JP3782139B2 - 無鉛ガソリン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な無鉛ガソリンに関し、詳しくは自動車の運転性能に優れ、さらに大気汚染の少ない無鉛ガソリンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車エンジンの高性能化に伴い、ガソリンの品質は、自動車の運転性に大きく影響する。特に、オクタン価の高低は、自動車の運転性と密接な関係があるため、市販ガソリンには軽質接触分解ガソリン、改質ガソリン、アルキレート、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)等の高オクタン価ガソリン基材を配合したものが多い。
一方、自動車排ガス中には環境汚染物質が含まれていることから、その低減化が求められて来ており、排ガス中のNOx、CO、HCについては、既にその規制が実施されている。最近ではこれらの汚染物質以外でも、人体に悪影響を及ぼす自動車排ガス成分が注目され、特に、排ガス中のベンゼンについては、その発ガン性が検討されている。また、米国では走行中の排出ガスだけではなく、エンジン停止時にガソリンが燃料タンクを含む燃料系統から蒸発して大気中に放出される、いわゆるエバポエミッションに対しても規制が導入されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況を鑑み、自動車ガソリンとして性能に優れるばかりでなく、排ガスに含まれる各種の有害成分(NOx、CO、HC、ベンゼン、オゾン生成能、エバポエミッション等)の量を低減させ得る環境対応型無鉛ガソリンを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る無鉛ガソリンは、下記の(1)〜(14)、10%留出温度(T10)及び30%留出温度(T30)の条件を満足するものであり、或は更にこれらの条件に加えて下記の(15)に示す条件を満たすものである。
(1)リサーチ法オクタン価が96以上
(2)硫黄含有量が10質量ppm以下
10%留出温度(T10)が40〜60℃
30%留出温度(T30)が60〜80℃
(3)50%留出温度が75〜100℃
(4)90%留出温度が110〜160℃
(5)蒸留終点が130〜210℃
(6)未洗実在ガムが20mg/100ml以下および洗浄実在ガムが3mg/100ml
(7)含酸素化合物含有量が酸素原子換算で0〜2.7質量%
(8)密度(15℃)が0.73〜0.77g/cm3
(9)総発熱量が40000J/g以上
(10)酸化安定度が480分以上
(11)銅板腐食(50℃、3h)が1
(12)ベンゼン含有量が0〜1容量%
(13)蒸気圧が60kPa以下
(14)芳香族分が35容量%以下
(15)オレフィン分が0〜15容量%
【0005】
以下本発明の無鉛ガソリンに課せられる諸条件に関して詳述する。
(1) 本発明の無鉛ガソリンは、リサーチ法オクタン価(RON)が96以上、好ましくは98以上、より好ましくは99.5以上、最も好ましくは100以上である。本発明の無鉛ガソリンにおいて、RONが96に満たない場合は、耐ノッキング性が悪くなり好ましくない。本発明の無鉛ガソリンでは、RONが96以上であると共に、モーター法オクタン価(MON)が86以上、好ましくは87.5以上、最も好ましくは88以上であることが望ましい。モーター法オクタン価が86に満たない場合は、高速走行中のアンチノック性が劣るからである。
ここで、リサーチ法オクタン価およびモ−タ−法オクタン価とは、それぞれ、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモ−タ−法オクタン価を意味する。
(2) 本発明の無鉛ガソリンは、硫黄分含有量がガソリン全量基準で、10質量ppm以下であることが必要である。硫黄分含有量が10質量ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。
ここで、硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄分を意味している。
本発明の無鉛ガソリンは、また、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状が、
(3)50容量%留出温度(T50):75〜100℃
(4)90容量%留出温度(T90):110〜160℃
(5)終点:130〜210℃
であることが必要である。
T50の下限値は75℃、好ましくは80℃であり、75℃に満たない場合は高温運転性に不具合が生じる可能性がある。一方、T50の上限値は100℃、好ましくは95℃、より好ましくは90℃であり、100℃を超える場合には、中低温運転性に不具合が生じる可能性がある。
T90の上限値は、160℃、好ましくは155℃、より好ましくは150℃、最も好ましくは145℃であり、160℃を越える場合は加速応答性に不具合が生じる、排出ガス中のHCの量が多くなる、排出ガスのオゾン生成能が高くなる、またベンゼン濃度が高くなるなどの可能性がある。またT90の下限値は110℃である。
蒸留終点の上限値は、210℃、好ましくは200℃、より好ましくは190℃、最も好ましくは180℃であり、終点が210℃を越える場合は吸気弁および燃焼室内にデポジットが増加する可能性があ理、またプラグのくすぶりが起きやすくなる可能性がある。蒸留終点の下限値は130℃である。
(6) 本発明の無鉛ガソリンは、JISK 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した未洗実在ガムが、20mg/100ml以下であって、洗浄実在ガムが3mg/100ml以下、好ましくは1mg/100ml以下であることが必要である。未洗実在ガムおよび洗浄実在ガムが上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入弁が膠着する心配がある。
