JP3796345B2

JP3796345B2 - ロッド輸送用コンテナ

Info

Publication number: JP3796345B2
Application number: JP05743698A
Authority: JP
Inventors: 信雄田中; 勝栄横田; 宏中津井
Original assignee: ゼオン化成株式会社
Priority date: 1998-02-23
Filing date: 1998-02-23
Publication date: 2006-07-12
Anticipated expiration: 2018-02-23
Also published as: US6098803A; JPH11236045A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外径が異なるロッドでも輸送可能なロッド輸送用コンテナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
たとえばシリコン単結晶棒などのロッドを輸送するコンテナとして、従来では、段ボール紙などの厚紙で形成した仕切り壁付きトレーにロッドを載せ、そのトレーを段ボール紙製コンテナの内部に積み重ねて輸送するコンテナが知られている。また、そのコンテナ内部には、ロッドが移動しないように、各種の緩衝材が充填される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のコンテナでは、ロッドが収容されたコンテナの納入先において、コンテナからロッドを取り出した後のコンテナおよびトレーを構成する段ボールや緩衝材が、全て産業廃棄物となり、環境対策上大きな問題である。
【０００４】
また、外径が異なるロッドをコンテナで輸送しようとする場合には、ロッドの外径毎に、複数種類のトレーを準備しておく必要があり、その製造コストも多大なものであった。
【０００５】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、繰り返して使用することが可能であり、しかも異なる外径のロッドでも、同じコンテナにより輸送することができるロッド輸送用コンテナを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るロッド輸送用コンテナは、コンテナの側板のうち、相互に向かい合う側板の内壁面にそれぞれ形成された第１スライド溝に両端部がスライド自在に挿入される第１仕切板であって、コンテナ内に収容されるロッドの外周下部を保持する一段目下部保持溝が形成してある第１仕切板と、
前記各側板の内壁面にそれぞれ形成された第１スライド溝の隣に略平行に形成してある第２スライド溝に両端部がスライド自在に挿入される第２仕切板であって、コンテナ内に収容されるロッドの外周上部を保持する一段目上部保持溝が形成してある第２仕切板とを少なくとも有する。
【０００７】
前記一段目下部保持溝の形状が、コンテナの内部に収容される最小外径のロッドの外周下部に少なくとも二点で内接する形状に設計してあることが好ましい。このような一段目下部保持溝の形状としては、逆三角形または逆台形であることが好ましい。
【０００８】
前記一段目上部保持溝の形状が、コンテナの内部に収容される最大外径のロッドの外周上部に少なくとも二点で内接する形状に設計してあることが好ましい。このような一段目上部保持溝の形状としては、三角形または台形であることが好ましい。
【０００９】
前記第１仕切板の上端には、複数の一段目下部保持溝が、第１仕切板の長手方向に沿って形成してあり、前記第２仕切板の下端には、複数の一段目上部保持溝が前記一段目下部保持溝に対応して、第２仕切板の長手方向に沿って形成してあることが好ましい。
【００１０】
前記第２仕切板の上端には、前記一段目下部保持溝と同様な形状の二段目下部保持溝が形成してあることが好ましい。
【００１１】
