JP3788650B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転自在な版胴に製版済みのマスタを巻回し、このマスタにインキを供給すると共に、印刷用紙を圧接部材によりマスタを介して版胴に押し付け、マスタに付着するインキを印刷用紙に転移するようにした印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の印刷装置において、マスタにインキを供給する方式として、版胴の外側からインキを供給する方式と、版胴の内側からインキを供給する方式とがある。後者の方式は、版胴は少なくとも外周の一部に開口部を有し、この版胴の内部にはインキローラが設けられている。そして、インキローラと圧接部材との間で版胴とマスタと印刷用紙とを挾持することにより、インキローラに供給したインキを版胴の開口とマスタの穿孔から滲み出させて印刷用紙に転移させている。このように版胴の内部からインキを滲み出させる方式の印刷装置においては、種々の条件によってインキの滲み出し作用が変化するので、種々提案がなされている。以下、順に説明する。
【0003】
特開昭61−188180号公報に記載されているように、インキの滲み出し作用が低下する場合には、版胴の内周面に対するインキローラの接触圧を増大するようにした発明がある。また、特開昭62−42873号公報に記載されているように、版胴の内周面とインキローラとの間にインキが通る隙間を形成し、版胴とインキローラとの速度差による圧力によりインキを浸出させるようにした発明がある。さらに、特開平6−135114号公報に記載されているように、版胴の内周面にインキローラを圧接して内部のインキを版胴の開口部に摺り込み、インキの滲み込みがよくなったときにインキローラを版胴の内周面に対して隙間が開く位置に戻すようにした発明がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
版胴上のマスタに印刷用紙を圧接部材により圧接した場合、版胴内のインキはマスタの穿孔部から滲み出て印刷用紙に転移するが、穿孔が形成されていないマスタの側縁付近のインキは版胴とマスタとの間で外側に移動し、ついにはマスタの側縁からはみ出して印刷用紙に付着して印刷用紙を汚したり、脇洩れと称して余分なインキが印刷装置の内部に飛散し内部を汚してしまうことがある。
【0005】
そこで、図5に示すように、版胴51の開口部51bの側縁がインキローラ52の端部よりも寸法a程外側に位置するように開口部51bの幅を広くし、この開口部51bの側縁よりも圧接部材(プレスローラ)53の端部が寸法b程外側に位置するように圧接部材53の全長を長くし、インキローラ52の端部を越えて広がろうとするインキを圧接部材53の端部から開口部51bの内側に戻すことが考えられている。51aは版胴51の非開口部である。
【0006】
しかしながら、図6に示すように、印刷用紙54の厚みが厚くなるに従い、印刷用紙54の端縁から外れた圧接部材53の端部と版胴51との間に隙間が開く。このことは特に圧接部材53が剛性の高い金属により形成されている場合や、弾性材により形成されていても硬度が高い場合に顕著に現れる。この場合には、印刷用紙54の幅サイズが広く、印刷用紙54の側縁とインキローラ52の端部との間隔cが小さくなる程インキローラ52の端部にインキが回り込むため、開口部51bの側縁からインキがはみ出し易い。そして、図6に示すように、印刷用紙54の厚みが厚くなる程、圧接部材53の端部と版胴51との間の隙間が大きくなるため、開口部51bからはみ出したインキを版胴51内に戻すことができないことがある。高温の環境下では特にインキの流出量が多くなる。これは温度の上昇に伴いインキの流動性が高くなるためである。
【0007】
このため、マスタを製版し直して画像形成領域を小さくしたり、版胴51から圧接部材53が浮きにくくなるように薄手の印刷用紙54を用いたり、図6における間隔cを大きくするために小サイズの印刷用紙54を用いたりしなければならない。なお、図5及び図6では、マスタは薄いので図示していない。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、版胴の開口部の側縁からのインキの洩れ出しを防止し得る印刷装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記印刷用紙の幅サイズが広くなるに従い前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側に寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにした。
【0010】
