JP4139084B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

硬貨処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4139084B2
JP4139084B2 JP2001024332A JP2001024332A JP4139084B2 JP 4139084 B2 JP4139084 B2 JP 4139084B2 JP 2001024332 A JP2001024332 A JP 2001024332A JP 2001024332 A JP2001024332 A JP 2001024332A JP 4139084 B2 JP4139084 B2 JP 4139084B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coins
coin
unit
denomination
storage unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001024332A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002230615A (ja
Inventor
勝之 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glory Ltd filed Critical Glory Ltd
Priority to JP2001024332A priority Critical patent/JP4139084B2/ja
Publication of JP2002230615A publication Critical patent/JP2002230615A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4139084B2 publication Critical patent/JP4139084B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cash Registers Or Receiving Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨の識別、計数、払い出しなど硬貨処理を行う硬貨処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小売店でのキャッシュレジスタやPOS(point of sales)端末、金融機関のATM(automatic teller machine)装置、自動販売機などでは、顧客が支払った硬貨の種類を判別したり、金種別に枚数を計数したり、釣銭を払い出す機能が必要になる。
【0003】
従来の硬貨処理装置では、複数の硬貨が一括して投入口に入ると、光センサが硬貨投入を検知し、積み重なった硬貨を一枚ずつ分離して搬送し、硬貨を金種別に分別した後、枚数を計数して金種別スタッカに保管する。ホスト装置から釣銭の金種および枚数が指示されると、該当する金種別スタッカから所定枚数の硬貨を取り出して、投出口から排出する(例えば実用新案登録第2509366号など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
日本国内では、1円、5円、10円、50円、100円、500円という6種類の硬貨が流通しており、記念硬貨や古い硬貨を含めると多数の金種が存在する。従来の硬貨処理装置では少なくとも6つの金種別スタッカを用意する必要がある。硬貨の種類は国によって異なり、金種が増加するほど、金種別スタッカや金種別搬送経路が増加するため、装置の複雑化、大型化を招く。
【0005】
本発明の目的は、金種が多くても小型で簡素な構成で硬貨処理を実施できる硬貨処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数種の硬貨を混合状態で貯蔵するための貯蔵部と、
貯蔵部に貯蔵された硬貨を搬送し、貯蔵部に還流するための循環搬送部と、
搬送される硬貨の種類を識別するための金種識別部と、
金種識別部の識別結果に基づいて、搬送される硬貨のうち所望の硬貨を選択的に排出するための振分け部と、
貯蔵部において搬入される硬貨を退避し、貯蔵硬貨と分離するための退避部とを備えることを特徴とする硬貨処理装置である。
【0007】
