JP3802618B2 - 自動装置の入力方法及び自動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動装置の入力方法及び自動装置に係り、特に、現金自動預入支払装置、住民票自動発行機等を視覚障害者が使用する場合の視覚障害者に対する補助を行うために使用して好適な音声ガイダンス付きの自動装置の入力方法及び自動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、現金自動預入支払装置(以下、ATMという)、住民票自動発行機等の顧客、利用者が自ら操作する自動装置が数多く使用されるようになっている。これらの自動装置は、画面に表示される操作手順に従って、顧客がキーボード、表示画面上のタッチパネルを使用して必要な操作を行うものであり、最近では、タッチパネルを使用する装置が増大している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術による自動装置は、健常者が操作するためには使い勝手のよいものであるが、視覚障害者の使用に対する配慮がなされておらず、視覚障害者にとって極めて使用しずらいものである。特に、タッチパネルが使用されている場合、表示画面上にその時々に異なるメニューの表示が行われ、メニューの中の1つに指等を触れて操作を選択しなければならず、タッチパネルを使用する自動装置は、視覚障害者にはほとんど使用不可能なものである。
【0004】
このため、視覚障害者は、操作の補助のための係員の手を借りることになるが、ATMにより現金を引出すような場合、暗証番号、預金残高が記載された預金通帳等のプライバシに係わる情報が係員に知られることになる。
【0005】
本発明の目的は、前述したような自動装置を視覚障害者が使用する場合にも、係員の手を借りることなく容易に操作を行うことができる音声ガイダンス付きの自動装置の入力方法及び自動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、制御部と、タッチパネルを備えた表示部と、文字/記号認識部と、音声ガイダンス発生部とを備え、前記音声ガイダンス発生部により通常操作または視覚障害者用操作を選択させるための音声ガイダンスを行い、視覚障害者用操作の選択を受け付けると、前記タッチパネルに文字または記号を描くことによる操作入力を受け付けるステップと、前記タッチパネルに描かれた文字または記号を前記文字/記号認識部により認識し、認識した入力内容を確認するステップとを繰り返して自動処理を行う自動装置の入力方法であって、前記操作入力を受け付けるステップでは、前記音声ガイダンス発生部から音声ガイダンスを発生すると共に操作入力のための選択候補または入力ガイダンスを前記表示部に拡大表示し、前記入力内容を確認するステップでは、前記文字/記号認識部により認識した入力内容を前記表示部に拡大表示すると共にその内容が正しいか否かの確認入力をタッチパネルを介して受け付け、前記操作入力を受け付けるステップでの拡大表示と前記入力内容を確認するステップでの拡大表示とは表示画面の背景色を変えて表示することにより達成される。
【0007】
また、前記目的は、制御部と、タッチパネルを備えた表示部と、文字/記号認識部と、音声ガイダンス発生部とを備えた自動装置であって、前記制御部は、前記音声ガイダンス発生部により通常操作または視覚障害者用操作を選択させるための音声ガイダンスを行い、視覚障害者用操作の選択を受け付けると、前記タッチパネルに文字または記号を描くことによる操作入力を受け付けるステップと、前記タッチパネルに描かれた文字または記号を前記文字/記号認識部により認識し、認識した入力内容を確認するステップとを繰り返して自動処理を行い、前記操作入力を受け付けるステップでは、前記音声ガイダンス発生部から音声ガイダンスを発生すると共に操作入力のための選択候補または入力ガイダンスを前記表示部に拡大表示し、前記入力内容を確認するステップでは、前記文字/記号認識部により認識した入力内容を前記表示部に拡大表示すると共にその内容が正しいか否かの確認入力をタッチパネルを介して受け付け、前記操作入力を受け付けるステップでの拡大表示と前記入力内容を確認するステップでの拡大表示とは表示画面の背景色を変えて表示することにより達成される。
【0010】
以下、本発明による自動装置の入力方法及び自動装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明をATMに適用した本発明の第1の実施形態の外観を示す図、図2は本発明の第1の実施形態の機能構成を示すブロック図、図3は本発明の第1の実施形態の初期ガイダンス画面を示す図、図4〜図9は操作及び動作を説明するフローチャート、図10、図11は操作の途中における表示画面の状態を説明する図である。図1、図2において、1はATM本体部、2は操作卓、3は人体検知センサ、4はハンドセット、5はタッチパネル付表示画面部、6はテンキーユニット、7は紙幣入出金口、8は硬貨入出金口、9は通帳挿入口、10はカード挿入口、11は制御部、12は顧客操作部、13はCRTディスプレイ、14はタッチパネル、15はカード情報読取/書込機構、16は紙幣入出金機構、17はカード・通帳口振動機構、18は文字/記号認識機構、19はインタフェース部、20はジャーナル印字機構、21は通帳印字機構、22は電源部、23は硬貨入出金機構、24は位相調整装置、25はスピーカである。
【0012】
本発明の第1の実施形態は、本発明をATMに適用したものであり、図1に示すように、操作卓2を有するATM本体部1の操作卓2上に、ハンドセット4、タッチパネル付表示画面部5、テンキーユニット6が操作卓2の左側から順に配置され、また、操作卓2の奥側に紙幣入出金口7、硬貨入出金口8が配置されて構成される。また、操作卓2の前面部には、顧客が操作のために接近したことを検知する人体検知センサ3が設けられ、ATM本体部1の前面部には、通帳挿入口9、カード挿入口10が設けられると共にスピーカ25が設けられている。
【0013】
前述において、ハンドセット4は、視覚障害者が操作の指示等を受けるために使用するものであり、また、テンキーユニット6は、視覚障害者及び健常者の双方が使用可能なものである。さらに、図1には示していないが、操作開始時に、音声によるガイダンスを行うためのスピーカ、視覚障害者が手で触れて通帳挿入口9、カード挿入口10の位置を確認するための振動ユニットが、通帳挿入口9、カード挿入口10の近傍に設けられる。