前記第２仕切板の上端に形成された二段目下部保持溝には、二段目のロッドの外周下部が保持されることが好ましい。二段目のロッドの外周上部は、前記第１仕切板の上方に位置する第１スライド溝に両端部が挿入される第３仕切板の下端に形成してある二段目上部保持溝により保持されることが好ましい。二段目上部保持溝の形状は、前記一段目上部保持溝の形状と同じであることが好ましい。
【００１２】
前記第３仕切板の上端には、前記一段目下部保持溝と同様な形状の三段目下部保持溝が形成してあることが好ましい。
【００１３】
前記第３仕切板の上端に形成された三段目下部保持溝には、三段目のロッドの外周下部が保持されることが好ましい。三段目のロッドの外周上部は、前記第２仕切板の上方に位置する第２スライド溝に両端部が挿入される第４仕切板の下端に形成してある三段目上部保持溝により保持されることが好ましい。三段目上部保持溝の形状は、前記一段目上部保持溝の形状と同じであることが好ましい。
【００１４】
前記コンテナ内に前記複数の仕切板によりロッドが多段に配置される場合において、各ロッドの外周部の上下に接触する仕切板は、相互に別々のスライド溝に挿入され、各ロッドは、ロッドの長手方向に沿って互い違いに位置する仕切板により保持してあることが好ましい。
【００１５】
前記仕切板は、緩衝材で構成してあることが好ましい。
【００１６】
前記コンテナ内に前記複数の仕切板によりロッドが多段に配置される場合において、最も上部に位置する仕切板を、前記コンテナの対向する内側壁面に形成された第１スライド溝および／または第２スライド溝内に着脱自在に固定するストッパ部材を、前記コンテナがさらに有することが好ましい。
【００１７】
前記第１スライド溝および／または第２スライド溝の上方位置には、前記ストッパ部材が着脱自在に嵌合する固定用孔が、コンテナの内部に収容されるロッドの外径に応じた複数位置に形成してあることが好ましい。
【００１８】
前記第１スライド溝と第２スライド溝の対は、前記コンテナの対向する内側壁面に取り付けられた案内金具に形成してあることが好ましい。
【００１９】
前記第１スライド溝と第２スライド溝の対は、前記コンテナの対向する内側壁面の長手方向に沿って所定間隔で複数形成してあり、各スライド溝に前記仕切板がスライド自在に挿入され、各ロッドは、ロッドの長手方向に沿って互い違いに位置する仕切板により保持されるようになっていることが好ましい。
【００２０】
前記コンテナの底部は、フォークリフトにより持ち上げることが可能なパレットで構成してあることが好ましい。
【００２１】
前記コンテナの側板が、前記パレット上で折り畳み自在および／または分解自在であることが好ましい。
【００２２】
【作用】
本発明に係るロッド輸送用コンテナでは、コンテナの納入先で、コンテナからロッドを取り出した後のコンテナおよび仕切板は、輸送元へ送り返され、再使用される。したがって、廃棄処分となる部分がなくなり、あるいは最小限にすることができ、環境対策上好ましい。
【００２３】
特に、コンテナの側板をパレット上で折り畳み自在および／または分解自在に構成することで、コンテナの嵩を小さくして輸送元へ送り返すことができるので、輸送コストの低減を図ることができる。
【００２４】
また、本発明に係るロッド輸送用コンテナでは、コンテナ内に収容される各ロッドは、ロッドの長手方向に沿って互い違いに位置する仕切板により保持される。このため、異なる外径のロッドがコンテナ内に収容される場合でも、仕切板相互の相対位置をずらすのみで、各ロッドの外周を上下から挟み込んで保持することができ、コンテナ内でロッドが移動することを有効に防止することができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【００２６】
図１は本発明の１実施形態に係るコンテナの分解斜視図、図２は図１に示すコンテの側板をパレットに取り付けるための構造を示す分解斜視図、図３は図１に示すコンテナの側板の内壁面に取り付けられる金具とストッパ部材との関係を示す要部斜視図、図４は図３に示すIV−IV線に沿う要部断面図、図５（Ａ），（Ｂ）は各仕切板に形成された下部保持溝と上部保持溝の形状を説明する概略図、図６はコンテナ内に収容される比較的大径のロッドと仕切板との関係を示す側面図、図７は図６に示すVII−VII線に沿う要部断面図、図８はコンテナ内に収容される比較的小径のロッドと仕切板との関係を示す側面図、図９は図８に示すIX−IX線に沿う要部断面図である。
