JPH0717121A - 孔版印刷方法 - Google Patents

孔版印刷方法

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JPH0717121A
JPH0717121A JP16078693A JP16078693A JPH0717121A JP H0717121 A JPH0717121 A JP H0717121A JP 16078693 A JP16078693 A JP 16078693A JP 16078693 A JP16078693 A JP 16078693A JP H0717121 A JPH0717121 A JP H0717121A
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Kazuyoshi Kobayashi
一喜 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキの無駄が少ない孔版印刷方法を提供す
る。 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔質可撓性の支持
体とから成るロール状の孔版印刷用のマスタ21を貯容
するマスタ貯容手段と、製版手段70と、切断手段33
a,33bとを具備する製版部70と、版胴20と、イ
ンキ供給手段90と、クランプ手段95と、押圧手段と
してのプレスローラ28を具備する印刷部210と、排
版部310とを有する孔版印刷装置を使用する孔版印刷
方法において、製版済みマスタ21Aの熱可塑性樹脂フ
ィルム側を版胴20の外周面側に、支持体側を外側にし
て版胴20の外周面上に巻き付けて印刷を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷方法に関し、さ
らに詳しくは、熱可塑性樹脂フィルムと多孔質可撓性の
支持体とから成るロール状の孔版印刷用のマスタを穿孔
製版して版胴に巻き付け印刷する孔版印刷方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多孔性の支持円筒体と樹脂若しくは金属
繊維の網体であるメッシュスクリーン層とから構成さ
れ、その外周面に熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に
「フィルム」という)と多孔質可撓性のインキ通過性の
支持体とから成るロール状の孔版印刷用のマスタが巻き
付けられる円筒状の版胴と、この版胴の内周面に接触し
インキを供給するインキ供給部材とを有し、版胴の外周
面を印刷用の用紙を介してプレスローラ等で押圧するこ
とで支持円筒体の開孔部及びマスタ穿孔部よりインキを
滲み出させ用紙に印刷を行う孔版印刷装置を使用した孔
版印刷方法が良く知られている。一般的に、上記タイプ
の孔版印刷装置では、長時間装置を使用せずに放置した
場合等に版胴内のインキが蒸発して、次に印刷する場合
インキ不足によるヤレ紙(損紙)の発生を最小にするた
め、蒸発・乾燥しにくい油性タイプのインキが使用され
ており、印刷時に用紙に転移したインキは用紙内へ浸透
することによって指等でこすっても汚れが発生しない、
いわゆるセットした状態となる。ところが、孔版印刷方
法では、マスタの穿孔部より用紙表面にインキを押し出
し盛る形の転移となるため、セットされた状態になるま
でにはある程度の時間が必要であった。上記セットが完
了しないうちに次の用紙が積載されたりすると、前の用
紙の画像部のインキが、積載された上面の用紙裏面に転
移し、いわゆる裏写りという不具合が発生する。
【0003】そこで、例えば特開平4−361043号
公報に示されているように、用紙に転移するインキ量を
少なくすることで裏写りをなくする孔版印刷法に関する
技術が提案されている。
【0004】また印刷も一色ではなく、例えば特開昭6
3−144069号公報に示されているように、複数の
版胴にマスタを巻き付けその内の一つに他の版胴を接離
させて色の重合を行い、この重合色画像を用紙に転写さ
せる技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者に
おいては、マスタ穿孔部の尺度レベルにおいて用紙の表
面は凹凸状であり、用紙を押圧手段で押圧するとマスタ
が圧縮されてインキが用紙表面の凹凸に充填されてしま
うため、用紙が剥離されるときにその接触面積が増加す
ることでインキが切れにくくなり、マスタに充填されて
いるインキをマスタから引き出してしまうことで、イン
キが用紙上に盛り上がる形で転移することを防げない問
題点がある。
【0006】また後者においては、版胴の外周面に、製
版済みマスタの支持体側を版胴の外周面側にフィルム側
を外側にして巻き付けて印刷を行うものであり、下流側
の版胴でその印刷済み用紙を介して押圧されて印刷され
るときに、上流側の版胴で印刷された用紙の表面に転移
したインキが、その下流側の版胴に巻き付けられている
製版済みマスタのフィルム外表面にわずかではあるが、
付着することは避けられない。したがって、2枚目以降
の用紙が全くずれなく給送されれば問題はないが、少し
でもずれが発生すると、下流側の版胴に巻き付けられて
いる製版済みマスタのフィルム外表面に付着した転移イ
ンキが、順次上流側で印刷された印刷済み用紙に再転移
されて、ダブり画像となる問題点がある。
【0007】また、支持体には30〜50μm程度の和
紙繊維等が使用されていて、版胴への製版済マスタ巻装
時には、版胴の開孔部と対応する支持体部分にインキが
