JPH0651962U - 循環式硬貨入出金機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金種別収納筒部64への硬貨補充時間を短縮す
る。ある金種の硬貨が機体１内に無くなった場合でも、
緊急的に硬貨の補充を可能とする。 【構成】 機体１の背面側に、硬貨補充カセット81を着
脱可能に設ける。硬貨補充カセット81には、硬貨を金種
別に所定枚数ずつ収納するとともに、その収納硬貨の放
出が可能な金種別補充硬貨収納部82を設ける。硬貨補充
カセット81または機体１に、機体１内へ硬貨を直接投入
可能とする硬貨直接投入部91を設ける。そして、硬貨補
充カセット81から放出された硬貨および硬貨直接投入部
91から投入された硬貨を、入金搬送系11を通じて金種別
収納筒部64へ補充する。 【硬貨】 硬貨補充時、金種別補充硬貨収納部82から補
充必要金種の硬貨のみを放出し、金種別収納筒部64への
硬貨補充時間を短縮する。補充硬貨を硬貨直接投入部91
から機体１内へ直接投入し、対応する金種別収納筒部64
に緊急補充できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、銀行等の金融機関において、硬貨の入金処理および出金処 理を行なうことのできる循環式硬貨入出金機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば実公平１−１４４９７１号公報に記載されている循環式硬貨入出 金機が知られている。この循環式硬貨入出金機は、機体内に設けた金種別収納筒 部から投出される出金硬貨を出金搬送系を通じて機体前面側の操作者へ搬送する とともに、操作者により投入される入金硬貨を入金搬送系を通じて金種識別して 機体内に一時保留し、入金承認時に出金に使用する入金硬貨は各金種毎の硬貨を 重積収納する前記金種別収納筒部のうち、対応する金種別収納筒部へそれぞれ収 納し、出金処理時には各金種別収納筒部から硬貨を投出するようにしている。

【０００３】 ところで、この循環式硬貨入出金機では、始業時または出金処理中の金種別収 納筒部への硬貨の補充は、硬貨収納カセットにより行なわれる。この硬貨収納カ セットには各金種混合状態で硬貨を収納しており、各金種別収納筒部へもしくは 硬貨が減少した金種別収納筒部へ硬貨を補給する場合のいずれにおいても、硬貨 収納カセットから硬貨を１枚ずつ連続的に繰り出して、入金搬送系に送り、減少 している金種別収納筒部に硬貨を補充し、他の金種硬貨は再び硬貨収納カセット へ回収するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の循環式硬貨入出金機では、金種別収納筒部への硬貨の補充は、各金 種の硬貨が混在している硬貨収納カセットから硬貨を１枚ずつ連続的に繰り出し て、減少している金種の硬貨を対応する金種別収納筒部に補充収納し、他の金種 の硬貨は硬貨収納カセットへ回収するため、硬貨の補充に時間がかかり、特に、 硬貨収納カセットからは複数枚の金種硬貨が混在状態で送り出されるので、この 混在した硬貨から減少した金種の硬貨のみを分離して金種別収納筒部へ補充する ことになり、補充時間が長くかかる問題を有している。

【０００５】 また、出金硬貨がある金種に集中する等に起因してその金種硬貨が硬貨補充カ セットにも無くなった場合、緊急的な硬貨の補充はできず、こうした事態には対 応不可能である。

【０００６】 本考案は、このような点に鑑みてなされたもので、金種別収納筒部への硬貨補 充時間を短縮でき、しかも、出金硬貨がある金種に集中する等に起因してその金 種硬貨が機体内に無くなった場合、緊急的に硬貨の補充を可能として、こうした 事態に対応可能とした循環式硬貨入出金機を提供することを目的とするものであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、機体１内に設けた金種別収納筒部64から投出される出 金硬貨を出金搬送系11を通じて機体１の前面側の操作者へ搬送するとともに、機 体１の前面側から操作者により投入される入金硬貨を入金搬送系11を通じて金種 識別して機体１内に一時保留し、入金承認時に出金に使用する入金硬貨は対応す る前記金種別収納筒部64へ収納する循環式硬貨入出金機において、前記機体１の 背面側に着脱可能に設けられ、硬貨を金種別に所定枚数ずつ収納するとともにそ の収納硬貨の放出が可能な金種別補充硬貨収納部82を備えた硬貨補充カセット81 と、この硬貨補充カセット81または前記機体１に設けられ、機体１内に硬貨を直 接投入可能とする硬貨直接投入部91と、この硬貨直接投入部91から直接投入され る硬貨を案内するシュート98，102 と、前記硬貨補充カセット81から放出される 硬貨および前記硬貨直接投入部91から直接投入されてシュート98，102 で案内さ れる硬貨を前記入金搬送系11へ送り込むコンベヤ71とを備えたものである。