【００２７】
図１に示すように、本実施形態に係るロッド輸送用コンテナ２は、図６〜８に示す半導体単結晶ロッドなどのロッド４ａ，４ｂを収容して輸送するためのコンテナであって、底部にパレット８を有する。本実施形態のパレット８には、フォークリフトの爪部が差し込まれるリフト用孔１０が形成してある。パレット８は、たとえばステンレスなどの金属で構成してあることが好ましいが、金属以外のプラスチックや木製などの材質で構成することも可能である。
【００２８】
パレット８の上には、合板などで構成してある底板１２が載置される。また、このパレット８の四辺位置には、相互に略平行に向き合う一対の第１側板１４，１４と、これら第１側板１４，１４の両側端部を連結するように、しかも相互に略平行に向き合う一対の第２側板１６，１６とが着脱自在に装着される。本実施形態では、第１側板１４，１４は、パレット８の上で、ロッド４ａ，４ｂの長手方向Ｘに対して略平行となるように立設される。また、第２側板１６，１６は、パレット８の上で、ロッド４ａ，４ｂの長手方向Ｘに対して略直角方向Ｙとなるように立設される。本実施形態では、第１側板１４，１４の幅が、第２側板１６，１６の幅よりも広くしてある。
【００２９】
パレット８の上で、第１側板１４，１４および第２側板１６，１６で囲まれた空間が、ロッド４ａ，４ｂを収容するための内部空間１８となる。これら側板で囲まれた空間１８を閉じるために、側板１４，１４，１６，１６の上端には、矩形の蓋２０が着脱自在に装着される。
【００３０】
本実施形態では、各第１側板１４および第２側板１６は、それぞれ一枚のパネルで構成してあり、下述するような構造を採用することにより、パレット８に対して折り畳み自在となっている。なお、これらのパネルは、本実施形態では、木製合板などで構成してある。
【００３１】
本実施形態では、図２に示すように、パレット８の上の四隅位置には、下金具２４が立設してある。各下金具２４の内側には、断面略Ｌ字形状の係止片２６が固定してあり、上下方向に延びる垂直溝２８と、その溝２８の下端部に連続するように水平方向に延びる水平溝３０とを形成するようになっている。
【００３２】
一方、第１側板１４の両側端部には、高さ方向に沿って金属製の側端金枠３２が装着してある。各側端金枠３２は、側板１４を補強する作用を有する。また、各側端金枠３２には、図１に示す第２側板１６の両端部がそれぞれスライド式に差し込まれるためのスライド溝３４が形成してある。また、この側端金枠３２の下端部に、回動用突起４２が具備してある。
【００３３】
各回動用突起４２は、図２に示すように、下金具２４の垂直溝２８に沿って挿入され、その溝２８の下端部で、水平方向に移動させることで（図２中矢印Ａ）、回動用突起４２は係止片２６により上方への抜け止めがなされる。したがって、各第１側板１４は、パレット８に対して上方への抜け止めがなされ、その状態で、側板１４は、コンテナ２の内側方向Ｂへの回動が許容される。側板１４のコンテナ外側への回動は、側板１４が、パレット８の上に固定された下金具２４、係止片２６および帯状金具４４に当接することにより制限される。また、図１に示す第２側板１６の両側上端部に装着してある回動自在な取付金具４６が、第１側板１４の両側上端部に着脱自在に係合することにより、側板１４のコンテナ外側への回動は、完全に防止される。
【００３４】
本実施形態では、上述した構造を採用することにより、第１側板１４および第２側板１６が、パレット８に対して折り畳み自在および／または着脱自在に装着される。
【００３５】
本実施形態では、上述したように、各第２側板１６の両端部は、第１側板１４のスライド溝３４にスライド式に差し込まれるようになっている。したがって、第２側板１６は、パレット８の上で、当該パレット８および第１側板１４に対して着脱自在に組み立て可能である。
【００３６】