【0014】
図2に本発明の第1の実施形態であるATMの制御のための機能構成が示されており、本発明の第1の実施形態であるATMは、装置全体の制御を行う制御部11と、CRTディスプレイ13、該ディスプレイ上に配置されるタッチパネル14による顧客操作部12と、カード情報読取/書込機構15と、紙幣入出金機構16と、カード・通帳口振動機構17と、文字/記号認識機構18と、センタ装置等との接続を制御し、人体検知センサ3からの信号を受け取り、音声によるガイダンスを図示しないスピーカに送出するインタフェース部19と、ジャーナル印字機構20と、通帳印字機構21と、装置全体に電源の供給を行う電源部22と、硬貨入出金機構23と、スピーカ25と、複数のスピーカに対する位相の調整を行って各種の口(入出金口、通帳、カードの挿入口等)の位置を判らせるようにする位相調整装置24と、テンキーユニット6とにより構成される。
【0015】
前述のように構成される本発明の第1の実施形態であるATMは、顧客が取引のために操作卓2の前に立つと、制御部11が、インタフェース部19を介して人体検知センサ3からの検知信号を受け取り、これにより、タッチパネル付表示画面部5に図3に示すような初期ガイダンス画面を表示すると共に、スピーカ25から「いらっしゃいませ。音声による案内を受けたい方は機械左側のハンドセットをお取り下さい。」等の音声を発して音声によるガイダンスを行う。
【0016】
そして、顧客が視覚障害者の場合、視覚障害者は、音声によるガイダンスに従ってハンドセット4を取り、その後、ハンドセット4を介した音声によるガイダンスに従って取引のための操作を開始する。また、顧客が健常者の場合、健常者は、ハンドセット4を取らずに、初期ガイダンス画面に表示される取引(図3に示す例では、「お引出し」、「残高照会」、「お預入れ」、「お振込み」、「お振替え」、「通帳記帳」)の1つを指で触れる等により選択することにより、その後も、表示画面部に表示されるガイダンスに従って取引のための操作を行うことができる。
【0017】
次に、前述のように構成される本発明の第1の実施形態であるATMの操作と動作との詳細を、図4〜図9に示すフローと、図10、図11に示す表示画面の状態とを参照して説明する。
【0018】
(1)顧客が取引のために操作卓2の前に立つと、前述で説明したように、制御部11は、インタフェース部19を介して人体検知センサ3からの検知信号を受け取り、これにより、タッチパネル付表示画面部5に図3に示すような初期ガイダンス画面を表示すると共に、図示しないスピーカに、「いらっしゃいませ。音声による案内を受けたい方は機械左側のハンドセットをお取り下さい。」等の音声によるガイダンスを行う(ステップ401〜405)。
【0019】
(2)顧客が、通常画面による取引方法を選択した場合、公知の通常画面によるガイダンスを表示画面部5に表示して操作を続けさせる(ステップ407)。
【0020】
(3)顧客が、ハンドセットを取り上げて、バリアフリー画面を選択した場合、すなわち、音声による案内を受けて操作することを選択した場合、表示画面部5に取引項目の1つ、図示例では「お引出し」を大きく表示すると共に、ハンドセット4を介して、「お取引はお引出しでよろしいですか。よろしければ、表示画面部に指で○を書いて下さい。そうでない場合、指で×を書いて下さい。」等の音声によるガイダンスを行い、取引の選択を促す(ステップ406、408)。
【0021】
(4)顧客は、音声によるガイダンスに従って、表示画面部5に○か×を書いて入力を行うと、文字/記号認識機構18は、これを検出して取引項目の確認を行う。顧客が×を書いて、その取引を選択しないことを入力した場合、次の取引項目の候補を表示画面部5に表示し、前述と同様に、音声によるガイダンスを行って、その取引を選択するか否かの入力を促す(ステップ409、410、412、408)。
【0022】
前述したステップ409、410、412、408の処理は、取引項目の候補に対して、表示画面部5に顧客が○を書いてその取引を行うことが確認できるまで繰り返し行われる。
【0023】
(5)前述のステップ409、410、412、408の繰り返し処理で、顧客が表示画面部5へ○または×を指で書くことにより、描かれた○または×がCRTディスプレイ13上に設けられているタッチパネル14を介して入力され、入力された○、×が文字/記号認識機構18により認識される。この認識が不可能であった場合、同一の取引項目についてステップ409、410、412、408の処理を繰り返すが、このような状態が予め定めた一定の回数続いた場合、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す。また、全ての取引項目に対して×が入力された場合にも、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ413、414)。
【0024】
図10に示す画面例において、1001〜1006は、前述において、取引項目「お引出し」の選択の処理が2回繰り返されたときの画面例を示しており、2回目に引出しの取引が確認されたことを示している。また、確認を行う画面1004〜1006においては、文字色と背景色とを、初めに「お引き出し」を選択する画面1001〜1003とは反転させる。
【0025】
(6)ステップ410で、表示画面部5に顧客が○を書いてその取引を行うことが確認できると、その取引の処理を開始する。ここでは、引出しの取引が選択されて確認されたものとして次の処理について説明する(ステップ411)。
【0026】
(7)引出しの取引が開始されると、まず、通帳、カードを通帳挿入口9、カード挿入口10に挿入させるガイダンスを表示画面部5に表示すると共に、ハンドセット4を介して音声によるガイダンスを行って、通帳、カードの通帳挿入口9、カード挿入口10への挿入を促し、これらの挿入口9、10の近辺をカード・通帳口振動機構17により振動させる(ステップ415、416)。
【0027】
(8)顧客は、カードの通帳挿入口9、カード挿入口10近辺の振動を指等で触れることにより、挿入口の位置確認して通帳、キャッシュカードを各挿入口9、10に挿入する。なお、ここでは、引出しの取引であるので、通帳の挿入は必ずしも必要としない。所定時間以上、キャッシュカードが挿入されない場合、ステップ414の場合と同様に、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ417、418)。
