JP3795346B2 - 磁気抵抗効果型素子ならびにこれを用いた磁気記憶素子および磁気ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低磁場でも高磁場感度を有することが期待されている磁気デバイスの要素部品となる、トンネル効果を有する磁気抵抗効果型素子、ならびにこの素子を用いた磁気記憶素子および磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
MR膜を用いた固体デバイスとしては、磁気センサー、記憶素子、磁気ヘッドなどが提案されている。これまでの研究から、GMR(巨大磁気抵抗効果)膜では、膜面に垂直に電流を流した場合のMR効果(CPPMR)の方が膜面内に電流を流した場合のMR効果(CIPMR)より大きいことが知られている。また、インピーダンスが高いTMR(トンネル型GMR)膜からは、より大きな出力が期待できる。
【0003】
最近、磁気分極率の高い材料として、ペロブスカイト構造を有するMn酸化物が報告されている(Y.Lu et al.: Phys. Rev. Lett. 54 (1996) R8357.)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような酸化物を用いてTMRを形成する際には、積層する材料間の相性が特に重要となる。バリア層界面での急峻性がTMRの特性を大きく左右するからである。特に、ペロブスカイトMn酸化物のような複雑な酸化物を用いる場合には、バリア層界面での急峻性を確保することが困難となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、ペロブスカイト型酸化物を用いて良好なトンネル接合を実現し、低磁場でも大きな磁気抵抗効果を発現しうる実用的な磁気抵抗効果型素子を提供することを目的とする。また、本発明は、この素子を用いたデバイスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気抵抗効果型素子は、式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み、一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、Rは希土類元素をそれぞれ示し、nは1、2または3であり、x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、0≦z<1により示される範囲内の数値であり、前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体が、式((R1-pLp)1-yAy)mMOm+2-dにより表される組成を有し、ただし、A、L、M、Rは、それぞれ上記と同様の元素を示し、mは1または2であり、d、p、yは、それぞれ、0≦d≦1、0< p ≦1、0≦y≦1により示される範囲内の数値である、磁気抵抗効果型素子である。
ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体と、層状ペロブスカイト型酸化物とが、元素Lとして、同一種類の元素を含有することが好ましい。
本発明の他の磁気抵抗効果型素子は、式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み、一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、Rは希土類元素をそれぞれ示し、nは1、2または3であり、x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、0.05 ≦ 1-z ≦ 0.55により示される範囲内の数値であり、前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体が、式((R1-pLp)1-yAy)mMOm+2-dにより表される組成を有し、ただし、A、L、M、Rは、それぞれ上記と同様の元素を示し、mは1または2であり、d、p、yは、それぞれ、0≦d≦1、0≦p≦1、0.05 ≦ y ≦ 0.55により示される範囲内の数値である、磁気抵抗効果型素子である。
0.05≦y≦0.55であり、かつ0.05≦1-z≦0.55であることに代えて、0.8(1-z)≦y≦1.2(1-z)の関係が成立する磁気抵抗効果型素子も、本発明の他の磁気抵抗効果型素子に含まれる。
本発明のさらに他の磁気抵抗効果型素子は、式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み、一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、Rは希土類元素をそれぞれ示し、nは1、2または3であり、x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、0≦z<1により示される範囲内の数値であり、前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、前記酸化物電極体がペロブスカイト型酸化物からなり、前記ペロブスカイト型酸化物からなる酸化物電極体が、式(A1-vRv)j(X1-rTr)Oj+2-qにより表される組成を有する、磁気抵抗効果型素子である。ただし、A、Rは上記と同様の元素を示し、Tは前記酸化物電極体が接する強磁性体に含まれる元素Mと同種の元素であり、XはTi、V、Cu、Ru、NiおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、前記Tを除く)を示し、jは1または2であり、q、r、vは、それぞれ、0≦q≦1、0< r ≦1、0≦v≦1により示される範囲内の数値である。
【0010】
このように、本発明は、上記層状ペロブスカイト酸化物を用いてバリア層界面における急峻性を実現すると共に、この酸化物に適合するように、必要に応じてさらに、強磁性体、反強磁性体、酸化物電極体などを配置し、各種デバイス(例えば、磁気ヘッド、磁気記憶素子)への応用に適した高感度の磁気抵抗効果型素子を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0012】
強磁性体は、層状ペロブスカイト型酸化物との膜厚方向の良質な接触を達成し、優れた導電性を有していることが望まれる。また、材料的に両者の相性が良く、しかも作製が容易であることが望ましい。したがって、強磁性体の少なくとも一方は、ペロブスカイト型酸化物であることが好ましく、具体的には、式((R1-pLp)1-yAy)mMOm+2-dにより表される複合酸化物とするとよい。
