JP2761345B2 - 感熱孔版製版装置および感熱孔版印刷装置 - Google Patents

感熱孔版製版装置および感熱孔版印刷装置

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JP2761345B2
JP2761345B2 JP12151793A JP12151793A JP2761345B2 JP 2761345 B2 JP2761345 B2 JP 2761345B2 JP 12151793 A JP12151793 A JP 12151793A JP 12151793 A JP12151793 A JP 12151793A JP 2761345 B2 JP2761345 B2 JP 2761345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、感熱孔版製版装置お
よび感熱孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドにより画像信号に応じた
穿孔パターンを感熱孔版マスタに形成し、この感熱孔版
マスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラム内周
側からインキを供給し、印刷用紙上に画像信号に応じた
印刷画像を形成する感熱孔版印刷装置は従来から良く知
られている。
【0003】このような感熱孔版印刷装置に使用される
「感熱孔版マスタ」としては、従来から、インキ透過性
の多孔性支持体に熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせた
ラミネート構造のものが一般に用いられている。画像信
号に応じた穿孔パターンを形成する製版工程では、サー
マルヘッドが上記熱可塑性樹脂フィルムの表面側(サー
マルヘッドへのフィルムの溶着とフィルムの帯電とを防
止するためにオーバーコート層が設けられている)に接
触し、微小な発熱部による感熱孔版マスタの位置選択的
な加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔する。
【0004】印刷状態においては、感熱孔版マスタは印
刷ドラムの外周面に巻装され、印刷ドラム内周側からイ
ンキが供給される。印刷ドラムは多孔性であり、インキ
は印刷ドラムを通過し、感熱孔版マスタの穿孔パターン
から滲みだして印刷用紙に付着し、印刷用紙上に印刷画
像を形成する。
【0005】このとき、感熱孔版マスタは多孔性支持体
の側が印刷ドラム外周面に接するように巻装され、印刷
用紙には熱可塑性樹脂フィルムが接する。多孔性支持体
としては、和紙や、合成繊維と和紙を混抄したもの等が
用いられるが、その繊維が太く、しかも繊維の密度に
「むら」があるため、繊維がかたまっている部分や、太
い繊維が穿孔パターンの「孔」を横切っているような部
分では、インキの透過が阻害され、印刷用紙へのインキ
の付着量が不十分となって印刷画像の「切れ」や「かす
れ」が発生し、また所謂「ベタ部」では「繊維目」と呼
ばれる模様が現れたりする。
【0006】このような問題を解消する方法として「実
質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マス
タ」を使用することが意図されている。しかし、実質的
に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マスタを
用いる場合には、その製版工程において以下の如き問題
がある。即ち、熱可塑性樹脂フィルムは、溶融穿孔の際
に加熱された部分(溶融穿孔により形成された「孔」の
周囲)が、冷却途上において収縮する傾向がある。従来
のラミネート構造の感熱孔版マスタでは、熱可塑性樹脂
フィルムを貼付られた多孔性支持体の腰の強さが上記
「収縮傾向」を抑えるので何ら問題はなかったが、「実
質的に熱可塑性樹脂フィルムのみ」で形成された感熱孔
版マスタでは、上記収縮傾向により感熱孔版マスタに
「しわ」が発生し、適正な印刷を妨げる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑みてなされたものであって、実質的に熱可塑性樹
脂フィルムのみで形成された感熱孔版マスタにも、上記
しわの発生無しに適正な穿孔パターンを形成できる新規
な感熱孔版製版装置および、この感熱孔版製版装置を用
いる感熱孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の感熱孔版製版