【0028】
(9)ステップ417でキャッシュカードが挿入されると、表示画面部5に暗証番号入力のガイダンスを表示し、ハンドセット4を介して音声によるガイダンスを行い、顧客に、暗証番号の上位の桁からの数字を1桁ずつ表示画面部5の上に指等により描かせる。なお、一般に、視覚障害者であっても、0〜9の数字を描くことができ、本発明の実施形態では、1桁ずつ数字を描いてもらうことにしている(ステップ419、420)。
【0029】
(10)最上位桁の数字が表示画面部5に描かれると、描かれた数字がCRTディスプレイ13上に設けられているタッチパネル14を介して入力され、入力された数字が文字/記号認識機構18により認識される。所定時間以上、数字の入力が行われない場合、ステップ414の場合と同様に、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ421、422)。
【0030】
(11)ステップ421で入力された最上位桁の数字を認識すると、その数字を表示画面部5に確認画面として表示し、ハンドセット4を介して音声によるガイダンスを行って、認識した数字が最上位桁の数字であり、その数が幾つであるかを音声により顧客に通知し、認識した数字が正しいか否かを、取引を選択させた場合と同様に、○または×により入力させて確認する(ステップ423〜425)。
【0031】
(12)ステップ425で×が入力された場合、再度、暗証番号の最上位桁の数字を入力させ、ステップ423〜425の処理を繰り返す(ステップ426)。
【0032】
前記において、図示していないが、所定の回数入力された数字の確認が行えない場合、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す。
【0033】
(13)ステップ425で○が入力され最上位桁の数字が確認できると、表示画面部5に暗証番号の次の桁の入力のガイダンスを表示し、ハンドセット4を介して音声によるガイダンスを行い、顧客に、暗証番号の次の桁の数字を表示画面部5の上に指等により描かせるように指示する。所定時間以上、数字の入力が行われない場合、ステップ414の場合と同様に、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ427〜430)。
【0034】
(14)ステップ429で入力された次の桁の数字を認識すると、その数字を表示画面部5に確認画面として表示し、ハンドセット4を介して音声によるガイダンスを行って、認識した数字が次の桁の数字であり、その数が幾つであるかを音声により顧客に通知し、認識した数字が正しいか否かを、取引を選択させた場合と同様に、○または×により入力させて確認する(ステップ431〜433)。
【0035】
(15)ステップ433で×が入力された場合、再度、暗証番号の次の桁の数字を入力させ、ステップ431〜433の処理を繰り返す(ステップ434)。
【0036】
図10に示す画面例において、1007、1008は、前述において、通帳、キャッシュカードの挿入、暗証番号の入力を音声によるガイダンスにより指示しているときの画面例であり、1009は顧客が指により数字を描いた例を示す画面例、1010は、顧客が指により描いた数字を認識してその結果を表示し音声により確認しているときの画面例である。また、1011、1012は、確認画面上に、顧客が×、○を描いた状態を示している。
【0037】
(16)前述したステップ427〜433の処理を暗証番号の全ての桁の入力終了まで行い、暗証番号が正しく入力されたことを確認する(ステップ435)。
【0038】
(17)次に、引出し金額の入力を行ってもらうため、金額入力ガイダンスを表示画面部5に表示し、ハンドセット4を介する音声によるガイダンスにより、暗証番号の入力の場合と同様に、金額の最上位桁から1桁ずつ数字を入力するように指示する(ステップ436、437)。
【0039】
(18)暗証番号の入力の場合と同様に、引出し金額の数字を最上位桁から順に1桁ずつ入力させて、これを確認する処理を繰り返す。各桁の入力が所定時間以上行われない場合、ステップ414の場合と同様に、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ438〜443)。
【0040】
(19)顧客は、最下位桁の入力が終了すると、表示画面部5の表面に一定時間以上指を触れる等により金額の入力終了を入力する。これにより、表示画面部5に入力された総金額を確認画面として表示し、ハンドセット4を介して音声によるガイダンスを行って、認識した引出し総金額が幾らであるかを音声により顧客に通知し、認識した金額が正しいか否かを、取引を選択させた場合と同様に、○または×により入力させて確認する(ステップ444〜446)。
【0041】
図10に示す画面例において、1013、1014は、前述において、暗証番号の入力が正しく行われた後の引出し金額の入力を促す音声によるガイダンスを行っているときの画面例、図10の1015、図11の1101は、顧客が指により数字4を描いた例を示す画面例、顧客が指により描いた数字を認識してその結果を表示し音声により確認しているときの画面例である。1102、1103は、確認画面上に、顧客が×、○を描いた状態を示している。また、1104、1105、1106は、最終桁の数字0を確認しているときの画面例、この確認画面上に、顧客が×、○を描いた状態を示している。さらに、1107は、金額入力が終了し引出し金額の確認を音声によるガイダンスを行っているときの画面例、1108、1109は、この確認画面上に、顧客が×、○を描いた状態を示している。
【0042】
(20)ステップ446で、認識した金額が誤っているとして×が入力された場合、ステップ436の処理に戻って、顧客に、引出し金額の入力を初めからやり直してもらう。
【0043】
(21)ステップ446で、認識した金額が正しいとして○が入力された場合、出金の処理が開始され、出金中であることを示すガイダンスを表示画面部5に表示し、音声によるガイダンスによりその旨を顧客に通知する(ステップ447、448)。
【0044】
(22)出金の処理が終了し、ジャーナル印字機構20がジャーナルの印刷、排出を行い、キャッシュカードがカード挿入口10から排出され紙幣等が紙幣入出力口7、硬貨入出力口8に排出されると、出金完了画面を表示画面部5に表示し、音声によるガイダンスにより、紙幣入出力口7、硬貨入出力口8からの紙幣等の取り出し、キャッシュカード、ジャーナルの取り出しを指示する(ステップ449、450)。
