JP3595610B2 - 孔版原紙の着版方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転式孔版印刷装置の版胴に孔版原紙の端部を着座させ、該孔版原紙を版胴に巻装させて着版する方法及び該着版方法に用いる孔版原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の回転式孔版印刷装置においては製版機能と印刷機能が一体化されており、孔版原紙を製版後、これを自動的に版胴に搬送して着版させて印刷が行なわれる。
【0003】
かかる回転式孔版印刷装置の版胴は、孔版原紙の端部を挟持できるように開閉自在にされたクランプ手段を備え、着版時、該クランプ手段は、製版されて搬送されて来る孔版原紙の端部を受容するように開状態で待機している。そして、孔版原紙の端部が該クランプ手段に受容された後これを閉じることによって孔版原紙はクランプ手段に挟持され、そのまま版胴を回転させることにより孔版原紙は版胴に巻装され、着版が終了する。
【0004】
ところが、従来の孔版原紙は、図14に示されるように湿気や熱に対する特性の異なる和紙とフィルムの積層体からなっているので、保存環境や使用環境によって和紙とフィルムの一方が相対的に伸び縮みして和紙側又はフィルム側にカールする傾向を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この孔版原紙のカールは、孔版原紙の搬送性を阻害したり、特に、版胴のクランプ手段に受容される端部にカールが生じていると、クランプ手段が該端部を弾き出して挟持しそこなったり、着版されても着版皺が生じて印刷物に黒線が現れるといった印刷不良を生じ、印刷終了後の版胴からの孔版原紙の排版時にも剥離搬送が確実に行われないといった問題を引き起こすこともある。
【0006】
本発明は、着版時に最初に版胴に着座される孔版原紙の端部にカールが生じるのを防止することによって、孔版原紙の搬送及び着版がスムーズに行われるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インキ通過性の多孔質支持体と熱溶融性フィルムからなる孔版原紙を、その端部を版胴のクランプ手段に挟持させること等により版胴に着座させて版胴に巻装する孔版原紙の着版方法において、版胴に着座される前記端部のフィルムに開口を形成しておくことによって該端部にカールが生じるのを防止することを特徴とする。
【0008】
このように、クランプ手段等によって版胴に着座される孔版原紙の端部のフィルムに開口を設け、該端部の支持体上のフィルムを分断し、フィルムの張力が集積するのを低減したので、フィルムと支持体との間の歪みの差が小さくなり、カールの程度を低減することができる。
【0009】
本発明において、前記開口は、着版時に孔版原紙の前記端部が着座される前に形成されていればその目的を達成することができ、その開口を形成する方法としては、例えば、孔版印刷装置に設けられた発熱体によりフィルムを溶融することによって形成する方法や孔版印刷装置に設けられたサーマルヘッド等の製版手段によりフィルムを溶融することによって形成する方法が挙げられる。
【0010】
特に、孔版原紙をロール状孔版原紙として収容した状態で、その自由端部から孔版原紙を引き出して製版し、該自由端部を版胴のクランプ手段に挟持させること等により版胴に着座させるとともに孔版原紙の製版領域を孔版原紙ロールから切り離して版胴に巻装させて着版を行う形式の孔版印刷装置においては、前記自由端部に後続する孔版原紙に製版を施し、該自由端部を版胴に着座させて版胴に巻装する前に、該孔版印刷装置に設けられたサーマルヘッド等の製版手段を利用して該自由端部のフィルムに開口を形成しておくことにより本発明は容易に実施することができる。
【0011】
また、本発明においては、孔版原紙の製造時にフィルムに開口を形成した枚葉、ロール状、折畳み状等の孔版原紙を使用することによっても実施することができる。例えば、少なくとも一つの端部のフィルムに開口が予め形成されている枚葉の孔版原紙を使用して製版を行い、開口の形成された端部を版胴のクランプ手段に挟持させて着版させるようにしてもよく、また、長尺の孔版原紙の製造時に長さ方向に一回の製版に必要な所定の間隔を置いてフィルムに開口を形成し、これをロール状又は折畳み状とした孔版原紙を使用し、製版毎に該開口が設けられた部分が端部となるように裁断して、該端部を版胴のクランプ手段に挟持させるようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示された具体例に基づいて説明するが、本発明は該具体例によって何等限定されるものではない。