【０００８】 請求項２記載の考案は、請求項１記載の考案において、硬貨補充カセット81は 、硬貨を金種別に所定枚数ずつ区分収納するとともに収納硬貨の一括放出が可能 な金種別補充硬貨収納部82を備えたものである。

【０００９】

【作用】

請求項１記載の考案では、出金処理時に、金種別収納筒部64から硬貨が投出さ れて、コンベヤ71および出金搬送系11を通じて機体１の前面側の操作者へ出金さ れる。また、入金処理時に、操作者により、機体１の前面側から投入された入金 硬貨は入金搬送系11を通じて金種識別されて一時保留され、入金が承認されたと きに出金に使用するための入金硬貨は対応する金種別収納筒部64へ収納される。

【００１０】 また、初期補充処理あるいは金種別収納筒部64の硬貨が減少した途中補充処理 時には、機体１に装着された硬貨補充カセット81から硬貨の補充が行なわれる。 すなわち、硬貨補充カセット81の金種別補充硬貨収納部82に収納されている補充 該当金種の硬貨が放出され、コンベヤ71および入金搬送系11を通じて対応する金 種別収納筒部64に補充される。したがって、硬貨の補充は、補充が必要とする金 種の硬貨のみが入金搬送系11を通じて対応する金種別収納筒部64に補充され、金 種別収納筒部64への硬貨補充時間が短縮される。

【００１１】 さらに、例えば出金金種がある金種に集中する等に起因してその金種硬貨が硬 貨補充カセット81にも無くなった場合でも、必要とする補充硬貨を硬貨直接投入 部91からシュート98，102 を通じてコンベヤ71へ直接投入することにより、コン ベヤ71および入金搬送系11を通じて対応する金種別収納筒部64に緊急補充される 。

【００１２】 請求項２記載の考案では、請求項１記載の考案において、硬貨補充カセット81 の金種別補充硬貨収納部82は、硬貨を金種別に所定枚数ずつ区分収納されて一括 放出が可能なため、補充を必要とする金種の補充硬貨のみが一括放出され、対応 する金種別収納筒部64への硬貨補充時間がより短縮される。

【００１３】

【実施例】 以下、本考案の循環式硬貨入出金機の一実施例の構成を図１ないし図９を参照 して説明する。

【００１４】 図１において、１は機体で、この機体１の操作者側の前面側上部には入金口と 出金口を兼ねる硬貨受収口２が開口され、この硬貨受収口２の内側には上面を開 口した略樋状の硬貨受部３が配設され、この硬貨受部３の底部にはシャッタ４に て開閉される放出口５が開口されるとともに側部に受入口６が開口されている。

【００１５】 硬貨受部３の下方に連続して、硬貨受部３に投入された入金硬貨を１枚ずつ分 離するとともに識別分類する入金搬送系11が設けられている。この入金搬送系11 は、硬貨受部３の放出口５から放出された硬貨を貯留して１枚ずつ繰り出す貯留 繰出部12と、この貯留繰出部12から１枚ずつ繰り出される硬貨を搬送する硬貨通 路13とから構成されている。

【００１６】 貯留繰出部12は、傾斜状に軸支された回転円盤14と、この回転円盤14の表面側 を覆うようにして回転円盤14との間に硬貨を貯留するホッパ15とから形成されて いる。そして、回転円盤14の回転により、ホッパ15内に貯留された硬貨を、回転 円盤14の周縁部に所定間隔毎に突設された突起16にて１枚ずつ掻き上げて、硬貨 通路13へ繰り出すようになっている。

【００１７】 硬貨通路13は、図２に示すように、回転円盤14の上部に接続された上昇傾斜す る導入通路部17と、この導入通路部17に接続された水平方向の分類通路部18と、 この分類通路部18の末端から円弧状に上方に折返す折返し通路部19と、この折返 し通路部19の末端に接続され分類通路部18の上部域から硬貨受部３に向けて搬送 する送出通路部20とから構成されている。

【００１８】 この硬貨通路13の各通路部17〜20は、回転円盤14と同じ傾斜状態に配設された 硬貨通路板21にて形成されている。この硬貨通路板21には、硬貨の表面が接触状 態で搬送される通路面部22と、この通路面部22の下縁に硬貨の下縁部を案内する 案内縁部23とが形成されている。