装置は、「微小な発熱部を主走査方向へ配列して成るサ
ーマルヘッドとプラテンローラーとで感熱孔版マスタを
挾圧し、プラテンローラーの回転により、主走査方向に
直交する副走査方向へ搬送しつつ、画像信号に応じて上
記サーマルヘッドの各発熱部を発熱駆動して感熱孔版マ
スタの熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔
し、画像信号に応じた穿孔パターンを形成する装置」
で、「実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱
孔版マスタにも穿孔パターンを形成できる」装置であ
り、以下の点を特徴とする。
【0009】即ち、サーマルヘッドとプラテンローラー
とにより感熱孔版マスタが挾圧される領域におけるサー
マルヘッドの発熱部列以後の部分の副走査方向の長さで
ある「穿孔後挾圧長さ」を、実質的に熱可塑性樹脂フィ
ルムのみからなる感熱孔版マスタの「冷却長さ」以上
で、且つ、該感熱孔版マスタの搬送が正常に行われる限
界長さ以下に設定した点である。サーマルヘッドの「発
熱部列以後の部分」とは、サーマルヘッドにおいて、発
熱部列により溶融穿孔された感熱孔版マスタが搬送され
る側の部分である。
【0010】「実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから
なる感熱孔版マスタ」は、熱可塑性樹脂フィルムのみか
らなる感熱孔版マスタ、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防
止剤等の微量成分を含有させて成る感熱孔版マスタ、お
よび熱可塑性樹脂フィルムの表面および/または裏面
に、オーバーコート層等の薄膜層を1層以上被着してな
る感熱孔版マスタを総称する。
【0011】上記「冷却長さ」は、サーマルヘッドの発
熱部列において溶融穿孔された「実質的に熱可塑性樹脂
フィルムのみからなる感熱孔版マスタ」が、サーマルヘ
ッドとプラテンローラーに挾圧されつつ副走査方向へ搬
送される状態において冷却状態(収縮傾向が実質的にな
くなった状態)になるのに要する「搬送長さ」をいい、
サーマルヘッドにおける溶融穿孔のための加熱温度とプ
ラテンローラーによる搬送速度に応じて定まる。
【0012】「穿孔後挾圧長さ」を冷却長さ以上に設定
する方法は種々あるが、サーマルヘッドのプラテンロー
ラーとの接触部分が実質的な平面である場合には、「プ
ラテンローラーとサーマルヘッドとの接触部に形成され
るニップ部の感熱孔版マスタ搬送方向中央部を、サーマ
ルヘッドの発熱部列よりも感熱孔版マスタ進行方向進み
側へずらす」ことにより必要な穿孔後挾圧長さを設定し
ても良いし(請求項2)、「プラテンローラーとして、
表面弾性層の厚さが5〜18mm、直径が30〜50m
m、表面弾性層のゴム硬度が15〜25度のもの」を用
いることにより十分なニップ幅を形成することによって
もよい(請求項3)。
【0013】あるいは、「サーマルヘッドの、少なくと
も発熱部列以後の部分を、プラテンローラー周面と実質
的に同一の曲率で形成」してもよい(請求項4)。
【0014】上記請求項1または2または3または4記
載の感熱孔版製版装置においては、「サーマルヘッドの
発熱部列以後の部分に、発熱部列に対し断熱領域を介し
て冷却手段を埋設」することができる。
【0015】請求項6記載の感熱孔版印刷装置は、「サ
ーマルヘッドにより画像信号に応じた穿孔パターンを感
熱孔版マスタに形成し、この感熱孔版マスタを印刷ドラ
ムの外周面に巻装し、印刷ドラム内周側からインキを供
給し、印刷用紙上に画像信号に応じた印刷画像を形成す
る孔版印刷装置」であって、感熱孔版マスタに穿孔パタ
ーンを形成するための感熱孔版製版手段として、上記請
求項1または2または3または4または5記載の感熱孔
版製版装置を用いることを特徴とする。
【0016】勿論、請求項1〜5に記載された各感熱孔
版製版装置は、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから
成る感熱孔版マスタのみならず、多孔性支持体上に熱可
塑性樹脂フィルムを貼付して成る従来から知られた感熱
孔版マスタにも製版を行うことができ、従って請求項6
記載の感熱孔版印刷装置は、従来のラミネート構造の感
熱孔版マスタを用いることもできる。
【0017】
【作用】熱可塑性樹脂フィルムは、加熱された部分が冷
