JPH102396A - ボールねじの洗浄装置 - Google Patents

ボールねじの洗浄装置

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JPH102396A
JPH102396A JP15369496A JP15369496A JPH102396A JP H102396 A JPH102396 A JP H102396A JP 15369496 A JP15369496 A JP 15369496A JP 15369496 A JP15369496 A JP 15369496A JP H102396 A JPH102396 A JP H102396A
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JP
Japan
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male screw
ring
liquid material
screw
cavity
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JP15369496A
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Inventor
Takeshi Watabe
健 渡部
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールねじの雄ねじに付着した、粉塵等の微
細な異物を確実に除去する。 【解決手段】 ボールねじ100は、雄ねじ101にナ
ット102,103を備えて構成されている。洗浄装置
200のリング状部品201は、雄ねじ101の外周を
覆う状態で配置されており、内周に形成した雌ねじ部2
02が微小隙間を介して雄ねじ101に螺合している。
潤滑油を油管250を介して給油通路204に圧送する
と、潤滑油は噴出口204aから空洞部203を通って
雄ねじ101に向かい噴出される。これにより、雄ねじ
101に付着した粉塵が洗い流される。その後、潤滑油
は、排油通路205に回収されて排出される。潤滑油を
確実に排出する際には、エアーを、エアー管251から
エアー通路206及びリング状溝207を介して送り、
雄ねじ101に吹き付ける。なお、潤滑油を冷却してお
くことにより、冷却も同時に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールねじの洗浄装
置に関し、工作機械や計測機等の送り装置に適用される
ボールねじの雄ねじに付着した粉塵等の異物を確実に洗
浄・除去することができるとともに、併せて冷却や潤滑
もできるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】ボールねじは、雄ねじとナットの両方に
溝を設け、この溝に多数のボール(鋼球)を一列に入れ
たねじである。このボールねじでは、雄ねじを回転させ
ると、ボールは前記溝内を転動して出口側のナット端に
達し、ナットに設けた戻り穴(または戻り管)を通って
入口側のナット端に戻って再び溝に入るようになってい
る。かかる構成となっているので、ボールねじは、雄ね
じとナットとの間の摩擦抵抗が小さく、かつバックラッ
シ除去がしやすいという長所を有している。
【0003】バックラッシュの除去や剛性の向上等を目
的としてボールねじに予圧を与えるために、従来では、
ボールねじに2つのナットを備え、この2つのナットの
間に適当な厚さのスペーサを挟んで機械的に結合するこ
とにより、ナット間隔を押し広げる方向の力を両ナット
に加えたり、ナット相互を引き寄せる方向の力を両ナッ
トに加えたりすることにより予圧を与えていた。
【0004】かかる手法により予圧を与える従来のボー
ルねじ100の一例を図3に示す。図3に示すように、
このボールねじ100では、雄ねじ101に2つのナッ
ト102,103が螺合している。しかも、ナット10
2に対しナット103の回転角を定め、キー104によ
り両ナット102,103を連結して回転方向位置がず
れないようにしている。さらにナット102,103の
間にスペーサ105を介在させて両ナット102,10
3をボルト締めしている。このとき、スペーサ105の
厚みを、予圧のない状態のナット間隔より、予圧相当量
だけ厚くしており、組み合わせたときには、ナット10
2とナット103とが両側に押し広げられる状態にして
いる。このため、ナット102,103およびスペーサ
