(A)第1の実施形態
以下、本発明に係る自動取引装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、ATM(Automated Teller Machine)に本発明を適用する場合を例示する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係るATM1の外観構成を示す外観斜視図である。図1において、第1の実施形態に係るATM1は、操作表示部11、紙幣入出金口12、硬貨入出金口13、通帳入出口14、カード入出口15、レシート排出口16、スピーカ17を有する。
ATM1は、例えば金融機関、空港、駅、コンビニエンスストア等に設置されているものであり、各種取引処理を行なうものである。ATM1は、各種取引を行なう際に、必要に応じて、通帳やカード等の媒体の挿入を顧客に要求し、顧客により挿入された通帳やカード等の媒体に付与されている磁気ストライプから顧客情報を読み取り、この顧客情報を用いて取引処理を行なう。また、ATM1は、必要に応じて、取引情報を媒体に書き込み、媒体を排出する。
操作表示部11は、取引を行なう顧客が操作したり、また取引に係る情報や入力された情報の確認画面等を表示したりするものである。操作表示部11は、例えば、取引種類の選択メニュー画面、各取引種類の操作画面、取引内容の確認画面等を表示する。操作表示部11は、例えば、タッチパネル方式の操作表示部を適用することができる。なお、操作表示部11は、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル方式のものに限らず、操作部と表示部とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
紙幣入出金口12は、顧客が紙幣を挿入したり又は紙幣を排出したりするものである。紙幣入出金口12は、例えば、開閉体(例えばシャッター)と、紙幣を収納する収納部(バケット)とを有しており、紙幣投入の際又は紙幣排出の際に、シャッタが開き、紙幣の投入又は紙幣の排出を行なう。
硬貨入出金口13は、顧客が硬貨を投入したり又は硬貨を排出したりするものである。硬貨入出金口13も、紙幣入出金口12と同様に、バケットタイプを適用できる。
通帳入出口14は、顧客が通帳を挿入したり又は通帳を排出したりするものである。
カード入出口15は、顧客がキャッシュカードを挿入したり又はキャッシュカードを排出したりするものである。
レシート排出口16は、取引終了後、取引に係る情報を印字した明細票を排出するものである。
スピーカ17は、音声ガイダンス、アナウンス、警告音を出力するものである。
図2は、第1の実施形態に係るATM1の主な構成を示すブロック図である。図2において、第1の実施形態に係るATM1は、媒体処理装置21、通帳入出口14、制御部20、通信部22、紙幣入出金口12、操作表示部11などを有する。
通帳入出口14は、上述したように、例えば通帳等の媒体の挿入を受け付けたり又は排出したりする部分である。
媒体処理装置21は、通帳入出口14が有するシャッタの開閉制御や、通帳入出口14に挿入された通帳の搬送制御や挿入・排出制御や、挿入された通帳に付与されている磁気ストライプ(磁気データ格納部ともいう。)に格納されているデータの読み出しやデータの書き込みや、通帳記帳制御等を行なうものである。媒体処理装置21は、読み出したデータを制御部20に与えたり、又は制御部20からのデータを磁気ストラップに書込みしたりする。
また、媒体処理装置21の内部には、挿入された通帳を搬送するための搬送路があり、その搬送路を走行する通帳を検知する複数のセンサ41−1〜41−8(図3参照)が設けられている。これら複数のセンサ41−1〜41−8は、走行する通帳の検知情報を制御部20に通知する。
ここで、媒体は、ATM1内部に挿入可能なものであり、例えば通帳、カード(キャッシュカードやクレジットカード等)や、紙幣等を含む概念である。また、媒体処理装置21は、媒体に関する処理装置であり、例えば、通帳処理装置、挿入されたカードのカード処理を行うカード処理装置、投入された紙幣に関する処理を行う紙幣処理装置等を含む概念である。第1の実施形態では、媒体が通帳であり、媒体処理装置21が通帳処理装置である場合を例示する。
制御部20は、ATM1が行なう各種機能を司るものであり、例えば、ATM1における各種取引処理を制御したり、ATM1の操作表示部11の表示制御をしたりするものである。制御部20は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース部等を有しており、CPUがROMに格納される処理プログラムを実行することにより、ATM1の各種機能を実現することができる。
また、制御部20は、媒体処理装置21の搬送路に設けられている複数のセンサから検知情報を取得し、その取得した検知情報に基づいて搬送路を走行する媒体の長さを検知する。そして、制御部20は、複数のセンサによる検知状況に基づいて、搬送路を走行している媒体の長さを特定し、媒体長が通帳の長さを超えるときには、通帳と共に異物が存在するものと判断する。
さらに、制御部20は、媒体処理装置21の搬送路に異物が検知されると、所定のガイダンス画面を操作表示部11に表示したり、又はスピーカ17から所定のアナウンス等を出力したりするものである。
