JP2956299B2 - 磁気検出素子およびエネルギー検出素子ならびにエネルギー検出方法 - Google Patents

磁気検出素子およびエネルギー検出素子ならびにエネルギー検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性体を用いた積層膜
有するスピン相互作用素子に係り、特に、これを利用し
た高い感度を有する磁気検出素子およびエネルギー検出
素子ならびにエネルギー検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁性体を用いた積層膜は、第69
回日本応用磁気学会研究会資料(1991)第21頁から第2
6頁に記載されているようなFe(30Å)/Cr(9
Å)/Fe(30Å)の積層膜であった。また、アイイ
ーイートランスアクション オン マグネティクス 第
18巻第2号3月(1982)第707頁から第708
頁(IEEE Transactions on Magnetics, Vol. Mag−1
8,No.2 March(1982)p.707−p.708)に
は、例えば、Ni/NiO/Niのような積層膜が記載
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層膜を用いて
形成したスピン相互作用素子は、1000エルステッド
以上の強い磁場でしか磁気抵抗効果が起こらず、弱い磁
場に対する高い感度の素子を提供することが困難であっ
た。
【0004】そこで、本発明の目的は、磁性体間に中間
層を有するような積層膜を用いたスピン相互作用素子を
利用し、高い感度を有する磁気検出素子およびエネルギ
ー検出素子ならびにエネルギー検出方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の磁気検出素子およびエネルギー検出素子の特徴は、
酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
構造に積層された3層積層膜と、酸化物を挟んで第1の
磁性体から第2の磁性体までの電気抵抗を検出する電気
抵抗検出手段とを備え、第1および第2の磁性体、また
は、酸化物がペロブスカイト構造を有することにある。
また、電気抵抗検出手段は、3層積層膜の電気抵抗を第
1の磁性体の2点間で検出するものであってもよい。
た、本発明のエネルギー検出方法の特徴は、酸化物が第
1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層構造に積層
され、第1および第2の磁性体、または、酸化物がペロ
ブスカイト構造を有する3層積層膜を用い、酸化物を挟
んで第1の磁性体から第2の磁性体までの電気抵抗を検
出し、検出された電気抵抗に基づいてエネルギーを検出
することにある。また、電気抵抗の検出については、3
層積層膜の電気抵抗を第1の磁性体の2点間で検出して
もよい。
【0006】本発明に言うスピン相互作用素子とは、
性体として酸化物磁性体を用い、この磁性体間に中間層
を有するもので、一方の酸化物磁性体と、もう一方の酸
化物磁性体の磁性元素(例えばマンガン,コバルト,鉄
など)のスピンが中間層を介して相互作用を持つ現象を
利用したものである。
【0007】磁性体中には磁性元素のスピンの間に磁気
的な相互作用、即ちスピン相互作用が生じておりこれに
より磁性体は、強磁性や反強磁性を示す。ある一つのス
ピンの向きを「+」とし、これと反対の向きのスピンの
向きを「−」とすると、それぞれのスピンが「+」と
「−」の向きに整列するような相互作用が働いたとき、
この磁性体は反強磁性を示し、「+」と「+」の向きに
整列するように相互作用が働いたとき、強磁性を示す。
このようにスピン相互作用は、2つの磁性体間にも働
く。しかし、2つの磁性体がまったく独立して存在して
いるときには、この相互作用は働かず、本発明における
中間層のような、スピンの相互作用を一方の磁性体か
ら、他の磁性体に伝える役目を果たすものが必要とな
る。
【0008】このように中間層を介して2つの磁性体間
にスピン相互作用が生じている状態では、外部から与え
られたエネルギーすなわち、電磁波,磁界,光,圧力,
音,熱などの刺激に対して上記スピン相互作用が高い感
度で反応を示す。このようなスピン相互作用の生じてい
る状態の中に電流を流すと、電子がスピンにより散乱を
受け上記相互作用の変化が電気抵抗の変化として検出さ
れる。本発明のスピン相互作用素子は、上記電気抵抗の
変化を利用して、外部エネルギに対する高い感度の検出
を可能とならしめるものである。
【0009】磁性体間に介在する中間層は、弱い磁性を
示す原子を含むことが好ましい。弱い磁性を示す原子と
は、例えば酸化物中における銅原子のようなもので、各
原子間にスピンの相互作用があるが、その相互作用の大
きさが一般の強磁性体に比べて小さいため、強い磁化を
示さないものをいう。上記中間層では、スピン相互作用
は一般の磁性体とは異なっている。スピンが「+」と
「−」の方向に整列しようとする力の大きさと、「+」
と「+」の方向に整列しようとする力の大きさがほぼ同
程度であるために、隣合う原子のスピンに着目した場
合、前記2つのスピン状態が交互に繰り返されることに
なる。このような状態のことを、スピンがゆらいでいる
状態という。スピンがゆらいでいる状態はスピン全体が
一種の波を打っていると考えることが出来る。本発明に
よるスピン相互作用素子は、前述したようなゆらぎの状
態を有する中間層を用いることにより、2つの磁性体が
スピン相互作用をすることを利用したものである。ゆら
ぎの無い原子である、Ti,W,Ta、などからなる物
