二胸当連結アーム53の後端の連結部材の中央かつ腹当部24の腹当面とは逆側(前側)に連結されており、その連結部材から上方に延設されている。第一胸当連結アーム55は、その上端部において、胸当部25が傾斜自在となるよう胸当部25と連結している。
また、本実施形態において、第一胸当連結アーム55は、図3等に示されるように、腹当部24と胸当部25との間の位置関係を手動調整可能な構造を有している。例えば、第一胸当連結アーム55は、腹当部24と胸当部25との間を拡げるために、胸当部25との連結部を上昇及び下降させ得る構造を有している。
上述の第二胸当連結アーム53及び第一胸当連結アーム55は、胸当連結アームと総称することもできる。この胸当連結アームは、胸当部25が傾斜自在となるよう胸当部25と連結しており、利用者からの少なくとも胸当部25の胸当面への荷重により胸当連結軸51を中心に前後方向に回動し、胸当連結アームの回動により少なくとも胸当部25が前上方に変位する。
これにより、胸当部25は、利用者が座位姿勢から立位姿勢へ移行する間に、外部動力を必要とすることなく、利用者の姿勢に追従して変位する。これにより、利用者は、少なくとも胸当部25(腹当部24を含んでもよい)に上半身を委ねながら、座位姿勢から立位姿勢へ移行することができるため、容易かつ安全に姿勢移行することができる。
また、胸当連結アームの回動軸(胸当連結軸51)は、膝当部22よりも前方に配置されている。このように、利用者からの荷重がかかる腹当部24及び胸当部25から、それらの回動軸が前方に適度の距離で離間しているため、ロボット1は利用者からの荷重に十分に耐え得る構造となっており、高い安全性を実現することができる。
ロボット1は、更に、第一操作部61及び第二操作部62を有している。
第一操作部61は、利用者により操作され、その操作に従って、左右の走行モータ15の起動/停止、回転速度、及び回転方向を指示する。本実施形態では、第一操作部61は、いわゆるジョイスティックを含み、ジョイスティックの傾倒方向及び傾倒量によって、左右の走行モータ15に対して個々に動作指示が送られる。例えば、ジョイスティックが前方に倒されると、左右の走行モータ15は、その傾倒量に応じて、同じ回転速度で走行方向にそれぞれ回転し、ロボット1を前進させる。また、ジョイスティックが前方斜め左方向又は前方斜め右方向に倒されると、左右の走行モータ15は、左右異なる回転速度で走行方向に回転し、ロボット1を左折又は右折させる。また、ジョイスティックが真横に倒されると、左右の走行モータ15は、逆回転し、ロボット1を左回り又は右回りに超信地旋回させる。
第一操作部61の指示信号は、左右の走行モータ15に送られるが、その伝送方法などは限定されない。例えば、指示信号は、有線で伝送されてもよいし、無線で伝送されてもよい。
第二操作部62は、利用者により操作され、第一アクチュエータ28及び第二アクチュエータ29の駆動を指示する。本実施形態では、第二操作部62は、シート部20の上昇を指示する上昇ボタン、シート部20の下降を指示する下降ボタン、シート部20の回動を指示する回動ボタン、回動したシート部20を水平状態に戻すことを指示する回復ボタンを少なくとも含む。その上昇ボタンが押下されると、第一アクチュエータ28の伸縮部が伸長し、下降ボタンが押下されると、第一アクチュエータ28の伸縮部が収縮する。回動ボタンが押下されると、第二アクチュエータ29のロッドが押し出され、回復ボタンが押下されると、そのロッドが引き戻される。
第二操作部62の指示信号は、第一アクチュエータ28又は第二アクチュエータ29に送られるが、その伝送方法などは限定されない。例えば、その指示信号がリレーに送られ、リレーにより第一アクチュエータ28又は第二アクチュエータ29のON/OFF制御されてもよい。
第一操作部61は、第二胸当連結アーム53に設けられている。本実施形態では、第一操作部61は、第二胸当連結アーム53の右側部材に固定されている。
