JP3785281B2 - 循環式硬貨入出金機 - Google Patents

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JP3785281B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨の入金処理および出金処理を行なう循環式硬貨入出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、銀行などの金融機関においては、硬貨の入金処理および出金処理を行なう循環式硬貨入出金機が用いられている。
【0003】
この循環式硬貨入出金機は、機体内の金種別収納部から投出される出金硬貨を出金搬送系を通じて操作面側の硬貨受部へ搬送し、かつ、操作面側の硬貨受部に投入される入金硬貨を入金搬送系の貯留繰出部および硬貨識別分岐通路を通じて搬送するとともに硬貨識別分岐通路の識別部で金種識別して一時保留し、入金承認時は出金に使用する入金硬貨を対応する金種別収納部へ収納するとともに、入金不承認時は入金硬貨を出金搬送系を通じて硬貨受部へ返却するようにしている。
【0004】
この循環式硬貨入出金機を使用する金融機関では、例えば、1週間(例えば週末)に1回または1日に1回の割合で、機体内にある硬貨を、その金種別の量(枚数または金額)と総額を確認して、中央精算室へ収納するようにしている。また、次の1週間の始業時または翌日の始業時に中央精算室から金種毎に所定量ずつの硬貨(金種別収納部に収納する硬貨)を機械のところまで持ち運び、機械に装填するようにしている。しかし、このような作業は、硬貨量も大量となるので、時間や手間を要している。
【0005】
また、金種別収納部のうち1つの金種の金種別収納部から硬貨を全て投出して空にし、投出した硬貨を貯留繰出部に全量貯留した後、硬貨識別分岐通路を通じて識別してから元の金種別収納部へ全量を回収することにより、その金種別収納部へ回収される硬貨量を確認(これを精査と呼び、このときの硬貨の回収動作を精査回収動作という)し、1つの精査回収動作が済む毎に、次の金種の精査を行ない、全ての金種別収納部について精査を行なうようにしている。
【0006】
なお、精査中において、ある金種別収納部の精査の際、その金種硬貨に混じって他の金種硬貨が投出された場合、その硬貨は正常回収硬貨回収部または対応する金種別収納部へ収納されることになる。これは、例えば入金硬貨の金種分岐時に他の金種硬貨がその金種分岐部で分岐されたり、また、入金時または出金時などにおいて硬貨詰まりなどが生じ、詰まり硬貨が誤って他の金種別収納部へ収納される場合があるからである。このような場合は、定期精査(1週間精査または終日精査)と別に、臨時精査(この場合、全金種について行なう場合と特定金種だけ行なう場合がある)を行なうようにしている。
【0007】
このように、定期または臨時の精査が行なわれ、この精査方法によって、従来の作業は軽減され、また、金種硬貨が所定量ずつ金種別収納部へ再収納されるので、硬貨の誤装填(枚数および金種とも)についても改善される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した精査機能を有する循環式硬貨入出金機では、入金承認時に、入金硬貨を収納する金種別収納部のいずれかが入金硬貨で一杯になった場合、それ以降のその金種の硬貨を入金オーバーフロー硬貨として回収金庫へ回収するようにしている。
【0009】
この回収金庫は、収納専用に形成し、金種別収納部内の硬貨が不足しても補給をしないようにしている。この理由は、回収金庫内の硬貨量(金種毎の枚数、金種)が確定しているのに、この回収金庫から硬貨補給の際に硬貨を繰り出すと、硬貨詰まりの発生などによって、回収金庫内の硬貨量(金種毎の枚数、金種)のデータと現実の値とに誤差を生じることがあるからである。
【0010】
そのため、金種別収納部が硬貨不足となった場合、回収金庫に収納している硬貨が多量にある場合でも、この硬貨を金種別収納部への補給には使えず、例えば硬貨受部への補充硬貨の投入または機械に装填される硬貨補充カセットから補充硬貨を供給して金種別収納部へ収納しなければならないという問題点がある。
【0011】
そこで、入金オーバーフロー硬貨を一時収納するための補給用硬貨一時収納部を設けておき、入金承認時の入金オーバーフロー硬貨を硬貨識別分岐通路から分岐して補給用硬貨一時収納部に一時収納し、補給時には補給用一時収納部から一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出し、金種別収納部へ補給することを考えたところ、この補給用硬貨一時収納部についても精査を可能にしてほしいとの要望が生じてきた。
【0012】
ところが、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が貯留繰出部の許容収納量より多いと、上述した各金種別収納部の精査回収動作のように、補給用硬貨一時収納部から送り出した全ての硬貨を貯留繰出部に貯留させることはできず、精査を行なうことができない。
【0013】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を一時収納して出金に使用でき、かつ、一時収納硬貨の精査機能も確保できる循環式硬貨入出金機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の循環式硬貨入出金機は、機体内の金種別収納部から投出される出金硬貨を出金搬送系を通じて操作面側の硬貨受部へ搬送し、かつ、操作面側の硬貨受部に投入される入金硬貨を入金搬送系の貯留繰出部および硬貨識別分岐通路を通じて搬送するとともに硬貨識別分岐通路の識別部で金種識別して一時保留し、入金承認時は出金に使用する入金硬貨を対応する金種別収納部へ収納するとともに、入金不承認時は入金硬貨を出金搬送系を通じて硬貨受部へ返却する循環式硬貨入出金機において、前記入金搬送時に入金硬貨のうち金種別収納部へ収納させる硬貨以外の入金オーバーフロー硬貨を一時保留するとともに、入金承認時は一時保留した入金オーバーフロー硬貨を前記入金搬送系へ送り出す入金オーバーフロー硬貨一時保留部と、前記硬貨識別分岐通路に設けられ、入金承認時に前記入金搬送系を搬送される入金オーバーフロー硬貨を分岐する補給用硬貨分岐部と、この補給用硬貨分岐部で分岐される入金オーバーフロー硬貨を一時収納し、補給時は一時収納硬貨を前記入金搬送系へ送り出し、精査時は全ての一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すとともに精査回収する硬貨を前記補給用硬貨分岐部を通じて回収する補給用硬貨一時収納部と、この補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量と前記硬貨受部の許容収納量と前記貯留繰出部の許容収納量とを比較する比較手段を有し、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記硬貨受部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部に収納させ、硬貨受部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させ、かつ、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記硬貨受部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させる制御部とを具備しているものである。
【0015】
そして、入金承認時に入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を補給用硬貨一時収納部に一時収納し、補給時に補給用硬貨一時収納部の一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すことにより、入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を金種別収納部への補給に使用可能とする。しかも、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部に収納し、硬貨受部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収し、かつ、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保可能とする。
【0016】
請求項2記載の循環式硬貨入出金機は、請求項1記載の循環式硬貨入出金機において、硬貨識別分岐通路に設けられ、精査時に余剰回収硬貨を分岐する回収分岐部と、前記機体に着脱可能とし、前記回収分岐部で分岐される余剰回収硬貨を収納する回収金庫とを備え、制御部は、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて回収金庫へ収納させるとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させるものである。
【0017】
そして、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系を通じて回収金庫へ収納するとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保可能とするとともに、必要量の硬貨を機体内に残してそれ以上の硬貨を回収金庫にて機体外に回収可能とする。
【0018】
請求項3記載の循環式硬貨入出金機は、機体内の金種別収納部から投出される出金硬貨を出金搬送系を通じて操作面側の硬貨受部へ搬送し、かつ、操作面側の硬貨受部に投入される入金硬貨を入金搬送系の貯留繰出部および硬貨識別分岐通路を通じて搬送するとともに硬貨識別分岐通路の識別部で金種識別して一時保留し、入金承認時は出金に使用する入金硬貨を対応する金種別収納部へ収納するとともに、入金不承認時は入金硬貨を出金搬送系を通じて硬貨受部へ返却する循環式硬貨入出金機において、前記入金搬送時に入金硬貨のうち金種別収納部へ収納させる硬貨以外の入金オーバーフロー硬貨を一時保留するとともに、入金承認時は一時保留した入金オーバーフロー硬貨を前記入金搬送系へ送り出す入金オーバーフロー硬貨一時保留部と、前記硬貨識別分岐通路に設けられ、入金承認時に前記入金搬送系を搬送される入金オーバーフロー硬貨を分岐する補給用硬貨分岐部と、前記補給用硬貨分岐部で分岐される入金オーバーフロー硬貨を一時収納し、補給時は一時収納硬貨を前記入金搬送系へ送り出し、精査時は全ての一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すとともに精査回収する硬貨を前記補給用硬貨分岐部を通じて回収する補給用硬貨一時収納部と、この補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量と前記硬貨受部の許容収納量と前記貯留繰出部の許容収納量とを比較する比較手段を有し、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記貯留繰出部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて貯留繰出部に収納させ、貯留繰出部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させ、かつ、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記貯留繰出部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させる制御部とを具備しているものである。
【0019】
そして、入金承認時に入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を補給用硬貨一時収納部に一時収納し、補給時に補給用硬貨一時収納部の一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すことにより、入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を金種別収納部への補給に使用可能とする。しかも、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が貯留繰出部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系を通じて貯留繰出部に収納し、貯留繰出部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収し、かつ、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が貯留繰出部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保可能とする。
【0020】
請求項4記載の循環式硬貨入出金機は、請求項3記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、硬貨識別分岐通路に設けられ、精査時に余剰回収硬貨を分岐する回収分岐部と、前記機体に着脱可能とし、前記回収分岐部で分岐される余剰回収硬貨を収納する回収金庫とを備え、制御部は、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて回収金庫へ収納させるとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させるものである。
【0021】
そして、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系を通じて回収金庫へ収納するとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保できるとともに、必要量の硬貨を機体内に残してそれ以上の硬貨を回収金庫にて機体外に回収可能にできる。
【0022】
請求項5記載の循環式硬貨入出金機は、請求項2または4記載の循環式硬貨入出金機において、制御部は、補給用硬貨一時収納部の一時収納量を、回収金庫の装着状態では硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量に設定し、回収金庫の未装着状態では補給用硬貨一時収納部の許容収納量に設定するものである。
【0023】
そして、補給用硬貨一時収納部の一時収納量を、回収金庫の装着状態では硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量に設定することにより、補給用硬貨一時収納部の精査時の処理効率を向上でき、かつ、回収金庫の未装着状態では補給用硬貨一時収納部の許容収納量に設定することにより、回収金庫の未装着状態のままでも、補給用硬貨一時収納部への入金オーバーフロー硬貨の一時収納量が補給用硬貨一時収納部の許容収納量に達するまで入金処理を可能とする。
【0024】
請求項6記載の循環式硬貨入出金機は、請求項5記載の循環式硬貨入出金機において、制御部は、回収金庫の装着時に、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて金種別収納部および回収金庫の少なくとも一方に収納させるものである。
【0025】
そして、回収金庫の装着時に、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系を通じて金種別収納部および回収金庫の少なくとも一方に収納することにより、補給用硬貨一時収納部の一時収納量を設定値に保ち、精査時の処理効率を向上可能とする。
【0026】
請求項7記載の循環式硬貨入出金機は、請求項1ないし4いずれか記載の循環式硬貨入出金機において、制御部は、補給用硬貨一時収納部の精査時に送り出した全ての硬貨のうち、入金搬送系の識別部で正常と識別される正常回収硬貨の全量を補給用硬貨一時収納部に回収させるものである。
【0027】
そして、補給用硬貨一時収納部の精査時に送り出した全ての硬貨のうち、入金搬送系の識別部で正常と識別される正常回収硬貨の全量を補給用硬貨一時収納部に回収させることにより、精査時に補給用硬貨一時収納部内に正常な硬貨のみを収納可能とする。
【0028】
請求項8記載の循環式硬貨入出金機は、請求項1ないし4いずれか記載の循環式硬貨入出金機において、制御部は、補給用硬貨一時収納部の精査時に、硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収するのと並行して硬貨量の不足する金種別収納部へ補給させるものである。
【0029】
そして、補給用硬貨一時収納部の精査時に、硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収するのと並行して硬貨量の不足する金種別収納部へ補給させることにより、精査時に硬貨を金種別収納部に補給可能とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0031】