質を中間層として用いても、上記スピン相互作用は起こ
らない。
【0010】又、磁性体間に介在する中間層は、弱いス
ピン相互作用を有する原子を含むことが好ましい。弱い
スピン相互作用を有する原子とは、上記スピンの整列し
ようとする力の大きさが、強磁性体や反強磁性体の磁性
元素に比べると小さい原子のことをいう。例えば酸化物
中における銅や、非磁性元素で希釈された状態にあるマ
ンガン,クロムなどの磁性元素などがこれに当る。上記
弱いスピン相互作用の状態は、スピングラス相として、
一般に知られている状態をこれに含む。
【0011】更に、磁性体間に介在する中間層は、ゆら
ぎが大きい原子を含むことが好ましい。揺らぎが大きい
原子とは、例えば、酸化物中の銅原子や鉄,コバルト,
マンガンなどの磁性元素がある。これらの中間層におい
ては、スピンを有する原子は普通混合原子価といわれる
状態にある。原子価とは、ある原子が通常の基底状態よ
りも、電子の少ない状態にある時に用いるもので、電子
が1個少なければ1価、2個少なければ2価という。銅
を例に取って説明すると、酸化物中においては銅の原子
価は2価と3価の2種類が有り、上記2種類の原子価を
持つ原子がある割合で共存している。上記2種類の銅原
子間には、弱い反強磁性的なスピン相互作用が働いてい
る。しかし、この相互作用は弱いため銅原子のスピン
は、上記スピンゆらぎの状態にある。さらに、ある特定
の原子に着目して見ると上記原子の原子価は、2価と3
価を交互に取る。この状態を、電荷の揺らぎという。本
発明におけるスピン相互作用素子は、このようなスピン
及び電荷の揺らぎが磁性体のスピン相互作用を、もう一
方の磁性体に伝える作用を有することを利用したもので
ある。
【0012】又、中間層は、ペロブスカイト構造を有す
る酸化物であることが好ましい。
【0013】又、中間層に用いられる材料は、一般式 Ln1B2Cu3O7,A2B4Cu3O10,A2B3Cu2O8,A1B4Cu3O8,A1B3
Cu1O11、又は、M2-WNWCu1O4 (但し、AはTl,Bi,Pbの少なくとも一つ元素。
Bは少なくとも一種類のアルカリ土類金属。MはLa又
はNdの何れか一方の元素。NはCe又はアルカリ土類
金属の何れか一種類の元素。Lnは希土類金属,Y,3
価の元素の少なくとも一つ元素。wは0.05〜1.00
である。)で表わされるものを用いることが好ましい。
【0014】更に、中間層に用いられる材料は、具体的
には、(La1-xMx)Cu2O4(MはBa,Ca,Srの少なくとも1つの
元素),La1Ba2Cu3O7、La2NaCuO4,Bi0.1La1.8Sr0.1Cu
O、La2CuO4,La2Ba3LuCu6O,YBa2Cu3O7、Y2Ba4Cu8O20
Yb2Ba4Cu7O15,Bi2Sr2CuO6,Bi2Sr2Ca1Cu2O8,Bi2Sr2Ca
2Cu3O10、Bi2Sr2Ca3Cu4O12,Ba(Pb1-xBix)O3,(Ba
1-xKx)BiO3,(Bi1-xPbx)2Sr2Ca2Cu3O、Bi2Sr2.6Nd0.4Cu
O8,Tl2Ba2CuO6,Tl2Ba2Ca1Cu2O8,Tl2Ba2Ca2Cu3O10、T
l1Ba2Ca1Cu2O6,Tl1Ba2Ca3Cu4O8,Tl1Ba3Ca2Cu4O10,Tl
1Sr2Cu3O、(Tl0.5Pb0.5)Sr2Ca2Cu3O8,Nd1.6Sr0.2Ce0.2
CuO4、Nd0.8Ce0.2Cu1O4,Ca0.8Sr0.2Cu1O2(Tl0.75Bi
0.25)1.3(Sr0.5Ca0.5)2.7Cu2O8,Pb2Sr2Y0.5Ca0.5Cu
3O8、(但し、xは0.05〜1.0とする。)であること
が好ましい。ここで、(AB)とはAまたはBの少なくと
も一方を含むという意味である。
【0015】又、中間層は、この中間層に用いられる材
料の温度を下げた場合超電導特性を示す物質であること
が好ましい。
【0016】本発明者等は、酸化物超電導体と磁性体を
近接させたときの相互作用を調べることは、高温超電導
の発現機構を明らかにする上で重要であると考え、これ
まで研究を進めてきた。その結果ぺロブスカイト構造を
有するマンガン系の酸化物磁性体であるところのLa1-xC
axMnOz(LCMO)及びLa1-xSrxMnOz(LSMO)と酸化物高温超電
導体であるところのYBa2Cu3Oy(YBCO)との間には、有る
限られた磁性(x=0.2〜0.3)の領域においてのみ磁
性体中を超電導電流が流れるという特異な近接効果が起
こることを見出した。この現象(近接効果)は、次の3
つの点で新しい現象であるといえる。
【0017】(1) コヒーレント長をはるかに超えるバ
リア層を介して超電導電流が流れる。
【0018】(2) 半導体的な電気特性のバリア層を酸
化物超電導体で挟むと接合抵抗は金属的な振舞を示す。
【0019】(3) 強磁性と超電導電流とが共存してい
る。
【0020】本発明者等は、この特異な現象を解明する
研究を進めるうちに、酸化物超電導体と酸化物磁性体と
の間には、室温においても既にスピンの相互作用が生じ
ておりこのため接合抵抗が金属的な特性を示すことを見
出すに至った。上記発見により得られた知見をもとに本
発明のスピン相互作用素子を得たものである。
【0021】又、中間層は、0.01〜1.0μmである
ことが好ましく、望ましくは、0.1〜1.0μmであ
る。素子としての形成が容易となるためであり、本発明
で見出した中間層の材料は、このように厚く形成するこ
とができる。これは、スピンゆらぎがある中間層を用い
たことの効果である。
【0022】一方、中間層を挟む磁性体としては、磁性