第二操作部62は、胸当部25と一体的に傾斜自在となるように設けられている。本実施形態では、第二操作部62は、胸当部25の背面側に固着されているバーに設けられている。
即ち、第一操作部61及び第二操作部62は、胸当連結アーム(第二胸当連結アーム53及び第一胸当連結アーム55)と一体的に、利用者の姿勢に追従して変位するため、利用者は、どのような姿勢であっても容易に操作を行うことができる。
但し、第一操作部61及び第二操作部62のユーザインタフェースは、上述のジョイスティックやボタンに制限されない。ボタンによって前進、左折、右折、旋回などが指示されてもよいし、ジョイスティックによってシート部20の上昇、下降、及び回動が指示されてもよい。また、そのユーザインタフェースは、機械的な構造で実現されていなくてもよく、既存の音声認識やタッチパネル操作などによって実現されてもよい。
足置部21の上昇及び下降を実現する構成として、ロボット1は、足置連動機構を更に備えている。この足置連動機構は、図面には明示されていないが、シート部20の所定の高さ位置を越す上昇に連動して足置部21を下降させて足置部21の底面を路面に当接させ、シート部20の所定の高さ位置より下方への下降に連動して足置部21を上昇させる。
本実施形態では、足置連動機構は、シート部20と共に上昇及び下降する支柱支持部43又はシート支柱42と足置部21との間に設けられ、第一アクチュエータ28の動力を伝達して足置部21を動作させる。例えば、足置連動機構は、支柱支持部43又はシート支柱42が所定の高さ位置を超えること(図3から図4への移行途中)を契機に動き、その上昇運動を足置部21の下降運動に変換する構造を含む。更に、足置連動機構は、支柱支持部43又はシート支柱42が所定の高さ位置を下回ること(図4から図3への移行途中)を契機に動き、その下降運動を足置部21の上昇運動に変換する構造を含む。
上記「所定の高さ位置」は、座位姿勢から立位姿勢への移行にあたり利用者への負担が軽くなる高さ位置に設定されることが望ましい。例えば、「所定の高さ位置」は、足置部21に足を置きシート部20に座った状態で、膝の屈曲角度(膝の裏側の角度)が90度より大きくなるような高さ位置に設定されることが好ましい。以降、上記「所定の高さ位置」を「第一の所定の高さ位置」と表記する場合もある。
これにより、座位姿勢から立位姿勢への移行時及び立位姿勢時において、足置部21の底面が路面に当接し、ロボット1機体を安定させることができる。立位姿勢への移行時や立位姿勢時には、座位姿勢時よりも利用者の重心が高くなり、利用者を含むロボット1全体が不安定となり易いところ、ロボット1の機体を安定させることで、利用者に安全に姿勢移行及び立位姿勢を取らせることができる。
なお、具体的な足置連動機構には、第一アクチュエータ28からの上下方向の動力を足置部21の上昇運動又は下降運動に変換可能な既存の機構が用いられればよい。
また、本実施形態では、図3に示されるように、移乗補助モード時においても、足置部21の底面が路面に当接している。これにより、利用者によるロボット1への移乗時にも、ロボット1の機体を安定させ、利用者に安心してロボット1への移乗を行わせ得る。この場合には、足置連動機構は、上述の動きに加えて、上記第一の所定の高さ位置よりも低い第二の所定の高さ位置を越す上昇に連動して足置部21を上昇させ、シート部20の当該第二の所定の高さ位置より下方への下降に連動して足置部21を下降させて足置部21の底面を路面に当接させる。
ここで、図3、図4、図5、及び図6を参照しながら、各補助モードにおけるロボット1の形態及び補助モード間の遷移に伴う上述の各構成の動きについて説明する。
図3に示される移乗補助モードでは、基本的には、シート部20が最も低い位置に配置される。このとき、第一アクチュエータ28の伸縮部は最縮状態であり、第二アクチュエータ29のロッドも収められた状態である。本実施形態では、シート部20が最も低い位置に存在する際のシート部20の座面の高さは、一般的な車椅子の座面の高さに設定されている。これにより、移乗補助モードにおいて、利用者は車椅子からの移乗が容易となる。但し、ロボット1への移乗は、車椅子からのみではなく、トイレの便座やベッドなどその他のものからも行われ得るため、移乗補助モードは、シート部20が最も低い位置に存在する状態のみに制限されなくてもよい。