本発明に従えば、貯蔵部に混合状態で貯蔵された硬貨は特定の金種に偏ることなくランダムに循環搬送され、金種識別部は搬送される硬貨の種類を寸法、厚さ、重量、模様、材料などで識別し、所望の硬貨を検知したとき振分け部が選択的に排出する。たとえば、排出すべき金銭が123円である場合、100円硬貨を1枚、10円硬貨を2枚、1円硬貨を3枚それぞれ排出すると仮定して、金種識別部は順次搬送される硬貨を識別し、最初に10円硬貨が通過すると振分け部で排出し、次に100円硬貨が通過すると排出し、次に100円硬貨が通過すると排出しないで貯蔵部に戻し、次に1円硬貨が通過すると排出し、以下同様に、123円分の硬貨が排出されるまで繰り返す。
【0008】
こうした方式を採用することによって、従来のように複数の金種別スタッカや金種別搬送経路を確保しなくても済むため、金種の増加にも容易に対処でき、小型で簡素な構成で硬貨処理を実施できる。
【0009】
また、貯蔵部において搬入される硬貨を退避し、貯蔵硬貨と分離することによって、搬入硬貨と貯蔵硬貨との混合を防止できる。そのため、貯蔵部内に貯えられた硬貨や貯蔵部を空にしてその中に投入された合計金額の不明な多数の硬貨を、硬貨の枚数を金種別に計数し、再び貯蔵部に還流した場合、計数の重複が生じないため、金銭カウンタとして使用できる。さらに、貯蔵部内に貯えられた硬貨や貯蔵部を空にしてその中に投入された硬貨から特定金種や偽造硬貨を選択的に抽出することにより硬貨選別機としても使用できる。
【0010】
なお、処理対象となる硬貨は、蔵幣当局が発行する公的硬貨に限られず、ゲームセンタや公認賭博場などが発行する私的コインにも同様に適用できる。
【0011】
また本発明は、退避部は、貯蔵部の下部空間と上部空間との連通または遮蔽を切り換えるシャッタを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、貯蔵部の下部空間と上部空間との連通または遮蔽を切り換えるシャッタを設けることによって、搬入硬貨と貯蔵硬貨との分離機構を小型化、簡素化できる。シャッタを開いた場合、貯蔵部の下部空間と上部空間とが連通して、搬入硬貨が再び貯蔵硬貨と混合して搬出可能になり、釣銭機として動作する。シャッタを閉じた場合、貯蔵部の下部空間と上部空間とが遮蔽され、搬入硬貨は一時的に保管されるため、金銭カウンタや硬貨選別機として動作する。この状態で再びシャッタを開くと、一時的に保管されていた搬入硬貨が再び貯蔵硬貨と混合して、釣銭機として動作する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係る硬貨処理装置の一例を示す斜視図であり、図3はその平面図である。硬貨処理装置1は、本体ケース2と、カバー3と、貯蔵部4と、搬送経路10a〜10dと、金種識別部20と、振分け板30と、排出路35などで構成される。
【0014】
カバー3は、本体ケース2の後端に開閉自在に取り付けられ、全体としてクラムシェル構造のハウジングを構成する。カバー3の上部には、カバー3を閉じた状態で貯蔵部4へ硬貨を供給する開口を持つ投入部3bが設けられる。
【0015】
本体ケース2の上面には、複数種の硬貨を混合して貯蔵できるように、ホッパー状の貯蔵部4が形成される。貯蔵部4の底面には、硬貨を撹拌するための回転テーブル5が設けられる。回転テーブル5の中央には、回転中心から偏心したピークを有する山型の突起部5aが形成され、撹拌効率を高めている。図3では、突起部5aの形状を等高線で示している。
【0016】
また、回転テーブル5が回転すると、回転テーブル5上の硬貨に遠心力が作用して、貯蔵部4の壁面に向かって付勢されるため、硬貨の搬出が容易になる。
【0017】
貯蔵部4の壁面の一部には、処理対象となる硬貨の最大外径および最大厚さより僅かに大きな矩形状の搬出開口(不図示)が形成される。搬出開口は、回転テーブル5の上面と同じ面位置に設定され、貯蔵部4内で積み重なった硬貨の山から底にある硬貨を1枚単位で分離する機能を果たす。
【0018】
図3に示すように、回転テーブル5の外周とプーリ7との間にベルト6が架け渡され、プーリ7をモータ(不図示)で回転駆動することによって、回転テーブル5が時計周りで回転する。
【0019】
貯蔵部4の搬出開口から搬送下流側に連絡するように、搬送経路10aが水平に形成される。搬送経路10aは、処理対象となる硬貨の最大外径より僅かに大きな幅を持つ平溝に形成され、硬貨を横姿勢で案内する。
【0020】
搬送経路10aでは、ベルト6が搬送面から僅かに突出するように配置され、硬貨はベルト6との摩擦によって搬送可能になる。
【0021】
本体ケース2の前方には、水平面に対して約45°で前下がりに傾斜した傾斜面2aが形成され、傾斜面2aに沿って搬送経路10aの搬送下流側に連絡する搬送経路10bが形成される。搬送経路10bは、搬送経路10aと同様な寸法を持つ平溝に形成され、搬送面が搬送直交方向に沿って傾斜することによって、硬貨が自重によって片寄せされ、硬貨端面を位置決めしている。