【0013】
ここで、A、R、M、Lは、それぞれ上記と同様の元素を示し、mは1または2であり、d、p、yは、それぞれ、0≦d≦1、0≦p≦1、0≦y≦1により示される範囲内の数値である。
【0014】
このペロブスカイト型酸化物強磁性体は、層状ペロブスカイト酸化物の上下の少なくとも一方に接して、特に両方に接して形成すると接合面での適合性が高まる。いずれか一方の強磁性体をペロブスカイト型酸化物とする形態では、下部側(基板側)の強磁性体をペロブスカイト型酸化物とするとよい。
【0015】
一対の強磁性体の好ましい組み合わせの一つは、ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体と、金属強磁性体との組み合わせである。この組み合わせによると、両方の強磁性体をペロブスカイト型複合酸化物とした場合よりは接合面での適合性に劣るが、金属強磁性体には良質の軟磁性材料が多く、素子の特性に応じて軟質、硬質の磁性材を使い分けやすくもなる。
【0016】
本発明の素子の好ましい一形態では、基板上に形成された多層膜が、上記層状ペロブスカイト型酸化物と、この層状ペロブスカイト型酸化物を挟むようにこの酸化物に接して形成された一対の強磁性体とを含み、一対の強磁性体の基板側の強磁性体がペロブスカイト型酸化物からなり、他方の強磁性体(基板と反対側の強磁性体)が金属強磁性体である。
【0017】
一対の強磁性体は、互いにその保磁力が異なるように形成してもよく、またその厚さが互いに相違するように形成してもよい。いずれか一方に接して反強磁性体を形成しても構わない。ペロブスカイト型酸化物強磁性体に接して反強磁性体を形成する場合は、この反強磁性体も、ペロブスカイト型酸化物とするとよい。
【0018】
本発明の素子の好ましい別の一形態では、基板上に形成された多層膜が、上記層状ペロブスカイト型酸化物と、この層状ペロブスカイト型酸化物を挟むようにこの酸化物に接して形成された一対の強磁性体とを含み、一対の強磁性体の一方(好ましくは基板側の強磁性体)がペロブスカイト型酸化物からなり、このペロブスカイト型酸化物強磁性体に接して反強磁性体が形成され、さらにこの反強磁性体に接して、後述する酸化物電極体が形成される。
【0019】
上記強磁性体に元素Lが含まれていると(0<p≦1)、層状ペロブスカイト酸化物からの元素Lの蒸発を抑制できる。pは、具体的には、0<p≦0.3の範囲が好適である。同様の観点から、強磁性体の少なくとも一方と、層状ペロブスカイト型酸化物とが、元素Lとして、同一種類の元素を含有しているとさらによい。
【0020】
MR効果の発現を考慮すると、ペロブスカイト型強磁性酸化物と層状ペロブスカイト酸化物とは、それぞれ上記式において、0.05≦y≦0.55、0.05≦1-z≦0.55であることが好ましい。また、両酸化物の相性をさらに良好に保つためには、0.8(1-z)≦y≦1.2(1-z)の関係が成立することが好ましい。
【0021】
上記一連の材料と電極材料との相性を良好に保つことも、良好なMR特性を得る上では望ましいことである。具体的には、ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体には、これに接して酸化物電極体を配置することが好ましい。この酸化物電極体をペロブスカイト型酸化物とするとさらによい。
【0022】
この場合、酸化物電極体は、ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体よりも高い電気伝導率を有するペロブスカイト型酸化物とすることが好ましい。
【0023】
ペロブスカイト型酸化物からなる酸化物電極体は、具体的には、
式(A1-vRv)j(X1-rTr)Oj+2-qにより表される組成とするとよい。
【0024】
ここで、A、Rは上記と同様の元素を示し、T は当該電極体が接する強磁性体に含まれる上記元素Mと同種の(共通する)元素であり、XはTi(チタン)、V(バナジウム)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Ni(ニッケル)およびCr(クロム)から選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、Tを除く元素)を示す。また、jは1または2であり、q、r、vは、それぞれ、0≦q≦1、0≦r≦1、0≦v≦1により示される範囲内の数値である。
【0025】
強磁性体と電極体とに共通の元素が含まれていると(0<r≦1)、両者の接合を良好に保ちやすい。同様の観点から、0.8y≦1-v≦1.2yとすることがさらに好ましい。
【0026】
なお、強磁性体に含まれる元素Mとしては、Mn、Co、Feが適しているが、酸化物電極に元素TおよびXとして含まれる元素は、導電性を考慮すると、Ru、Ti、V、Cuが好適である。
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
【0028】
(実施の形態1)
ターゲット材料として、Bi2.4(La0.65Sr0.35)2Mn1.2O6.9、 La0.65Sr0.35Mn1.1O3.1、(La0.65Sr0.35)RuO3を用い、同一真空槽内でスパッタリング法により磁気抵抗効果型素子を作製した。スパッタリングは、酸素を20%混合した0.5Paアルゴン雰囲気中で50Wの放電電力で行い、約600℃に加熱した基板上に成膜を実施した。
【0029】
図1(a)〜図1(c)に素子形成の工程図を示す。SrTiO3(100)面基板11上に、(La0.65Sr0.35)MnO3のバッファ層12を20nm、下部酸化物電極(La0.65Sr0.35)RuO3薄膜13を50nm順次堆積し、(La0.65Sr0.35)MnO3薄膜20、22でBi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜21を上下から挟み込んだ磁気抵抗トンネル接合層14を堆積し、さらに上部酸化物電極(La0.65Sr0.35)RuO3薄膜15を20nm堆積させた(図1(a))。なお、Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO621の膜厚は、堆積速度換算で0.4nm〜100nmの範囲で変化させた。これらの薄膜は全てc軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることがX線回折および断面構造解析により確認されている。引き続き、酸素、窒素混合雰囲気中で焼鈍(アニール)を約500℃〜約800℃で行った。
【0030】