また、本実施形態では、シート部20が最も低い位置に存在するとき、足置部21も最も低い位置に配置され、足置部21の底面が路面に当接する。これにより、利用者がロボット1へ移乗する際にロボット1の機体が安定するため、利用者は、安全にロボット1へ移乗することができる。
例えば、移乗補助モードにおいて、利用者は、ロボット1の後方から肘当部23を利用しながら移乗し、シート部20と肘当部23との間の間隙に脚を通して、シート部20の座面に座り、足置部21の上に両足を乗せることで、ロボット1に搭乗することができる。また、このとき、利用者は、脚補助バー59の間に両脚を挿入することになるため、両脚が脚補助バー59により左右外側から支えられる。
利用者は、シート部20に着座して、第二操作部62の上昇ボタンを押下すると、第一アクチュエータ28の伸縮部が伸びる。その伸縮部の上面は、プレート支持部46に当接し、プレート支持部46及びシート支持プレート40を介してシート部20を上方に押す。これにより、図4に示されるように、シート部20、シート支持プレート40、及びプレート支持部46が上昇し、それらと一体的に、プレート支持部46に連結する支持アーム30、シート連結部32、シート接続アーム31、支柱支持部43、及び支柱支持部44も上昇する。更に、支柱支持部43に支持されている第二アクチュエータ29も上昇する。
また、支持アーム30の上昇により、支持アーム30の先端部に設けられた胸当連結部50、胸当連結部50に連結されている胸当連結アーム(53及び55)、及びその胸当連結アームに設けられている腹当部24、胸当部25、及び脚補助バー59も上昇する。これにより、腹当部24、胸当部25、及び脚補助バー59は、シート部20に着座している利用者の胸、腹、及び両脚に追従することになる。
シート部20と共に支柱支持部43又はシート支柱42が上昇して、上記第二の所定の高さ位置を越すと、その上昇動力が足置連動機構により伝達され、足置部21が上昇する。結果、足置部21の底面が路面から離間し、駆動輪3が回転可能となる。
このようにして、図3に示される移乗補助モードから図4に示される移動補助モードへの遷移が実現される。この移動補助モードにおいて、利用者は、第一操作部61のジョイスティックを操作することで、シート部20に着座した状態で移動することができる。
利用者は、第二操作部62の上昇ボタンを更に押下すると、第一アクチュエータ28の伸縮部が更に伸び、図5に示されるように、シート部20は更に上昇する。シート部20と共に上昇する構成は、足置部21を除き、上述したとおりである。
シート部20と共に支柱支持部43又はシート支柱42が上昇して、上記第一の所定の高さ位置を越すと、その上昇動力が足置連動機構により変換され、足置部21が下降する。結果、図5に示されるように、足置部21の底面が路面に当接する。これにより、シート部20の更なる上昇により、利用者の重心が高くなり、利用者を含むロボット1全体が不安定となり易いところ、ロボット1の機体を安定させることができる。
このようにして、図5に示される姿勢移行補助モードが実現される。このとき、利用者の膝の屈曲角度(膝の裏側の角度)は、足置部21に足を置きシート部20に座った状態で、座位姿勢から立位姿勢へ移行し易い角度(例えば、90度より大きい角度)になっていることが好ましい。利用者の立位姿勢への移行を安全かつスムーズに行わせることができるからである。
図5に示される姿勢移行補助モードで、利用者は、第二操作部62の回動ボタンを押下すると、第二アクチュエータ29のロッドが伸びる。このロッドの伸長により、第一回動リンク36の一端が前上方に押し上げられ、これに伴い、第一回動リンク36と連結されている第二回動リンク37の一端も前上方に押し上げられる。これにより、シート接続アーム31に連結されている第二回動リンク37の他端が力点となって、シート接続アーム31がシート連結軸33周りに前方向に回動する。