従って、圧接部材により印刷用紙をマスタを介して版胴に圧接すると、版胴は印刷用紙と接触する中央部がインキローラに密着するが、印刷用紙の外側となる部分は外側に向かうに従いインキローラから離反する方向に傾斜するように変形する。これにより、インキローラの端部と版胴の側縁付近との間にはインキが充填されなくなる。このときの版胴の側縁付近がインキローラから離反する方向に変形することによって生ずる勾配は、印刷用紙の幅が広くなるに従いインキローラを版胴の中心側に位置させることで大きくすることが可能となる。従って、印刷用紙の側縁が版胴の開口部の側縁に近くなる程大きい場合でも、版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しが防止される。
【0011】
請求項2の発明は、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記給紙台が移動して前記印刷用紙の一側縁の位置が前記版胴の一側縁に近づくに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにした。
【0012】
従って、圧接部材により印刷用紙をマスタを介して版胴に圧接すると、版胴は印刷用紙と接触する中央部がインキローラに密着するが、印刷用紙の外側となる部分は外側に向かうに従いインキローラから離反する方向に傾斜するように変形する。これにより、インキローラの端部と版胴の側縁付近との間にはインキが充填されなくなる。このときの版胴の側縁付近がインキローラから離反する方向に変形することによって生ずる勾配は、給紙台の位置が版胴の側縁に近づくに従いインキローラを版胴の中心側に位置させることで大きくすることが可能となる。従って、給紙台の位置が版胴の側縁に近づいた場合でも、版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しが防止される。
【0013】
請求項3の発明は、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記印刷用紙の厚みが厚くなるに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにした。
【0014】
従って、圧接部材により印刷用紙をマスタを介して版胴に圧接すると、版胴は印刷用紙と接触する中央部がインキローラに密着するが、印刷用紙の外側となる部分は外側に向かうに従いインキローラから離反する方向に傾斜するように変形する。これにより、インキローラの端部と版胴の側縁付近との間にはインキが充填されなくなる。このときの版胴の側縁付近がインキローラから離反する方向に変形することによって生ずる勾配は、印刷用紙の厚みが厚くなるに従いインキローラを版胴の中心側に位置させることで大きくすることが可能となる。従って、印刷用紙の厚みが厚い場合でも、版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しが防止される。
【0015】
請求項4の発明は、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、検出された温度が高くなるに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにした。
【0016】
従って、圧接部材により印刷用紙をマスタを介して版胴に圧接すると、版胴は印刷用紙と接触する中央部がインキローラに密着するが、印刷用紙の外側となる部分は外側に向かうに従いインキローラから離反する方向に傾斜するように変形する。これにより、インキローラの端部と版胴の側縁付近との間にはインキが充填されなくなる。このときの版胴の側縁付近がインキローラから離反する方向に変形することによって生ずる勾配は、温度が高くなるに従いインキローラを版胴の中心側に位置させることで大きくすることが可能となる。従って、インキが軟化し易い高温の場合でも、版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しが防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。製版済みのマスタ1が巻き付けられる版胴2が回転自在に設けられている。この版胴2の周囲には、マスタ1を加熱穿孔して製版し、マスタ1を版胴2へ給版する製版部3と、給紙台4に載置された印刷用紙5を一枚ずつ引き出す分離ローラ6及び分離コロ7と、給紙された印刷用紙5を版胴2に巻き付けたマスタ1の進行にタイミングを合わせて搬送する一対のレジストローラ8と、このレジストローラ8から給紙された印刷用紙5をマスタ1を介して版胴2に圧接する圧接部材であるプレスローラ9と、印刷済みの印刷用紙5を版胴2から剥離する剥離爪10と、この剥離爪10により剥離された印刷用紙5を格納する排紙部(図示せず)とが配置されている。
【0018】
前記製版部3は、前記マスタ1の搬送路に沿って、回転駆動されるプラテンローラ12、このプラテンローラ12に対して接離自在に支持されたサーマルヘッド13、一対の搬送ローラ14,15、マスタ1を切断するカッタ16、マスタ1を下から支えるガイド板17等を順次配置することにより形成されている。マスタ1のロール芯1a、プラテンローラ12、搬送ローラ14,15等は、印刷装置の本体ケースの側板(図示せず)に回転自在に支持されている。
【0019】