通信部22は、通信回線を介して金融機関ホストサーバや監視センタの監視端末等と情報の授受を行なうものである。ここで、通信部22は、例えば金融機関ホストサーバとの間で取引情報の授受を行なう際、ATM1が設置されている場所を特定する情報(例えば、金融機関名、金融機関コード、支店名、支店コード等を含む情報)や顧客情報や取引内容を示す情報などを含む情報を通知するようにしても良い。なお、金融機関ホストサーバに通知する情報は、上記に例示した情報に限定されるものではない。
紙幣入出金口12は、取引に係る紙幣や又は硬貨の受け入れや排出を行なう部分である。
操作表示部11は、制御部20の制御を受けて、顧客が取引種別の選択や取引に関する情報を入力したり、取引に関する情報を表示したりするものである。
図3は、第1の実施形態に係る媒体処理装置21の内部構成を示す内部構成図である。図3において、第1の実施形態に係る媒体処理装置21は、複数(図3では8個)のセンサ41−1〜41−8、搬送ローラ42a及び42b、搬送路43を有する。
図3では、右側方向が媒体の挿入方向であり、左側方向が媒体の排出方向としている。また、図3では、符号「30」が通帳を示しており、符号「31」が異物(例えば、レシート、付箋等の紙葉類)を示している。図3では、通帳30の挿入の際に通帳30と一緒に異物31が挿入された状態を示している。
搬送路43は、通帳入出口14から挿入された通帳30が走行する搬送路である。図3では、説明を簡単にするために、搬送路43が直線状とする場合を示しているが、搬送路43は媒体処理装置21内又はATM1内で屈曲していても良い。
センサ41−1〜41−8は、媒体処理装置21の搬送路43に沿って設けられており、走行する通帳を検出するものである。センサ41−1〜41−8は、通帳30を検出すると、通帳検知を示すON信号を制御部20に通知し、通帳30を検出していないときには、通帳非検知を示すOFF信号を制御部20に通知する。センサ41−1〜41−8は、例えば、送光部及び受光部を有する光学センサ等を用いることができるが、センサの種類は特に限定されるものではない。
また、センサ41−1〜41−8は、搬送路43に沿って設けられているが、センサ41−1〜41−8が配置される間隔は一定であっても良いし、又必要に応じて間隔を可変であっても良い。すなわち、センサ41−1〜41−8は等間隔で配置しても良いし、また異なる間隔で配置しても良い。
例えば、通帳30が搬送路43に絡まりやすい位置には比較的多くのセンサを配置(すなわち、センサ間の間隔を小さくして配置)し、通帳30が搬送路43に絡まりにくい位置には比較的少ないセンサを配置(すなわち、センサ間の間隔を大きくして配置)するようしても良い。
また例えば、異物31が通帳30に挟まれた状態で、異物31と共に通帳30が挿入されたときに、通帳30が走行するにつれて異物31が通帳30から分離しやすい位置に、比較的多くのセンサを配置するようにしても良い。この異物31が通帳30から分離しやすい位置は、実験的又は経験的に得られた位置としても良いし、また例えば、搬送路43において屈曲した部分等のように搬送路43の形状に応じた位置としても良い。
搬送ローラ42a及び42bは、挿入された通帳30を搬送するものである。搬送ローラ42a及び42bは、後述する通帳駆動機構部62(図4参照)により、挿入方向又は排出方向の双方向に通帳30を送り出すことができる。搬送ローラ42a及び42bは対向して設けられており、搬送ローラ42a及び42bの間に入り込んできた通帳30を挿入方向又は排出方向に搬送する。図3では、1組の搬送ローラ42a及び42bのみを示しているが、実際は搬送路43に沿って複数組の搬送ローラが設けられている。
図4は、第1の実施形態に係るATM1の制御系の構成を示す構成図である。図4において、第1の実施形態に係るATM1は、制御部20、記憶部23、操作表示制御部61、通帳駆動機構部62、カード駆動機構部63、紙幣駆動機構部64、硬貨駆動機構部65、レシート印刷部66、通信部22を有する。
制御部20は、上述したように、ATM1の機能を司るものである。図4に示すように、制御部20は、その機能部として、取引処理部211、異物検知部212を有する。
取引処理部211は、ATM1における入金取引や出金取引を行なうものである。出金取引は、顧客に対して現金を支払う取引であり、例えば、引き出し取引等がある。入金取引は、顧客から受け取った現金を入金する取引であり、例えば、預け入れ取引や振り込み取引等がある。取引処理部211は、操作表示部11を介して、顧客が希望する取引種別の入力情報を受け取ると、その取引種別に応じた手順で取引処理を実行し、通信部22を介して金融機関ホストサーバとの間で取引情報を授受して取引を完了させる。また、取引処理部211は、完了した各種取引に関する取引情報を記憶部23に記憶するものである。
異物検知部212は、取引処理部211により取引処理の際に、ATM1の媒体処理装置21に挿入された、通帳やカードや紙幣等の媒体と一緒に異物が挿入されたことを検知するものである。