(7) 本発明の無鉛ガソリンにおいて、含酸素化合物の含有量は無鉛ガソリン全量基準で酸素元素換算で0〜2.7質量%、好ましくは0〜2.0質量%であることが必要である。2.7質量%を越える場合は、無鉛ガソリンの燃費が悪化し、また排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。ここで含酸素化合物とは、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などを指す。本発明の無鉛ガソリンに配合可能な含酸素化合物としては、エタノール、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、エチルターシャリーブチルエーテル、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、ターシャリーアミルエチルエーテルなどがあり、なかでもMTBE、TAMEが好ましく、最も好ましくはMTBEである。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
(8) 本発明の無鉛ガソリンの密度(15℃)は、0.73〜0.77g/cm3であることが必要である。密度の下限値は0.73g/cm3、好ましくは0.735g/cm3であり、0.73g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、密度の上限値は0.77g/cm3、好ましくは0.76g/cm3であり、0.77g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。ここで、密度とは、JISK 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
(9) 本発明の無鉛ガソリンの、JISK 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」により測定した総発熱量は、40000J/g以上、好ましくは45000J/g以上であることが必要である。
(10) 本発明の無鉛ガソリンの、JISK 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した酸化安定度は、480分以上、好ましくは1440分以上であることが必要である。酸化安定度が480分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。
(11) 本発明の無鉛ガソリンは、銅板腐食(50℃、3h)が1、好ましくは1aであることが望ましい。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここで、銅板腐食とは、JISK 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定されるものである。
【0006】
(12)ベンゼン含有量に関する条件は、その量がガソリン全量基準で0〜1容量%、好ましくは0〜0.5容量%であることである。ここで言うベンゼンの含有量は、JIS K 2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」のガスクロマトグラフ法により測定される値である。
本発明の無鉛ガソリンにあっては、ベンゼン含有量を0〜1容量%とすることによって、排出ガス中のベンゼン濃度を低く抑えることができる。
(13)蒸気圧に関する条件は、その値が60kPa以下、最も好ましくは55kPa以下であることである。ここで、蒸気圧とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リ−ド法)」により測定される蒸気圧(リード蒸気圧(RVP))を意味する。
本発明の無鉛ガソリンでは、蒸気圧の値を60kPa以下とすることによって、ベーパーロックによる運転性の低下が抑止され、またエバポエミッションの量が抑えられる。
(14)芳香族分含有量に関する条件は、その量がガソリン全量基準で35容量%以下、好ましくは30容量%以下、より好ましくは25容量%以下であることである。ここで言う芳香族分含有量とは、JIS K 2536で規定されている「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法で測定される値を意味する。
本発明の無鉛ガソリンにあっては、芳香族分含有量を35容量%以下にすることによって、プラグのくすぶりを低減させ、排出ガスのオゾン生成能を抑制し、排出ガス中のベンゼン濃度を低減させるなどの効果を上げることができる。
本発明の無鉛ガソリンは、上記した全14条件、及び後述するように、10%留出温度(T10)及び30%留出温度(T30)の条件をすべて満たすと共に、或は更にこれらの条件に加えてオレフィン分含有量に関する条件(15)の付加的条件を満たしている。すなわち、本発明の無鉛ガソリンには、次のように上記の条件を組み合わせた各ガソリンが包含される。
(1)〜(14)+(T10)+(T30)
(1)〜(14)+(T10)+(T30)+(15)
以下に付加的条件(15)について詳述する。
(15)オレフィン分含有量に関する条件は、その量がガソリン全量基準で0〜15容量%、より好ましくは0〜10容量%、さらに好ましくは0〜5容量%であることである。ここで、オレフィン分含有量は、JIS K 2536で規定されている「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法で測定される値である。