【0045】
図11に示す画面例において、1110〜1112は、前述において、出金処理の終了により、出金処理中、出金が行われたことを音声によりガイダンスしているときの画面例である。
【0046】
以上により、預金引出しの取引の処理を終了する。ATMによる取引には、前述で説明した「引出し」の他に図3に示したように種々の取引があるが、これらの取引の場合にも、前述と同様に音声によるガイダンスを行うことにより、視覚障害者が、操作を間違うことなく、係員の手を借りることなく容易に行うことができる。
【0047】
また、前述では、数字の入力を表示画面部5の上に指により描かせてタッチパネル14から行わせるとして説明したが、数字の入力だけを操作卓2の右側に備えられているテンキーユニット6から行わせるようにすることもできる。一般に、テンキーユニットは、各キーの配置が標準化されて定められており、特定のキーがキー操作を行う場合のホームポジションとなるように、そのキートップに突起が設けられている。このため、視覚障害者にとって、テンキーユニットは、使い勝手のよいものであり、使い馴れた人には、効率のよい数字の入力を行うことができる。
【0048】
また、図10、図11で説明したように、操作途中の状態を表示画面部5に表示するようにしているのは、視覚障害者であっても、特に、弱視者等の場合、比較的大きな簡単な文字、記号を高いコントラスト(コントラスト5以上)を持ってこれらを表示すれば、表示内容を認識することができる人がおり、これらの人々に対する手助けとなるからである。さらに、入力した内容を確認させる画面で文字色と背景色とを反転させることにより、前述の人々に確認画面であることを意識させることができる。また、このような表示は、操作が進められなくなった場合に呼ばれる係員が、その後の操作の補助を容易に行うことができるようにするために有効である。
【0049】
さらに、前述では、暗証番号、金額の数字を1桁ずつ入力させるとして説明したが、本発明は、一括して全桁を入力させるようにすることができ、これにより、顧客に対する操作負担を軽減して処理速度を向上させることができ、短時間で処理を終了させることができる。
【0050】
また、通帳挿入口、カード挿入口、紙幣入出金口、硬貨入出金口等を使用する場合、これらの位置を音声によりガイダンスし、それらの位置を振動させ、さらにそれらの位置まで案内する突起列等を設けることにより、利用者がこれらを探す労力を軽減することができる。また、位相調整装置24により位相を調整した音を複数のスピーカ25から出力することによりステレオ効果を生じさせ、その音が特定の位置から発せられているように聞こえるようにすることが可能である。このことを利用して、音声ガイダンスが通帳挿入口、カード挿入口、紙幣挿入口、効果入出金口等の位置の方向から聞こえるようにすれば、利用者は音声ガイダンスの聞こえてくる方向に向かって操作を行えばよいので、利用者の労力を軽減することができる。また、出金時、紙幣の枚数、硬貨の枚数を音声によりガイドし、利用者が機械を離れるまで紙幣入出金口、硬貨入出金口を開けた状態としておくことにより、紙幣、硬貨の取り残しを防止することができる。
【0051】
また、前述では、1桁毎の数字入力の終了を、一定時間以上の表示画面部のタッチにより識別するとして説明したが、本発明は、表示画面部に横棒を描く、〆の文字を描く等であってもよい。
【0052】
前述したように本発明の第1の実施形態によれば、ATM等の自動装置を視覚障害者、弱視者が使用する場合にも、係員の手を借りることなく容易に迅速に誤りのない操作を行うことができる。
【0053】
図12は本発明を住民票・印鑑証明書発行装置に適用した本発明の第2の実施形態の外観を示す図、図13は本発明の第2の実施形態の機能構成を示すブロック図、図14は本発明の第1の実施形態の初期ガイダンス画面を示す図、図15〜図23は操作及び動作を説明するフローチャート、図24、図25は操作の途中における表示画面の状態を説明する図である。図1、図2において、121は本体部、122は操作卓、123は人体検知センサ、124はハンドセット、125はタッチパネル付表示画面部、126はテンキーユニット、127は領収書・釣銭排出口、128は住民票・印鑑証明書発行口、129は紙幣挿入口、130は硬貨挿入口、131はカード挿入口、132は顧客操作部、133はCRTディスプレイ、134はタッチパネル、135はカード情報読取/書込機構、136は紙幣/硬貨入出金機構、137はカード口振動機構、138は文字/記号認識機構、139はインタフェース部、140は印鑑証明印字機構、141は住民票印字機構、142は電源部、143は紙幣/硬貨口振動機構、144は制御部である。
【0054】
本発明の第2の実施形態は、本発明を住民票・印鑑証明書発行装置に適用したものであり、図12に示すように、操作卓122を有する住民票・印鑑証明書発行装置本体部121の操作卓122上に、ハンドセット124、テンキーユニット126が操作卓2の左右に配置されて構成され、操作卓2の前面部には、顧客が操作のために接近したことを検知する人体検知センサ123が設けられている。また、本体部121の前面部には、タッチパネル付表示画面部125、カード挿入口131、紙幣挿入口129、硬貨挿入口130が設けられ、操作卓121の奥側となる位置に、領収書・釣銭排出口127、住民票・印鑑証明書発行口128が配置されて構成される。
【0055】
前述した本発明の第1の実施形態の場合と同様に、ハンドセット124は、視覚障害者が操作の指示等を受けるために使用するものであり、また、テンキーユニット126は、視覚障害者及び健常者の双方が使用可能なものである。さらに、図12には示していないが、操作開始時に、音声によるガイダンスを行うためのスピーカ、視覚障害者が手で触れてカード挿入口131、紙幣、硬貨挿入口129、130の位置を確認するための振動ユニットが、これらの挿入口の近傍に設けられている。
【0056】
図13に本発明の第2の実施形態である住民票・印鑑証明書発行装置の制御のための機能構成が示されており、本発明の第2の実施形態である住民票・印鑑証明書発行装置は、装置全体の制御を行う制御部144と、CRTディスプレイ133、該ディスプレイ上に配置されるタッチパネル134による顧客操作部132と、カード情報読取/書込機構135と、紙幣/硬貨入出金機構136と、カード口振動機構137と、文字/記号認識機構138と、センタ装置等との接続を制御し、人体検知センサ123からの信号を受け取り、音声によるガイダンスを図示しないスピーカに送出するインタフェース部139と、印鑑証明書印字機構140と、住民票印字機構141と、装置全体に電源の供給を行う電源部142と、紙幣/硬貨口振動機構143と、テンキーユニット126とにより構成される。