ここで、異物検知部212は、媒体処理装置21の搬送路43に沿って配置されているセンサ41−1〜41−8(図3参照)からの検知情報の状態に基づいて走行する媒体の長さを判断し、その判断結果に基づいて走行する媒体が通帳のみか又は異物を伴っているか否かを判断する。つまり、異物検知部212は、通帳入出口14から媒体が挿入され、搬送路43を走行する媒体(通帳)から異物が分離したことを判断する。この異物検知部212の具体的な構成及び動作の詳細な説明は後述する。
なお、異物検知部212は、搬送路43上を走行する通帳から異物が分離したことを検知するだけでなく、例えば通帳入出口14に設けられた異物検出センサ(図示しない)の検知情報に基づいて、通帳入出口14付近で通帳と一緒に異物が挿入されたことを検知する機能も有するようにしても良い。この媒体処理装置21の媒体の挿入排出口での異物検知機能は既存技術を広く適用することができる。
図4に示すように、異物検知部212は、センサ情報取得部51、媒体長検知部52、駆動機構制御部53、出力制御部54を有する。
センサ情報取得部51は、媒体処理部21の搬送路43に沿って設けられているセンサ41−1〜41−8からの検知情報(センサ情報)を取得するものである。
媒体長検知部52は、記憶部23に記憶される媒体長基準値情報231を参照して、センサ情報取得部51が取得した検知情報の状態に基づいて、搬送路43を走行する媒体の長さを検知するものである。
ここで、媒体長検知部52は、センサ41−1〜41−8から通知される検知情報のうち、検知情報がOFF信号からON信号に切り替わったセンサの位置に、走行している媒体の先端部が通過していると判断する。そして、検知情報がOFF信号からON信号に切り替わった時点で、媒体長検知部52は、当該センサから走行方向の反対側に位置するセンサの検知情報がON信号か又はOFF信号を判断し、媒体長基準値情報231を参照して、ON信号の数に基づいて媒体長(すなわち走行方向の通帳の長さ)を検知する。
つまり、媒体長検知部52は、OFF信号からON信号に切り替わったセンサ位置に通帳の先端部が位置していると認識し、当該センサよりも走行方向の反対側で、ONを検知しているセンサの数(すなわち、連続するON信号の個数)に基づいて、走行している媒体の長さを検知する。
例えば、走行方向の通帳の長さが17cm程度とし、センサ41−1〜41−8のセンサ間隔が5cm程度のように一定とする場合、あるセンサがOFF信号からON信号に切り替えた時点で、当該センサも含め走行方向の反対側の連続する4個のセンサから合計4個のON信号が通知されていれば、媒体長検知部52は媒体長が15cm程度であり、通帳が正常に走行していると判断する。一方、例えば、あるセンサがOFF信号からON信号に切り替えた時点で、当該センサも含め走行方向の反対側の連続する5個のセンサから合計5個のON信号が通知されていれば、媒体長検知部52は、本来の通帳の長さよりも長い媒体を検知していることになる。すなわち、走行している媒体長が20cm程度であることから、走行する通帳から異物の一部が分離してしまい、センサが分離している異物を検知している。この場合、媒体長検知部52は、走行している通帳から異物が分離していると判断する。
また例えば、走行方向の通帳の長さは17cm程度であるが、センサ41−1〜41−8のセンサ間隔が異なる場合、基本的には、上述した例と同様の判断方法を適用できる。しかし、センサ間隔が異なるため、OFF信号からON信号としたセンサの位置によって、走行している媒体の長さを検知するための連続するON信号の数が異なる。そこで、第1の実施形態では、媒体長検知部52は、OFF信号からON信号に切り替えたセンサ位置と、その時点で通帳を検知する検知パターンとを示す媒体長基準値情報231を参照して、走行している媒体の長さを検知する。これにより、センサからの走行している媒体の検知情報に基づいて、走行している媒体の位置を特定すると共に、連続するセンサからのON信号の数に基づいて、走行している媒体長を判断することができる。
駆動機構制御部53は、ATM1が有する各種駆動機構部(通帳駆動機構部62、カード駆動機構部63、紙幣駆動機構部64、硬貨駆動機構部65)の動作を制御するものである。駆動機構制御部53は、媒体長検知部52により媒体処理装置21の搬送路を走行する媒体の長さが通帳の長さを超えると判断するとき、媒体処理装置21の駆動機構部(例えば、通帳駆動機構部62等)に対して媒体を排出するよう制御する。つまり、媒体長検知部52により媒体長が通帳の長さを超えていると判断するときは、走行している通帳から異物が分離しかけている状態と判断できる。そこで、異物が完全に分離して障害が発生する前に、なるべく早い段階で、媒体を排出するようにする。これにより、通帳と異物を排出することができ、その結果、異物を原因とする障害を回避することができる。
出力制御部54は、媒体長検知部52により媒体長が通帳の長さを超えると判断したとき、媒体を排出するとき又は媒体を排出した後に、所定の出力制御を行なうものである。具体的には、出力制御部54は、正常に通帳を挿入することを顧客に要請する画面の表示制御をしたり、正常な通帳の挿入を要請するアナウンスを出力制御したりする。また、出力制御部54は、LED等の誘導発光部(図示しない)の点滅や点灯等の出力制御を行なう。なお、表示画面は、異物混入を防止する内容、異物混入の事実を知らせる内容、異物や媒体を排出した旨の内容など種々の画面を広く適用できる。