前記版胴2には、非開口部2aと開口部2bとが形成され、この開口部2bの周りには樹脂又は金属の網体により形成されたメッシュ状のスクリーン(図示せず)が巻装されている。この版胴2は、その両端部に固定されたフランジ(図示せず)が、印刷装置の側板に固定的に支持されたインキパイプ18に回転自在に支持され、時計方向に駆動される。また、版胴2の内部にはインキ供給部19が支持板20により支持されて上下動自在に設けられている。このインキ供給部19は、インキパイプ18と、支持板20により回転自在に支持されたインキローラ21及びドクターローラ22とよりなる。インキローラ21とドクターローラ22とは僅かの隙間を開けて対向し、両者の間でインキパイプ18から滴下するインキを受けるインキ溜め23を形成している。インキパイプ18には、版胴2の外部に設けられたインキパック(図示せず)からインキが供給される。なお、支持板20は、版胴2の中心(インキパイプ18の中心)とプレスローラ9の中心とを結ぶ直線方向に移動自在に支持されている。このために、支持板20にはインキパイプ18を逃がすための上下方向に長い長孔が形成されている。
【0020】
また、前記版胴2の外周面には、非開口部2aの部分で前記マスタ1の先端を挟持するステージ24とクランパ25とが取り付けられている。ステージ24は、磁性体により形成されて版胴2の軸心方向に沿う長さを有する。クランパ25は、ステージ24の長手方向に沿って配置されたクランパ軸26を支軸として回転自在に支持されている。前記プレスローラ9は、アーム軸27と一体に回転するローラ支持部材28の一端に回転自在に支持されている。本実施の形態において、ローラ支持部材28は、版胴2の回転運動に同期して駆動される加圧アーム(図示せず)と一体に回動するように構成されている。
【0021】
図1及び図2に示すように、前記給紙台4には印刷用紙5の側縁を案内する左右一対のサイドフェンス29が設けられている。これらのサイドフェンス29は互いに対向し合う位置に延出するラック30を有し、これらのラック30に噛合するギヤ(図示せず)を時計方向又は反時計方向に回転することにより内方又は外方に対称的に移動するものである。そして、ギヤの回転位置を検出することでサイドフェンス29の対向間隔、すなわち印刷用紙5の幅サイズを検出するサイズセンサ31が設けられている。さらに、本実施の形態では給紙台4は版胴2の軸と平行な方向に移動自在に設けられ、その移動量を検出する移動量センサ32が設けられている。さらに、分離ローラ6とレジストローラ8との間には、印刷用紙5の透過光を検出することにより印刷用紙5の厚みを検出する透過光検出型の紙厚センサ33が設けられている。
【0022】
しかして、前記版胴2に対する前記プレスローラ9の圧接動作時に版胴2の内周面を支えるインキローラ21の位置を、版胴2の中心とプレスローラ9の中心とを結ぶ直線方向において調節するインキローラ位置調節手段34が設けられている。
【0023】
このインキローラ位置調節手段34は、前記インキローラ21及び前記ドクターローラ22を回転自在に支持する前記支持板20と、この支持板20を上方に付勢する付勢部材(図示せず)と、移動モータ35に駆動されて支持板20の上縁を押えることで支持板20の位置を調節する偏心カム36と、各種の情報を取り込んで移動モータ35の動作を制御するマイクロコンピュータ37とにより形成されている。
【0024】
このマイクロコンピュータ37は、図3に示すように、前述したサイズセンサ31、移動量センサ32、紙厚センサ33及び環境温度を検出する温度センサ38等の検出信号を取り込むCPU39、取り込んだ情報に応じて移動モータ35の動作を制御するプログラム等の固定データが書き込まれているROM40、可変データが書き込まれるRAM41をバスラインで接続することにより形成されている。
【0025】
すなわち、インキローラ位置調節手段34は、センサ31,33及びセンサ38により取り込まれる情報に応じて移動モータ35を駆動して偏心カム36の回転方向の位置を制御することにより、プレスローラ9の圧接動作時に版胴2の内周面を支えるインキローラ21の位置を、版胴2の中心とプレスローラ9の中心とを結ぶ直線方向において調節するように構成されている。
【0026】
次に、動作について説明する。図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、スタート釦を押すこと等によりスタート信号が出されると、図示しないモータにより版胴2が反時計方向に駆動される。この過程で、それまでに版胴2に巻き付けられていたマスタ1が排版装置(図示せず)により剥離されて廃棄され、版胴2はクランパ25が略真上に達したときに停止される。この停止時では、クランパ25がクランパ軸26を中心に開放方向に回動し給版待機状態に維持される。
【0027】
原稿が原稿読取部に送出されて画像が読み取られ、その読取画像がCCDセンサに結像されると、CCDセンサにより電気信号に変換された画像データ(アナログデータ)がA/D変換器によりデジタルデータに変換され、製版制御装置等を経由してサーマルヘッド13に出力される。すなわち、サーマルヘッド13にライン状に配列された発熱素子が画像データに基づいて選択的に通電されるとともに、プラテンローラ12、搬送ローラ14,15が駆動されてマスタ1を版胴2側に搬送する。これにより、マスタ1には画像データに基づいて穿孔によるドットが形成される。