本発明の無鉛ガソリンでは、オレフィン分含有量を0〜15容量%にすることによって、酸化安定性を損なうことなく、排出ガス中のNOx濃度を低く抑えることができる。
なお、本発明の無鉛ガソリンは、エチレン、プロピレン等の低級オレフィンや炭素数8以上のオレフィンを含有することもあるが、通常、本発明の無鉛ガソリンが含有するのは、炭素数4〜7のオレフィンであって、具体的には例えば、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、ペンテン(全ての異性体を含む)、ヘキセン(全ての異性体を含む)、ヘプテン(全ての異性体を含む)、シクロペンテン、メチルシクロペンテン(全ての異性体を含む)、ジメチルシクロペンテン(全ての異性体を含む)、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン(全ての異性体を含む)等である。
【0007】
本発明の無鉛ガソリンは、四エチル鉛などのアルキル鉛化合物を実質的に含有しないガソリンであり、たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合でも、その含有量はJIS K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分下限値以下である。
本発明の無鉛ガソリンは、上記した諸条件を満足することに加えて、当該ガソリンを燃料とするエンジンの高い運転性能を保証する上で、下記の式(1)
NDI=4E1+3E2+2E3−E4−4E5 (1)
(式中、E1、E2、E3、E4、E5はそれぞれ、JIS K 2254の蒸留試験によって得られる蒸留曲線から求められる、70℃未満の留分量(容量%)、70〜100℃の留分量(容量%)、100〜130℃の留分量(容量%)、130〜160℃の留分量(容量%)、160℃以上の留分量(容量%)を表す。)
で表される運転性指標NDIが、200以上、好ましくは225以上であることが望ましい。
そしてまた、本発明の無鉛ガソリンは、以下のような蒸留性状を有することが望ましい。
10容量%留出温度(T10):40〜60℃
30容量%留出温度(T30):60〜80℃
70容量%留出温度(T70):105〜130℃
なお、これらの値は前述したJIS K 2254によって測定された値を表す。
さらに、本発明の無鉛ガソリンは、灯油混入量が4容量%以下であることが望ましい。ここで、灯油混入量とは無鉛ガソリン全量基準での炭素数13〜14の炭化水素含有量(容量%)を表し、この量は以下に示すガスクロマトグラフィー法により定量して得られるものである。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウムまたは窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5ml/min、分割比1:50〜1:250、注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期カラム温度150〜250℃、検出器温150〜250℃の条件で測定した値である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の無鉛ガソリンは任意の方法で製造することができる。この際用いられるガソリン基材としては、具体的には例えば、任意の性状を有する、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ;接触分解法、水素化分解法などで得られる分解ガソリン;接触改質法で得られる改質ガソリン;オレフィンの重合によって得られる重合ガソリン;イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート;軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン;脱n−パラフィン油;ブタン;芳香族炭化水素化合物;プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分などが挙げられる。
典型的な配合例を示すと、本発明の無鉛ガソリンは、例えば
(1)改質ガソリン:0〜70容量%
(2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜120℃程度):0〜35容量%
(3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜200℃程度): 0〜45容量%
(4)分解ガソリン:0〜50容量%
(5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90℃程度):0〜45容量%
(6)アルキレート:0〜40容量%
(7)プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分:0〜30容量%
(8)異性化ガソリン:0〜30容量%
(9)MTBE:0〜15容量%
(10)軽質ナフサ:0〜10容量%
(11)ブタン:0〜10容量%
を調合することによって得ることができる。この場合、各調合基材の個々の配合量は、最終的に得られる無鉛ガソリンが、本発明で規定する諸条件を満足するように、上に示した範囲から選択されることはもちろんである。
また、本発明の無鉛ガソリンを製造するにあたって、ベンゼンの含有量を低減させる場合、その低減方法は任意であるが、特にベンゼンは改質ガソリン中に多く含まれていることから、改質ガソリンの配合割合を少なくすること、および
(1)改質ガソリンを蒸留してベンゼン留分を除去する
(2)改質ガソリン中のベンゼンをスルホラン等の溶剤を用いて抽出する