105を結合したときには、ナット102,103を押
し広げる方向の力が両ナット102,103に加わり予
圧を与えることができる。
【0005】なお、スペーサ105の厚みを、予圧のな
い状態のナット間隔より、予圧相当量だけ薄くしてお
き、ナット102,103を締結したときにナット相互
を引き寄せる状態にして予圧を与えることもできる。
【0006】さらに、このボールねじ100では、雄ね
じ101の表面に付着した異物を除去するために、ナッ
ト102,103にシール106,107を備えてい
る。シール106,107の内周面は、雄ねじ101の
ねじ面に合わせた形状となっており、シール106,1
07の内周面と雄ねじ101のねじ面との間には、僅か
な隙間をあけている。このため、雄ねじ101が回転・
進行すると、雄ねじ101の表面に付着していた、比較
的大きな異物は、シール106,107にて除去される
こととなる。またシール106,107と雄ねじ101
との間に僅かな隙間があるため、シール106,107
と雄ねじ101との摩擦による発熱を防止している。
【0007】また、このボールねじ100では、冷却の
ため雄ねじ101に、軸心方向に延びる貫通穴108を
明け、この貫通穴108に冷却材を流して、冷却を行っ
ていた。
【0008】冷却をする別な方法として、ボールねじ1
00の雄ねじ101の表面に、潤滑油を混入した空気を
吹き付けることにより、空冷するものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のボール
ねじ100では、雄ねじ101の表面に付着した細かな
異物、例えば粉塵は、ナット102,103の両端に備
えた雌ねじ状のシール106,107では、ほとんど除
去することができない。このような粉塵の中には、工作
機械での切削時に発生する金属粉がある。このため、金
属粉のような硬い粉塵がボールねじ100の雄ねじ10
1に付着した状態のままで運転を続けると、ナット10
2,103に備えた鋼球や、雄ねじ101やナット10
2,103のねじ面の摩耗を促進する。その結果、予圧
抜けを生じて剛性や精度が低下したり、その修復のため
機械停止しての修理が必要となる。
【0010】シール106,107により粉塵を除去で
きない理由は、次の通りである。即ち、粉塵をも除去し
ようとして、仮に、高速で回転する雄ねじ101にシー
ル106,107を接触させたとすると、シール10
6,107の焼付きや発熱が生じ、また、たとえ接触さ
せてもシール106,107はすぐに摩耗してしまう。
このため、実際には、前述したようにシール106,1
07と雄ねじ101との間には僅かな隙間を設けざるを
得ない。このように、僅かな隙間があるため、シール1
06、107により粉塵を除去することができないので
ある。
【0011】また、ボールねじ101が高速で回転する
と、ナット102,103内のころがり摩擦などにより
発熱が大きい。この冷却のため従来では、雄ねじ101
に貫通穴108を形成して、ねじ軸心方向に冷却油を通
すようにしている。このため、深くて長い貫通穴108
を明けるという面倒な加工作業が必要であった。さら
に、貫通穴108の両端に、貫通穴108との間で冷却
油を給排するためのロータリジョイントを接続する必要
があり、構造が複雑になっていた。
【0012】本発明は、上記従来技術に鑑み、粉塵の除
去が確実にできるとともに、効率的な冷却をもできるボ
ールねじの洗浄装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、雄ねじとこの雄ねじに螺合したナットを有
するボールねじの前記雄ねじに付着した異物を洗浄する
洗浄装置であって、前記雄ねじの外周を覆う状態で配置
したリング状部品を備えるとともに、このリング状部品
には、リング状部品の内周面に形成されて前記雄ねじの
ねじ面との間で空間を形成する空洞部と、リング状部品
の外部と前記空洞部とを連通するとともに外部から液剤
が圧送される液剤供給通路と、この液剤供給通路のうち
前記空洞部側の端部にて小径に形成されて液剤を前記雄
ねじに向かって噴出させる噴出口と、前記空洞部とリン
グ状部品の外部とを連通すると共に空洞部側の一端が回
収口となっており噴出された液剤を回収して外部に排出
する液剤排出通路と、を備えていることを特徴とする。
【0014】また本発明の構成は、雄ねじとこの雄ねじ
に螺合したナットを有するボールねじの前記雄ねじに付
着した異物を洗浄する洗浄装置であって、前記雄ねじの
外周を覆う状態で配置したリング状部品を備えるととも