【００１９】 また、硬貨通路13の各通路部17〜20に沿って硬貨を搬送する搬送手段24が設け られている。この搬送手段24は、無端状の硬貨搬送ベルト25にて形成されている 。硬貨搬送ベルト25は、硬貨通路板21に対向する側に沿って処理する最大径硬貨 の直径より広い間隔を開けて複数の突起26が設けられており、回転円盤14に臨ん で配設された駆動プーリ27とその他の複数の案内プーリ28とに張設されている。 そして、硬貨搬送ベルト25は、硬貨通路板21の通路面部22と突起26の対向面との 間隙が接触しない微小間隙に設定されているとともに、硬貨通路板21の通路面部 22と硬貨搬送ベルト25の突起26以外の対向面部との間隙が最小厚みよりやや小の 間隙と設定されており、搬送方向前後の突起26間に受け入れた硬貨を硬貨通路板 21の通路面部22に押付けながら搬送するようになっている。なお、硬貨搬送ベル ト25による硬貨搬送速度は、回転円盤14で繰り出される硬貨の繰出速度より多少 速くなっている。

【００２０】 また、図１および図３に示すように、貯留繰出部12のホッパ15の下端部には開 閉板31にて開閉される戻し口32が形成され、この戻し口32に連通して回収シュー ト33が設けられ、この回収シュート33の下端は昇降装置34に連通されている。こ の昇降装置34は、硬貨等を収納する側縁が開口されたバケット35が図示しないベ ルトにて昇降自在に設けられており、バケット35に回収シュート33から受取口36 a を通じて硬貨または異物を受取り、バケット35が上昇して放出口36b から返却 硬貨搬送ベルト37上に硬貨または異物を放出するようになっている。返却硬貨搬 送ベルト37は、受け取った硬貨または異物を硬貨受部３の受入口６に搬送するよ うになっている。

【００２１】 また、図１および図２に示すように、硬貨通路13の導入通路部17には搬入され た硬貨の適性、不適性、金種などの識別を行なう材質センサ、イメージセンサ等 にて形成される識別部41が配設されている。

【００２２】 また、硬貨通路13の分類通路部18には、下流側に順次間隔をおいて、１円、５ 円、10円、50円、 100円、 500円硬貨を分類する選別孔42がそれぞれ開口されて いるとともに、オーバーフロー硬貨を分類する選別孔43、リジェクト硬貨および 回収硬貨を分類する選別孔44とがそれぞれ開口されている。

【００２３】 図４および図５に示すように、各選別孔42，43，44にはそれぞれを開閉する振 分部材45がそれぞれ設けられ、この各振分部材45は、支軸46にて硬貨通路13の上 流側が開口するように硬貨通路板21に軸支され、選別孔42，43，44を塞ぐ閉塞位 置と選別孔42，43，44を開口して硬貨通路13内に進出する進出位置との間を回動 可能としている。各振分部材45には、進出位置への回動時に硬貨搬送ベルト25と の衝合を避ける切欠部47が形成されている。そして、各振分部材45の支軸46には ロータリーソレノイド48が連結されており、識別部41にて判別された信号に基づ いて、対応する硬貨が選別孔42，43，44を通過する際に、その通過に備えて振分 部材45が進出位置へ回動され、その振分部材45を通じて開口された選別孔42，43 ，44に強制的に落下される。

【００２４】 また、図６に示すように、各選別孔42の裏面側には、後述する一時保留部61に 連通するシュート51がそれぞれ配設されている。図７に示すように、選別孔43の 裏面側には、後述するコンベヤ71の上方に連通するシュート52が配設されている 。図８に示すように、選別孔44の裏面側には、後述するリジェクト硬貨収納箱73 に連通するシュート53が配設されている。

【００２５】 各シュート51の下端には硬貨を重積状態で一時保留する一時保留部61がそれぞ れ配設されている。この各一時保留部61は、硬貨を重積保留する筒状の一時保留 枠62にて形成され、この一時保留枠62は図示しない駆動手段によって硬貨通路13 の硬貨搬送方向と直交方向（図６右側方向）に進退移動されるようになっている 。

【００２６】 一時保留枠62の下方には、出金硬貨収納投出部63がカセット方式で着脱可能に 機体１に装着されており、この出金硬貨収納投出部63は、各選別孔42に対応して 各種の硬貨を金種別にそれぞれ重積収納する金種別収納筒部64を備えている。こ の各金種別収納筒部64の上部は投出部として構成されており、この投出部には各 一時保留枠62と各金種別収納筒部64との間に投出板65が設けられ、この投出板65 は図示しない駆動手段によって硬貨通路13の硬貨搬送方向と直交方向（図６左側 方向）に進退移動されるようになっている。そして、投出板65が図６左方に移動 し、一時保留枠62が図６右方へ移動して金種別収納筒部64の最上位硬貨が一時保 留枠62の下面で受けとめられた状態下において、投出板65の駆動で金種別収納筒 部64の最上位の硬貨を図６右方へ放出するようになっている。

