JP3813844B2 - 携帯電話機保持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機を保持して車内などに載置するための携帯電話機保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車内に携帯電話機を取り付けて使用するため携帯電話機本体を着脱可能に保持固定する車内保持装置が知られている。従来の車内保持装置の一例について、図8に示す。この図8において、(A)は車内保持装置の平面図、(B)は側断面図である。
【0003】
この車内保持装置100は、主に、略箱型状のケース101と、このケース101の表面側に設けた凹状の収納部102と、この収納部102に設けた係止部103とを備えている。
【0004】
このうち、収納部102は、保持させようとする図示外の携帯電話機本体が収まる広さを有する略矩形状に形成されており、一端部側に凹所103を有するとともに他端部側に係止部103を有している。
一方、係止部103は、回動支点Aを中心に回動する回動板102Bの先端部側に取り付けたフック103Aと、回動板102Bを背面側から弾性力で付勢するスプリング103Bとで構成されている。
【0005】
従って、この車内保持装置100に携帯電話機を挿入・保持させる場合には、初めに、携帯電話機本体の一端部(下端部)を凹所102Aに挿入後、この凹所102Aを支点にして携帯電話機本体を回動させ(円弧運動させ)、この携帯電話機本体の他端部(先端部)を係止部103が設けてある収納部102の他端部側へ押し込ませて保持させるようになっている。
【0006】
これにより、回動板102Bがスプリング103Bの弾性力に抗してケース101内に後退し、この間に、フック103Aを通過して携帯電話機本体の他端部(先端部)が収納部102の他端部に入り込むことができる。その後、スプリング103Bの弾性力で回動板102Bが元の状態まで押し戻され、フック103Aにより携帯電話機本体が安定した状態で固定・保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成の車内保持装置では、携帯電話機を収納保持する収納部の形状やフックの位置などは、携帯電話機本体の形状によって異なるため、携帯電話機本体の形状が変わるごとに、これに対応した専用の車内保持装置を構成する必要があり、車内保持装置の共用化ができないという課題があった。また、収納部において携帯電話機の幅方向を規制するため、携帯電話機本体の幅よりも広い幅を持った車内保持装置が必要であった。
【0008】
また、先述した車内保持装置には、通常、例えば同図(A)に示すように、ケース101に取付固定用のビス穴101Aが設けられており、車内保持装置100を車体内に取り付ける場合は、このビス穴101Aを利用してビスで直接車体内の適宜の部材に取り付けるか、又は図示しないベルトで固定するような構成になっている。
【0009】
ところが、車内保持装置を車内に取り付けたときに、例えば、携帯電話機を使用者から見やすくするために車内保持装置ごと向きを変えたいような場合は、車内保持装置を一旦取り外して付け直さなければならないという課題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、長さなどの形状の異なる携帯電話機に対して共用でき、操作が容易で安定した着脱が可能な携帯電話機保持装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、車内に取り付け固定した後でも携帯電話機の向きを容易に変えることが可能な携帯電話機保持装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、携帯電話機を車体に着脱可能に保持する携帯電話機保持装置であって、
車体に対して固定され前記携帯電話機が搭載される本体と、
この本体に対してスライド可能に設けられ前記携帯電話機本体の一方の端部を係止・固定させる保持体と、
この保持体に本体へ向かう弾性力を付勢する弾性部材と
を備えたことを特徴としている。
【0012】
これにより、保持体をスライドさせることで、長さの異なる各種の携帯電話機の保持を行うことが可能になる。
【0013】
また、第2に、前記携帯電話機保持装置の本体の少なくとも一部の幅が、前記携帯電話機の本体の幅よりも小さく形成してもよい。
【0014】
これにより、携帯電話機を把持する手の指で、携帯電話機の裏側まで掴めるようになるので、把持動作が安定するとともに確実になる。