【0057】
前述のように構成される本発明の第2の実施形態である住民票・印鑑証明書発行装置は、すでに説明した本発明の第1の実施形態と基本的に同様な機能を有し、同様な操作手順により操作を行うことができる。すなわち、本発明の第2の実施形態は、顧客(利用者)が証明書等の発行を受けるために操作卓122の前に立つと、制御部144が、インタフェース部139を介して人体検知センサ123からの検知信号を受け取り、これにより、タッチパネル付表示画面部5に図14に示すような初期ガイダンス画面を表示すると共に、図示しないスピーカに、「いらっしゃいませ。音声による案内を受けたい方は機械左側のハンドセットをお取り下さい。」等の音声によるガイダンスを行う。
【0058】
そして、顧客が視覚障害者の場合、視覚障害者は、音声によるガイダンスに従ってハンドセット124を取り、その後、ハンドセット124を介した音声によるガイダンスに従って証明書発行のための操作を開始する。また、顧客が健常者の場合、健常者は、ハンドセット124を取らずに、初期ガイダンス画面に表示される発行する証明書の種類(図14に示す例では、「住民票の写し発行」、「印鑑登録証明の発行」、「住民票と印鑑証明」)の1つを指で触れる等により選択することにより、その後も、表示画面部に表示されるガイダンスに従って取引のための操作を行うことができる。
【0059】
次に、前述のように構成される本発明の第2の実施形態である住民票・印鑑証明書発行装置の操作と動作との詳細を、図15〜図23に示すフローと、図24、図25に示す表示画面の状態とを参照して説明する。
【0060】
(1)顧客が取引のために操作卓122の前に立つと、前述で説明したように、制御部144は、インタフェース部139を介して人体検知センサ123からの検知信号を受け取り、これにより、タッチパネル付表示画面部5に図14に示すような初期ガイダンス画面を表示すると共に、図示しないスピーカに、「いらっしゃいませ。音声による案内を受けたい方は機械左側のハンドセットをお取り下さい。」等の音声によるガイダンスを行う(ステップ501〜506)。
【0061】
(2)顧客が、ハンドセットをとらず、表示画面の中の発行証明書の1つを選択し、通常画面による証明書発行を選択した場合、公知の通常画面によるガイダンスを表示画面部5に表示して操作を続けさせる(ステップ507)。
【0062】
(3)顧客が、ハンドセットをとり、音声ガイダンスによる証明書発行を選択した場合、カード挿入ガイダンス画面を表示画面部125に表示し、顧客が持っているIDカードをカード挿入口131に挿入する指示を、ハンドセット124を介して音声によるガイダンスにより行い、カード挿入口131の近辺をカード口振動機構137により振動させる(ステップ508、509)。
【0063】
(4)顧客は、カード挿入口131近辺の振動を指等で触れることにより、カード挿入口131の位置を確認して自分のIDカードをカード挿入口131に挿入する。所定時間以上、IDカードが挿入されない場合、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ510、512)。
【0064】
(5)ステップ510でIDカードが挿入されると、表示画面部125に暗証番号入力のガイダンスを表示し、ハンドセット124を介して音声によるガイダンスを行い、顧客に、暗証番号の上位の桁からの数字を1桁ずつ表示画面部125の上に指等により描かせる。本発明の第1の実施形態により既に説明したように、一般に、視覚障害者であっても、0〜9の数字を描くことができ、本発明の実施形態では、1桁ずつ数字を描いてもらうことにしている(ステップ513、514)。
【0065】
(6)最上位桁の数字が表示画面部125に描かれると、描かれた数字がCRTディスプレイ133上に設けられているタッチパネル134を介して入力され、入力された数字が文字/記号認識機構138により認識される。所定時間以上、数字の入力が行われない場合、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ515、516)。
【0066】
(7)ステップ515で入力された最上位桁の数字を認識すると、その数字を表示画面部125に確認画面として表示し、ハンドセット124を介して音声によるガイダンスを行って、認識した数字が最上位桁の数字であり、その数が幾つであるかを音声により顧客に通知し、認識した数字が正しいか否かを、○または×を表示画面部125に指等により描かせ、これを入力して確認する(ステップ517〜519)。
【0067】
(8)ステップ519で×が入力された場合、再度、暗証番号の最上位桁の数字を入力させ、ステップ513〜519の処理を繰り返す(ステップ520)。
【0068】
(9)ステップ519で○が入力され最上位桁の数字が確認できると、表示画面部125に暗証番号の次の桁の入力のガイダンスを表示し、ハンドセット124を介して音声によるガイダンスを行い、顧客に、暗証番号の次の桁の数字を表示画面部125の上に指等により描かせるように指示する。所定時間以上、数字の入力が行われない場合、前述の場合と同様に、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ521〜524)。
【0069】
(10)ステップ523で入力された次の桁の数字を認識すると、その数字を表示画面部125に確認画面として表示し、ハンドセット124を介して音声によるガイダンスを行って、認識した数字が次の桁の数字であり、その数が幾つであるかを音声により顧客に通知し、認識した数字が正しいか否かを、取引を選択させた場合と同様に、○または×により入力させて確認する(ステップ525〜527)。
【0070】
(11)ステップ527で×が入力された場合、再度、暗証番号の次の桁の数字を入力させ、ステップ525〜527の処理を繰り返す(ステップ528)。
【0071】