充填されており、排版時にその充填されているインキは
廃棄されるのでインキが無駄であった。例えば、10%
画像程度の印刷物であれば、数十枚印刷できるインキ量
が排版毎に廃棄されることになる。
【0008】したがって、本発明は、かかる問題点を解
決するために、インキの無駄が少ない孔版印刷方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明では、熱可塑性樹脂フィル
ムと多孔質可撓性の支持体とから成るロール状の孔版印
刷用のマスタを貯容するマスタ貯容手段と、画像情報に
基づいて上記マスタを穿孔製版するサーマルヘッド及び
これに上記マスタを押圧しながらマスタ搬送路の下流側
へ搬送するプラテンローラから成る製版手段と、上記マ
スタ搬送路の下流側に設けられていて、上記マスタを切
断する切断手段とを具備する製版部と、外周面に上記マ
スタが巻き付けられ回転中心軸の周りに回転する版胴
と、該版胴の内周面にインキを供給するインキ供給手段
と、上記外周面上に設けられた、上記マスタの先端部を
挾持するクランプ手段と、上記外周面の近傍に設けられ
た、上記外周面に印刷用の用紙を押圧する押圧手段とを
具備する印刷部と、上記外周面から使用済みマスタを剥
離排版する排版部とを有する孔版印刷装置を使用する孔
版印刷方法において、製版済みマスタの上記熱可塑性樹
脂フィルム側を上記外周面側に、上記支持体側を外側に
して上記外周面上に巻き付けて印刷を行う。
【0010】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
孔版印刷方法において、上記版胴を少なくとも2個有
し、上記用紙の用紙搬送路の最上流に位置する最上流位
版胴を除いた、下流側に位置する下流位版胴の外周面
に、製版済みマスタの上記熱可塑性樹脂フィルム側を上
記下流位版胴の外周面側に上記支持体側を外側にして巻
き付けて印刷を行う。
【0011】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
孔版印刷方法において、上記下流位版胴の上記製版部に
製版指令が出ない場合は、上記下流位版胴の外周面に、
未製版マスタの上記熱可塑性樹脂フィルム側を上記下流
位版胴の外周面側に上記支持体側を外側にして巻き付け
た後に、印刷済み用紙を介して上記未製版マスタを上記
押圧手段で押圧する。
【0012】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
孔版印刷方法において、上記下流位版胴は、上記印刷済
み用紙に対する印刷位置を偏倚させるための天地移動手
段で上記最上流位版胴に連結されており、印刷時に上記
天地移動手段を作動させる。
【0013】請求項5記載の発明では、請求項3記載の
孔版印刷方法において、上記製版指令が出るまでは、上
記未製版マスタの巻き付けをそのまま継続する。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明によれば、製版済みマスタ
の熱可塑性樹脂フィルム側を版胴の外周面側に、支持体
側を外側にして版胴の外周面上に巻き付けて印刷を行う
ので、排版時に、マスタに付着して廃棄されるインキ量
が少なくなる。また支持体にインキが付着する部分は、
熱可塑性樹脂フィルムに対応する画像部の穿孔された所
だけとなり、従来のように版胴の開孔部領域に対応する
部分の全てにインキが充填される訳ではないので、イン
キ付着による支持体の膨潤が非常に少なくなり、原稿画
像に対する画像寸法の変化が小さくなる。また熱可塑性
樹脂フィルムと用紙とが直接接触したり、熱可塑性樹脂
フィルムと押圧手段とが直接押圧しない。
【0015】請求項2記載の発明によれば、下流位版胴
の外周面に、製版済みマスタの熱可塑性樹脂フィルム側
を下流位版胴の外周面側に支持体側を外側にして巻き付
けて印刷を行うので、上流側の版胴で印刷された印刷済
み用紙の余剰インキが支持体で吸着される。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて詳述する。
【0017】図1は、本発明の一実施例を適用した複胴
式孔版印刷装置の構成を示す。まず、この全体構成につ
いて説明する。
【0018】同図において、符号ABは複胴式の孔版印
刷装置を示す。この孔版印刷装置ABは、図において右
上方に配置されロール状に巻かれた第1マスタ2を製版
する第1製版部100及び図において左上方に配置され
ロール状に巻かれた第2マスタ21を製版する第2製版
部110と、孔版印刷装置ABの図において略右寄り中
央部に配置され製版済み第1マスタ2Aをその外周面に
巻装する第1版胴1を備えた第1印刷部200及び孔版
印刷装置ABの図において略左寄り中央部に配置され製
版済み第2マスタ21Aをその外周面に巻装する第2版
胴20を備えた第2印刷部210と、第1製版部100
の下方に配置され給紙台39上に積層された用紙40を
第1印刷部200及び第2印刷部210に送出する給紙
部400と、この給紙部400に対向する第2印刷部2
10の下方に配置され、第1版胴1及び第2版胴20で
印刷された印刷済み用紙(図示せず)を排紙トレイ50
に排出する排紙部500と、第1印刷部200の左上方
に配置され第1版胴1の外周面から剥ぎ取られた使用済
み第1マスタ(図示せず)を排版する第1排版部300
及び第2印刷部210の左側方に配置され第2版胴20
の外周面から剥ぎ取られた使用済み第2マスタ(図示せ
ず)を排版する第2の排版部310とを具備する。
【0019】なお、第1製版部100及び第2製版部1
