JP5328585B2 - ガソリン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用燃料としてのガソリン組成物に関し、燃料消費率(燃費)に優れたガソリン組成物に関する。
近年の環境問題への意識の高まりから自動車排出ガスを低減することが求められてきており、燃料性状と自動車排出ガスの関係についての検討がなされている。その結果、自動車側においては高度な排出ガス浄化システムが開発・採用されつつある。また、燃料側の検討では、重質な燃料や硫黄分の高い燃料が排出ガスに悪影響を及ぼすことが知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。一方、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を低減する方策の一つとして、燃料消費率(燃費)に優れた自動車が求められていると同時に、燃料側でも優れた燃料消費率(燃費)を有する燃料が求められている。
亀岡ら,「自動車技術会学術講演会前刷集」,自動車技術会,1998年,No.88−98,9838985 「ガソリン車ワーキンググループJCAP成果報告(2)ガソリン車における自動車技術及び燃料性状が排出ガスに与える影響,JCAP成果発表会資料集(東京国際フォーラム)」,石油産業活性化センターJCAP推進室,平成10年9月30日
本発明は、環境負荷低減のために、従来のガソリン以上に優れた燃料消費率(燃費)を有し、二酸化炭素の排出を低減することができるガソリン組成物を提供するものである。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、ガソリン中の特定の組成比率を一定範囲内にしたガソリン組成物を用いた場合に、優れた燃料消費率(燃費)を有し、二酸化炭素の排出を低減することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、全ナフテン分/全パラフィン分が1.33〜8.0、リサーチ法オクタン価(RON)が89.0以上、モーター法オクタン価(MON)が80.0以上およびリード蒸気圧(RVP)が50〜93kPaであることを特徴とするガソリン組成物に関する。
(ここで、全ナフテン分/全パラフィン分は、全ナフテン分含有量(容量%)と全パラフィン分含有量(容量%)の比率を示す。)
また本発明は、蒸留性状として、10容量%留出温度(T10)が35〜70℃、50容量%留出温度(T50)が75〜110℃、90容量%留出温度(T90)が175℃以下であることを特徴とする前記記載のガソリン組成物に関する。
本発明のガソリン組成物は、自動車用燃料として、優れた燃料消費率(燃費)を有し、二酸化炭素の排出を低減することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明のガソリン組成物は、全ナフテン分/全パラフィン分が0.3〜8.0、リサーチ法オクタン価(RON)が89以上、モーター法オクタン価(MON)が80以上およびリード蒸気圧(RVP)が50〜93kPaであることが特徴である。ここでいう全ナフテン分/全パラフィン分とは、ガソリン組成物中の全ナフテン分含有量(容量%)と全パラフィン分含有量(容量%)の比率を示す。
全ナフテン分/全パラフィン分が0.3を下回ると容量発熱量当たりの燃費が低下し、二酸化炭素の排出を増加させる恐れがあるため好ましくなく、範囲の下限は0.35以上が好ましく、0.40以上がより好ましい。さらに、全ナフテン分/全パラフィン分が8.0を超えると、組成(全芳香族分、全ナフテン分、全パラフィン分、全オレフィン分)のバランスがくずれ、ガソリンの要望性状を保持できなくなり、JIS K 2202(自動車ガソリン)に規定される規格を満足できなくなる恐れがあるため好ましくなく、範囲の上限は7.8以下が好ましく、7.0以下がより好ましい。
なお、ここでいう全芳香族分、全ナフテン分、全パラフィン分、全オレフィン分は、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法」により測定されるガソリン中の芳香族分含有量(容量%)、ナフテン分含有量(容量%)、パラフィン分含有量(容量%)、オレフィン分含有量(容量%)を意味する。
本発明のガソリン組成物のリサーチ法オクタン価(RON)はノッキングを防止し、運転性向上の点から、89.0以上であることが必要であり、好ましくは90.0以上である。また、高速における耐ノッキング性能の悪化を防止する観点から、モーター法オクタン価(MON)は80.0以上が必要であり、好ましくは81.0以上である。
走行中にノッキングが発生すると、現在の市販車両ではノックセンサーがその発生を感知し、点火時期を遅角させることによりノッキングを回避させる。しかしながらこのような回避制御がなされると、エンジンの熱効率が低下し燃料消費率の悪化につながるため、ノッキングを防止できる範囲にRONおよびMONを調整することが望ましい。
ここでいうリサーチ法オクタン価(RON)およびモーター法オクタン価(MON)とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
本発明のガソリン組成物のリード蒸気圧(RVP)は、ガソリン組成物が使用される季節や地域によって50〜93kPaに調整することが必要である。この際、上限値は大気汚染の一因となる燃料蒸発エミッション低減およびベーパーロックなどによる運転性の不具合の防止の観点から、また下限値は低気温時の始動性確保の観点からさらに詳細に好ましい範囲を調整する必要がある。より具体的には、夏期(5月〜9月)には、RVPの下限値は、好ましくは50kPa以上、より好ましくは55kPa、さらに好ましいのは60kPa以上、上限値は、好ましくは65kPa以下である。一方、冬期(10月〜4月)には、RVPの下限値は、好ましくは55kPa以上、より好ましくは60kPa以上、さらに好ましくは65kPa以上、さらにより好ましくは70kPa以上、上限値は、好ましくは93kPa以下、さらに好ましくは85kPa以下、さらにより好ましくは78kPa以下である。
ここでいう蒸気圧(RVP)とは、JIS K 2258「原油及び石油製品−蒸気圧の求め方(リード法)」により測定される値(kPa)を指す。
本発明のガソリン組成物の硫黄分含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは10質量ppm以下であり、より好ましくは8質量ppm以下、さらに好ましくは5質量ppm以下である。硫黄分含有量が10質量ppmを超える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。