【0015】
また、第3に、前記弾性部材をトーションばねで構成するのが好ましい。
【0016】
これにより、小スペースに設置することができ、限られた狭い車内での適用には都合がよい。
【0017】
また、第4に、この発明は、携帯電話機を車体に着脱可能に保持する携帯電話機保持装置であって、
前記携帯電話機保持装置の本体を車体に対して傾斜可能に取り付ける固定手段を備えたことを特徴ととしている。
【0018】
これにより、使用者の使用態様や体格などに合わせ、好みの角度で携帯電話機を保持できる。
【0019】
また、第5に、前記固定手段に、車体に対して本体の傾斜角度を変更する傾斜機構を備えることがこのましい。
【0020】
これにより、都合に合わせて傾斜角度が適宜変更できるので、使い勝手が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態に係る携帯電話機保持装置を示すものであり、この携帯電話機保持装置は、大略構成として、車体に対して固定されて不動状態の本体1と、この本体1に対してスライド可能な保持体2と、この保持体2に本体1に向かう弾性力を付勢する弾性部材3とを備えている。
【0022】
本体1は、表面に一部が窪んだ凹所1Aを形成しており、この凹所1Aに携帯電話機4を収納させるようになっている。また、この本体1には、携帯電話機4を背面側まで指を回り込ませて確実に把持できるようにするため、中間部分が長さSだけくびれた形状を有しており、この括れ部1Bでの携帯電話機保持装置での幅Wは、少なくとも収納・保持する携帯電話機の幅W´よりも狭くなっている。なお、この本体1の上端部側には、図2に示すように、図示外の外部アンテナコネクタを挿入するための孔10を設けている。
【0023】
保持体2には、同図に示すように、スライド部2Aと、被押圧部2Bと、フック部2Cなどとを備えている。
スライド部2Aは、本体1の表面上、主に、括れ部1B上面に沿ってスライドするようになっており、このときのスライド動作をガイドするとともに、スライド量を規制するため、中央部にガイド孔21が開口されている。このガイド孔21は、本体1側の括れ部1Bから突設するガイドピン11を係合させている。また、このスライド部2Aは、両側面22が本体1側の括れ部1Bに設けたガイド壁12に当接するようになっており、前述したガイドピン11とガイド壁12とに拘束されることにより、保持体2のスライド方向とスライド範囲が一定に規制されている。
【0024】
被押圧部2Bは、図2において上端部分に当接面23を設けており、本体1側に設けたボス13に取り付けた弾性部材3であるトーションばね14の両端部14Aを介してばね力が付勢されるようになっている。即ち、この被押圧部2Bは、同図において、常時、下方向にトーションばね14の弾性力が付勢されており、これにより、普段、携帯電話機4が収納・保持されていない状態では、本体1に対して下方へ向けて最下部まで押動され、ガイド孔21の上縁部にガイドピン21が当接した状態で停止している(同図(A)参照)。なお、この被押圧部2Bの当接面23は、トーションばね14の両端部14Aが外れないようするため、互いに対向する内側向きに傾斜させている。
【0025】
フック部2Cは、本体1の凹部1Cに一端が挿入・係止された携帯電話機4の他端(上端)部を係止・固定させるものであり、トーションばね14のばね力で携帯電話機4の他端に当接し、本体1の凹所1Aから抜け出るのを防止するようになっている。なお、このフック部2Cを含む保持体2は、普段、携帯電話機4を収めていないときには、図3(A)のように、本体1に対して接近した状態、つまり携帯電話機保持装置全体としてみれば、最も短縮した状態にある。
また、携帯電話機4を凹所1Aに収納させるときには、携帯電話機4の他端部(上端部)がフック部2Cを通り抜けることができるようにするため、フック部2Cを設けてある保持体2が、同図(B)のように、本体1に対して離間する方向にスライド動作する。つまり携帯電話機保持装置としてみれば、全体が伸長した状態となるように保持体2が一時的にスライド動作するような構成となっている。
【0026】
次に、この実施形態にかかる携帯電話機保持装置の作用について説明する。
初めに、携帯電話機4の一端部(下端部)を凹所1Cに挿入後、この凹所1Cを支点にして携帯電話機4を回動させ(円弧運動させ)、この携帯電話機4の他端部(上端部)を保持体2のフック部2Cへ押し込ませる。
【0027】