【0022】
傾斜面2aには、搬送経路10bの搬送下流側に連絡する搬送経路10cが形成され、硬貨を上昇させる経路になる。搬送経路10b,10cは、全体としてL字状を成し、両者を連絡するカーブには搬送面から突出するように補助ホイール11が設けられ、硬貨の曲線移動を容易にしている。
【0023】
カバー3にも、前下がりに傾斜した傾斜面3aが形成され、カバー3を閉じた状態で傾斜面3aは本体ケース2の傾斜面2aに対向する。この傾斜面3aには、プーリ9a〜9dが設けられ、ベルト8が搬送経路10b,10cの形状に適合するようにプーリ9a〜9dに架け渡される。カバー3を閉じると、ベルト8は搬送経路10b,10cに存在する硬貨を搬送面に対して押し付けることができる。このときプーリ9aをモータ(不図示)で回転駆動すると、ベルト8が搬送下流方向に移動して、硬貨はベルト8との摩擦によって搬送される。
【0024】
本体ケース2の上面には、搬送経路10cの搬送下流側に連絡する搬送経路10dが形成される。搬送経路10dは、搬送経路10cの最上部から貯蔵部4の上部に向かって傾斜した樋形状に形成され、搬送経路10cを通過した硬貨を貯蔵部4に案内する。
【0025】
こうして搬送経路10a,10b,10c,10dは、ベルト6,8の圧接搬送によって貯蔵部4に貯蔵された硬貨を1枚ずつ搬送して、再び貯蔵部4に還流する循環搬送部を構成する。
【0026】
搬送経路10bには、搬送される硬貨の種類を識別するための金種識別部20と、金種識別部20の識別結果に基づいて搬送される硬貨のうち所望の硬貨を選択的に排出するための振分け部30が設けられ、振分け部30は金種識別部20より搬送下流側に配置される。
【0027】
金種識別部20は、硬貨の種類を寸法、厚さ、重量、模様、材料などで識別するもので、ここでは硬貨の外径を光学的に測定する方式について例示する。金種識別部20は、多数の受光部が直線状に並んだラインCCD(電荷結合素子)センサを有する。
【0028】
金種識別部20の検知領域において、傾斜した搬送経路10bには2つの検知開口21a,21bが形成される。下側の検知開口21aは、硬貨の下端が通過する範囲に形成される。上側の検知開口21bは、硬貨の上端が通過する範囲に形成される。一方、カバー3の傾斜面3aには、カバー3を閉じた状態で検知開口21a,21bに対向するようにLED(発光ダイオード)等の発光素子22a,22bが設けられる。
【0029】
カバー3を閉じた状態で硬貨が搬送経路10bを通過し、硬貨が発光素子22a,22bからの光を遮断すると、ラインCCDセンサは硬貨の下端および上端の位置を検知し、適切な信号処理を施すことで硬貨の外径を測定できる。測定値は、金種別に設定された閾値と比較することによって、硬貨の金種が識別可能になる。
【0030】
金種識別部20の搬送下流側には、搬送経路10bを通過する硬貨の先端位置を検知する硬貨先端検知部23が設けられる。硬貨先端検知部23は、フォトダイオード等のポイント検知型の受光素子を有する。硬貨先端検知部23に対向するように、LED(発光ダイオード)等の発光素子24が設けられる。
【0031】
ここでは、搬送経路10bの中央付近にベルト8が位置するため、発光素子24からの光が搬送面とほぼ平行に進行して硬貨先端検知部23に入射するように、搬送経路10bの両側に硬貨先端検知部23および発光素子24を配置している。
【0032】
硬貨先端検知部23の搬送下流側には、搬送経路10bを通過する硬貨のうち所望の硬貨を選択的に排出するための振分け板30が設けられる。振分け板30は、搬送下流側にヒンジ軸31を有し、搬送上流側が揺動端となり、たとえばソレノイド(不図示)によって開閉される。通常の状態では、振分け板30は搬送経路10bと同じ面に保持されて、硬貨を素通りさせるが、硬貨を排出する際には振分け板30の揺動端が所定時間だけ搬送経路10bより起き上がって、硬貨を下方に落し込む。落ちた硬貨は排出路35から排出され、たとえば図3に示す硬貨受け部36に貯められる。
【0033】
振分け板30の開閉は、金種識別部20によって識別された硬貨が所望の金種である否かによって決定できる。振分け板30の開閉タイミングは、硬貨先端検知部23の検知タイミングに基づいて、硬貨搬送速度および硬貨先端検知部23から振分け板30の揺動端までの距離に応じたディレイを考慮して決定する。
【0034】