ここでいう硫黄分含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値(質量ppm)を意味する。
本発明のガソリン組成物の蒸留性状としては、下記の通りであることが好ましい。ここでいう蒸留性状とは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状を意味する。
蒸留初留点(IBP):20〜37℃
10容量%留出温度(T10):35〜70℃
50容量%留出温度(T50):75〜110℃
70容量%留出温度(T70):135℃以下
90容量%留出温度(T90):175℃以下
蒸留終点(EP):215℃以下
IBPは、好ましくは20℃以上、より好ましくは23℃以上、さらに好ましくは25℃以上である。IBPが20℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。一方、IBPは、好ましくは37℃以下、より好ましくは35℃以下、さらに好ましくは33℃以下である。IBPが37℃を超える場合には、低温運転性が低下する可能性がある。
T10は、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは45℃以上である。T10が35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性が低下する可能性がある。一方、T10は、好ましくは70℃以下、より好ましくは65℃以下、さらに好ましくは60℃以下、最も好ましくは55℃以下である。T10が70℃を超える場合には、低温始動性が低下する可能性がある。
T50は、好ましくは75℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは85℃以上である。T50が75℃に満たない場合は燃費が低下する可能性がある。一方、T50は、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは95℃以下である。T50が110℃を超える場合には、常温運転性が悪化する可能性がある。
T70は、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは125℃以下である。T70が135℃を超える場合は冷機時の中低温運転性が低下する可能性があり、また、排出ガス中の炭化水素の増加、吸気バルブデポジットの増加、燃焼室デポジットが増加する可能性がある。
T90は、冷機時の低温及び常温運転性の悪化、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、炭化水素排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジの発生等の現象を防止できる観点から、好ましくは175℃以下、より好ましくは170℃以下、さらに好ましくは165℃以下である。
EPは、好ましくは215℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは195℃以下である。EPが215℃を超えると、吸気弁デポジットや燃焼室デポジットが増加する可能性があり、また、点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。
ここでいうIBP、T10、T50、T70、T90、EPとは、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」により測定される値(℃)を意味する。
本発明のガソリン組成物の15℃における密度は、特に限定されるものではないが、0.710〜0.783g/cmであることが好ましい。ガソリン組成物の密度が0.710g/cmに満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.783g/cmを超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。かかる理由から、密度の下限は0.710g/cm以上が好ましく、0.735g/cm以上がより好ましく、0.740g/cm以上がさらに好ましい。密度の上限は0.783g/cm以下が好ましく、0.770g/cm以下がより好ましく、0.760g/cm以下がさらに好ましい。
ここでいう15℃における密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される値(g/cm)を意味する。
本発明のガソリン組成物中の灯油混入量は4容量%以下であることが望ましい。灯油混入量が4容量%を越えると、エンジンの始動性が悪化する可能性がある。
ここで、灯油混入量とはガソリン組成物全量基準で炭素数13及び14のノルマルパラフィン炭化水素の含有量で判定し、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定によって得られる灯油の換算値が4容量%以下であることを意味する。
本発明のガソリン組成物の鉛分は排出ガス浄化システムを保護する観点から、検出されないことが好ましく、四エチル鉛等のアルキル鉛化合物を実質的に含有しないことが好ましい。たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合であっても、その含有量はJIS K 2255「石油製品−ガソリン−鉛分試験方法」の適用区分下限値以下(0.001g/L以下)である。
本発明のガソリン組成物の酸化安定度は、特に限定されるものではないが、240分以上であることが好ましく、480分以上であることがより好ましく、1440分以上であることがさらに好ましい。酸化安定度が240分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。
ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値(分)を意味する。
本発明のガソリン組成物の未洗実在ガム量は、特に限定されるものではないが、20mg/100mL以下であることが好ましく、18mg/100mL以下がより好ましい。また洗浄実在ガム量は、3mg/100mL以下であることが好ましく、1mg/100mL以下であることがより好ましい。未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着する心配がある。
ここでいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値(mg/100mL)を意味する。