元素の電子スピンを有し、酸化物磁性体を用いることが
好ましく、特に、ペロブスカイト構造を有する酸化物磁
性体を用いることが望ましい。
【0023】又、酸化物磁性体は、一般式 ABO3 (但し、Aは3価の元素又はアルカリ土類金属
の少なくとも一種類の元素。BはFe,Co,Ni,C
r,Mn等の磁性元素の少なくとも一つの元素。)で表
わされるものを用いることが好ましい。
【0024】本発明に用いられる酸化物磁性体は、具体
的には、(La,Ca)1Mn1Oy,(La,Sr)1Mn1Oy,Bi1Mn1Oy,Ba
1Fe1Oy,Sr1Co1Oy、(La,A)1B1Oy(AはBa,Sr,P
b,Cdの少なくとも1つの元素、BはMn,Coの少
なくとも1つの元素)、(La,A)1B1C1Oy(Aは少なくとも
1種以上の希土類元素、Bは少なくとも1種以上のアル
カリ土類元素、CはFe,Co,Mn,Ni,Cr,C
oの少なくとも1つの元素)、{(Pr,Nd),(Ba,Sr)}1Mn
1Oy,(Bi,Ca)1Mn1Oy、La1(M,Mn)1Oy(MはCo,Ni,
Cu,Crの少なくとも1つの元素),Gd1(Co,Mn)1Oy
A1(Fe,B)1Oy(AはBa,Ca,Srの少なくとも1つの
元素、BはMo,Mnの少なくとも1つの元素),Bi1Cr
1Oy,Ca1Ru1Oy、A1(B,C)1Oy(AはBa,Ca,Sr,P
bの少なくとも1つの元素,BはNi,Mn,Cr,F
eの少なくとも1つの元素,CはW,Sb,Mo,Uの
少なくとも1つの元素)、(Sr,La)1(C,D)1Oy(CはC
o,Niの少なくとも1つの元素,DはNb,Sb,T
aの少なくとも1つの元素)、(但し、yは2.7〜3.3
とする。)であることが好ましい。ここで、(AB)とは
AまたはBの少なくとも一方を含むという意味である。
【0025】又、本発明のスピン相互作用素子は磁性体
間に、ペロブスカイト構造の酸化物からなるカップリン
グ層を有することを特徴とする。
【0026】ここで、カップリング層とは磁性体間にス
ピンの相互作用が生じるように、一つの磁性体のスピン
をもう一方の磁性体に伝える働きをする層のことであ
る。本発明に用いた、カップリング層であるところのぺ
ロブスカイト構造を有する酸化物は、スピンのゆらぎを
有するものである。
【0027】本発明者等は、酸化物超電導体を上記カッ
プリング層として用いることが出来ることを、Mn系酸
化物磁性体La1-x(Sr,Ca)xMnO3-zを障壁層とし、YBa2Cu
3Oy(YBCO)でこれを挟んだ3層構造の接合におい
て、500nmと厚くかつ強磁性を示す障壁層を通して
超伝導電流が流れるという近接効果を研究する過程にお
いてこれを見出した。この現象には、La1-x(Sr,Ca)xMn
O3-zのスピン状態が密接にかかわっている。YBa2Cu3Oy
/La0.8Sr0.2MnO3-z(LSMO)/YBa2Cu3Oy3層膜と
単層のLa0.8Sr0.2MnO3-z膜との、77KにおけるMnの
スピンの状態の違いをFMR(強磁性共鳴法)測定によ
り調べたところ、図8に示すような結果が得られた。3
層膜,単層膜のいずれにおいても、2種類のピークが認
められる。図9に上記ピークの半値幅の温度依存性を調
べた結果を示す。LSMO単層膜(〇)では温度変化は見
られないが、3層膜(●)では150K付近で極大を示
し、両者で顕著な差があることがわかる。上記ピークの
半値幅とは、前記のスピンゆらぎの大きさを表すもので
あり、酸化物磁性体が酸化物超伝導体と積層されること
により、スピンの動的性質に変化が生じていることを示
す結果である。本発明は、上記スピンの性質に基づいた
ものである。
【0028】又、本発明のスピン相互作用素子は酸化物
を磁性体で挾んでなる3層構造の積層膜と、前記磁性体
間に電流を与える手段と、前記磁性体間に発生する電圧
を検出する手段とを有することを特徴とする。上記積層
膜は、酸化物超電導体からなる酸化物を磁性体ではさん
だ3層構造の積層膜を作製したものである。従来より、
数十オングストローム程度の膜厚の非超電導体を、超電
導体ではさんだ3層構造の素子が、ジョセフソン素子と
して知られていたが、本発明によるスピン作用相互素子
は超電導体を非超電導体ではさんだ構造を持ち、構造的
にも、また原理的にもこれとはまったく異なったもので
ある。特に本発明においては、上記ジョセフソン素子と
違い、酸化物超電導体が超電導特性を示す超電導遷移臨
界温度よりも高い温度における、超電導体の特性を利用
することを特徴とする。特に、室温状態での使用が可能
となる。
【0029】又、本発明のスピン相互作用素子は酸化物
を磁性体で挾んでなる3層構造の積層膜と、前記磁性体
間に電流を与える手段と、前記磁性体間に発生する電圧
を検出する手段と、前記積層膜に外部からエネルギを与
える手段とを有することを特徴とする。磁性体間に電流
を与える手段とは、一定の電流を流すことの出来る定電
流源であり、金または銀などからなる電極を通して、電
流を供給するものである。この時に発生する電圧は、電
圧計によってこれをモニターする。電圧を検出するため
の端子と、電流を供給するための端子とは同一のもので
あっても構わない。
【0030】上記スピン相互作用素子に、外部から電磁
波,磁界,光,音,圧力,熱などのエネルギを与える
と、スピンの状態が高い感度を有して変化する。この変
化は、電圧の変化として読み取ることが出来るので、高
感度の検出素子としての利用が可能である。また、電流
を流したときに発生する電磁波を利用するような使用法
も可能である。
【0031】更に、本発明は、基体上に形成した磁性体
と該磁性体上に酸化物を介して形成した磁性体との積層