次に、素子を形状比1:2.5にて素子幅0.2μmから10μmに描画したフォトレジスト16を形成した後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部17の切り出しを行った(図1(b))。その後、絶縁分離層18(Al2O3、SiO2またはCaF2)を形成し、引き出し電極19として金(Au)を酸化物電極体に接触するように配線して素子を完成させた(図1(c))。図2に作製した接合の部分切り取り斜視図を示す。
【0031】
この素子の4.2Kにおける磁気抵抗(MR)特性を測定し、素子内のトンネル接合層の厚みとの関係を調べた。図3(a)に、接合層の各厚みが(La0.65Sr0.35)MnO3(20nm) /Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6(1.5nm)/(La0.65Sr0.35)MnO3(15nm)の場合のMR特性を示す。このようなMR特性は、接合層におけるBi2(La0.65Sr0.35)2MnO6層の厚みが1nm〜10nmの範囲で再現性良く得ることができた。
【0032】
MR材料である(La0.65Sr0.35)MnO3のバルク結晶としての明瞭なMR効果はおよそ10000Gオーダーで認められているが、作製した素子のMR効果は数10Gの低磁場で得られた。このMR効果は、低減するものの、室温においても確認された。これは、(La1-ySry)MnO3のバルク結晶としてのキュリー温度がほぼ0.18≦ y≦0.6において室温以上になる特性を反映したものと考えられる。
【0033】
また、4.2Kにおける測定では、強磁性層が(La1-ySry)MnO3(ただし0.1≦y≦0.55)の場合にMR効果を確認できた。この際には、Bi2(LazSr1-z)2MnO6においても、0.1≦1-z≦0.55の範囲に制御するとMR効果を発現する上でより効果的であった。また、0.8(1-z)≦y≦1.2zの範囲でMR効果が安定して得られた。
【0034】
以上は、A(アルカリ土類元素)=Srの場合であるが、A=Baの場合には同じく4.2Kでの測定下で強磁性層におけるyが0.05≦y≦0.5の範囲で、A=Caの場合には0.18≦y≦0.5の範囲で、それぞれ明確なMR効果を確認できた。
【0035】
また、上記のように、用いる強磁性層にMnが含まれている場合には(M=Mn)、電極層酸化物(La,Sr)RuO3のRu(X)サイトを一部Mn(M)で置換して、この酸化物の組成式を(La,Sr)(Ru,Mn)O3とすると、成膜後の焼鈍工程を経ても特性劣化が抑制されることが確認できた。Ruに対するMn置換率は0.01〜5%程度が好適であった。
【0036】
この素子では、(La,Sr)(Ru,Mn)O3に、(La,Sr)(Ru,Mn)O3/(La,Sr)MnO3/Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6/(La,Sr)MnO3/(La,Sr)(Ru,Mn)O3が堆積されている。電極層酸化物では、アルカリ土類元素(A)、希土類元素(R)も強磁性層の元素A,Rと同種である。これらの元素は、バッファ層にも含まれている。
【0037】
上記と同様にして、接合部として、 (La,Sr)(Mn,M’)O3/Bi2(La0.65Sr0.35)2(Mn,M’)O6/(La,Sr)(Mn,M’)O3を作製した場合も(M’は、Mnを除く元素M)、接合界面が急峻に保たれることが透過型電子顕微鏡などによる接合部の断面観察からわかった。ここでは、強磁性層である(La,Sr)(Mn,M’)O3におけるMnに対するM'の置換率は0.01〜5%程度が適当であった。一方、層状ペロブスカイト型酸化物Bi2(La0.65Sr0.35)2(Mn,M’)O6ではM’の置換率が0〜100%の範囲で良好な接合界面が得られた。
【0038】
強磁性層を(La,Bi,Sr)MnO3とした、(La,Sr)(Ru,Mn)O3/(La,Bi,Sr)MnO3/Bi2(La,Sr)2MnO6/(La,Bi,Sr)MnO3/(La,Sr)(Ru,Mn)O3の構成では、より効果的な抑制効果が確認された。これは、熱処理により誘起される層界面での元素L(ここではBi)の相互拡散が抑制されたためと考えられる。元素Lは他の構成元素に比べて蒸発しやすく、拡散しやすい。なお、強磁性層におけるLa(R)サイトへのLの置換率は、0.1〜30%程度、特に20%までが好適であった。
【0039】
上記素子において高感度特性が得られるのは、結晶自体にバリア層が存在すること、マンガン酸化物とバリア層との相性が良いこと、さらには磁気抵抗トンネル接合層と酸化物電極層との相性が良いこと、によると考えられる。特に上記素子では、基板上に、バッファ層および酸化物電極層を介して磁気抵抗トンネル接合層を配置して構成されているため、これらの層を用いない素子に比べて、より高い感度を有するMR特性が得られた。
【0040】
図4に、上記素子における、磁気抵抗トンネル接合層に対する酸化物電極層の接合界面付近の結晶構造の模式図を示す。図5には別の一例として、Bi2(La,Sr)2MnO6薄膜(バリア層:21)、 (La,Sr)2MnO4薄膜(強磁性層:20、22)、(La,Sr)2RuO4薄膜(酸化物電極:13、15)の組み合わせによる接合界面付近の結晶構造の模式図を示す。図示したように、磁気抵抗トンネル接合層と酸化物電極層および強磁性層とバリア層との界面結晶構造は良く適合しており、この良質な接合が、高感度の磁気抵抗トンネル接合素子の実現を可能にしたと思われる。
【0041】
さらに本実施形態では、Y.Luらの示した(La0.67Sr0.33)MnO3 / SrTiO3 (6nm)/ (La0.67Sr0.33)MnO3の接合の特性結果(上記Y.Lu et al.: Phys. Rev. Lett. 54 (1996) R8357.)に比べ、より低磁界でのMR特性が実現されている。これは、図4、図5で示したようなスムーズな構造の連続性により、急峻な接合界面を実現できたことに起因していると考えられる。
【0042】
なお、上記では、酸化物電極として(La,Sr) RuO3を用いたが、(La,Sr)2RuO4、(La,Sr)2CuO4、(La,Sr)VO3など、上記式(R1-vAv)jXOj+2-qで表されるペロブスカイト型複合酸化物を用いた場合でも磁気抵抗素子を構成・動作できることも併せて確認した。Sr2RuO4やSrVO3を酸化物電極とした場合でも(v=1)、素子動作が確認されたが、上記のようにSr(A)の一部を希土類元素で置換したほうが(0<v<1)、素子構造の安定性から好ましい。また、バッファー層を用いる場合にも、強磁性層を含む接合層との相性を鑑みて、基板の上に直接、酸化物電極層を配置してもよい。
【0043】
(実施の形態2)
