JP3795760B2 - 楽器スタンド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボディとネックとを有する楽器特にギターまたはベースギター用の楽器スタンドであって、該楽器スタンドが枠状のフレームと、該フレームに配置された長細い2つの支持部材とを有しており、該支持部材が互いに平行に延びていて、楽器のボディのための支持部として働くようになっており、さらに前記枠状のフレームに、楽器のネックを当接させるための当接面を有する当接部材が配置されている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような形式の楽器スタンド、特にギタースタンドまたはベースギタースタンドはすでに市場において購入可能である。この公知のスタンドでは楽器ボディ用の平行な支持部材はたいてい楽器ネック用の当接部材の有効な当接面に対して垂直に延びている。このようなギターケースは数多くの使用用途において実践的ではない。さらにこのような形式の多重スタンドは多くの構造的な手間と、複数の楽器を載置するための所要スペースを必要とする。また従来のモデルではスタンドに楽器を載置することは、正確さと集中力とを必要とする。しかしあわただしいコンサート時には正確に設置することが常にできるわけではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、構造的に簡単に製造することができかつ操作の点でも著しい利点を有する選択的なギタースタンドを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、当接部材が、2つの支持部材に対してほぼ平行に延在するように配置されており、枠状のフレームに、または長細い支持部材の領域に、支持部材に平行な旋回軸を中心にして少なくとも外側の支持部材を当接部材に対して旋回させることを可能にするヒンジ装置が配置されているようにした。
【0005】
別の有利な構成は、従属請求項に記載した。
【0006】
【発明の効果】
本発明の中心思想は楽器のネック用の当接部材が有効な当接面で、楽器のボディ用の、2つの長細い支持部材に対してほぼ平行に延在するように配置されていることにある。ギターまたはベースギターが間隔をおいた支持部材上に位置決めされている。ギターの主要平面は、支持部材に対しても当接部材の規定された当接面または当接線に対しても垂直に延在している。これらのギターは本発明のスタンドにおいてほぼ楽器の主要平面方向でスタンドに載置されるか、もしくはスタンドから取り出される。この場合同時にギターの主要平面に対して垂直な軸線を中心にした旋回運動が行われる。従来のギタースタンドはこれとは反対にギターをその主要平面に延在する軸線を中心にして旋回させる。
【0007】
有利な実施例では本発明によって新たな多重スタンドが得られる。この構成では長細い支持部材は、複数の楽器が互いに間隔をおいて、長細い支持部材に沿って載置可能であるように寸法設計されている。ギターまたはベースギターの場合にはこれらの楽器は相前後して並べられ、これにより特にスペース的に節約されると同時に美的に好印象を与える位置可能性が提供される。前述した発明の特別な構成によれば、長細い支持部材は連続して形成されており、結果として支持部材は複数のギターを少なくとも部分的に支持する。しかし複数の楽器が整列して、場合によっては簡単に置き換えて載置可能である限り、支持部材は複数の部分区分に分割することもできる。
【0008】
本発明の特に有利な構成によれば当接部材の当接面または当接線は支持部材の投影平面図で見て、両長細い支持部材の外側に位置している。スタンドは支持部材の平面がほぼ水平方向に延在するように配置されると、前述したような配置によって、楽器が垂直線に対して規定された傾斜で当接面に立てかけられることが保証される。旋回力に基づき安定的な位置が保証されている。ギターまたはベースが傾けられて位置決めすることによってさらに特に美的効果が得られる。
【0009】
別の有利な実施例において長細い支持部材は端部側で側方区分を介して互いに結合されている。これにより互いに平行に延在する支持部材のための閉鎖された形が得られる。これらの側方区分はスタンドの所定の側方被覆部を提供し、側方区分で支えられる楽器を保護する。
【0010】
本発明による別の実施例によれば支持部材は、楽器が単に上方から支持部材上に載置されているだけでなく、支持部材間の領域に幾分侵入するように互いに間隔をおいて配置されている。これにより楽器はさらに安定化される長細い支持部材間の間隔はギターまたはベース用に使用した場合8〜40cm、有利には約20〜30cmである。
【0011】