膜と、前記磁性体間に電流を流す手段と、前記磁性体間
に発生する電圧を検出する手段とを有し、前記積層膜が
磁気を感じたときの前記積層膜の抵抗値の変化によって
磁気を検出する磁気検出素子を提供するものである。上
記の積層膜からなるスピン相互作用素子を磁気検出素子
として用いる場合には、以下のようにしてこれを用い
る。
【0032】酸化物を磁性体ではさんだ3層構造の積層
膜において、一方の磁性体層から他方の磁性体層に対し
て電流を流すための電極を設け、電流を供給するための
手段に接続する。また、さらに膜の3層構造の接合部分
に発生する電圧を検出するための電極と、これを検出す
るための手段を接続する。上記素子に対して、3層の積
層膜の膜面に対して平行な磁場を印加すると、接合部に
発生する電圧が変化する。上記発生電圧をモニターする
ことにより、磁気検出素子としての利用が可能である。
上記3層構造の積層膜において、中間層であるところの
酸化物層の膜厚を、1ミクロン程度にまで厚くすること
が出来る。
【0033】更に、本発明は、基体上に形成した酸化物
を磁性体で挾んでなる3層構造の積層膜と、前記磁性体
の膜面方向に電流を流す手段と、前記磁性体に発生する
電圧を検出する手段とを有し、前記積層膜が磁気を感じ
たときの前記積層膜の抵抗値の変化によって磁気を検出
する磁気検出素子を提供するものである。
【0034】このためには、基体上の積層膜に、膜面内
長手方向に電流を流すための2つの電流端子と、この時
に発生する電圧を検出するための2つの電圧端子を形成
する。さらに、これを支持体上に固定して、電流供給手
段及び電圧検出手段に接続する。このようにして、磁界
を外部から上記磁気検出素子に印加すると、印加磁界の
大きさに応じて電圧端子間に発生する電圧が変化しこれ
によって磁界を検出することが出来る。上記端子は、電
流端子と電圧端子とが同じものであってもかまわない。
【0035】この時の電圧変化率は、従来技術による磁
気抵抗素子に比べて一桁以上大きい50から90%にも
及ぶ値である。また、酸化物磁性体の比抵抗は室温では
おおよそ100ミリオームセンチメートルであり、発生
する電圧の絶対値も従来の磁気抵抗素子に比べて3桁以
上大きな値となる。このため、SN比の良い磁気検出素
子が得られる。また、素子動作時の電流値を数十マイク
ロアンペア程度にまで小さくすることができるので、電
極部での発熱をおさえることができ、かつ、発熱等によ
る磁気抵抗膜の劣化も生じない。
【0036】磁気記録装置の高密度大容量化を目的とし
た、読み出し・書き込み分離型のヘッドである磁気ヘッ
ドには、強磁性薄膜において薄膜の面内方向に一軸磁気
異方性が付与されている場合に、外部磁界が膜面に対し
て垂直に印加されると、素子の抵抗が変化する現象、い
わゆる「磁気抵抗効果」を利用したものである。
【0037】本発明の磁気検出素子を用いた磁気ヘッド
は、磁性膜中で磁化の方向が異なるときに生じるところ
の磁壁が移動する際に発生する、いわゆるバルクハウン
ゼン雑音の影響を受けず、SN比の高い磁気ヘッドが得
られる。
【0038】また、従来の磁気ヘッドに用いる強磁性体
膜、すなわち磁気抵抗膜には主としてパーマロイ(Ni
−Fe)などの金属強磁性体材料が用いられてたが、本
発明によると、磁性体の比抵抗を数十マイクロオームセ
ンチメートルと非常に小さくする必要がなく、従来、高
い再生出力を得るために、素子の磁気抵抗膜の膜厚を数
百オングストローム以下の極めて薄いものにしていた
が、その必要も無くなる。また、素子に流す電流値を大
きくする必要もない。したがって、このような薄い膜厚
の薄膜を作製する必要が無くなり、膜のピンホールによ
る保磁力の増大に伴う感度の低下という問題点もない。
また、大電流を流す必要が無くなり、発熱等により素子
の劣化を早めるという問題点もなくなった。
【0039】また、上記磁気抵抗効果とは異なる現象で
あるところの「巨大磁気抵抗効果」を利用した磁気検出
素子が提案された。上記「巨大磁気抵抗効果」とは、強
磁性体で非磁性体を挟んだ構造の3層の積層膜におい
て、極めて大きな磁気抵抗効果が現れる現象である。こ
の現象は、上部と下部との強磁性体が非磁性層を介して
スピン相互作用をするために、起こるものである。本発
明によれば、この現象を利用した磁気検出素子が大きな
再生出力が期待される反面、検出感度が低いという問題
点を解消することができる。すなわち、1000エルス
テッド程度の磁場を外部から印加しないと巨大磁気抵抗
効果は起こらなかったのに対し、本発明によれば、小さ
い磁場、例えば30エルステッド程度の磁場でも磁気抵
抗効果が生じ、実際の磁気記録媒体からの磁界を読み取
ることができる。また、非磁性層の膜厚を、従来の巨大
磁気抵抗効果のように数十オングストローム以下に薄く
する必要がないため、素子特性の制御が容易になった。
【0040】さらにまた、上記磁気検出素子とは異なる
原理による磁気検出素子に、強磁性トンネル接合素子が
有る。これは、膜厚数十オングストロームの極めて薄い
絶縁物を強磁性体薄膜で挟んだもので、高感度かつ高出
力の磁気検出素子として利用が可能である。上記強磁性
トンネリング現象は、極低温でしか起こらないために磁
気検出素子としての応用は困難であったが、本発明によ
ればこのような問題点は解消し、室温程度の状態におい
ても利用可能である。
【0041】発明者等は、高温超電導のメカニズムにつ
いての研究を進めるうちに、ぺロブスカイト構造を有す
る酸化物超電導体と酸化物磁性体との間には、1ミクロ
ン以上にも及ぶ長距離にわたってスピンの相互作用が働
くこと、及びこの相互作用は超電導体が超電導状態に転