図24に示す画面例において、1301〜1303は、前述において、初期画面の状態、IDカードの挿入、暗証番号の入力を音声によるガイダンスにより指示しているときの画面例であり、1304は顧客が指により数字を描いた例を示す画面例、1305は、顧客が指により描いた数字を認識してその結果を表示し音声により確認しているときの画面例である。また、1306、1307は、確認画面上に、顧客が○、×を描いた状態を示している。
【0072】
(12)前述したステップ521〜527の処理を暗証番号の全ての桁の入力終了まで行い、暗証番号が正しく入力されたことを確認する(ステップ529)。
【0073】
(13)次に、表示画面部125に、本発明の第2の実施形態による装置で処理することのできる複数の要件項目を表示し、ハンドセット124を介して、「この装置は、住民票の写し発行、印鑑証明書の発行、住民票の写しと印鑑証明書の発行を行うことができます。あなたの要件はこの中に含まれていますか。含まれていれば、表示画面部に指で○を書いて下さい。そうでない場合、指で×を書いて下さい。」等の音声によるガイダンスを行い、要件の選択の開始を知らせる(ステップ530、531)。
【0074】
(14)顧客は、音声によるガイダンスに従って、表示画面部125に○か×を書いて入力を行うと、文字/記号認識機構138は、これを検出して要件項目の確認を行う。顧客が×を書いた場合、この装置では要件に合う処理を行うことができないので、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す。また、このとき、所定時間以上、○か×の入力が行われない場合、前述の場合と同様に、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ532、533)。
【0075】
(15)ステップ532で○が入力された場合、要件項目の1つを表示画面部125に表示し、ハンドセット124を介して、「ご要件は住民票の写し発行でよろしいですか。よろしければ、表示画面部に指で○を書いて下さい。そうでない場合、指で×を書いて下さい。」等の音声によるガイダンスを行い、要件項目の確認を行う(ステップ534〜536)。
【0076】
前述したステップ534〜536の処理は、要件項目の候補に対して、表示画面部125に顧客が○を書いてその要件の処理を行うことが確認できるまで繰り返し行われる。また、図24に示す画面例において、1308〜1309は、前述において、次の処理に移って複数の要件項目のガイダンスを行っているときの画面例、1310〜1312は、「住民票の写し発行」の選択を行わせているときの画面例、その画面上に○、×が描かれた状態の画面例を示している。
【0077】
(16)ステップ536で、表示画面部125に顧客が○を書いてその要件項目の処理を行うことが確認できると、その要件項目の処理を開始する。ここでは、住民票の写し発行が選択されて確認されたものとする。本発明の第2の実施形態では、次に、世帯全員の住民票が必要なのか、本人のみの住民票が必要なのかを選択させる。このため、個人選択の画面を表示画面部125に表示し、ハンドセット124を介して世帯全員の住民票が必要なのか、本人のみの住民票が必要なのかを選択させるための音声によるガイダンスを行って、世帯全員か本人のみかの必要な住民票を選択確認する。この選択確認の方法は、前述したステップ534〜536の要件項目の選択確認の方法と同様に行われる(ステップ537〜540)。
【0078】
図24、図25に示す画面例において、1313〜1315は、前述において、世帯全員の住民票が必要なのか、本人のみの住民票が必要なのかを選択させる画面例で「世帯全体」の確認を行っている処理での画面例であり、1401、1402は、世帯全員の確認画面上に○、×が描かれた状態の画面例を示している。
【0079】
(17)次に、目的選択画面を表示し、音声によるガイダンスを行って、住民票がどのような目的のために必要であるかを選択させる。選択肢としては、例えば、「パスポートの申請」、「免許書証の申請」、「健康保険の扶養」、「自動車購入/廃車」等がある。この選択の方法は、前述したステップ534〜536の要件項目の選択確認の方法と同様に行われる(ステップ541〜543)。
【0080】
図25に示す画面例において、1403は、前述における目的選択画面の画面例を示している。
【0081】
(18)ステップ543で、顧客は、ステップ542による音声ガイダンスに従って、その目的に対して○、×の入力を行うが、×の入力が5回以上行われた場合、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ544、545)。
【0082】
(19)ステップ543で○が入力されると、目的選択確認画面を表示し、その目的で誤りがないかを確認するための音声によるガイダンスを行い、前述と同様に○、×の入力を行わせる。×が入力された場合、ステップ541に戻り、目的選択の処理をやり直す(ステップ546〜548)。
【0083】
(20)次に、住民票の必要部数を決定するため、部数入力ガイダンス画面を表示し、音声によるガイダンスを行って、必要な部数を数字により入力するように指示して、表示画面部125に数字を描かせる(ステップ549〜551)。
【0084】
図25に示す画面例において、1404は前述の必要部数を入力させるガイダンス時の画面例、1405は部数が入力された状態の画面例、1406は部数確認時の確認画面例、1407、1408はこの確認画面上に×、○が描かれた状態の画面例を示している。
【0085】
(21)ステップ551で入力された数字が、文字/記号認識機構138により認識できないとき、ステップ549からの処理をやり直し、所定の回数認識不能なとき、図示例では2回以上認識できなかった場合、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ552、553)。
【0086】
(22)ステップ551で入力された数字が、文字/記号認識機構138により認識できると、部数入力確認画面を表示して、音声によるガイダンスを行ってその部数でよいかを尋ね、○、×の入力を行わせる。×の入力された場合、ステップ549に戻り、以後の処理をやり直す(ステップ554〜556)。
【0087】
(23)ステップ556で○が入力され部数が確定すると、次に、手数料の入金処理を開始し、手数料入金ガイダンス画面を表示し、音声によるガイダンスを行って、必要な手数料が幾らであるかを案内し、紙幣挿入口129、硬貨投入口130に必要な料金を投入するように案内して、挿入口129、130の位置が判るように、これらを紙幣/硬貨口振動機構143により振動させて料金を投入させる(ステップ557〜559)。