【0028】
このとき、プラテンローラ12、搬送ローラ14,15を駆動するステッピングモータのステップ数をカウントすることにより、マスタ1の先端がクランパ25に届いたと判断されると、図示しない開閉装置によりクランパ25が閉じられ、マスタ1の先端がクランパ25と版胴2上のステージ24の間で挾持される。続いて、版胴2がマスタ1の搬送速度と略等しい周速度をもって駆動されて、版胴2の外周へのマスタ1の巻き付けが行われる。そして、ステッピングモータのステップ数により製版が完了したと判断されると、カッタ16が作動しマスタ1が切断されるとともに、プラテンローラ12及び搬送ローラ14,15が停止される。そして、版胴2がさらに回転することにより、版胴2へのマスタ1の巻き付けが完了する。
【0029】
このように、版胴2へのマスタ1の巻き付けが完了すると、給紙台4上の印刷用紙5が分離ローラ6と分離コロ7とにより給紙され、その印刷用紙5が版胴2の回転運動に同期して回転するレジストローラ8により版胴2とプレスローラ9との間に搬送される。この給紙のタイミングに合わせてローラ支持部材28が加圧アームにより時計方向に移動するため、プレスローラ9は印刷用紙5を版胴2の外周に押しつける。これにより、印刷がなされる。
【0030】
ここで、印刷動作について詳述する。プレスローラ9が印刷用紙5を版胴2に圧接する前の状態では、支持板20は偏心カム36により押えられる位置まで付勢部材の付勢力により上方に変位するため、インキローラ21は版胴2の内周面に対して所定の隙間を開けて対向する位置に位置する。この状態でプレスローラ9が印刷用紙5を版胴2上のマスタ1に圧接すると、版胴2とインキローラ21との間でインキが圧縮され、この圧縮により高まる圧力により版胴2の開口部2b及びマスタ1の穿孔部からインキが滲み出て印刷用紙5に転移する。
【0031】
プレスローラ9により印刷用紙5をマスタ1を介して版胴2に圧接すると、図4に示すように、版胴2は印刷用紙5と接触する中央部がインキローラ21に密着するが、印刷用紙5の外側となる部分は印刷用紙5のエッジを支点として外側に向かうに従いインキローラ21から離反する方向に傾斜するように変形する。これにより、インキローラ21の端部と版胴2の側縁付近との間にはインキが充填されなくなる。従って、インキローラ21の端部からインキがはみ出して開口部2bを通して滲み出し、印刷用紙5の両側縁に付着することがない。このときの版胴2の側縁付近がインキローラ21から離反する方向に変形することによって生ずる勾配は、インキローラ21を版胴2の中心側に位置させることで大きくすることができる。このインキローラ21の位置は、前述したように、偏心カム36の回転角によって調節される。
【0032】
すなわち、サイズセンサ31の検出結果により印刷用紙5の幅サイズが広いと判断したときは、図4に示すように、マスタ1の穿孔形成領域も広く、印刷用紙5の側縁からインキローラ21の端部までの間隔cが小さくなり、インキローラ21の両端部からのインキのはみ出しが多くなるので、印刷用紙5の幅サイズが広くなるに従い、インキローラ21を版胴2の中心側に寄せて位置させることにより、プレスローラ9の圧接動作時に版胴2の側縁付近の変形による勾配を大きくし、インキローラ21の端部へのインキの回り込みを加減し、版胴2の開口部2bの側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。なお、図4ではマスタ1は薄いので図示していない。
【0033】
また、本実施の形態では、マスタ1への製版位置を側方に寄せた場合を想定して給紙台4を版胴2の軸と平行に移動させるようにした。すなわち、給紙台4を側方に移動させた場合には、印刷用紙5の幅サイズが狭くても印刷用紙5の一側縁からインキローラ21の一端部までの間隔cが小さくなり、インキローラ21の一端部からのインキのはみ出しが多くなるので、移動量センサ32の検出信号により給紙台4上の印刷用紙5の一側縁の位置が版胴2の一側縁に近づくに従い、インキローラ21を版胴2の中心側に寄せて位置させることにより、プレスローラ9の圧接動作時にインキローラ21の一端から版胴2を離すように版胴2の側縁付近の変形による勾配を大きくし、インキローラ21の一端部へのインキの回り込みを加減し、版胴2の開口部2bの一側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【0034】
さらに、印刷用紙5の幅サイズが広く、且つ、紙厚センサ33の検出結果により印刷用紙5の厚みが厚いと判断したときは、プレスローラ9の両端と版胴2との間に隙間が開くので、インキローラ21を版胴2の中心側に寄せて位置させることにより、プレスローラ9の圧接動作時に版胴2の側縁付近の変形による勾配を大きくし、インキローラ21の端部へのインキの回り込みを加減し、版胴2の開口部2bの側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【0035】