図4は、本発明の実施の一形態を示す断面図である。貯蔵部4の内部には退避部40が設置され、下部空間と上部空間とを区分するすり鉢状の隔壁41が設けられる。隔壁41の底部は開口しており、遮蔽部42aおよび開口部42bを有する円板状のシャッタ42が軸42cの周りに角変位自在に支持される。シャッタ42の周囲は、モータ43の出力軸に固定された歯車43aと噛合する歯が形成される。
【0035】
シャッタ42が回転して、遮蔽部42aが隔壁41の底部を閉じた場合、貯蔵部4の下部空間と上部空間とが遮蔽され、上部空間に搬入された硬貨は遮蔽部42aで留まって、下部空間に貯蔵された硬貨と混合しなくなる。一方、シャッタ42が回転して、開口部42bが隔壁41の底部に位置した場合、貯蔵部4の下部空間と上部空間とが連通して、上部空間に搬入された硬貨は開口部42bを通過して、下部空間に貯蔵された硬貨と混合する。
【0036】
こうして搬入硬貨と貯蔵硬貨との分離または混合が制御可能になるため、1台の装置で金銭カウンタ、硬貨選別機または釣銭機として動作させることができる。
【0037】
排出路35の下方には、振分け板30で選別された硬貨を一時的に待機させる一時待機部45が設置される。一時待機部45は、上下に開閉するシャッタ47と、シャッタ47を駆動するプランジャ46などで構成される。
【0038】
シャッタ47は、通常、閉じた状態に設定されており、たとえば123円の釣銭指示があった場合、1枚の100円硬貨、2枚の10円硬貨、3枚の1円硬貨が順不同で振分け板30から落下して、シャッタ47で留まる。123円分の硬貨が全て落下した時点で、シャッタ47を開けると、硬貨受け部36に向けて一斉に排出される。そのため、一枚ずつ排出する方式と比べて、釣銭の取り忘れを防止できるとともに、釣銭不足状態での一部排出を防止できる。
【0039】
図5は、本発明の実施の一形態の電気的構成を示すブロック図である。硬貨処理装置1は、所定のプログラムに従って動作するCPU(中央処理装置)50と、データやプログラムを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)50aおよびROM(リードオンリメモリ)50bと、モータ制御回路51と、金種識別回路52と、硬貨先端検知回路53と、振分け部駆動回路54と、センサ検知回路55と、表示部駆動回路56と、インタフェイス(I/F)部57と、シャッタ制御回路58などで構成される。
【0040】
モータ制御回路51は、プーリ7,9aを駆動するモータ51a,51bの起動および停止のタイミングや回転速度などをそれぞれ制御する。金種識別回路52は、金種識別部20のラインCCDセンサを駆動したり、発光素子22a,22bの点灯を制御したり、センサからの出力信号を処理してCPU50に供給する。CPU50は、金種識別プログラムによって硬貨の外径を測定し、金種を識別する。
【0041】
硬貨先端検知回路53は、硬貨先端検知部23の受光素子からの出力信号を処理して先端通過タイミングを検知したり、発光素子24の点灯を制御する。振分け部駆動回路54は、CPU50からの指令に基づいて、振分け板30を開閉するソレノイド54aを駆動する。
【0042】
センサ検知回路55は、カバー3の開閉状態を検知するカバーオープンセンサ55aや振分け板30の開閉状態を検知する振分けオープンセンサ等からの出力信号を処理してCPU50に供給する。
【0043】
表示部駆動回路56は、本体ケース2の前面パネル等に設けられた装置の動作状態を示すLEDランプ56aを制御する。インタフェイス部57は、RS232C等の通信規格に準拠して、POS端末等の外部ホストHCとの間でデータを送信または受信する。
【0044】
シャッタ制御回路58は、退避部40のシャッタ42を駆動するモータ43の動作と、一時待機部45のシャッタ47を駆動するプランジャ46の動作を制御する。
【0045】
図6は、釣銭機の動作を示すフローチャートである。まず電源が投入されるとCPU50は所定の初期化動作を行った後、ステップS1においてインタフェイス部57を経由してホストHCからスタート指示があるまで待機する。スタート指示を受け取ると、ステップS2においてCPU50はベルト6,8の駆動を開始して、貯蔵部4に貯蔵された硬貨を1枚ずつ連続的に送出して、搬送経路10a〜10dに沿って循環搬送する。このとき退避部40のシャッタ42は開いた状態、一時待機部45のシャッタ47は閉じた状態に設定される。
【0046】
次にステップS3において、金種識別部20は搬送される硬貨の外径サイズを測定し、CPU50は測定値と金種別に設定された閾値と比較して、硬貨の金種を識別する。次にステップS4において、ホストHCから釣銭指示があるまでステップS3に戻って待機する。
【0047】