移する超電導転移臨界温度より高い温度においても作用
することを発見した。本発明は、上記のスピン相互作用
を利用し、高感度の磁気検出素子や、これを用いた高密
度大容量の磁気記録装置の実現を可能成らしめたもので
ある。
【0042】又、本発明は、磁気記録媒体に記録された
磁気信号を磁気検出素子で読み取る磁気記録装置であっ
て、前記磁気検出素子が酸化物を磁性体で挾んでなる3
層構造の積層膜を具備し、該積層膜が前記磁気記録媒体
に記録された磁気信号を読み取る磁気記録装置を提供す
るものである。また、上記磁気検出素子を情報が記録さ
れた磁気記録媒体に接近させると、上記磁気記録媒体か
らの磁界により、上記素子の、例えば検出電圧等が変化
し磁気記録媒体に書き込まれた情報を読み取ることがで
きる。
【0043】又、本発明は、酸化物磁性体間に超電導体
を有するスピン相互作用素子の使用方法であって、前記
超電導体の超電導転移臨界温度よりも高い温度で使用す
るスピン相互作用素子の使用方法を提供するものであ
る。
【0044】本発明のスピン相互作用素子は、大型計算
機やパーソナルコンピューター等の演算システムの記録
装置として用いることが出来る。また、光通信システム
や光演算システムの記録装置、又は演算素子としての使
用も可能である。
【0045】これらの酸化物磁性体及び酸化物超電導体
を、積層して3層構造の積層膜を作製するときは、スパ
ッタリング法,イオンビームスパッタリング法,真空蒸
着法などの作製方法を用いることが好ましく、チタン酸
ストロンチウム単結晶基板,酸化マグネシウム単結晶基
板,酸化ジルコニウム単結晶基板等の基体上に作製する
ことも可能である。作製する基体は、硝子基板,シリコ
ン単結晶基板,ガリウムひそ単結晶基板,ガドリニウム
ガリウムガーネット単結晶基板等であることが好まし
い。この時の超電導層の膜厚は、100オングストロー
ム以上であることが望ましい。また、各磁性体層と各超
電導体層は相互にエピタキシャルな方位関係で成長して
いることが望ましい。スピン相互作用の強さには、結晶
方位依存性があるためである。
【0046】積層膜を作製するときは、基板温度を50
0から650℃の間の最適な温度に設定し、酸化性雰囲
気(O2,O3,N2O など)を導入してこれを作製す
る。膜作製後はO2 ガスを導入し、自然冷却することが
好ましい。スパッタリング法によるときは、所定の組成
比の焼結体ターゲットを用い、真空蒸着法によるとき
は、金属または所定の組成比の合金蒸着源を用いること
が好ましい。
【0047】また、本発明を磁気記録装置に用いるため
には、次のようにする。本発明による磁気検出素子に電
流を供給するための手段と、素子の電圧を検出するため
の手段を接続し、上記磁気検出素子とは別に、磁気記録
媒体に情報信号を書き込むための素子、いわゆる記録用
磁気ヘッドを同一の支持体上に設置する。支持体は、制
御部によって制御された駆動系により、素子を磁気記録
媒体の所定の位置に移動させ、情報信号を書き込み又は
読み取りが出来るようにする。これにより、高密度大容
量でかつ小型の磁気記録装置が実現可能となる。
【0048】本発明による積層膜を素子に利用する場合
は、超電導体の超電導転移臨界温度よりも高い温度で使
用することが望ましい。この温度範囲においては、発明
者等の発見による特異なスピン相互作用が起きているか
らである。本発明を、上記の温度範囲で使用することに
より、従来になく高検出感度でかつ高出力の磁気検出素
子を得ることが出来る。
【0049】
【作用】本発明の磁気検出素子およびエネルギー検出素
子によれば、3層積層膜の酸化物を介して2つの磁性体
の間でスピン相互作用が生じており、第1および第2の
磁性体、または、酸化物がペロブスカイト構造を有する
ので、磁気または外部から与えられたエネルギーに対し
て2つの磁性体中のスピンの状態が高い感度で変化し、
酸化物を挟んで第1の磁性体から第2の磁性体までの電
気抵抗が変化して、電気抵抗検出手段が電気抵抗を検出
するので、検出された電気抵抗に基づいて、磁気または
外部から与えられたエネルギーを高い感度で検出するこ
とができる。 電気抵抗検出手段は、3層積層膜の電気抵
抗を第1の磁性体の2点間で検出するものであってもよ
いが、前述した酸化物を挟んで第1の磁性体から第2の
磁性体までの電気抵抗を検出する場合のほうが感度がよ
り高い。 また、本発明のエネルギー検出方法によれば、
3層積層膜の酸化物を介して2つの磁性体の間でスピン
相互作用が生じており、第1および第2の磁性体、また
は、酸化物がペロブスカイト構造を有するので、外部か
ら与えられたエネルギーに対して2つの磁性体中のスピ
ンの状態が高い感度で変化し、酸化物を挟んで第1の磁
性体から第2の磁性体までの電気抵抗が変化する。この
電気抵抗を検出すれば、外部から与えられたエネルギー
を高い感度で検出することができる。 電気抵抗の検出に
ついては、3層積層膜の電気抵抗を第1の磁性体の2点
間で検出してもよいが、前述した酸化物を挟んで第1の
磁性体から第2の磁性体までの電気抵抗を検出する場合
のほうが感度がより高い。超電導体を非超電導体ではさ
んだ構造の3層の積層膜を用いたことは、超電導体を介
して非超電導体間にスピン相互作用が生じるように作用
する。
【0050】また、上記非超電導体に酸化物磁性体を用
い、上記超電導体に酸化物超電導体を用いることは、上
記スピン相互作用が室温においても長距離にわたって相
互作用するように作用する。これにより、酸化物磁性体
の積層膜において巨大磁気抵抗効果が起こるように作用
し、磁気検出素子として利用可能な高感度,高出力の素
子を提供することが出来る。
【0051】また、酸化物超電導体と酸化物磁性体との