記憶部23は、制御部20が実行する処理プログラム、操作表示部11に表示する画面情報、取引情報や取引の際に取得した情報等を記憶するものである。また、記憶部23は、媒体長基準値情報231を記憶する。
媒体長基準値情報231は、走行している通帳の先端部を検知した時点での、通帳の長さを特定する基準値情報である。
図5は、第1の実施形態に係る媒体長基準値情報231の説明する説明図である。図5は、図3に例示するセンサ41−1〜41−8の配置のときに通帳の長さを特定する場合を例示する。
図5において、縦(列)は通帳を検知したセンサを示し、横(行)は通帳検知時に通帳の長さを特定する各センサ41−1〜41−8の検知情報のパターンを示している。
例えば、図5において、センサ41−4が走行している媒体の先端部を検知したとする。この場合、センサ41−4からの検知情報はOFF信号からON信号になる。このとき、媒体長検知部52は、媒体長基準値情報231の縦(列)の「センサ41−4」における横(行)方向の検知パターンを見る。横(行)の検知パターンは、通帳の長さに応じたセンサの検知情報の態様である。つまり、「センサ41−4」の通帳検知時に、3個の「センサ41−4」、「センサ41−3」、「センサ41−2」が通帳を検知しており、「センサ41−4」、「センサ41−3」、「センサ41−2」からON信号が通知されていることを示す。
また例えば、図3に示すように、センサ41−4とセンサ41−5との間隔が比較的離れているとする。この配置のとき、センサ41−5が走行している媒体の先端部を検知したとする。そうすると、図5に示すように、縦(列)の「センサ41−5」における横(行)方向の検知パターンは、2個の「センサ41−5」、「センサ41−4」が通帳を検知しており、「センサ41−5」、「センサ41−4」からON信号が通知されていることを示している。
媒体長検知部52は、センサ41−1〜41−8からの実際の検知情報の態様と、媒体長基準値情報231における通帳の長さを示す検知パターンとを比較して、異物が通帳から分離しているか否かを判断する。
操作表示制御部61は、制御部20の制御の下、操作表示部11に表示する表示画面の表示動作や入力動作等を制御するものである。つまり、操作表示制御部61は、制御部20からの画面情報に基づいて、操作表示部11に画面表示させたり、又操作表示部11から入力された情報を制御部20に与えたりするものである。
通帳駆動機構部62は、制御部20の制御の下、通帳入出口14から通帳を取り込んだり又は排出したりするものである。また、通帳駆動機構部62は、通帳入出口14から挿入された通帳の磁気ストライプやICチップ等に格納されている通帳情報を読み取り、その通帳情報を制御部20に与える。また、通帳駆動機構部62は、取引内容を通帳に書き込み排出する。
カード駆動機構部63は、制御部20の制御の下、カード入出口15からカードを取り込んだり又は排出したりするものである。また、カード駆動機構部63は、カード入出口15から挿入されたキャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等に格納されているカード情報を読み取り、そのカード情報を制御部21に与える。
紙幣駆動機構部64は、制御部20の制御の下、紙幣入出金口12のシャッタの開閉動作や、挿入された紙幣の吸入又は排出を行なう紙幣挿入排出機構や、紙幣を搬送する搬送機構等を制御するものである。
硬貨駆動機構部65は、制御部20の制御の下、硬貨入出金口13のシャッタの開閉動作や、投入された硬貨の取り込み又は排出を行なう硬貨投入排出機構や、硬貨を搬送する搬送機構等を制御する。
レシート印刷部66は、制御部20の制御の下、取引情報を媒体(明細票)に印字して、レシート排出口16にレシートを排出するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係るATM1における異物検知処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下では、ATM1内部に挿入される媒体が通帳であり、媒体処理装置21が通帳駆動機構部62である場合を例示する。
図6は、第1の実施形態に係るATM1における異物検知処理を示すフローチャートである。
ATM1において、顧客が操作表示部11で取引種別を選択すると、通帳挿入のガイダンス画面が操作表示部11に表示され(S101)、このガイダンス画面に従って、顧客が通帳を通帳入出口14に挿入する(S102)。通帳入出口14から挿入された通帳は、媒体処理装置21の搬送ローラ42a及び42bにより奥側に搬送される。このとき、例えば、顧客により挿入された通帳は異物を挟んだ状態で挿入されたものとする。
媒体処理装置21において、搬送路43に沿って設けられているセンサ41−1〜41−8は、搬送路43を通過する通帳を監視しており、通帳を検知するとON信号を制御部20に通知する。
制御部20では、異物検知部212のセンサ情報取得部51が、センサ41−1〜41−8からの検知情報を監視しており、センサ41−1〜41−8からの検知情報を取得すると(S103)、媒体長検知部52が、記憶部23に記憶されている媒体長基準値情報231を参照して(S104)、センサ41−1〜41−8からの検知情報の態様(すなわち、ON信号の個数)に基づいて媒体長を判断して、異物の有無を検知する(S105)。