ステップS4において釣銭指示を受け取ると、CPU50は釣銭指示の内容に対応して金種別の釣銭カウンタを設定する。たとえば釣銭指示の額が123円である場合、1円カウンタを3、5円カウンタを0、10円カウンタを2、50円カウンタを0、100円カウンタを1、500円カウンタを0に設定する。なお、釣銭指示は金種別の枚数であってもよい。
【0048】
ステップS5,S6,S20〜S22は、貯蔵部4での硬貨貯蔵量を判定するルーチンであり、詳細は後述する。
【0049】
次にステップS7において、釣銭カウンタの設定後、金種識別部20が識別した金種に対応した釣銭カウンタが0であれば非排出硬貨と判定して、ステップS3に戻る。識別した金種に対応した釣銭カウンタが1以上であれば、排出硬貨と判定して、ステップS8に移行し、硬貨先端検知部23が先端を検知すると、ステップS9においてCPU50は所定のタイミングで振分け板30を開けて、排出硬貨と識別された硬貨のみを選択して、排出路35から排出する。このとき一時待機部45のシャッタ47は閉じているため、排出硬貨はシャッタ47で留まる。
【0050】
次にステップS10において、CPU50は排出した金種に対応する釣銭カウンタを1つ減算する。たとえば金種識別部20を通過した硬貨が10円であれば、10円カウンタを1つ減算する。ステップS11では釣銭残高が0円であるか、すなわち全ての釣銭カウンタが0であるか否かを判定し、釣銭残高が0円になるまでステップS3以降を繰り返す。
【0051】
釣銭残高が0円になると、ステップS12へ移行して、CPU50はベルト6,8の駆動を停止し、シャッタ47を開いて釣銭排出動作を終了する。
【0052】
次に硬貨貯蔵量判定ルーチンについて説明する。ステップS5においてCPU50は釣銭指示が出た時点から金種識別部20の検出回数、硬貨の通過枚数をカウントして、次にステップS6において検出回数と所定の第1閾値とを比較する。検出回数が第1閾値より小さければ、循環搬送される金種が万遍なく存在すると判定して、ステップS7へ移行する。
【0053】
一方、検出回数が第1閾値以上であれば、所望の金種が不足気味であると判定し、ステップS20へ移行し、CPU50は表示パネルのLEDランプ56aを点灯したり、ホストHCへ状態信号を送信して、ニアエンプティを告知する。
【0054】
さらにステップS21において検出回数と所定の第2閾値とを比較する。第2閾値は正常動作を許容する上限値に設定され、検出回数が第2閾値より小さければ、ニアエンプティ状態のままでステップS7へ移行する。
【0055】
一方、検出回数が第2閾値以上であれば、釣銭に必要な硬貨を排出するのが困難であると判定し、ステップS22へ移行し、CPU50は表示パネルのLEDランプ56aを点滅したり、ホストHCへ状態信号を送信して、エンプティを告知する。その後、釣銭排出エラーのままステップS12へ移行して、動作を終了する。
【0056】
図7は、金種の出現確率を解析した結果の各例を示すグラフである。ここでは10円硬貨が4枚通過するまでの検知回数とその確率分布を示す。
【0057】
二項分布の理論を適用すると、硬貨の総数をNall 、そのうち10円硬貨の個数をNten 、10円以外の硬貨の個数をNetc 、10円硬貨の所望枚数をm、検出回数をnとして、10円硬貨の出現確率は次式(1)で算出できる。
【0058】
【数1】
Figure 0004139084
【0059】
図7(a)では、Nall=450、Nten=120の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は99.8%になる。
【0060】
図7(b)では、Nall=430、Nten=100の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は99.3%になる。
【0061】
図7(c)では、Nall=410、Nten=80 の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は97.3%になる。
【0062】
図7(d)では、Nall=400、Nten=70 の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は94.6%になる。
【0063】
図7(e)では、Nall=390、Nten=60 の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は89.6%になる。
【0064】
図7(f)では、Nall=380、Nten=50 の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は80.5%になる。
【0065】