却の途上で収縮する傾向を有するが、このとき適当な手
段でフィルムの状態を加熱時と同じ状態に保ちつつ冷却
させると収縮による変形の発生を防止することができ
る。
【0018】感熱孔版製版装置では、サーマルヘッドの
発熱部列で溶融穿孔された感熱孔版マスタは、副走査方
向へ「穿孔後挾圧長さ(サーマルヘッドとプラテンロー
ラーとにより感熱孔版マスタが挾圧される領域における
サーマルヘッドの発熱部列以後の部分の副走査方向の長
さ)」を搬送される間は、サーマルヘッドとプラテンロ
ーラーとにより、溶融穿孔の行われるときと同じ機械的
状態に保たれる。
【0019】この発明では、上記穿孔後挾圧長さを「実
質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マス
タの冷却長さ以上」に設定したので、上記穿孔後挾圧長
さを搬送されたのち、サーマルヘッドとプラテンローラ
ーとによる挾圧状態から開放された熱可塑性樹脂フィル
ムは冷却しており、その後には収縮傾向による変形は生
じない。穿孔後挾圧長さを搬送される間は、サーマルヘ
ッドとプラテンローラーによる挾圧状態が熱可塑性樹脂
フィルムの収縮を防止する。
【0020】しかし上記穿孔後挾圧長さが長過ぎると、
実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみによる感熱孔版マス
タに搬送精度低下が生じ、穿孔パターンの形成精度が悪
くなるので、上記穿孔後挾圧長さは、「実質的に熱可塑
性樹脂フィルムのみによる感熱孔版マスタの搬送が正常
に行われる限界長さ以下」に設定されるのである。
【0021】
【実施例】以下、具体的な実施例を説明する。図1は、
請求項2記載の感熱孔版製版装置の主要部を説明図とし
て略示している。符号61で示す感熱孔版マスタは「実
質的に熱可塑性樹脂フィルムのみ」により成り、ロール
状に巻かれた状態から引き出され、サーマルヘッド91
とプラテンローラー92との圧接部を、プラテンローラ
ー92の時計回りの回転により間欠的に送られつつ、発
熱体98の図面直交方向への配列による発熱部列で溶融
穿孔され、穿孔パターンを形成される。穿孔パターンを
形成された感熱孔版マスタ62は、給版ローラー対93
a,93b,94a,94bにより印刷ドラムへのクラ
ンプ位置へ向けて搬送される。なお、感熱孔版マスタ6
1の厚さは、一般に2〜8μm程度であり、この実施例
では厚さ5μmのものが用いられている。
【0022】プラテンローラー92は、金属芯金ローラ
ーの周面をゴム層で被覆したものである。サーマルヘッ
ド91は、揺動可能な支持体96aにより揺動軸96c
の回りに揺動自在に支持されている。支持体96aと図
示されない不動部材との間には収縮性のバネ96bが掛
け渡されており、その収縮力が支持体96aに反時計回
りのモーメントを作用させ、サーマルヘッド91をプラ
テンローラー92の周面に圧接させる。
【0023】サーマルヘッド91と圧接するプラテンロ
ーラー92の周面部はゴム層の弾性により変形してニッ
プ部97が形成される。感熱孔版マスタ61の搬送方向
におけるニップ部97の中央部Aは、上記搬送方向にお
けるプラテンローラー92の回転中心軸と合致する。発
熱体98の中央部Bは、上記ニップ部97の中央部Aよ
りも、感熱孔版マスタ61の進入側へオフセット量:D
だけずれている。
【0024】従って、ニップ部97のマスタ搬送方向に
おける幅をLとすると、穿孔後挾圧長さは、(L/2)
+Dとなる。この実施例の場合、ニップ部の幅の半分:
L/2は、感熱孔版マスタ61の「冷却長さ」に足りな
いので、上記オフセット量:Dを加えることにより必要
な冷却長さを実現するのである。
【0025】プラテンローラー92は具体的には、外
径:24mm、ゴムによる表面層の厚さ:5mm、表面
層のゴム硬度:30度のものであり、ニップ部97はニ
ップ幅:Lが14mmになるように形成された。このと
き上記オフセット量:Dを0とした場合(穿孔後挾圧長
さ:7mm)には、溶融穿孔された感熱孔版マスタ62
に「しわ」の発生があったが、上記オフセット量:Dを
2mmとして、「穿孔後挾圧長さ」を9mmにしたとこ
ろ、感熱孔版マスタ62の収縮傾向による「しわ」の発
生を完全に防止でき、しかも搬送不全のない良好な搬送
を実現できた。
【0026】図2に示すように、サーマルヘッド91と
接触するプラテンローラー92Aに形成されるニップ部
の幅:Lが、十分に大きければ、ニップ部の中央部と発
熱部列とのオフセット量は0であっても、穿孔後挾圧長