図1において、1は機体で、この機体1の操作面側(操作者側)1aの前側上部には入金口と出金口を兼ねる硬貨受収口2が開口され、この硬貨受収口2の内側には上面を開口した略樋状の硬貨受部3が配設され、この硬貨受部3の底部にはシャッタ4にて開閉される放出口5が開口形成されているとともに側部には受入口6が開口形成されている。なお、硬貨受収口2の上部で機体1の上面との間には図示しないシャッタが設けられ、このシャッタは硬貨受部3内の硬貨の取り出しまたは硬貨受部3へ硬貨を投入する時期にのみ開かれる。
【0032】
硬貨受部3の下方に放出口5から放出された硬貨を貯留して繰り出す貯留繰出部8が配設されている。図1ないし図3に示すように、貯留繰出部8は、傾斜状に軸支された回転円盤9、この回転円盤9の表面側に形成されたホッパ10にて形成され、回転円盤9の周縁部近傍には硬貨を掻き上げるための複数の突起9aが所定間隔ごとに突設されている。そして、硬貨受部3の放出口5から落下した硬貨は、ホッパ10に貯留されるとともに、回転円盤9の回転によって回転円盤9の周縁部の突起9aにて1枚ずつ掻き上げられて硬貨通路12へ繰り出される。
【0033】
また、硬貨通路12は、図2に示すように、貯留繰出部8から1枚ずつ繰り出される硬貨を案内するもので、斜め上方に向けて傾斜された第1の通路域12a 、この第1の通路域12a に接続された略水平状の第2の通路域12b 、この第2の通路域12b の末端から円弧状に上方に折り返された第3の通路域12c 、この第3の通路域12c の末端に接続されて硬貨受部3の受入口6にかけて略水平状の第4の通路域12d が形成されている。
【0034】
硬貨通路12は、硬貨を垂直に対して上側が背面方向へ所定角度傾いた傾斜状態(例えば約15度傾斜)で搬送する通路板13にて形成され、この通路板13の下縁には貯留繰出部8の回転円盤9の硬貨繰出位置から各通路域12a 〜12d の下縁部に沿って硬貨の周縁下部を支持する案内縁14が形成されている。
【0035】
硬貨通路12上には、貯留繰出部8から1枚ずつ繰り出される硬貨を間隔をあけて搬送する搬送手段16が設けられている。この搬送手段16は硬貨を1枚ずつ間隔をあけた状態で搬送する突起17a (詳細は後述する)を有する無端状の搬送ベルト17にて構成されている。この搬送ベルト17は、駆動プーリ18と複数の案内プーリ19とによって各通路域12a 〜12d に沿って懸架されており、硬貨を通路板13に押し付けながら搬送するとともに、その搬送速度が回転円盤9によって繰り出される硬貨の繰出速度より多少速くなっている。なお、回転円盤9、搬送ベルト17、後述する返却硬貨搬送ベルト20は図示しない1個のモータで連動駆動されるようになっている。
【0036】
搬送ベルト17には硬貨を区分け搬送する突起17a が通路板13に対向する面に所定間隔ごとに突設されている。そして、通路板13の上面と搬送ベルト17の突起17a の対向面との間隙は接触しない微小間隙、通路板13の上面と搬送ベルト17の突起17a 以外の対向面部との間隙は硬貨の最小厚みよりやや小さい間隙となっている。
【0037】
硬貨通路12の第4の通路域12d の末端に隣接して、硬貨を硬貨受部3の受入口6に搬送する返却硬貨搬送ベルト20が懸回されている。
【0038】
また、図1および図3に示すように、貯留繰出部8のホッパ10の下端部には開閉板22にて開閉される戻し口23が形成され、この戻し口23に連通した回収シュート24が設けられ、この回収シュート24の下端は昇降バケット装置25に連通されている。この昇降バケット装置25は硬貨を収納する側縁が開口されたバケット26が図示しないベルトにて昇降自在に設けられ、このバケット26は回収シュート24から放出された硬貨または異物を受け取り、このバケット26は上昇して放出口27から返却硬貨搬送ベルト20上に硬貨または異物を放出するようになっている。
【0039】
また、図1および図3に示すように、硬貨通路12の第1の通路域12a には搬入された硬貨の適正、不適正、金種などの識別を行なう材質センサ、イメージセンサなどにて構成され、入金搬送系識別部および出金搬送系識別部として共用される識別部30が配設されている。
【0040】
また、図1、図3ないし図5に示すように、硬貨通路12の第2の通路域12b には、上流側から順に、識別部30にて識別された硬貨を例えば1円、5円、10円、50円、100円、500円硬貨に分岐する金種別分岐部31a 〜31f 、入金承認前の入金オーバーフロー硬貨、補給時および出金時のリジェクト硬貨を分岐するオーバーフロー分岐部32、回収硬貨を分岐する回収分岐部33、入金承認後の入金オーバーフロー硬貨およびオーバーフロー補給硬貨を分岐する補給用硬貨分岐部34がそれぞれ形成されている。
【0041】
各分岐部31a 〜31f ,32,33,34は、共通に構成され、通路板13に分岐孔35がそれぞれ開口形成されているとともに、この分岐孔35を開閉する分岐部材36がそれぞれ配設されている。各分岐部材36は、支軸37にて硬貨通路12の上流側が開閉するように通路板13に回動自在に軸支されているとともに、支軸37に連結された図示しないロータリーソレノイドにて開閉駆動される。各分岐部材36の上流側の縁部には、開口時に搬送ベルト17との衝合を避ける切欠部36a が形成されている。
【0042】
通路板13には各分岐部31a 〜31f ,32,33,34の上流側および下流側に、硬貨通路12内を搬送される硬貨を検知する硬貨検知センサS1〜S11 が配設されている。
【0043】
そして、各分岐部31a 〜31f ,32,33,34の各分岐部材36は、識別部30での識別結果と上流側の硬貨検知センサS1〜S9(硬貨検知センサS1は金種別分岐部31a 用、硬貨検知センサS9は補給用硬貨分岐部34用)での硬貨検知との両条件にて、ロータリーソレノイドにより開口駆動され、該当硬貨が各分岐部31a 〜31f ,32,33,34を通過する際に分岐孔35に分岐される。
【0044】
なお、各分岐部31a 〜31f ,32,33,34の下流側の各硬貨検知センサS3〜S11 は第2の通路域12b 上を搬送される硬貨の分岐の有無を検知するもので、分岐無検知をしたときに、硬貨の後流側への搬送状態を監視するようになっている。すなわち、分岐無検知の具体例をあげると、例えば次の第1例および第2例がある。
【0045】
第1例としては、例えば、金種別分岐部31b 用の分岐部材36を作動させてその金種の硬貨を分岐しようとしたにもかかわらず、分岐部材36の作動遅れによりその金種硬貨が分岐されずに後流へ搬送される(その金種の硬貨が分岐されたことの確認は、分岐部材36の切換後、所定時間内に硬貨検知センサS4が硬貨を検知すると、その金種硬貨は分岐されずに後流へ流されたことになる)。
【0046】
第2例としては、金種別分岐部31b へ分岐する場合において、分岐すべき硬貨に先行する硬貨が硬貨検知センサS4を通過または硬貨検知センサS4を遮蔽状態の場合には、分岐すべき硬貨の分岐に支障がないが、先行する硬貨が金種別分岐部31b 上を搬送されて硬貨検知センサS4まで至っていない場合には、金種別分岐部31b の分岐部材36を作動させず、分岐すべき硬貨が分岐されずに後流へ搬送される。
【0047】
なお、こうした硬貨は、金種が分かっているので、入金時、補給時のオーバーフロー硬貨、または回収硬貨として扱うことにして説明する。
【0048】
また、図6に示すように、金種別分岐部31a 〜31f には、対応する分岐孔35から分岐される硬貨を受け入れて案内する金種別のシュート38がそれぞれ連通されている。図7および図8に示すように、オーバーフロー分岐部32および回収分岐部33には、各分岐孔35から分岐される硬貨を受け入れて案内するシュート39,40がそれぞれ連通されている。
【0049】
また、図1および図6に示すように、金種別分岐部31a 〜31f の各シュート38の下端には複数枚(例えば最大で10枚)の硬貨を重積状態で一時保留する金種別入金一時保留部42がそれぞれ配設されている。この金種別入金一時保留部42は、筒状の一時保留枠43内に上下に開口した貫通孔、この一時保留枠43の下面を開閉可能に閉塞する後述する投出板46にて構成されている。一時保留枠43は、図示しない駆動手段により、シュート38から硬貨を受け入れる定位置と、硬貨通路12の硬貨搬送方向と直交する図6右側方向の返却位置とに移動されるようになっている。
【0050】
また、金種別入金一時保留部42の定位置の下方には、金種別収納部44がカセット方式で着脱可能に機体1に装着されている。この金種別収納部44は、硬貨を金種別にそれぞれ重積収納する金種別の収納筒部45を備え、この各収納筒部45の上方から硬貨の受け入れおよび投出が行なわれる。収納筒部45の上方には投出板46が配設され、この投出板46は、図示しない駆動手段により、収納筒部45の上方位置と図6左側方向の位置との間で往復移動されるようになっている。そして、収納筒部45への硬貨の収納時に、投出板46が図6左方に移動して、金種別入金一時保留部42から落下する硬貨の収納筒部45への収納を許容し、また、一時保留枠43が図6で右方の返却位置に移動した状態で、かつ収納筒部45内の硬貨が上昇されて最上位硬貨が一時保留枠43の下面で受けとめられた状態において、投出板46の往復移動により、収納筒部45の最上位の硬貨が放出されるようになっている。
【0051】
金種別収納部44の各収納筒部45内には重積硬貨を支承する支承部材47がそれぞれ上下動可能に設けられ、この各支承部材47に硬貨が重積支持され、この各支承部材47は収納筒部45の図示しない上下方向の案内溝から駆動機構48に着脱可能に連結されてそれぞれ昇降されるようになっている。収納筒部45内から硬貨の投出時に支承部材47が上昇されて最上位硬貨が一時保留枠43の下面へ押圧されるとともに、収納筒部45内への硬貨の収納時に支承部材47が下降されて硬貨が収納されるようになっている。
【0052】
また、図1および図6に示すように、金種別収納部44の上部近傍の側部には搬送コンベヤ50が設けられ、この搬送コンベヤ50は、金種別入金一時保留部42から放出される硬貨、金種別収納部44から投出される硬貨、オーバーフロー分岐部32からシュート39を介して放出される硬貨、後述する補給用硬貨一時収納部62から繰り出される硬貨を貯留繰出部8に搬送するようになっている。
【0053】
また、図1および図7に示すように、オーバーフロー分岐部32のシュート39の途中には、補給時および出金時のリジェクト硬貨のみをシュート39の途中で分岐する切換板52が図示しない駆動手段によってシュート39内に進退可能に設けられているとともに、この切換板52で分岐されるリジェクト硬貨を受け入れるシュート53が連結されている。このシュート53の途中にはリジェクト硬貨を出金時と補給時とで仕分する切換板54が図示しない駆動手段によって揺動可能に設けられているとともに、この切換板54で仕分される出金時のリジェクト硬貨を受け入れるシュート55、および補給時のリジェクト硬貨を受け入れるシュート56がそれぞれ連結されている。
【0054】
出金時のリジェクト硬貨を受け入れるシュート55の下方には出金リジェクト硬貨収納箱57が配設され、補給時のリジェクト硬貨を受け入れるシュート56の下方には補給リジェクト硬貨収納箱58が配設されている。これら出金リジェクト硬貨収納箱57および補給リジェクト硬貨収納箱58は一体的に設けられ、機体1内に着脱可能に装着されている。
【0055】
また、図1および図8に示すように、回収分岐部33から分岐される回収硬貨のシュート40の下方には、回収硬貨を収納する回収金庫(回収箱)60が配設されている。この回収金庫60は、機体1内に着脱自在に装着されている。
【0056】
また、図1、図9および図10に示すように、補給用硬貨分岐部34の下方には、補給用硬貨分岐部34で分岐される入金承認後の入金オーバーフロー硬貨およびオーバーフロー補給硬貨を受け入れて一時収納するとともに、硬貨の補給時に一時収納硬貨を搬送コンベヤ50へ送り出す補給用硬貨一時収納部62が配設されている。
【0057】
補給用硬貨一時収納部62は、周囲の一部の側壁をシュート40の外面(図10左面)で構成した枠体63を有し、この枠体63の底部に硬貨を載置するとともに送り出し可能とする送出コンベヤ64が配設され、これら枠体63および送出コンベヤ64によって硬貨を一時収納する収納空間65が形成されている。
【0058】
枠体63の搬送コンベヤ50に臨む一側壁に送出口66が形成され、この送出口66に臨む送出コンベヤ64の一端側がその送出口66に向けて上昇傾斜されている。送出口66には図示しない駆動手段によって開閉されるシャッタ67が配設され、このシャッタ67は送出コンベヤ64で硬貨を搬送コンベヤ50へ送るときにのみ開放されるようになっている。送出コンベヤ64の送出側の端部には送り出される硬貨を搬送コンベヤ50へガイドするガイド板68が配設されている。
【0059】
また、図1に示すように、機体1の上部には、金種別収納部44への補充硬貨を収納した硬貨補充カセット(第1の硬貨補充カセット71a 、第2の硬貨補充カセット71b )が着脱可能に装着される着脱受部72が形成されている。
【0060】
硬貨補充カセットには、補充硬貨を金種別で重積状態に収納する第1の硬貨補充カセット71a と、補充硬貨を金種混合状態で重積状態に収納する第2の硬貨補充カセット71b とがあり、ともに同一外形状で着脱受部72に入れ換えて装着することが可能で、いずれか一方が着脱受部72に装着されて使用される。
【0061】
第1および第2の硬貨補充カセット71a ,71b は、図11に示すように、カセット本体73および蓋体74を有する横長の略長方形状に形成され、カセット本体73に対して蓋体74の一端が連結軸75にて開閉可能に連結され、カセット本体73と蓋体74との間に沿って補充硬貨を金種別または金種混合状態で重積状態に収納する複数(本実施の形態では7個)の補充硬貨収納部76が並設されている。
【0062】
補充硬貨収納部76は、カセット本体73側と蓋体74側とで径方向に2分割形成され、つまり、カセット本体73側と蓋体74側とに断面半円状の凹部がそれぞれ形成され、カセット本体73と蓋体74とが閉じられることで断面円筒状の硬貨を収納する空間が形成される。補充硬貨収納部76の直径は取り扱う最大径硬貨を収納可能とする寸法に形成され、補充硬貨収納部76の上側(着脱受部72に装着された状態での上側)は閉塞され、下側(着脱受部72に装着された状態での下側)には放出孔77が形成されている。放出孔77の下側には放出孔77を開閉するシャッタ79が支軸80を支点として開閉可能に配設され、このシャッタ79が図示しないシャッタ開閉機構で開閉されている。また、カセット本体73の他端側に取手85が突設されている。
【0063】
また、図1および図8に示すように、着脱受部72の下方には第1または第2の硬貨補充カセット71a ,71b から放出される補充硬貨を搬送コンベヤ50上へ導くシュート125 が配設されている。
【0064】
そして、図1において、貯留繰出部8および硬貨通路12が入金硬貨を搬送する入金搬送系131 として構成され、搬送コンベヤ50、貯留繰出部8および硬貨通路12が出金硬貨を搬送する出金搬送系132 として構成され、入金搬送系131 と出金搬送系132 とで少なくとも一部が共用されている。硬貨通路12の第1の通路域12a および第2の通路域12b が識別部30、金種別分岐部31a 〜31f 、回収分岐部33および補給用硬貨分岐部34などを有して入金搬送系131 の一部を構成する硬貨識別分岐通路133 として構成されている。搬送コンベヤ50上が入金硬貨のうち金種別収納部44へ収納させる硬貨以外の入金オーバーフロー硬貨を一括して一時保留する入金オーバーフロー硬貨一時保留部134 として構成されている。シュート125 および搬送コンベヤ50などが補充硬貨を入金搬送系131 の識別部30より上流へ送り込む送込手段135 として構成されている。
【0065】
また、図12において、循環式硬貨入出金機を制御する制御部201 を示し、この制御部201 は、各金種別収納部44に収納された硬貨の枚数(硬貨収納量)を金種別に記憶する収納枚数記憶部A1〜A6、金種別入金一時保留部42に一時保留された硬貨の枚数を金種別に記憶する金種別入金一時保留枚数記憶部B1〜B6、入金オーバーフロー硬貨の枚数を記憶する金種別入金オーバーフロー硬貨一時保留枚数記憶部C1〜C6、補給用硬貨一時収納部62に一時収納された硬貨の枚数(金種別補給用硬貨一時収納量)を金種別に記憶する金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6、回収金庫60内へ回収された硬貨の枚数を金種別に記憶する金種別回収枚数記憶部E1〜E6、後述する出金操作指令時に指定される金種毎の枚数を記憶する金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6を有し、さらに、それらがそれぞれ接続される制御構成部201aを有している。また、制御構成部201aは、精査初期時(補給用硬貨一時収納部62の精査初期時)の収納枚数を精査が済むまで固定記憶する精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6を有している。