【0088】
(24)一定時間以上手数料の入金が行われない場合、これまでの処理を取り消すか否かを音声によるガイダンスにより問い合わせ、表示画面部125に○または×を入力させ、○が入力されてこれまでの処理を取り消すとされた場合、ステップ504の初期画面に戻る。また、×が入力されて処理を取り消さないとされた場合、入金の操作が困難なものとして、補助のための係員を呼び出して、顧客を係員に引き渡す(ステップ560〜562)。
【0089】
(25)所定の時間内に手数料の入金が行われた場合、以後の処理を進めてよいか否か、すなわち、部数等の誤り等のためこれまでの処理を取り消して、料金を返却する希望があるか否かを音声によるガイダンスにより問い合わせ、表示画面部125に○または×を入力させ、○が入力されてこれまでの処理を取り消すとされた場合、手数料の返却を行ってステップ504の初期画面に戻る(ステップ563〜565)。
【0090】
図25に示す画面例において、1409、1410は、投入金額をガイダンスして、処理を取り消すか否かを問い合わせている状態を示す画面例、これに×が入力された状態の画面例を示している。
【0091】
(26)ステップ564で×が入力されて処理を取り消さないことが確認された場合、ステップ510で挿入したIDカードを受け取るようガイダンス画面を表示し、音声によるガイダンスによりIDカードを受け取るよう指示し、カード口振動機構137によりカード挿入口131の近辺を振動させ、IDカードを受け取らせる。一定時間、図示例では、100秒以上、顧客がIDカードを受け取らない場合、ステップ504の初期画面に戻る(ステップ566〜569)。
【0092】
(27)顧客がIDカードを受け取ると、領収書・釣銭受け取りのガイダンス画面を表示し、音声によるガイダンスにより領収書と釣銭とを受け取るよう指示し、これらを受け取らせる(ステップ570〜572)。
【0093】
(28)次に、住民票発行処理中を示すガイダンス画面を表示し、音声によるガイダンスにより住民票発行処理中であることを知らせ、印字が終了して住民票が発行口128から排出されると、住民票を受け取るよう音声によるガイダンスを行って、住民票を受け取らせる(ステップ573〜575)
(29)顧客が住民票を受け取れば、ステップ504の初期画面に戻り、100秒以上住民票の受け取りが行われない場合、取扱の中止のガイダンスを画面に表示し、音声によりガイダンスして処理を終了する(ステップ576、577)。
【0094】
図25に示す画面例において、1411〜1414は、前述におけるIDカードの取り出しから住民票の発行までの処理時の状態を示す画面例である。
【0095】
以上により、住民票発行の処理を終了する。住民票・印鑑証明書発行装置による処理には、前述で説明した「住民票発行」の他に印鑑証明書の発行、両者同時の発行を行うことができ、これらの場合にも、前述と同様に音声によるガイダンスを行うことにより、視覚障害者が、操作を間違うことなく、係員の手を借りることなく操作容易に進めることができる。
【0096】
また、前述では、数字の入力を表示画面部5の上に指により描かせてタッチパネル134から行わせるとして説明したが、数字の入力だけを操作卓122の右側に備えられているテンキーユニット126から行わせるようにすることもできる。一般に、テンキーユニットは、各キーの配置が標準化されて定められており、特定のキーがキー操作を行う場合のホームポジションとなるように、そのキートップに突起が設けられている。このため、視覚障害者にとって、テンキーユニットは、使い勝ってのよいものであり、使い馴れた人には、効率のよい数字の入力を行うことができる。
【0097】
また、図24、図25で説明したように、操作途中の状態を表示画面部5に表示するようにしているのは、視覚障害者であっても、比較的大きな簡単な文字、記号を認識することができる人がおり、これらの人々に対する手助けとなるからである。また、この表示は、操作が進められなくなった場合に呼ばれる係員が、その後の操作の補助を容易に行うことができるようにするために有効である。
【0098】
さらに、前述した本発明の第2の実施形態においても、本発明の第1の実施形態に対する変形例として説明した各種の機能を加えることができ、それにより、より使い勝手のよいものとすることができる。
【0099】
前述したように本発明の第2の実施形態によれば、住民票・印鑑証明書発行装置を視覚障害者、弱視者が使用する場合にも、係員の手を借りることなく容易に誤りのない操作を迅速に行うことができる。
【0100】
前述した本発明の第1、第2の実施形態は、取引の選択決定、要件、目的の選択決定を各項目毎に音声によりガイダンスして○、×を入力させて行うとして説明したが、本発明は、音声によるガイダンスを各項目に番号を付けてまとめて行い、目的の取引、要件等をその番号の数字を表示画面部に指で描かせて、あるいは、テンキーを使用して入力させるようにすることもできる。
【0101】
また、前述した本発明の第1、第2の実施形態において、数字を表示画面部に描かせる代わりに、その数に対応する回数だけ指で表示画面部をタッチするようにしてもよい。
【0102】
以上説明した本発明の第1、第2の実施形態は、本発明をATM、住民票・印鑑証明書発行装置に適用したものとして説明したが、本発明は、切符等の券売機、計算機、情報端末、各種リモコン装置等に適用することができる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、視覚障害者が使用する場合にも、係員の手を借りることなく容易に誤りのない操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をATMに適用した本発明の第1の実施形態の外観を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の初期ガイダンス画面を示す図である。
【図4】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図5】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図6】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図7】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図8】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図9】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図10】操作の途中における表示画面の状態を説明する図である。