さ:L/2を冷却長さ以上にすることができる。
【0027】プラテンローラー92Aのニップ部の幅
は、プラテンローラー92Aの径、表面弾性層の厚さ、
表面弾性層のゴム硬度およびサーマルヘッド91との圧
接力により定まる。ニップ幅は、ローラー径・表面弾性
層の厚さ・圧接力が小さく、ゴム硬度が大きいほど小さ
くなる。逆に、ローラー径・表面弾性層の厚さ・圧接力
が大きく、ゴム硬度が小さいほど、ニップ幅は大きくな
る。
【0028】ニップ幅が小さすぎると、ニップ部の中央
部と発熱部列とのオフセット量を大きくしても、穿孔後
挾圧長さを冷却長さ以上とすることはできない。また、
ニップ幅が大きくなりすぎると搬送精度が低下して穿孔
パターン形成の精度が劣化する。従って、適正な長さの
ニップ幅を実現するには、上記ローラー径・表面弾性層
の厚さ・圧接力・ゴム硬度を適正に設定する必要があ
る。
【0029】感熱孔版製版装置において、プラテンロー
ラーとサーマルヘッドとの圧接力は一般に数Kg程度で
ある。またプラテンローラーの表面弾性層の厚さは5〜
15mmの範囲が一般的である。そこで、表面弾性層の
厚さが2〜23mmのプラテンローラーに上記数Kgの
圧接力を作用させた状態で、直径が24〜60mm、表
面弾性層のゴム硬度が15〜30度の範囲にある種々の
プラテンローラーを用い、溶融穿孔後の冷却の際の「し
わ」の発生の有無と、搬送精度劣化の面から実験を繰り
返したところ、図3の図表の如き結果を得た。なお、図
2に示すように、ニップ部の中央と発熱部列との間のオ
フセット量は0である。
【0030】図3において、2重丸印は「しわ」の発生
が無く、搬送精度の劣化も無い場合、丸印は、副走査方
向に若干の「しわ」が発生するが印刷画像への影響はな
く、搬送精度の劣化もない場合、三角印は「しわ」の発
生はないが搬送精度が劣化し、画像の伸びが発生する場
合、×印は「しわ」の発生が顕著である場合である。
【0031】この図表から明らかなように、サーマルヘ
ッドのプラテンローラーとの接触部分が実質的な平面で
ある場合は、プラテンローラーとして、表面弾性層の厚
さが5〜18mm、直径が30〜50mm、上記表面弾
性層のゴム硬度が15〜25度のものを用いることによ
り、収縮傾向による「しわ」の発生無しに、適正に感熱
孔版マスタを搬送しつつ穿孔パターンを形成できる。
【0032】図1〜3に即して説明した例では、サーマ
ルヘッドのプラテンローラーとの接触部は実質的な平面
であり、従って、穿孔後挾圧長さを必要な冷却長さ以上
に形成することは、専らプラテンローラーに形成される
ニップ部によっており、このため上記のようにプラテン
ローラーに対するローラー径等の条件が必要になる。
【0033】請求項4記載の発明は、必要な穿孔後挾圧
長さを、プラテンローラーのニップによらず、サーマル
ヘッドのプラテンローラーとの接触面の形状により形成
するようにした点を特徴とする。図4に、請求項4記載
の発明の実施例を2例、特徴部のみ略示している。
【0034】図4(a)において、サーマルヘッド91
Aの発熱体98Aの配列による発熱部列の形成された面
は、プラテンローラー92の周面と実質的に同一の曲率
を有するように形成されている。従って、感熱孔版マス
タ61の進入する側のサーマルヘッド端部のE点から、
穿孔パターンを形成された感熱孔版マスタ62が送り出
されるC点まで、感熱孔版マスタ61,62は常にサー
マルヘッド91Aとプラテンローラー92とに挾圧され
て搬送され、発熱部列から上記C点に到る「穿孔後挾圧
長さ」を冷却長さ以上に設定することにより、「しわ」
の発生なしに製版を行うことができる。
【0035】図4(b)に於いては、サーマルヘッド9
1Bの発熱体98Bの配列による発熱部列の形成された
面は、発熱部列以後の部分がプラテンローラー92の周
面と実質的に同一の曲率を有するように形成されてい
る。従って、発熱体98Bの配列による発熱部列から、
穿孔された感熱孔版マスタ62が送り出されるC点ま
で、感熱孔版マスタ62は常にサーマルヘッド91Bと
プラテンローラー92とに挾圧されて搬送され、発熱部
列から上記C点に到る「穿孔後挾圧長さ」を冷却長さ以
上に設定することにより「しわ」の発生なしに製版を行
うことができる。
【0036】なお、図4(b)の実施例は、同図(a)
の実施例に比べ、感熱孔版マスタの進入側が開いている
ため、感熱孔版マスタのロールを交換する際にマスタを
製版部にセットするのが容易である。
【0037】上に説明したように、「穿孔後挾圧長さ」
