JP5111050B2 - 紙幣処理システム - Google Patents

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本発明は、1台の紙幣処理機を左右の窓口操作員で共用する紙幣処理システムに関する。
左右2名の窓口操作員に対して個別に設けられた左右2台の上位端末機と、これら左右2台の上位端末機に接続され左右2名の窓口操作員で1台が共用される、紙幣出金機もしくは紙幣入出金機からなる紙幣処理機とを有する紙幣処理システムがある。このような紙幣処理システムでは、左右2名の窓口操作員で1台の紙幣処理機を共用することから、一方の窓口操作員による一方の上位端末機への、両替および釣銭取引を含む出金操作に関連して紙幣処理機が出金口へ紙幣を出金したときに、他方の窓口操作員が同様の操作を他方の上位端末機に行っていた場合に、当該他方の窓口操作員が自分の操作により出金された紙幣と勘違いして紙幣を出金口から抜き取ってしまうことがある。
このような操作間違いの防止策として、紙幣処理機の出金口の左右両側に、突出及び退避自在に設けられた案内指示板を付加し、これら案内指示板の突出もしくは退避状態を窓口操作員に目視確認させることで、出金口の紙幣の所有権の有無を案内する技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、同様の案内指示板をさらに色分けすることによって、出金口の紙幣の所有権の有無をさらに強調して案内する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特公昭60−54712号公報 特許第2776685号公報
上記した技術により、紙幣処理機の出金口の紙幣の所有権についての間違いを抑制する効果はあるものの、操作間違いを防止しきれないのが実情である。理由としては、窓口操作員への目視による案内では、窓口操作員が実際に案内指示板を見ていない場合や、目視で追ってはいても多忙等で意識が別の所にあって目視による意識として残らない場合があり、目視による案内方式では、期待する効果にも限度がある。
したがって、本発明は、目視以外の案内方式を採用することにより、操作間違いの防止効果を高めることができる紙幣処理システムの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、左右2名の窓口操作員に対して設けられた左右2台の上位端末機と、これら左右2台の上位端末機に接続され左右2名の窓口操作員で1台が共用されるとともに機体前面側に出金口が設けられた紙幣処理機とを有する紙幣処理システムにおいて、前記紙幣処理機の上面の機体前面側の端部には、別体の左パネル、中央パネルおよび右パネルが設けられており、前記左右2台の上位端末機それぞれに対応した振動報知ユニットを、前記左パネルおよび前記右パネルに設置し、前記左右2台の上位端末機のうちのいずれか一方の上位端末機への出金操作に関連して前記紙幣処理機が前記出金口へ紙幣を出金したときに、当該一方の上位端末機に対応した前記振動報知ユニットのみを振動させることを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記左右2台の上位端末機のうちのいずれか一方の上位端末機への入金操作に関連して前記紙幣処理機が入金返却口へ紙幣を返却したときに、当該一方の上位端末機に対応した前記振動報知ユニットのみを振動させることを特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記左パネルおよび前記右パネルは、弾性的に支持されていることを特徴としている。