図7(g)では、Nall=365、Nten=35 の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は73.8%になる。
【0066】
図7(h)では、Nall=350、Nten=20 の場合、検知回数nが40回に達するまでに10円硬貨が4枚通過する確率は31.6%になる。
【0067】
これらの結果から、特定金種の貯蔵割合が少なくなると、排出までに必要な検知回数が増加し、たとえば図7(h)では40枚の硬貨が通過しても10円硬貨を4枚排出できる可能性は約30%になることが判る。したがって、貯蔵割合の少ない金種については補充を促して、金種の貯蔵割合をできる限り均等に維持することが好ましい。そこで、ステップS5,S21における第1閾値、第2閾値は、ホストHCからの釣銭指示から釣銭排出完了までの許容時間や金種の出現確率と釣銭排出の効率などを考慮して設定する。
【0068】
図8は硬貨処理装置の構成例を示すブロック図であり、図8(a)は図1〜図3で示した構成例を示し、図8(b)は他の構成例を示し、図8(c)は退避部40のシャッタ42を閉じたときの構成例を示す。
【0069】
まず図8(a)において、投入部3bから投入された硬貨Qは貯蔵部4に貯められ、ホストからの釣銭指示を受けると、貯蔵部4の中の硬貨Qが1枚ずつ搬送経路10a〜10dに沿って循環搬送される。搬送経路10bには、金種識別部20、振分け板30が配置され、金種識別部20が搬送される硬貨Qの金種を識別して、所望の金種であれば振分け板30を開いて選択的に排出する。
【0070】
図8(b)は、貯蔵部4の搬送下流側かつ金種識別部20の搬送上流側に、投入部3cを配置している点が相違する。こうした投入部3cを金種識別部20の搬送上流側に設けることによって、投入部3cに投入された硬貨Qは循環搬送部によって搬送されて、金種識別部20による金種識別が可能になる。そのため、貯蔵部4に混入する前の段階で、投入部3cに投入された金種、枚数および合計金額を正確に管理することができる。よって、貯蔵部4に蓄えられている硬貨Qの金種、枚数等を正確に管理することができ、エンプティやオーバーフロー(硬貨の総数が貯蔵部の貯蔵量を超えている場合や特定金種の割合が高くなっている場合)に対し適切な告知が可能となる。
【0071】
図8(b)の例では、貯蔵部4の搬送下流側かつ金種識別部20の搬送上流側に、投入部3cを配置した例を示したが、投入部は図8(a)と同じ位置として、貯蔵部4への硬貨投入は行わず、金種識別部20の搬送上流側から硬貨Qが供給されるように投入部からの経路を工夫してやれば、同様な効果を得ることができる。
【0072】
図8(c)では、金銭カウンタや硬貨選別機として動作できる。まずシャッタ42を開いた状態で硬貨Qを貯蔵部4に投入し、貯蔵部4の下部空間に貯めた後、シャッタ42を閉じる。次に硬貨の搬送を開始すると、貯蔵部4の中の硬貨Qが1枚ずつ搬送経路10a〜10dに沿って循環搬送される。搬送経路10bには、金種識別部20、振分け板30が配置され、金種識別部20が搬送される硬貨Qの金種を識別して、通過枚数を金種別に計数したり、所望の金種であれば振分け板30を開いて選択的に排出する。金種識別部20および振分け板30を通過した硬貨は貯蔵部4に回収されて、退避部40に保管され、シャッタ42によって搬入硬貨と貯蔵硬貨との混合が防止される。
【0073】
次に金銭カウンタとしての具体的な使用例を示す。貯蔵部4に金種の混在した多数の硬貨を投入し硬貨の搬送を開始する。貯蔵部4内の硬貨は1枚ずつ搬送経路10a〜10dに沿って搬送される。搬送経路10bには金種識別部20が配置されており、金種の種別を識別し、金種別に検出枚数を計数することができる。金種別の検出枚数や、検出枚数に基づき演算された合計金額はLEDランプ56等の表示部にて表示される。金種識別部20を通過した硬貨は、振分け板30を開いて排出路35から装置外に排出してもよいし、振分け板30を閉じた状態として退避部40に回収してもよい。
【0074】
また硬貨選別機の具体的な使用例としては、金種の混在した多数の硬貨を貯蔵部4に投入し、硬貨の搬送を開始する。貯蔵部4内の硬貨は1枚ずつ搬送経路10a〜10dに沿って搬送される。搬送経路10bには金種識別部20、振分け板30が配置されており、搬送されてくる硬貨の金種を判別し、所望の硬貨であれば選択的に排出を行う。たとえば、POS端末HCから選別する硬貨として100円硬貨を指定した場合、金種識別部20にて搬送された硬貨が100円硬貨であると識別すると、振分け板30を開いて排出し、10円硬貨であると識別すると、振分け板30を閉じた状態として退避部40に回収し、再び100円硬貨と識別すると排出を行う。