【0066】
金種別入金一時保留枚数記憶部B1〜B6および金種別入金オーバーフロー硬貨一時保留枚数記憶部C1〜C6は、入金承認時までのデータであり、入金承認または入金不承認によってクリアされ、入金承認時には金種別入金一時保留枚数記憶部B1〜B6のデータは収納枚数記憶部A1〜A6に加算される。なお、金種別入金オーバーフロー硬貨については入金承認時に再度識別した後に分岐し、そのデータに基づいて分岐先の記憶部に加算される。
【0067】
制御構成部201aには信号Zxが入力される。この信号Zxは、収納枚数記憶部A1〜A6のいずれかが充足枚数のとき、あるいは金種別入金一時保留枚数記憶部B1〜B6のいずれかが充足枚数のとき、金種別入金オーバーフロー硬貨一時保留枚数記憶部C1〜C6のいずれかが充足枚数のとき(A1〜A6、B1〜B6、D1〜D6との関係による)、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6のいずれかが充足枚数のときに入力されるオーバーフロー信号で、硬貨の収納先を変えるため(例えば金種別収納部44から補給用硬貨一時収納部62へ、さらには回収金庫60への切り換えのため)に制御構成部201aに入力される。
【0068】
また、制御構成部201aには出金操作指令信号が入力される。この出金操作指令信号の入力とは、出金額の入力の指令、出金スタートの入力の指令、出金完了後の硬貨受収口2からの出金硬貨の取り出しを検知した硬貨取出検知(後述の硬貨受部レベル検知部Gが硬貨無しを検知する信号がその検知要素の一部に使用される)の指令の各信号の入力をさす。そして、出金額が入力されると、金種毎の枚数が算出され、金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6に記憶される。この金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の記憶内容は、出金額の硬貨が出金されて硬貨受収口2からのそれら硬貨の硬貨取出指令信号の入力によりリセットされる。
【0069】
また、制御構成部201aには、硬貨が識別部30で識別されることによる識別計数信号と、識別硬貨追跡検知信号とが入力される。識別硬貨追跡検知信号は、金種別収納部44から出金硬貨が投出され、識別部30を通過したか、その硬貨がリジェクト硬貨の場合はオーバーフロー分岐部32で分岐されたかどうか、金種正規硬貨が硬貨検知センサS11 を通過したかどうか、後述するように金種別収納部44で出金する硬貨が不足した金種がある場合に補給用硬貨一時収納部62から繰り出すようにしているがその補給用硬貨のうち投出に使う硬貨は硬貨検知センサS11 の通過側へ、投出に使わない硬貨は補給用硬貨分岐部34への分岐側へ送られたか、精査時に硬貨が所望の個所で分岐されたかなどの検知信号である。
【0070】
また、制御構成部201aには精査処理時の信号Wa、Wb、Wcが入力される。信号Waは、定期精査モード(例えば、1週間毎(週末に行なう)または1日毎(終業時に行なう)の精査で、1週間精査を行なうか1日精査を行なうかは銀行などによって任意に決められる)か、非定期精査モード(例えば、機体1内に硬貨詰まりが発生したり、部品が摩耗してきて部品の取り換えを行ない、そのため金種別収納部44を取り外すことが生じた場合、精査を行なって機体1内の硬貨額を確認する)かの選択信号である。
【0071】
定期精査モードでは、全ての部分(1円、5円、10円、50円、100円、500円の金種別収納部44、補給用硬貨一時収納部62)について順番に(1円、5円、10円、50円、100円、500円の金種別収納部44、補給用硬貨一時収納部62の順番に)精査を行なう。この精査はある金種の精査が済むと、次の金種の精査を自動的に行ない、さらに、500円が済むと、補給用硬貨一時収納部62への変更も自動的に行なう。一方、非定期精査モードでは、前述の全ての部分の精査の場合といずれか1箇所または複数箇所だけの精査の場合がある。
【0072】
信号Wbは、非定期精査モードが信号Waで選定された場合に選定可能とされ、精査箇所を選定する。この場合も、1箇所とか複数箇所だけでなく、全個所指定も可能である。
【0073】
信号Wcは、精査開始指令信号で、定期精査モードが信号Waで選択されていた場合は全ての部分の自動精査が行なわれ、また、信号Wbの入力後の信号Wcの入力(各信号Wb、Wcの制御構成部201aへの入力)で精査箇所(例えば1円の金種別収納部44)の精査が行なわれる。
【0074】
また、制御構成部201aには信号R0、R1、R2、R3も入力される。信号R0は、回収金庫60を機体1から外したときの引き抜き信号で、回収金庫60内の硬貨が満杯時または硬貨の回収処理終了時に回収金庫60が引き抜かれることにより制御構成部201aへ入力され、金種別回収枚数記憶部E1〜E6のデータをリセットするとともに、回収金庫60の箇所へ硬貨を送らないようにしている。なお、回収金庫60の装着状態での補給用硬貨一時収納部62の上限収納枚数を例えば210枚(詳細は後述する)とした場合に、回収金庫60の引き抜き時(未装着状態)の補給用硬貨一時収納部62の最大収納枚数を例えば450枚(詳細は後述する)とし、回収金庫60の装着時に回収金庫60へ収納していた硬貨を補給用硬貨一時収納部62へ収納するようにしている。この場合は、信号R3が入力されていることが条件で、信号R2の入力時(各収納箱57,58の抜き取り時)は即時に処理を禁止状態にする。そして、回収金庫60の引き抜き時点で補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量が例えば450枚(詳細は後述する)に達した場合は入金処理を禁止するかあるいは出金処理も禁止して、循環式硬貨入出金機全体の駆動を停止させる。
【0075】
信号R1は、回収金庫60を装着したときの入力信号で、信号R3の入力条件下で信号R1が入力されると(または信号R1の入力条件下で信号R3が入力されると)、入金処理が禁止されていても所定の処理で循環式硬貨入出金機全体の駆動が再起動可能とされる。そのとき、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量が例えば210枚を越えている場合(詳細は後述する)は、硬貨補充処理または精査処理により補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量を例えば210枚に減らして入金または出金に備える。
【0076】
信号R2は、一体的に設けられる出金リジェクト硬貨収納箱57および補給リジェクト硬貨収納箱58が機体1から引き抜かれるのを検知する信号である。信号R3は、出金リジェクト硬貨収納箱57および補給リジェクト硬貨収納箱58が機体1に装着されるのを検知する信号である。それ故、出金リジェクト硬貨収納箱57および補給リジェクト硬貨収納箱58が装着状態のままで(信号R3の入力時)、回収金庫60が抜かれると(信号R0の入力時)、回収金庫60へ回収すべき分も補給用硬貨一時収納部62へ収納するようにする。
【0077】
また、制御構成部201aにはゲート駆動部202 が接続され、このゲート駆動部202 により硬貨通路12の第2の通路域12b の各分岐部材36を開閉駆動するロータリーソレノイドなどが駆動制御される。そして、制御構成部201aに信号Zxが入力されることにより、ゲート駆動部202 を通じて各分岐部材36の開閉切換が行なわれる。
【0078】
また、制御構成部201aには第1の駆動制御部203 、第2の駆動制御部204 および第3の駆動制御部205 が接続され、第1の駆動制御部203 により補給用硬貨一時収納部62からの硬貨の繰り出しが制御され、第2の駆動制御部204 により入金搬送系131 および出金搬送系132 が制御され、第3の駆動制御部205 により金種別収納部44からの硬貨の投出が制御される。なお、この例では、入金搬送系131 を構成する回転円盤9と搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20は1個のモータで 駆動されて連動回転される。
【0079】
第1の駆動制御部203 は、出金時において、投出予定金種の金種別収納部44の硬貨量が投出予定量より少ない量であること、およびその硬貨量と補給用硬貨一時収納部62の投出予定金種の硬貨量との合計が投出予定量分を満たす所定量であることが制御構成部201aで検知されることに基づき、補給用硬貨一時収納部62の一時収納硬貨を出金搬送系132 (搬送コンベヤ50)へ送り出す機能を有している。
【0080】
第2の駆動制御部204 は、補給用硬貨一時収納部62から出金搬送系132 (搬送コンベヤ50)へ送り出される硬貨のうち、識別部30の識別結果に基づき、出金させる硬貨は出金搬送系132 を通じて操作面側1a(硬貨受部3)へ搬送させ、出金させない硬貨は入金搬送系131 へ送って金種別収納部44および補給用硬貨一時収納部62の少なくとも一方に収納させる機能を有している。
【0081】
そして、制御構成部201aは、入金承認時に入金搬送系131 を搬送される入金オーバーフロー硬貨について、入金承認前に金種別入金一時保留部42の収納量が満杯となった金種で金種別収納部44の硬貨収納量が充足量に達していない金種は充足量まで収納させ、充足量に達している金種は補給用硬貨分岐部34から補給用硬貨一時収納部62へ収納させ、補給用硬貨一時収納部62へ収納させる金種で補給用硬貨一時収納部62に収納可能とする収納量に達した金種は回収分岐部33から回収金庫60へ収納させる機能を有している。
【0082】
また、制御構成部201aは、投出予定金種について金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の枚数と収納枚数記憶部A1〜A6の枚数の両方を受理して記憶しかつ比較する。もし、金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の枚数が収納枚数記憶部A1〜A6の枚数と等しいか少ない場合、記憶している金種別出金指定枚数に従って、第3の駆動制御部205 を作動させ、金種別収納部44により対応する量の硬貨を投出させる。
【0083】
もし、金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の枚数が収納枚数記憶部A1〜A6の枚数より大の(多い)ときは、制御構成部201aはさらに両者の枚数の差額分を記憶するとともに金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の対応金種の枚数を記憶し、差額枚数が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の対応金種の枚数と等しいか少ない場合、その差額分を第1の駆動制御部203 により補給用硬貨一時収納部62から繰り出させる。
【0084】
なお、投出予定金種の金種別収納部44の硬貨量と補給用硬貨一時収納部62の投出予定金種の硬貨量との合計が投出予定量分を満たす所定量は、例えば、出金時のリジェクト硬貨の発生も予測し、出金枚数不足金種について金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の枚数より金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の枚数の方が3枚以上多い場合とし、この場合に投出可としてもよい。なお、出金時のリジェクト硬貨の発生により不足金種硬貨について金種別収納部44は投出した枚数より少ない枚数の正規出金硬貨が投出されるが、その不足分も補給用硬貨一時収納部62から繰り出される。
【0085】
また、補給用硬貨一時収納部62の許容収納利用をAmax、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量をAx(Ax≦Amax)、硬貨受部3の許容収納量をBmax、貯留繰出部8の許容収納量をCmax(Cmax≧Bmax)とした場合、制御部201 の制御構成部201aは、以下のような各機能を有している。
【0086】
補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axと硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを比較する比較手段の機能を有している。
【0087】
補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axが硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)より多いときは、すなわち、Ax>(Bmax+Cmax)のときは、その合計許容収納量(Bmax+Cmax)より多い硬貨を余剰回収硬貨(Ax−(Bmax+Cmax))とし、補給用硬貨一時収納部62から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系131 を通じて回収金庫60へ収納させるとともに、補給用硬貨一時収納部62から残りの硬貨(Bmax+Cmax)を送り出させて入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3および貯留繰出部8に各々許容収納量(Bmax、Cmax)の範囲で分配収納させ、貯留繰出部8と硬貨受部3とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収させる機能を有している。
【0088】
補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axが硬貨受部3の許容収納量Bmaxより多いとともに硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)以下のときは、すなわち、(Bmax+Cmax)≧Ax>Bmaxのときは、補給用硬貨一時収納部62から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3および貯留繰出部8に各々許容収納量(Bmax、Cmax)の範囲で分配収納させ、貯留繰出部8と硬貨受部3とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収させる機能を有している。
【0089】
補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axが硬貨受部3の許容収納量Bmax以下のときは、すなわち、Ax<Bmaxのときは、補給用硬貨一時収納部62から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3に収納させ、硬貨受部3に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収させる機能を有している。
【0090】
補給用硬貨一時収納部62の一時収納量を、回収金庫60の装着状態では硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)に設定し、回収金庫60の引き抜き時(未装着状態)では補給用硬貨一時収納部62の許容収納量Amaxに設定する機能を有している。
【0091】
回収金庫60の装着時に、補給用硬貨一時収納部62から余剰回収硬貨(Ax−(Bmax+Cmax))を送り出させて入金搬送系131 を通じて金種別収納部44および回収金庫60の少なくとも一方に収納させる機能を有している。
【0092】
補給用硬貨一時収納部62の精査時に送り出した全ての硬貨のうち、入金搬送系131 の識別部30で正常と識別される正常回収硬貨の全量を補給用硬貨一時収納部62に回収させる機能を有している。
【0093】
補給用硬貨一時収納部62の精査時に、硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収するのと並行して硬貨量の不足する金種別収納部44へ補給させる機能を有している。
【0094】
次に、硬貨受部3、貯留繰出部8、金種別収納部44、補給用硬貨一時収納部62の各々の硬貨収納量の設定について説明する。
【0095】
まず、硬貨受部3の硬貨収納量に関して説明するが、精査回収時と入金処理時、出金処理時で硬貨収納量の上限値を異ならせており、さらに、精査処理時でも金種別収納部44の精査時と補給用硬貨一時収納部62の精査とで硬貨収納量の上限値を異ならせている。
【0096】
入金送り込み時すなわち入金搬送時(入金一時保留までをいう。特に入金送り込み時とは硬貨受部3への硬貨投入、貯留繰出部8への硬貨放出に関するもので、ここでは硬貨受部3へのシャッタ4の閉状態での投入をさす)は次の通りである。
【0097】
