JP3811650B2 - 射出成形機の潤滑装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の潤滑装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、高圧で射出し、金型装置内のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において冷却して固化させて成形品にするようになっている。
【0003】
前記射出成形機は金型装置、型締装置及び射出装置を有する。そして、前記金型装置は固定側金型ユニット及び可動側金型ユニットを備え、前記型締装置によって前記可動側金型ユニットを進退させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。また、前記射出装置は、加熱シリンダ、及び該加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリューを備える。そして、該スクリューを前進させることによって、加熱シリンダの先端に取り付けられた射出ノズルから樹脂が射出され、金型装置内のキャビティ空間に充填されるようになっている。
【0004】
また、前記射出装置は、射出成形機のフレーム上に支持された射出装置本体、及び可塑化移動装置を備え、該可塑化移動装置を作動させることによって、加熱シリンダを進退させ、射出ノズルの前端に形成されたノズル口を前記固定側金型ユニットの固定プラテンに対して接離させることができる。そして、前記ノズル口を固定プラテンに接触させた状態で前記射出ノズルから樹脂が射出される。
【0005】
ところで、前記射出成形機には、型締め用のモータ、射出用のモータ、移動用のモータ等の駆動部が配設されていて、該駆動部を駆動することによって発生させられた回転が、ボールねじに伝達され、該ボールねじにおいて回転運動が直進運動に変換されるようになっている。
【0006】
前記ボールねじは、ボールねじ軸、及び該ボールねじ軸と螺(ら)合させられるボールナットを備える。そして、前記ボールねじ軸とボールナットとはボールを介して摺(しゅう)動させられるので、回転運動が直進運動に変換されるのに伴ってボールねじ軸及びボールナットとボールとの間に摩擦が発生する。そこで、前記ボールナットの内周面と、ボールねじ軸の外周面におけるボールナット内の部分との間、すなわち、螺合部に、ボールナットに形成された潤滑剤供給口を介して潤滑剤としてグリースを供給し、摩擦が発生するのを抑制するようにしている。なお、前記螺合部によって被潤滑部が構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出成形機においては、潤滑剤としてグリースが使用されているが、グリースの循環性が悪いので、潤滑剤供給口の近傍だけが潤滑され、被潤滑部の全体を均一に潤滑することができない。
【0008】
また、グリースは、粘度が高いので、使用されたグリースを回収することが困難であるだけでなく、高価であるので、射出成形機のコストが高くなってしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、被潤滑部の全体を均一に潤滑することができ、使用された潤滑剤を容易に回収することができ、コストを低くすることができる射出成形機の潤滑装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の射出成形機の潤滑装置においては、ボールねじ軸部及びボールナット、並びに該ボールねじ軸部及びボールナットをシールし、油密構造を有する潤滑室を形成するシール部材を備え、前記駆動部を駆動させることによって発生させられた回転を受け、回転運動を直進運動に変換するボールねじ部と、油供給源と、該油供給源から供給された潤滑剤を、油供給路と潤滑室とを連結する油路を介して前記ボールナットに直接供給する油供給装置とを有する。
そして、前記ボールナットは、前記シール部材から漏れた潤滑剤を溜めるための密閉された潤滑剤収容室に配設される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態における射出装置の要部を示す概略図、図2は本発明の第1の実施の形態における射出装置の概略図、図3は本発明の第1の実施の形態における被潤滑部を示す断面図である。なお、図1及び2と図3とは、ボールナット35の前後が逆に示される。
【0019】