また、本発明によれば、枠状のフレームまたは長細い支持部材の領域にヒンジ装置が配置されており、このヒンジ装置は少なくとも外側の支持部材を当接部材に対して、支持部材に平行な旋回軸を中心にして旋回させるようになっている。これにより搬送に必要なスペースを減少させることができる。同時に製造側および販売側の保管料が節約される。
【0012】
具体的な実施例では長細い当接部材に分割装置が配置されており、該分割装置が、複数の楽器のために設けられた当接部材を複数の区分に分割するようになっている。これにより使用者にとって楽器の間隔が著しく分かり易くなっている。
【0013】
具体的な実施例では枠状のフレームが、設置した状態で鉛直線に対して傾いて延在している支持フレームを有しており、これらの支持フレームに一方では単数または複数の長細い当接部材が係合しており、他方では脚部部材または壁固定装置が係合している。楽器用のこれらのスタンドは原理的には底面に置くためのスタンドとして考えられている。しかし一部変更することでこれらのスタンドは壁固定するためにも適するようになる。この場合必要とあらばギターまたはベースでは壁部からの最適な間隔を考慮しなければならない。
【0014】
安定的しかも製造が著しく簡単な特に有利な実施例では、枠状のフレームおよび/または長細い支持部材および/または当接部材が横断面で見て円形の管から形成されている。
【0015】
楽器を保護するためにかつ/または側方へのずれに対して楽器を良好に固定するために、長細い支持部材および/または長細い当接部材に少なくとも部分的に、比較的高い静摩擦係数を有する発泡性材料から成るプラスチック被覆部が設けられている。さらに側方へのずれを、相応に形成した分割装置によっても制限もしくは防止することができる。
【0016】
本発明の独立した実施例では、2つの支持部材が強化部として枠状のフレームを強化するように構成されている。したがってこれらの支持部材は2重の機能をみたす。一方ではこれらの支持部材が楽器のボディ用の支持部として働く。他方ではこれらの支持部材が、スタンドの、枠状のフレームを強化する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面に示した実施例に基づき本発明の実施形態を詳説する。
【0018】
図1には楽器スタンドの実施例が第1側面図として示されている。この楽器スタンドには図解するためにベースが載置されている。図1によるスタンドは枠状のフレーム13を有しており、このフレーム13は脚部部材29,30と、ここではほぼU字状に形成された支持フレーム28とを有している。U字状の支持フレーム28はヒンジ装置21,22を介して各脚部部材29,30に接続されている。
【0019】
互いに平行に延びる長細い2つの支持部材14,15は側方区分19,20を介して結合されて、丸み付けられた角部を有する方形の環状部材36を成している。この環状部材36はその側方区分19,20の領域において有利にはねじ結合部を介して脚部部材29,30に固定されており、その結果長細い支持部材14,15によって枠状のフレーム13の安定性は高められる長細い支持部材が2重機能を有する、つまり一方では支えようとする楽器の支持部材として、他方では枠状のフレーム13のための強化部として働くという概念は、独立した概念として請求されている。
【0020】
当接する楽器の保護のためにかつ側方へのずれを防止する静摩擦を高めるために、環状部材36は発泡性プラスチック材料”Superlon”によって被覆されている。
【0021】
それぞれボディ11とネック12とから成る単数または複数のベースギターを主要平面で長細い支持部材14,15に対して垂直に図1に示したように環状部材36に挿入することができる。当該実施例において自由に選択可能な支持箇所16,17で、ギターまたはベースギターのボディ11を長細い支持部材14,15に載置することができる。ギターの挿入および取出しは主として、ギターの主要平面に位置する方向で、場合によってはギターの主要平面に対して垂直な回転軸を中心にギターを旋回させて行われる。
【0022】
当該実施例において支持フレームの、脚部部材29,30とは反対側の領域にはU字形の支持フレームの中間脚部において同様に長細い当接部材18が形成されている。この当接部材18は長細い支持部材14,15に対して平行に延在しており、当接面または当接線は支えようとする楽器のための上方当接部として規定されている。当該実施例ではギターまたはベースギターがそのネック領域で当接部材18にたてかけられる。
【0023】
さらに長細い当接部材18には分割装置23,24,25を設けることもできる。これらの分割装置23,24,25は当接部材18に対してほぼ垂直に延在し、多重スタンドである場合には複数の楽器のための分割を規定している。当該実施例のようなこの分割装置は同時に側方での安定化のためにも、ギターまたはベース用の当接可能性として作用する。
【0024】
図2には図1によるスタンドの上方から見た平面図が示されている。長細い支持部材14,15と側方区分19,20とから成る著しく特徴付けられた環状部材36は、複数の楽器のための共通の当接部として設けられているのがわかる。同時にこの環状部材36は枠状のフレーム13のための強化部材として働く。複数のギターのための分割装置23,24,25を有する、すでに示した長細い当接部材18は図2によってより理解することができる。分割装置23,24,25の間にはそれぞれ区分26,27が形成されており、該区分26,27はそれぞれ1つの楽器のために設けられている。楽器の構成に応じて場合によっては1つの区分26,27に複数の楽器を載置することもできる。しかしそうなるとスタンドへの楽器の設置またはスタンドからの楽器の取出しの際に相互に損傷し合う危険性は高められる。
【0025】
当接装置18と、この長細い当接部材18に対して垂直に延びる分割装置23,24,25とは各区分26,27のために側方の制限部を形成しており、載置されたギターがスタンドにおいて支持部材に対して平行な方向に転倒するのを妨げる。これらの分割装置23,24,25には、固着力を高めるためにかつ楽器を保護するためにプラスチック被覆部34が設けられている。
【0026】
図3には図1によるスタンドの断面図が示されている。この図では環状部材並びに枠状のフレームも最初は管、有利には金属管から形成されている。この環状部材36の金属管上には前述したようなプラスチック被覆部33が設けられている。当接部材18の領域にはU字形の支持フレーム28の中央脚部が内部で延びている。この中央脚部もプラスチック被覆部34によって被覆されている。
【0027】
脚部部材29,30に対して支持フレーム28を旋回するために、脚部部材29,30に固定された環状部材36には前述したようにヒンジ装置21,22が設けられている。これらのヒンジ装置21,22がここでは脚部部材に29,30に配置された、孔を備えたフランジを取り囲んでいる。さらにそれぞれ対応配置されたフランジはここではU字形の支持フレーム28の末端部に配置されており、このフランジには協働する孔が設けられている。4つのフランジの孔は互いに整合するように配置されていて、対ごとにボルトを介してそれぞれ介して枢着式に結合されている。この整合している孔もしくはボルトは旋回軸Aを規定する。この旋回軸Aを中心にして支持フレーム28は脚部部材29,39に対して相対的に旋回可能である。
【0028】
図4には図1によるスタンドが、図解するために正面図で示されており、この正面図から支持フレーム28のU字形の構成が明確に理解できる。
【0029】
図5にはスタンドが折り畳まれた状態で示されている。この場合に環状部材36は同時に支持フレーム28のための支持部として働く。スタンドの開かれた状態ではここではU字形支持フレーム28の末端部が、脚部29,39の上にあるストッパを形成している。この場合、支持フレーム28の末端部と脚部部材29,30との間のジオメトリは支持フレームの外側脚部が開かれた状態で環状部材の平面に対して90゜より大きい、有利には91〜96゜の角度を成しているように寸法設定されている。。
【0030】
図6には選択的な実施例が示されている。この実施例ではスタンドの壁固定部材を図解している。このために例えば支持フレーム28には壁固定部材31,32を係合させることができ、これらの壁固定部材31,32を介して壁への固定が可能になる。いずれにしろ壁からの十分な間隔をとらねばならないので、スタンドをここに示した壁固定装置31,32によって有利には棚等の端面に固定することができる。
【0031】
図7には第2の選択的な実施例が示されている。すでに前述したように本発明の基本思想には、例えばそれぞれ外側に向かう凹部35として図示したように長細い支持部材14を正確な平行形状とは幾分異なって構成することも含まれる。環状部材36に設けられた、それぞれ外側に向かう凹部35によってギターまたはベースギターはさらに良好に予め決められた位置に固定され、結果として複数のギターの相対的な位置の意図しない変化がこれらの凹部35によって防止される。
【0032】
さらに図8から分かるように本発明では、長細い支持部材14,15が直線的に互いに平行に延在することを前提条件とはしていない。それどころか支持部材が、互いに調整された湾曲した形状例えば円弧状の形状を有している場合にも、本発明の思想は実現される。図8に図示したスタンドは四分円状の形状により部屋の角に配置するのに適している。別の類似した実施例では図8に示したスタンドの形状を円形に配置することができる。この場合互いに接続された複数の環状部材36が設けられているか、またはそれぞれ閉鎖された長細い支持部材14,15を有する、側方区分19,20のない完全に環状の構造体が設けられていてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ベースギターを収容した楽器スタンドの実施例の第1側面図である。
【図2】 ベースギターのない状態で示した図1による楽器スタンドの、上方から見た平面図である。
【図3】 図1による楽器スタンドのIII−III線に沿った断面図である。
【図4】 図1による楽器スタンドの正面図である。
【図5】 図1による楽器スタンドを折り畳んだ状態で示した図である。
【図6】 図1の楽器スタンドの第1変化実施例である。
【図7】 図1の楽器スタンドの第2変化実施例である。
【図8】 図1の楽器スタンドの第3変化実施例である。
【符号の説明】
11 ボディ、 12 ネック、 13 フレーム、 14,15 支持部材、 16,17 支持箇所、 18 当接部材、 19,20 側方区分、 21,22 ヒンジ装置、 23,24,25 分割装置、 26,27 区分、 28 支持フレーム、 29,30 脚部部材、 31,32 壁固定装置、 33,34 プラスチック被覆部、 35 凹部、 36 環状部材
Claims (10)
- ボディ(11)とネック(12)とを有する楽器特にギターまたはベース用の楽器スタンドであって、該楽器スタンドが、設置した状態で鉛直線に対して後方へ傾いて延びる支持フレーム(28)と、該支持フレーム(28)に係合した脚部部材(29,30)とから成る枠状のフレーム(13)と、前記脚部部材(29,30)に配置された長細い2つの支持部材(14,15)とを有しており、該支持部材(14,15)が互いに平行に延びていて、楽器のボディのための支持部として働くようになっており、さらに前記支持フレーム(28)の前記脚部部材(29,30)とは反対側の領域に、楽器のネック(12)を当接させるための当接面を有する当接部材(18)が配置されている形式のものにおいて、
当接部材(18)が、2つの支持部材に対してほぼ平行に延在するように配置されており、枠状のフレーム(13)の、長細い支持部材(14,15)の付近に、支持部材に平行な旋回軸(A)を中心にして少なくとも外側の支持部材(15)を当接部材(18)に対して旋回させることを可能にするヒンジ装置(21,22)が配置されていることを特徴とする、楽器スタンド。 - 複数の楽器が互いに間隔をおいて長細い前記支持部材(14,15)に沿って載置可能となるように長細い支持部材(14,15)の長さが設定されている、請求項1記載の楽器スタンド。
- 長細い支持部材は当接部材(18)に近い方の内側の支持部材(14)と、前記当接部材(18)から遠い方の外側の支持部材(15)とを有しており、該当接部材(18)が、支持部材(14,15)の平面に対する投影図で見て、両長細い支持部材(14,15)の外に位置している、請求項1または2記載の楽器スタンド。
- 長細い支持部材(14,15)が端部側で側方区分(19,20)を介して結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の楽器スタンド。
- 長細い支持部材(14,15)が、互いに8〜40cm、有利には20〜30cmの間隔をおいて配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の楽器スタンド。
- 長細い当接部材(18)に分割装置(23,24,25)が配置されており、該分割装置(23,24,25)が、複数の楽器のために設けられた当接部材(18)を複数の区分(26,27)に分割するようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の楽器スタンド。
- 枠状のフレーム(13)の支持フレーム(28)に一方では長細い当接部材(18)が係合しており、他方では壁固定装置(31,32)が係合している、請求項1から6までのいずれか1項記載の楽器スタンド。
- 枠状のフレーム(13)および/または長細い支持部材(14,15)および/または長細い当接部材(18)が横断面で見て円形の管から形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の楽器スタンド。
- 長細い支持部材(14,15)および/または長細い当接部材(18)に少なくとも部分的に、高い静摩擦係数を有する発泡性材料から成るプラスチック被覆部(34)が設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の楽器スタンド。
- 請求項1から9までのいずれか1項または請求項1の上位概念部に記載した楽器スタンドにおいて、
2つの支持部材(14,15)が、枠状のフレーム(13)の強化部として該フレーム(13)を強化していることを特徴とする楽器スタンド。
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