硬貨受部3には、硬貨受部レベル検知部G(図12の制御構成部201aへ入力)が設けられている。この硬貨受部レベル検知部Gは、硬貨受部3に図示しない投受光式センサが複数設けられたもので、上限検知センサ、それよりやや下位の満杯検知センサ、硬貨無検知センサを有する。そして、硬貨無センサが硬貨で遮られ、かつ、満杯検知センサが投受光状態あるいは満杯検知センサも遮られるが、それよりやや上位置の上限検知センサが投受光状態のときに入金が可能(硬貨受部3が反転される)、上限検知センサも硬貨で遮られているときは入金硬貨の投入量を減らし上限検知センサが投受光状態になると入金可となる。
【0098】
硬貨受部3に収納可能な硬貨収納量は容量の最も多い500円硬貨だけの枚数で目安を述べると約130枚とされる。容量の関係で例えば1円硬貨1枚の容量を1とした場合に5円とか50円は1.14(すなわち1.14枚扱い)、10円とか100円は1.43(すなわち1.43枚扱い)、500円は2.29(すなわち2.29枚扱い)に換算される。この換算値により他の1金種毎の枚数の目安を見てみると、1円硬貨だけでは約298枚、50円とか5円だけでは約261枚、100円とか10円だけでは約280枚となる。なお、実際の入金硬貨は金種混合状態故、換算枚数値はさまざまである。
【0099】
このように入金送り込み時の硬貨収納量はあくまで硬貨受部レベル検知部Gのレベル検知で制御される。
【0100】
入金不承認時の返却硬貨の量は入金送り込み時の量(入金リジェクト硬貨も含む)と同じであるので、硬貨受部3への返却硬貨の受け入れには支障がない。
【0101】
出金処理時の出金枚数については、上述の換算値に基づき、出金処理における上限値が設定され、その設定範囲で出金が行なわれるので、硬貨受部3への出金硬貨の受け入れには支障がない。
【0102】
硬貨補充処理および回収処理では硬貨受部3は使用されない。
【0103】
精査処理時のうち補給用硬貨一時収納部62の精査のときは、識別部30で識別計数される硬貨枚数(硬貨受部3へ送られる硬貨枚数)が100枚を上限値(Bmax)として硬貨受部3へ収納され、それを越える硬貨は貯留繰出部8へ分配収納(詳細は精査処理の作用で説明)される。
【0104】
なお、前述の換算値に基づく枚数値(例えば100枚)を硬貨受部3への収納値としてもいいが、精査時は補給用硬貨一時収納部62へ収納枚数を確実にするためにこうしている。
【0105】
精査処理時のうち金種別収納部44の精査のときは、硬貨受部3の収納枚数の上限値は、500円は最大100枚、100円と10円は各々最大110枚、50円と5円は各々最大120枚、1円は最大130枚の収納に設定される。この精査時には、金種別収納部44のいずれか1金種の全ての硬貨を搬送コンベヤ50、貯留繰出部8、硬貨通路12を通じて硬貨受部3へ送るが、各金種の硬貨とも金種別収納部44の硬貨を全て硬貨受部3(シャッタ4の閉じ状態)へ送り込んでも問題なく(硬貨受部レベル検知部Gの上限検知センサは投受光状態を維持)、また、貯留繰出部8、硬貨通路12、搬送コンベヤ50、金種別収納部44内に硬貨がない状態で、硬貨受部3から貯留繰出部8へ硬貨を放出しても金種別収納部44への精査に支障がない(硬貨受部レベル検知部Gの上限検知センサは投受光状態を維持)。
【0106】
また、貯留繰出部8の硬貨収納量に関して説明する。
【0107】
処理態様(入金、出金、補充、回収)にかかわらず、貯留繰出部8のホッパ10の最大硬貨収納量(Cmax)は硬貨受部3の最大硬貨収納量(Bmax)より多く設定(上限検知センサ、満杯検知センサの設定条件によるが、精査時には例えば110枚)され、硬貨受部3から貯留繰出部8へ送られる硬貨の処理に支障はない。
【0108】
入金送り込み時および入金不承認時とも(入金送り込み時は硬貨受部3から、入金不承認時は搬送ベルト50からの硬貨の送り込み)、入金送り込み段階で硬貨受部3で入金可能量と判断されているので、貯留繰出部8へ送られる硬貨の処理に支障はない。
【0109】
出金処理時の出金枚数については、上述の換算値に基づき、出金処理における上限値が設定され、その設定範囲で出金が行なわれるので、貯留繰出部8への出金硬貨の受け入れには支障がない。
【0110】
貯留繰出部8には、貯留繰出部レベル検知部H(図12の制御構成部201aへ入力)が設けられている。この貯留繰出部レベル検知部Hは、硬貨受部レベル検知部Gと同様で、図示しない投受光式センサが複数設けられ、上限検知センサ、満杯検知センサ、硬貨無検知センサを有している。そして、硬貨補充処理時および回収時には、搬送コンベヤ50から貯留繰出部8に硬貨を送って硬貨無検知センサが遮られているときは硬貨を硬貨通路12へ送る。なお、上限検知センサはあくまで投受光を保つようになっている。また、満杯検知センサが硬貨で遮られたら、搬送コンベヤ50を一時停止させ、貯留繰出部8から硬貨が繰り出されて満杯検知センサが投受光状態になると搬送コンベヤ50を再度駆動するようになっている。
【0111】
また、金種別収納部44の硬貨収納量に関して説明する。
【0112】
500円については最大100枚、10円および100円は各々最大110枚、5円および50円は各々最大120枚、1円は最大130枚収納される。なお、各金種全て100枚に統一して最大枚数を設定してもよいが、少しでも多くの硬貨を処理できるように設定値を設定している。
【0113】
精査時に、金種別収納部44のいずれか1金種の全ての硬貨を搬送コンベヤ50から貯留繰出部8(回転円盤9および搬送ベルト17は停止中)へ送っても硬貨が貯留繰出部レベル検知部Hの上限検知センサを遮ることなく精査処理が続行して行なわれる。精査時には、貯留繰出部8内の硬貨を硬貨受部3へ送るが、各金種の硬貨とも金種別収納部44の硬貨を全て硬貨受部3(シャッタ4の閉じ状態)へ送り込んでも硬貨受部レベル検知部Gの検知上は問題なく、また、貯留繰出部8、硬貨通路12、搬送コンベヤ50に硬貨がない状態で、硬貨受部3から貯留繰出部8へ硬貨を放出しても貯留繰出部レベル検知部Hの検知上は問題なく、金種別収納部44への精査に支障がない。
【0114】
入金時や補充時には、上述した設定値の枚数の範囲で硬貨が金種別収納部44に収納される。出金時には、設定値の枚数の範囲内で出金されるが、特に、設定値は貯留繰出部8および硬貨受部3の許容収納量内で出金されるので問題ない。回収時には、貯留繰出部8のホッパ10内では上限検知センサが遮られない範囲で、硬貨の送り制御がされるので問題ない。
【0115】
また、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量に関して説明する。
【0116】
補給用硬貨一時収納部62の最大収納量は、精査時、補充時、入金時、出金時、回収時にかかわらず変わりないが、回収金庫60が装着状態か引き抜き状態(非装着状態)かで変わる(但し、各収納箱57,58の装着状態、すなわち信号R3の入力状態)。
【0117】
回収金庫60の装着状態では、補給用硬貨一時収納部62の収納空間65の上限枚数を210枚(硬貨の実質枚数)とする。但し、金種毎の枚数にも上限枚数が設定され、1円、10円、100円は各々60枚、5円、50円、500円は各々10枚とされる。仮に、収納空間65へ上限枚数の210枚が収納されていない状態でも、例えば100円が60枚収納されているとすると、100円についてはそれ以降の入金オーバーフロー硬貨(入金承認時)は回収金庫60へ収納する。100円の出金処理または補充処理により収納空間65内の100円の枚数が60枚から減少すると、収納空間65への100円硬貨の収納を可能とする。また、上述の上限枚数が210枚に達すると、それを越す硬貨は回収金庫60または金種別収納部44へ送られる。
【0118】
回収金庫60の引き抜き状態では、硬貨の換算値枚数で最大450枚(Amax)まで収納可能とする(条件1とする)(但し、信号R3、R0の入力時)。収納空間65には補給用硬貨一時収納部レベル検知部I(図12の制御構成部201aへ入力)が設けられており、これは複数個(上下の異なる2箇所位置)に設けられる図示しない投受光式センサで構成され、下段の投受光式センサは硬貨無検知センサ、上段の投受光式センサは満杯検知センサである。この補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iの満杯検知センサが硬貨で遮られて満杯を検知すると、それ以降は硬貨の入金処理を行なわない(条件2とする)。但し、その回の入金取引は行ない、それ以降の入金処理を中止する(なお、回収金庫60の装着時の実質枚数210枚収納時には補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iの満杯検知センサは投受光状態のままである)。
【0119】
金種毎の枚数についても上限枚数が設定されている。その枚数は実質的な枚数値で、1円、10円、100円は各々125枚、5円、50円、500円は各々25枚とされている(条件3とする)。
【0120】
それ故、条件1、2、3のいずれかの検知(条件3についてはいずれかの金種についての検知)で入金処理を休止させる。言い換えれば、回収金庫60の装着状態に対し、回収金庫60の引き抜き時は条件1、2、3のいずれの検知もない場合、硬貨入金、出金処理が可能となっている。
【0121】
引き抜き状態にある回収金庫60を機体1に装着したときには、まず、硬貨の補充処理を行なう。すなわち、210枚(実質枚数)を越える分の硬貨について補給が可能な金種別収納部44または回収金庫60へ収納させ、補給用硬貨一時収納部62の収納空間65内の硬貨枚数を210枚(実質枚数)以内にする。これは補給用硬貨一時収納部62の精査(補給用硬貨一時収納部62内の全ての硬貨を補給用硬貨一時収納部62から取り出した後、金種と枚数または金種と金額の確認のため、取り出した硬貨の識別計数を行なうこと)の効率化を図るためである(信号R0,R2の入力は210枚または金種別制限枚数の時点で停止し、再度の信号R1,R3の入力で処理可能となる)。
【0122】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0123】
まず、入金処理について説明する。
【0124】
操作者による入金指令操作に基づいて、硬貨受収口2のシャッタ(図示せず)が自動的に開かれ、操作者は硬貨受収口2から入金硬貨を硬貨受部3に投入する。この入金硬貨の投入を検知して硬貨受収口2のシャッタが自動的に閉じられ、その直後に、硬貨受部3のシャッタ4が開き、放出口5から入金硬貨が貯留繰出部8のホッパ10に放出される。その放出後、シャッタ4が閉じられるとともに硬貨受収口2のシャッタが開かれる。貯留繰出部8に貯留された硬貨は、回転円盤9の回転により、回転円盤9の周縁部に所定間隔ごとに突設された突起9aにて1枚ずつ間隔をあけて硬貨通路12に繰り出される。
【0125】
硬貨通路12に繰り出された硬貨は、搬送手段16の搬送ベルト17の各突起17a ,17a 間に1枚ずつ送り込まれ、この搬送ベルト17によって通路板13の下縁に形成された案内縁14に沿って第1の通路域12a および第2の通路域12b に搬送される。この硬貨通路12を搬送される硬貨は、搬送ベルト17の硬貨搬送速度が回転円盤9の繰出速度より多少速くなっているため、搬送ベルト17の突起17a にて1枚ずつ間隔をあけた状態で搬送される。
【0126】
硬貨通路12を搬送される硬貨は、第1の通路域12a において識別部30で識別されるとともに、第2の通路域12b において識別部30での識別結果と硬貨検知センサS1〜S6での硬貨検知との両条件にて、1円、5円、10円、50円、100円、500円の金種別分岐部31a 〜31f で金種別に分岐される。
【0127】
金種別分岐部31a 〜31f で金種別に分岐される硬貨は、シュート38に案内されてそれぞれ金種別に金種別入金一時保留部42に重積状態で一時保留される。
【0128】
金種別収納部44の硬貨収納量が充足量に達しているとき、または金種別入金一時保留部42の一時保留枚数が充足量(最大で例えば10枚)に達しているときには、入金オーバーフロー硬貨として、識別部30による識別結果と硬貨検知センサS7との両条件にて、対応する金種別分岐部31a 〜31f で分岐されることなく、オーバーフロー分岐部32で分岐される。
【0129】
オーバーフロー分岐部32で分岐される入金オーバーフロー硬貨は、シュート39に案内されて搬送コンベヤ50上に一括して一時保留される。なお、入金オーバーフロー硬貨は、貯留繰出部8に入金硬貨がなくなった後、搬送コンベヤ50から貯留繰出部8へ送り込んで一時保留してもよい。
【0130】
また、入金送り込み時において、識別部30で不適正硬貨と識別された硬貨(異常入金硬貨)は、硬貨通路12の第4の通路域12d の末端まで搬送されて、その第4の通路域12d の末端で搬送ベルト17から外れ、案内縁14に案内されて自重転動しながら硬貨受部3に戻される。このとき、硬貨受部3は、入金硬貨が貯留繰出部8に放出された直後にシャッタ4が閉じられるとともに、硬貨受収口2のシャッタが再度開放されており、この硬貨受部3へ戻された不適正硬貨の取り出しが可能となる。
【0131】
なお、異常入金硬貨および出金硬貨は第1の通路域12a の識別部30の直後の位置から分岐して硬貨受部3へ送るようにしてもよい。入金不承認硬貨の返却も同様である。
【0132】
すなわち、硬貨通路12の第3の通路域12c と第4の通路域12d は、第2の通路域12b の末端に接続されて出金硬貨、入金送り込み時(一時保留まで)の異常入金硬貨、入金不承任時の入金返却硬貨を硬貨受部3へ送るようになっている。なお、識別部30と金種別分岐部31a 〜31f の中間位置の硬貨通路12域に分岐片を設け、この分岐片(退避位置のときは硬貨を金種別分岐部31a 〜31f 側へ送り、進出位置のときは硬貨を硬貨受部3側へ分岐する)で硬貨受部3側へ分岐される硬貨を分岐搬送する通路構成としてもよい。この場合は、搬送ベルト17とは別のベルトで硬貨を1枚ずつ保持しながら硬貨受部3へ搬送することになる。
【0133】
そして、投入された全ての入金硬貨の一時保留が完了し、操作者によって入金承認操作がなされると、金種別入金一時保留部42に一時保留された硬貨は投出板46の後退と支承部材47の下降により、金種別収納部44内にそれぞれ重積収納され、搬送コンベヤ50上の入金オーバーフロー硬貨は搬送コンベヤ50の図1の左方への駆動で貯留繰出部8へ搬送され、この貯留繰出部8から硬貨通路12へ1枚ずつ送り出される。
【0134】
なお、入金オーバーフロー硬貨を搬送コンベヤ50から貯留繰出部8へ送り出して貯留している場合は、回転円盤9、搬送ベルト17を停止させた後、貯留繰出部8へ硬貨を送って貯留し、この貯留繰出部8から直接硬貨が硬貨通路12へ送り出されるが、搬送コンベヤ50も駆動しておくほうが硬貨残りがなくてよい。
【0135】
また、入金承認時に、貯留繰出部8から硬貨通路12へ送り出される入金オーバーフロー硬貨は、識別部30で識別されるとともに補給用硬貨分岐部34で分岐され、補給用硬貨一時収納部62へ収納され、その後の補給に待機される。
【0136】
このとき、入金承認前に金種別入金一時保留部42の収納量が満杯となった金種で金種別収納部44の硬貨収納量が充足量に達していない金種の入金オーバーフロー硬貨については、入金承認後に硬貨通路12を送られる際、対応する金種別分岐部31a 〜31f で分岐され、投出板46の退避した金種別収納部44内の硬貨上に重積収納される。さらに、その金種について、金種別収納部44の充足量に達した後の入金オーバーフロー硬貨が識別部30を通過した時点で、その入金オーバーフロー硬貨は対応する金種別分岐部31a 〜31f では分岐されずに補給用硬貨分岐部34で分岐されて補給用硬貨一時収納部62に収納される。
【0137】
回収金庫60の装着状態では、補給用硬貨一時収納部62へ収納される金種でこの補給用硬貨一時収納部62に収納可能とする収納量(最大では210枚、金種別には1円、10円、100円は各々60枚、5円、50円、500円は各々10枚)に達した金種(最大枚数210枚に達した場合には全金種)は回収分岐部33で分岐されて回収金庫60へ収納される。上記枚数(210枚、60枚、10枚)は、実質枚数である。
【0138】
回収金庫60が引き抜かれると、上述した条件1,2,3の1つが検知されるまではさらに補給用硬貨一時収納部62への硬貨の収納が可能となる(但し、信号R3の入力下でのことである)。すなわち、条件1では、硬貨の換算値枚数で450枚まで収納可能とする。条件2では、補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iの満杯検知センサが硬貨で遮られて満杯を検知すると、それ以降は硬貨の入金処理を行なわない。条件3では、1円、10円、100円は各々125枚、5円、50円、500円は各々25枚まで収納可能とする。
【0139】
また、回収金庫60を機体1に装着すると、まず、硬貨の補充処理を行なう。すなわち、210枚(実質枚数)を越える分について補給が可能な金種別収納部44または回収金庫60へ収納させ、補給用硬貨一時収納部62の収納空間65内の硬貨枚数を210枚(実質枚数)以内にする。これは補給用硬貨一時収納部62の精査(補給用硬貨一時収納部62内の全ての硬貨を補給用硬貨一時収納部62から取り出した後、金種と枚数または金種と金額の確認のため、取り出した硬貨の識別計数を行なうこと)の効率化を図るためである。
【0140】