は冷却長さ以上の長さが必要であるが、この長さが大き
くなると、搬送精度の劣化の可能性が高くなる。搬送精
度の劣化を回避しつつ、穿孔後挾圧長さを短くするには
「冷却長さ」を短くすればよい。請求項5記載の発明
は、「冷却長さ」の短縮化を可能成らしめる発明であっ
て、「サーマルヘッドの発熱部列以後の部分に、発熱部
列に対し断熱領域を介して冷却手段が埋設されている」
点を特徴とする。この発明は、図1,2に示した型のサ
ーマルヘッド91に対しても適用できるが、図4(a)
に示した型のサーマルヘッドに適用した例を図5に示
す。
【0038】この実施例ではサーマルヘッド91Dは、
2部分132a,132bにより構成されている。発熱
体98Cの配列による発熱部列は、部分132aの左側
エッジ部に形成されている。一方部分132bの右側面
部には断熱材による層状の断熱領域99が設けられ、断
熱領域99を介して発熱部列と逆の側には冷却手段13
1が埋設されている。
【0039】冷却手段131は、図面に直交する方向へ
貫設されたパイプ中に冷媒ガスを通じて冷却を行うよう
にしたものであるが、冷媒ガスの代わりに冷却風を通じ
てもよい。感熱孔版マスタ61は発熱体98Cによる発
熱部列で溶融穿孔される。このとき発熱体98Cに発生
する熱は部分132aを介して放熱されるが、断熱領域
99の存在により、部分132bの側へ熱伝導して穿孔
後の感熱孔版マスタ62の冷却を妨げることがない。
【0040】また、部分132bは冷却手段131によ
り冷却されるので、穿孔後の感熱孔版マスタ62を有効
に冷却する。このように穿孔後の感熱孔版マスタの冷却
速度が大きくなるので、穿孔後挾圧長さを短くでき、あ
るいは感熱孔版マスタの搬送速度を大きくして製版速度
を高速化することもできる。
【0041】図6は請求項6記載の感熱孔版印刷装置の
1実施例を示している。装置本体50の上部にある符号
80で示す部分は「原稿読取部」を構成し、その下方の
符号90で示す部分は「製版・給版部」、その左側に符
号100で示すのは「印刷ドラム部」、その左の符号7
0で示す部分は「排版部」、製版・給版部90の下方の
符号500で示す部分は「給紙部」、装置本体50の左
下方の符号600で示す部分は「排紙部」をそれぞれ示
している。
【0042】印刷工程は以下のように行われる。先ず、
原稿読取部80の原稿載置台(図示されず)に、印刷す
べき画像を持った原稿を載置し、図示しないスタートボ
タンを押す。スタートボタンの押圧に伴い、先ず「排版
工程」が実行される。
【0043】即ち、この状態においては、印刷ドラム部
100の印刷ドラム101の外周面に「前回の印刷で使
用された感熱孔版マスタ63」が残っている。「排版工
程」では先ず、印刷ドラム101が反時計回り(矢印と
逆向き)に回転し、ドラム外周面に保持されている使用
済み感熱孔版マスタ63も回転する。この使用済み感熱
孔版マスタ63は、剥離ローラー71a,71b,ロー
ラー73a,73b、搬送ベルト72a,72bにより
構成された排版剥離搬送手段により、後端部側から印刷
ドラム101より引き剥がされ、矢印方向へ搬送されて
排版ボックス74内へ排出され、圧縮手段75により排
版ボックス120内で圧縮される。
【0044】「排版工程」が実行されている間、原稿読
取部80では「原稿読取」が行われる。即ち、図示され
ない原稿載置台に載置された原稿(図示されず)は、矢
印方向へ搬送され、重ねられた原稿の最下部の1枚が、
分離ローラー81と分離ブレード84により読取位置へ
送られ、搬送ローラー82a,82b,83a,83b
によりコンタクトガラス85上を移動し、ランプ86に
より照明される。原稿照明部からの光はミラー87によ
り反射され、レンズ88によりCCD等の画像センサー
89の上に原稿の縮小像を結像する。コンタクトガラス
85上を通過した原稿は原稿トレイ800上に排出さ
れ、画像センサー89から出力される画像情報は図示さ
れない画像処理部でデジタル信号に変換される。
【0045】デジタル信号化された画像情報に基づき
「製版工程」が行われる。製版・給版部90にセットさ
れた感熱孔版マスタ61は、前述した、実質的に熱可塑
性樹脂フィルムのみにより構成された厚さ:5μmのも
のであり、ロール状態から引き出され、プラテンローラ
ー92の位置で、プラテンローラー92とともに感熱孔
版マスタ61を挾むように設けられたサーマルヘッド9
1により画像書込みされる。
【0046】即ち、サーマルヘッド91は画像処理部か