また、請求項4に係る発明は、左右2名の窓口操作員に対して設けられた左右2台の上位端末機と、これら左右2台の上位端末機に接続され左右2名の窓口操作員で1台が共用されるとともに機体前面側に出金口が設けられた紙幣処理機とを有する紙幣処理システムにおいて、前記左右2台の上位端末機それぞれに対応した振動報知ユニットを有し、前記左右2台の上位端末機のうちのいずれか一方の上位端末機への出金操作に関連して前記紙幣処理機が前記出金口へ紙幣を出金したときに、当該一方の上位端末機に対応した前記振動報知ユニットのみを振動させ、前記振動報知ユニットは、有線または無線のインターフェイスを介して前記紙幣処理機の外部に移動自在に設けられていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、一方の上位端末機への出金操作に関連して紙幣処理機が出金口へ紙幣を出金したときに、当該一方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させ、他方の上位端末機への出金操作に関連して紙幣処理機が出金口へ紙幣を出金したときに、当該他方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させることになる。このため、各振動報知ユニットを、対応する窓口操作員に振動を伝達できる位置に配置することによって、振動による報知を体感させることにより出金口の紙幣の所有権の有無を窓口操作員に案内できる。したがって、出金時の操作間違いの防止効果を高めることができる。
振動報知ユニットが、紙幣処理機の機体前面側の左右両側に設けられているため、紙幣処理機の近い側に手をかけている対応する窓口操作員に振動を体感させることができる。
請求項2に係る発明によれば、一方の上位端末機への入金操作に関連して紙幣処理機が入金返却口へ紙幣を返却したときに、当該一方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させ、他方の上位端末機への入金操作に関連して紙幣処理機が入金返却口へ紙幣を返却したときに、当該他方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させることになる。このため、各振動報知ユニットを、対応する窓口操作員に振動を伝達できる位置に配置することによって、振動による報知を体感させることにより入金返却口の紙幣の所有権の有無を窓口操作員に案内できる。したがって、入出金可能な場合に、入金時の操作間違いの防止効果を高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、一方の上位端末機への出金操作に関連して紙幣処理機が出金口へ紙幣を出金したときに、当該一方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させ、他方の上位端末機への出金操作に関連して紙幣処理機が出金口へ紙幣を出金したときに、当該他方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させることになる。このため、各振動報知ユニットを、対応する窓口操作員に振動を伝達できる位置に配置することによって、振動による報知を体感させることにより出金口の紙幣の所有権の有無を窓口操作員に案内できる。したがって、出金時の操作間違いの防止効果を高めることができる。
動報知ユニットが、有線または無線のインターフェイスを介して紙幣処理機の外部に設けられているため、配置の自由度が上がり、例えば対応する窓口操作員の身に付けさせたり、体感しやすい位置に配置したりすることで、振動を確実に体感させることができる。
本発明の第1実施形態の紙幣処理システムを図1および図2を参照して以下に説明する。
第1実施形態の紙幣処理システムは、金融機関に設置されて2名の窓口操作員(テラー)によって使用されるものである。なお、以下の左右は窓口操作員側から見た左右である。
第1実施形態の紙幣処理システム10は、図1に示すように、左右2名の窓口操作員A,Bに対して設けられた左右2台の上位端末機11A,11Bと、これら左右2台の上位端末機11A,11Bにインターフェースを介して接続され左右2名の窓口操作員A,Bで1台が共用される紙幣処理機12とを有している。
左側の窓口操作員A用の左側の上位端末機11Aおよび右側の窓口操作員B用の右側の上位端末機11Bは、パーソナルコンピュータからなるもので、左側の上位端末機11Aは、左側の窓口操作員Aに対して設けられた左側のカウンタ14Aの上に設置され、右側の上位端末機11Bは、右側の窓口操作員Bに対して設けられた右側のカウンタ14Bの上に設置される。これら上位端末機11A,11Bは、それぞれが、対応する窓口操作員により操作入力が行われるキーボード等からなる操作部15と、対応する窓口操作員に対し表示を行う液晶モニタ等からなる表示部16と、操作部15からの信号に基づいて、表示部16の表示画面を制御し出金指示信号等を紙幣処理機12に送信する端末機本体17とを有している。