この選別動作は貯蔵部4内に投入された硬貨がなくなるまで繰返し行われるので、貯蔵部4に投入された金種の混在した硬貨の中から100円硬貨のみを選別し排出することができる。100円硬貨以外の硬貨は退避部40に回収される。次にPOS端末HCから10円硬貨の選別を指示すると、退避部40のシャッタ42が開き、退避部40に回収された金種の混在した硬貨が貯蔵部4に移動する。そして硬貨の搬送を開始し、金種識別部20、振分け板30により10円硬貨のみを選別し排出する。本例では1金種を選別する例を示したが、50円硬貨と5円硬貨といったように、同時に2金種を選別することもできる。また特定金種を装置内に残すために、指定金種は退避部40に回収して、指定金種以外の硬貨を装置外に排出することも可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、貯蔵部に混合状態で貯蔵された硬貨は特定の金種に偏ることなくランダムに循環搬送され、金種識別部は搬送される硬貨の種類を識別し、所望の硬貨を検知したとき振分け部が選択的に排出する。こうした方式を採用することによって、従来のように複数の金種別スタッカや金種別搬送経路を確保しなくても済むため、金種の増加にも容易に対処できる。
【0076】
また、貯蔵部において搬入される硬貨を退避し、貯蔵硬貨と分離することによって、搬入硬貨と貯蔵硬貨との混合を防止できるため、釣銭機だけでなく、金銭カウンタや硬貨選別機としても動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る硬貨処理装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る硬貨処理装置の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る硬貨処理装置の一例を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の一形態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】釣銭機の動作を示すフローチャートである。
【図7】金種の出現確率を解析した結果の各例を示すグラフである。
【図8】硬貨処理装置の構成例を示すブロック図であり、図8(a)は図1〜図3で示した構成例を示し、図8(b)は他の構成例を示し、図8(c)は退避部40のシャッタ42を閉じたときの構成例を示す。
【符号の説明】
1 硬貨処理装置
2 本体ケース
3 カバー
3b 投入部
4 貯蔵部
5 回転テーブル
6,8 ベルト
7,9a〜9d プーリ
10a〜10d 搬送経路
20 金種識別部
21a,21b 検知開口
22a,22b,24 発光素子
23 硬貨先端検知部
30 振分け板
35 排出路
36 硬貨受け部
40 退避部
41 隔壁
42 シャッタ
43 モータ
45 一時待機部
46 プランジャ
47 シャッタ

Claims (2)

  1. 複数種の硬貨を混合状態で貯蔵するための貯蔵部と、
    貯蔵部に貯蔵された硬貨を搬送し、貯蔵部に還流するための循環搬送部と、
    搬送される硬貨の種類を識別するための金種識別部と、
    金種識別部の識別結果に基づいて、搬送される硬貨のうち所望の硬貨を選択的に排出するための振分け部と、
    貯蔵部において搬入される硬貨を退避し、貯蔵硬貨と分離するための退避部とを備えることを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 退避部は、貯蔵部の下部空間と上部空間との連通または遮蔽を切り換えるシャッタを有することを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
JP2001024332A 2001-01-31 2001-01-31 硬貨処理装置 Expired - Fee Related JP4139084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024332A JP4139084B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 硬貨処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024332A JP4139084B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 硬貨処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002230615A JP2002230615A (ja) 2002-08-16