また、貯留繰出部8に残留する回転円盤9で送り出されない残留物については、図12の貯留繰出部レベル検知部Hの硬貨無検知センサが投受光状態にならず、かつ、識別部30が硬貨識別してから所定時間経過していることに基づき、残留物として検知し、ホッパ10の下部の開閉板22が開かれて戻し口23から回収シュート24にて昇降バケット装置25のバケット26内に放出され、残留物を受け取ったバケット28が上昇されて放出口27から返却硬貨搬送ベルト20上に放出され、この返却硬貨搬送ベルト20にて硬貨受部3に戻される。このとき、硬貨受部3は、入金硬貨が貯留繰出部8に放出された直後にシャッタ4が閉じられるとともに、硬貨受収口2のシャッタが再度開放されており、この硬貨受部3へ戻された残留物の取り出しが可能となる。
【0141】
また、投入された全ての入金硬貨の一時保留が完了し、操作者によって入金不承認操作がなされると、金種別入金一時保留部42の一時保留枠43が図6右方へ移動され、一時保留されていた硬貨が搬送コンベヤ50に放出される。搬送コンベヤ50上に保留されていた入金オーバーフロー硬貨とともに全ての返却硬貨は、搬送コンベヤ50で貯留繰出部8に送り込まれ、この貯留繰出部8から硬貨通路12に繰り出され、硬貨通路12内を搬送ベルト17により搬送され、硬貨通路12の第4の通路域12d の末端から硬貨受部3に戻される。硬貨受収口2のシャッタが開放され、硬貨受部3へ戻された返却硬貨の取り出しが可能となる。
【0142】
次に、出金処理について説明する。
【0143】
出金貨幣値(金額または金種と枚数)の入力と出金操作指令に基づき、対応する金種および枚数の硬貨が金種別収納部44から投出板46にて搬送コンベヤ50上に投出される。すなわち、図12中、出金操作指令信号に基づき、金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の記憶内容と収納枚数記憶部A1〜A6の記憶内容とから、収納枚数記憶部A1〜A6の記憶内容が大であるときは、それを制御構成部201aが検知し、第3の駆動制御部205 を通じて、金種別収納部44から必要金種を必要枚数分投出させる。
【0144】
こうして、出金貨幣値分の硬貨の投出が終了した時点で、図12の第2の駆動制御部204 により出金搬送系132 が駆動される。その結果、搬送コンベヤ50が駆動され、この搬送コンベヤ50上の出金硬貨は、貯留繰出部8に送り込まれ、回転円盤9の回転で硬貨通路12に1枚ずつ繰り出され、第1の通路域12a の識別部30で識別される。識別部30で適正硬貨と識別された硬貨は、硬貨搬送ベルト17にて硬貨通路12の第4の通路域12d の末端から硬貨受部3に送り込まれる。図12の識別硬貨追跡検知信号群によって硬貨受部3に送り込まれる出金硬貨の金種および枚数が制御構成部201aで指定された出金貨幣値を構成する金種および枚数と照合される。図12の識別硬貨追跡検知信号群とは、識別部30の信号、硬貨検知センサS7、S8、S9、S10 、S11 からの信号などを指す。そして、一致しないときは不一致の金種信号を追加投出することにより照合一致させることになる。
【0145】
出金硬貨の投出動作終了から第1の所定時間後(出金硬貨すべてが硬貨受部3へ送られる所定時間後)に、識別部30で識別された出金硬貨の金種および枚数が指定された出金貨幣値を構成する金種および枚数と一致していることが制御構成部201aで確認されたことを条件として、硬貨受収口2のシャッタが開かれ、出金硬貨の取り出しが可能となる。
【0146】
硬貨受収口2から出金硬貨が取り出された後、所定の時期に、硬貨受収口2のシャッタが閉じられ、待機状態に復帰される。また、出金硬貨が取り出されたとき、図12中、出金操作指令が制御構成部201aへ入力され、金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6がリセットされる。
【0147】
なお、出金指令時点である金種について金種別収納部44内の硬貨だけでは不足するが、補給用硬貨一時収納部62内に収納されている該当金種の硬貨量(金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6による)で充足する場合、不足分を補給用硬貨一時収納部62から出すようにする。すなわち、図12において、金種別出金指定枚数記憶部F1〜F6の記憶内容より大の金種がある場合はそれを制御構成部201aが検知する。その場合はその枚数不足金種について出金指定枚数から収納枚数を引いた枚数が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に記憶される枚数と等しいかあるいは小かを制御構成部201aで検知する。もし、等しいかあるいは小の場合は、図12の第1の駆動制御部203 を通じて、補給用硬貨一時収納部62から硬貨を繰り出させる。この補給用硬貨一時収納部62からの硬貨の繰り出しは、金種別収納部44から硬貨を搬送コンベヤ50上へ投出した後、搬送コンベヤ50が駆動されはじめた段階でするのが好ましい。
【0148】
なお、ある金種について投出枚数が金種別収納部44の枚数より大で、投出枚数≦(金種別収納部44内の硬貨枚数+補給用硬貨一時収納部62内の枚数)の場合において、出金リジェクト硬貨の想定も考慮して投出枚数より例えば3枚以上多いときに出金可と設定してもよい。
【0149】
また、金種別収納部44に投出すべき硬貨がない状態で、補給用硬貨一時収納部62に投出すべき硬貨枚数がある場合にも、補給用硬貨一時収納部62から硬貨を出すようにする。
【0150】
なお、補給用硬貨一時収納部62に投出すべき金種硬貨が十分あり、投出硬貨に使われる硬貨の率が非常に高い場合、かつ金種別収納部44に投出すべき金種硬貨の枚数が不足している場合に補給用硬貨一時収納部62からの繰り出しを優先させてもよい。
【0151】
また、出金に該当しない金種は補給用硬貨分岐部34から補給用硬貨一時収納部62に戻すようにする。これにより、投出時間を少なくできる。
【0152】
また、投出すべき金種について不足分の枚数のうち、最後の硬貨が識別部30で識別され、かつ補給用硬貨分岐部34より後流へ移動されたことが硬貨検知センサS11 で検知されると、第1の駆動制御部203 により、シャッタ67の閉塞と送出コンベヤ64の停止により補給用硬貨一時収納部62からの硬貨の繰り出しを停止する。なお、シャッタ67と送出コンベヤ64の間へ硬貨が噛み込まないように送出コンベヤ64を逆転させてから停止させてもよい。
【0153】
一方、硬貨検知センサS11 による不足分の枚数の最後の硬貨の検知から第2の所定時間(前述の第1の所定時間とは区別される)の経過時点で搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20の回転を停止させる。それは、図12の第2の駆動制御部204 にて行なう。この第2の所定時間内に搬送コンベヤ50、回転円盤9、硬貨通路12上の硬貨は全て補給用硬貨一時収納部62へ収納され終わっている。
【0154】
なお、入金搬送系131 と出金搬送系132 が、本実施の形態では、その大半を共通にしているので、入金搬送系131 と出金搬送系132 の駆動制御も大部分が共通化したものとなっているが、入金搬送系131 と出金搬送系132 を全く別にしてもよく、図12の第2の駆動制御部204 も入金搬送系131 と出金搬送系132 とによってその駆動制御は異ならせてもよい。
【0155】
なお、前記所定時間経過後の第2の駆動制御部204 による搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20の回転停止を通じ、出金硬貨はすべて確実に硬貨受収口2へ送り出される。
【0156】
また、この出金完了時点、すなわち、所定時間経過時点で金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の記憶枚数のうち出金に使われた金種の枚数分が対応する金種の記憶枚数から減算される。他の金種の金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の記憶値はそのままとする。
【0157】
また、投出時間を少なくするために、出金に使用しない硬貨をすべて補給用硬貨分岐部34へ分岐させるようにしたが、硬貨が充足していない金種別収納部44がある場合には、対応する金種別分岐部31a 〜31f へ分岐させてもよい。その場合は出金完了時点で金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6のうち金種別分岐部31a 〜31f へ送り込まれた硬貨枚数分を対応金種の記憶枚数から減算させる。一方、補給された金種の収納枚数記憶部A1〜A6の枚数は金種別補給枚数分だけ加算させる。
【0158】
また、第1の通路域12a の識別部30で異常硬貨と識別されたリジェクト硬貨は、オーバーフロー分岐部32で分岐され、シュート39、切換板52(出金動作の開始時に切り換えられている)、シュート53、切換板54(出金動作の開始時に切り換えられている)およびシュート55を通じて出金リジェクト硬貨収納箱57に収納される。そして、リジェクト硬貨として回収された金種の硬貨が金種別収納部44から再度投出されて、上述の出金動作が行なわれる。
【0159】
なお、硬貨受部3に戻された入金硬貨、硬貨受部3に出金された出金硬貨などの取り忘れ硬貨は、貯留繰出部8から硬貨通路12を経てオーバーフロー分岐部32から出金リジェクト硬貨収納箱57に回収される。
【0160】
また、入金、出金処理毎に金種別収納部44、補給用硬貨一時収納部62および回収金庫60内に収納された金種別の枚数が制御部201 (各記憶部A1〜A6、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D6、E1〜E6)にて管理される。
【0161】
次に、硬貨補充処理について説明する。
【0162】
まず、機体1の着脱受部72に、補充硬貨を金種別で重積状態に収納する金種別補充硬貨収納部76a を有する第1の硬貨補充カセット71a が装着されている場合に、この第1の硬貨補充カセット71a からの硬貨補充について説明する。
【0163】
金種別収納部44に硬貨が収納されていない初期補充時において、機体1側のシャッタ開放駆動機構(図示せず)により、第1の硬貨補充カセット71a の所定の補充硬貨収納部76のシャッタ開閉機構(図示せず)が開放駆動され、このシャッタ開閉機構を介して対応する補充硬貨収納部76のシャッタ79が開放される。
【0164】
この補充硬貨収納部76のシャッタ79の開放により、補充硬貨収納部76に収納されていた補充硬貨が一括して放出され、シュート125 で搬送コンベヤ50上に導かれる。搬送コンベヤ50に導かれた補充硬貨は、搬送コンベヤ50で貯留繰出部8に送り込まれ、この貯留繰出部8から硬貨通路12に1枚ずつ繰り出され、硬貨通路12の第1の通路域12a の識別部30で識別され、第2の通路域12b の対応する金種別分岐部31a 〜31f で分岐され、シュート38を通じて対応する金種別収納部44に補充収納される。このとき、投出板46は退避状態にあり、補充硬貨は金種別入金一時保留部42に一時保留されることなく、金種別収納部44に補充収納される。
【0165】
また、識別部30で異常硬貨と識別されたリジェクト硬貨は、オーバーフロー分岐部32で分岐され、シュート39、切換板52(補充動作の開始時に切り換えられている)、シュート53、切換板54(補充動作の開始時に切り換えられている)およびシュート56を通じて補給リジェクト硬貨収納箱58に収納される。
【0166】
なお、硬貨補充カセット71a に同一金種の硬貨を収納する補充硬貨収納部76が複数設けられている金種の硬貨を補充する場合は、予め設定されている順序で放出されるようになっている。
【0167】
また、金種別収納部44のいずれかの硬貨収納量が所定量より減少した場合の途中補充時においては、機体1側のシャッタ開放駆動機構(図示せず)により、第1の硬貨補充カセット71a の補充硬貨収納部76のうち、減少金種に対応する補充硬貨収納部76のシャッタ開閉機構(図示せず)が開放駆動され、このシャッタ開閉機構を介して対応する補充硬貨収納部76のシャッタ79が開放され、上述の初期補充と同様に補充処理される。
【0168】
なお、第1の硬貨補充カセット71a から補充された硬貨は、入金処理の場合と同様に金種別収納部44に収納された枚数に対し、識別部30と分岐に関する硬貨検知センサS1〜S11 に基づき分岐確認されたデータが加算されて在高管理される。
【0169】
続いて、機体1の着脱受部72に、補充硬貨を金種混合状態で重積状態に収納する補充硬貨収納部76を有する第2の硬貨補充カセット71b が装着されている場合に、この第2の硬貨補充カセット71b からの硬貨補充について説明する。
【0170】
金種別収納部44に硬貨が収納されていない初期補充時において、機体1側のシャッタ開放駆動機構(図示せず)により、第2の硬貨補充カセット71b の硬貨が収納されている1つの補充硬貨収納部76(配置順の補充硬貨収納部76)のシャッタ開閉機構(図示せず)が開放駆動され、このシャッタ開閉機構を介して対応する補充硬貨収納部76のシャッタ79が開放される。
【0171】
この補充硬貨収納部76のシャッタ79の開放により、補充硬貨収納部76に収納されていた補充硬貨が一括して放出され、シュート125 で搬送コンベヤ50上に導かれる。搬送コンベヤ50に導かれた補充硬貨は、搬送コンベヤ50で貯留繰出部8に送り込まれ、この貯留繰出部8から硬貨通路12に1枚ずつ繰り出され、硬貨通路12の第1の通路域12a の識別部30で識別され、第2の通路域12b の金種別分岐部31a 〜31f で金種別に分岐され、シュート38を通じて金種別収納部44に補充収納される。このとき、投出板46は退避状態にあり、補充硬貨は金種別入金一時保留部42に一時保留されることなく、金種別収納部44に補充収納される。
【0172】
また、ある金種の金種別収納部44の充足量に達した後の補充硬貨が識別部30を通過した時点で、その補充硬貨は対応する金種別分岐部31a 〜31f では分岐されずに補給用硬貨分岐部34で分岐されて補給用硬貨一時収納部62に収納される。なお、回収金庫60は原則としては機体1に装着されている。そして、補給用硬貨一時収納部62へ収納される金種でこの補給用硬貨一時収納部62に収納可能とする収納量(最大では210枚、金種別には1円、10円、100円は各々60枚、5円、50円、500円は各々10枚であり、各々実質枚数である)に達した金種(最大枚数に達した場合には全金種)は回収分岐部33で分岐されて回収金庫60へ収納される。また、回収金庫60の抜き取り状態では、上述した条件1,2,3のいずれも検知されない限り補給用硬貨一時収納部62へ硬貨が収納される。
【0173】
また、識別部30で異常硬貨と識別されたリジェクト硬貨は、オーバーフロー分岐部32で分岐され、シュート39、切換板52(補充動作の開始時に切り換えられている)、シュート53、切換板54(補充動作の開始時に切り換えられている)およびシュート56を通じて補給リジェクト硬貨収納箱58に収納される。
【0174】
また、金種別収納部44のいずれかの硬貨収納量が所定量より減少した場合の途中補充時において、機体1側のシャッタ開放駆動機構(図示せず)により、第2の硬貨補充カセット71b の硬貨が収納されている1つの補充硬貨収納部76のシャッタ開閉機構(図示せず)が開放駆動され、このシャッタ開閉機構を介して対応する補充硬貨収納部76のシャッタ79が開放され、上述の初期補充と同様に補充処理される。
【0175】
なお、第2の硬貨補充カセット71b から補充された硬貨は、入金処理の場合と同様に金種別収納部44に収納された枚数に対し、識別部30と硬貨検知センサS1〜S11 で分岐確認された枚数が加算されて在高管理される。
【0176】
続いて、補給用硬貨一時収納部62からの硬貨補給について説明する。
【0177】
この補給用硬貨一時収納部62からの硬貨補給は、金種別収納部44のいずれかの硬貨収納量が所定量より減少した場合の途中補給時において、その金種の硬貨が補給用硬貨一時収納部62に収納されている場合に行なわれる。
【0178】
補給用硬貨一時収納部62からの硬貨補給が開始されると、補給用硬貨一時収納部62のシャッタ67が開放されるとともに送出コンベヤ64が駆動され、補給用硬貨一時収納部62内の補給用硬貨が搬送コンベヤ50上に送り出される。
【0179】
搬送コンベヤ50に送り出された補給用硬貨は、搬送コンベヤ50で貯留繰出部8に送り込まれ、この貯留繰出部8から硬貨通路12に1枚ずつ繰り出され、硬貨通路12の第1の通路域12a の識別部30で識別され、第2の通路域12b の金種別分岐部31a 〜31f で金種別に分岐され、シュート38を通じて金種別収納部44に補給収納される。このとき、投出板46は退避状態にあり、補給硬貨は金種別入金一時保留部42に一時保留されることなく、金種別収納部44に補給収納される。
【0180】
また、ある金種の金種別収納部44の充足量に達した後の補給硬貨が識別部30を通過した時点で、その補給硬貨は対応する金種別分岐部31a 〜31f では分岐されずに補給用硬貨分岐部34で分岐されて補給用硬貨一時収納部62に戻されて収納される。
【0181】