図において、11はシリンダ部材としての加熱シリンダ、12は該加熱シリンダ11内において回転自在に、かつ、進退(図2において左右方向に移動)自在に配設された射出部材としてのスクリューであり、前記加熱シリンダ11の前端(図2において左端)に図示されない射出ノズルが取り付けられ、該射出ノズルにノズル口が形成される。
【0020】
前記スクリュー12は、スクリュー本体、及び該スクリュー本体の前端に取り付けられた図示されないスクリューヘッドを備え、スクリュー本体の外周面に図示されないフライトが螺旋状に形成され、該フライトによって螺旋状の溝が形成される。
【0021】
前記加熱シリンダ11の後端(図2において右端)は、前方射出サポート61に取り付けられ、該前方射出サポート61と所定の距離を置いて後方射出サポート62が配設される。前記前方射出サポート61は、箱状の本体61a及びカバー61bから成る。そして、前記前方射出サポート61と後方射出サポート62との間に複数のロッド63(図2においては、一つのロッド63だけが示される。)が架設され、該ロッド63によって前記前方射出サポート61と後方射出サポート62との間に所定の距離が保持される。また、前方射出サポート61、後方射出サポート62及びロッド63によって射出枠が構成される。
【0022】
そして、前記スクリュー12の後端には、カプラ59を介して円板形の形状を有する連結体64が一体的に取り付けられ、該連結体64に筒状の支持体65がボルトbt1を介して取り付けられる。なお、前記連結体64及び支持体65によって、スクリュー12と一体に回転させられ、かつ、軸方向に移動させられる回転摺動部材68が構成される。前記支持体65は軸方向においてスクリュー12のストローク分の長さを有し、外周面に雄スプライン67が形成される。
【0023】
前記回転摺動部材68に回転を伝達してスクリュー12を回転させるために、前記回転摺動部材68の外周を包囲するように筒状の回転部材78が配設され、該回転部材78の後端に、内周面に雌スプラインが形成されたスプラインナット79がボルトbt2によって取り付けられる。前記回転部材78は、前記前方射出サポート61に対してベアリングb1、b2によって回転自在に支持される。
【0024】
そして、第1の駆動部としての電動の計量用モータ70が配設され、該計量用モータ70は、計量工程において駆動されて回転摺動部材68を回転させ、射出工程において、拘束力を発生させて回転摺動部材68の回転を停止させる。前記計量用モータ70は、図示されないステータ、該ステータの径方向における内方に配設された図示されないロータ、出力軸74、及び該出力軸74に取り付けられ、計量用モータ70の回転速度を検出する第1のエンコーダ70aを備える。なお、前記計量用モータ70は第1のエンコーダ70aの検出信号に基づいて制御される。
【0025】
そして、前記計量用モータ70と前記回転摺動部材68との間に、出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76、カウンタドリブンギヤ77及び前記回転部材78が配設され、前記出力軸74に出力ギヤ75が取り付けられ、出力ギヤ75とカウンタドライブギヤ76とが噛(し)合させられ、カウンタドライブギヤ76とカウンタドリブンギヤ77とが噛合させられ、カウンタドリブンギヤ77が回転部材78にボルトbt3によって取り付けられる。なお、前記出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76及びカウンタドリブンギヤ77によって回転を伝達する第1の伝動機構が構成される。
【0026】
前記出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76、カウンタドリブンギヤ77及び回転部材78は、回転部材78に対する回転摺動部材68の軸方向における相対的な移動を許容しながら、前記計量用モータ70が駆動されて発生させられた回転を回転摺動部材68に伝達する。そのために、該回転摺動部材68は、前記回転部材78に対して回転不能に、かつ、軸方向に移動自在に配設される。また、前記回転部材78の前端において、回転部材78の内周面と連結体64の外周面とがシール60を介して摺動自在に接触させられ、前記回転部材78の後端において、前記雌スプラインと前記雄スプライン67とが摺動自在にスプライン係合させられる。なお、前記スプラインナット79及び支持体65によって第1の回転伝達部が構成され、前記スプラインナット79によって第1の伝達要素が、支持体65によって第2の伝達要素が構成される。
【0027】