に、このリング状部品には、リング状部品の内周面に形
成されて前記雄ねじのねじ面との間で空間を形成する空
洞部と、リング状部品の外部と前記空洞部とを連通する
とともに外部から液剤が圧送される液剤供給通路と、こ
の液剤供給通路のうち前記空洞部側の端部にて小径に形
成されて液剤を前記雄ねじに向かって噴出させる噴出口
と、前記空洞部とリング状部品の外部とを連通すると共
に空洞部側の一端が回収口となっており噴出された液剤
を回収して外部に排出する液剤排出通路と、リング状部
材の内周面側で且つ軸方向に沿う両端位置に形成されて
おり液剤が軸方向に洩れ出るの防ぐ洩れ防止構造と、を
備えていることを特徴とする。
【0015】また本発明の構成は、雄ねじとこの雄ねじ
に螺合したナットを有するボールねじの前記雄ねじに付
着した異物を洗浄する洗浄装置であって、前記雄ねじの
外周を覆う状態で配置したリング状部品を備えるととも
に、このリング状部品には、リング状部品の内周面に形
成されて前記雄ねじのねじ面との間で空間を形成する空
洞部と、リング状部品の外部と前記空洞部とを連通する
とともに外部から液剤が圧送される液剤供給通路と、こ
の液剤供給通路のうち前記空洞部側の端部にて小径に形
成されて液剤を前記雄ねじに向かって噴出させる噴出口
と、前記空洞部とリング状部品の外部とを連通すると共
に空洞部側の一端が回収口となっており噴出された液剤
を回収して外部に排出する液剤排出通路と、リング状部
材の内周面側で且つ軸方向に沿う両端位置にて前記雄ね
じに螺合する状態で形成されている雌ねじ部と、を備え
ていることを特徴とする。
【0016】また本発明の構成は、前記雌ねじ部には、
リング状の油止め溝が形成されていることを特徴とす
る。
【0017】また本発明の構成は、外部から供給された
圧縮空気を前記油止め溝にまで導いて圧縮空気を前記雄
ねじに吹き付けるエアー通路が前記リング状部品に形成
されていることを特徴とする。
【0018】また本発明の構成は、前記液剤は、冷却さ
れていたり、潤滑性能を有していることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では、ボールねじの表面に
付着した粉塵を、液剤を吹き付けて洗い流すようにし
た。この場合、液剤が周辺に散って回収できなくなった
り、周囲部材を汚したりすることを防ぐため、ボールね
じの雄ねじの外周をリング状に覆ったリング状部品の中
で液剤を噴出し、洗浄をした液剤をリング状部品の中で
回収するようにしている。このような洗浄の際に、液剤
を冷却しておくことで、ボールねじの冷却という別の目
的も合わせて実現することができる。また、液剤として
潤滑性能のあるものを使用すれば、ボールねじの潤滑も
併せて行うことができる。
【0020】したがって、本発明では、液剤は、雄ねじ
のねじ表面に吹き付けられ、粉塵を効果的に洗い流す。
液剤を噴出する液剤の噴出口は、ボールねじを覆うリン
グ状部品の中に設けられているので、周囲に液剤を飛散
させることを防ぐ。また、回収口をリング状部品に設け
てあるので、液剤は外に漏れだすことがない。またリン
グ状部品に漏れ防止構造を付加すれば、さらに効果的に
漏れを防ぐことができる。冷却された液剤がボールねじ
の表面に吹き付けられるので、熱を持ち去るためボール
ねじが冷却される。また、潤滑も併せて行うことができ
る。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。なお、従来技術と同一機能をはたす部分に
は同一符号を付して説明する。
【0022】本発明の第1の実施例を図1を基に説明す
る。図1に示すように、ボールねじ100の雄ねじ10
1には、2つのナット102,103が備えられてい
る。ナット102,103間には予圧を付与するための
スペーサ105が介装されるとともに、ナット102,
103がキー104により連結されている。前記ナット
102は、移動する相手部材(移動テーブル等)106
に取付けられている。ここまでの構成は、図3に示す従
来のものと同様である。
【0023】本実施例にかかる洗浄装置200のリング
状部品201は、リング形状となっており、雄ねじ10
1の外周を覆う状態で配置されている。このリング状部
品201はナット102にボルト付けされている。リン
グ状部品201の内周面で且つ軸方向の両端部には、雌
ねじ部202が形成されている。この雌ねじ部202
は、雄ねじ101に螺合している。この例では、雌ねじ
部202と雄ねじ101のねじ面との間隔は、0.1〜