ターゲット材料として、(La0.65Sr0.35)Mn1.2O3.1、Bi2.4(La0.65Sr0.35)2CaCu2.4O8 、(La0.85Sr0.15)2CuO4を用い、同一真空槽内でスパッタリング法により磁気抵抗効果型素子を作製した。スパッタリングは、酸素を20%混合した0.5Paアルゴン雰囲気中で50Wの放電電力で行い、約600℃に加熱した基板上に成膜を実施した。
【0044】
具体的には、SrTiO3(100)面基板上に、 (La0.85Sr0.15)2CuO4薄膜を50nm堆積した後、(La0.65Sr0.35)MnO3薄膜50nm、Bi2(La0.65Sr0.35)2CaCu2O8薄膜、La0.65Sr0.35MnO3薄膜50nm、(La0.85Sr0.15)2CuO4薄膜20nmをこの順に堆積させた。Bi2(La0.65Sr0.35)2CaCu2O8薄膜の膜厚は、堆積速度換算で0.4nm〜50nmの範囲で変化させた。これらの薄膜は全てc軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることが確認されている。
【0045】
引き続き、素子の形状比1:2.5にて素子幅0.2μmから10μmに描画したフォトレジストを形成した後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切り出しを行った。その後、Al2O3薄膜の層間絶縁分離層を形成し、CuおよびPtを用いて引き出し用電極を形成して素子を完成させた。作製した接合は、図1〜図2と同様の形状とした。
【0046】
この素子について4.2Kにおける磁気抵抗(MR)特性を測定したところ、明確なMR効果が認められた。図3(b)に、Bi2(La0.65Sr0.35)2CaCu2O8薄膜の厚みが3nmの場合のMR特性を示す。このようなMR特性は、Bi2(La0.65Sr0.35)2CaCu2O8薄膜の厚みが1.5nm〜10nmの範囲で再現性良く得ることができた。
【0047】
Bi2(La0.65Sr0.35)2CaCu2O8は、バルク体として約70K以下において超伝導性を発現する材料である。また、バッファー層としても機能する酸化物電極体(La0.85Sr0.15)2CuO4も、バルク体として約30K以下において超伝導性を示す。このため、4.2K以下で4端子構成にて評価を行ったTMR特性には電極抵抗が現れず、接合自身の特性を評価することができた。超伝導性を得るためには、酸化物電極体を(La1-xSrx)2CuO4において、0.05≦x≦0.3とすることが好ましい。また、層状ペロブスカイト型複合酸化物において超伝導性を得るためには、Bi2(Sr,Ca)3-xLaxCu2O8において、0≦x≦0.5とすることが好ましい。
【0048】
(実施の形態3)
ターゲット材料として、(La0.85Sr0.15)2Cu1.2O4.2、Tl2Ba2Ca2Mn3O12、Tl2Mn3O7を用い、同一真空槽内でレーザーアブレーション法により磁気抵抗効果型素子を作製した。ターゲットアブレーションは5〜70Paの酸素雰囲気中で約1〜5J/cm2のレーザーパワーで行い、約600〜700℃に加熱した基板上に成膜を実施した。
【0049】
SrTiO3(100)面基板上に、LaCuO3のバッファ層を20nm、下部酸化物電極(La0.85Sr0.15)2CuO4薄膜を50nm順次堆積し、(La0.8Sr0.2)MnO3薄膜、Tl2Ba2Ca2Mn3O12薄膜、Tl2Mn3O7薄膜からなる接合層を堆積し、再び上部酸化物電極(La0.85Sr0.15)2CuO4薄膜を20nm堆積させた。接合層の膜厚は、(La0.8Sr0.2)MnO3(20nm)/ Tl2Ba2Ca2Mn3O12(4.5nm)/Tl2Mn3O7(25nm)とした。これらの薄膜は全てc軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることが確認されている。なお、Tl2Mn3O7は、パイロクロア型酸化物である。
【0050】
素子の形状比1:2.5にて素子幅0.2μmから10μmに描画したフォトレジストを形成した後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切り出しを行った。その後CaF2薄膜の絶縁分離層を形成し、金を用いて引き出し電極を配線して素子を完成させた。作製した接合は、図1〜図2と同様の形状とした。
【0051】
この素子について135Kにおける磁気抵抗(MR)特性を測定したところ、明確なMR効果が認められた。なお、Tl2Ba2Ca2Mn3O12に代えてBi1.4Tl0.6Sr2Ca2Mn3O12を用いた場合にもMR特性が確認された。
【0052】
上記各形態では、他の希土類元素(R)を用いた場合にも同様のMR特性が認められたが、特にLa、Pr、Nd、Smを使用した場合に優れた再現性が得られた。
【0053】
(実施の形態4)
上記と同様のスパッタリング法により、SrTiO3(100)面基板上に、SrRuO3薄膜を50nm、LaFeO3薄膜を50nm順次堆積し、次いで(La0.6Bi0.05Sr0.35)MnO3薄膜5nm、Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜3nm、 (La0.6Bi0.05Sr0.35)MnO3薄膜10nmからなる接合層を堆積した。ここでも、スパッタリングは酸素20%混合した0.5Paアルゴン雰囲気中で50Wの放電電力で行ったが、基板温度は約650℃とした。
【0054】
Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜の膜厚は堆積速度換算で0.4nm〜10nmの範囲で変化させた。これらの薄膜はc軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることが確認されている。引き続き、酸素、窒素混合雰囲気中で焼鈍を約500℃〜約800℃で行った。
【0055】
この後、基板温度を室温として、Ni-Co-Fe薄膜を約50nm、Ni0.8Fe0.2薄膜を約10nm、Ta薄膜を約10nm堆積した。
【0056】
次に、素子面積0.35μm×7μmに描画したフォトレジストを形成した後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切り出しを行った。その後、SiO2薄膜の絶縁分離層を形成し、引き出し電極を形成して素子を完成させた。
【0057】
この素子では、SrRuO3薄膜がバッファ層としても機能する下部酸化物電極であり、LaFeO3薄膜は反強磁性体であり、この反強磁性体によってこれに接する(La0.6Bi0.05Sr0.35)MnO3薄膜は固定強磁性層となる。LaFeO3薄膜はペロブスカイト型酸化物でもある。一方、Ni-Co-Fe薄膜は、これに接する(La0.6Bi0.05Sr0.35)MnO3薄膜とともに自由強磁性層となり、Ni0.81Fe0.19薄膜は上部電極となる。Ta薄膜は配線電極材(ここでは主としてCu)を形成するための下地膜である。
【0058】
このときのNi-Fe-Co薄膜の組成は、NixCoyFezで表して、0.6≦x≦0.9、0≦y≦0.4、0≦z≦0.3のNiリッチの磁性膜、もしくは0≦x≦0.4、0.2≦y≦0.95、0≦z≦0.5のCoリッチの磁性膜(ただし、x+y+z=1)とするとよい。
【0059】
この素子の4.2Kにおける磁気抵抗(MR)特性を測定したところ、Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜の膜厚が1.2nm〜10nmで、再現性良くかつ明瞭なMR効果が認められた。また、このMR効果は、数Gの低磁場で得られた。
【0060】
LaFeO3は、バルク体として測定温度で反強磁性を示す。LaFeO3に代えてR’FeO3(R’=Y、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)を用いても、上記と同様の特性が観測できた。
【0061】
なお、上記各形態では、基板として立方晶体であるSrTiO3(100)を用いたが、LaSrGaO4(001)などの正方晶体、LaAlO3(001)、YAlO3(001)、Nd:YAlO3(001)、LaGaO3(001)などの斜方晶体、その他の立方晶体(例えばMgO)を用いても構わない。また、例えばNd:SrTiO3(100)を用い、電極体を基板として用いてもよい。
【0062】
(実施の形態5)
本形態では、図6に示すような傾斜型基板を利用して面内型の磁気抵抗素子を作製した。
【0063】
基板43として、[100]方向に約1度の傾斜を有するSrTiO3(001)面基板を用いた。この基板表面にはテラス面が存在する。基板上に、(La0.65Sr0.35)MnO3薄膜を1nm〜20nm、Bi2(La0.6Sr0.4)CaMnO6薄膜を1.5nm〜10nm、(La0.65Sr0.35)MnO3 薄膜を1nm〜20nm、SrRuO3薄膜を5nm〜100nm、順次成膜して接合層を含む積層体41とした。成膜は、スパッタリング法により、酸素を20%混合した0.5Paアルゴン雰囲気中で50Wの放電電力の下、基板を約650℃に加熱して行った。
【0064】
ステッパーまたは電子ビームを用いた露光技術によるサブミクロン加工により、図6(a)、図6(b)に示したような素子構造を実現した。基板の傾斜基板面47に堆積した積層体41は、ステップを形成しながら成長している。これは、下地材料の結晶成長性を反映したものである。ステップに対する不整合部分44には異相物質が形成されている。
【0065】
この際、図6(a)では、基板の有するステップ47に対して積層体41のステップは3倍周期となっているが、これに限るわけではなく、典型的には3〜10倍周期のステップが見られるところで素子が形成されていることを確認した。
【0066】
金(Au)で形成した引き出し電極42間に形成されるバイアス経路46は、矢印によって示すように、ステップ部分では積層体41を膜厚方向に通過する。両引き出し電極42は、積層体上部の酸化物電極体SrRuO3に接している。素子の劣化を抑えるため、素子上に覆うようにカバー層45としてAl2O3薄膜を成膜した。素子加工部分は約50nm(W)×約100nm(L)にて形成した(図6(b))。作製した素子のMR効果は数10Gの低磁場で得られることが確認できた。
【0067】
なお、ここでは約1度の傾斜基板を用いたが、0.1〜10度の傾斜基板を用いても同様の素子を実現できる。基板材料もSrTiO3(001)面基板に限定されるわけではない。
【0068】
上記素子においてMR効果が確認された材料を表1にまとめて示す。表1では、膜Aは上記の例ではSrRuO3薄膜に、膜Bは上記の例では(La0.65Sr0.35)2MnO3薄膜にそれぞれ相当する。その他の薄膜は上記と同様とした。接合部のサイズは、図6(b)に表した(L×W)による。
【0069】
また、基板として図6(c)に示したような段差形状を設けた加工基板を用いてもよい。この段差基板を用いて上記と同様に作製した素子においても(接合部サイズは50nm×50nmとした)、同様のMR効果が確認できた。傾斜基板を用いる場合に比べて、段差加工基板を用いる場合には、素子の抵抗が高くなる傾向が認められた。必要とする素子特性に応じて両者を使い分けるとよい。
【0070】
(実施の形態6)
次に、磁気抵抗素子を用いて、磁気ヘッドを作製した。
【0071】
作製した磁気抵抗効果型ヘッドの構成を図7(a)、図7(b)に示す。なお、各層の成膜にはスパッタリング法を用いた。
【0072】
この磁気ヘッドでは、基板81としてSrTiO3単結晶を用い、下部シールド層82として(La0.65Sr0.35)RuO3薄膜を、上部シールド層83と、コイル87の上下に配置した記録磁極85、86とにはNiFe合金薄膜を用いた。両シールド層の膜厚はそれぞれ100nm、両記録磁極の膜厚はそれぞれ3μmとした。各層間のギャップ層にはSrTiO3薄膜を用いた。ギャップ層の膜厚はシールド層と磁気抵抗素子84との間では0.1μm、記録磁極の間では0.2μmとした。再生ヘッドと記録ヘッドとの間隔は約4μmとし、このギャップ層にはAl2O3薄膜を用いて形成した。磁気抵抗素子84は、ヘッド表面88とは絶縁部95を介して隔てられており、この表面に直接露出していない。引き出し電極89はCuを主たる材料として、引き出し電極91は(La0.65Sr0.35)2RuO3を用いて構成した。コイルには膜厚3μmのCu薄膜を用いた。絶縁部95にはSrTiO3を用いた。
【0073】
磁気抵抗素子84は、下部強磁性層として(La0.65Sr0.35)2MnO4薄膜または(La0.65Sr0.35)MnO3薄膜20nmを、接合層としてBi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜3nmを、上部強磁性層としてNi-Fe-Co薄膜50nmを、この順に積層して構成した。Ni-Fe-Co薄膜の組成は、上記で説明したように、NiリッチまたはCoリッチとすることが好ましい。また、上部強磁性層と接する磁性層90には、Ni0.81Fe0.19または上部強磁性体と同じ組成の薄膜(50nm)を用いた。
【0074】
この磁気抵抗素子84における2つの強磁性層は、磁化方向が互いに直交するように形成されている。そして、電極89、91の間にバイアス電流が流され、磁性層90を介して導入される磁界による上部強磁性層の磁化方向の変位を磁気抵抗変化として読み取って、信号を再生する。