このとき、媒体長検知部52は、センサ41−1〜41−8からの検知情報がOFF信号からON信号になったタイミングで、媒体長を判断する。すなわち、センサ41−1〜41−8から検知情報がON信号となったときをトリガーとして、媒体長基準値情報231を参照して、その時点でのセンサ41−1〜41−8からの検知情報の態様を確認して、走行している媒体の長さが通帳の長さであるか否かを判断する。
図7及び図8は、第1の実施形態に係る異物検知部212による異物検知を説明する説明図である。図7及び図8では、異物31が通帳30の間に挟まれた情報で、通帳30が挿入された場合を想定している。
図7は、通帳30が走行するにつれて、異物31が通帳30から分離していないときを示している。センサ41−4が走行する通帳の先端部を検知すると、センサ41−4はON信号を制御部20に通知する。制御部20の媒体長検知部52は、センサ41−4からON信号となったタイミングで、媒体長基準値情報231を参照して、媒体長を確認する。このとき、センサ41−1〜41−8から通知された「OFF、ON、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF」の検知情報と、媒体長基準値情報231の縦(列)の「センサ41−4」における横(行)方向の検知パターン「OFF、ON、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF」(図5参照)とを比較する。そうすると、センサ41−4を含め、走行方向の反対側に位置するセンサ41−3及び41−2からON信号が通知されており、ON信号の個数が3個であり、ON信号の個数は媒体長基準値と一致する。従って、媒体長検知部52は、走行している媒体が通帳であることを認識する。
上記のようにして、媒体処理装置21内の搬送路43の奥まで、通帳30が搬送され、全てのセンサ41−1〜41−8からON信号を取得するたびに異物検知を行ない、全てのセンサ41−1〜41−8について終了するまで、媒体長検知部52は異物検知処理を繰り返し行う(S106)。
そして、媒体処理装置21において通帳30から通帳情報が読み取られ(S107)、取引処理部211が所定の取引処理を行なう(S108)。
図8は、通帳30が走行するにつれて、異物31の一部が通帳30から分離しているときを示している。センサ41−4が走行する通帳の先端部を検知すると、センサ41−4はON信号を制御部20に通知する。制御部20の媒体長検知部52は、センサ41−4からON信号となったタイミングで、媒体長基準値情報231を参照して、媒体長を確認する。このとき、センサ41−1〜41−8から通知された「ON、ON、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF」の検知情報と、媒体長基準値情報231の縦(列)の「センサ41−4」における横(行)方向の検知パターン「OFF、ON、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF」(図5参照)とを比較する。そうすると、センサ41−4を含め、走行方向の反対側に位置するセンサ41−3及び41−2からON信号が通知されており、ON信号の個数が4個であり、ON信号の個数は媒体長基準値より多い。従って、媒体長検知部52は、通帳30と一緒に異物31が混入しており、走行している通帳30から異物31が分離しているものとする。
このようにして、媒体長検知部52が異物を検知すると(S109)、駆動機構制御部53は、挿入された媒体を排出するよう制御する(S110)。つまり、媒体処理装置21内を媒体が走行している段階で早期に異物を検知し、異物が原因とする障害が生じる前に、挿入された媒体を排出するようにする。その結果、異物が原因とする障害を回避できる。
また、制御部20では、出力制御部54が、通帳を排出しているとき又は通帳排出後に、例えば「通帳を正しく挿入してください。」等のガイダンスを含む表示画面を操作表示部11に表示したり、同様の内容のアナウンスをスピーカ17から出力したりする(S111)。なお、処理はS102に戻り、通帳が挿入されると、S102移行の処理が続行される。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、媒体処理装置の搬送路のセンサ監視により、異物を含む媒体の長さ検知を行ない、通帳挿入時に装置内で許容できる最大長を超えるものがあれば、異常媒体として、顧客へ返却する。これにより、ATMを休止させることが無くなるので、顧客操作性が向上する。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の自動取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、ATMに本発明を適用する場合を例示する。
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態は、異物が通帳の間に挟まれた状態で、通帳が挿入された場合に、異物が通帳から完全に分離したときの処理を例示する。
第2の実施形態のATM1の構成は、第1の実施形態と基本的には同様であるため、第2の実施形態においても第1の実施形態に係る図1〜図4を用いて説明する。