0.3mmとしている。後述するように、この雌ねじ部2
02は、漏れ防止構造として機能する。
【0024】リング状部品200の内周側には、雄ねじ
101のねじ面との間で空間を形成する溝形の空洞部2
03が形成されている。さらに、リング状部品200の
上半部には、前記空洞部203と外部とを連通する給油
通路204が形成されている。この給油通路204の内
周側端は、小径に絞られて前記空洞部203に臨む噴出
口204aとなっており、給油通路204の外周側端
は、油管250を介して外部の油圧源(図示省略)に接
続されている。
【0025】リング状部品200の下半部には、排油通
路205が形成されており、この排油通路205のうち
空洞部203の下端側に臨む部分は大径の回収口205
aとなっている。この排油通路205の外周側端は外部
の集油装置に接続されている。
【0026】さらに、リング状部品201には、エアー
通路206が形成されている。このエアー通路206の
上部には、エアー管251を介してエアー源から圧縮空
気が供給される。また雌ねじ部202には、エアー通路
206に連通したリング状溝207が形成されている。
リング状溝207の下部は、連絡通路208を介して排
油通路205に連通している。後述するように、リング
状溝207は、油止め溝として機能する。
【0027】かかる構成となっている洗浄装置200で
は、次のような動作をして、雄ねじ101の表面に付着
した粉塵の洗浄・除去をする。即ち、油圧源から油管2
50を介して、冷却した潤滑油を給油通路に圧送する。
そうすると、圧力のかかった潤滑油は、噴出口204a
から雄ねじ101のねじ面に向かって噴射される。
【0028】このように、潤滑油が雄ねじ101に噴射
されるので、雄ねじ101に付着した粉塵は洗浄・除去
される。これと同時に、冷却された潤滑油が雄ねじ10
1に噴射されるので雄ねじ101の冷却も同時に行われ
る。
【0029】雄ねじ101に噴射された潤滑油は、粉塵
を洗い流した後、その殆どは下方に落下して、回収口2
05aから排油通路205に入り、さらに、外部の集油
装置に回収される。また、雌ねじ部206にリング状溝
207を切っているので、軸方向に沿い奥に浸入した潤
滑油も、このリング状溝207において毛細管現象を失
い下方に落ち、リング状溝207と連絡通路208を通
って排油通路205に入り回収される。
【0030】潤滑油の回収をより確実にする場合には、
エアー源からエアー管251とエアー通路206とリン
グ状溝207を介して、圧縮空気を雄ねじ101に吹き
付ける。このようにすると、潤滑油の回収効率が更に高
まる。
【0031】なお、上述した、潤滑油による洗浄をして
いる際において、この潤滑油は、外部に洩れ出ることは
ない。これは、雌ねじ部202と雄ねじ101との間の
隙間を、0.1〜0.3mmと狭くしているため、雌ねじ
部202が漏れ防止構造として機能して、潤滑油が外部
に洩れ出ることを防止するからである。
【0032】また、僅かな潤滑油は雄ねじ101に付着
したままとなるが、この潤滑油により、雄ねじ101と
ナット102,103との間の良好な潤滑に供すること
ができる。
【0033】次に、本発明の第2の実施例を図2を参照
して説明する。この実施例のボールねじ30は、油圧に
より予圧を与えるようにしているものである。そこで、
このボールねじ30の予圧付与機構を先に説明し、その
後に、第2の実施例にかかる洗浄装置について説明す
る。
【0034】図2に示すように、このボールねじ30で
は、雄ねじ31に2つのナット32,33を設け、移動
する相手部材34にナット32を取付けている。ナット
32にはボルト37によりピストン35を取付けてお
り、ナット33にはシリンダ36を取り付けている。そ
してピストン35に設けた回り止め用スプライン歯40
と、シリンダ36に設けた回り止め用スプライン溝41
とが噛み合っている。
【0035】また、ピストン35の外周に設けたOリン
グ38,39で液体の漏れを防いでおり、ピストン35
とシリンダ36との間の空間42に油圧作動油(シリコ
ンオイル等)42aを充填している。またピストン35
には、空間42と、外部とを接続する通路43を設けて
いる。この通路43のうち空間42側には絞り44が設
けられている。通路43の外部接続端は、外部の油加圧
装置(図示省略)に接続されている。この油加圧装置
は、所定の圧力に調整された油圧作動油42aを通路4
3を介して空間42に補充することができる。また、外
力によりピストン35とシリンダ36とが近づき空間4