本実施形態では、第１側板１４および第２側板１６を構成する各パネルは、木製合板で構成してあるが、これらの厚みは、好ましくは５〜１５ｍｍ程度、さらに好ましくは８〜１０ｍｍ程度である。また、これら側板１４および１６を構成するパネルの縁部には、補強用に金枠が装着してあることが好ましい。また、パネルの両面には、塩化ビニルシートなどの樹脂シートが貼り付けてあることが好ましい。
【００３７】
本実施形態では、図１に示すように、第１側板１４，１４の各内壁面に、その長手方向Ｘに沿って所定間隔で、案内金具５０が装着してある。各側板１４，１４の内壁面に対する案内金具５０の取付位置は、それぞれ同じ位置である。これら案内金具５０は、本実施形態では、各側板１４の長手方向Ｘの三カ所に、鉛直方向Ｚに延びるように装着してある。
【００３８】
各案内金具５０は、図３および図４に示すように、ボルト、リベットまたはビスなどの締結具５２により、各側板１４の内壁面に装着してある。各案内金具５０には、第１スライド溝５４と第２スライド溝５６とが、Ｘ方向に隣接して相互に略平行にＺ方向に延びるように形成してある。このような金具５０は、一枚の鋼板を曲折して形成しても良いが、複数枚の鋼板を組み合わせて形成しても良い。各金具５０のＺ方向高さは、側板１４の内壁面の高さと略同一である。
【００３９】
第１スライド溝５４には、図１および図６〜８に示す第１仕切板５８および第３仕切板６２の端部が挿入され、第２スライド溝５６には、第２仕切板６０および第４仕切板６４の端部が挿入され、鉛直方向Ｚに沿ってスライド移動可能になっている。したがって、各金具５０に形成された一対のスライド溝５４，５６の各幅ｂ１（図３参照）は、仕切板５８，６０，６２，６４の厚みｔ（図６および８参照）よりも広い幅を有し、具体的には、仕切板の厚みｔの１０５〜１１０％程度であることが好ましい。なお、仕切板５８，６０，６２，６４の厚みｔ（図６および８参照）としては、特に限定されないが、５０〜１００ｍｍ程度が好ましい。
【００４０】
また、図３に示す第１スライド溝５４と第２スライド溝５６との隣接幅ｂ２は、各溝幅ｂ１の５〜２０％程度であることが好ましい。また、各スライド溝５４および５６の溝深さｄは、特に限定されないが、好ましくは２０〜３０ｍｍ、さらに好ましくは２３〜２５ｍｍである。この溝深さｄが、あまりに浅いと、仕切板５８，６０，６２，６４の端部の保持が不完全になる傾向にあり、あまりに深いと、コンテナ内部の容積を狭め、収容効率が悪くなる傾向にある。
【００４１】
図３に示す第１スライド溝５４に、図１および図６〜８に示す第１仕切板５８および第３仕切板６２の端部が挿入され、図３に示す第２スライド溝５６には、図１および図６〜８に示す第２仕切板６０および第４仕切板６４の端部が挿入される結果、第１仕切板５８および第３仕切板６２と、第２仕切板６０および第４仕切板６４とは、Ｘ方向に位置ずれして配置される。これら仕切板５８，６０，６２，６４は、図６〜９に示すシリコン単結晶などのロッド４ａ，４ｂの外周に接触し、ポリプロピレン（ＰＰ）発泡体、ポリエチレン（ＰＥ）発泡体、弾性ゴム、木材などの緩衝部材（または弾性部材）で構成してある。
【００４２】
図１，７および９に示すように、第１仕切板５８は、図３に示す第１スライド溝５４に沿って一番下に配置される。この第１仕切板５８の底部は、平坦面になっており、その底部には、緩衝パッド５９が接着してある。緩衝パッド５９は、図１に示す底板１２に接触し、ロッド４ａ，４ｂの保持の緩衝機能を有することから、ＰＰ発泡体、ＰＥ発泡体、木材などで構成してある。
【００４３】
図１，７，９に示すように、第１仕切板５８の上端部には、その長手方向Ｙに沿って、一段目の上部保持溝８０が、所定間隔で形成してある。図面に示す実施形態では、仕切板５８の長手方向Ｙに沿って、複数の保持溝８０が形成してある。各保持溝８０は、図５（Ａ）に示すように、少なくとも二つの傾斜面８０ａ，８０ａを有する逆台形形状であり、コンテナ２の内部に収容されるべき最小外径のロッド４ｂの外周下部に両傾斜面８０ａが内接する逆台形形状である。本実施形態では、ロッド４ｂの外周下部が両傾斜面８０ａに内接し、且つ溝８０の底にも内接することから、ロッド４ｂは、溝８０に対して三点で内接している。なお、溝８０は、傾斜面８０ａ，８０ａを有する逆三角形でも良いが、その場合には、溝８０の深さが深くなり、仕切板５８の幅を広くする必要がある。