【図11】操作の途中における表示画面の状態を説明する図である。
【図12】本発明を住民票・印鑑証明書発行装置に適用した本発明の第2の実施形態の外観を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の機能構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第1の実施形態の初期ガイダンス画面を示す図である。
【図15】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図16】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図17】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図18】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図19】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図20】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図21】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図22】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図23】操作及び動作を説明するフローチャートである。
【図24】操作の途中における表示画面の状態を説明する図である。
【図25】操作の途中における表示画面の状態を説明する図である。
【符号の説明】
1、121 本体部
2、122 操作卓
3、123 人体検知センサ
4、124 ハンドセット
5、125 タッチパネル付表示画面部
6、126 テンキーユニット
7 紙幣入出金口
8 硬貨入出金口
9 通帳挿入口
10、131 カード挿入口
11、144 制御部
12、132 顧客操作部
13、133 CRTディスプレイ
14、134 タッチパネル
15、135 カード情報読取/書込機構
16 紙幣入出金機構
17 カード・通帳口振動機構
18、138 文字/記号認識機構
19、139 インタフェース部
20 ジャーナル印字機構
21 通帳印字機構
22、142 電源部
23 硬貨入出金機構
24 位相調整装置
25 スピーカ
127 領収書・釣銭排出口
128 住民票・印鑑証明書発行口
129 紙幣挿入口
130 硬貨挿入口
136 紙幣/硬貨入出金機構
137 カード口振動機構
140 印鑑証明印字機構
141 住民票印字機構
143 紙幣/硬貨口振動機構

Claims (6)

  1. 制御部と、タッチパネルを備えた表示部と、文字/記号認識部と、音声ガイダンス発生部とを備え、
    前記音声ガイダンス発生部により通常操作または視覚障害者用操作を選択させるための音声ガイダンスを行い、
    視覚障害者用操作の選択を受け付けると、
    前記タッチパネルに文字または記号を描くことによる操作入力を受け付けるステップと、前記タッチパネルに描かれた文字または記号を前記文字/記号認識部により認識し、認識した入力内容を確認するステップとを繰り返して自動処理を行う自動装置の入力方法であって、
    前記操作入力を受け付けるステップでは、前記音声ガイダンス発生部から音声ガイダンスを発生すると共に操作入力のための選択候補または入力ガイダンスを前記表示部に拡大表示し、
    前記入力内容を確認するステップでは、前記文字/記号認識部により認識した入力内容を前記表示部に拡大表示すると共にその内容が正しいか否かの確認入力をタッチパネルを介して受け付け、
    前記操作入力を受け付けるステップでの拡大表示と前記入力内容を確認するステップでの拡大表示とは表示画面の背景色を変えて表示することを特徴とする自動装置の入力方法。
  2. 前記操作入力を受け付けるステップでの拡大表示と前記入力内容を確認するステップでの拡大表示とは文字色と背景色とを反転させて表示することを特徴とする請求項1記載の自動装置の入力方法。
  3. 前記操作入力を受け付けるステップにおいて、数字の入力を1桁ずつ、または、複数桁を一括して受け付けることを特徴とする請求項1または2に記載の自動装置の入力方法。
  4. 制御部と、タッチパネルを備えた表示部と、文字/記号認識部と、音声ガイダンス発生部とを備えた自動装置であって、
    前記制御部は、前記音声ガイダンス発生部により通常操作または視覚障害者用操作を選択させるための音声ガイダンスを行い、
    視覚障害者用操作の選択を受け付けると、前記タッチパネルに文字または記号を描くことによる操作入力を受け付けるステップと、前記タッチパネルに描かれた文字または記号を前記文字/記号認識部により認識し、認識した入力内容を確認するステップとを繰り返して自動処理を行い、
    前記操作入力を受け付けるステップでは、前記音声ガイダンス発生部から音声ガイダンスを発生すると共に操作入力のための選択候補または入力ガイダンスを前記表示部に拡大表示し、
    前記入力内容を確認するステップでは、前記文字/記号認識部により認識した入力内容を前記表示部に拡大表示すると共にその内容が正しいか否かの確認入力をタッチパネルを介して受け付け、
    前記操作入力を受け付けるステップでの拡大表示と前記入力内容を確認するステップでの拡大表示とは表示画面の背景色を変えて表示することを特徴とする自動装置。
  5. 前記操作入力を受け付けるステップでの拡大表示と前記入力内容を確認するステップでの拡大表示とは文字色と背景色とを反転させて表示することを特徴とする請求項4記載の自動装置。
  6. 前記操作入力を受け付けるステップにおいて、数字の入力を1桁ずつ、または、複数桁 を一括して受け付けることを特徴とする請求項4または5に記載の自動装置。
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