したがって、前記計量用モータ70を駆動することによって出力軸74を回転させると、出力軸74の回転が出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76、カウンタドリブンギヤ77及び回転部材78を介して前記回転摺動部材68に伝達され、該回転摺動部材68が正方向、又は必要に応じて逆方向に回転させられ、スクリュー12が回転させられる。さらに、前記計量用モータ70の駆動を停止させ、拘束力を発生させて出力軸74を停止させると、回転摺動部材68の回転が停止させられ、スクリュー12の回転も停止させられる。
【0028】
そして、前記回転摺動部材68より後方(図2において右方)に、第2の駆動部としての電動の射出用モータ90が配設され、該射出用モータ90は、射出工程において駆動される。前記射出用モータ90は、後方射出サポート62にロードセル96を介して固定され、前環状体91a、スリーブ91b及び後プレート91cから成るケース91、該ケース91に取り付けられたステータ92、該ステータ92の径方向における内方に配設されたロータ93、該ロータ93に取り付けられた中空の出力軸94、該出力軸94を前記ケース91に対して回転自在に支持するベアリングb5、b6、並びに前記出力軸94に取り付けられ、射出用モータ90の回転速度を検出する図示されない第2のエンコーダを備える。なお、前記出力軸94の内周面の軸方向におけるほぼ中央の部分はスプラインナット36として機能し、該スプラインナット36の内周面に雌スプラインが形成される。また、前記射出用モータ90は前記第2のエンコーダの検出信号に基づいて制御される。
【0029】
そして、前記射出用モータ90を駆動することによってスクリュー12を進退させるために、回転摺動部材68と射出用モータ90との間に、前方(図1及び2において左方)から後方にかけて、伝動軸21、第1の運動方向変換部としてのベアリングボックス22及び伝動ユニット23が配設される。
【0030】
前記伝動軸21は、前端から後端にかけて形成された、小径のシャフト部84、及び該シャフト部84に隣接させて一体に形成された大径のシャフト部85から成り、シャフト部84の後端に、前記シャフト部84、85間の段部に当接させて環状フランジ部材89が外嵌(かん)される。そして、前記伝動軸21は、前端部(図2において左端部)においてベアリングb3によって、中央部において前記環状フランジ部材89を介してベアリングb4によって、回転摺動部材68を回転自在に、かつ、軸方向に移動不能に支持する。また、前記シャフト部84の前端部に図示されない雄ねじが形成され、該雄ねじと螺合させてベアリングナット80が配設される。したがって、該ベアリングナット80を締め付け、ベアリングナット80及び環状フランジ部材89によってベアリングb3、b4を挟むことにより、伝動軸21を回転摺動部材68に対して位置決めすることができる。
【0031】
また、前記伝動ユニット23は、前端から後端にかけて順に形成された、小径の軸部31、該軸部31に隣接させて一体に形成されたねじ軸部としての大径のボールねじ軸部32、該ボールねじ軸部32に隣接させて一体に形成され、前記スプラインナット36とスプライン係合させられるスプライン軸部33、及び前記ボールねじ軸部32と螺合させて配設され、ナットとしてのボールナット35から成る。なお、ボールねじ軸部32の外周面に雄ねじが、前記スプライン軸部33の外周面に雄スプラインが形成される。
【0032】
また、ボールねじ軸部32によって第1の変換要素が、ボールナット35によって第2の変換要素が、ボールねじ軸部32及びボールナット35によって、ねじ部としてのボールねじ部50が構成されるとともに、該ボールねじ部50によって第2の運動方向変換部が構成される。したがって、前記ボールねじ部50において、射出用モータ90を駆動することによって発生させられた回転がボールねじ軸部32に伝達されると、回転運動をボールねじ軸部32の回転を伴う直進運動、すなわち、回転直進運動に変換する。なお、前記スプラインナット36及びスプライン軸部33によって、第2の回転伝達部が構成され、前記スプラインナット36によって第1の伝達要素が、スプライン軸部33によって第2の伝達要素が構成される。
【0033】