2が狭くなり、空間42内の油圧が高くなったときに
は、空間42内の油圧作動油42aは、通路43を介し
て油加圧装置側に戻される。
【0036】図2に示すボールねじ30では、所定の圧
力を持った油圧作動油42aを、油加圧装置から通路4
3を介して空間42に供給することによって、ピストン
35とシリンダ36とが離れる向きの力を発生させ、こ
れにより、ナット32とナット33の間の間隔を押し広
げる方向の力が発生してボールねじ30には予圧が加え
られる。このため、ボールねじ30が磨耗し、ボール径
や溝形状が変化しても、油圧作動油42aによる圧力に
より、ナット32とナット33との間隔を押し広げる方
向の力が引き続き発生して、このボールねじ30には予
圧が与え続けられる。このため、ボールねじ30に摩耗
が発生しても、バックラッシがなく、且つ、高い剛性を
維持することができる。
【0037】また、油圧作動油の通路43に絞り44を
設けているため、急激に加わった外力に対して大きな粘
性抵抗が発生してナット33は動かない。なお、外力が
長い時間かけて作用するとナット33は動くが、外力が
なくなれば、油圧作動油42aの圧力によりナット33
は徐々に元の位置にもどる。
【0038】ここで、ボールねじ30に備えた洗浄装置
300について説明する。この洗浄装置300は、リン
グ状部品としてピストン35を利用したものである。即
ち、ピストン35の内周面には雌ねじ部302が形成さ
れており、この雌ねじ部302は、雄ねじ101に螺合
している。この例では、雌ねじ部302と雄ねじ101
のねじ面との間隔は、0.1〜0.3mmとしている。ま
た、雌ねじ部302にはリング状溝307が形成されて
いる。
【0039】ピストン35の内周側には、雄ねじ101
のねじ面との間で空間を形成する溝形の空洞部303が
形成されている。さらに、ピストン35の上半部には、
前記空洞部303と外部とを連通する給油通路304が
形成されている。この給油通路304の内周側端は、小
径に絞られて前記空洞部303に臨む噴出口304aと
なっており、給油通路304の外周側端は、油管(図示
省略)を介して外部の油圧源(図示省略)に接続されて
いる。
【0040】ピストン35の下半部には、排油通路30
5が形成されており、この排油通路305のうち空洞部
303の下端側に臨む部分は大径の回収口305aとな
っている。この排油通路305の外周側端は外部の集油
装置に接続されている。
【0041】図2に示す第2の実施例においても、図1
に示す第1の実施例と同様に、潤滑油を給油通路304
に圧送し、噴出口304aから雄ねじ31に向けて噴射
することにより、雄ねじ31に付着した粉塵を洗い流す
ことができる。勿論、潤滑油を冷却していることによ
り、雄ねじ31の冷却も同時にできる。また、潤滑油が
雄ねじ31に付着したままとなることにより、潤滑性能
の向上も実現することができる。粉塵を洗い流した潤滑
油は、回収口305aを通って排油通路305から排出
される。
【0042】
【発明の効果】以上実施例とともに具体的に説明したよ
うに、本発明によれば、液剤を雄ねじに噴出するように
したので、ボールねじ表面に付着した細かな異物(粉
塵)を洗浄・除去することができる。このため、異物に
よる摩耗の促進が防止されるので、予圧抜けやその修理
のための機械停止が無くなるの。
【0043】また、洗浄に用いる液剤(油)を冷却する
ことで、ボールねじの発熱が防止でき、粉塵の除去と同
時に冷却を、簡単で安価な手法で行うことができる。こ
のように冷却をすることにより、ボールねじの雄ねじや
ナットヘの負荷が過大になることを防止できる。
【0044】さらに、液剤として潤滑性能を有するもの
(例えば潤滑油)を採用することにより、粉塵の除去
や、冷却とともに、ボールねじの潤滑も行うことができ
る。
【0045】さらに、液漏れ防止機構、具体的には雌ね
じ部を形成することにより、液剤が外部に洩れ出ること
を防ぐことができる。
【0046】また、エアーを雄ねじに吹き付けるように
することにより、液剤の排出をより確実にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す構成図。
【図3】従来のボールねじを示す構成図。
【符号の説明】