ら送られてくる画像情報に従い、個々の微小な発熱部を
選択的に発熱駆動される。この間、感熱孔版マスタ61
はプラテンローラー92の時計回りの間欠回転により間
欠的に搬送され続ける。発熱した発熱部に接触している
マスタ部分は溶融穿孔される。このように、画像情報に
応じた感熱孔版マスタの位置選択的な溶融穿孔により、
画像情報が穿孔パターンとして書き込まれ「製版工程」
が実施される。
【0047】なお、製版部を構成するサーマルヘッド9
1とプラテンローラー92とは図1に即して説明したよ
うに、ニップ部の中央部と発熱部列との間に所定のオフ
セット量が設定されて、冷却長さ以上の「穿孔後挾圧長
さ」を実現している。
【0048】穿孔パターンを形成された感熱孔版マスタ
62は一連のマスタ搬送ローラ対93a,93b,94
a,94bにより印刷ドラム101の外周部へ向かって
送り出され、図示されないガイドにより進行方向を下方
へ変えられ、クランプ部へ向かって垂れ下がる。このと
き印刷ドラム101は既に排版工程により使用済み感熱
孔版マスタを除去されており、クランパー102が所定
のクランプ位置において上方へ向かって開いている。
【0049】感熱孔版マスタ62の先端部をクランパー
102が所定のタイミングでクランプすると、印刷ドラ
ム101は時計回りに回転しつつ外周面に感熱孔版マス
タ62を巻きつけていく。感熱孔版マスタ62の後端部
はカッター95によりカットされる。
【0050】新たな感熱孔版マスタ62が印刷ドラム1
01の外周面に巻装されると「製版・給版工程」が終了
し、「印刷工程」が開始される。即ち、給紙部500に
おける給紙コロ110および分離コロ111a,111
bが回転して、給紙台51上に積載された印刷用紙64
の最上部の1枚を分離してフィードローラ対112a,
112bに向けて送り出される。
【0051】フィードローラ対112a,112bは印
刷用紙64の先端部を挾持して待機し、印刷ドラム10
1の回転による感熱孔版マスタ62の移動に同期を取っ
て印刷用紙64を印圧部即ち印刷ドラム101の下部へ
向けて送り出す。送り出された印刷用紙64はプレスロ
ーラー103により裏面側を押し上げられ、表面側が印
刷ドラム101の外周面に保持された感熱孔版マスタ6
2に押圧される。
【0052】印刷ドラム101の内周側ではインキロー
ラー105が上記内周面に転接しつつ、ドクターローラ
ー106とインキローラー105との接触部のインキ溜
り107からインキを供給する。印刷ドラム101は多
孔性であるから供給されたインキは印刷ドラム101の
外周面に滲み出し、さらに感熱孔版マスタ62の溶融穿
孔された部分を通って印刷用紙64の表面に供給され、
印刷画像を形成する。なおインキはW/O型のエマルジ
ョンインキであり、供給管104から供給される。
【0053】印圧部において印刷画像を形成された印刷
用紙64は剥離爪113により印刷ドラム101から分
離されると、ローラー114,115に掛け回された搬
送ベルト116上に乗り上げ、搬送ベルト116の反時
計回りの回転により排紙部600へ向かって搬送され
る。このとき吸引ファン117が動作して印刷用紙64
を搬送ベルト116に吸着し、搬送を確実ならしめる。
【0054】かくして印刷用紙64が排紙台52上に排
出されると、所謂「試し刷り工程」が終了する。この試
し刷りの結果に基づき、インキの供給や、プレスローラ
ー103の押圧力等が調整される。
【0055】以下、上記の印刷工程が繰り返され、印刷
用紙が順次、排紙台52上に排出積載される。このよう
にして所望の枚数の印刷が得られると印刷の全工程が終
了する。
【0056】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な感熱孔版製版装置および感熱孔版印刷装置を提
供できる。この発明の感熱孔版製版装置は上記の如く構
成されているから、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみ
からなる感熱孔版マスタにも、「しわ」の発生無しに製
版を行うことができる。
【0057】この発明の感熱孔版印刷装置は、上記実質
的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マスタ
に製版して印刷を行うことができるので、従来のラミネ
ート型感熱孔版マスタにおいて問題となっていた、印刷
画像の「切れ」や「かすれ」、「せんい目」の発生を有