【００２７】 出金硬貨収納投出部63の各金種別収納筒部64内には重積硬貨を支承する支承部 材66がそれぞれ上下動可能に設けられ、この各支承部材66に硬貨が重積支持され る。この各支承部材66は、金種別収納筒部64の図示しない上下方向の案内溝から 駆動機構67に着脱可能に連結されてそれぞれ昇降されるようになっており、出金 時においては金種別収納筒部64内の硬貨を上昇させて最上位硬貨を一時保留枠62 の下面に当接させるとともに、入金時においては一時保留枠62に保留されていた 硬貨を入金承認時に受取って金種別収納筒部64内に下降収納させるようになって いる。

【００２８】 また、図１および図９に示すように、出金硬貨収納投出部63の上部一側にはコ ンベヤ71が配設されており、このコンベヤ71は、出金硬貨収納投出部63から投出 板65にて投出された出金硬貨、一時保留部61から放出された硬貨および選別孔43 からシュート52を介して放出されるオーバーフロー硬貨を受取り、貯留繰出部12 または後述する硬貨回収箱75に搬送するようになっている。

【００２９】 また、図１および図８に示すように、シュート53の下端には、選別孔44および シュート53を通じてリジェクト硬貨または回収硬貨を受入収納するリジェクト硬 貨収納箱73が配置されている。

【００３０】 また、出金硬貨収納投出部63およびリジェクト硬貨収納箱73の一側に硬貨回収 箱75が配置されており、この硬貨回収箱75は、機体１内に着脱可能とし、コンベ ヤ71から放出される硬貨を受入収納する。この硬貨回収箱75内には、収納されて いる硬貨を貯留繰出部12に搬送する送出ベルト76が設けられている。

【００３１】 次に、図１および図９において、81は硬貨補充カセットで、この硬貨補充カセ ット81は機体１内の上部に位置して挿脱自在に装着され、この硬貨補充カセット 81には上下面に開口した複数の筒状の金種別補充硬貨収納部82が形成され、この 各金種別補充硬貨収納部82の下面開口からそれぞれ一括して放出された硬貨は図 示しないシュートに案内されてコンベヤ71に供給されるようになっている。

【００３２】 金種別補充硬貨収納部82には、１円、５円、10円、50円、 100円および 500円 硬貨をそれぞれ所定枚数、例えば50枚の硬貨をそれぞれ区分け収納するものであ り、出金量の多い金種の硬貨を収納する金種別補充硬貨収納部82は複数設けられ 、例えば、１円硬貨、10円硬貨および 100円硬貨の金種別補充硬貨収納部82は２ つずつ、その他の金種の５円硬貨、50円硬貨および 500円硬貨の金種別補充硬貨 収納部82は１つずつ設けられている。

【００３３】 硬貨補充カセット81の各金種別補充硬貨収納部82の下面開口部には、それぞれ 放出手段、例えばシャッタ83が溝状の案内溝（図示せず）に沿って開閉自在に設 けられ、この各シャッタ83の一端部はこの硬貨補充カセット81の装着方向に沿う 一側面に突出され、この各シャッタ83の突出端には上方に折り曲げた係合部84が それぞれ形成され、この各シャッタ83はスプリング85にてそれぞれ金種別補充硬 貨収納部82の下面開口部を閉塞する方向に付勢されている。

【００３４】 また、硬貨補充カセット81の装着位置に沿って各シャッタ83の駆動手段、例え ば、ソレノイド86が機体１内に設けられ、硬貨補充カセット81の装着により各ソ レノイド86のプランジャ87に設けた係合片88が各シャッタ83の係合部84に係合さ れ、ソレノイド86の励磁動作でシャッタ83は開放されるようになっている。この 各ソレノイド86は、各金種別収納筒部64のそれぞれの硬貨減少を検知する図示し ない各硬貨減少検知センサからの硬貨減少信号に基づいて駆動される。

【００３５】 また、硬貨補充カセット81の後端部には、後述する緊急補充時に、機体１内に 補充硬貨を直接投入可能とする硬貨直接投入部91が設けられている。この硬貨直 接投入部91は、硬貨補充カセット81の後部に取り付けられた投入枠92を備えてい る。この投入枠92は、後板部93と両側板部94とから断面略コ字状に形成され、両 側板部94が硬貨補充カセット81の後部両側に形成された溝部95に嵌合するととも に下部の支軸96によって回動可能に取り付けられている。そして、硬貨補充カセ ット81の後部と投入枠92との間に上下に開口する投入通路部97が形成されている 。なお、投入枠92は、硬貨補充カセット81に対して施錠されるようになっており 、緊急補充時に解錠操作される。