図9は、第2の実施形態に係るATM1における異物検知処理を示すフローチャートである。なお、図9において、第1の実施形態に係る図6に示す同一又は対応する処理には同一の符号を付している。
図9において、処理S101〜S106は、図6に示す処理と同様である。S105では、媒体長検知部52が、第1の実施形態と同様にして、媒体長基準値情報231を参照して、センサ41−1〜41−8からの検知情報の態様に基づいて異物検知を行なう。
S105において、センサ41−1〜41−8からON信号の個数が、媒体長基準値情報231における個数よりも多い場合、媒体長検知部52は、処理S200に移行する。
S200では、媒体長検知部52が、センサ41−1〜41−8からの検知情報のうち、ON信号が不連続であるか否かを判断する。これは、センサ41−1〜41−8からの検知情報のうちON信号が不連続である場合、異物が通帳から完全に分離した状態であることを判断するためである。
つまり、センサ41−1〜41−8からのON信号が連続のときには、媒体長検知部52は、異物が通帳から分離しているが、異物が完全に分離していない状態と判断し、処理はS109に移行し、第1の実施形態と同様の処理が行なわれる(S109〜S111)。
一方、センサ41−1〜41−8からのON信号が不連続のときには、媒体長検知部52は、異物が通帳から完全に分離した状態にあると判断し、処理はS201に移行する。
図10は、第2の実施形態に係る異物検知部212による異物検知を説明する説明図である。図10では、異物31が通帳30の間に挟まれた情報で、通帳30が挿入された場合を想定している。
図10は、通帳30が走行するにつれて、異物31が通帳30から完全に分離したときを示している。センサ41−5が走行する通帳の先端部を検知すると、センサ41−5はON信号を制御部20に通知する。制御部20の媒体長検知部52は、センサ41−5からON信号となったタイミングで、媒体長基準値情報231を参照して、媒体長を確認する。このとき、センサ41−1〜41−8から通知された「OFF、ON、OFF、ON、ON、OFF、OFF、OFF」の検知情報と、媒体長基準値情報231の縦(列)の「センサ41−5」における横(行)方向の検知パターン「OFF、OFF、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF」(図5参照)とを比較する。
そうすると、センサ41−5を含め走行方向の反対側に位置するセンサ41−4とセンサ41−2からON信号が通知されており、ON信号の個数が3個であり、ON信号の個数は媒体長基準値より多い。さらに、制御部20に通知されるON信号は、センサ41−5とセンサ41−4とセンサ41−2とから通知されており不連続である。
このような場合、図10に示すように、異物31が通帳30から完全に分離したときに、センサ41−1〜41−8が、走行する通帳30と、通帳30から分離した異物31とを検知する状態となる。従って、媒体長検知部52は、走行している通帳30から異物31が分離した状態であることを認識する。
このようにして、媒体長検知部52が、通帳から完全に分離した異物を検知すると(S201)、駆動機構制御部53は通帳の搬送を停止するように、制御部20はATM1における取引処理を休止する(S202)。これは、異物が通帳から完全に分離することにより、異物を原因とする障害が発生する可能性が高くなるためである。また、無理に通帳を排出することにより、異物により通帳が破損することを回避できる。つまり、異物による搬送路43に絡まってしまい事態が大きくなる前に、ATM1事態を休止する。
なお、ATM1が休止することにより、制御部20は、異物混入の旨を保守員等に通報するために、例えば保守員や警備員や行員等に、ATM1が休止した旨をアラーム警報するようにしても良い。
また、制御部20は、異物31の検知位置を通報するため、センサ41−1〜41−8からの検知情報に基づいて、媒体処理装置21の異物検知位置を含む情報を保守員等に通報するようにしても良い。これにより、保守員等による異物回収作業の際に、異物の位置が特定されるため、容易に異物を取り除くことができる。
また、制御部20では、ATM1が休止すると、出力制御部54が、例えば「通帳以外は入れないでください。」等のように異常が生じた旨を告げるガイダンスを含む表示画面を操作表示部11に表示したり、同様の内容のアナウンスをスピーカ17から出力したりする(S203)。
なお、第2の実施形態の変形実施形態として種々の形態を適用できる。
例えば、S201において、媒体長検知部52が、異物の完全分離を検知したときに、駆動機構制御部53は、搬送路43を走行している媒体の走行を停止させた後、媒体を排出するようにしても良い。このとき、駆動機構制御部53は、異物による障害が発生しないようにするため、例えば媒体排出の搬送速度を通常よりも遅くしたり又は逆に搬送速度を通常よりも速くしたりするなど、搬送速度を調整して媒体を排出するようにしても良い。
また例えば、異物が搬送路43に絡まないようにするため、媒体排出の搬送速度は可変としても良く、例えば通帳停止後、媒体排出の搬送速度を低速とし、所定時間経過後に搬送速度を高速としたり、逆に、通帳停止後、媒体排出の搬送速度を高速とし、所定時間経過後に搬送速度を低速としたりしても良い。