【００４４】
コンテナ２の内部に収容されるべき最小外径のロッド４ｂの外周下部が各保持溝８０の傾斜面８０ａに内接する逆台形形状であれば、最小外径のロッド４ｂが保持溝８０の内部に保持された状態で、このロッド４ｂの横方向Ｙの転がりを防止することができる。また、図５（Ａ）の二点鎖線に示すように、コンテナ２の内部に収容されるべき最大外径のロッド４ａが、保持溝８０の内部に保持された状態であっても、両傾斜面８０ａに接触することから、このロッド４ａが横方向Ｙに転がることはない。
【００４５】
両傾斜面８０ａの傾斜角度θは、コンテナ２の内部に収容されるべきロッドの外径範囲などに応じて決定され、外径の異なる全てのロッドが保持溝８０内で転がらないように決定され、好ましくは４０〜５０度である。
【００４６】
このように構成された保持溝８０は、第２仕切板６０および第３仕切板６２の上端部にも、第１仕切板５８の上端部と同様に形成してある。
【００４７】
図１，７，９に示すように、第２仕切板６０の下端部には、その長手方向Ｙに沿って、一段目下部保持溝８２が、所定間隔で形成してある。図面に示す実施形態では、仕切板６０の長手方向Ｙに沿って、複数の保持溝８２が形成してある。各保持溝８２は、図５（Ｂ）に示すように、少なくとも二つの傾斜面８２ａ，８２ａを有する台形形状であり、コンテナ２の内部に収容されるべき最大外径のロッド４ａの外周上部に両傾斜面８２ａが内接する逆台形形状である。本実施形態では、ロッド４ａの外周上部が両傾斜面８２ａに内接し、且つ溝８２の上辺にも内接することから、ロッド４ａは、溝８２に対して三点で内接している。なお、溝８２は、傾斜面８２ａ，８２ａを有する逆三角形でも良いが、その場合には、溝８２の深さが深くなり、仕切板６０の幅を広くする必要がある。
【００４８】
コンテナ２の内部に収容されるべき最大外径のロッド４ａの外周上部が各保持溝８２の傾斜面８２ａに内接する台形形状であれば、最大外径のロッド４ａが保持溝８２の内部に上から保持された状態で、このロッド４ａの横方向Ｙの転がりを防止することができる。また、図５（Ｂ）の二点鎖線に示すように、コンテナ２の内部に収容されるべき最小外径のロッド４ｂが、上から保持溝８２の内部に保持された状態では、両傾斜面８２ａに接触しないこともある。しかし、図５（Ａ）に示すように、最小外径のロッド４ｂの外周下部は、下部保持溝８０により保持してあることから、このロッド４ｂが横方向Ｙに転がることはない。
【００４９】
保持溝８２における両傾斜面８２ａの傾斜角度θは、保持溝８０における両傾斜面８０ａの傾斜角度θに略同じである。
【００５０】
このように構成された保持溝８２は、第３仕切板６２および第４仕切板６４の下端部にも、第２仕切板６０の下端部と同様に形成してある。
【００５１】
図３，７および９に示すように、第４仕切板６４の上部は、平坦面になっており、その上には、細長い平板状のスペーサ６６が置かれ、その上に、細長い平板状のストッパ部材６８が配置される。スペーサ６６は、たとえば段ボール紙、発泡シート、合板、樹脂板などにより構成してあり、仕切板５８，６０，６２，６４の積み上げ高さを調節するようになっている。ストッパ部材６８の長手方向Ｙの両端部には、固定用金具７０がそれぞれ装着してあり、図３に示すように、調節部７４を調節することにより、ストッパ用ピン７２が部材６８の両端部から突出し、第２スライド溝５６の上部に形成してある一つの固定用孔７６に嵌合するようになっている。第２スライド溝５６の上部には、複数の固定用孔７６が鉛直方向Ｚに沿って形成してある。
【００５２】