【００３６】 また、機体１には硬貨補充カセット81の装着時の投入通路部97の下方に、硬貨 直接投入部91に投入された補充硬貨をコンベヤ71に導くシュート98が設けられて いる。

【００３７】 そして、硬貨補充カセット81の一端には取手99が設けられ、各金種別補充硬貨 収納部82の上面開口部を閉塞する蓋体100 が設けられ、機体１の扉にて開放され る後部から機体１の前面に向けて（図１の左方向）装着されるようになっている 。

【００３８】 次に、本実施例の作用を説明する。

【００３９】 まず、入金処理について説明する。

【００４０】 機械操作者の入金指令操作に基づいて、硬貨受収口２のシャッタが自動的に開 き、操作者は硬貨受収口２から入金硬貨を硬貨受部３に投入する。この硬貨の投 入を検知してそのシャッタが自動的に閉じられ、その直後に、硬貨受部３の底部 のシャッタ４が自動的に開かれ、硬貨が放出口５から貯留繰出部12のホッパ15に 放出される。その放出後、シャッタ４が閉じられるとともに硬貨受収口２のシャ ッタが開かれる。

【００４１】 貯留繰出部12に貯留された硬貨は回転円盤14の回転で、この回転円盤14の周縁 部に所定間隔ごとに突設された突起16にて１枚ずつ間隔をあけて硬貨通路13に繰 り出される。硬貨通路13に繰り出された硬貨は、硬貨搬送ベルト25の各突起26， 26間に１個ずつ送り込まれ、硬貨搬送ベルト25により硬貨通路板21の通路面部22 に軽く押し付けられながら案内縁部23に沿って導入通路部17および分類通路部18 に搬送される。

【００４２】 導入通路部17および分類通路部18に搬送される硬貨は、識別部41で判別され、 この識別部41にて判別された信号に基づいて、対応する金種硬貨が対応する金種 の選別孔42を通過する際に、進出位置へ回動される振分部材45を通じて開口され た選別孔42に落下される。また、出金硬貨収納投出部63の金種別収納筒部64に重 積収納された硬貨の満杯検知がなされている場合、その金種のオーバーフロー硬 貨は同様にして選別孔43に落下される。

【００４３】 各選別孔42に落下された硬貨は、シュート51に案内されてそれぞれ金種ごとに 一時保留部61に重積状態で一時保留され、選別孔43に落下されたオーバーフロー 硬貨はシュート52を通じてコンベヤ71上に放出されて一時保留される。

【００４４】 また、識別部41で不適性硬貨として判別された硬貨は、硬貨通路13の送出通路 部20の末端近傍で硬貨搬送ベルト25から外れ、案内縁部23に案内されて自重転動 して硬貨受部３に戻される。

【００４５】 また、貯留繰出部12に残留する回転円盤14で送出されない残留物は、ホッパ15 の下端部の開閉板31が開かれて戻し口32から回収シュート33を通じて昇降装置34 のバケット35に放出され、バケット35が上昇して放出口36b から返却硬貨搬送ベ ルト37上に放出され、返却硬貨搬送ベルト37にて硬貨受部３に戻される。そして 、硬貨受部３は、入金硬貨が貯留繰出部12に放出された直後にシャッタ４が閉じ るとともに硬貨受収口２のシャッタが再度開放されており、この硬貨受部３へ戻 された不適性硬貨、貯留繰出部12から戻された残留物はいつでも取り出せる。

【００４６】 そして、入金が認められたとき、すなわち、入金承認釦操作時には、各一時保 留部61に保留された硬貨は、投出板45の後退と支承部材66の下降により、出金硬 貨収納投出部63の金種別収納筒部64内にそれぞれ重積収納され、また、コンベヤ 71上のオーバーフロー硬貨は、このコンベヤ71の駆動で硬貨回収箱75に放出収納 される。

【００４７】 また、入金が認められなかったとき、すなわち、入金返却釦操作時には、一時 保留枠62の移動により一時保留部61に一時保留されていた硬貨をコンベヤ71に放 出する。一時保留部61から放出された硬貨および硬貨コンベヤ71上に保留されて いたオーバーフロー硬貨は、コンベヤ71で貯留繰出部12に搬送され、この貯留繰 出部12から繰り出されて硬貨通路13を搬送され、送出通路部20の末端から硬貨受 部３に戻される。