さらに、環境温度が高くなるとインキが軟化し易いので、温度センサ38の検出結果により温度が高いと判断した場合には、プレスローラ9の圧接動作時に版胴2の側縁付近の変形による勾配を大きくし、インキローラ21の端部へのインキの回り込みを加減し、版胴2の開口部2bの側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【0036】
さらに、版胴2に対するプレスローラ9の圧接動作時に版胴2の内周面を支えるインキローラ21の位置を調節する要素として、印刷用紙5の幅サイズや厚み、給紙台4の移動量、環境温度等を挙げたが、印刷装置の放置期間の長さが長い場合、或いは、新しいマスタ1を版胴2に巻回した場合には、プレスローラ9の圧接力動作時に版胴2の内周面を支えるインキローラ21の位置を版胴2の中心から離れる方向に調整することにより、版胴2やマスタ1に十分な量のインキを供給することができる。
【0037】
本実施の形態において、版胴2に対するプレスローラ9の圧接動作時に内方に変形する版胴2の内周面を支えるインキローラ21の位置を、プレスローラ9の中心と版胴2の中心とを結ぶ直線方向に調節する方法として、支持板20を付勢部材により上方に付勢して偏心カム36(又はこれに変わる変位自在の当接部材でもよい)により上方への移動を制限することで版胴2の内周面とインキローラ21との間の隙間を調整するようにしたが、インキローラ21を版胴2の内周面に常時接触させておき、プレスローラ9の圧接動作時にインキローラ21が上方に退避する位置を偏心カム36等の位置変更自在の当接部材により規制するようにしてもよい。
【0038】
要は、印刷用紙5の側縁がインキローラ21の端部に位置するような場合、また、印刷用紙5の厚みが厚い場合や高温時には、プレスローラ9を含む圧接部材の圧接動作時に版胴2を大きく変形させるような位置にインキローラ21の位置を調整すればよい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記印刷用紙の幅サイズが広くなるに従い前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側に寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにしたので、印刷用紙の幅サイズが広くなるに従い版胴の内周面を支えるインキローラの位置を版胴の中心側に寄せることにより、圧接部材の圧接力により版胴を変形させて版胴の側縁付近をインキローラから離れる方向に傾斜させることができる。従って、幅広の印刷用紙を用いる場合でも版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【0040】
請求項2の発明によれば、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記給紙台が移動して前記印刷用紙の一側縁の位置が前記版胴の一側縁に近づくに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにしたので、給紙台の位置が版胴の側縁に近づくに従い版胴の内周面を支えるインキローラの位置を版胴の中心側に寄せることにより、圧接部材の圧接力により版胴を変形させて版胴の側縁付近をインキローラから離れる方向に傾斜させることができる。従って、印刷用紙のサイズに拘らず給紙台を移動させて印刷用紙の端縁がインキローラの端部に接近する場合でも、版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【0041】
請求項3の発明によれば、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記印刷用紙の厚みが厚くなるに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにしたので、印刷用紙の厚みが厚い場合には幅サイズが広くなるに従い版胴の内周面を支えるインキローラの位置を版胴の中心側に寄せることにより、圧接部材の圧接力により版胴を変形させて版胴の側縁付近をインキローラから離れる方向に傾斜させることができる。従って、厚みのある印刷用紙を用いる場合でも版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【0042】