本発明のガソリン組成物は、銅板腐食(50℃、3時間)が1以下であるのが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を超える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
本発明のガソリン組成物は、一種又は二種以上のガソリン基材を配合し、所望により後述の清浄分散剤やその他の添加剤を添加することで調製することができる。
本発明のガソリン組成物に用いるガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造することができる。具体的には、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、重質ナフサ、重質ナフサを脱硫処理して得られる脱硫重質ナフサ、接触分解法で得られる接触分解ガソリン、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、オレフィン分の重合によって得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、脱ノルマルパラフィン油、ブタン、芳香族炭化水素化合物、パラフィン炭化水素化合物、ナフテン炭化水素化合物、オレフィン炭化水素化合物、ETBE(エチル−tert-ブチルエーテル)、プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分、ハイオクガソリン、合成原油ナフサ(オイルサンド油を熱分解プロセス等でアップグレーディング後、蒸留により得られたナフサ留分)、天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を一種又は二種以上を混合することで製造することができる。
典型的なガソリンの配合例を以下に記載する。ただし、各ガソリン基材の種類と個々の配合量は、最終的に得られるガソリンが本発明のガソリン組成物としての規定を満足するように調製される。
(1)改質ガソリン:0〜70容量%
(2)分解ガソリン:0〜80容量%
(3)アルキレート:0〜40容量%
(4)異性化ガソリン:0〜30容量%
(5)軽質ナフサ:0〜10容量%
(6)脱留重質ナフサ:0〜20容量%
(7)ブタン:0〜10容量%
本発明のガソリン組成物は、含酸素化合物を含有していてもよい。
含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert-ブチルエーテル(MTBE)、エチル−tert-ブチルエーテル(ETBE)、tert-アミルメチルエーテル(TAME)、tert-アミルエチルエーテルなどを挙げることができる。なかでもエタノール、MTBE、ETBEが好ましい。特に、製造時の二酸化炭素排出量など環境への影響を考慮すると、バイオマス由来のエタノール、バイオマス由来のエタノールを原料として製造したETBEを好ましく使用することができる。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定により試験したときに検出されない(0.5容量%以下)ことが好ましい。またこれらの化合物は本来原料中に含まれているもので、1種又は2種以上のガソリン基材を混合して目的の性状のガソリンを調製する工程でその含有量が決まる。
含酸素化合物の含有量は、ガソリン組成物中の含酸素率でその上限が2.7質量%であることが好ましく、更に好ましくは2.0質量%、更に好ましくは1.3質量%である。2.7質量%を超える場合は、排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
本発明のガソリン組成物は、清浄分散剤を含有していてもよい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤として公知の化合物を用いることができる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが望ましい。好ましくはポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンを使用するのが良い。清浄分散剤の添加により吸気バルブデポジットを防止することができる。清浄分散剤の含有量はガソリン全量基準で25〜1000mg/Lであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止する点から、50〜500mg/Lがさらに好ましく、100〜300mg/Lが最も好ましい。
本発明のガソリン組成物に添加することができるその他の燃料油添加剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤、有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類、アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤、ソルビタンエステル類等の水抜き剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油合成香料などの着臭剤、高級カルボン酸モノグリセリドや高級カルボン酸のアミド化合物の混合物などの摩擦調整剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン組成物全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1〜2、参考例1〜3および比較例1〜3]
分解ガソリン、改質ガソリン、トルエン、キシレン、ブタン、アルキレート、軽質直留ナフサ(ラフィネート)、芳香族炭化水素化合物、パラフィン炭化水素化合物、ナフテン炭化水素化合物、オレフィン炭化水素化合物、ETBE(エチル−tert-ブチルエーテル)、合成原油ナフサなどの基材を各々配合して実施例1〜2および参考例1〜3のガソリンを調製した。一方、比較例1〜3は重質直留ナフサ、軽質直留ナフサ(ラフィネート)、分解ガソリン、改質ガソリン、トルエン、キシレン、ブタン、アルキレート、芳香族炭化水素化合物、パラフィン炭化水素化合物、ナフテン炭化水素化合物、ETBE(エチル−tert-ブチルエーテル)などの基材を各々配合して調製した。
また、得られた各ガソリン組成物を用いて、以下の性状測定、燃費試験を行い、燃料の評価を実施した。結果を表1(基材性状)、表2(基材配合割合)、表3(ガソリン性状及び燃費試験結果)に示す。
(性状測定)
本実施例および比較例におけるガソリン組成物の性状は以下の方法により測定した。