第1実施形態の紙幣処理機12は、予め金種別に分類されて出金準備金として機内の図示略のスタッカにスタックされた紙幣を上位端末機11A,11Bからの出金指示信号に基づいて出金する出金動作のみを行う紙幣出金機である。この紙幣出金機12は、左右2つのカウンタ14A,14Bの境界位置の下側に設置されており、窓口操作員A,Bに相対する機体前面20側に、図2に示すように、左右方向中央の中央パネル21と、中央パネル21の左側の左パネル22Aと、中央パネル21の右側の右パネル22Bとを有している。
中央パネル21は、水平配置される上面部25と、上面部25の前端縁から湾曲しつつ前下がりに延出する湾曲面部26と、前端の鉛直配置される前面部27とを有しており、その左右方向の中央に、湾曲面部26から前面部27にかけて、機内から出金紙幣が繰り出される出金口28が設けられている。これにより、出金口28は、紙幣処理機12の機体前面20側に設けられている。なお、中央パネル21の湾曲面部26の前面部27側は略水平に延在している。そして、出金口28には、出金口28を開閉する出金口シャッタ29が設けられている。
左パネル22Aも、中央パネル21と同様の上面部31A、湾曲面部32Aおよび前面部33Aを有しており、上面部31Aには、紙幣処理機12が左側の上位端末機11Aの出金指示信号に基づいて出金処理をしているとき、つまり、左側の窓口操作員Aによる占有状態にあるとき、点灯する占有ランプ34Aが設けられている。なお、左パネル22Aの湾曲面部32Aの前面部33A側は水平に近くなっている。出金口28への紙幣の出金を待機する際に、左側の窓口操作員Aは、出金後即座に紙幣を取り出すという動作の流れ上、出金口28の手前側に隣り合うこの略水平に延在する手掛け部35Aに手を掛けて待機することが多くなる。
右パネル22Bは、左パネル22Aと鏡面対称の形状をなしており、左パネル22Aと同様の上面部31B、湾曲面部32Bおよび前面部33Bを有している。上面部31Bには、紙幣処理機12が右側の上位端末機11Bの出金指示信号に基づいて出金処理をしているとき点灯する占有ランプ34Bが設けられている。なお、右パネル22Bの湾曲面部32Bの前面部33B側も水平に近くなっている。この略水平に延在する部分が、出金口28への紙幣の出金を待機する際に、右側の窓口操作員Bが手を掛ける手掛け部35Bとなっている。
紙幣処理機12の上面には、液晶モニタ等からなる表示部37が設けられている。この表示部37は、金種別の出金準備金の残量状態を表示したり、異常発生時の異常箇所の状態情報を表示したりする。
そして、第1実施形態においては、紙幣処理機12の機体前面20側の左右両側、具体的に左パネル22Aの手掛け部35Aおよび右パネル22Bの手掛け部35Bに、左右2台の上位端末機11A,11Bのそれぞれに対応した振動報知ユニット40A,40Bが組み込まれている。つまり、左側の上位端末機11Aに対応して左パネル22Aの手掛け部35Aに振動報知ユニット40Aが、右側の上位端末機11Bに対応して右パネル22Bの手掛け部35Bに振動報知ユニット40Bが組み込まれている。
これらの振動報知ユニット40A,40Bは、図示略の超小型振動モータとこの超小型振動モータにより振動させられる振動板41とで構成されている。左側の振動報知ユニット40Aは、左パネル22Aの手掛け部35Aの図示略の切欠部に、振動板41が手掛け部35Aと面一となるように組み込まれて左パネル22Aと一体的に構成され、振動することで左パネル22Aの全体を広域に振動させる。右側の振動報知ユニット40Bは、右パネル22Bの手掛け部35Bの図示略の切欠部に、振動板41が手掛け部35Bと面一となるように組み込まれて右パネル22Bと一体的に構成され、振動することで右パネル22Bの全体を広域に振動させる。なお、左パネル22Aと右パネル22Bとは、これらの間にある中央パネル21に対して別体となっており、左側の振動報知ユニット40Aの振動が右パネル22Bには伝わらないように、右側の振動報知ユニット40Bの振動が左パネル22Aには伝わらないようになっている。また、より振動しやすくするように、左パネル22Aおよび右パネル22Bを、これらを支持する図示略の支持体に対して弾性的に支持するようにしても良い。