【0075】
図8(a)および図8(b)に磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の一例を示す。磁気ヘッド96は、磁気ヘッド支持部98の先端に取り付けられ、支持部の他端の磁気ヘッド駆動部99により駆動される。図8(b)に示すように、磁気ヘッド96および磁気ディスク97は、ディスク厚さ方向に複数が積層して用いられる。トラック幅は、例えば5μmとすればよい。また、磁気ディスク97としては、例えばCo-Ni-Pt-Ta系合金を用いることができる。
【0076】
磁気抵抗素子84は、従来のCIPMR素子であるGMR型の磁気抵抗素子よりも抵抗変化率が高いため、再生出力が高く、再生用磁気ヘッドとして優れている。上記で作製した素子84を用いて磁気ディスク装置を作製したところ、磁気記録媒体に記録された信号に応じた電圧変化を感度よく検出できた。
【0077】
本形態で説明した磁気ヘッドでは、上記層状ペロブスカイト型酸化物を挟むように一対の強磁性体が配置され、一方の強磁性層が自由強磁性層、他方の強磁性層が反強磁性層と接触して固定強磁性層となっており、電流バイアスの印加時に、磁気抵抗トンネル電流が流れる構造を有している。固定強磁性層と自由強磁性層とは、予め互いに垂直方向に磁化されている。そして、磁気記録媒体からの外部磁界による自由強磁性層の磁化方向の回転に伴う、両強磁性層の磁化方向の相対的な変化に応じて変化する電気抵抗によって、外部磁界が検出される。こうして、相応する磁気記録データが読みとられる。
【0078】
(実施の形態7)
次に、磁気抵抗素子を用いて、素子を記憶セルとして行列状に配し、磁気記憶素子であるMRAMデバイスを作製した。ここでもスパッタリング法を適用した。
【0079】
磁気記憶素子における情報の記録・読出には、保磁力差を利用する方法と、自由層と固定層との組み合わせを利用する方法がある。前者では、保磁力が相対的に大きい層に磁化方向を記憶させ、最初に印加した磁界より小さい外部磁界を印加して保磁力が相対的に小さい層の磁化を反転させ、両層における磁化方向の平行・反平行による素子の抵抗変化により、記憶情報が読み出される。後者では、一方の強磁性層を反強磁性体と隣接させてその磁化方向を固定し、他方の強磁性層を外部磁界により磁化が反転しやすい自由層とすることにより、固定層および自由層の磁化方向の平行・反平行による素子の抵抗変化により、記憶情報が記録され、読み出される。
【0080】
本発明の磁気抵抗効果型素子は、固定層および自由層を用いる記憶素子にも適用できるが、ここでは保磁力差型の構成を用いて実証を行った。
【0081】
図9に示すように、基板181としたSrTiO3単結晶に、バッファー層兼下部酸化物電極182として(La0.65Sr0.35)RuO3薄膜を50nm堆積し、さらに、非対称電気特性層183として、(La0.85Sr0.15)MnO3 (50nm)/ SrTiO3(100nm)/(La0.95Sr0.05)TiO3 (50nm)多層膜、または(Li0.01Ni0.99)O (50nm)/ SrTiO3(100nm)/(La0.95Sr0.05)TiO3 (50nm)多層膜を堆積させた。これらの多層膜は、電気特性について強い非対称性を有し、ダイオード的な特性を示す。
【0082】
次いで、磁気抵抗効果素子184として、下部強磁性層La1.4Ca1.6Mn2O7薄膜を20nm、(Bi0.95Pb0.05)2(Sr0.75Ca0.25)2Ca Mn2O9薄膜を2nm、上部強磁性層(La0.7Ca0.3)MnO3薄膜を20nm、順次積層した。さらに、酸化物電極体として(La0.65Sr0.35)RuO3薄膜を20nm堆積させ、Auを用いて引き出し電極185を形成した。ここで、La1.4Ca1.6Mn2O7は、(La,Ca)3Mn2O7と表され、(La,Ca)MnO3と(La,Ca)2MnO4とが周期的に積層した構造を有する類縁化合物である。なお、層間絶縁膜186には、Al2O3、CaF2、SiO2を用いた。
【0083】
引き出し電極185は、ビット線188を構成する電極体に接続され、バッファー層182は、センス線189を構成する電極体に接続されている。こうして作製した保磁力差型の磁気抵抗素子単体の電流電圧特性を調べたところ、強い非対称性と良好な磁気抵抗効果特性を示すことが確認できた。
【0084】
また、上記と同様の磁気抵抗素子を用い、図10(a)に示すように行列状のアレイ構造に磁気抵抗素子を配列し、層間絶縁膜によって各素子を分離し、下部電極と直交する方向に上部電極部を配置した。上下の電極は、MRAMのビット線188、センス線189として用いられる。図10(b)に示したように、下部電極(センス線189)上に磁気抵抗素子184を作製すれば、センス線を磁界発生用の配線として共用できる。
【0085】
さらに、センス線と直交するようにワード線187を配して、MRAMの基本構造を構成した。なお、センス線用導電膜にはAuCrまたはCuを、ワード線用導電膜にはAuまたはCuを、記憶素子とワード線との絶縁にはAl2O3を用いた。こうして、256×256の行列型メモリを構成した。
【0086】
この行列型メモリは、図11(a)に示すように、センス線111、ビット線112およびワード線113,114が配置されている。センス線とビット線との間に、記憶セルを構成する磁気抵抗素子116が配置されている。ここでは、書き込み選択性を向上するためにワード線を2本用いている。各配線の接続点を、便宜的にドット115により示す。
【0087】
図11(b)に示すように、MRAMデバイスには、さらに、番地指定用のスイッチ部(118:センス線用、119:ビット線用、117、120:ワード線用)、番地指定を受けて書き込み・読み出しの可/不可をそのon/offで行う信号パストランジスタ部123、信号抵抗検出部121、ワード線用信号検出部122が配置されて、情報の記録・再生が行われる。記憶は、電流パルスを行要素と列要素とのワード線にそれぞれ流し、発生する磁界によって、特定の素子に対してのみ磁化状態を変化させて行われる。
【0088】
こうして作製したある記憶状態にあるMRAMデバイスの動作を以下のように確認した。まず、第1の番地指定用スイッチ部を通じて選択される、ある特定の番地の記憶素子に対して、センス線にて選択した記憶素子の抵抗をモニターしながら、同時に第2の番地指定用スイッチ部を通じて選択される、同じく特定の番地の記憶素子に対してのみ、その素子の一方の保磁力が低い強磁性膜の磁化方向を反転させうる磁場を発生する電流パルスを、行要素あるいは列要素のワード線を用いて流す。このとき、もう一方の保磁力が高い強磁性層に蓄えられた記憶情報である"0"、"1"に応じた変化がパルスとして、信号抵抗検出部を通じて検出できた。このときには、保磁力が高い強磁性層に磁化方向が保持されている、すなわち記憶状態は保存されていることから、記憶情報の非破壊読み出し動作であることが確認された。このようにMRAMの基本動作が確認された。上記磁気記憶素子を用いれば、より高集積密度のMRAMも実現できる。