(3)改質ガソリン中のベンゼンを他の化合物に転化する
(A)ベンゼンを水素化しシクロヘキサン、メチルシクロペンタン等に転化する
(B)ベンゼンおよび炭素数9以上の芳香族炭化水素化合物とを反応させ、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等に転化する
(C)ベンゼンを低級オレフィン(エチレン、プロピレン等)または低級アルコール(メタノール、エタノール等)を用いてアルキル化する
(4)接触改質装置の原料として、炭素数6の炭化水素化合物を蒸留して除去した脱硫重質ナフサを用いる
(5)接触改質装置の運転条件を変更する
などの方法によって、改質ガソリン中のベンゼン濃度を低下させる処理を行い、これをガソリン基材として用いることなどが、好適なものとして挙げられる。
本発明の無鉛ガソリンは、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤を添加することが望ましい。なお、これらの清浄分散剤は空気中300℃熱分解をした場合に、残分が無いものが好ましい。
また、本発明の無鉛ガソリンには、必要に応じて、その他の公知の燃料油添加剤を添加することができる。この様な添加剤としては、具体的には例えばフェノール系、アミン系などの酸化防止剤;シッフ型化合物やチオアミド型化合物などの金属不活性化剤;有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールおよびそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;アルケニルコハク酸エステルなどのさび止め剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0009】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜11
まず、実施例、比較例で用いたガソリン基材の組成、性状を表1に示す。
【表1】
表1に示した各ガソリン基材を、表2〜表4に示すような配合割合で混合し、実施例、比較例の各試料油を調製した。各試料油の組成、性状を表2〜表4に示す。なお、比較例1のガソリンは、市販の一般的なガソリンに該当する。
これらの試料油を用いて、下記の運転性試験を行った。結果を表2〜表4に示す。
[加速性試験]
シャーシーダイナモ上で排気量2.0L、燃料噴射方式の車両を30km/h一定で走行し、スロットルを全開にして30km/h→100km/hの所要時間を求めた。
[応答性試験]
排気量2.0Lのエンジン単体を油水温80℃、回転数1200rpmで運転し、吸気圧を−66.7kPaから−40kPaに急開したときのトルク変化を測定した。スロットルを急開してからトルクが安定するまでの時間を応答時間として求めた。
【表2】
【表3】
【表4】
また、実施例、比較例の試料油を用いて、下記に示す方法により排出ガス中のベンゼン濃度、排出ガスのオゾン生成能、エバポエミッションの量、排出ガス中のNOx、CO、HCの量を測定した。
[ベンゼン排出量]
排気量2.0L、燃料噴射方式の車両を用いて、TRIAS 23−4−1991「ガソリン自動車アイドリングおよび10・15モード排出ガス試験方法」に準拠して10・15モードの排気ガスを測定した。採取した排出ガスを高沸点炭化水素用ガスクロマトグラフィーと低沸点炭化水素ガスクロマトグラフィーを用いて炭化水素成分分析した。この結果よりベンゼン排出量を求めた。結果を表5に示す。
【表5】
[排出ガスのオゾン生成能]
排気量2.0L、燃料噴射方式の車両を、TRIAS 23−4−1991「ガソリン自動車アイドリングおよび10.15モード排出ガス試験方法」に準拠して10・15モードの排気ガスを測定した。採取した排出ガスをガスクロマトグラフィーを用いて各炭化水素化合物の成分分析を行った。この分析結果より、SAE Paper 920325に記載の方法に準拠して、すなわち各炭化水素化合物成分の個々のオゾン生成能の値から、排出ガス全体のオゾン生成能の指標であるOFT−MIR、OFT−MOR、SR−MIR、SR−MORを求めた。結果を表6に示す。
【表6】
[エバポエミッション量]
10・15モード(TRIAS 23−4−1991)を3回運転し、燃料系大気開口部に取り付けたトラップの重量変化を測定した。これにより車両からの蒸発ガス量を測定した。結果を表7に示す。
【表7】
[排出ガス中のNOx、CO、HC濃度の測定方法]
排気量2.0L、燃料噴射方式の車両を用いて、TRIAS 23−4−1991「ガソリン自動車アイドリングおよび10・15モード排出ガス試験方法」に準拠して10・15モードの排気ガスを採取し、NOx、CO、HCの量を測定した。結果を表8に示す。
【表8】
Claims (2)
- 下記の条件を満たす無鉛ガソリン。
(1)リサーチ法オクタン価が96以上
(2)硫黄含有量が10質量ppm以下
10%留出温度(T10)が40〜60℃
30%留出温度(T30)が60〜80℃
(3)50%留出温度が75〜100℃
(4)90%留出温度が110〜160℃
(5)蒸留終点が130〜210℃
(6)未洗実在ガムが20mg/100ml以下および洗浄実在ガムが3mg/100ml以下
(7)含酸素化合物含有量が酸素原子換算で0〜2.7質量%
(8)密度(15℃)が0.73〜0.77g/cm3
(9)総発熱量が40000J/g以上
(10)酸化安定度が480分以上
(11)銅板腐食(50℃、3h)が1
(12)ベンゼン含有量が0〜1容量%
(13)蒸気圧が60kPa以下
(14)芳香族分が35容量%以下 - 更に下記の条件を満たす請求項1に記載の無鉛ガソリン。
(15)オレフィン分が0〜15容量%
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