なお、補給用硬貨一時収納部62から補給される硬貨だけでは金種別収納部44が満たされない場合には、第1または第2の硬貨補充カセット71a ,71b からの硬貨補充が行なわれる。
【0182】
次に、機体1内の硬貨回収処理について説明する。
【0183】
回収指令により、金種別収納部44内の硬貨が投出板46で投出されて搬送コンベヤ50上に導かれるとともに、補給用硬貨一時収納部62内の硬貨が送出コンベヤ64で搬送コンベヤ50上に送り出される。搬送コンベヤ50上の硬貨は、搬送コンベヤ50の駆動で貯留繰出部8に送り込まれ、貯留繰出部8から1枚ずつ硬貨通路12に繰り出され、硬貨通路12の第1の通路域12a の識別部30で金種および枚数が識別され、第2の通路域12b の回収分岐部33で分岐され、シュート40を介して回収金庫60に回収される。
【0184】
このように回収金庫60内に回収された硬貨はすべて識別部30あるいはそれに加えて硬貨検知センサS1〜S11 で確認した硬貨であり、金種別枚数が正確に確認される。
【0185】
この処理で、回収金庫だけが引き抜かれると、上述した条件1,2,3のどれかが検知されるまで、入金処理は続行可能となる。
【0186】
回収金庫60への回収後、その回収金庫60とともに、第1または第2の硬貨補充カセット71a ,71b 、出金リジェクト硬貨収納箱57および補給リジェクト硬貨収納箱58が機体1内から取り出される(信号R0,R2の入力の発生)。また、銀行などの中央精算室で、各収納箱57,58、回収金庫60、各硬貨補充カセット71a ,71b から硬貨を取り出した後、空の各収納箱57,58、回収金庫60、各硬貨補充カセット71a ,71b を機体1に装着して、入出金処理または補充処理に備える。
【0187】
次に、精査処理について説明する。
【0188】
精査処理は、定期精査モード(銀行によって異なるが、1日の終業時に行なう1日精査と、1週間の終わりすなわち週末の終業時に行なう1週間精査があり、動作は両方同じである)と、非定期精査モード(例えば、機体1内に硬貨詰まりが発生したり部品が摩耗してきて取り換えを行なうために、金種別収納部44を取り外すことが生じた場合に、精査を行ない、機体1内の硬貨の額(金種と枚数)を確定する。また、ある金種の金種別収納部44について硬貨立ちが生じ、その金種の金種別収納部44のみ硬貨詰まりを直した後、その金種についてのみ部分精査を行なう)がある。
【0189】
まず、定期精査モードが信号Waで選定(非定期精査モードもこの信号Waにより選定される)され、次に信号Wcが入力されると精査が自動的に行なわれるもので、金種別収納部44の精査、補給用硬貨一時収納部62の精査を順に説明する。
【0190】
そして、定期精査モードでの金種別収納部44の精査を説明する。
【0191】
金種別収納部44の精査では、自動的に、ある金種別収納部44(例えば1円の金種別収納部44)の硬貨が1枚ずつ投出され、回転している搬送コンベヤ50に送られる。このとき、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20は停止しており、搬送コンベヤ50で搬送される硬貨は貯留繰出部8に貯留される。その金種別収納部44の硬貨枚数は収納枚数記憶部A1〜A6で記憶されており、投出する毎に対応する収納枚数記憶部A1〜A6の記憶値が減算される。対応する収納枚数記憶部A1〜A6が零値になり、その金種別収納部44の硬貨有無検知センサ(図示せず)が硬貨無しを検知すると、投出動作が停止されるとともに、対応する収納枚数記憶部A1〜A6がクリアリセットされ、その金種別収納部44への硬貨送り込みの際の加算に備える。
【0192】
投出すべき金種別収納部44に対応する収納枚数記憶部A1〜A6が零値になっているにもかかわらず、金種別収納部44の硬貨有無検知センサが硬貨有りを検知しているときは、投出動作が継続され、硬貨有無検知センサが硬貨無しを検知した時点で、硬貨の投出動作が停止されるとともに、対応する収納枚数記憶部A1〜A6がクリアリセットされ、その金種別収納部44への硬貨送り込みの際の加算に備える。
【0193】
金種別収納部44の硬貨有無検知センサが硬貨無しを検知してから所定時間(最後に投出された硬貨が貯留繰出部8へ確実に送り込まれるのに十分な時間)後に、搬送コンベヤ50が停止される。その直後に、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20(返却硬貨搬送ベルト20は連動回転しているだけでこの動作には関係ない)が回転される。
【0194】
なお、全ての金種の貯留繰出部8内での収納量は、最大で、1円は130枚、5円と50円は120枚、10円と100円は110枚、500円は100枚となり、回転円盤9の停止状態でいずれかの金種別収納部44の硬貨が送り込まれて貯留されても、貯留繰出部レベル検知部Hの上限検知センサを遮ることはなく、回転円盤9による硬貨の送り出しに支障はない。
【0195】
回転円盤9、搬送ベルト17が回転されると、硬貨は1枚ずつ連続的に硬貨通路12へ送られ、識別部30で識別され、かつ、硬貨検知センサS1,S1,S3…などで追跡され、対応する金種別分岐部31a 〜31f (例えば、1円の金種別分岐部31a )で分岐されて対応する金種別収納部44へ一時保留されることなく収納される。
【0196】
識別部30で識別され、硬貨検知センサS1,S1,S3…などで追跡されて分岐される硬貨は、枚数確認され、対応する収納枚数記憶部A1〜A6に加算記憶される。
【0197】
このとき、識別部30で金種識別できないものは出金リジェクト硬貨収納箱57へ収納される。また、識別部30で金種識別されるが分岐すべき金種別分岐部31a 〜31f で分岐されなかった硬貨は、金種識別されているが硬貨検知センサS1,S1,S3…などを通じ正規の分岐が行なわれなかったと判断されているので、対応する収納枚数記憶部A1〜A6には加算されず、リジェクト硬貨として出金リジェクト硬貨収納箱57へ収納される。
【0198】
なお、識別部30で金種識別されるが分岐すべき金種別分岐部31a 〜31f で分岐されなかった硬貨は、出金リジェクト硬貨収納箱57へ送らず、補給用硬貨分岐部34で分岐して補給用硬貨一時収納部62へ一時収納し、補給用硬貨一時収納部62の対応する金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に加算するようにしてもよい。なぜなら、補給用硬貨一時収納部62の精査は一番最後に行なうからである。
【0199】
こうして、貯留繰出部8の硬貨無検知センサが硬貨無しを検知し、識別部30が硬貨を識別してから所定時間硬貨を検知しないとき、その金種の硬貨(例えば1円)の精査を終わり、例えば1円用の収納枚数記憶部A1には新たに収納された計数値が記憶されることになり、その金種の精査が終わる。
【0200】
この精査が終わると、対応する収納枚数記憶部A1〜A6の1個が新たにカウントアップされ、識別部30、貯留繰出部レベル検知部H、硬貨検知センサS1,S1,S3…などが所定時間無しを検知したことを条件に、精査終了と判断され、自動的に次の金種の精査に移り、こうして全ての金種別収納部44の精査が行なわれる。
【0201】
こうして、全ての金種別収納部44の精査が済むと、自動的に補給用硬貨一時収納部62の精査に移る。
【0202】
次に、定期精査モードでの補給用硬貨一時収納部62の精査を説明する。
【0203】
補給用硬貨一時収納部62の精査時において、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Ax(金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の合計枚数)が100枚以下(硬貨受部3の許容収納量Bmax以下、すなわちAx<Bmax)の場合、信号Waの入力状態で自動的に補給用硬貨一時収納部62の精査に切り換わると、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に記憶されている枚数値が精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6に転送されて固定記憶(精査終了時点まで保持し、その終了時点でクリアされる)され、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数値が100枚以下のときにはそれに対応するモード信号が出力され、硬貨通路12の金種別分岐部31a 〜31f の切り換え制御が行なわれる。金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の記憶は数値を転送した時点でゼロクリアされる。
【0204】
その状態で、補給用硬貨一時収納部62内の硬貨は、シャッタ67の開放および送出コンベヤ64の駆動で搬送コンベヤ50へ送り出され、搬送コンベヤ50、貯留繰出部8、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20を通じて硬貨受部3へ送られて貯留される。このとき、リジェクト硬貨は出金リジェクト収納箱57へ収納される。
【0205】
補給用硬貨一時収納部62の補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iが硬貨無しを所定時間継続して検知し、貯留繰出部レベル検知部Hのうち硬貨無検知センサが硬貨無しを検知し、識別部30および硬貨検知センサS1,S1,S3…などが硬貨を検知してから所定時間硬貨無しを検知したとき、補給用硬貨一時収納部62の硬貨が全て硬貨受部3へ送られたと判断され、各駆動が停止される。
【0206】
なお、識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…などが硬貨検知から所定時間硬貨無しを検知しているにもかかわらず、貯留繰出部レベル検知部Hの硬貨無検知センサが硬貨有り(実際は硬貨の場合もあれば異物の場合もある)を検知していると、貯留繰出部8のホッパ10の開閉板22の開放により、戻し口23および回収シュート24を通じて、回収シュート24の途中から図示しない異物回収箱へ送られる。これは、100枚を越え210枚以下、210を越え450以下の場合も同じである。
【0207】
このように、識別部30で金種と金種毎の枚数の一次識別が行なわれ、100枚以内であるこれら硬貨は全て一旦、硬貨受部3へ一時貯留される。
【0208】
その後、このモードでは、硬貨受部3が反転され、全ての硬貨が貯留繰出部8へ送られる。その直後に、回転円盤9、搬送ベルト17が駆動され、硬貨は補給用硬貨一時収納部62へ送られるとともに、識別部30と硬貨検知センサS1,S1,S3…などで硬貨の枚数(補給用硬貨一時収納部62への収納硬貨枚数)が確認され、それら枚数値が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6(金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の記憶は、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6への枚数値の転送時にゼロクリアされている)に順次加算されていく。こうして全ての硬貨が補給用硬貨一時収納部62へ収納された段階で収納硬貨の金種別枚数が全て金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に記憶されて確認(精査)され、精査が終わる。
【0209】
精査の終了は、貯留繰出部レベル検知部Hの硬貨無検知センサが硬貨無しを検知し、識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…などの硬貨無し検知がいずれも所定時間続いたときに精査終了とされ、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の記憶がここで初めてクリアされる。
【0210】
また、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の記憶値合計が100枚以下であるにもかかわらず、識別部30での一次識別時(硬貨受部3への硬貨送り時)に識別部30を通過する硬貨が100枚を越した場合、100枚は硬貨受部3へ収納し、以後の硬貨(但し、リジェクト硬貨は入金リジェクト硬貨収納箱57へ収納)は、補給用硬貨分岐部34を介して補給用硬貨一時収納部62へ収納される。このとき、補給用硬貨一時収納部62の送出コンベヤ64は停止状態とされ、シャッタ67は閉じられている。一方、搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17は所定時間回転され、貯留繰出部レベル検知部H、識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…などが硬貨無しを所定時間検知すると、100枚を越える硬貨(硬貨受部3へ送り込まれた以後の硬貨)が補給用硬貨一時収納部62へ全部戻されたと判断される。
【0211】
この補給用硬貨一時収納部62内の硬貨が、シャッタ67の開放、送出コンベヤ64および搬送コンベヤ50の駆動により、貯留繰出部8へ送られる。このとき、回転円盤9と搬送ベルト17は停止されている。補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iが所定時間硬貨無しを検知した状態で、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6への加算が可能な状態となり、送出コンベヤ64の停止、シャッタ67の閉鎖が行なわれた後、回転円盤9および搬送ベルト17が回転され、貯留繰出部8内の硬貨は識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…を通じて補給用硬貨分岐部34から補給用硬貨一時収納部62へ収納され、識別検知された収納枚数が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に加算される。
【0212】
貯留繰出部レベル検知部Hが硬貨無し検知し、識別部30と硬貨検知センサS1,S1,S3…なども硬貨無しを検知し、それが所定時間継続すると、上述したように、硬貨受部3の硬貨が貯留繰出部8へ送り込まれ、貯留繰出部8内の硬貨は識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…を通じて補給用硬貨一時収納部62に収納される。金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の値(100枚を越える分、すなわち、硬貨受部3へ送り込まれた以後の硬貨分の値)に、硬貨受部3から補給用硬貨一時収納部62に収納される硬貨の値が順次加算され、全ての硬貨が補給用硬貨一時収納部62へ収納された段階でその全ての収納枚数が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に記憶される。一方、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の値は精査終了時にクリアされる。
【0213】
次に、補給用硬貨一時収納部62の精査時において、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Ax(精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数)が100枚を越え210枚以下(硬貨受部3の許容収納量Bmaxより多いとともに硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)以下、すなわち(Bmax+Cmax)≧Ax>Bmax)の場合、金種別収納部44の精査時と同様に、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に記憶されている枚数値が精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6に転送されて固定記憶される。精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数値が100枚を越え210枚以下であるときは、それに対応するモード信号を出力する。
【0214】
その状態で、補給用一時収納部62のシャッタ67の開放、送出コンベヤ64、搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20が駆動される。補給用硬貨一時収納部62内の硬貨のうち100枚分は硬貨受部3へ、100枚を越えた以後の硬貨は補給用硬貨分岐部34を介して補給用硬貨一時収納部62へ収納される。このとき、補給用硬貨一時収納部62の送出コンベヤ64は停止状態とされ、シャッタ67は閉じられている。リジェクト硬貨は出金リジェクト硬貨収納箱57へ収納される。一方、搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17は所定時間回転され、貯留繰出部レベル検知部H、識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…などが硬貨無しを所定時間検知すると、100枚を越える硬貨(硬貨受部3へ送り込まれた以後の硬貨)が補給用硬貨一時収納部62へ全部戻されたと判断される。