【0089】
本形態で説明した磁気記録素子は、バイアス印加時に磁気抵抗トンネル効果を発現する上記層状ペロブスカイト型酸化物を挟むように一対の強磁性体と、この強磁性体と電気的に接していない少なくとも1つの外部磁界発生用の非磁性導電層とを配置し、強磁性体の一方を自由強磁性層、他方を固定磁性層としている。そして、
▲1▼強磁性層の配向方向に沿って磁化方向を設定することにより、磁化方向の平行、反平行に近い状態を実現し、この2つの磁化状態の変化をもって、"0"または"1"として記憶し、1ビット信号を設定する過程と、
▲2▼非磁性導電層に電流パルスを流し、強磁性層の、上記2つの配向方向に沿って磁化方向を変化させる1ビット信号書き込みの過程と、
▲3▼2つの磁化状態の違いによって生じる抵抗変化値を読みとる過程と
を経て、動作する。
【0090】
(実施の形態8)
スパッタリング法により薄膜の作製を行い、下記多層膜を同一真空槽内で積層した。約600〜800℃に基板を加熱し、SrTiO3(100)面基板上にSrVO3をバッファー層兼酸化物電極層として50nm形成し、さらに、(Sr1-xCax)2FeMO6(x=0、0.25、0.5、0.75、1;M=Mo、Re)を20nm、Bi2Sr2CaMn2O9-δを3nm、酸化物強磁性層としてLa1.4(Sr1-yCay)1.6Mn2O7(y=0、0.25、0.5、0.75、1)を20nm、上部電極としてSr2RuO4を堆積した。これらの薄膜は、すべてc軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることが確認されている。
【0091】
ここで用いた(Sr,Ca)2FeMO6はダブルペロブスカイトと呼ばれ、AB1O3、AB2O3の2種類のペロブスカイト型酸化物で構成される材料である。ここで、A=Sr, Ca、B1=Fe、B2=Mo, Reである。また、La1.4(Sr1-yCay)1.6Mn2O7は、(La, Sr, Ca)2MnO4、(La, Sr, Ca)MnO3の2種類のペロブスカイト類縁化合物で構成された材料である。素子の形状比1:2.5にて素子幅0.2μm〜10μmに描画したフォトレジストを形成した後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切り出しを行った。その後CaF2薄膜の絶縁分離層を形成し、引き出し金電極を配線して素子を完成させた。約20Kにおける測定の結果、いずれの組成においてもMR特性を観測できた。ただし、Ca2FeMO6では、電気伝導性が半導体に近づくために、強磁性電極体としての抵抗が大きくなり過ぎるので、(Sr1-xCax)2FeMO6ではxが1未満が好ましい。
【0092】
さらに、上記と同様にして下記多層膜をSrTiO3(100)面基板上に形成した。
まず、SrVO3をバッファー層兼酸化物電極層として50nm形成し、さらに、(Sr1-xCax)2FeMO6(x=0、0.25、0.5、0.75;M=Mo、Re)を20nm、Bi2Sr2CaMn2O9-δを3nm、酸化物強磁性層として(Sr1-xCax)2FeMO6(x=0、0.25、0.5、0.75;M=Mo、Re)を20nm、上部電極としてSr2RuO4を堆積した。これらの薄膜は、すべてc軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることが確認されている。
【0093】
素子の形状比1:2.5にて素子幅0.2μm〜10μmに描画したフォトレジストを形成した後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切り出しを行った。
その後CaF2薄膜の絶縁分離層を形成し、引き出し金電極を配線して素子を完成させた。約20Kにおける測定の結果、いずれの組成においてもMR特性を観測できた。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低磁場で、しかも低温だけでなく室温で動作可能な層状ペロブスカイト酸化物に内包する絶縁層を用い、高感度の磁気抵抗トンネル接合特性を有する素子を実現できる。本発明は、磁気デバイスの基本要素部品を提供するものであり、その発展を大いに促すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気抵抗効果型素子の作製工程の一例を説明するための図である。
【図2】 本発明の磁気抵抗効果型素子の一形態を示す部分切り取り斜視図である。
【図3】 本発明の一形態において作製された磁気抵抗効果型素子のMR特性を示すグラフである。
【図4】 本発明の磁気抵抗効果型素子の一形態における接合部近傍の結晶構造を示す図である。
【図5】 本発明の磁気抵抗効果型素子の別の一形態における接合部近傍の結晶構造を示す図である。
【図6】 (a)は本発明の磁気抵抗効果型素子の一形態の断面図であり、(b)は同素子の部分平面図であり、(c)は同素子の別の一形態の断面図である。
【図7】 (a)は本発明の素子を用いて作製した磁気ヘッドの構成の概略を示す斜視図であり、(b)は同ヘッドの断面図である。
【図8】 (a)は図7(a)および(b)に示した磁気ヘッドを用いて作製した磁気ディスク装置の一形態を示す平面図であり、(b)は同装置の断面図である。
【図9】 本発明の磁気抵抗効果型素子を用いて作製した磁気記憶素子の断面図である。
【図10】 本発明の磁気抵抗効果型素子を用いて作製した磁気記憶素子の配線を示す平面図である。
【図11】 (a)は本発明の磁気記憶素子における配線を示すための図であり、(b)は同素子を用いた磁気記憶装置の構成の一例を示す図である。
【符合の説明】
11 基板
12 バッファ層
13 下部酸化物電極
14 磁気抵抗トンネル接合層
15 上部酸化物電極
16 フォトレジスト
17 接合部
18 絶縁分離層
19 引き出し電極
20,22 (La0.65Sr0.35)MnO3薄膜
21 Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜
Claims (7)
- 式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、