ここで、これらの振動報知ユニット40A,40Bは、紙幣処理機12の内部の図示略の制御部に接続され、この制御部の出力信号の制御によって振動動作のオンオフが切り替えられるものであり、この制御部による複数の出力ポートの中の一部に接続されている。
左パネル22Aに設けられた振動報知ユニット40Aは、左右2台の上位端末機11A,11Bのうちの対応する一方である左側の上位端末機11Aへの出金操作に関連して紙幣処理機12が出金処理を行う際、つまり紙幣処理機12が左側の上位端末機11A(窓口操作員A)に占有状態で紙幣を出金したときにのみ振動させられる。
右パネル22Bに設けられた振動報知ユニット40Bは、左右2台の上位端末機11A,11Bのうちの対応する他方である右側の上位端末機11Bへの出金操作に関連して紙幣処理機12が出金処理を行う際、つまり紙幣処理機12が右側の上位端末機11B(窓口操作員B)に占有状態で紙幣を出金したときにのみ振動させられる。
次に、窓口操作員A,Bによる操作運用を含む紙幣出金処理の流れを、左側の窓口操作員Aが、対応する左側の上位端末機11Aに出金操作を行う場合を例にとり説明する。なお、右側の窓口操作員Bが、対応する右側の上位端末機11Bに出金操作を行う場合は、以下の説明の左右を読み替えれば良い。
まず、窓口操作員Aが、来店した顧客からカウンタ14A越しに受け取った出金伝票に基づいて、出金金額、科目等の必要事項を上位端末機11Aの操作部15に操作入力する。すると、上位端末機11Aの端末機本体17は、出金金額に応じた各金種の紙幣の枚数である金種別明細枚数を含む出金指示信号を、インターフェースを介して紙幣処理機12の図示略の制御部へ出力する。例えば、上位端末機11Aの操作部15を介して16000円の出金金額が入力されると、上位端末機11Aの端末機本体17は、万円券1枚、五千円券1枚、千円券1枚の金種別明細枚数を含む出金指示信号を出力する。
左側の上位端末機11Aから出金指示信号を受けると、紙幣処理機12は、右側の上位端末機11Bの占有状態にないことを条件に、左側の上位端末機11Aつまり左側の窓口操作員Aの占有状態となって以下の出金処理を行う。
まず、紙幣処理機12は、左側の上位端末機11Aによる占有状態にあることを示すため、左右の占有ランプ34A,34Bのうち左パネル22Aに設けられた占有ランプ34Aのみを点灯させる。つまり、左側の窓口操作員Aの占有状態にあるとき、紙幣処理機12は、右側の上位端末機11Bからの指示信号を受け付けない状態となり、左側の占有ランプ34Aは、このことを窓口操作員A,Bに明確に知らしめるために点灯する。
続いて、紙幣処理機12は、前述した出金指示信号の出金金額の金種別明細枚数に応じて、図示略の金種別のスタッカから各々金種別に指示枚数分の紙幣を1枚ずつ繰り出して、出金判別部を含む搬送路を経由して、出金口シャッタ29が閉状態とされた出金口28へ搬送動作を行い、1枚ずつ搬送された紙幣を最終搬送部の出金口28にて集積させる出金動作を行う。
そして、前述した出金指示信号の出金金額の金種別明細枚数に応じた紙幣が、異常なく正常にすべて出金口28にて集積されて出金動作が終了すると、左側の上位端末機11Aからの出金指示信号に対する返答として出金動作正常終了信号が紙幣処理機12から左側の上位端末機11Aに送信される。この出金動作正常終了信号を受信した左側の上位端末機11Aは、自動的に確定処理を行う。この確定処理は、出金動作が正常に終了したことにより、出金指示した金額の紙幣の所有権と管理を、出金動作を行った紙幣処理機12での機械管理扱いから窓口操作員Aの手許管理扱いへと移すことである。
上記確定処理後、左側の上位端末機11Aは、紙幣処理機12に対して確定指示信号を出力する。すると、確定指示信号を受信した紙幣処理機12は、制御部が、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうち左パネル22Aに設けられた左側の振動報知ユニット40Aを振動させる振動動作オンの状態となり、左側の振動報知ユニット40Aのみに出力信号を送信し、この振動報知ユニット40Aのみを振動させる。つまり、左右2台の上位端末機11A,11Bのうちのいずれか一方である左側の上位端末機11Aへの出金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を出金したときに、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうち、当該一方である左側の上位端末機11Aに対応した左側の振動報知ユニット40Aのみを振動させる。また、制御部は、上記左側の振動報知ユニット40Aへの出力信号の送信とともに、閉状態にあった出金口シャッタ29を開作動させる。これにより、出金口28の紙幣を窓口操作員Aが抜き取り可能な状態となる。出金口28の紙幣が抜き取られると、制御部は出金口シャッタ29を閉作動させる。
ここで、左側の窓口操作員Aの出金操作における実態としては、左側の上位端末機11Aによって必須項目を入力して出金操作を行った後に、当該出金操作による出金紙幣を紙幣処理機12の出金口28から抜き取るべく出金口シャッタ29が開くまで待っている状態では、左側の窓口操作員Aは、紙幣抜き取りの際に都合の良い、紙幣処理機12の出金口シャッタ29の手前つまり左側の手掛け部35Aに手を掛けて待機しているのが一般的である。このため、左側の振動報知ユニット40Aによる左パネル22Aの振動が左側の窓口操作員Aの手に伝わり、左側の窓口操作員Aが自分の出金操作に対する出金であることを体感により理解する。勿論、右パネル22Bは振動せず、右側の窓口操作員Bが手掛け部35Bに手を掛けていたとしても、自分の出金操作に対する出金でないことを体感により理解する。
そして、出金口28から紙幣が抜き取られたことを図示略の残留センサで検出すると、紙幣処理機12の制御部は、振動報知ユニット40Aの振動を停止させる振動動作オフの状態となり、左側の振動報知ユニット40Aへの出力信号を停止して振動を停止させるとともに出金口シャッタ29を閉状態に戻して、左側の占有ランプ34Aを消灯させる。
以上により、出金処理が終了することになり、これにより、紙幣処理機12は、左側の上位端末機11Aの占有状態が解除される。なお、上記した振動動作オンの状態から振動動作オフの状態までの期間である、出金口シャッタ29の開作動開始時点から紙幣の抜き取り時点までの期間に連続して振動報知ユニット40Aを振動させても良く、あるいはこの期間に一定周期で断続的に振動報知ユニット40Aを振動させても良い。
以上に述べた第1実施形態の紙幣処理システム10によれば、左右の上位端末機11A,11Bのうちの一方の上位端末機への出金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を出金したときに、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうちの当該一方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させ、他方の上位端末機への出金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を出金したときに、当該他方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させることになる。したがって、振動報知ユニット40A,40Bが発生させる振動による報知を体感させることにより出金口28の紙幣の所有権の有無を窓口操作員A,Bに明確に案内できる。したがって、出金時の操作間違いの防止効果を高めることができる。
また、振動報知ユニット40A,40Bが、紙幣処理機12の機体前面20側の左右両側に設けられているため、紙幣処理機12の近い側に手をかけている対応する窓口操作員A,Bに振動を体感させることができる。
本発明の第2実施形態の紙幣処理システムを主に図3を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
第2実施形態の紙幣処理システムは、紙幣処理機12が、その中央パネル21の湾曲面部26における出金口28よりも上側に入金口43を有しており、この入金口43に投入された紙幣を入金可能な紙幣入出金機となっている。