積層膜において、各層の膜厚が100オングストロームを
超えることは素子特性が均一なものが得られるように作
用する。これは、本発明者等の発見による長距離のスピ
ン相互作用を起こすような酸化物超電導体と酸化物磁性
体とからなる積層膜を用いたことによる。
【0052】また、基体上に形成された超電導体を磁性
体で挟んだ構造の3層膜において、上部の磁性体層から
下部の磁性体層に電流を流し、外部から磁界を印加する
ことは印加された磁界により磁性体のスピンの向きが変
化するように作用し、この時の上部及び下部のスピン相
互作用により、積層部に発生する電圧が変化するように
作用する。
【0053】また、基体上に形成した酸化物超電導体と
酸化物磁性体との積層膜の膜面方向に電流を流して磁界
を印加することは酸化物磁性体のスピンの向きが変わる
ように作用し、超電導体を介した酸化物磁性体間のスピ
ンの相互作用により膜面内の発生電圧が磁界に対応して
変化するように作用する。
【0054】また、磁気記録媒体に記録された信号を読
み取る手段として、本発明の磁気検出素子を用いる場
合、磁気記録媒体から素子に印加される磁界により素子
に発生する電圧が変化するように作用する。
【0055】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に基づいて説
明する。
【0056】図1は基体11上に形成した3層構造の積
層膜の断面図である。図1中、符合12は磁性体、13
は中間層である。ここで、中間層13としては、YBa2Cu
3Oy (yは6.0〜7.0である。)を用い、磁性体12と
しては、酸化物磁性体であるLa0.7Ca0.15Sr0.15MnO
z (zは2.7〜3.3である。)を用いた。又、基体11
は単結晶を鏡面状に研磨したものを用いた。
【0057】この3層構造の積層膜の各層の膜厚は、1
0×10×0.5のSrTiO3(100)の基体11上に、中
間層13が200nm,磁性体層12が200nmとな
るように形成した。
【0058】又、各層は、表1に示す条件のもとで形成
した。
【0059】
【表1】
【0060】この3層構造の積層膜を磁気検出素子に応
用した例を図2に示す。図2は磁気検出素子の模式断面
図を示す。
【0061】図2に示す磁気検出素子は、Si単結晶基板
からなる基体21上に、La0.7Ca0.15Sr0.15MnOz (zは
2.7〜3.3である。)からなる酸化物磁性体22,YB
a2Cu3Oy (yは6.5〜7.0である。)からなる中間層
23、及びLa0.7Ca0.15Sr0.15MnOz(zは2.7〜3.3で
ある。)からなる酸化物磁性体22を前記方法と同様の
方法を用いて順次形成する。
【0062】各磁性体22間に、電流を印加するための
Auからなる電極24をそれぞれの磁性体22上に形成
する。図2中に示す符号25は、電極24から電流を印
加するための電流源を示し、上部の磁性体層から下部の
磁性体層に20マイクロアンペアの電流を流すものであ
る。
【0063】磁性体22間の電流を印加することによる
3層の積層部に発生する電圧を電圧計27により検出で
きるように、Auからなる電極28を形成する。
【0064】この素子に対して、中間層23の膜面と平
行な方向に磁界29(図2中、矢印で示す。)を−30
〜30エルステッドの範囲で印加すると磁界29に対応
し、磁性体22間の電圧が変化する。
【0065】この印加した磁界に対する発生電圧の変化
を図3に示す。図3の横軸は、印加磁界を示し、図3の
縦軸は、磁界を印加しないときの発生電圧を基準にし、
電圧変化ΔVを示したものである。ΔVが0.5 とは、
磁界を印加しないときの半分の電圧が発生していること
を示すものである。図3によると、外部磁界が10エル
ステッド変化すると、0.85 の電圧変化があることが
分かる。この値は、従来の磁気抵抗素子、例えばパーマ
ロイ磁性膜を用いたものと比較すると2桁近く大きい値
を示す。この特性を利用すると、高い感度を有する磁気
検出素子を提供することが可能である。
【0066】また、本発明の他の実施例を図4に基づい
て説明する。図4は本発明による磁気抵抗効果素子の模
式概略図を示したものである。図4に示した磁気抵抗効
果素子は、MgO単結晶からなる基体41上に、本発明
による積層膜46をフォトリソグラフィーとイオンミリ
ングを用いて、縦横の長さが、50×200マイクロメ
ートルの形状に加工したものである。積層膜46は、酸
化物磁性体 La0.7Ca0.3NiOz(zは2.7〜3.3である。)上に酸化
物超電導体 Tl2Ba2Ca2Cu3O10 を、RFマグネトロンスパッタリング
法により積層し、更に、酸化物磁性体La0.7Ca0.3NiO
z(zは2.7〜3.3である。)をRFマグネトロンス
パッタリング法により、それぞれ100nmずつ積層して
製造したものである。図4中、符合45は電流源を示
し、積層膜46の膜面方向に対して電極から20マイク
ロアンペアの電流を供給する。また、図4中、符合47
は電圧計を示し、積層膜46に発生する電圧を検出でき
るようにする。この素子の膜面方向に対して垂直方向に
磁界49を−30〜30エルステッドの範囲で印加する
と、磁界の強さに応じて検出される電圧が変化した。こ
の印加磁界に対する発生電圧の変化の様子を図5に示
す。図5の横軸には印加した磁界の強さを示し、図5の
縦軸には、図3と同様に、磁界変化に伴う電圧の変化率
ΔVを示す。20エルステッドの磁界に対して、ΔVは
0.9 を示し、すなわちゼロ磁界での発生電圧に対して
90%程度減少していることがわかる。この電圧変化