結果、シート部20は、図6に示されるように、シート連結軸33を中心に前方向に回動し、後端から前端に向けて下り傾斜しつつ前上方に変位する。シート部20のこの変位により、利用者は、シート部20の座面により腰から臀部にかけて後方から支えられて、立位姿勢への移行を安全かつ容易に行うことができると共に、立位姿勢自体も安全かつ容易に継続することができる。
更に、本実施形態では、シート部20は、図5に示されるように或る程度の高さ位置まで上昇した後に、回動可能であるため、座位姿勢から立位姿勢に移行するにあたってのユーザの身体の負担を軽減することができる。シート部20の座面の上昇により膝の屈曲角度が大きくなり、立ち上がりに要する労力を低減させることができるからである。更に、このようにすることで、シート部20の回動に必要な動力も軽減させることができる。
また、腹当部24、胸当部25、及び脚補助バー59が設けられている胸当連結アーム(53及び55)は、利用者からの胸当部25の胸当面への荷重及び腹当部24の腹当面への荷重により胸当連結軸51を中心に回動する。結果、胸当部25、腹当部24、及び脚補助バー59が前上方に変位する。一方で、膝当部22は、足置部21と共に下降するため、利用者の膝を前方から支え続ける。
このように胸当部25、腹当部24、脚補助バー59、及び膝当部22は利用者の姿勢に追従するため、利用者は、上半身を腹当部24及び胸当部25にあずけつつ、膝を膝当部22にあずけることができる。また、シート部20の座面により腰から臀部にかけて後方から支えられている。即ち、ロボット1は、利用者の立位姿勢及び立位姿勢への移行を胸又は腹、膝、及び臀部の少なくとも3点で支持している。更に、利用者の両脚は、不意な外旋又は外転のないよう、左右外側から脚補助バー59で支えられている。
これにより、本実施形態によれば、利用者の転倒を防ぎながら、安定的な座位姿勢から立位姿勢への移行を可能とし、利用者が容易かつ安全に立位姿勢を継続できるよう補助することができる。ひいては、利用者の立ち作業の支援や、立ち上がり動作及び立位姿勢の保持といったリハビリテーションの支援が可能となる。
図7は、本実施形態におけるシート部20の拡大斜視図である。
シート部20の座面は、前後方向に長い実質的な長方形状を有している。
更に、図7に示されるように、シート部20の座面には、前方に利用者の太腿が当接する二つの前方窪み65が設けられ、後方に利用者の臀部が当接する後方窪み66が設けられている。加えて、二つの前方窪み65の間に前方凸部67が設けられ、後方窪み66の後方の当該座面後端に後方凸部68が設けられている。
水平状態、即ち、利用者が着座している状態において、後方窪み66は、利用者の臀部を包むように支持し、二つの前方窪み65は、利用者の太腿の裏(背側)の一部を包むように支持する。更に、前方窪み65は、左右方向の中央に設けられている前方凸部67から下方になだらかに傾斜しており、着座している利用者の太腿の裏の負担を軽減している。
また、回動後の状態、即ち、利用者が立っている状態において、前方窪み65及び後方窪み66は、利用者の太腿及び臀部を後方から支える。更に、後方凸部68は、利用者の腰(背側)周辺に当接し、立位姿勢の利用者の腰部後傾を防ぐことができる。前方凸部67は、利用者の太腿の内側に当接し、立位姿勢の利用者の脚の内転を防ぐことができる。この内転をより効果的に防ぐために、前方凸部67は、図7に示されるように、その上面の前後方向に延びる両側辺がその中央で前方凸部67の内方に窪んでいる形状を有することが好ましい。
また、各前方窪み65は、水平状態において、後端部よりも前端部のほうがシート部20の座面が低くなるように、それぞれ形成されている。これにより、シート部20の上昇により、利用者の膝の屈曲角度が90度を越えた状態においても、前方窪み65の形状が大腿部の傾斜に合っているため、利用者の太腿の裏の負担が軽減される。