オクタン価(RON)は、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価を指す。
オクタン価(MON)は、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるモーター法オクタン価を指す。
リード蒸気圧(RVP)は、JIS K 2258「原油及び石油製品−蒸気圧の求め方(リード法)」により測定される値(kPa)を指す。
蒸留性状(T10、T50、T90)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値を指す。
全芳香族分、全ナフテン分、全パラフィン分は、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法」により測定されるガソリン中の芳香族分含有量、ナフテン分含有量、パラフィン分含有量を指す。全ナフテン分/全パラフィン分は、前記の測定方法で得られたナフテン分含有量(容量%)をパラフィン分含有量(容量%)で割った値を指す。
(燃費試験方法)
(1)燃料消費率(燃費)の測定
(a)車両諸元
燃料消費率(燃費)の測定に、下記に示すガソリンエンジン搭載車両を用いた。
車両A諸元
エンジン:直列3気筒、排気量0.66L、筒内直接燃料噴射装置
トランスミッション:オートマチックトランスミッション
駆動方式:前輪駆動
車両B諸元
エンジン:直列4気筒、排気量2.0L、電子制御燃料噴射装置
トランスミッション:オートマチックトランスミッション
駆動方式:前輪駆動
車両C諸元
エンジン:直列4気筒、排気量1.5L、電子制御燃料噴射装置
トランスミッション:CVT
駆動方式:前輪駆動
(b)測定方法
上記諸元の車両A、B、Cを用いて、燃料消費率(燃費)を測定した。測定はJIS D 1012−2005「自動車―燃料消費率試験方法」に従って、10・15モードで実施し、燃料消費率(燃費)(km/L)の値を求めた。
(2)容量発熱量
JIS K 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」によって測定される総発熱量の値(J/g)を得て、この値を1000で割って単位を換算する(MJ/kg)。容量発熱量は、この換算値に、JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」により測定される15℃における密度の値をかけた値である(MJ/L)。
(3)容量発熱量当たりの燃費の算出方法
容量発熱量当たりの燃費は、燃料消費率(燃費)の値を容量発熱量の値で割った値(km/MJ)である。なお、容量発熱量当たりの燃費は大きい値の方が燃料消費率(燃費)が優れていることを示す。
(4)容量発熱量当たりの燃費変化率の算出方法
参考例1、2それぞれの容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)から比較例1の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)を引いた値を比較例1の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)で割った値に100を掛けた値を参考例1、2それぞれの容量発熱量当たりの燃費変化率(%)とした。同様に、参考例3の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)から比較例2の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)を引いた値を比較例2の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)で割った値に100を掛けた値を参考例3の容量発熱量当たりの燃費変化率(%)とした。また、実施例1、2それぞれの容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)から比較例3の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)を引いた値を比較例3の容量発熱量当たりの燃費(km/MJ)で割った値に100を掛けた値を実施例1、2それぞれの容量発熱量当たりの燃費変化率(%)とした。
なお、容量発熱量当たりの燃費変化率は大きい値の方が燃料消費率(燃費)が優れていることを示す。
試験結果を表3に示す。RONが異なる燃料においては、車両のノッキング発生頻度が異なり燃費に影響をおよぼす可能性があるが、ほぼリサーチ法オクタン価(RON)が等しい場合はそのような影響は考えられない。しかしながら表3の試験結果から、本発明のガソリン組成物(実施例1〜)を用いた場合は、ほぼリサーチ法オクタン価(RON)が等しい比較例1〜3のガソリン組成物と比べて、容量発熱量当たりの燃費及び容量発熱量当たりの燃費変化率が大きいことがわかる。すなわち、全ナフテン分/全パラフィン分の値が1.33以上、リサーチ法オクタン価(RON)が89以上、モーター法オクタン価(MON)が80以上およびリード蒸気圧(RVP)が50〜93kPaであるガソリン組成物が、燃料消費率(燃費)に優れたガソリンであることがわかる。
ここで「ほぼRONが等しい」とはJIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により規定されるリサーチ法オクタン価の室間再現許容差以内のオクタン価を持つ2燃料をさす。
Figure 0005328585
Figure 0005328585
Figure 0005328585
本発明のガソリン組成物は、従来のガソリン以上に優れた燃料消費率(燃費)を有し、二酸化炭素の排出を低減することができるため、環境負荷低減のために有用である。

Claims (2)

  1. 全ナフテン分/全パラフィン分が1.33〜8.0、リサーチ法オクタン価(RON)が89.0以上、モーター法オクタン価(MON)が80.0以上およびリード蒸気圧(RVP)が50〜93kPaであることを特徴とするガソリン組成物。
    (ここで、全ナフテン分/全パラフィン分は、全ナフテン分含有量(容量%)と全パラフィン分含有量(容量%)の比率を示す。)
  2. 蒸留性状として、10容量%留出温度(T10)が35〜70℃、50容量%留出温度(T50)が75〜110℃、90容量%留出温度(T90)が175℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のガソリン組成物。
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