は、従来技術による磁気抵抗素子に比べて1桁以上大き
な変化を示している。本発明の積層膜を利用することに
より、高感度で高出力の磁気検出素子の実現が可能であ
る。
【0067】本発明による磁気検出素子を磁気記録装置
に利用した実施例について説明する。図6は磁気記録装
置の構成の概略を示したものである。図6に示した磁気
記録装置は、磁気記録媒体62に情報を記録し、記録さ
れた情報を再生し、またはオーバライトするものであ
る。磁気記録媒体62は、回転制御機構63により一定
の周速度で回転する。磁気記録媒体62に情報を記録し
再生する磁気ヘッド61は、磁気検出素子及び書き込み
用磁気ヘッドを兼ね備えている、いわゆる、リード/ラ
イト分離型ヘッドである。この磁気検出素子と書き込み
用磁気ヘッドとを備えた磁気ヘッド61は、支持体69
に設置され、支持体69は磁気ヘッド駆動機構68によ
って駆動し、磁気記録媒体62上の任意の場所に移動す
ることができる。
【0068】この磁気記録媒体62に記録された情報を
読み取る際には、磁気ヘッド61を磁気記録媒体62上
の情報の記録された位置に移動させ、磁気を検出する。
【0069】移動後、磁気ヘッド61が、磁気記録媒体
62に書き込まれた情報を読み取るには以下のような原
理に基づく。磁気記録媒体62には、磁界の向きに対応
して「1」または「0」等の情報が書き込まれている。
駆動機構68によって読み取り場所に移動された磁気検
出素子を備えた磁気ヘッド61は、磁気記録媒体62に
書き込まれている情報に従って磁界が印加される。この
とき、磁気検出素子の積層膜に生じる電圧が変化し、こ
の電圧変化を記録再生信号の処理機構67で読み取るこ
とにより、磁気記録媒体に記録された情報の読み取りが
可能となる。
【0070】本発明の磁気記録装置による再生出力を図
7に示す。図7は時間に対する再生出力の関係を示した
ものである。
【0071】信号として模擬的に「1」,「0」が交互
に5nsecの周期で記録された磁気記録媒体に対して、信
号の再生出力は1mVと高いことが分かる。また、本発明
による磁気検出素子は従来の磁気検出素子とは異なる原
理に基づくものであるため、磁区の移動等によるノイズ
の発生もない。また、再生出力の立上りが極めて良好で
あり、周波数1GHzに及ぶ再生が可能になる。
【0072】また、本発明を垂直磁気記録媒体用磁気記
録検出素子として用いることも可能となる。従来の垂直
磁気記録媒体は、いわゆる光磁気記録媒体と言われるも
のであり、情報の読み出しには磁化により光が偏光する
現象であるところのカー効果を応用した読み取り方式を
用いていた。
【0073】本発明による磁気検出素子を、垂直磁気記
録媒体を読み取るための磁気ヘッドに用いた実施例を示
す。本発明による磁気検出素子は、膜厚100nmの酸
化物超電導体YBa2Cu3Oy (yは6.5〜7.0である。)
を、200nmの酸化物磁性体La0.7Ca0.3CoOz(zは
2.7〜3.3である。)ではさんだ3層構造の積層膜を
有する。この磁気検出素子を支持体上に設置する。垂直
磁気記録媒体からの磁界は積層膜の膜面に対して平行な
方向に印加される。この垂直磁気記録媒体を一定の周速
で回転させることにより、磁気記録情報を読み取ること
が可能となる。本発明による磁気検出素子を用いること
により、従来方式による垂直磁気記録媒体を用いた磁気
記録装置よりも簡単な構造の読み取り方法を提供するこ
とができる。また、これにより、読み取りの際のアクセ
ス時間を十分の一以下に短縮することが可能となった。
本発明による垂直磁気記録方式は、制御の複雑な光学系
を用いず、記録読み取り部を読み取り位置に移動するの
に時間がかからないためである。
【0074】
【発明の効果】本発明の磁気検出素子およびエネルギー
検出素子によれば、磁気または外部から与えられたエネ
ルギーに対して2つの磁性体中のスピンの状態が高い感
度で変化し、酸化物を挟んで第1の磁性体から第2の磁
性体までの電気抵抗が変化して、電気抵抗検出手段が電
気抵抗を検出するので、検出された電気抵抗に基づい
て、磁気または外部から与えられたエネルギーを高い感
度で検出することができる。 電気抵抗検出手段は、3層
積層膜の電気抵抗を第1の磁性体の2点間で検出するも
のであってもよいが、前述した酸化物を挟んで第1の磁
性体から第2の磁性体までの電気抵抗を検出する場合の
ほうが感度がより高い。 また、本発明のエネルギー検出
方法によれば、外部から与えられたエネルギーに対して
2つの磁性体中のスピンの状態が高い感度で変化し、酸
化物を挟んで第1の磁性体から第2の磁性体までの電気
抵抗が変化する。その電気抵抗を検出すれば、外部から
与えられたエネルギーを検出することができる。 電気抵
抗の検出については、3層積層膜の電気抵抗を第1の磁
性体の2点間で検出してもよいが、前述した酸化物を挟
んで第1の磁性体から第2の磁性体までの電気抵抗を検
出する場合のほうが感度がより高い。これにより大容
量,高記録密度の磁気記録装置を提供する事が可能とな
る効果がある。また、再現性良く製造することが可能と
なる。以 上
【0075】本発明によるならば、従来用いられてい
た、複雑な光学系を用いなくても、垂直磁気記録媒体か
らの磁界を読みとることができ、アクセス時間を従来の
10分の1以下にすることができるという効果がある。
【0076】また、本発明によるならば、室温でのスピ
ン相互作用を利用した磁気検出素子を提供できるので、
冷却設備が不要になるという効果がある。
【0077】また、本発明によるならば、電圧検出のた
めの電流値を小さくしても大きな再生出力が得られるた
め、発熱等による素子の劣化が無くなるという効果があ