前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み
一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、
AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、
LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、
MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、
Rは希土類元素をそれぞれ示し、
nは1、2または3であり、
x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、0≦z<1により示される範囲内の数値であり、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体が、式((R1-pLp)1-yAy)mMOm+2-dにより表される組成を有し、
ただし、A、L、M、Rは、それぞれ上記と同様の元素を示し、
mは1または2であり、
d、p、yは、それぞれ、0≦d≦1、0< p ≦1、0≦y≦1により示される範囲内の数値である、磁気抵抗効果型素子。 - ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体と、層状ペロブスカイト型酸化物とが、元素Lとして、同一種類の元素を含有する請求項1に記載の磁気抵抗効果型素子。
- 式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、
前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み
一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、
AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、
LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、
MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、
Rは希土類元素をそれぞれ示し、
nは1、2または3であり、
x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、 0.05 ≦ 1-z ≦ 0.55により示される範囲内の数値であり、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体が、式((R1-pLp)1-yAy)mMOm+2-dにより表される組成を有し、
ただし、A、L、M、Rは、それぞれ上記と同様の元素を示し、
mは1または2であり、
d、p、yは、それぞれ、0≦d≦1、0≦p≦1、0.05 ≦ y ≦ 0.55により示される範囲内の数値である、磁気抵抗効果型素子。 - 式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、
前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み
一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、
AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、
LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、
MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、
Rは希土類元素をそれぞれ示し、
nは1、2または3であり、
x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、0≦z<1により示される範囲内の数値であり、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体が、式((R1-pLp)1-yAy)mMOm+2-dにより表される組成を有し、
ただし、A、L、M、Rは、それぞれ上記と同様の元素を示し、
mは1または2であり、
d、p、yは、それぞれ、0≦d≦1、0≦p≦1、0≦y≦1により示される範囲内の数値であり、
0.8(1-z)≦y≦1.2(1-z)の関係が成立する、磁気抵抗効果型素子。 - 式L2(A1-zRz)2An-1MnO3n+3+xにより表される組成を有し、結晶構造内に(L-O)2層を有する層状ペロブスカイト型酸化物と、
前記酸化物を挟むように前記酸化物に接して形成された一対の強磁性体と、を含み
一対の強磁性体の一方がペロブスカイト型酸化物からなり、他方が金属強磁性体であることを特徴とする磁気抵抗効果型素子であって、
AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を、
LはBi、TlおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を、
MはTi、V、Cu、Ru、Ni、Mn、Co、FeおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を、
Rは希土類元素をそれぞれ示し、
nは1、2または3であり、
x、zは、それぞれ、−1≦x≦1、0≦z<1により示される範囲内の数値であり、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる強磁性体に接して形成された酸化物電極体をさらに含み、
前記酸化物電極体がペロブスカイト型酸化物からなり、
前記ペロブスカイト型酸化物からなる酸化物電極体が、式(A1-vRv)j(X1-rTr)Oj+2-qにより表される組成を有する、磁気抵抗効果型素子。
ただし、A、Rは上記と同様の元素を示し、
Tは前記酸化物電極体が接する強磁性体に含まれる元素Mと同種の元素であり、
XはTi、V、Cu、Ru、NiおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素(ただし、前記Tを除く)を示し、
jは1または2であり、q、r、vは、それぞれ、0≦q≦1、0< r ≦1、0≦v≦1により示される範囲内の数値である。 - 請求項1に記載の磁気抵抗効果型素子を含むことを特徴とする磁気記憶素子。
- 請求項1に記載の磁気抵抗効果型素子を含むことを特徴とする磁気ヘッド。
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