【0215】
この補給用硬貨一時収納部62内の硬貨が、シャッタ67の開放、送出コンベヤ64および搬送コンベヤ50の駆動により、貯留繰出部8へ送られる。このとき、回転円盤9と搬送ベルト17は停止されている。また、このとき、補給用硬貨一時収納部62の硬貨が全量、貯留繰出部8へ送られても、精査時の上限枚数Cmaxは110枚(数枚のオーバーフロー(金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の合計値に対する実際の値はせいぜい数枚のオーバー値である)は許容範囲として扱っている)とされ、許容範囲であり、硬貨通路12への硬貨の送り出しには支障はない。補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iが所定時間硬貨無しを検知した状態で、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6への加算が可能な状態となり、送出コンベヤ64の停止、シャッタ67の閉鎖が行なわれた後、回転円盤9および搬送ベルト17が回転され、貯留繰出部8内の硬貨は識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…を通じて補給用硬貨分岐部34から補給用硬貨一時収納部62へ収納され、識別検知された収納枚数が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に加算される。
【0216】
貯留繰出部レベル検知部Hが硬貨無し検知し、識別部30と硬貨検知センサS1,S1,S3…なども硬貨無しを検知し、それが所定時間継続すると、上述したように、硬貨受部3の硬貨が貯留繰出部8へ送り込まれ、貯留繰出部8内の硬貨は識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…を通じて補給用硬貨一時収納部62に収納される。金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の値(100枚を越える分、すなわち、硬貨受部3へ送り込まれた分以外の硬貨分の値)に、硬貨受部3から補給用硬貨一時収納部62に収納される硬貨の値が順次加算され、全ての硬貨が補給用硬貨一時収納部62へ収納された段階でその全ての収納枚数が金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に記憶される。一方、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の値は精査終了時にクリアされる。
【0217】
なお、このモードにおいて、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計値が100枚を越えているにもかかわらず、識別部30での一次識別(硬貨受部3への送り込み動作)で100枚以下であった場合、補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iが硬貨無し、貯留繰出部レベル検知部Hが硬貨無し、識別部30および硬貨検知センサS1,S1,S3…が硬貨無しを所定時間検知しないことにより、補給用硬貨一時収納部62への硬貨の戻し動作がなされなかったと判断し、硬貨受部3の硬貨の補給用硬貨一時収納部62への戻し動作(戻し枚数の金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6への加算)が行なわれて精査される。
【0218】
また、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数が210枚以下であるにもかかわらず、実際値が210枚を越える場合は、数枚のオーバーフロー値であるので、100枚は硬貨受部3へ送り、残りの全ての硬貨を補給用硬貨一時収納部62へ送って、上述した精査動作が継続して行なわれる。
【0219】
次に、補給用硬貨一時収納部62の精査時において、回収金庫60が引き抜き状態にあって、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Ax(精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数)が210枚を越え450枚以下(硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)より多く、すなわち、Ax>(Bmax+Cmax))の場合について説明する。
【0220】
なお、450枚の値には、上述した条件1,2,3がつく。すなわち、条件1では、硬貨の換算値枚数で450枚まで収納可能とする。但し、信号R3、R0の入力時でのことであり、つまり、もし、回収金庫60と一緒に入金リジェクト硬貨収納箱57も引き抜かれているときは信号R2が入力されており、この場合には、リジェクト硬貨の収納箇所がないので、機械ダウンとなり、入金リジェクト硬貨収納箱57の装着で入出金処理が可能とされる。条件2では、補給用硬貨一時収納部レベル検知部Iの満杯検知センサが硬貨で遮られて満杯を検知すると、それ以降は硬貨の入金処理を行なわない。但し、その回の入金取引は行ない、それ以降の入金処理を中止する。条件3では、1円、10円、100円は各々125枚、5円、50円、500円は各々25枚まで収納可能とする。それ故、条件1、2、3のいずれかの検知(条件3についてはいずれかの金種についての検知)で入金処理を休止させる。
【0221】
金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の枚数値が精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6に転送されて固定記憶され、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数が210枚以上のモード信号が出力される。金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の記憶は数値を転送した時点でゼロクリアされる。
【0222】
その状態で、補給用一時収納部62のシャッタ67の開放、送出コンベヤ64、搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20が駆動され、補給用硬貨一時収納部62内の硬貨が搬送コンベヤ50、貯留繰出部8、硬貨通路12へ送られる。補給用硬貨一時収納部62内の硬貨のうち、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計枚数から210枚を引いた値分の硬貨が余剰回収硬貨(Ax−(Bmax+Cmax))とされて、回収分岐部33で分岐されて回収金庫60へ収納される。全ての余剰回収硬貨(Ax−(Bmax+Cmax))が分岐された以後の硬貨は、補給用硬貨分岐部34で分岐されて補給用硬貨一時収納部62へ収納される。この時点で、補給用硬貨一時収納部62のシャッタ67の閉鎖、送出コンベヤ64の停止されるが、搬送コンベヤ50、回転円盤9、搬送ベルト17、返却硬貨搬送ベルト20の回転は継続され、送り出された残りの硬貨が補給用硬貨一時収納部62へ戻される。そして、貯留繰出部レベル検知部H、識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…が硬貨無しを所定時間検知することにより、硬貨(回収金庫60へ収納される硬貨以外の硬貨)が全て補給用硬貨一時収納部62へ回収されたものと判断される。
【0223】
この動作が済むと、同様にして、補給用硬貨一時収納部62内の210枚(精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計値)の硬貨のうち、100枚分は硬貨受部3へ、100枚を越えた以後の硬貨は補給用硬貨分岐部34を介して補給用硬貨一時収納部62へ収納される。このとき、補給用硬貨一時収納部62の送出コンベヤ64は停止状態とされ、シャッタ67は閉じられている。そして、貯留繰出部レベル検知部H、識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…などが硬貨無しを所定時間検知すると、100枚を越える硬貨が補給用硬貨一時収納部62へ全部戻されたと判断される。
【0224】
この動作が済むと、同様にして、補給用硬貨一時収納部62内の硬貨(精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6のデータ上は110枚)が貯留繰出部8に貯留され、補給用硬貨一時収納部62が空にしてから、貯留繰出部8内の硬貨が補給用硬貨一時収納部62へ送られる(識別部30、硬貨検知センサS1,S1,S3…などから計数値を金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に加算する)。
【0225】
それが済むと、硬貨受部3の100枚の硬貨について識別計数して補給用硬貨一時収納部62へ送り、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6に加算する。
【0226】
この場合、回収金庫60へ入れた硬貨分以外は、精査初期時金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部d1〜d6の合計値が210枚であるので、実際値が例えば215枚なら、その215枚そのままが精査枚数として補給用硬貨一時収納部62へ収納される。
【0227】
なお、精査枚数の金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6への加算は、補給用硬貨一時収納部62内の硬貨無しが貯留繰出部レベル検知部Hで検知された状態(貯留繰出部8と硬貨受部3への硬貨の貯留状態)から始まり、識別部30と硬貨検知センサS1,S1,S3…などの検知に基づき加算される。
【0228】
なお、回収金庫60へ回収する硬貨について、金種別収納部44のうち硬貨収納量が減少している金種については回収金庫60へ送るまでに対応する金種別収納部44へ補充するようにし、補充が必要でなくなった硬貨を回収金庫60へ回収してもよく、この場合、硬貨の補充上、有効利用が図れる。この場合、金種別収納部44へ硬貨が補充されると、補充枚数分を収納枚数記憶部A1〜A6に加算し、精査値を更新するようにする。
【0229】
また、補給用硬貨一時収納部62の金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の合計値が210枚以下の場合でも、金種別収納部44へ補充するとともに補充枚数を収納枚数記憶部A1〜A6に加算し、充足されている金種について補給用硬貨一時収納部62へ戻して精査枚数としてもよい。
【0230】
なお、硬貨の補充処理と精査処理の違いについて説明すると、補充処理は補給用硬貨一時収納部62の硬貨を空にすることなく、補充すべき金種硬貨を金種別収納部44へ送るのに対し、精査処理では精査部分(金種別収納部44または補給用硬貨一時収納部62)を空にした後、収納させて収納枚数を確認するのである。
【0231】
次に、非定期検査モードが信号Waで選定され、次の信号Wbにより金種別収納部44および補給用硬貨一時収納部62のうちの精査箇所(例えば1円の金種別収納部44と補給用硬貨一時収納部62)が選定されると、その選択された箇所の精査動作が行なわれる。この場合、精査箇所は、どれか1箇所でもよいし、全部でもよく、全部の場合は定期精査モードと同じである。なお、2箇所以上の場合は、1箇所の精査が済むと別箇所の精査に自動的に移る。
【0232】
各箇所の精査動作および収納枚数記憶部A1〜A6、金種別補給用硬貨一時収納枚数記憶部D1〜D6の精査時のリセットと加算動作、精査が2箇所以上の場合の他の精査箇所への自動変更(順位は定期精査モードを原則とし、定期精査モードの順位のうち非定期精査モードで指定されたものだけを定期精査モードの順位で精査する)は定期精査モードと同様である。
【0233】
以上のように、入金承認時に入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を補給用硬貨一時収納部62に一時収納し、補給時に補給用硬貨一時収納部62の一時収納硬貨を入金搬送系131 へ送り出すことにより、入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を金種別収納部44への補給に使用できる。
【0234】
しかも、補給用硬貨一時収納部62の精査時に、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量が硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)より多いときは、すなわち、Ax>(Bmax+Cmax)のときは、その合計許容収納量(Bmax+Cmax)より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部62から余剰回収硬貨(Ax−(Bmax+Cmax))を送り出して入金搬送系131 を通じて回収金庫60へ収納するとともに、補給用硬貨一時収納部62から残りの硬貨(Bmax+Cmax)を送り出して入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3および貯留繰出部8に各々許容収納量(Bmax、Cmax)の範囲で分配収納し、貯留繰出部8と硬貨受部3とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収し、かつ、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量が硬貨受部3の許容収納量Bmaxより多いとともに硬貨受部3の許容収納量Cmaxと貯留繰出部8の許容収納量とを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)以下のときは、すなわち(Bmax+Cmax)≧Ax>Bmaxのときは、補給用硬貨一時収納部62から全ての硬貨を送り出して入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3および貯留繰出部8に各々許容収納量(Bmax、Cmax)の範囲で分配収納し、貯留繰出部8と硬貨受部3とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収し、かつ、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量が硬貨受部3の許容収納量Bmax以下のときは、補給用硬貨一時収納部62から全ての硬貨を送り出して入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3に収納し、硬貨受部3に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部62の精査機能を確保できるとともに、必要量の硬貨を機体1内に残してそれ以上の硬貨を回収金庫60にて機体1外に回収可能にできる。
【0235】
さらに、補給用硬貨一時収納部62の一時収納量を、回収金庫60の装着状態では硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)に設定することにより、補給用硬貨一時収納部62の精査時の処理効率を向上でき、かつ、回収金庫60の未装着状態では補給用硬貨一時収納部62の許容収納量Amaxに設定することにより、回収金庫60の未装着状態のままでも、補給用硬貨一時収納部62への入金オーバーフロー硬貨の一時収納量が補給用硬貨一時収納部62の許容収納量Amaxに達するまで入金処理を可能にできる。
【0236】
さらに、回収金庫60の装着時に、補給用硬貨一時収納部62から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系131 を通じて金種別収納部44および回収金庫60の少なくとも一方に収納することにより、補給用硬貨一時収納部62の一時収納量を設定値に保ち、精査時の処理効率を向上できる。
【0237】
さらに、補給用硬貨一時収納部62の精査時に送り出した全ての硬貨のうち、入金搬送系131 の識別部30で正常と識別される正常回収硬貨の全量を補給用硬貨一時収納部62に回収させることにより、精査時に補給用硬貨一時収納部62内に正常な硬貨のみを収納させることができる。
【0238】
さらに、補給用硬貨一時収納部62の精査時に、硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収するのと並行して硬貨量の不足する金種別収納部44へ補給させることにより、精査時に硬貨を金種別収納部44に補給することができる。