つまり、第2実施形態の紙幣処理機12は、入金口43に投入された紙幣を上位端末機11A,11Bからの入金指示信号に基づいて機内に取り込んで識別および計数しつつ図示略の金種別の一時貯留部に一時貯留させ、上位端末機11A,11Bからの入金確定信号に基づいて図示略の金種別のスタッカにスタックする入金動作を行う。勿論、第1実施形態と同様に、金種別のスタッカにスタックされた紙幣を上位端末機11A,11Bからの出金指示信号に基づいて出金口28に出金する出金動作をも行う。
そして、この紙幣処理機12は、入金口43に投入された紙幣を識別した結果、取り込み可能な紙幣を一時貯留部に一時貯留させる一方、取り込み不可と識別されたリジェクト紙幣(例えば、汚損度合いが著しい紙幣等)を入金返却口を兼用する出金口28に返却するようになっている。
次に、窓口操作員A,Bによる操作運用を含む紙幣入金処理の流れを、左側の窓口操作員Aが、対応する左側の上位端末機11Aに入金操作を行う場合を例にとり説明する。なお、右側の窓口操作員Bが、対応する右側の上位端末機11Bに入金操作を行う場合は、以下の説明の左右を読み替えれば良い。また、紙幣出金処理の流れは、第1実施形態と同様である。
まず、窓口操作員Aが、来店した顧客からカウンタ14A越しに紙幣を受け取って、入金口43に投入し、入金処理の開始操作を上位端末機11Aの操作部15に操作入力する。すると、上位端末機11Aの端末機本体17は、入金指示信号を、インターフェースを介して紙幣処理機12の図示略の制御部へ出力する。
左側の上位端末機11Aから入金指示信号を受けると、紙幣処理機12は、右側の上位端末機11Bの占有状態にないことを条件に、左側の上位端末機11Aつまり左側の窓口操作員Aの占有状態となって以下の入金処理を行う。
まず、紙幣処理機12は、左側の上位端末機11Aによる占有状態にあることを点灯により示すため、左右の占有ランプ34A,34Bのうち左パネル22Aに設けられた占有ランプ34Aのみを点灯させる。つまり、左側の窓口操作員Aの占有状態にあるとき、紙幣処理機12は、右側の上位端末機11Bからの指示信号を受け付けない状態となり、左側の占有ランプ34Aは、このことを窓口操作員A,Bに明確に知らしめるために点灯する。
続いて、紙幣処理機12は、入金口43に投入された紙幣を、機内に取り込んで識別する。識別した結果、正常に識別でき取り込み可能と判断した紙幣を図示略の一時貯留部に集積させる一方、正常に識別できず取り込み不可と識別されたリジェクト紙幣を出金口28に返却し、リジェクト紙幣が複数枚ある場合には、出金口28にて集積させる入金動作を行う。
そして、入金口43に投入された紙幣が、すべて一時貯留部および出金口28のいずれか一方に案内されて入金動作が終了すると、紙幣処理機12の制御部が、左側の上位端末機11Aからの入金指示信号に対する返答として、一時貯留部に一時貯留した紙幣の識別および計数の結果を左側の上位端末機11Aに送信するとともに、出金口28にリジェクト紙幣がある場合には、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうち左パネル22Aに設けられた左側の振動報知ユニット40Aを振動させる振動動作オンの状態となり、左側の振動報知ユニット40Aのみに出力信号を送信し、この振動報知ユニット40Aのみを振動させる。つまり、左右2台の上位端末機11A,11Bのうちのいずれか一方である左側の上位端末機11Aへの入金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を返却したときに、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうち、当該一方である左側の上位端末機11Aに対応した左側の振動報知ユニット40Aのみを振動させる。また、制御部は、上記左側の振動報知ユニット40Aへの出力信号の送信とともに、閉状態にあった出金口シャッタ29を開作動させる。これにより、出金口28の紙幣を窓口操作員が抜き取り可能な状態となる。出金口28の紙幣が抜き取られると、制御部は出金口シャッタ29を閉作動させる。