JP4139084B2 true JP4139084B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=18889487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001024332A Expired - Fee Related JP4139084B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 硬貨処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4139084B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5233597A (en) * 1975-09-09 1977-03-14 Fuji Electric Co Ltd Coin supply device
JPH0638280B2 (ja) * 1986-06-10 1994-05-18 グローリー工業株式会社 硬貨処理機の代替出金方法
JPS6315390A (ja) * 1986-07-04 1988-01-22 オムロン株式会社 循環式硬貨処理機
JP2509366Y2 (ja) * 1990-12-06 1996-09-04 グローリー工業株式会社 循環式硬貨入出金機
JP3243089B2 (ja) * 1993-09-22 2002-01-07 株式会社東芝 硬貨処理装置
DE4432803C1 (de) * 1994-09-15 1996-02-29 Reis Standardwerk Einrichtung zum Sortieren und Zählen von Münzen mittels einer kreisförmigen Sortierstrecke
JPH11328486A (ja) * 1998-05-14 1999-11-30 Fuji Electric Co Ltd 金銭処理装置
JP3785281B2 (ja) * 1999-01-12 2006-06-14 グローリー工業株式会社 循環式硬貨入出金機
JP2001266211A (ja) * 2000-01-11 2001-09-28 Fuji Electric Co Ltd 金銭処理装置
AU2002214328A1 (en) * 2000-11-20 2002-05-27 Star Micronics Co., Ltd. Coin processing device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002230615A (ja) 2002-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8844704B2 (en) Money item dispensing apparatus
JP4139084B2 (ja) 硬貨処理装置
JP4139086B2 (ja) 硬貨処理装置
JP4516270B2 (ja) 硬貨処理装置
JP2002298189A (ja) 硬貨処理装置
JP3390242B2 (ja) 循環式硬貨処理装置
JP4139087B2 (ja) 硬貨処理装置
JP4139069B2 (ja) 硬貨処理装置
JP4375279B2 (ja) 釣銭払出機
JPH0357513B2 (ja)
JPS63249289A (ja) 循環式硬貨入出金機
US10717621B2 (en) Money handling apparatus, money handling system and money handling method
JP2001283278A (ja) 硬貨選別計数機
JP3410921B2 (ja) 釣り銭自動払出装置
JP2580584Y2 (ja) 循環式硬貨入出金機
JP2002183789A (ja) 硬貨処理装置
JPH1166375A (ja) 硬貨処理装置および金銭処理装置
JP2003272023A (ja) コインの受入払出装置
JP2589242Y2 (ja) 硬貨収納投出装置
JP4139106B2 (ja) 硬貨処理装置
JPH10302120A (ja) 貨幣入出金機
JP2002032823A (ja) 硬貨処理装置
JPS63249288A (ja) 硬貨収納繰出装置
JP2001101470A (ja) 硬貨取扱装置
JPS63249287A (ja) 硬貨選別通路装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees