JP3755926B2 - 電子機器用スタンド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の倒れ防止に用いる電子機器用スタンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パーソナルコンピュータ装置や、その周辺機器などの各種電子機器は直方体形状であり、通常は安定性を得るため、オフィスオートメーションディスクなどのテーブル上に横置きの状態で設置されている。
【0003】
ところが、これらの電子機器は年々大型化しており、設置スペースの関係上、近年、テーブルや床上に縦置きされるようになってきている。
【0004】
そして、このように縦置きすると設置面積は縮小できるが、倒れに対する安定性の面では不安が生じる。そこで、縦置きされる電子機器に対しては、従来、たとえば特開平5−266643号公報に記載されているような倒れ防止用のスタンドが装着されている。
【0005】
この特開平5−266643号公報に記載の従来のスタンドは、平板状の基台上に一対のホールド部を設けたもので、この一対のホールド部の間隔は縦置きされる電子機器の幅寸法に設定されている。
【0006】
ここで、電子機器を縦置きにした場合、設置面形状は長方形になり、しかもその辺の比は大きくなるので、倒れに対しては不安定になる。そこで、この縦置きの電子機器を安定させるべくこのスタンド上に設置する。すなわち、スタンドは基台上に設けた一対のホールド部が、縦置きされた電子機器の両側面に密着してこれを支えており、さらに、基台の底面は、一対のホールド部の間隔、言い換えると電子機器の不安定な方向の横幅より大きく設定されているので、縦置きされた電子機器の転倒を確実に防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平5−266643号公報に記載の構成によると、電子機器を図示のように自立状態で支持する場合は特に問題ないが、機器の設置スペースを縮小するために、縦置きした電子機器の一側面を壁面や他の装置に密着させて設置しようとしても、電子機器の側面と壁面との間に一方のホールド部や、基台の外側部分が存在するため密着させることができず、無駄なスペースが生じるおそれがある問題を有している。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、縦置きされた電子機器を壁面への密着状態および自立状態のそれぞれの状態にて無駄なスペースを生じることなく確実に転倒を防止できる電子機器用スタンドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子機器用スタンドは、水平方向の支持面を有する基台と、この基台の両側辺から所定間隔を保った位置に立設され互いに対向する支持面を有し、これら支持面間で電子機器を保持する一対のホールド部と、この一対のホールド部の支持面の間隔を任意に調節可能で、この任意の間隔にて固定可能な間隔調節機構と、前記基台に形成され前記一対のホールド部の少なくとも一方を収納する収納部と、この収納部内に前記一対のホールド部の少なくとも一方をほぼ水平に傾倒させる回動支持部とを具備したもので、電子機器を自立状態で設置する場合はこの電子機器を基台上に載置し、一対のホールド部を電子機器の両外側面に密着させて支持し、たとえば壁面などへの密着状態で設置する場合は、一方のホールド部を基台に形成した収納部内にほぼ水平に倒し込むことにより、電子機器を基台上で移動させ、その一側面を壁面等に密着させるとともに、間隔調節機構により他方のホールド部を移動させてこれを電子機器の他側面に密着させ、固定することにより、これら両設置状態にてそれぞれ電子機器の転倒を確実に防止する。
【0010】
請求項2記載の電子機器用スタンドは、請求項1記載の電子機器用スタンドにおいて、基台は、一対のホールド部の互いに異なる一方をそれぞれ有する部分に分割され、間隔調節機構は、前記分割された基台部分にこれら分割された基台部分を前記一対のホールド部の支持面の間隔方向に沿って相対的にスライドさせるガイド機構と、これら分割された基台部分を任意のスライド位置にて相互に固定する固定機構とを有するもので、分割された基台部分を相対的にスライドさせるとともに、任意のスライド位置にて固定することにより、一対のホールド部の支持面間隔を調節する。
【0011】
請求項3記載の電子機器用スタンドは、請求項1記載の電子機器用スタンドにおいて、一対のホールド部は、それぞれ対向する面に支持面を有し、間隔調節機構は、一対のホールド部の一方を、その支持面が基台の支持面とほぼ直角な状態を保ったまま、他方の支持面との間隔方向にスライドさせるガイド機構と、この一方のホールド部を任意のスライド位置にて固定する固定機構とを有するもので、一対のホールド部の一方を、他方の支持面との間隔方向にスライドさせるとともに、任意のスライド位置にて固定することにより、一対のホールド部の支持面間隔を調節している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子機器用スタンドの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図4において、図1および図2は電子機器用スタンドを伸ばした状態を示し、図3および図4は電子機器用スタンドを縮めた状態を示す。そして、21はそれぞれ基台で、これら基台21はそれぞれ水平方向の支持面21a を有し、これら支持面21a 上には一対のホールド部22,23が、ほぼ垂直に立設されている。また、これら一対のホールド部22,23は、基台21の両側辺から所定間隔xを保った位置にそれぞれ立設されており、互いに対向する支持面22a ,23a を有し、これら一対のホールド部22,23の支持面22a ,23a 間で電子機器Eなどを保持する。
【0014】
また、一対のホールド部22,23の少なくとも一方のホールド部23は、回転軸を有する回動支持部24により、図2で示す矢印の方向に回動可能に構成されており、この回動により基台21に形成した凹面状の収納部25内にホールド部23がほぼ水平に傾倒される。そして、この収納部25内にホールド部23が傾倒したとき、基台21のホールド部23が設けられた部分の支持面21a は、図3で示すように障害物のない平らな面となる。
【0015】
さらに、一方のホールド部23は、図2で示した矢印の方向に回動可能ではあるが、垂直状態から図示右側への回動は、図3で示すように、ホールド部23の底辺部に形成した段部27と基台21側の回動支持部24近くに形成した段部28との噛合いによって阻止される。
【0016】
なお、他方のホールド部22は基台21に対して垂直状態を保ったまま固定取り付けられている。
【0017】
また、一対のホールド部22,23の支持面22a ,23a を任意の間隔に調節でき、任意の間隔にて固定できる間隔調節機構31を有している。
【0018】
そして、この間隔調節機構31は、基台21が、他方のホールド部22を有する基台部分21A と、一方のホールド部23を有する基台部分21B とに分割されており、これら分割された基台部分21A ,21B には、これら一対のホールド部22,23の間隔方向に沿って相対的にスライドさせるガイド機構32が構成されている。このガイド機構32は、レール32A およびこのレール32A と係合するガイド部32B とで構成される。そして、レール32A は、一方の基台部分21A から他方の基台部分21B に向って突出して設けられ、ガイド部32B は、他方の基台部分21B に設けられ、レール32A とスライド可能に係合する。
【0019】
また、これら分割された基台部分21A ,21B を、任意のスライド位置にて相互に固定する固定機構33を設けている。この固定機構33は、ガイド部32B の幅方向中間部に、そのガイド方向に沿って形成された長孔33A と、この長孔33A と対向するレール32A の先端部に設けられ、この長孔33A を貫通する締付けねじ33B とで構成される。
【0020】
次に、上記実施の形態の使用状態について説明する。
【0021】
まず、電子機器Eを図5で示すように自立状態で設置する場合は、図1および図2で示したように、基台21に対して一対のホールド部22,23を垂直状態に保ち、これらホールド部22,23の支持面22a ,23a 間を、電子機器Eの幅寸法に対応した間隔に調節し、この支持面22a ,23a 間にて電子機器Eを挟持する。
【0022】
そして、支持面22a ,23a の間隔調節に際しては、まず、固定機構33を構成する締付けねじ33B を緩める。次に、ガイド機構32を構成するレール32A 、ガイド部32B 間を相互にスライドさせて分割された基台部分21A ,21B を相対的に移動させる。この動作により、これら分割された基台部分21A ,21B に設けられた一対のホールド部22,23の支持面22a ,23a の間隔が変化する。この後、長孔部33A の任意の位置に移動した締付けねじ33B を締め付けることにより基台部分21A ,21B を相互に固定し、これら基台部分21A ,21B に取り付けられた一対のホールド部22,23の支持面22a ,23a の間隔の調節を終わる。
【0023】
そして、これら操作により、支持面22a ,23a の間隔は電子機器Eの幅寸法に対応した間隔になるので、電子機器E一対のホールド部22,23により両外側面が挟持される。すなわち、電子機器Eの不安定な側の両側面が一対のホールド部22,23に密着し、これら一対のホールド部22,23の支持面22a ,23a により一体的に挟持され転倒が防止される。
【0024】
次に、電子機器Eの一側面を、図6で示すように壁面Wなどに密着させた状態で設置する場合は、一方のホールド部23を回動支持部24を中心に左回りに回動させ、図3および図4で示すように、基台21に設けた収納部25内にほぼ水平に傾倒させる。この操作により一方のホールド部23が設けられた基台21の支持面21a 上は、図3で示すように、障害物のない平らな状態になる。
【0025】
この後、基台21のホールド部23を傾倒させた側の側辺を、図6で示すように、密着対象となる壁面Wに接合させ固定する。この状態で、基台21に対して垂直状態を維持している他方のホールド部22の支持面22a と壁面Wとの間隔を、電子機器Eの幅寸法に対応した間隔に調節する。この後、電子機器Eは間隔調整された支持面22a と壁面Wとの間で挟持され、転倒が防止される。
【0026】
そして、間隔調節に際しては、前述の場合と同様に、固定機構33を構成する締付けねじ33B を緩め、ガイド機構32を構成するレール32A 、ガイド部32B 間のスライドにより、基台部分21A を相手側の基台部分21B に向って移動させ、ホールド部22の支持面22a と壁面Wとの間隔を変化させる。この後、長孔33A の任意の位置にある締付けねじ33B を締付け、他方のホールド部22を固定して間隔調節を完了する。
【0027】
これらの結果、他方のホールド部22の支持面22a と壁面Wとは、電子機器Eの幅寸法に対応した間隔で固定されるので、電子機器Eの不安定な側の両側面は、これらホールド部22と壁面Wとで一体的に挟持され、転倒が防止される。
【0028】
このように1台のスタンドにより、縦置きの電子機器Eを自立状態および壁面との密着状態のそれぞれで支持でき、それぞれの状態で確実に転倒を防止できる。したがって、電子機器Eの設置環境に対応して最適な設置状態を採用することができ、設置スペースの縮小化および部品の共用化による低コスト化を図れる。
【0029】
なお、上記実施の形態では、一対のホールド部22,23の支持面間隔を任意の間隔に調節する間隔調節機構31として、基台21を分割して基台部分21A ,21B を形成し、これら基台部分21A ,21B を一対のホールド部22,23の支持面間隔方向に沿って相対的にスライドさせ、任意のスライド位置にて相互に固定するものを用いているが、これに限定されるものではなく、たとえば次のように構成してもよい。
【0030】
すなわち、基台21は分割せずに、たとえば他方のホールド部22を、その支持面22a が基台21の支持面21a とほぼ直角な状態を保ったまま、一方の支持面23a との間隔方向にスライドさせるガイド機構を設けるとともに、この他方のホールド部22を任意のスライド位置にて固定する固定機構を設けるように構成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の電子機器用スタンドによれば、電子機器を自立状態で設置する場合はこの電子機器を基台上に載置し、一対のホールド部を電子機器の両外側面に密着させて支持し、たとえば壁面などへの密着状態で設置する場合は、一方のホールド部を基台に形成した収納部内にほぼ水平に倒し込むことにより、電子機器を基台上で移動させ、その一側面を壁面等に密着させるとともに、間隔調節機構により他方のホールド部を移動させてこれを電子機器の他側面に密着させて固定することにより、これら両設置状態にてそれぞれ電子機器の転倒を確実に防止でき、電子機器の設置環境に対応して最適な設置状態を採用することができ、設置スペースの縮小化および部品の共用化による低コスト化を図ることができる。
【0032】
請求項2記載の電子機器用スタンドによれば、請求項1記載の電子機器用スタンドに加え、分割された基台部分を相対的にスライドさせるとともに、任意のスライド位置にて固定することにより、一対のホールド部の支持面間隔を調節できる。
【0033】
請求項3記載の電子機器用スタンドによれば、請求項1記載の電子機器用スタンドに加え、一対のホールド部の一方を、他方の支持面との間隔方向にスライドさせるとともに、任意のスライド位置にて固定することにより、一対のホールド部の支持面間隔を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子機器用スタンドを伸ばした状態を示す正面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上電子機器用スタンドを縮めた状態を示す正面図である。
【図4】同上平面図である。
【図5】同上自立状態での使用を示す正面図である。
【図6】同上壁面密着状態での使用を示す正面図である。
【符号の説明】
21 基台
21a 支持面
22,23 ホールド部
22a ,23a 支持面
24 回動支持部
25 収納部
31 間隔調節機構
32 ガイド機構
33 固定機構
E 電子機器

Claims (3)

  1. 水平方向の支持面を有する基台と、
    この基台の両側辺から所定間隔を保った位置に立設され互いに対向する支持面を有し、これら支持面間で電子機器を保持する一対のホールド部と、
    この一対のホールド部の支持面の間隔を任意に調節可能で、この任意の間隔にて固定可能な間隔調節機構と、
    前記基台に形成され前記一対のホールド部の少なくとも一方を収納する収納部と、
    この収納部内に前記一対のホールド部の少なくとも一方をほぼ水平に傾倒させる回動支持部と
    を具備したことを特徴とする電子機器用スタンド。
  2. 基台は、一対のホールド部の互いに異なる一方をそれぞれ有する部分に分割され、
    間隔調節機構は、前記分割された基台部分にこれら分割された基台部分を前記一対のホールド部の支持面の間隔方向に沿って相対的にスライドさせるガイド機構と、これら分割された基台部分を任意のスライド位置にて相互に固定する固定機構とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子機器用スタンド。
  3. 一対のホールド部は、それぞれ対向する面に支持面を有し、間隔調節機構は、一対のホールド部の一方を、その支持面が基台の支持面とほぼ直角な状態を保ったまま、他方の支持面との間隔方向にスライドさせるガイド機構と、この一方のホールド部を任意のスライド位置にて固定する固定機構とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子機器用スタンド。
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