さらに、出力制御部54は、異物検知のときには、例えば異常が生じた旨の表示画面やアナウンスを行ない、その後、媒体排出を行ない、媒体排出が成功したときには、例えば「通帳を正しく挿入してください。」等の処理を進行させるガイダンスを含む表示画面やアナウンスを行なうようにしても良い。
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施例によれば、通帳走行中に、紙が分離してきたことを走行センサ監視にて検知した場合に装置を休止させることで、顧客の通帳、紙等の媒体を破損させることを無くすことが出来る。
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る自動取引装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第3の実施形態も、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、ATMに本発明を適用する場合を例示する。
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態は、通帳と一緒に異物を混入した顧客が、続けて取引を行なう際に、異物混入を抑止するために、顧客に注意喚起させるものである。
第3の実施形態のATM1の構成は、第1及び第2の実施形態と基本的には同様であるため、第3の実施形態においても第1の実施形態に係る図1〜図4を用いて説明する。
図11は、第3の実施形態に係るATM1の制御系の構成を示す構成図である。図11において、第3の実施形態に係るATM1は、制御部20A、記憶部23、操作表示制御部61、通帳駆動機構部62、カード駆動機構部63、紙幣駆動機構部64、硬貨駆動機構部65、レシート印刷部66、通信部22を有する。
第3の実施形態に係る制御部20Aは、図11に示すように、その機能部として、取引処理部211、異物検知処理部212Aを有する。また、異物検知処理部212Aは、第1及び第2の実施形態で説明した、センサ情報取得部51、媒体長検知部52、駆動機構制御部53、出力制御部54に加えて、顧客情報判断部55を有する。
記憶部23は、第1及び第2の実施形態で説明した各種データを記憶すると共に、媒体長検知部52により異物が検知された場合、その取引処理で得た顧客情報232を記憶部23に記憶するものである。顧客情報232は、通帳やカード等の磁気ストライプに格納されている顧客情報とすることができ、例えば、金融機関コード、支店コード、顧客氏名などを含む情報を用いることができる。
顧客情報判断部55は、異物検知後、次の取引の際に、記憶部23に記憶される顧客情報232を参照して、顧客情報の同一性を判断するものである。つまり、顧客情報判断部55は、顧客情報の一致を判断することで、異物が検知された取引の後に続けて取引処理を行なう顧客が、異物混入した顧客と同一か否かを判断する。
出力制御部54は、顧客情報判断部55により顧客情報が同一であると判断する場合、顧客に対して注意喚起をするために、通帳を正しく挿入する旨の表示画面を操作表示部11に表示したり、アナウンスをスピーカ17から出力したりするものである。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、第3の実施形態に係るATM1における処理の動作を説明する。
図12は、第3の実施形態に係るATM1における処理を示すフローチャートである。
まず、ATM1において、顧客が操作表示部11を操作して取引を開始する(S301)。この取引処理は既存の取引処理と同様であるため、図12では詳細な処理を示していないが、一般的に、取引が開始すると、制御部20の制御により、通帳の挿入を要請する前に、カード挿入を要請する画面が操作表示部11に表示され、顧客によりカードが挿入され、カード駆動機構部63によりカード情報が読み取られる。このとき、カード駆動機構部63により読み取られたカード情報は顧客情報232として記憶部23に記憶される。
その後、制御部20により通帳挿入の要請の画面が操作表示部11に表示され、通帳が挿入される。通帳挿入の際に、例えば異物が通帳の間に挟まれ状態で挿入されるなど、通帳と一緒に異物も挿入されたものとする。
このとき、第1及び第2の実施形態で説明した通り、媒体長検知部52が異物を検知する(S302)。そして、駆動機構制御部53が挿入された媒体を排出し、取引が終了する(S303)。
その後、当該ATM1において、顧客操作により次の取引が開始する(S305)。この取引処理において、制御部20の制御により、カード挿入を要請する画面が操作表示部11に表示されて、顧客によりカードが挿入され(S305)、カード駆動機構部63により、顧客情報としてのカード情報が読み取られる(S306)。
顧客情報判断部55は、異物検知がなされたときの取引処理(すなわち、今回の取引処理の直前の取引処理)で取得した顧客情報232が記憶部23に存在するか否かを確認する(S307)。顧客情報232がない場合、顧客情報の一致を判断できないため、処理をS310に移行する。一方、顧客情報232がある場合、顧客情報の一致を判断するため、処理をS308に移行する。