これら固定用孔７６の形成位置およびピッチは、コンテナ２の内部に収容されるべきロッドの外径の種類などに応じて決定される。たとえば、図６および７に示すように、最大外径のロッド４ａがコンテナ２の内部に収容される場合には、図３に示す第２スライド溝５６の最上部の固定用孔７６に対して、固定用ピン７２が嵌合するようになっている。また、図８および９に示すように、最小外径のロッド４ｂがコンテナ２の内部に収容される場合には、図３に示す第２スライド溝５６の最下部の固定用孔７６に対して、固定用ピン７２が嵌合するようになっている。そして、それらの中間の外径のロッドがコンテナ２の内部に収容される場合には、図３に示す第２スライド溝５６の内の中間位置に位置するいずれかの固定用孔７６に対して、固定用ピン７２が嵌合するようになっている。このように固定用ピン７２が固定用孔７６の一つに固定されることで、図６および７に示す最大外径のロッド４ａでも、図８および９に示す最小外径のロッド４ｂでも、互い違いに配置された仕切板５８，６０，６２，６４の保持溝８０，８２間で良好に保持される。
【００５３】
図６〜９に示すように、一段目のロッド４ａまたは４ｂは、互い違いに配置された仕切板５８，６０の保持溝８０，８２間で挟まれ、二段目のロッド４ａまたは４ｂは、互い違いに配置された仕切板６０，６２の保持溝８０，８２間で挟まれ、三段目のロッド４ａまたは４ｂは、互い違いに配置された仕切板６２，６４の保持溝８０，８２間で挟まれる。これらロッド４ａまたは４ｂは、保持溝８０，８２間で挟まれ、最上部の仕切り板６４の上に位置するストッパ部材６８が図３に示す第２スライド溝５６に対して固定されることで、これらロッド４ａまたは４ｂは、鉛直方向Ｚにがたつくこともない。また、これらロッド４ａまたは４ｂは、保持溝８０，８２間で挟まれることから、横方向Ｙにがたついたりすることもない。
【００５４】
なお、これらロッド４ａまたは４ｂの長手方向Ｘのがたつきは、図１に示す第２側板１６，１６の内側に緩衝パッドまたは緩衝部材を挿入することで防止することができる。これらロッド４ａまたは４ｂの長さが、図１に示す三列の仕切板の組の内の二つの組の仕切板間を跨ぐ程度の長さしかない場合には、ロッド４ａまたは４ｂの長手方向Ｘのがたつきを防止するために、他の一つの組の仕切板とロッド４ａまたは４ｂの端部との間に、緩衝パッドまたは緩衝部材を挿入しても良い。緩衝パッドまたは緩衝部材としては、図３に示すスペーサ６６と同様な材質のものが用いられる。
【００５５】
本実施形態に係るロッド輸送用コンテナ２では、コンテナ２の納入先で、コンテナ２からロッド４ａまたは４ｂを取り出した後のコンテナ２および仕切板５８，６０，６２，６４は、輸送元へ送り返され、再使用される。したがって、廃棄処分となる部分がなくなり、あるいは最小限にすることができ、環境対策上好ましい。
【００５６】
また、コンテナ２の側板１４，１６をパレット上で分解して折り畳むことにより、コンテナ２の嵩を小さくして輸送元へ送り返すことができるので、輸送コストの低減を図ることができる。
【００５７】
また、本実施形態に係るロッド輸送用コンテナ２では、コンテナ２内に収容される各ロッド４ａまたは４ｂは、ロッドの長手方向に沿って互い違いに位置する仕切板５８，６０，６２，６４により保持される。このため、異なる外径のロッド４ａまたは４ｂが同じコンテナ２内に収容される場合でも、仕切板５８，６０，６２，６４相互の相対位置を鉛直方向Ｚにずらすのみで、各ロッド４ａまたは４ｂの外周を上下から挟み込んで保持することができ、コンテナ２内でロッド４ａまたは４ｂが移動することを有効に防止することができる。
【００５８】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【００５９】
たとえば、上述した実施形態では、図１に示すように、第１側板１４の長手方向Ｘに沿って三列の仕切り板の組をコンテナ２の内部に配置してあるが、それ以上の列数で仕切り板の組をコンテナ２の内部に配置しても良い。また、各列の仕切板の組では、下から第１〜第４の仕切り板５８，６０，６２，６４を互い違いに配置してあるが、３つ以下または５つ以上の仕切り板を互い違いに配置しても良い。さらに、各仕切り板５８，６０，６２，６４の長手方向Ｙに沿って形成される保持溝８０または８２の数も、特に限定されない。
【００６０】
さらにまた、コンテナ２の内部に収容されるロッドとしては、シリコン単結晶ロッドに限らず、その他のロッドであっても良い。