また、前記軸部31、ボールねじ軸部32及びスプライン軸部33によって軸ユニット34が構成される。該軸ユニット34は、前端部において、ベアリングb7、b8によって、ベアリングボックス22に対して回転自在に支持され、後端部(図1及び2において右端部)において、出力軸94を介し、ベアリングb5、b6によって、ケース91に対して回転自在に支持される。そして、前記ベアリングボックス22の内周面におけるベアリングb7、b8間に環状の突起38が形成され、前記軸部31の前端部に図示されない雄ねじが形成され、該雄ねじと螺合させてベアリングナット39が配設される。したがって、該ベアリングナット39を締め付け、ベアリングナット39、及び軸部31とボールねじ軸部32との間に形成された段部によってベアリングb7、b8を挟むことにより、伝動ユニット23をベアリングボックス22に対して位置決めすることができる。
【0034】
また、前記ボールナット35は環状体41を介してロードセル96に取り付けられ、前記ボールねじ部50によってボールねじ軸部32に発生させられる回転直進運動の反力が、ボールナット35に加わり、環状体41を介してロードセル96に伝達される。したがって、射出用モータ90を駆動することによってスクリュー12に発生させられる射出力及び保圧力を、ロードセル96によって検出することができる。
【0035】
次に、前記構成の射出装置の駆動方法について説明する。
【0036】
まず、計量工程時に、前記計量用モータ70を駆動すると、出力軸74に発生させられた回転は、出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76、カウンタドリブンギヤ77、回転部材78及び回転摺動部材68を介してスクリュー12に伝達され、該スクリュー12を正方向に回転させる。
【0037】
これに伴って、前記加熱シリンダ11に配設された図示されないホッパから落下した図示されない樹脂が前記スクリュー12の前記溝内を前進させられ、スクリュー12が後退(図2において右方に移動)させられ、樹脂がスクリューヘッドの前方に蓄えられる。このとき、スクリュー12に発生させられる後退力に伴って、伝動軸21が後退させられ、前記後退力がベアリングb7、b8を介して軸ユニット34に伝達される。したがって、軸ユニット34は回転しながら後退させられる。
【0038】
また、射出工程時に、前記計量用モータ70の駆動が停止させられ、拘束力が発生させられて回転摺動部材68の回転が停止させられ、この状態で前記射出用モータ90を駆動することによって出力軸94を回転させると、出力軸94の回転は、スプライン軸部33に伝達され、ボールねじ軸部32が一体に回転させられる。そして、該ボールねじ軸部32の回転運動は、ボールねじ軸部32及びボールナット35によってボールねじ軸部32の回転直進運動に変換され、軸部31を介してベアリングボックス22に伝達され、該ベアリングボックス22において前記軸ユニット34の回転直進運動は、直進運動に変換され、該直進運動は伝動軸21に出力される。さらに、該伝動軸21の直進運動は、回転摺動部材68及びカプラ59を介してスクリュー12に伝達される。
【0039】
このように、射出用モータ90を駆動することによって、スクリュー12に直進運動を伝達することができるので、射出用モータ90を正方向に駆動することによってスクリュー12を前進(図2において左方に移動)させ、射出用モータ90を逆方向に駆動することによってスクリュー12を後退させることができる。
【0040】
ところで、前記ボールナット35は、図3に示されるように、ナット本体51、及び該ナット本体51の上部に形成された切欠にボルトbt5、bt6によって固定され、リターンチューブ52を保持するブロック53を備え、前記ナット本体51は、筒状部54、及び該筒状部54の後端(図3において左端)に一体的に形成されたフランジ部55から成る。
【0041】
そして、前記ボールねじ軸部32とボールナット35とが螺合させられ、ボールねじ軸部32が回転させられるのに伴って、ボールねじ軸部32の外周面に形成された溝56、及びボールナット35の内周面に形成された溝57によって形成されたほぼ円形のボール通路内を、ボール58が回転しながら矢印方向に移動させられる。また、ボールねじ軸部32とボールナット35とを常に螺合させるために、前記ボール58をボールナット35内において循環させるようにしている。なお、59は振動センサである。
【0042】
ところで、前記構成の射出成形機においては、前記射出用モータ90を駆動するのに伴ってボールねじ軸部32が回転させられると、該ボールねじ軸部32とボールナット35とは、ボール58を介して摺動させられるので、ボールねじ軸部32及びボールナット35とボール58との間に摩擦が発生する。そこで、ボールねじ軸部32とボールナット35との螺合部に、潤滑剤として潤滑油を供給し、摩擦が発生するのを抑制するようにしている。なお、前記螺合部によって被潤滑部が構成される。