【００４８】 次に、出金処理について説明する。

【００４９】 出金貨幣値（金額または金種と枚数）入力と出金操作指令に基づき、出金硬貨 収納投出部63の金種別収納筒部64に重積収納されている硬貨を投出板65にて順次 コンベヤ71上に放出する。出金貨幣値の硬貨の投出が終了した状態でコンベヤ71 が駆動される。コンベヤ71上に投出された硬貨は、コンベヤ71で貯留繰出部12に 搬送され、この貯留繰出部12から繰り出されて硬貨通路13を搬送される。硬貨通 路13を搬送される硬貨は、識別部41で判別されて、出金硬貨収納投出部63から投 出された金種と硬貨枚数が指定された出金貨幣値を構成する金種と硬貨枚数と合 うか照合される。識別部41で出金適正と判別された硬貨は、送出通路部20の末端 から硬貨受部３に投出される。

【００５０】 また、識別部41で異常と判別された異常硬貨は、選別孔44から落下され、シュ ート53を通じてリジェクト硬貨収納箱73の異常硬貨専用収納部に収納される。そ して、再度前記出金動作で異常硬貨として回収された金種の硬貨を出金し、識別 部41で金種と枚数を確認して硬貨受部３に投出される。

【００５１】 そして、出金硬貨の投出動作終了から所定時間後（出金硬貨すべてが硬貨受部 ３へ送られる所定時間後）に投出された金種と硬貨枚数が指定された出金貨幣値 を構成する金種と硬貨枚数に一致していることを条件として硬貨受入口２のシャ ッタが開かれ、出金硬貨の取出しが可能となる。また、出金硬貨の取出し後、所 定の時期に硬貨受入口２のシャッタが閉じられ、待機状態に復帰される。

【００５２】 なお、前記入金処理および出金処理において、硬貨受部３に戻された入金硬貨 、硬貨受部３に出金された出金硬貨などの取り忘れ硬貨は、貯留繰出部12から硬 貨通路13を経て選別孔44からシュート53を通じてリジェクト硬貨収納箱73に収納 （正常硬貨は正常硬貨収納部、異常硬貨は異常硬貨専用収納部に収納）される。

【００５３】 また、入金、出金処理毎に各金種別収納筒部64と硬貨回収箱75とへの硬貨出入 り量が図示しない制御装置にて演算されて記憶部に記憶され、機体１内の硬貨量 の在高管理が行なわれる。

【００５４】 次に、硬貨補充処理について説明する。

【００５５】 出金硬貨収納投出部63の各金種別収納筒部64のいずれかの金種別収納筒部64の 硬貨が所定量より減少した場合には、機体１に装着されている（または、必要に 応じて装着された）硬貨補充カセット81の減少した金種別収納筒部64に対応する 金種の１つの金種別補充硬貨収納部82のシャッタ83がソレノイド86で駆動され、 その金種別補充硬貨収納部82に収納されていた補充硬貨が一括放出され、図示し ないシュートに案内されてコンベヤ71上に供給される。

【００５６】 コンベヤ71に供給された硬貨は、コンベヤ71で貯留繰出部12に搬送され、この 貯留繰出部12から硬貨通路13に繰り出され、識別部41で判別されて、対応する金 種の選別孔42からシュート51を通じて金種別収納筒部64に補充収納される。この とき、投出板65は退避状態で硬貨は一時保留枠62に一時保留されることなく金種 別収納筒部64に収納される。

【００５７】 また、識別部41で異常硬貨と識別された硬貨は、選別孔44からシュート53を通 じてリジェクト硬貨収納箱73の異常硬貨専用収納部に収納される。

【００５８】 なお、硬貨補充カセット81に同一金種の硬貨を収納する金種別補充硬貨収納部 82が複数設けられている金種の硬貨を補充する場合は、予め設定されている順序 で放出されるようになっている。また、硬貨補充カセット81に収納されている硬 貨量については在高管理されず、硬貨補充カセット81から放出されて補充された 硬貨については入金処理の場合と同様に金種別収納筒部64に収納された硬貨量が 既に記憶している硬貨量に加算されて在高管理される。

【００５９】 また、硬貨補充カセット81の補充すべき金種の金種別補充硬貨収納部82が空の 場合（同一金種の金種別補充硬貨収納部82が複数あるものについては全てが空の 場合）、硬貨補充カセット81を引き抜いての硬貨装填、硬貨補充カセット81の装 着を行なうのでは時間がかかるが、硬貨直接投入部91を通じて必要とする金種硬 貨の緊急補充が迅速に行なえる。これは、機体１の後面扉を開き、硬貨補充カセ ット81の投入枠92を解錠して後方へ回動開放し、その投入枠92の投入通路部97に 補充すべき金種硬貨（複数金種必要な場合には複数金種混在状態）を投入するこ とにより、補充硬貨がシュート98を通じてコンベヤ71に放出され、このコンベヤ 71から貯留繰出部12、硬貨通路13を通じて、対応金種の選別孔42で分離されて金 種別収納筒部64へ収納される。なお、この場合も、異常硬貨はリジェクト硬貨収 納箱73の異常硬貨専用収納部に収納される。

【００６０】 以上は、入金出金処理の待機中の途中補充処理であるが、始業時の初期補充に ついても同様にして行なえる。その場合、各金種別収納筒部64は全て空であり、 硬貨補充カセット81の金種別補充硬貨収納部82の１個の収納量が、金種別収納筒 部64の１個の補充硬貨量に一致する量に決定されている。そして、金種別収納筒 部64の金種に相当する金種の１個の金種別補充硬貨収納部82から硬貨が、コンベ ヤ71、貯留繰出部12および硬貨通路13を通じて対応する金種別収納筒部64へ補充 され、次に、識別部41がその金種の硬貨を所定枚数ずつ計数した信号（この場合 は異常硬貨も計数して扱うものとする）に基づき、別の金種別収納筒部64へその 金種に対応する金種別補充硬貨収納部82の硬貨が補充され、こうした動作を一金 種ずつ繰り返して全ての硬貨の補充が行なわれ、出金処理、入金処理に備えられ る。その途中で生じる異常硬貨は、リジェクト硬貨収納箱73の異常硬貨専用収納 部に収納される。

【００６１】 なお、本実施例では、硬貨回収箱75は回収専用として使われるが、送出ベルト 76を備えているので、初期補充なり、途中補充に使用することもできる。

【００６２】 初期補充時は、硬貨回収箱75の送出ベルト76が駆動され、硬貨回収箱75に収納 されている硬貨が、貯留繰出部12および硬貨通路13を通じて対応する金種別収納 筒部64へ補充収納される。そして、金種別収納筒部64に満杯となった金種硬貨は 、選別孔43からシュート52を通じてコンベヤ71へ放出され、このコンベヤ71から 硬貨回収箱75に戻される。異常硬貨は、選別孔44からシュート53を通じてリジェ クト硬貨収納箱73の異常硬貨専用収納部に収納される。そして、硬貨回収箱75内 と各金種別収納筒部64内の残高確認がなされ、以後の入金、出金処理時の在高管 理が行なわれる。

【００６３】 途中補充時は、途中補充指令（金種別収納筒部64のいずれかから発する収納レ ベル減少信号と入金処理または出金処理の待機期間中であることの信号のアンド 条件）でもって、上述と同様に補充動作が行なわれる。

【００６４】 次に、機体１内の硬貨回収処理について説明する。

【００６５】 出金硬貨収納投出部63に収納されている硬貨が、投出板65でコンベヤ71に順次 投出され、硬貨回収箱75に収納される。

【００６６】 このようにして、機体１内の硬貨補充カセット81に残存する硬貨以外のすべて の硬貨が硬貨回収箱75に回収収納（正常硬貨は正常硬貨収納部、異常硬貨は異常 硬貨専用収納部に収納）され、硬貨回収箱75が機体１から取り出される。

【００６７】 次に、図１０および図１１は本発明の他の実施例を示し、この実施例では、硬 貨直接投入部91を機体１側に設けたものである。すなわち、機体１の後面の硬貨 補充カセット81の着脱部近傍に補充硬貨を機体１内に直接投入可能とする投入口 101 が設けられ、この投入口101 に臨んで投入口101 から投入された補充硬貨を コンベヤ71に導くシュート102 が設けられている。そして、この実施例の場合に も、前記実施例と同様の作用効果が期待できる。

【００６８】 なお、前記実施例において、コンベヤ71に一時保留硬貨、出金硬貨および補充 硬貨を放出する場合、コンベヤ71を停止状態としてもよく、また、硬貨が放出さ れるときに間欠的に駆動させて、硬貨がコンベヤ71に均等に載置されるようにし てもよい。

【００６９】 また、硬貨補充カセット81の金種別補充硬貨収納部82は出金硬貨収納投出部63 の金種別収納筒部64に対応して設ける必要はなく、追加補充を必要とする金種の 硬貨のみの金種別補充硬貨収納部82とすることもできる。