10、第1印刷部200及び第2印刷部210、第1排
版部300及び第2排版部310の各々の二つの装置の
各構成及び機能は、各構成要素の配置状態及び作動順序
を除き基本的に同じものである。また第1版胴1と第2
版胴20との位置関係は、第1版胴1は用紙40の用紙
搬送路の最上流に位置する最上流位版胴に、第2版胴2
0は用紙搬送路の下流側に位置する下流位版胴にそれぞ
れ相当する。
【0020】以下、上述した第1製版部100及び第2
製版部110、第1印刷部200及び第2印刷部21
0、第1排版部300及び第2排版部310、給紙部4
00並びに排紙部500について順次説明する。
【0021】図1において、第1製版部100は、熱可
塑性樹脂フィルム2b(以下、単に「フィルム2b」と
いう)と多孔質可撓性の支持体2a(共に図3に示す)
とから成るロール状の孔版印刷用の第1マスタ2を貯容
する第1マスタ貯容手段13と、画像情報に基づいて第
1マスタ2を穿孔製版する第1サーマルヘッド12及び
これに第1マスタ2を押圧しながらマスタ搬送路の下流
側へ搬送する第1プラテンローラ11とを具備して成る
第1製版手段60と、マスタ搬送路の下流側に設けられ
ていて、第1マスタ2を切断する切断手段としての第1
カッタ14a,14bとから主に構成される。
【0022】第1プラテンローラ11は、孔版印刷装置
ABの図示しない側板に回転自在に支持されており、ス
テッピングモータ(図示せず)により矢印B方向に回転
駆動される。第1サーマルヘッド12は複数の発熱素子
が一列に配列されていて、図示しない原稿読取部から送
出されるデジタル画像情報によりパルス的に発熱してフ
ィルム2b(図3に示す)を選択的に加熱穿孔する周知
の構成及び機能を有する。第1マスタ2は紙芯13sに
ロール状に巻き付けられて第1マスタロール13Rが形
成されている。孔版印刷装置ABの図示しない側板に
は、第1マスタロール13Rから第1マスタ2を矢印A
方向に繰り出し可能に紙芯13sを支持するための、第
1マスタ貯容手段13としての第1紙芯支持部(図示せ
ず)が設けられている。第1カッタ対14a,14bの
マスタ搬送路の下流側には、第1マスタ2の先端を第1
クランパ3(後述する)へ案内するための第1ガイド板
16と、第1マスタ2の搬送を補助するための、図示し
ないステッピングモータにより矢印A方向に回転駆動さ
れる第1補助ローラ15とが配置されている。
【0023】第1製版部100と同様に、第2製版部1
10は、図1又は図4に示すように、熱可塑性樹脂フィ
ルム21b(以下、単に「フィルム21b」という)と
多孔質可撓性の支持体21a(共に図4に示す)とから
成るロール状の孔版印刷用の第2マスタ21を貯容する
第2マスタ貯容手段32と、画像情報に基づいて第2マ
スタ21を穿孔製版する第2サーマルヘッド31及びこ
れに第2マスタ21を押圧しながらマスタ搬送路の下流
側へ搬送する第2プラテンローラ30とを具備して成る
第2製版手段70と、マスタ搬送路の下流側に設けられ
ていて、第2マスタ21を切断する切断手段としての第
1カッタ33a,33bとから主に構成される。
【0024】第2プラテンローラ30は、孔版印刷装置
ABの図示しない側板に回転自在に支持されており、ス
テッピングモータ(図示せず)により矢印A方向に回転
駆動される。第2サーマルヘッド31は複数の発熱素子
が一列に配列されていて、図示しない原稿読取部から送
出されるデジタル画像情報によりパルス的に発熱してフ
ィルム21bを選択的に加熱穿孔する周知の構成及び機
能を有する。第2マスタ21は、紙芯32sにロール状
に巻き付けられて第2マスタロール32Rが形成されて
いる。孔版印刷装置ABの図示しない側板には、第2マ
スタロール32Rから第2マスタ21を矢印B方向に繰
り出し可能に紙芯32sを支持するための、第2マスタ
貯容手段32としての第2紙芯支持部(図示せず)が設
けられている。
【0025】第2カッタ33a,33bのマスタ搬送路
の下流側には、第2マスタ21の先端を第2クランパ2
2(後述する)へ案内するための第2ガイド板35と、
第2マスタ21の搬送を補助するための、図示しないス
テッピングモータにより矢印A方向に回転駆動される第
2補助ローラ34とが配置されている。
【0026】第1印刷部200は、外周面に製版済み第
1マスタ2Aが巻き付けられ第1回転中心軸5の周りに
回転する第1版胴1と、この第1版胴1の内周面にイン
キを供給する第1インキ供給手段80と、第1版胴1の
外周面上に設けられた、製版済み第1マスタ2Aの先端
部を挾持する第1クランプ手段85と、第1版胴1の外
周面の近傍に設けられた、第1版胴1の外周面に用紙
(図示せず)を押圧する第1押圧手段としての第1プレ
スローラ9とから主に構成される。
【0027】第1版胴1は、多数の開孔部分が形成され
た支持円筒体とその外周面にメッシュスクリーンが巻き
付けられた構造となっており、第1回転中心軸5の周り
に回転自在に支持されている。第1版胴1は、図示しな
いモータにより時計回り方向及び反時計回り方向に回転
駆動される。第1版胴1の外周には第1版胴1の母線に
沿って第1ステージ4が設けられていて、第1ステージ
4上には、第1クランパ3が第1ステージ4と平行な枢
軸3sにより回動自在に配設されている。第1クランパ
3は、図示しない開閉手段により所定位置で開閉され
る。上記のとおり、第1クランプ手段85は、第1クラ
ンパ3及び第1ステージ4から主に構成される。
【0028】後述する動作でも説明するが、第1製版部
100のマスタ2の製版状態からも明確なように、マス
タ2のフィルム側が第1サーマルヘッド12との押圧面
側となっており、第1版胴1の外周面には、図3に示す
ように、製版済みマスタ2Aの支持体2a側を第1版胴
1の外周面側に、フィルム2b側を外側にして、すなわ
ち従来の孔版印刷方法と同様に製版済みマスタ2Aが巻
き付けられる。
【0029】第1インキ供給手段80は、第1版胴1内
部に配設されていて、第1版胴1内の図示しない側板に
より回転可能に支持され、図中矢印B方向に第1版胴1
と同期して回転駆動される第1インキローラ6と、第1
インキローラ6の外表面とわずかな隙間を有して設けら
れていて、第1インキローラ6との間に楔状の第1イン
キ溜り8を形成する第1ドクタローラ7と、第1回転中
心軸5を兼ねると共に第1インキ溜り8へインキを供給
する第1インキパイプ軸5とを具備する。
【0030】第1インキローラ6に対向する下方位置に
は、第1プレスローラ9が第1版胴1と接離自在に配設
されており、第1プレスローラ9は図示しないカム及び
スプリングを具備する機構により第1版胴1に選択的に
接離する周知の構成をなす。第1プレスローラ9は、用
紙(図示せず)が給送されたときに用紙(図示せず)を
介して第1版胴1に圧接し、従動回転されながら用紙
(図示せず)を連続的に第1版胴1に押圧する。
【0031】第1印刷部200と同様に、第2印刷部2
10は、外周面に製版済み第2マスタ21Aが巻き付け
られ第2回転中心軸24の周りに回転する第2版胴20
と、この第2版胴20の内周面にインキを供給するイン
キ供給手段90と、第2版胴20の外周面上に設けられ
た、製版済み第2マスタ21Aの先端部を挾持する第2
クランプ手段95と、第2版胴20の外周面の近傍に設
けられた、第2版胴20の外周面に用紙(図示せず)を
押圧する第2押圧手段としての第2プレスローラ28と
から主に構成される。
【0032】第1版胴1と同様に、第2版胴20は、多
数の開孔部分が形成された支持円筒体とその外周面にメ
ッシュスクリーンが巻き付けられた構造となっており、
第2回転中心軸24の周りに回転自在に支持されてい
る。第2版胴20は、図示しないモータにより時計回り
方向及び反時計回り方向に回転駆動される。第2版胴2
0の外周には第2版胴20の母線に沿って第2ステージ
23が設けられていて、第2ステージ23上には、第2
クランパ22が第2ステージ23と平行な枢軸22sに
より回動自在に配設されている。第2クランパ22は図
示しない開閉手段により所定位置で開閉される。上記の
とおり、第2クランプ手段95は、第2クランパ22及
び第2ステージ23から主に構成される。
【0033】後述する動作でも説明するが、第2製版部
110のマスタ21の製版状態からも明確なように、マ
スタ21のフィルム側が第2サーマルヘッド31との押
圧面側となっており、第2版胴20の外周面には、図4
を借りて説明すると、製版済みマスタ21Aのフィルム
21b側を第2版胴20の外周面側に、支持体21a側
を外側にして、すなわち従来の孔版印刷方法とその表裏
が逆の状態で製版済みマスタ21Aが巻き付けられる。
【0034】第2インキ供給手段90は、第2版胴20
内部に配設されていて、第2版胴20内の図示しない側
板により回転可能に支持され、図中矢印B方向に第2版
胴20と同期して回転駆動される第2インキローラ25
と、第2インキローラ25の外表面とわずかな隙間を有
して設けられていて、第2インキローラ25との間に楔
状の第2インキ溜り27を形成する第2ドクタローラ2
6と、回転中心軸24を兼ねると共に第2インキ溜り2
7へインキを供給する第2インキパイプ軸24とを具備
する。
【0035】第2インキローラ25に対向する下方位置
には、第2プレスローラ28が第2版胴20と接離自在
に配設されており、第2プレスローラ28は図示しない
カム及びスプリングを具備する機構により第2版胴20
に選択的に接離する周知の構成をなす。第2プレスロー
ラ28は、用紙(図示せず)が給送されたときに用紙
(図示せず)を介して第2版胴20に圧接し、従動回転
されながら用紙(図示せず)を連続的に第2版胴20に
押圧する。
【0036】第1排版部300は、第1版胴1の図にお
いて左上方に配設され、第1版胴1の反時計回り方向回
転時に第1下排版コロ18が第1版胴1に当接し、使用
済み第1マスタ(図示せず)をその後端よりすくい上げ
第1排版ボックス19(後述する)へ廃棄する一対の第
1上排版コロ17及び第1下排版コロ18と、使用済み
第1マスタ(図示せず)を収納する第1排版ボックス1
9とを具備する。第1上排版コロ17及び第1下排版コ
ロ18は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0037】第1排版部300と同様に、第2排版部3
10は、第2版胴20の図において左側方に配設され、
第2版胴20の反時計回り方向回転時に第2下排版コロ
37が第2版胴20に当接し、使用済み第2マスタ(図
示せず)をその後端よりすくい上げ第2排版ボックス3
8(後述する)へ廃棄する一対の第2上排版コロ36及
び第2下排版コロ37と、使用済み第2マスタ(図示せ
ず)を収納する第2排版ボックス38とを具備する。第
2上排版コロ36及び第1下排版コロ37は、図示しな
いモータにより回転駆動される。
【0038】給紙部400は、第1プレスローラ9と第
1版胴1との間へ所定のタイミングで用紙40を給送す
るレジストローラ対43a,43bと、給紙台上の用紙
40を配紙する給紙コロ41と、給紙コロ41に圧接し
ていて用紙40を1枚に分離する分離コロ42とから構
成されている。
【0039】レジストローラ対43a,43bと第1プ
レスローラ9との間の給紙搬送路には、用紙40の給送
有無を検知するための第1センサ44が配置されてい
る。第1プレスローラ9と第2プレスローラ28との間
の給紙搬送路には、第1ベルト搬送ローラ45と第2ベ
ルト搬送ローラ46とに掛けわたされた、多孔性の搬送
ベルト47が張設されていて、第1版胴1の周速度と略
同じ搬送速度で第1版胴1と同期して駆動されるように
なっている。搬送ベルト47内には、図示しない印刷済
み用紙を吸着して搬送するための吸引ファン48が設け
られている。第1プレスローラ9の図において左斜め上
方のマスタ搬送路には、第1プレスローラ9と同期して
第1版胴1に近接し印刷済み用紙(図示しない)を剥離
するための第1剥がし爪10が設けられている。搬送ベ
ルト47上方には、第1版胴1から送出されて来る印刷
済み用紙(図示しない)を検知するための第2センサ4
9が配置されている。第2プレスローラ28の図におい
て左斜め上方のマスタ搬送路には、第2プレスローラ2
8と同期して第2版胴20に近接し重ね刷りされた印刷
済み用紙(図示しない)を剥離するための第2剥がし爪
29が設けられている。
【0040】(実施例1の作用)次に、この孔版印刷装
置の動作を図1乃至図5を参照して、その操作手順に従
って以下に記す。
【0041】先ず、原稿を孔版印刷装置ABの図示しな
い原稿画像読取部の原稿台にセットし、第1版胴1と第
2版胴20とが印刷する画像領域をデジタイザ等の印刷
エリア指定装置により設定する操作を行い、次いで図示
しない操作パネル上のスタートキーを押下することによ
りスタート信号が送出される。原稿は原稿搬送装置(共
に図示せず)で送られながらその光学情報が図示しない
CCD(電荷結合素子)等で電気信号に変換され、図示
しないA/D(アナログ/デジタル)変換器を経由して
そのデジタル信号がメモリ装置(図示せず)に書き込ま
れる。これと同時に図示しないモータが回転し、第1版
胴1と第2版胴20とが反時計回り方向に回転し、第1
排版部300及び第2排版部310により各使用済み第
1及び第2マスタ(図示せず)がその後端から剥離され
第1排版ボックス19及び第2排版ボックス38内へそ
れぞれ排版される。
【0042】次いで、第1版胴1が図示しないモータの
駆動により回転され、第1版胴1が図1に示す右横位置
に、すなわち給版位置に停止し、第1クランパ3が図示
しない開閉装置により開放される。これと略同時に、第
1プラテンローラ11が図示しないステッピングモータ
により回転駆動され始めて、第1マスタロール13から
第1マスタ(図示せず)が搬送され始める。すると、上
記の図示しないメモリ装置から図示しないデジタル信号
が読み出されつつ第1サーマルヘッド12が駆動され、
第1製版部100の製版が開始される。製版済み第1マ
スタ(図示せず)の先端が、第1ガイド板16に案内さ
れながら第1補助ローラ15で送られ、第1プラテンロ
ーラ11のステッピングモータ(図示せず)のステップ
数により拡開している第1クランパ3に届いたと判断さ
れると、図示しない開閉装置により第1クランパ3が閉
じられる。
【0043】こうして製版済み第1マスタ(図示せず)
の先端部が第1ステージ4と第1クランパ3との間で挾
持されると、第1版胴1は図中矢印B方向(時計回り方
向)に第1プラテンローラ11の送り速度と略同じ周速
度で回転され始め、第1マスタ2が第1版胴1の外周面
に巻き付けられていく。この巻き付け状態は、図3に示
すように、製版済みマスタ2Aの支持体2a側を第1版
胴1の外周面側に、フィルム2b側を外側にして第1版
胴1の外周面に巻き付けられる。そしてステッピングモ
ータ(図示せず)のステップ数が所定の数になると、第
1カッタ14a,14bが作動して、製版済み第1マス
タ(図示せず)の後端部が切断される。これと同時に、
第1プラテンローラ11と第1補助ローラ15との回転
がそれぞれ停止される。
【0044】次いで、第2版胴20が図示しないモータ
の駆動により回転され第2クランパ22が図1において
略真上位置に来た所で、第2版胴20が停止される。図
示しない開閉装置により第2クランパ22が開かれる
と、第2プラテンローラ30が回転され始め、第2マス
タロール32から第2マスタ21が引き出されて搬送さ
れる。第2マスタ21の搬送と同時に、第2版胴20に
対応するデジタル信号の画像情報が図示しないメモリ装
置から読み出されつつ第2サーマルヘッド31が駆動さ
れ、第2マスタ21が穿孔製版される。製版済み第2マ
スタ(図示せず)の先端が、第2ガイド板35で案内さ
れながら第2補助ローラ34で送られ、拡開している第
2クランパ22にフィルム21bを下側にして挿入され
る。第2プラテンローラ30の図示しないステップモー
タのステップ数により、製版済み第2マスタ(図示せ
ず)の先端が届いたと判断されると、図示しないクラン
パ開閉装置により第2クランパ22が閉じられる。
【0045】図1、図2又は図4において、製版済み第
2マスタ(図示せず)の先端部が第2ステージ23と第
2クランパ22との間で挾持されると、第2版胴20は
図中矢印B方向(時計回り方向)に第2プラテンローラ
30の送り速度と略同じ周速度で回転され始め、製版済
み第2マスタ(図示せず)が第2版胴20の外周面に巻
き付けられていく。この巻き付け状態は、図4を借りて
示すように、製版済みマスタ21A(図4に括弧で示
す)のフィルム21b側を第2版胴20の外周面側に、
支持体21a側を外側にして第2版胴20の外周面に巻
き付けられる。そしてステッピングモータ(図示せず)
のステップ数が所定の数になると、第2カッタ33a,
33bが作動して、製版済み第2マスタ(図示せず)の
後端部が切断される。これと同時に、第2プラテンロー
ラ30と第2補助ローラ34との回転がそれぞれ停止さ
れる。こうして、第2製版部110の製版工程が完了す
る。
【0046】第1製版部100及び第2製版部110の
製版が完了すると、いわゆる版付け工程及び印刷工程が
開始される。先ず、給紙台39が図示しない底板上昇手
段により上昇され、給紙コロ41と積載された用紙40
とが当接した位置で停止される。次いで、給紙コロ41
が回転され、分離コロ42で用紙40の1枚のみが分離
されながらレジストローラ対43a,43bに向けて給
送される。搬送されて来た用紙(図示せず)は、レジス
トローラ対43a,43bにより第1版胴1の回転と同
期した所定のタイミングが取られ第1版胴1と第1プレ
スローラ9との間に挿入される。この時、第1センサ4
4が給送されてきた用紙(図示せず)の一端を検知する
ことで、第1版胴1の外周面から離間していた第1プレ
スローラ9が仮想線で示す位置に上昇される。そして図
3に示すように、矢印B方向に回転する第1版胴1の外
周面に巻装された製版済みマスタ2Aに用紙40が押圧
されることにより、インキが第1版胴1の開孔部分1h
から製版済みマスタ2Aの穿孔部分2hを滲み出しつつ
通過し、用紙40表面に押し出し盛る形の転移インキI
Tが転移されて印刷画像が形成される。なおこの時、第
1インキローラ6も第1版胴1の回転方向と同一方向に
回転し、インキを第1版胴1の内周面に供給する。
【0047】図1又は図2において、印刷済み用紙40
Aは、第1版胴1とプレスローラ9とで押圧されつつ搬
送され、第1剥がし爪10により剥離され、吸引ファン
48で吸着されながら搬送ベルト47で第2版胴20と
第2プレスローラ28との間に挿入される。印刷済みの
用紙(図示せず)が第1版胴1から送出されその一端が
第2センサ49により検知されると、第2プレスローラ
28が仮想線で示す位置に上昇され、矢印B方向に回転
する第2版胴20の外周面に巻装された製版済みマスタ
21A(図4を借りて説明し、図4に括弧で示す)に印
刷済み用紙40Aが押圧されることにより、インキが第
2版胴20の開孔部分20hから製版済みマスタ21A
の穿孔部分(図示せず)を滲み出しつつ通過し、印刷済
み用紙40A表面に押し出されインキが転移されて所望
の重ね刷り印刷画像が形成される。この時、図4を借り
て説明すると、第1版胴1で形成された余剰の転移イン
キITは、製版済みマスタ2Aの支持体21a部で吸着
されて、次の印刷工程で給送されて来る印刷済み用紙
(図示せず)に裏写りの生じさせない被吸着インキIA
となる。したがって、重ね刷り印刷された印刷済み用紙
40Aの元の転移インキITに相当する位置には、瞬時
に乾燥され得る状態のセッチングインキISが形成され
る。このようにして重ね刷り印刷された印刷済み用紙
(図示せず)は、第2剥がし爪29によって第2版胴2
0の外周面から剥離され排紙トレイ50に排出されて、
最初の1枚目の印刷、いわゆる版付けが終了し、印刷待
機状態となる。次に上記動作と同様の動作により所定枚
数の印刷が順次連続的に行われる。
【0048】ところで、従来の孔版印刷方法により、2
色や多色印刷をワンパスで行うとすると、上流側の版胴
で印刷された印刷済み用紙の余剰な転移インキが下流位
版胴に巻き付けられているフィルム面に付着し、後続の
印刷済み用紙がずれて給送されて来た場合に、転移イン
キの上記フィルム面への再転移が発生してダブリ画像不
具合が発生してしまう。そこで、実施例1によれば、上
流側の版胴で印刷された印刷済み用紙に転移するインキ
が支持体で吸着されるので、再転移が発生せず、ワンパ
スで多色印刷してもダブリ画像等が発生しない良好な画
像の印刷物を得られる利点がある。
【0049】本発明は、上記実施例1に限定されず、単
胴式の孔版印刷装置を使用した孔版印刷方法にも適用す
ることができる。その場合は、製版済みマスタの熱可塑
性樹脂フィルム側を版胴の外周面側に、支持体側を外側
にして版胴外周面上に巻き付けるようにしても良い(以
下、これを「実施例2」という)。この実施例2によれ
ば、排版時に、マスタに付着して廃棄される無駄なイン
キ量を少なくすることができる利点がある。また支持体
にインキが付着する部分は、熱可塑性樹脂フィルムに対
応する画像部の穿孔された所だけとなり、従来のように
版胴の開孔部領域に対応する部分の全てにインキが充填
される訳ではないので、インキ付着による支持体の膨潤
が非常に少なくなり、原稿画像に対する画像寸法の変化
が非常に小さくなり、原稿画像をより忠実に印刷画像と
して再現することができる利点がある。また熱可塑性樹
脂フィルムと用紙とが直接接触したり、熱可塑性樹脂フ
ィルムと押圧手段とが直接押圧接触しないので、熱可塑
性樹脂フィルムが版胴の外周面から剥がれたりすること
が全く発生せず、耐刷性が著しく向上する利点もある。
【0050】図4に別の実施例3を示す。この実施例3
は、実施例1に対して以下の点のみが相違する。すなわ
ち、下流位版胴としての第2版胴20側の、第2製版部
110(図1に示し、同図に図示せず)に製版指令が出
ない場合(例えば単色印刷の場合)は、第2版胴20の
外周面に、未製版マスタ21Xのフィルム21b側を第
2版胴20の外周面側に支持体21a側を外側にして巻
き付けた後に、印刷済み用紙40Aを介して未製版マス
タ21Xを第2プレスローラ28で押圧する孔版印刷方
法である。
【0051】この実施例3によれば、第1版胴1で形成
された余剰の転移インキITが、未製版マスタ21Xの
支持体21a部で吸着されて、印刷工程で給送されてく
る後続の印刷済み用紙(図示せず)に裏写りの生じさせ
ない被吸着インキIAとなるので、重ね刷り印刷された
印刷済み用紙40Aの元の転移インキITに相当する位
置には、瞬時に乾燥され得る状態のセッチングインキI
Sが形成される。したがって、実施例3によれば、用紙
の連続印刷において、印刷済み用紙が連続して重ねられ
て積載されても、上段に積載された印刷済み用紙の裏面
に余剰の転移インキが転移してしまう裏写り不具合を著
しく低減できる利点がある。
【0052】実施例3において、未製版マスタ21Xの
支持体21aの厚みは30μm程度であり、第2版胴2
0に巻き付けられた未製版マスタ21Xの支持体21a
の同じ部分で連続して余剰な転移インキを吸着している
と、ついには吸着できなくなってしまう。そこで、図5
に示すように、下流位版胴としての第2版胴20と最上
流位版胴としての第1版胴1とを、印刷済み用紙に対す
る印刷位置を偏倚させるための天地移動手段600で連
結させておいて、印刷時に、この天地移動手段600を
作動させて、第2版胴20の外周面の回転方向の位相を
第1版胴1の位相に対して徐々に動かしても良い。(以
下、これを「実施例4」という)。
【0053】図5において、天地移動手段600は、第
1版胴1の一端面に固設され第1版胴1の回転駆動力を
第2端板プーリ20P(後述する)に伝達する第1端板
プーリ1Pと、第2版胴20の一端面に固設され第1版
胴1の回転駆動力をベルト51(後述する)を介して伝
達される第2端板プーリ20Pと、第1端板プーリ1P
と第2端板プーリ20Pとの間に昇降自在に設けられた
スライダアーム52と、孔版印刷装置ABの図示しない
側板に回動自在に支持され図示しない駆動モータにより
駆動される図示を省略したピニオンと、図示を省略した
ピニオンと噛合するスライダアーム52の一側端に形成
されたラック57と、スライダアーム52の上下端部に
固設された各軸52sを介して回動自在に取り付けられ
た一対の移動上プーリ54、移動下プーリ55と、孔版
印刷装置ABの図示しない側板に植設された軸56sに
回動自在に取り付けられスライダアーム52を挾んで上
下にそれぞれ設けられた4つの固定プーリ56a,b,
c,dと、第1端板プーリ1P、第2端板プーリ20
P、移動上プーリ54、移動下プーリ55及び4つの固
定プーリ56a,b,c,dに掛け渡されたベルト51
とから主に構成される。なお、スライダアーム52には
2つの長孔52hが形成されていて、スライダアーム5
2は孔版印刷装置ABの図示しない側板に植設された一
対の支持ピン53pを介してスライド可能に支持される
と共に、側板に固定されたガイド部材(図示しない)に
より昇降スライド可能に支持されている。
【0054】次に上記実施例4の動作を説明する。図5
において、図示を省略したピニオンが回転駆動され、ラ
ック57が矢印U方向(図において上方向)に移動され
ることによってスライダアーム52、移動上プーリ54
及び移動下プーリ55もベルト51を介して矢印U方向
に一緒に変位される。したがって、第1版胴1及び第2
版胴20はそれぞれa,bで示す回転方向に元の位相状
態から偏倚されることとなる。上記動作と逆に、ラック
57が矢印D方向(図において下方向)に移動される
と、第1版胴1及び第2版胴20はそれぞれa,bで示
す回転方向とは逆の方向に元の位相状態から偏倚される
こととなる。
【0055】実施例4によれば、実施例3の利点に加
え、さらに裏写り防止効果を長く維持できる利点があ
る。なお、天地移動手段の位置調整機構は、版胴の回転
方向のみならず版胴の回転中心軸の長さ方向にも徐々に
スライドさせる機構を兼ね備えることが望ましい。
【0056】実施例3の製版指令が出ない状態は、この
実施例3に限らず、製版指令が出るまでは、未製版マス
タ21Xの巻き付けをそのまま継続させても良い(以
下、これを「実施例5」という)。
【0057】実施例5によれば、製版毎にマスタを交換
する必要がないので、製版不要の場合は、製版をカット
することでマスタを無駄に消費するのを防止することが
できる利点がある。
【0058】なお、天地移動手段は、上記実施例4のも
のに限らず、例えば特開平4−329175号公報に記
載の遊星歯車を用いた天地位置調整機構21のような位
相可変手段で構成されていても良い。
【0059】なお、複胴式孔版印刷装置の最上流位版胴
としての第1版胴1の外周面に巻き付けるマスタは、上
記実施例1のように従来タイプの熱可塑性樹脂フィルム
と多孔質可撓性の支持体とから成るロール状のマスタに
限らず、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成るマ
スタを用いることも可能である。この実質的に熱可塑性
樹脂フィルムのみから成るマスタとは、マスタが熱可塑
性樹脂フィルムのみから成るものの他、熱可塑性樹脂フ
ィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有して成るもの、
さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面
又は裏面のうち少なくとも一方に、オーバーコート層等
の薄膜層を1層又は複数層形成して成るものを含む。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、製版済みマスタの熱可塑性樹脂フィルム側を