左側の上位端末機11Aは、一時貯留部に一時貯留した紙幣の識別および計数の結果を表示部16に表示することになり、さらに、承認およびキャンセルの選択操作を促す表示を表示部16に表示することになる。これを受けて、窓口操作員Aが左側の上位端末機11Aの操作部15に承認操作を入力すると、上位端末機11Aは、取り込み可能と識別した紙幣の金種別の枚数の入金を確定し、紙幣処理機12に承認信号を出力する。すると、紙幣処理機12は一時貯留部に一時貯留した紙幣をスタッカに収納する。
窓口操作員Aが左側の上位端末機11Aの操作部15にキャンセル操作を入力すると、上位端末機11Aは、取り込み可能と識別した紙幣の金種別の枚数の入金をキャンセルし、紙幣処理機12にキャンセル信号を出力する。すると、紙幣処理機12は、出金口28に紙幣がなく出金口シャッタ29が閉状態にあることを条件に、制御部が、一時貯留部に一時貯留していた紙幣を一枚ずつ出金口28に搬送し、出金口28で集積させる。そして、一時貯留部にあった紙幣がすべて出金口28に集積されると、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうち左パネル22Aに設けられた左側の振動報知ユニット40Aを振動させる振動動作オンの状態となり、左側の振動報知ユニット40Aのみに出力信号を送信し、この振動報知ユニット40Aのみを振動させる。つまり、左右2台の上位端末機11A,11Bのうちのいずれか一方である左側の上位端末機11Aへの入金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を返却したときに、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうち、当該一方である左側の上位端末機11Aに対応した左側の振動報知ユニット40Aのみを振動させる。また、制御部は、上記左側の振動報知ユニット40Aへの出力信号の送信とともに、閉状態にあった出金口シャッタ29を開作動させる。これにより、出金口28の紙幣を窓口操作員が抜き取り可能な状態となる。出金口28の紙幣が抜き取られると、制御部は出金口シャッタ29を閉作動させる。
以上に述べた第2実施形態の紙幣処理システム10によれば、左右の上位端末機11A,11Bのうちの一方の上位端末機への入金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を返却したときに、左右の振動報知ユニット40A,40Bのうちの当該一方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させ、他方の上位端末機への入金操作に関連して紙幣処理機12が出金口28へ紙幣を返却したときに、当該他方の上位端末機に対応した振動報知ユニットのみを振動させることになる。したがって、振動報知ユニット40A,40Bが発生させる振動による報知を体感させることにより出金口28の紙幣の所有権の有無を窓口操作員A,Bに明確に案内できる。したがって、入金リジェクト時、入金返却時の操作間違いの防止効果を高めることができる。
なお、第2実施形態においては、出金口28が入金返却口を兼用する場合を例にとり説明したが、入金処理時の返却紙幣を取り出し可能に集積させる専用の入金返却口を設ける場合にも適用可能である。この場合、出金口および入金返却口が比較的近接して設けられる場合には、これら出金口および入金返却口に近接して共用の左右の振動報知ユニットを左パネル22Aおよび右パネル22Bに設けることが可能であり、出金口および入金返却口が比較的離間して設けられる場合には、出金口に近接して左右の振動報知ユニットを左パネル22Aおよび右パネル22Bに設けるとともに入金返却口に近接して左右の振動報知ユニットを左パネル22Aおよび右パネル22Bに設けることが可能である。
本発明の第3実施形態の紙幣処理システムを主に図4を参照して第2実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
第3実施形態の紙幣処理システムは、第2実施形態と同様に、紙幣処理機12の機体前面20側の左右両側、具体的に左パネル22Aの手掛け部35Aおよび右パネル22Bの手掛け部35Bに、左右2台の上位端末機11A,11Bのそれぞれに対応した振動報知ユニット40A,40Bが組み込まれている。そして、左右2台の上位端末機11A,11Bのそれぞれに対応した振動報知ユニット45A,45Bが、無線のインターフェイスを介して、紙幣処理機12の外部に移動自在に設けられている。振動報知ユニット45Aは振動報知ユニット40Aが駆動されるときに同時に駆動され、振動報知ユニット45Bは振動報知ユニット40Bが駆動されるときに同時に駆動される。