請求項4の発明によれば、版胴の内部に、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部を設け、前記版胴の回転運動に同期して圧接部材により印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接することにより版胴とインキローラとの間でインキを圧縮し、この圧縮により高まる圧力により版胴の開口部及びマスタの穿孔部からインキを滲み出させるようにし、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、検出された温度が高くなるに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するようにインキローラ位置調整手段により調節するようにしたので、温度が高い場合には印刷用紙の幅サイズが広くなるに従い版胴の内周面を支えるインキローラの位置を版胴の中心側に寄せることにより、圧接部材の圧接力により版胴を変形させて版胴の側縁付近をインキローラから離れる方向に傾斜させることができる。従って、インキが軟化し易い温度に達した場合でも版胴の開口部の側縁付近からのインキの洩れ出しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における縦断正面図である。
【図2】給紙台の平面図である。
【図3】インキローラ位置調節手段のマイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図4】圧接部材の圧接動作を示す一部の側面図である。
【図5】従来例における圧接部材の圧接動作を示す一部の側面図である。
【図6】従来例における圧接部材の圧接動作を示す一部の側面図である。
【符号の説明】
1 マスタ
2 版胴
2b 開口部
4 給紙台
5 印刷用紙
9 圧接部材
19 インキ供給部
21 インキローラ
31 サイズセンサ
32 移動量センサ
33 紙厚センサ
34 インキローラ位置調節手段
38 温度センサ

Claims (4)

  1. 外周の少なくとも一部にインキを滲み出させる開口部を有して製版済みのマスタを外周面で保持する回転自在の版胴と、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部と、前記版胴の回転運動に同期して印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接する圧接部材と、給紙される印刷用紙の幅サイズを検出するサイズセンサと、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記印刷用紙の幅サイズが広くなるに従い前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側に寄せて位置するように調節するインキローラ位置調節手段とを具備することを特徴とする印刷装置。
  2. 外周の少なくとも一部にインキを滲み出させる開口部を有して製版済みのマスタを外周面で保持する回転自在の版胴と、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部と、前記版胴の回転運動に同期して印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接する圧接部材と、印刷用紙を載置する給紙台の前記版胴の軸と平行な方向の移動量を検出する移動量センサと、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記給紙台が移動して前記印刷用紙の一側縁の位置が前記版胴の一側縁に近づくに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するように調節するインキローラ位置調節手段とを具備することを特徴とする印刷装置。
  3. 外周の少なくとも一部にインキを滲み出させる開口部を有して製版済みのマスタを外周面で保持する回転自在の版胴と、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部と、前記版胴の回転運動に同期して印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接する圧接部材と、給紙する印刷用紙の厚みを検出する紙厚センサと、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、前記印刷用紙の厚みが厚くなるに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するように調節するインキローラ位置調節手段とを具備することを特徴とする印刷装置。
  4. 外周の少なくとも一部にインキを滲み出させる開口部を有して製版済みのマスタを外周面で保持する回転自在の版胴と、この版胴の内周面にインキを供給するインキローラを有するインキ供給部と、前記版胴の回転運動に同期して印刷用紙を前記版胴上のマスタに圧接する圧接部材と、環境温度を検出する温度センサと、前記版胴に対する前記圧接部材の圧接動作時に前記版胴の内周面を支える前記インキローラの位置を、検出された温度が高くなるに従って前記圧接部材の中心と前記版胴の中心とを結ぶ直線方向において前記版胴の中心側へ寄せて位置するように調節するインキローラ位置調節手段とを具備することを特徴とする印刷装置。
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