[変形例]
上述の実施形態は、移乗移動ロボット1(移動補助装置)の一例である。ロボット1は、上述の全ての構成を有する必要はなく、その一部の構成を有していてもよい。
例えば、座位姿勢から立位姿勢への移行を補助すべく、ロボット1は、シート部20と、シート部20を上昇及び下降させ得る第一アクチュエータ28と、シート部20を回動させて、シート部20を後端から前端に向けて下り傾斜させつつ前上方に変位させ得る第二アクチュエータ29と、利用者の膝を前方から支えるためにシート部20よりも前方に設けられた膝当部22とを有している。そして、シート部20は、膝当部22よりも後方かつシート部20の前縁よりも前方に位置する回動軸を中心に回動する。
即ち、シート部20を上昇及び下降させ得る構造及びシート部20を回動させ得る構造は、上述の実施形態の例に限定されない。また、車輪の構成や第一操作部61及び第二操作部62の構成も上述の実施形態の例に限定されない。胸当連結部50に連結されている胸当連結アーム(53及び55)及びこの胸当連結アームに設けられている腹当部24、胸当部25、及び脚補助バー59も上述の構成に限定されない。腹当部24及び胸当部25のいずれか一方は省かれる形態もあり得るし、脚補助バー59が省かれる形態もあり得る。
このような構成を有するロボット1であっても、少なくとも、立位姿勢への移行にあたり、利用者の膝や足首などへ掛かる負担を最小限にすることができ、足腰に不安のある利用者であっても、容易かつ安全に立位姿勢へ移行することができる。
以下に実施例を挙げ、上述の実施形態を更に詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例から何ら限定を受けない。
図8は、実施例におけるシート部20及び足置部21の変位位置を示す概念図である。
本実施例に係るロボット1のシート部20及び足置部21は、図8に示される範囲で変位することで、ロボット1に搭乗している利用者の身体を確実に支えることができる。
図8に示される移乗座面の高さ位置は、移乗補助モードに適したシート部20の座面の高さ位置であり、シート部20の可動域のうち最も低い位置である。本実施例では、移乗座面の高さ位置は、路面から450mmに設定され、これは、車椅子の座面の高さ(約43cm)に適合している。
姿勢移行座面の高さ位置は、本実施例では、シート部20の可動域のうち最も高い位置、即ち路面から600mmに設定されている。この高さ位置は、車椅子の座面の高さよりも150mm以上高く設定されているため、利用者の膝の屈曲角度が90度より大きくなる。これにより、立位姿勢への移行にあたり利用者の身体にかかる負担を軽減することができる。但し、本実施例において、シート部20が回動を開始する際のシート部20の座面の高さ位置は任意とされている。これにより、利用者の膝下や股下の長さに合わせた座面の高さ位置でシート部20を回動させることができる。
移動座面の高さ位置は、移動補助モードに適したシート部20の座面の高さ位置であり、移乗座面と姿勢移行座面との間に設定される。
また、シート部20は、側面視において、水平状態から最大60度まで前方に回動可能とされている。これにより、立位姿勢の利用者を前方に押し過ぎることなく、適度に後方から支えることができる。
足置部21は、底面が路面に接する位置から最も高い位置(60mm)の間を上昇及び下降する。
1 移乗移動ロボット(ロボット)、2 パイプフレーム、3 駆動輪、4、5、6 自在輪、12 シート支持台、15 走行モータ、16 伝達ベルト、17 出力プーリ、18 駆動プーリ、20 シート部、21 足置部、22 膝当部、23 肘当部、24 腹当部、25 胸当部、28 第一アクチュエータ、29 第二アクチュエータ、30 支持アーム、31 シート接続アーム、32 シート連結部、33 シート連結軸、36 第一回動リンク、37 第二回動リンク、40 シート支持プレート、41、42 シート支柱、43、44 支柱支持部、45 支持アーム接続部、46 プレート支持部、50 胸当連結部、51 胸当連結軸、53 第二胸当連結アーム、55 第一胸当連結アーム、59 脚補助バー、61 第一操作部、62 第二操作部、65 前方窪み、66 後方窪み、67 前方凸部、68 後方凸部