30 ボールねじ 31 雄ねじ 32,33 ナット 34 相手部材 35 ピストン 36 シリンダ 37 ボルト 38,39 Oリング 40 回り止め用スプライン歯 41 回り止め用スプライン溝 42 空間 42a 油圧作動油 43 通路 200 洗浄装置 201 リング状部品 202 雌ねじ部 203 空洞部 204 給油通路 204a 噴出口 205 排油通路 205a 回収口 206 エアー通路 207 リング状溝 208 連絡通路 250 油管 251 エアー管 300 洗浄装置 302 雌ねじ部 303 空洞部 304 給油通路 304a 噴出口 305 排油通路 305a 回収口 307 リング状溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄ねじとこの雄ねじに螺合したナットを
    有するボールねじの前記雄ねじに付着した異物を洗浄す
    る洗浄装置であって、 前記雄ねじの外周を覆う状態で配置したリング状部品を
    備えるとともに、 このリング状部品には、リング状部品の内周面に形成さ
    れて前記雄ねじのねじ面との間で空間を形成する空洞部
    と、リング状部品の外部と前記空洞部とを連通するとと
    もに外部から液剤が圧送される液剤供給通路と、この液
    剤供給通路のうち前記空洞部側の端部にて小径に形成さ
    れて液剤を前記雄ねじに向かって噴出させる噴出口と、
    前記空洞部とリング状部品の外部とを連通すると共に空
    洞部側の一端が回収口となっており噴出された液剤を回
    収して外部に排出する液剤排出通路と、を備えているこ
    とを特徴とするボールねじの洗浄装置。
  2. 【請求項2】 雄ねじとこの雄ねじに螺合したナットを
    有するボールねじの前記雄ねじに付着した異物を洗浄す
    る洗浄装置であって、 前記雄ねじの外周を覆う状態で配置したリング状部品を
    備えるとともに、 このリング状部品には、リング状部品の内周面に形成さ
    れて前記雄ねじのねじ面との間で空間を形成する空洞部
    と、リング状部品の外部と前記空洞部とを連通するとと
    もに外部から液剤が圧送される液剤供給通路と、この液
    剤供給通路のうち前記空洞部側の端部にて小径に形成さ
    れて液剤を前記雄ねじに向かって噴出させる噴出口と、
    前記空洞部とリング状部品の外部とを連通すると共に空
    洞部側の一端が回収口となっており噴出された液剤を回
    収して外部に排出する液剤排出通路と、リング状部材の
    内周面側で且つ軸方向に沿う両端位置に形成されており
    液剤が軸方向に洩れ出るの防ぐ洩れ防止構造と、を備え
    ていることを特徴とするボールねじの洗浄装置。
  3. 【請求項3】 雄ねじとこの雄ねじに螺合したナットを
    有するボールねじの前記雄ねじに付着した異物を洗浄す
    る洗浄装置であって、 前記雄ねじの外周を覆う状態で配置したリング状部品を
    備えるとともに、 このリング状部品には、リング状部品の内周面に形成さ
    れて前記雄ねじのねじ面との間で空間を形成する空洞部
    と、リング状部品の外部と前記空洞部とを連通するとと
    もに外部から液剤が圧送される液剤供給通路と、この液
    剤供給通路のうち前記空洞部側の端部にて小径に形成さ
    れて液剤を前記雄ねじに向かって噴出させる噴出口と、
    前記空洞部とリング状部品の外部とを連通すると共に空
    洞部側の一端が回収口となっており噴出された液剤を回
    収して外部に排出する液剤排出通路と、リング状部材の
    内周面側で且つ軸方向に沿う両端位置にて前記雄ねじに
    螺合する状態で形成されている雌ねじ部と、を備えてい
    ることを特徴とするボールねじの洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記雌ねじ部には、リング状の油止め溝
    が形成されていることを特徴とする請求項3のボールね
    じの洗浄装置。
  5. 【請求項5】 外部から供給された圧縮空気を前記油止
    め溝にまで導いて圧縮空気を前記雄ねじに吹き付けるエ
    アー通路が前記リング状部品に形成されていることを特
    徴とする請求項4のボールねじの洗浄装置。
  6. 【請求項6】 前記液剤は、冷却されていることを特徴
    とする請求項2または請求項3または請求項4または請
    求項5のボールねじの洗浄装置。
  7. 【請求項7】 前記液剤は、潤滑性能を持つ液剤である
    ことを特徴とする請求項2または請求項3または請求項
    4または請求項5のボールねじの洗浄装置。
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