すると、携帯電話機4の押し込み力により、図2(A)の状態にあった保持体2がトーションばね14の弾性力に抗して右方に移動し、換言すれば、トーションばね14の両腕部を押し広げるようにしながら、被押圧部2Bが本体1の括れ部1Bに対して離間するように右方に後退する(図2(B)参照)。これにより、フック部2Cを通り抜けて携帯電話機1の他端部(上端部)が保持体2に入り込むことができる。
その後、トーションばね14の弾性力で被押圧部2Bが左方へ押し戻され、フック部2Cにより携帯電話機4の他端部(上端部)の外面部分が安定した状態で固定・保持される。
【0028】
従って、この第1の実施形態によれば、トーションばね14を用いているので、省スペース化を図ることが容易であり、また、このトーションばね14には左右2本の作動腕を有しているので、一般に使用されているコイルばねなどに比べて、本体1の括れ部1Bや保持体2が傾斜することが防止されており、スムースな伸縮動作が可能になる。
【0029】
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る携帯電話機保持装置について説明する。なお、この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図4は、第2の実施形態にかかる携帯電話機保持装置を示すものであり、この携帯電話機保持装置は、本体1の中間部に、傾斜機構を兼用した固定手段5を備えている。
【0030】
この固定手段5は、大略構成として、台座51と、この台座51に内挿・保持させた回動部材52とを有しており、携帯電話機保持装置の本体1内部に設けたブラケット50を介して携帯電話機保持装置の本体1に取り付けられている。
【0031】
ブラケット50には、中央部にビス53を通す孔50Aを設けている。台座51は、上部が開口されて略半球状に形成されており、図5に示すように、内周面51Aには回動部材52が回動可能に当接するようになっている。また、このブラケット50を取り付けている携帯電話機保持装置の本体1には、ブラケット50にビス54を差し込ませるための開口部1Dを表面側に設けており、普段はこの開口部1Dをキャップ55を被せて外部から見えないようにしている。また、携帯電話機保持装置の本体1の底面には、回動孔1E(図(B)参照)を開口させている。
【0032】
回動部材52は、上部がフラットな円形状の平面を有するとともに、下部の外輪部52Aが台座51の内周面51Aに当接するように構成されている。また、この面には中央部にビス54が通る孔を開口している。一方、この回動部材52の下部は開口されており、この下部には、雌ねじを切ったねじ孔53Aを中央に有するプレート53が挿入されている。なお、この台座51から回動部材52が抜け出さないようするため、台座51には樹脂爪51Bを突設しているとともに、回動部材52には樹脂爪51Bが通り抜けることができる大きさに穿設した溝52Bを設けている。
【0033】
次に、この固定手段5の組付け方法及び傾斜角度の変更方法について説明する。
図6(A)に示すように、台座51の樹脂爪51Bと回動部材52の溝52Bとが一致するように、回動部材52若しくは台座51を回動させて、双方の位置を合わせた後、回動部材52を台座51の下部から内部に挿入させる。このようにして、回動部材52を挿入させたならば、回動部材52を回動させ、台座51の樹脂爪51Bと回動部材52の溝52Bとが一致しないように位置を調整する(図6(B)参照)。
【0034】
次に、回動部材52を挿入させた台座51を、携帯電話機保持装置の本体1底面に開口された回動孔1Eから差込み、この回動孔1Eに台座51の上部を挿入させた後、本体1の表面側から、開口部1Dを介してビス54を差込み、ブラケット50の孔50Aにそのビス54を挿入する。さらに、このビス54を回動部材53の孔を通してプレート53のねじ孔53Aにねじ込ませ、プレート53及び回動部材52をビス54でブラケット50にしっかりと固定する。
【0035】
このようにして、ビス54で回動部材52側をブラケット50側に止め付けると、回動部材52と本体1の回動孔1Eとの間で、台座51も挟持されるので、台座51に対して本体1が固定されることとなる。なお、本体1と、台座51と、回動部材52とは、摩擦力で、互いに安定した状態に固定させるような構成としてもよい。
【0036】
最後に、その台座51を車体内の適宜の部位に螺着させると、携帯電話機保持装置を車体にしっかりと固定させることができる。また、本体1の開口部1Dには、キャップ55を嵌め込む。
【0037】