Claims (6)

  1. 利用者の移動を補助する移動補助装置において、
    前記利用者が着座可能なシート部と、
    前記シート部を上昇及び下降させ得る第一アクチュエータと、
    前記シート部を回動させて、該シート部を後端から前端に向けて下り傾斜させつつ前上方に変位させ得る第二アクチュエータと、
    前記利用者の膝を前方から支えるために前記シート部よりも前方に設けられた膝当部と、
    を備え、
    前記シート部は、前記膝当部よりも後方かつ前記シート部の前縁よりも前方に位置する回動軸を中心に回動する、
    移動補助装置。
  2. 前記利用者の胸を前方から支えるために設けられた胸当部と、
    胸当面が傾斜自在となるよう前記胸当部と連結する胸当連結アームと、
    前記胸当連結アームを回動自在に支持すると共に、前記シート部と連動して上昇及び下降する胸当連結部と、
    を更に備え、
    前記胸当連結アームは前記利用者からの前記胸当部の前記胸当面への荷重により回動し、前記胸当連結アームの回動により前記胸当部が前上方に変位する、
    請求項1に記載の移動補助装置。
  3. 前記シート部と一端側で接続されており、前記シート部から前方に延設されているシート接続アームと、
    前記シート接続アームの他端側に設けられたシート連結軸により前記シート接続アームを回動可能に支持するシート連結部と、
    を更に備え、
    前記シート部は、前記第二アクチュエータにより前記シート接続アームが回動することにより、前記シート連結軸周りに回動し、
    前記胸当連結アームの回動軸は前記膝当部よりも前方に配置されており、前記シート連結軸は、前記膝当部よりも後方に配置されている、
    請求項2に記載の移動補助装置。
  4. 前記利用者の両脚を左右外側から支えるために前記胸当連結アームに設けられた二つの脚補助バー、
    を更に備え、
    前記二つの脚補助バーは、左右方向に所定間隔空けた位置に配置されており、前記胸当連結アームから少なくとも後方に延設されている、
    請求項2又は3に記載の移動補助装置。
  5. 前記利用者の足が置かれる足置部と、
    前記シート部の所定の高さ位置を越す上昇に連動して前記足置部を下降させて前記足置部の底面を路面に当接させ、前記シート部の所定の高さ位置より下方への下降に連動して前記足置部を上昇させる足置連動機構と、
    を更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の移動補助装置。
  6. 前記シート部の座面は、
    前後方向に長い実質的な長方形状を有しており、
    前方に前記利用者の太腿が当接する二つの前方窪みを有し、
    後方に前記利用者の臀部が当接する後方窪みを有し、
    前記二つの前方窪みの間に前方凸部を有し、
    前記後方窪みの後方の前記座面後端に後方凸部を有している、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の移動補助装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109571511A (zh) * 2019-01-29 2019-04-05 国家康复辅具研究中心 一种辅助起立移位机器人
WO2022208876A1 (ja) * 2021-04-02 2022-10-06 ヤマハ発動機株式会社 車両
JP7481924B2 (ja) 2020-06-25 2024-05-13 アルプスアルパイン株式会社 パーソナルモビリティ

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