【0239】
なお、前記実施の形態では、精査時に、補給用硬貨一時収納部62内の硬貨量Axが硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)より多いとき、すなわちAx>(Bmax+Cmax)のとき以外の場合において、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axが硬貨受部3の許容収納量Bmaxより多いか判断していたが、貯留繰出部8の許容収納量Cmaxより多いかで判断してもよい。
【0240】
すなわち、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axが貯留繰出部8の許容収納量Cmaxより多いとともに硬貨受部3の許容収納量Bmaxと貯留繰出部8の許容収納量Cmaxとを合わせた合計許容収納量(Bmax+Cmax)以下のときは、すなわち、(Bmax+Cmax)≧Ax>Cmaxのときは、補給用硬貨一時収納部62から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系131 および出金搬送系132 を通じて硬貨受部3および貯留繰出部8に各々許容収納量(Bmax、Cmax)の範囲で分配収納させ、貯留繰出部8と硬貨受部3とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収させ、かつ、補給用硬貨一時収納部62の硬貨収納量Axが貯留繰出部8の許容収納量Cmax以下のときは、すなわち、Ax<Cmaxのときは、硬貨受部3へ送ることなく、補給用硬貨一時収納部62から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系131 を通じて貯留繰出部8に収納させ、貯留繰出部8に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系131 を通じて補給用硬貨一時収納部62へ回収させる。この場合にも、前記実施の形態と同様の作用硬貨を奏する。
【0241】
なお、搬送コンベヤ50に硬貨を供給する場合、搬送コンベヤ50を停止状態としてもよく、また、硬貨が供給されるときに間欠的に駆動させて硬貨が搬送コンベヤ50に均等に載置されるようにすることもできる。
【0242】
また、硬貨受収口2は、入金口と出金口とにそれぞれ別々に形成することもできる。
【0243】
【発明の効果】
請求項1記載の循環式硬貨入出金機によれば、入金承認時に入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を補給用硬貨一時収納部に一時収納し、補給時に補給用硬貨一時収納部の一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すことにより、入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を金種別収納部への補給に使用できる。しかも、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部に収納し、硬貨受部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収し、かつ、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保できる。
【0244】
請求項2記載の循環式硬貨入出金機によれば、請求項1記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系を通じて回収金庫へ収納するとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保できるとともに、必要量の硬貨を機体内に残してそれ以上の硬貨を回収金庫にて機体外に回収可能にできる。
【0245】
請求項3記載の循環式硬貨入出金機によれば、入金承認時に入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を補給用硬貨一時収納部に一時収納し、補給時に補給用硬貨一時収納部の一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すことにより、入金硬貨中の入金オーバーフロー硬貨を金種別収納部への補給に使用できる。しかも、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が貯留繰出部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系を通じて貯留繰出部に収納し、貯留繰出部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収し、かつ、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が貯留繰出部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保できる。
【0246】
請求項4記載の循環式硬貨入出金機によれば、請求項3記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、補給用硬貨一時収納部の精査時に、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系を通じて回収金庫へ収納するとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出して入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納し、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収することにより、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量に制限されることなく精査機能を確保できるとともに、必要量の硬貨を機体内に残してそれ以上の硬貨を回収金庫にて機体外に回収可能にできる。
【0247】
請求項5記載の循環式硬貨入出金機によれば、請求項2または4記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、補給用硬貨一時収納部の一時収納量を、回収金庫の装着状態では硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量に設定することにより、補給用硬貨一時収納部の精査時の処理効率を向上でき、かつ、回収金庫の未装着状態では補給用硬貨一時収納部の許容収納量に設定することにより、回収金庫の未装着状態のままでも、補給用硬貨一時収納部への入金オーバーフロー硬貨の一時収納量が補給用硬貨一時収納部の許容収納量に達するまで入金処理を可能にできる。
【0248】
請求項6記載の循環式硬貨入出金機によれば、請求項5記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、回収金庫の装着時に、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出して入金搬送系を通じて金種別収納部および回収金庫の少なくとも一方に収納することにより、補給用硬貨一時収納部の一時収納量を設定値に保ち、精査時の処理効率を向上できる。
【0249】
請求項7記載の循環式硬貨入出金機によれば、請求項1ないし4いずれか記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、補給用硬貨一時収納部の精査時に送り出した全ての硬貨のうち、入金搬送系の識別部で正常と識別される正常回収硬貨の全量を補給用硬貨一時収納部に回収させることにより、精査時に補給用硬貨一時収納部内に正常な硬貨のみを収納させることができる。
【0250】
請求項8記載の循環式硬貨入出金機によれば、請求項1ないし4いずれか記載の循環式硬貨入出金機の効果に加えて、補給用硬貨一時収納部の精査時に、硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収するのと並行して硬貨量の不足する金種別収納部へ補給させることにより、精査時に硬貨を金種別収納部に補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す循環式硬貨入出金機の内部構造を示す側面図である。
【図2】同上入金搬送系および出金搬送系の一部の側面図である。
【図3】同上図1のa−a断面図である。
【図4】同上硬貨識別分岐通路の一部の断面図である。
【図5】同上硬貨識別分岐通路の一部の斜視図である。
【図6】同上図1のb−b断面図である。
【図7】同上図1のc−c断面図である。
【図8】同上図1のd−d断面図である。
【図9】同上補給用硬貨一時収納部の内部構造を示す側面図である。
【図10】同上図1のe−e断面図である。
【図11】同上第2の硬貨補充カセットの一部を切り欠いた平面図である。
【図12】同上制御部のブロック図である。
【符号の説明】
1 機体
3 硬貨受部
8 貯留繰出部
30 識別部
33 回収分岐部
34 補給用硬貨分岐部
44 金種別収納部
60 回収金庫
62 補給用硬貨一時収納部
131 入金搬送系
132 出金搬送系
133 硬貨識別分岐通路
134 入金オーバーフロー硬貨一時保留部
201 比較手段の機能を有する制御部

Claims (8)

  1. 機体内の金種別収納部から投出される出金硬貨を出金搬送系を通じて操作面側の硬貨受部へ搬送し、かつ、操作面側の硬貨受部に投入される入金硬貨を入金搬送系の貯留繰出部および硬貨識別分岐通路を通じて搬送するとともに硬貨識別分岐通路の識別部で金種識別して一時保留し、入金承認時は出金に使用する入金硬貨を対応する金種別収納部へ収納するとともに、入金不承認時は入金硬貨を出金搬送系を通じて硬貨受部へ返却する循環式硬貨入出金機において、
    前記入金搬送時に入金硬貨のうち金種別収納部へ収納させる硬貨以外の入金オーバーフロー硬貨を一時保留するとともに、入金承認時は一時保留した入金オーバーフロー硬貨を前記入金搬送系へ送り出す入金オーバーフロー硬貨一時保留部と、
    前記硬貨識別分岐通路に設けられ、入金承認時に前記入金搬送系を搬送される入金オーバーフロー硬貨を分岐する補給用硬貨分岐部と、
    この補給用硬貨分岐部で分岐される入金オーバーフロー硬貨を一時収納し、補給時は一時収納硬貨を前記入金搬送系へ送り出し、精査時は全ての一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すとともに精査回収する硬貨を前記補給用硬貨分岐部を通じて回収する補給用硬貨一時収納部と、
    この補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量と前記硬貨受部の許容収納量と前記貯留繰出部の許容収納量とを比較する比較手段を有し、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記硬貨受部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部に収納させ、硬貨受部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させ、かつ、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記硬貨受部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させる制御部と
    を具備していることを特徴とする循環式硬貨入出金機。
  2. 硬貨識別分岐通路に設けられ、精査時に余剰回収硬貨を分岐する回収分岐部と、
    前記機体に着脱可能とし、前記回収分岐部で分岐される余剰回収硬貨を収納する回収金庫とを備え、
    制御部は、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて回収金庫へ収納させるとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させる
    ことを特徴とする請求項1記載の循環式硬貨入出金機。
  3. 機体内の金種別収納部から投出される出金硬貨を出金搬送系を通じて操作面側の硬貨受部へ搬送し、かつ、操作面側の硬貨受部に投入される入金硬貨を入金搬送系の貯留繰出部および硬貨識別分岐通路を通じて搬送するとともに硬貨識別分岐通路の識別部で金種識別して一時保留し、入金承認時は出金に使用する入金硬貨を対応する金種別収納部へ収納するとともに、入金不承認時は入金硬貨を出金搬送系を通じて硬貨受部へ返却する循環式硬貨入出金機において、
    前記入金搬送時に入金硬貨のうち金種別収納部へ収納させる硬貨以外の入金オーバーフロー硬貨を一時保留するとともに、入金承認時は一時保留した入金オーバーフロー硬貨を前記入金搬送系へ送り出す入金オーバーフロー硬貨一時保留部と、
    前記硬貨識別分岐通路に設けられ、入金承認時に前記入金搬送系を搬送される入金オーバーフロー硬貨を分岐する補給用硬貨分岐部と、
    前記補給用硬貨分岐部で分岐される入金オーバーフロー硬貨を一時収納し、補給時は一時収納硬貨を前記入金搬送系へ送り出し、精査時は全ての一時収納硬貨を入金搬送系へ送り出すとともに精査回収する硬貨を前記補給用硬貨分岐部を通じて回収する補給用硬貨一時収納部と、
    この補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量と前記硬貨受部の許容収納量と前記貯留繰出部の許容収納量とを比較する比較手段を有し、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記貯留繰出部の許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて貯留繰出部に収納させ、貯留繰出部に収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させ、かつ、前記補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が前記貯留繰出部の許容収納量より多いとともに硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量以下のときは、補給用硬貨一時収納部から全ての硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させる制御部と
    を具備していることを特徴とする循環式硬貨入出金機。
  4. 硬貨識別分岐通路に設けられ、精査時に余剰回収硬貨を分岐する回収分岐部と、
    前記機体に着脱可能とし、前記回収分岐部で分岐される余剰回収硬貨を収納する回収金庫とを備え、
    制御部は、補給用硬貨一時収納部の硬貨収納量が硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量より多いときは、その合計許容収納量より多い硬貨を余剰回収硬貨とし、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて回収金庫へ収納させるとともに、補給用硬貨一時収納部から残りの硬貨を送り出させて入金搬送系および出金搬送系を通じて硬貨受部および貯留繰出部に各々許容収納量の範囲で分配収納させ、貯留繰出部と硬貨受部とに分配収納された硬貨のうち精査回収する硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収させる
    ことを特徴とする請求項3記載の循環式硬貨入出金機。
  5. 制御部は、補給用硬貨一時収納部の一時収納量を、回収金庫の装着状態では硬貨受部の許容収納量と貯留繰出部の許容収納量とを合わせた合計許容収納量に設定し、回収金庫の未装着状態では補給用硬貨一時収納部の許容収納量に設定する
    ことを特徴とする請求項2または4記載の循環式硬貨入出金機。
  6. 制御部は、回収金庫の装着時に、補給用硬貨一時収納部から余剰回収硬貨を送り出させて入金搬送系を通じて金種別収納部および回収金庫の少なくとも一方に収納させる
    ことを特徴とする請求項5記載の循環式硬貨入出金機。
  7. 制御部は、補給用硬貨一時収納部の精査時に送り出した全ての硬貨のうち、入金搬送系の識別部で正常と識別される正常回収硬貨の全量を補給用硬貨一時収納部に回収させる
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の循環式硬貨入出金機。
  8. 制御部は、補給用硬貨一時収納部の精査時に、硬貨を入金搬送系を通じて補給用硬貨一時収納部へ回収するのと並行して硬貨量の不足する金種別収納部へ補給させる
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の循環式硬貨入出金機。
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