【0043】
そのために、前記ナット本体51の前端(図3において右端)及び後端に、第1、第2のシール部材としてのオイルシール71、72が配設され、該オイルシール71、72によってボールねじ軸部32の外周面とボールナット35の内周面との間がシールされ、前記螺合部を密閉して、油密構造を有する潤滑室83が形成される。また、ナット本体51の所定の箇所、例えば、リターンチューブ52からのボール58の戻り口の近傍に油供給口81が、リターンチューブ52へのボール58の送り口の近傍に油排出口82が筒状部54の壁を貫通させて、かつ、前記潤滑室83に臨ませて形成される。この場合、油供給口81を介して潤滑室83に供給された潤滑油は、潤滑室83内をボール58と同じ方向に流れた後、油排出口82から排出されるので、被潤滑部を十分に潤滑することができる。
【0044】
そして、前記潤滑室83に潤滑油を供給するために、油供給装置としての油圧回路100が配設される。該油圧回路100において、油供給源としての循環用のポンプ102のモータ103を駆動すると、油タンク101内の潤滑油がフィルタ104を介して吸引され、油路L−1に吐出され、該油路L−1を介して前記油供給口81に送られる。また、油排出口82から排出された潤滑油は、油路L−2に排出され、油タンク101に回収される。なお、前記ベアリングボックス22、ボールねじ部50、射出用モータ90、ポンプ102及び油圧回路100によって射出成形機の潤滑装置が構成される。
【0045】
ところで、前記後方射出サポート62と一体に、ベアリングボックス22、ボールナット35、環状体41等を包囲して筒状体43が形成される。なお、本実施の形態においては、筒状体43は後方射出サポート62と一体に形成されるようになっているが、後方射出サポート62と別体に形成することもできる。
【0046】
そして、前記筒状体43とベアリングボックス22との間をシールするために、ベアリングボックス22の外周面の所定の箇所に環状の溝44が形成され、該溝44に第3のシール部材としてのOリング45が収容される。また、前記前環状体91aと出力軸94との間をシールするために、前記前環状体91aの内周縁におけるベアリングb5より前方に、環状の溝46が形成され、該溝46に第4のシール部材としてのOリング47が収容される。したがって、前記ベアリングボックス22、筒状体43、環状体41、ロードセル96及び出力軸94によって、前記軸ユニット34及びボールナット35を包囲し、密閉された潤滑剤収容室としての潤滑油収容室88が形成される。
【0047】
そして、前記潤滑室83に供給され、オイルシール71、72とボールねじ軸部32との間から漏れた潤滑油は、前記潤滑油収容室88内に溜(た)められ、油路L−3を介して油タンク101に回収される。
【0048】
このように、潤滑剤として潤滑油が使用されるが、潤滑油の循環性が良いので、油供給口81の近傍だけでなく、被潤滑部の全体を均一に潤滑することができる。また、使用された潤滑油を油タンク101に回収することができるだけでなく、潤滑油が廉価であるので、射出成形機のコストを低くすることができる。
【0049】
ところで、ボールねじ軸部32及びボールナット35とボール58との間の摩擦によって摩耗粉、例えば、鉄粉が発生するので、前記被潤滑部を潤滑するのに伴って潤滑油に摩耗粉が含有される。そこで、摩耗粉の量を検出することによって、ボールねじ部50がどの程度摩耗したかを知るようにしている。
【0050】
そのために、前記油路L−2に、潤滑油内の摩耗粉の量を表す鉄分量を検出するために摩耗粉検出部としての検出装置111が配設され、該検出装置111は、前記鉄分量を電磁誘導によって検出し、検出信号を図示されない制御部に送る。該制御部は、前記検出信号を受けると、前記鉄分量が閾(しきい)値を超えたかどうかを判断し、閾値を超えた場合、図示されない表示装置にボールねじ部50の使用状態を表示する。したがって、操作者は表示装置の表示内容に基づいて、ボールねじ部50の潤滑不良が発生していること、ボールねじ部50が使用限界にきていること等の使用状態を認識することができる。なお、油路L−2を介して油タンク101に回収された潤滑油に含有される摩耗粉は、油タンク101内に配設された摩耗粉回収除去装置105によって除去され、廃棄される。
【0051】