【００７０】 また、硬貨補充カセット81の金種別補充硬貨収納部82は適宜に金種の設定、変 更ができるようにすることもでき、さらに、硬貨補充カセット81の金種別補充硬 貨収納部82は一金種とすることもできる。

【００７１】 なお、前記実施例では、前記硬貨補充カセット81の金種別補充硬貨収納部82は 硬貨を重積収納するようにしたが、必ずしも整然と重積収納する筒状とする必要 はなく、単に箱形状の収納部とすることもできる。

【００７２】 さらに、前記実施例では、硬貨補充カセット81の放出手段のシャッタ83を駆動 させる駆動手段のソレノイド86は機体１に設けた構造としたが、硬貨補充カセッ ト81に設け、硬貨補充カセット81の機体１への装着により機体１側とコネクタな どにてソレノイド86が電気的に接続されるようにすることもできる。

【００７３】 また、前記実施例では、硬貨受収口２は入金口と出金口とを共通の入出金口と したが、入金口と出金口とをそれぞれ別に形成することもできる。

【００７４】 なお、前記実施例では、導入通路部17は上方へ向けて傾斜しているが、この構 成に限られるものではなく、分類通路部18のように略水平に延びるものでもよい 。

【００７５】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、初期補充時あるいは金種別収納筒部の硬貨が減 少した途中補充時に、機体に装着された硬貨補充カセットの金種別補充硬貨収納 部から補充を必要とする金種の硬貨のみを放出して、コンベヤおよび入金搬送系 を通じて対応する金種別収納筒部に補充するため、金種別収納筒部への硬貨補充 時間を短縮することができる。しかも、例えば出金金種がある金種に集中する等 に起因してその金種硬貨が硬貨補充カセットにも無くなった場合でも、補充硬貨 を硬貨直接投入部からシュートを通じてコンベヤへ直接投入することにより、コ ンベヤおよび入金搬送系を通じて対応する金種別収納筒部に緊急補充することが できる。

【００７６】 請求項２記載の考案によれば、請求項１記載の考案の効果に加えて、硬貨補充 カセットの金種別補充硬貨収納部は、硬貨を金種別に所定枚数ずつ区分収納され て一括放出が可能なため、補充を必要とする金種の補充硬貨のみが一括放出され 、対応する金種別収納筒部への硬貨補充時間をより短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の循環式硬貨入出金機の一実施例を示す
内部構造を説明する側面図である。

【図２】同上実施例の入金搬送系の側面図である。

【図３】同上実施例の図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】同上実施例の硬貨通路の一部の断面図である。

【図５】同上実施例の硬貨通路の一部の斜視図である。

【図６】同上実施例の図１のＢ−Ｂ断面図である。

【図７】同上実施例の図１のＣ−Ｃ断面図である。

【図８】同上実施例の図１のＤ−Ｄ断面図である。

【図９】同上実施例の硬貨補充カセットの斜視図であ
る。

【図１０】本考案の他の実施例を示す図１のＡ−Ａ断面
図に対応した断面図である。

【図１１】同上実施例の図１０のＥ−Ｅ断面図である。

【符号の説明】

１ 機体 11 入金搬送系 64 金種別収納筒部 71 コンベヤ 81 硬貨補充カセット 82 金種別補充硬貨収納部 91 硬貨直接投入部 98，102 シュート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体内に設けた金種別収納筒部から投出
   される出金硬貨を出金搬送系を通じて機体前面側の操作
   者へ搬送するとともに、機体前面側から操作者により投
   入される入金硬貨を入金搬送系を通じて金種識別して機
   体内に一時保留し、入金承認時に出金に使用する入金硬
   貨は対応する前記金種別収納筒部へ収納する循環式硬貨
   入出金機において、 前記機体背面側に着脱可能に設けられ、硬貨を金種別に
   所定枚数ずつ収納するとともにその収納硬貨の放出が可
   能な金種別補充硬貨収納部を備えた硬貨補充カセット
   と、 この硬貨補充カセットまたは前記機体に設けられ、機体
   内に硬貨を直接投入可能とする硬貨直接投入部と、 この硬貨直接投入部から直接投入される硬貨を案内する
   シュートと、 前記硬貨補充カセットから放出される硬貨および前記硬
   貨直接投入部から直接投入されてシュートで案内される
   硬貨を前記入金搬送系へ送り込むコンベヤとを備えたこ
   とを特徴とする循環式硬貨入出金機。
2. 【請求項２】 硬貨補充カセットは、硬貨を金種別に所
   定枚数ずつ区分収納するとともに収納硬貨の一括放出が
   可能な金種別補充硬貨収納部を備えたことを特徴とする
   請求項１記載の循環式硬貨入出金機。