効に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2記載の発明の1実施例を説明するため
の図である。
【図2】請求項3記載の発明を説明するための図であ
る。
【図3】請求項3記載の発明を説明するための図表であ
る。
【図4】請求項4記載の発明の実施例を2例、特徴部分
のみ示す図である。
【図5】請求項5記載の発明の1実施例を説明するため
の図である。
【図6】請求項6記載の発明の1実施例を示す図であ
る。
【符号の説明】
61 感熱孔版マスタ 62 穿孔パターンを形成された感熱孔版マスタ 91 サーマルヘッド 92 プラテンローラー 97 ニップ部 98 発熱部列を構成する発熱体

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微小な発熱部を主走査方向へ配列して成る
    サーマルヘッドとプラテンローラーとで感熱孔版マスタ
    を挾圧し、上記プラテンローラーの回転により上記主走
    査方向に直交する副走査方向へ搬送しつつ、画像信号に
    応じて上記サーマルヘッドの各発熱部を発熱駆動して感
    熱孔版マスタの熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶
    融穿孔し、画像信号に応じた穿孔パターンを形成する装
    置であって、 実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マ
    スタにも穿孔パターンを形成でき、 上記サーマルヘッドとプラテンローラーとにより感熱孔
    版マスタが挾圧される領域におけるサーマルヘッドの発
    熱部列以後の部分の副走査方向の長さである穿孔後挾圧
    長さを、上記実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからな
    る感熱孔版マスタの冷却長さ以上で、且つ、該感熱孔版
    マスタの搬送が正常に行われる限界長さ以下に設定した
    ことを特徴とする感熱孔版製版装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の感熱孔版製版装置におい
    て、 サーマルヘッドのプラテンローラーとの接触部分は実質
    的な平面であり、プラテンローラーとサーマルヘッドと
    の接触部に形成されるニップ部の、感熱孔版マスタ搬送
    方向中央部を、サーマルヘッドの発熱部列よりも感熱孔
    版マスタ進行方向進み側へずらすことにより、必要な穿
    孔後挾圧長さを設定したことを特徴とする感熱孔版製版
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の感熱孔版製版装置
    において、 サーマルヘッドのプラテンローラーとの接触部分は実質
    的な平面であり、プラテンローラーは、表面弾性層の厚
    さが5〜18mm、直径が30〜50mm、上記表面弾
    性層のゴム硬度が15〜25度のものであることを特徴
    とする感熱孔版製版装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の感熱孔版製版装置におい
    て、 サーマルヘッドの、少なくとも発熱部列以後の部分が、
    プラテンローラー周面と実質的に同一の曲率を有するこ
    とを特徴とする感熱孔版製版装置。
  5. 【請求項5】請求項1または2または3または4記載の
    感熱孔版製版装置において、 サーマルヘッドの発熱部列以後の部分に、上記発熱部列
    に対し断熱領域を介して冷却手段が埋設されていること
    を特徴とする感熱孔版製版装置。
  6. 【請求項6】サーマルヘッドにより画像信号に応じた穿
    孔パターンを感熱孔版マスタに形成し、この感熱孔版マ
    スタを印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラム内周側
    からインキを供給し、印刷用紙上に画像信号に応じた印
    刷画像を形成する孔版印刷装置であって、 感熱孔版マスタに穿孔パターンを形成するための感熱孔
    版製版手段として、請求項1または2または3または4
    または5記載の感熱孔版製版装置を用いることを特徴と
    する感熱孔版印刷装置。
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