る。また、本発明によるならば、再生出力が大きいので
信号再生時に発生する雑音の影響を受けないという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】3層構造の積層膜の断面図である。
【図2】本発明による磁気検出素子の断面図である。
【図3】本発明の磁気検出素子による印加磁界に対する
電圧変化を示す図である。
【図4】本発明による他の磁気検出素子の概略図であ
る。
【図5】本発明の他の磁気検出素子による印加磁界に対
する電圧変化を示す図である。
【図6】本発明による磁気記録装置の構成図である。
【図7】本発明による磁気記録装置の再生出力波形を示
す図である。
【図8】スピン状態を示した図である。
【図9】温度に対する半値幅の関係を示した図である。
【符号の説明】
11,21…基体、12,22…磁性体、13,23…
中間層、24,28…電極、25…電流源、27…電圧
計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/127 H01L 43/08 Z H01L 43/08 G01R 33/06 ZAAR (72)発明者 大野 俊之 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 華園 雅信 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平3−105807(JP,A) 特開 昭64−51603(JP,A) IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS,VOL. MAG−18,No.2,MARCH (1982),pp.707−708 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/22 G01R 33/035 H01L 43/08 H01L 39/00 H01L 39/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気を検出する磁気検出素子において、 酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
    構造に積層された3層積層膜と、 前記酸化物を挟んで前記第1の磁性体から前記第2の磁
    性体までの電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段とを備
    え、 該第1および第2の磁性体、または、前記酸化物がペロ
    ブスカイト構造を有することを特徴とする磁気検出素
    子。
  2. 【請求項2】磁気を検出する磁気検出素子において、 酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
    構造に積層された3層積層膜と、 前記3層積層膜の電気抵抗を前記第1の磁性体の2点間
    で検出する電気抵抗検出手段とを備え、 該第1および第2の磁性体、または、前記酸化物がペロ
    ブスカイト構造を有することを特徴とする磁気検出素
    子。
  3. 【請求項3】外部から与えられたエネルギーを検出する
    エネルギー検出素子において、 酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
    構造に積層された3層積層膜と、 前記酸化物を挟んで前記第1の磁性体から前記第2の磁
    性体までの電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段とを備
    え、 該第1および第2の磁性体、または、前記酸化物がペロ
    ブスカイト構造を有することを特徴とするエネルギー検
    出素子。
  4. 【請求項4】外部から与えられたエネルギーを検出する
    エネルギー検出素子において、 酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
    構造に積層された3層積層膜と、 前記3層積層膜の電気抵抗を前記第1の磁性体の2点間
    で検出する電気抵抗検出手段とを備え、 該第1および第2の磁性体、または、前記酸化物がペロ
    ブスカイト構造を有することを特徴とするエネルギー検
    出素子。
  5. 【請求項5】外部から与えられたエネルギーを検出する
    エネルギー検出方法において、 酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
    構造に積層され、該第1および第2の磁性体、または、
    前記酸化物がペロブスカイト構造を有する3層積層膜を
    用い、前記酸化物を挟んで前記第1の磁性体から前記第
    2の磁性体までの電気抵抗を検出し、検出された前記電
    気抵抗に基づいてエネルギーを検出することを特徴とす
    るエネルギー検出方法。
  6. 【請求項6】外部から与えられたエネルギーを検出する
    エネルギー検出方法において、 酸化物が第1の磁性体と第2の磁性体とに挟まれて3層
    構造に積層され、該第1および第2の磁性体、または、
    前記酸化物がペロブスカイト構造を有する3層積層膜を
    用い、 前記3層積層膜の電気抵抗を前記第1の磁性体の2点間
    で検出し、検出された前記電気抵抗に基づいてエネルギ
    ーを検出することを特徴とするエネルギー検出方法。
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