また、前記油路L−2における検出装置111より下流側に油冷却装置112が配設され、該油冷却装置112は、潤滑室83から排出された潤滑油を冷却する。したがって、冷却された後の潤滑油を潤滑室83に供給し、被潤滑部を冷却することもできる。また、潤滑油が熱によって劣化するのを防止することもできる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0053】
図4は本発明の第2の実施の形態における油圧回路を示す図である。
【0054】
この場合、油路L−2に、上流側から下流側にかけて、圧力センサ121、フィルタ122及び油冷却装置112が配設され、潤滑油に含有される摩耗粉の量を検出するための前記圧力センサ121は、油路L−2における潤滑油の圧力を検出し、検出信号を図示されない制御部に送る。
【0055】
ところで、潤滑油に含有される摩耗粉の量が多くなると、前記フィルタ122によって除去され、フィルタ122内に溜められる摩耗粉が多くなり、油路L−2における潤滑油の圧力損失を表す、フィルタ122より上流側の圧力が高くなる。そこで、制御部は、前記検出信号を受けると、前記圧力センサ121によって検出された圧力が閾値を超えたかどうかを判断し、閾値を超えた場合、図示されない表示装置にボールねじ部50(図2)の使用状態を表示する。なお、前記圧力センサ121及びフィルタ122によって摩耗粉検出部が構成される。
【0056】
本実施の形態においては、ボールねじ部50における被潤滑部について説明しているが、可塑化移動装置、型締装置等における被潤滑部に適用することもできる。
【0057】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出成形機の潤滑装置においては、ボールねじ軸部及びボールナット、並びに該ボールねじ軸部及びボールナットをシールし、油密構造を有する潤滑室を形成するシール部材を備え、前記駆動部を駆動させることによって発生させられた回転を受け、回転運動を直進運動に変換するボールねじ部と、油供給源と、該油供給源から供給された潤滑剤を、油供給路と潤滑室とを連結する油路を介して前記ボールナットに直接供給する油供給装置とを有する。
そして、前記ボールナットは、前記シール部材から漏れた潤滑剤を溜めるための密閉された潤滑剤収容室に配設される。
【0059】
この場合、潤滑剤の循環性が良いので、油供給口の近傍だけでなく、被潤滑部の全体を均一に潤滑することができる。また、使用された潤滑剤を容易に回収することができるだけでなく、潤滑剤が廉価であるので、射出成形機のコストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における射出装置の要部を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における射出装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における被潤滑部を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における油圧回路を示す図である。
【符号の説明】
22 ベアリングボックス
32 ボールねじ軸部
35 ボールナット
50 ボールねじ部
71、72 オイルシール
88 潤滑油収容室
90 射出用モータ
100 油圧回路
102 ポンプ
111 検出装置
112 油冷却装置
121 圧力センサ
122 フィルタ
L−2 油路
Claims (5)
- (a)駆動部と、
(b)ボールねじ軸部及びボールナット、並びに該ボールねじ軸部及びボールナットをシールし、油密構造を有する潤滑室を形成するシール部材を備え、前記駆動部を駆動させることによって発生させられた回転を受け、回転運動を直進運動に変換するボールねじ部と、
(c)油供給源と、
(d)該油供給源から供給された潤滑剤を、油供給路と潤滑室とを連結する油路を介して前記ボールナットに直接供給する油供給装置とを有するとともに、
(e)前記ボールナットは、前記シール部材から漏れた潤滑剤を溜めるための密閉された潤滑剤収容室に配設されることを特徴とする射出成形機の潤滑装置。 - 前記潤滑剤に含有される摩耗粉の量を検出する摩耗粉検出部を有する請求項1に記載の射出成形機の潤滑装置。
- 前記摩耗粉検出部は電磁誘導によって摩耗粉の量を検出する請求項2に記載の射出成形機の潤滑装置。
- 前記摩耗粉検出部は潤滑剤の油路における圧力損失によって摩耗粉の量を検出する請求項2に記載の射出成形機の潤滑装置。
- 前記潤滑剤を冷却するための油冷却装置を有する請求項1に記載の射出成形機の潤滑装置。
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