【0013】
図1は従来の回転式孔版印刷装置の製版手段によって孔版原紙の端部のフィルムに開口を形成する態様を示すものであり、図1中、製版手段は印刷装置本体に固定された固定筐体1と、版胴4側に設けられた軸2を中心に開閉可能な可動筐体3とから成る。
【0014】
可動筐体3の上面は原稿読み取りのためのスキャン部を構成し、原稿載置台31に載置された原稿を原稿捌きローラ32によって読み取りセンサ33の上方へ送るとともに一対の対向する原稿送りローラ34a及び34bによって原稿を排出させる過程で該読み取りセンサ33により該原稿をスキャンする。また、可動筐体3の下方にはスキャンした原稿を孔版原紙11に製版するためのサーマルヘッド35が設けられている。該サーマルヘッド35は、公知の如く、孔版原紙のフィルムを溶融して開口を形成する微細な複数の発熱素子が整列されて成るものである。また、該可動筐体3の下方には、該サーマルヘッド35の孔版原紙搬送方向側に隣接して第1原紙ガイドの上部半体36が設けられている。
【0015】
一方、固定筐体1の内部には、ロール状の孔版原紙11が軸12を中心として回動可能に収容されており、サーマルヘッド35に対向するように配置されたプラテンローラ13と1対の上下に対向する搬送ローラ14a及び14bとによって孔版原紙11を版胴4の方向に向かって送り出せるようにしている。また、プラテンローラ13と搬送ローラ14a及び14bの間には、製版した孔版原紙を一版分の長さに切断するためのカッタ手段15を備え、該カッタ手段15とプランテンローラ13との間には可動筐体3の第1原紙ガイドの上部半体36に対向する下部半体16が設けられており、該カッタ手段15と搬送ローラ14a、14bとの間には、一対の対向する上下半体17a、17bからなる第2原紙ガイドが設けられており、搬送ローラ14a、14bと版胴4との間には、製版された孔版原紙を固定筐体1から排出させて版胴4に向けて案内する一対の対向する上下半体18a、18bからなる第3原紙ガイドが設けられている。
【0016】
使用時、ロール状の孔版原紙11を製版手段にセットする時は、可動筐体3を軸2回りに2点鎖線の位置まで開き、先ずロール状の孔版原紙11を固定筐体1内の軸12に支持させる。可動筐体3を開けた状態(2点鎖線の状態)では、サーマルヘッド35がプラテンローラ13から離れ、第1原紙ガイドの上部半体36も下部半体16から離れている。この状態において、孔版原紙11の自由端部をプラテンローラ13の上に載せて可動筐体3を実線の位置に閉じると、図3(a)に示されるように、孔版原紙11の自由端部はプラテンローラ13とサーマルヘッド35との間に挟持され、孔版原紙11はセットされる。
【0017】
本発明の着版方法によれば、製版手段の原紙セットスイッチ(図示せず)を押すと原紙搬送モーター(図示せず)作動し、図3(b)に示されるように、プラテンローラ13を時計方向回りに回転させ孔版原紙11を右方向に搬送し、その後、孔版原紙11の自由端部がマスタ待機センサ19によって検出されると、予め設定した穿孔プログラムに基づいてサーマルヘッド35が所定期間ONにされて孔版原紙11のフィルムが溶融され、フィルムに開口が形成される。
【0018】
穿孔プログラムによりサーマルヘッド35が始動した孔版原紙11上の位置がカッタ手段15の位置に達するまでのプラテンローラ13の回転量を検出した時、図3(c)に示されるように、カッタ手段15が作動して、それよりも右方向に進んだ孔版原紙11の部分は切り離される。
【0019】
その後も、プラテンローラ13は回転を続け、図3(d)に示されるように、開口の形成された自由端部がマスタ待機センサ19によって検出された時点で、プラテンローラ13は回転を停止し、孔版原紙11は製版を受けるべく待機状態に保たれる。一方、切り離された孔版原紙11は搬送ローラ14a、14bによって右方向に搬送され、一部分が第3原紙ガイド18a、18bから版胴4の方向に突出するので、これを指先で摘んで第3原紙ガイド18a、18bから除去することにより、孔版原紙11のセットは完了する。
【0020】
次に、原稿を原稿載置台31にセットした状態で製版スイッチ(図示せず)を押すと、主モータ(図示せず)が始動し、版胴4がゆっくりと回転を始めて排版動作を行い、一回転した後、第3原紙ガイド18a、18bから出て来る孔版原紙11の端部を受容できるようにクランプ手段41を開いた状態で停止する。同時に、原稿搬送モータ(図示せず)も始動して原稿捌きローラ32及び原稿送りローラ34aを図示の時計回りに回転させ、原稿を右方向に移送し、この原稿の移動の間に読み取りセンサ33が原稿の画像を読み取る。また、これと同期して原紙搬送モータ(図示せず)も始動し、図3(e)に示されるように、プラテンローラ13及び搬送ローラ14a及び14bの回転により孔版原紙11を版胴4の方向に搬送しながら、読み取りセンサ33で読み取った画像をサーマルヘッド35により孔版原紙11に穿孔し製版する。製版スイッチが押されたときから孔版原紙11の自由端部がクランプ手段41の下に達するまで(図1参照)のプラテンローラ13の回転量が検出されるとクランプ手段41が閉じて、孔版原紙11の自由端部を版胴4上に保持する。このとき、孔版原紙11の自由端部のフィルムには開口が形成されており、カールは殆ど解消されているので、クランプ手段41の端面に突き当たって外に弾かれたり、クランプ手段41が閉じる際に折れて皺になったりしない。
【0021】
読み取りセンサ33により読み取られた原稿画像に基づく一版分の製版が終了し、その版の終端をカッタ手段15で切断すべく孔版原紙11を移動する過程で、図2に示されるように、製版領域6の終端61に後続する孔版原紙11には先に形成された自由端部の開口領域5aと同様の開口5が開口領域5bに穿孔プログラムに基づいてサーマルヘッド35により形成される。そして、図3(f)に示されるように、該終端61がカッタ手段15に到達した時にカッタ手段15が作動し、製版された孔版原紙11を切り離すとともに、版胴4が一回転して切り離された孔版原紙11を版胴4の外周面に巻き付けて着版を完了する。なお、版胴4が一回転して着版を完了する間、搬送ローラ14a及び14bはその支持軸との間に設けられた一方向クラッチによりアイドル状態とされ空転する。
【0022】
製版された孔版原紙11が切り離されることにより新たに生起した孔版原紙11の自由端部のフィルムには既に上記穿孔プログラムによって開口領域5bに開口5が形成されており、カッタ手段15が作動した後もプラテンローラ13により引き続き右方向に移送され、図3(g)に示されるように、その自由端部がマスタ待機センサ19により検出された位置で停止し、次の製版を待つ。
【0023】
そして、この状態から印刷スイッチが押されると印刷動作が開始され、印刷終了後次の製版及び印刷を行なう場合は、孔版原紙ロールが費やされるまで、図3(e)乃至図3(g)の動作が繰り返されるので、版胴4のクランプ手段41に挟持される孔版原紙11の自由端部には常に開口が設けられてカールが防止される。
【0024】
図4は、カッタ手段15及びマスタ待機センサ19を、搬送ローラ14a、14bよりも版胴4側に配置して構成された製版手段において本発明を実施した具体例を示すものであり、図1と同様の要素には同一の番号を符している。
【0025】
図4中、製版手段は印刷装置本体に固定された固定筐体1と、軸2を中心に開閉可能な可動筐体3とから成る。
【0026】
可動筐体3の上面は原稿読み取りのためのスキャン部を構成し、原稿載置台31に載置された原稿を原稿送りローラ34によって読み取りセンサ33の下方へ送り、原稿の画像をスキャンできるようにされている。また、可動筐体3の下方には、図1と同様に、スキャンした原稿を孔版原紙に製版するためのサーマルヘッド35が設けられている。また、該可動筐体3の下方には、該サーマルヘッド35の孔版原紙搬送方向側に隣接して第1原紙ガイドの上部半体36が設けられている。
【0027】
一方、固定筐体1の内部には、ロール状の孔版原紙11が軸12を中心として回動可能に収容されており、サーマルヘッド35に対向するように配置されたプラテンローラ13と1対の上下に対向する搬送ローラ14a及び14bによって孔版原紙11を版胴4の方向に向かって送り出せるようにしている。また、プラテンローラ13と搬送ローラ14a、14bとの間には、可動筐体3の第1原紙ガイドの上部半体36に対向する下部半体16が設けられており、その搬送ローラ14a、14b側には孔版原紙の搬送方向に並んだ一対の案内ローラ10a及び10bが設けられており、該案内ローラ10a、10bの間に製版後着版前の孔版原紙を溜めておくことができるようにされている。そして、搬送ローラ14a、14bから版胴4側に向かってカッタ手段15とマスタ待機センサ19が順次設けられており、マスタ待機センサ19の下方には孔版原紙を固定筐体1から排出して版胴4のクランプ手段41に案内するための第2原紙ガイド18が設けられている。
【0028】
使用時、ロール状の孔版原紙11を製版手段にセットする時は、図1と同様に可動筐体3を軸2回りに開き、先ずロール状の孔版原紙1を固定筐体1内の軸12に支持させる。可動筐体3を開けた状態では、サーマルヘッド35がプラテンローラ13から離れ、第1原紙ガイドの上部半体36も下部半体16から離れている。この状態において、孔版原紙11をプラテンローラ13の上に載せるとともに、その自由端部を搬送ローラ14a及び14bの手前まで引き出して可動筐体3を閉じると、図6(a)に示されるように、孔版原紙11はプラテンローラ13とサーマルヘッド35との間に挟持され、孔版原紙11はセットされる。
【0029】
本発明の着版方法によれば、製版手段の原紙セットスイッチ(図示せず)を押すと原紙搬送モーター(図示せず)が作動し、プラテンローラ13を図示の時計方向回りに回転させ孔版原紙11を右方向に搬送するとともに、予め設定した穿孔プログラムに基づいてサーマルヘッド35が所定期間ONにされて孔版原紙11のフィルムが溶融され、フィルムに開口が形成される。
【0030】
穿孔プログラムによりサーマルヘッド35が始動して開口が形成され始めた孔版原紙11上の位置がカッタ手段15の位置に達するまでのプラテンローラ13の回転量を検出した時、図6(b)に示されるように、カッタ手段15が作動して、それよりも右方向に進んだ孔版原紙11の部分は切り離される。
【0031】
その後も、プラテンローラ13及び搬送ローラ14a、14bは回転を続け、図6(c)に示されるように、開口の形成された自由端部がマスタ待機センサ19によって検出された時点で、プラテンローラ13及び搬送ローラ14a、14bは回転を停止し、孔版原紙11は製版を受けるべく待機状態に保たれる。一方、切り離された孔版原紙11は、一部分が第2原紙ガイド18から版胴4の方向に突出するので、これを指先で摘んで第2原紙ガイド18から除去することにより、孔版原紙11のセットは完了する。
【0032】
次に、原稿を原稿載置台31にセットした状態で製版スイッチ(図示せず)を押すと、主モータ(図示せず)が始動し、版胴4がゆっくりと回転を始めて排版動作を行い、一回転した後、第2原稿ガイド18から出て来る孔版原紙11の端部を受容できるようにクランプ手段41を開いた状態で停止する。同時に、原稿搬送モータ(図示せず)も始動して原稿送りローラ34を時計回りに回転させ、原稿を右方向に移送し、この原稿の移動の間に読み取りセンサ33が原稿の画像を読み取る。また、これと同期して原紙搬送モータ(図示せず)も始動し、図6(d)に示されるように、プラテンローラ13の回転により孔版原紙11を図示の右方向に搬送しつつ読み取りセンサ33で読み取った画像をサーマルヘッド35により孔版原紙11に穿孔し製版するとともに、案内ローラ10aの回転により製版された孔版原紙11は案内ローラ10aと10bとの間に溜められる。読み取りセンサ33により読み取られた原稿画像に基づく一版分の製版が終了した後、図5に示されるように、製版領域6の終端61に後続する孔版原紙11には先に形成された自由端部の開口領域5aと同様の開口5が開口領域5bに穿孔プログラムに基づいてサーマルヘッド35により形成され、その後、プラテンローラ13の回転が止められ、製版は終了する。
【0033】
その後、搬送ローラ14a、14bを回転させて製版された孔版原紙11を図示の右方向へ搬送し、図4に示されるように、孔版原紙11の自由端部がクランプ手段41の下に達した時にクランプ手段41を閉じて、孔版原紙11の自由端部を版胴4上に保持する。このとき、孔版原紙11の自由端部のフィルムには開口が形成されており、カールは殆ど解消されているので、クランプ手段41の端面に突き当たって外に弾かれたり、クランプ手段41が閉じる際に折れて皺になったりしない。
【0034】
その後も、搬送ローラ14a、14bを回転させて製版された孔版原紙11を右方向へ搬送しつつ版胴4を回転させて孔版原紙を版胴4の外周面に巻き付けて、図6(e)に示されるように、製版領域6の終端61がカッタ手段15に到達した時にカッタ手段15を作動させ、製版された孔版原紙11を切り離すとともに、これを版胴4の外周面に完全に巻き付けて着版を完了する。
【0035】
製版された孔版原紙11が切り離されることにより新たに生起した孔版原紙11の自由端部のフィルムには既に上記穿孔プログラムによって開口領域5bが形成されており、カッタ手段15が作動した後もプラテンローラ13及び搬送ローラ14a、14bにより引き続き右方向に移送され、図6(f)に示されるように、その自由端部がマスタ待機センサ19により検出された位置で停止し、次の製版を待つ。
【0036】
そして、この状態から印刷スイッチが押されると印刷動作が開始され、印刷終了後次の製版及び印刷を行なう場合は、孔版原紙ロールが費やされるまで、図6(d)乃至図6(f)の状態が繰り返されるので、版胴4のクランプ手段に挟持される孔版原紙の自由端部には常に開口が設けられてカールが防止される。
【0037】
図1乃至図6の具体例において孔版原紙の自由端部の開口領域5a、5bのフィルムに形成される開口5は、穿孔プログラムによりサーマルヘッド35を微妙に移動させたり孔版原紙11の送り速度を制御することにより、各種の態様で形成することが可能である。例えば、図7に示すように、サーマルヘッドの発熱素子に対応する大きさの開口5を孔版原紙11の縦横いずれの方向にも一部分がオーバーラップするように連続形成してもよく、図8に示すように、サーマルヘッドの発熱素子に対応する大きさの開口5を孔版原紙11の幅方向にのみ一部分がオーバーラップするように連続形成してもよく、図9に示すように、発熱素子に対応する大きさの開口5を孔版原紙11の縦横何れの方向にも僅かに離隔するように形成してもよく、図10に示すように、発熱素子に対応する大きさの開口5を孔版原紙の長手方向にのみ一部分がオーバーラップするように形成してもよい。なお、図7乃至図10は何れも開口4を概念的に表したものであり、実際には溶融したフィルムが支持体に付着するため、必ずしも図示のような発熱素子の幾何学的形状に対応した形状に形成される訳ではない。
【0038】
また、孔版印刷装置に開口形成手段としてレーザー光線や刃物等のフィルム切断手段を設け、サーマルヘッドを用いずに孔版原紙の自由端部のフィルムに開口を形成しても本発明の目的は達成できる。すなわち、本発明において、開口5の形状は図7乃至図10のような面状又は点状の開口のみならず、線状でも良いことを意味する。この際、図11に示すように、開口5は孔版原紙11の幅方向に延在する線5として形成することができ、かかる線を複数本平行に形成してもよく、また、図12に示すように、孔版原紙11の幅方向に断続して延在する線5として形成することもできる。
【0039】
図13は、本発明に従ってフィルムに開口5を形成した孔版原紙11の端部を示す断面図であり、孔版原紙11は和紙等からなるインキ通過性の支持体111とポリエステル等の熱溶融性フィルム112とを接着剤により貼り合わせて構成されているが、フィルム112には開口5が形成されてフィルムが分断されているので、分断されたフィルム112a、112b、112cがそれぞれカールしたとしても、一つ一つのカールは小さく、各カールが集積されることはないので、該端部におけるカールは、単位面積当たりに占める開口5の面積に反比例して小さくなり、開口5の長さ及び開口5のピッチに比例して小さくなる。
【0040】
以上の具体例では、製版手段のサーマルヘッド又は孔版印刷装置の切断手段によって製版及び印刷毎に孔版原紙11に開口5を形成する例を述べてきたが、本発明は、孔版原紙の製造時に自由端部に開口を形成した単票の孔版原紙を用いることによっても達成することができ、又は、製造時に孔版原紙の長手方向に図2及び図5に示したような製版に必要な所定の間隔で開口5を幅方向に形成したロール状又は折畳み状の長尺の孔版原紙を図1又は図4のような孔版印刷装置に設置し、製版に際して、開口が形成された部分が自由端部となるように切断しつつ使用することによっても達成できることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、インキ通過性を有する多孔質支持体と熱溶融性フィルムからなる孔版原紙の端部のフィルムに開口を設けて該フィルムを分断し、該端部におけるフィルムの張力を断ち切ったので、フィルムとの支持体との張力の差異に起因する孔版原紙のカールが防止され、孔版原紙を良好に搬送できるようになり、この開口が形成された端部を着版時に版胴のクランプ手段によって挟持させること等により版胴に着座させるようにしたので、孔版原紙の着版もより確実に行われるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される孔版印刷装置の一例を示す概略的側面図である。
【図2】図1の装置で製版された孔版原紙を示す平面図である。
【図3】図1の装置の一連の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の実施に供される孔版印刷装置の他の例を示す概略的側面図である。
【図5】図4の装置で製版された孔版原紙を示す平面図である。
【図6】図4の装置の一連の動作を示す説明図である。
【図7】本発明に従い孔版原紙の端部に形成した開口の一態様を示す概略的平面図である。
【図8】本発明に従い孔版原紙の端部に形成した開口の一態様を示す概略的平面図である。
【図9】本発明に従い孔版原紙の端部に形成した開口の一態様を示す概略的平面図である。
【図10】本発明に従い孔版原紙の端部に形成した開口の一態様を示す概略的平面図である。
【図11】本発明に従い孔版原紙の端部に形成した開口の一態様を示す概略的平面図である。
【図12】本発明に従い孔版原紙の端部に形成した開口の一態様を示す概略的平面図である。
【図13】本発明に従い開口を形成した孔版原紙の端部の概略的断面図である。
【図14】開口を形成しない孔版原紙の端部の概略的断面図である。
【符号の説明】
1 固定筐体
10a、10b 案内ローラ
11 孔版原紙
111 支持体
112、112a、112b、112c フィルム
12 軸
13 プラテンローラ
14a、14b 搬送ローラ
15 カッタ手段
16 第1原紙ガイドの下部半体
17a、17b、18 第2原紙ガイド
18a、18b 第3原紙ガイド
19 マスタ待機センサ
2 軸
3 可動筐体
31 原稿載置台
32 原稿捌きローラ
33 読み取りセンサ
34、34a、34b 原稿送りローラ
35 サーマルヘッド
36 第1原紙ガイドの上部半体
4 版胴
41 クランプ手段
5 開口
5a、5b 開口領域
6 製版領域
61 終端
Claims (3)
- インキ通過性の多孔質支持体と熱溶融性フィルムからなる孔版原紙を、その端部を版胴に着座させて版胴に巻装する孔版原紙の着版方法において、版胴に着座される前記端部のフィルムには、孔版印刷装置に設けられた発熱体により溶融して得られる開口を形成しておくことを特徴とする孔版原紙の着版方法。
- インキ通過性の多孔質支持体と熱溶融性フィルムからなる孔版原紙を、その端部を版胴に着座させて版胴に巻装する孔版原紙の着版方法において、版胴に着座される前記端部のフィルムには、孔版印刷装置に設けられた製版手段により溶融して得られる開口を形成しておくことを特徴とする孔版原紙の着版方法。
- インキ通過性の多孔質支持体と熱溶融性フィルムからなる孔版原紙をロール状の孔版原紙として収容した状態で、その自由端部から孔版原紙を引き出して製版し、該自由端部を版胴に着座させるとともに孔版原紙の製版領域を孔版原紙ロールから切り離して版胴に巻装させる孔版印刷装置において、前記自由端部に後続する孔版原紙に穿孔画像を形成し、該自由端部を版胴に着座させて版胴に巻装する前に、該自由端部のフィルムに開口を形成しておくことを特徴とする孔版原紙の着版方法。
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JP25202595A JP3595610B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 孔版原紙の着版方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP25202595A JP3595610B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 孔版原紙の着版方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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