また、このようにして固定された携帯電話機保持装置を、例えば、図7(A)又は(B)に示すように、車体に対して所望の角度に傾斜させたり、その後、傾斜角度を変更させる場合には、本体1の開口部1Dに嵌め込んであるキャップ55をとりはずしたのち、ビス54を緩めれば、本体1のブラケット50と回動部材52との間に隙間を生じて緩くなるので、本体1を好みの方向に傾斜角度を変更させることができる。
【0038】
このようにして、傾斜角度を変更させたのち、再び、同様の操作を行い、ビスを締め付けて、本体1のブラケット50と回動部材52との間をしっかりと固定させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車体に対して固定され携帯電話機が搭載させる本体と、この本体に対してスライド可能に設けられ携帯電話機本体の一方の端部を係止・固定させる保持体と、この保持体に本体へ向かう弾性力を付勢する弾性部材とを備えており、保持体をスライドさせることで、長さの異なる各種の携帯電話機の保持を行うことが可能になり、汎用性のある携帯電話機車内保持装置が実現できるようになる。
【0040】
また、本発明によれば、携帯電話機保持装置の本体を車体に対して傾斜可能に取り付ける固定手段を備えたので、使用者の使用態様や体格などに合わせ、好みの角度で携帯電話機を保持できるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る携帯電話機保持装置を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)におけるI-I線概略断面図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態にかかる保持体の断面図であり、(A)は伸長前の状態、(B)は伸長後の状態を示すものである。
【図3】図1に示す第1の実施形態にかかる携帯電話機保持装置の平面図であり、(A)は伸長前の状態、(B)は伸長後の状態を示すものである。
【図4】この発明の第2の実施形態に係る携帯電話機保持装置を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側面の破断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る携帯電話機保持装置の傾斜機構を備えた固定手段の要部を下から見たときの状態を示す分解斜視図である。
【図6】(A)及び(B)は、図5に示す固定手段の組付け方法を示す説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、第2の実施形態に係る携帯電話機保持装置の傾斜機構の作用を示す側面の破断面図である。
【図8】(A)及び(B)は、従来の携帯電話機保持装置を示す平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 本体(携帯電話機保持装置)
1A 凹所(携帯電話機の収納部)
1B 括れ部
1C 凹部
13 ボス
14 トーションばね(弾性部材)
2 保持体(携帯電話機保持装置)
2A スライド部
2B 被押圧部
2C フック部
3 弾性部材
4 携帯電話機
5 固定手段(傾斜機構を兼用)
50 ブラケット
51 台座
52 回動部材
53 プレート
54 ビス
55 キャップ

Claims (3)

  1. 携帯電話機を車体に着脱可能に保持する携帯電話機保持装置であって、
    車体に対して固定され、少なくとも一部の幅が前記携帯電話機の本体の幅よりも小さく形成される本体と、
    この本体に対してスライド可能に設けられ前記携帯電話機本体の一方の端部を係止・固定させる保持体と、
    前記本体の前記保持体が設けられる側の端部に取り付けられ、左右の作動腕を有するトーションばねと、を備え、
    前記保持体は、前記トーションばねの左右の作動腕と当接する被押圧部を有し、前記被押圧部を介して前記トーションばねにより本体へ向かう方向に付勢される携帯電話機保持装置。
  2. 携帯電話機を車体に着脱可能に保持する携帯電話機保持装置であって、
    前記携帯電話機保持装置の本体を車体に対して傾斜可能に取り付ける固定手段を備える請求項1に記載の携帯電話機保持装置。
  3. 前記固定手段が、車体に対して本体の傾斜角度を変更する傾斜機構を備える請求項2に記載の携帯電話機保持装置。
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