【００６１】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係るロッド輸送用コンテナによれば、コンテナの納入先で、コンテナからロッドを取り出した後のコンテナおよび仕切板は、輸送元へ送り返され、再使用される。したがって、廃棄処分となる部分がなくなり、あるいは最小限にすることができ、環境対策上好ましい。
【００６２】
特に、コンテナの側板をパレット上で折り畳み自在および／または分解自在に構成することで、コンテナの嵩を小さくして輸送元へ送り返すことができるので、輸送コストの低減を図ることができる。
【００６３】
また、本発明に係るロッド輸送用コンテナによれば、異なる外径のロッドがコンテナ内に収容される場合でも、仕切板相互の相対位置をずらすのみで、各ロッドの外周を上下から挟み込んで保持することができ、コンテナ内でロッドが移動することを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の１実施形態に係るコンテナの分解斜視図である。
【図２】図２は図１に示すコンテの側板をパレットに取り付けるための構造を示す分解斜視図である。
【図３】図３は図１に示すコンテナの側板の内壁面に取り付けられる金具とストッパ部材との関係を示す要部斜視図である。
【図４】図４は図３に示すIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図５】図５（Ａ），（Ｂ）は各仕切板に形成された下部保持溝と上部保持溝の形状を説明する概略図である。
【図６】図６はコンテナ内に収容される比較的大径のロッドと仕切板との関係を示す側面図である。
【図７】図７は図６に示すVII−VII線に沿う要部断面図である。
【図８】図８はコンテナ内に収容される比較的小径のロッドと仕切板との関係を示す側面図である。
【図９】図９は図８に示すIX−IX線に沿う要部断面図である。
【符号の説明】
２… ロッド輸送用コンテナ
４ａ，４ｂ… ロッド
８… パレット
１２… 底板
１４… 第１側板
１６… 第２側板
２０… 蓋
５０… 案内金具
５４… 第１スライド溝
５６… 第２スライド溝
５８… 第１仕切板
６０… 第２仕切板
６２… 第３仕切板
６４… 第４仕切板
６６… スペーサ
６８… ストッパ部材
８０… 下部保持溝
８２… 上部保持溝

Claims

コンテナの側板のうち、相互に向かい合う側板の内壁面にそれぞれ形成された第１スライド溝に両端部がスライド自在に挿入される第１仕切板であって、コンテナ内に収容されるロッドの外周下部を保持する一段目下部保持溝が形成してある第１仕切板と、
前記各側板の内壁面にそれぞれ形成された第１スライド溝の隣に略平行に形成してある第２スライド溝に両端部がスライド自在に挿入される第２仕切板であって、コンテナ内に収容されるロッドの外周上部を保持する一段目上部保持溝が形成してある第２仕切板とを少なくとも有し、
前記一段目下部保持溝の形状が、コンテナの内部に収容される最小外径のロッドの外周下部に少なくとも二点で内接する逆台形であり、
各ロッドの外周部の上下に接触する前記仕切板は、相互に別々のスライド溝に挿入され、各ロッドは、ロッドの長手方向に沿って互い違いに位置する仕切板により保持してあり、
最も上部に位置する仕切板を、前記コンテナの対向する内側壁面に形成された第１スライド溝および／または第２スライド溝内に着脱自在に固定するストッパ部材を、さらに有し、
前記第１スライド溝および／または第２スライド溝の上方位置には、前記ストッパ部材が着脱自在に嵌合する固定用孔が、コンテナの内部に収容されるロッドの外径に応じた複数位置に形成してあることを特徴とする
ロッド輸送用コンテナ。
前記第２仕切板の上端には、前記一段目下部保持溝と同様な形状の二段目下部保持溝が形成してあり、
前記第２仕切板の上端に形成された二段目下部保持溝には、二段目のロッドの外周下部が保持され、二段目のロッドの外周上部は、前記第１仕切板の上方に位置する第１スライド溝に両端部が挿入される第３仕切板の下端に形成してある二段目上部保持溝により保持される請求項１に記載のロッド輸送用コンテナ。
前記一段目下部保持溝における傾斜面の傾斜角度が４０〜５０度である請求項１または２に記載のロッド輸送用コンテナ。