このような第3実施形態の紙幣処理システムによれば、振動報知ユニット45A,45Bが、無線のインターフェイスを介して紙幣処理機12の外部に移動自在に設けられているため、配置の自由度が上がり、例えば対応する窓口操作員A,Bの身に付けさせたり(例えば衣服のポケットに収納する)、あるいは窓口操作員A,Bにとって体感しやすい近傍位置(例えばカウンタ14A,14B上等)に設けることで、振動を確実に窓口操作員A,Bに体感させることができる。
なお、振動報知ユニット45A,45Bを、有線のインターフェイスを介して紙幣処理機12の外部に移動自在に設けても良い。また、第2実施形態の紙幣入出金機である紙幣処理機12の外部に移動自在に振動報知ユニット45A,45Bを設けるのではなく、第1実施形態の紙幣出金機である紙幣処理機12の外部に移動自在に振動報知ユニット45A,45Bを設けることも勿論可能である。また、振動報知ユニット40A,40Bと振動報知ユニット45A,45Bとを両方設けるのではなく、紙幣処理機12の外部の移動自在な振動報知ユニット45A,45Bのみを設けても良い。
本発明の第1実施形態の紙幣処理システムを示す正面図である。 本発明の第1実施形態の紙幣処理システムにおける紙幣処理機の要部を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の紙幣処理システムにおける紙幣処理機の要部を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の紙幣処理システムにおける紙幣処理機の要部を示す斜視図である。
符号の説明
10 紙幣処理システム
11A,11B 上位端末機
12 紙幣処理機
29 出金口(入金返却口)
40A,40B,45A,45B 振動報知ユニット
43 入金口
A,B 窓口操作員

Claims (4)

  1. 左右2名の窓口操作員に対して設けられた左右2台の上位端末機と、これら左右2台の上位端末機に接続され左右2名の窓口操作員で1台が共用されるとともに機体前面側に出金口が設けられた紙幣処理機とを有する紙幣処理システムにおいて、
    前記紙幣処理機の上面の機体前面側の端部には、別体の左パネル、中央パネルおよび右パネルが設けられており、
    前記左右2台の上位端末機それぞれに対応した振動報知ユニットを、前記左パネルおよび前記右パネルに設置し、前記左右2台の上位端末機のうちのいずれか一方の上位端末機への出金操作に関連して前記紙幣処理機が前記出金口へ紙幣を出金したときに、当該一方の上位端末機に対応した前記振動報知ユニットのみを振動させることを特徴とする紙幣処理システム。
  2. 前記左右2台の上位端末機のうちのいずれか一方の上位端末機への入金操作に関連して前記紙幣処理機が入金返却口へ紙幣を返却したときに、当該一方の上位端末機に対応した前記振動報知ユニットのみを振動させることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理システム。
  3. 前記左パネルおよび前記右パネルは、弾性的に支持されていることを特徴とする請求項1または2記載の紙幣処理システム。
  4. 左右2名の窓口操作員に対して設けられた左右2台の上位端末機と、これら左右2台の上位端末機に接続され左右2名の窓口操作員で1台が共用されるとともに機体前面側に出金口が設けられた紙幣処理機とを有する紙幣処理システムにおいて、
    前記左右2台の上位端末機それぞれに対応した振動報知ユニットを有し、前記左右2台の上位端末機のうちのいずれか一方の上位端末機への出金操作に関連して前記紙幣処理機が前記出金口へ紙幣を出金したときに、当該一方の上位端末機に対応した前記振動報知ユニットのみを振動させ、
    前記振動報知ユニットは、有線または無線のインターフェイスを介して前記紙幣処理機の外部に移動自在に設けられていることを特徴とする紙幣処理システム。
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