版胴の外周面側に、支持体側を外側にして版胴の外周面
上に巻き付けて印刷を行うことにより、排版時に、マス
タに付着して廃棄される無駄なインキ量を少なくするこ
とができる。また支持体にインキが付着する部分は、熱
可塑性樹脂フィルムに対応する画像部の穿孔された所だ
けとなり、従来のように版胴の開孔部領域に対応する部
分の全てにインキが充填される訳ではないので、インキ
付着による支持体の膨潤が非常に少なくなり、原稿画像
に対する画像寸法の変化が非常に小さくなり、原稿画像
をより忠実に印刷画像として再現することができる。ま
た熱可塑性樹脂フィルムと用紙とが直接接触したり、熱
可塑性樹脂フィルムと押圧手段とが直接押圧接触しない
ので、熱可塑性樹脂フィルムが版胴の外周面から剥がれ
たりすることが全く発生せず、耐刷性が著しく向上す
る。
【0061】請求項2記載の発明によれば、下流位版胴
の外周面に、製版済みマスタの熱可塑性樹脂フィルム側
を下流位版胴の外周面側に支持体側を外側にして巻き付
けて印刷を行うことにより、上流側の版胴で印刷された
印刷済み用紙に転移するインキが支持体で吸着されるの
で、再転移が発生せず、ワンパスで多色印刷してもダブ
リ画像等が発生しない良好な画像の印刷物を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用される場合の複胴式の
孔版印刷装置を示す概略断面図である。
【図2】図1の下流位版胴における印刷動作を示す要部
の拡大断面図である。
【図3】図1の最上流位版胴における印刷動作を示す要
部の拡大断面図である。
【図4】別の実施例が適用された場合の下流位版胴にお
ける印刷動作を示す要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の別な実施例が使用される場合の天地移
動手段の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1版胴 2 第1マスタ 2a 第1マスタの支持体 2A 製版済み第1マスタ 2b 第2マスタの熱可塑性樹脂フィルム 5 第1回転中心軸 9 第1押圧手段としての第1プレスローラ 11 第1プラテンローラ 12 第1サーマルヘッド 13 第1マスタ貯容手段 20 第2版胴 21 第2マスタ 21a 第2マスタの支持体 21A 製版済み第2マスタ 21b 第2マスタの熱可塑性樹脂フィルム 21X 未製版第2マスタ 24 第2回転中心軸 28 第2押圧手段としての第2プレスローラ 30 第2プラテンローラ 31 第2サーマルヘッド 32 第2マスタ貯容手段 80,90 第1、第2インキ供給手段 85,95 第1、第2クランプ手段 100,110 第1、第2製版部 200,210 第1、第2印刷部 300,310 第1、第2排版部 600 天地移動手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムと多孔質可撓性の支
    持体とから成るロール状の孔版印刷用のマスタを貯容す
    るマスタ貯容手段と、画像情報に基づいて上記マスタを
    穿孔製版するサーマルヘッド及びこれに上記マスタを押
    圧しながらマスタ搬送路の下流側へ搬送するプラテンロ
    ーラから成る製版手段と、上記マスタ搬送路の下流側に
    設けられていて、上記マスタを切断する切断手段とを具
    備する製版部と、 外周面に上記マスタが巻き付けられ回転中心軸の周りに
    回転する版胴と、該版胴の内周面にインキを供給するイ
    ンキ供給手段と、上記外周面上に設けられた、上記マス
    タの先端部を挾持するクランプ手段と、上記外周面の近
    傍に設けられた、上記外周面に印刷用の用紙を押圧する
    押圧手段とを具備する印刷部と、 上記外周面から使用済みマスタを剥離排版する排版部と
    を有する孔版印刷装置を使用する孔版印刷方法におい
    て、 製版済みマスタの上記熱可塑性樹脂フィルム側を上記外
    周面側に、上記支持体側を外側にして上記外周面上に巻
    き付けて印刷を行うことを特徴とする孔版印刷方法。
  2. 【請求項2】上記版胴を少なくとも2個有し、上記用紙
    の用紙搬送路の最上流に位置する最上流位版胴を除い
    た、下流側に位置する下流位版胴の外周面に、製版済み
    マスタの上記熱可塑性樹脂フィルム側を上記下流位版胴
    の外周面側に上記支持体側を外側にして巻き付けて印刷
    を行うことを特徴とする請求項1記載の孔版印刷方法。
  3. 【請求項3】上記下流位版胴の上記製版部に製版指令が
    出ない場合は、上記下流位版胴の外周面に、未製版マス
    タの上記熱可塑性樹脂フィルム側を上記下流位版胴の外
    周面側に上記支持体側を外側にして巻き付けた後に、印
    刷済み用紙を介して上記未製版マスタを上記押圧手段で
    押圧することを特徴とする請求項2記載の孔版印刷方
    法。
  4. 【請求項4】上記下流位版胴は、上記印刷済み用紙に対
    する印刷位置を偏倚させるための天地移動手段で上記最
    上流位版胴に連結されており、印刷時に、上記天地移動
    手段を作動させることを特徴とする請求項3記載の孔版
    印刷方法。
  5. 【請求項5】上記製版指令が出るまでは、上記未製版マ
    スタの巻き付けをそのまま継続することを特徴とする請
    求項3記載の孔版印刷方法。
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