S308では、顧客情報判断部55が、今回の取引処理(異物検知がなされた後の次の取引処理)で取得したカード情報(顧客情報)と、記憶部23に記憶される顧客情報232とを比較して、顧客情報が一致するか否かを判断する。そして、顧客情報が一致しない場合、今回の取引処理を行なう顧客と、前回の取引処理(異物検知がなされた取引処理)を行なう顧客が異なる者と判断し、処理をS310に移行する。
一方、顧客情報が一致しない場合、今回の取引処理を行なう顧客と、前回の取引処理(異物検知がなされた取引処理)を行なう顧客が同一の者と判断し、処理をS309に移行する。
S309では、出力制御部54が、通帳挿入を要請する際に、顧客に異物混入を防止するために、正しく通帳を挿入することを顧客に注意喚起させる画面を操作表示部11に表示したり、その旨のアナウンスをスピーカ17から出力したりする(S309)。
例えば、出力制御部54は、通帳挿入を要請する画面を操作表示部11に表示する前に、例えば「通帳以外は入れないでください。」等のガイダンスを含む画面を表示するようにしても良いし、通帳挿入の要請画面の一部に、例えば「通帳を正しく入れてください。」等のガイダンスを含むものを表示するようにしても良い。また、出力制御部54は、通帳挿入の要請画面上に、注意喚起を促すポップアップ画面を出現させるようにしても良い。このポップアップ画面には、例えば、「確認(OK)」ボタン等を表示させ、「確認(OK)」ボタンの押下後に、通帳駆動機構部62の制御により、通帳入出口14が通帳挿入を許容するようにしても良い。
S310では、操作表示部11が通帳挿入のガイダンス画面を表示し(S310)、通帳駆動機構部62は挿入された通帳から通帳情報を読み取り(S311)、取引処理部211は、顧客により選択された取引種別の取引処理を行なう(S312)。これ以降の処理は、通常の取引処理が実施される。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、通帳を挿入する前に顧客への注意喚起を行うことができるので通帳以外の挿入を防止でき、挿入のやり直しや装置の休止を防止できる。
(D)他の実施形態
上述した各実施形態においても本発明の種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
(D−1)上述した各実施形態では、媒体処理装置が通帳駆動機構部62である場合を例示したが、媒体処理装置は、カード駆動機構部63、紙幣駆動機構部64等にも適用することができる。すなわち、搬送路に沿って複数のセンサが設けられており、これら複数のセンサによる媒体の検知情報を取得することができる媒体処理装置に本発明は広く適用できる。
(D−2)上述した各実施形態において、走行する媒体を検知するセンサの種類や配置態様は様々な種類や態様を用いることができる。例えば、センサ41は、搬送路43の平面上の中央部に配置されるようにしても良い。
しかし、図13に例示するように、搬送路43の平面上において搬送方向(例えば挿入方向)の垂直な方向に複数のセンサ41が配列されるようにしても良い。つまり、図13に示すように、搬送路43の左端部、中央部、右端部のそれぞれにセンサ41が配列される。
これにより、媒体としての通帳から分離する異物が、搬送路43上の左側へ分離したときや、右側へ分離したときにも、その異物を検知することができる。
この場合、異物検知部212は、センサ41の検知情報の態様に基づいて媒体長を判断するため、図13に示すように左端部の第1グループに属するセンサ群71、中央部の第2グループに属するセンサ群72、右端部の第3のグループに属するセンサ群73に区分し、グループ毎のセンサ群からの検知情報の態様に基づいて、媒体長を判断するようにしても良い。
また、図14に示すように、複数のセンサ群を有するセンサアレイを、搬送路43の平面上の搬送方向に垂直な方向に配置するようにしても良い。これにより、センサアレイが搬送路43上を搬送する媒体を検知することができるため、異物検知部が、センサアレイによる検知情報の態様に基づいて媒体長を判断することができる。
(D−3)上述した第2の実施形態では、通帳から異物が完全に分離したときに、異物を原因とする搬送路の障害を回避するために、通帳の排出を停止する場合を一例として示した。
しかし、図15に示すように、媒体処理装置の搬送路43が複数の搬送機構部91及び92を有する場合、異物だけを排出すため、異物が検知された搬送機構部91について、駆動機構制御部53は排出制御を行なうようにし、異物が検知されていない搬送機構部92について、駆動機構制御部53は停止制御や挿入制御を行なうようにしても良い。つまり、駆動機構制御部53が、異物が検知された搬送機構部と、そうでない搬送機構部とで異なる動作を制御するようにしても良い。
(D−4)上述した各実施形態では、制御部20が媒体処理装置における異物検知を行なう場合を例示した。しかし、制御部20が実行する処理の一部又は全部は、媒体処理装置に内蔵される制御部が実行するようにしても良い。すなわち、自動取引装置としてのATMの機能を司る制御部が、異物検知処理を行なうことに限定されるものではなく、ATMに搭載される各構成要素(例えば媒体処理装置)の制御部が、異物検知処理を実行するようにしても良い。具体的には、媒体処理装置に内蔵される制御部が、上述した第1及び第2の実施形態のセンサ情報取得部、媒体長検知部、駆動機構制御部を備え、異物混入を検知し、その旨をATMの全体機能を司る制御部に通知するようにしても良い。